以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
全体の概略構成を示す図1において、パチンコホール内に設置された多数台のパチンコ遊技機1は、具体的には図示しないが、通常の入賞孔の他に、動作状態で入賞率が極端に高くなる電気役物を備えた特賞用入賞孔と、パチンコ玉が入賞したときに上記電気役物を所定の確率(パチンコ遊技機1の機種によっては不確定の確率)で動作状態に切り換えるためのスタート入賞孔とを備えた周知の構成となっている。
このパチンコ遊技機1は、遊技に伴うアウト玉数及びセーフ玉数をそれぞれ示すアウト玉数信号及びセーフ玉数信号、前記電気役物の動作状態つまり特賞状態が発生したことを示す特賞信号、前記スタート入賞孔へのパチンコ玉の入賞に応じたスタート信号をそれぞれリアルタイムに出力する構成となっており、それらの信号は、集中管理コンピュータ2(本発明でいうデータ記憶手段に相当)に与えられるようになっている。尚、上記特賞信号は、この実施例ではパチンコ遊技機1が特賞状態にある期間中継続して出力される構成となっているが、特賞発生時点で特賞発生信号を出力し、特賞終了時点で特賞終了信号を出力する構成も可能である。
上記集中管理コンピュータ2は、パチンコ遊技機1群から入力される上述のような各信号に基づいて、パチンコ遊技機1毎の管理データ(アウト玉数及びセーフ玉数の差、出玉率、特賞回数など)の演算機能及びその演算結果に基づいたパチンコ遊技機1の打止制御機能を備えた周知構成のものである。この場合、集中管理コンピュータ2にあっては、以下に述べるような管理データを、当日及び過去の所定日数分にわたって累積記憶する構成となっている。
即ち、集中管理コンピュータ2には、図16のようなフォーマットの管理データファイルがパチンコホールの営業日毎に区分けされた状態で設定されている。この図16の例は、1日分の管理データを示すものであり、営業日を示す年月日データ及びパチンコホール内の全部のパチンコ遊技機1の台番号を示すデータに対応付けて、パチンコ遊技機1に関する数値データΔDを記録した構成となっている。この場合、上記数値データΔDは、当日分におけるパチンコ遊技機1毎の累計アウト玉数、累計セーフ玉数、累計スタート回数(スタート信号の入力回数)、累計特賞回数(特賞信号の入力回数)、累計打止回数、出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用のデータD1〜Dnを羅列した構成となっている。尚、図16中の「χ」は、この実施例の場合、任意の十進数(実際には4ビットの2進)が入るという意味であり、以下の説明で出現する「χ」も同様の意味を示すものである。
上記出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dnは、対応するパチンコ遊技機1において特賞が発生する毎に作成されるデータであり、特賞発生時点における累計アウト玉数a及び差玉数b(アウト玉数−セーフ玉数)と、特賞終了時点における累計アウト玉数c及び差玉数dとを組み合わせた構成となっている。尚、データDnは、当日におけるn回目の特賞発生時点でのデータであることを示している。
図1に翻って、情報提供端末機3はパチンコホール内の適宜場所に設置されるもので、パチンコ遊技機1に関する前記管理データを前記集中管理コンピュータ2から選択的に読み出して表示できる構成となっている。この情報提供端末機3は、CRTディスプレイ或いは液晶ディスプレイパネルなどより成る比較的大形の表示部3a、キーボードより成る操作部3b、会員登録された遊技客が携帯した会員カード(図示せず)の記録データを読み込むためのカードリーダ3c、後述する携帯型端末機4との間でデータの送受信を行うための入出力回路3d、当該携帯型端末機4が接続されるインタフェース部3e、表示部3aの表示制御や携帯型端末機4との間のデータ送受信制御を行うためのCPUを含んで成る制御部3fを備えた構成となっている。尚、携帯型端末機4は、会員登録された遊技客のうち希望者に対して、例えば有料或いは無料で貸与されるものであり、それぞれに固有のIDコードが設定されている。
パチンコホール内の適宜に分散した複数箇所には、携帯型端末機4を接続可能な複数の外部インタフェース部5が設置されており、これらの外部インタフェース部5は、LAN(構内情報通信網)を介して情報提供端末機3の入出力回路3dに接続されている。さらに、情報提供端末機3には、パチンコホール外の携帯型端末機4からもモデム6及びVAN(付加価値通信網)7を介してアクセスできる構成となっている。
この場合、情報提供端末機3が有する制御部3fは、適正な会員カードがカードリーダ3cにセットされた状態で、集中管理コンピュータ2側に記憶された管理データを読み出して表示部3aに表示可能なスタンバイ状態に切り換わると共に、このスタンバイ状態では、操作部3bを通じた操作に応じて上記管理データを表示部3aに種々の態様で表示させる制御を行う構成となっており、これにより予め会員登録された遊技客の便宜を図るようになっている。
また、上記制御部3fは、前記インタフェース部3e、外部インタフェース部5に携帯型端末機4がセットされた状態、並びに携帯型端末機4からモデム6及びVAN7を介してアクセスされた状態で、当該携帯型端末機4との間でデータ授受可能な状態に切換わる構成となっている。そして、制御部3fは、上述のような表示制御の他に、携帯型端末機4との間のデータ送受信制御を行う構成となっており、以下においては、その送受信制御の内容について図13〜図15を参照しながら説明する。
図13には、制御部3fに設定された送受信制御ルーチンの内容が示されている。但し、この図13では、当該送受信制御ルーチンが他の制御ルーチンと並列処理にて実行されることを前提として表現されている。
図13において、送受信制御ルーチンでは、携帯型端末機4からのリクエストデータの入力の有無を判断し(ステップA1)、入力があるまで待機状態を保持する。
この場合、携帯型端末機4から送信されてくるリクエストデータRD(本発明でいう指令信号に相当)は、図14(a)に示すようなフォーマットのデータであるが、制御部3fには、上記のようなリクエストデータRDに対し、その送信源となった携帯型端末機4が接続されたインタフェース部3e或いは外部インタフェース部5、若しくはVAN7を通じてアクセスしたモデム6を特定するための端末が付加された状態の図14(b)に示すようなリクエストデータRD′が入力される構成となっている。
つまり、上記リクエストデータRDは、図14(a)に示すように、自身の識別コードと、携帯型端末機4に固有のIDコードと、当該携帯型端末機4側で指定されたn個の台番号データと、エンドコードとを組み合、モデム6の何れか)を特定するための端末コードが付加された状態の図14(b)にわせたデータであるが、制御部3fに対しては、斯様なリクエストデータRDに、上記携帯型端末機4が実際に接続された端末(インタフェース部3e、外部インタフェース部5示すようなフォーマットのリクエストデータRD′が制御部3fに入力されることになる。
しかして、送受信制御ルーチンにおいて、リクエストデータRD′が入力されたときには、ID照合ルーチンA2を実行する。このとき、図示しないが、制御部3fは、全部の携帯型端末機4についてのIDコード、使用有効期限データ、盗難にあった場合などにセットされる無効フラグなどを記録した会員マスタデータファイルを備えており、上記ID照合ルーチンA2では、入力されたリクエストデータRD′中のIDコードと、上記会員マスタデータファイル中のIDコード及びこれに付随したデータとを照合するものである。尚、会員マスタデータファイルは、集中管理コンピュータ2側に記憶しておく構成であっても良い。
上記ID照合ルーチンA2の実行後には、その照合内容に基づいて、前記リクエストデータRD′の送信源となった携帯型端末機4が有効なものか否かを判断する(ステップA3)。尚、このステップA3では、前記会員マスタデータファイル中に、入力されたIDコードと同じIDコードが存在し、且つ当該IDコードに対応した有効期限が満了していないと共に、無効フラグがセットされていない場合に、携帯型端末機4が有効であると判断するようになる。
ステップA3で「NO」と判断した場合には、リクエストデータRDの送信源となった携帯型端末機4に対し、不許可信号を送信するステップA4を実行し、この後に前記判断ステップA1へ戻る。尚、この不許可信号の送信先は、リクエストデータRD′中の端末コードに基づいて決められる。
これに対して、ステップA3で「YES」と判断した場合には、データ作成ルーチンA5、データ送信ルーチンA6を順次実行した後に判断ステップA1へ戻る。
上記データ作成ルーチンA5では、集中管理コンピュータ2側に記憶されている管理データファイル(図16参照)から、入力されたリクエストデータRD′中の台番号データにより指定された台番号に対応した数値データΔDを読み出し、その読み出しデータΔDに基づいて図15に示すようなフォーマットの返信データΔAを作成する。
つまり、上記返信データΔAは、図15(a)に示すように、自身の識別コードと、リクエストデータRD′中の端末コード及びIDコードと、当該リクエストデータRD′により指定された台番号に対応した返信用数値データとエンドコードとを組み合わせたデータとなっている。
上記返信用数値データは、図15(b)に示すように、台番号を示すデータに対応付けて、日付データと、その日付データに対応した営業日における上記台番号のパチンコ遊技機1での累計スタート回数、累計特賞回数、出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dnとの組み合わせデータを、例えば当日を含む過去3日分について羅列した構成となっている。
そして、前記データ送信ルーチンA6では、上記のように作成した返信データΔAを、当該返信データ中の端末コードにより特定される端末(インタフェース部3e、外部インタフェース部5、VAN7に接続されたモデム6の何れか)に対して送信するものであり、これにより当該返信データΔAがリクエストデータRDの送信源となった携帯型端末機4へアンサバックされることになる。
さて、図2には、携帯型端末機4の構成が概略的に示されている。この図2において、携帯型端末機4は、液晶ディスプレイパネルより成る比較的小形の表示部4a、この表示部4aの表示画面上に設定された例えばマトリックス方式のタッチパネルスイッチよる成る操作部4b、例えばRAMより成る記憶部4c、前記情報提供端末機3との間でのデータの送受信を行うための通信部4d、電源スイッチ4e、表示部4aの表示制御や上記データ送受信制御を行うためのCPUを含んで成る制御部4fを備えた構成となっている。尚、上記操作部4bは、ペン或いは指などにより操作されるものである。
図3〜図5には、上記制御部4fによる制御内容が示されており、以下これについて関連した部分の作用と共に説明する。
図3において、電源スイッチ4eにより電源が投入されたときには、表示部4aに対して図7に示すような初期画面を表示する(ルーチンB1)。具体的には、この初期画面には、携帯型端末機4の愛称を表現した「Pocket Robo」の文字a1 、処理メニューを示す「データ照会」、「プリセット登録」の各文字a2 、a3 が表示される。
この場合、文字a2 、a3 に対応した部分が押圧操作されたときには、その押圧操作箇所が前記操作部4bを構成するタッチパネルスイッチにより特定されるようになっており、操作部4bにあっては、上記のような押圧操作箇所が、それぞれデータ照会スイッチ(文字a2 部分)、プリセット登録スイッチ(文字a3 部分)として機能するようになっている。
上記初期画面の表示状態では、当該携帯型端末機4がインタフェース部3e、外部インタフェース部5及びVAN7の何れかに接続された状態になるまで、若しくはデータ照会スイッチ(文字a2 部分)を通じたデータ照会操作及びプリセット登録スイッチ(文字a3 部分)を通じたプリセット登録操作の何れかが行われるまで待機する(ステップB2〜B4)。
初期画面表示状態で、携帯型端末機4がインタフェース部3e、外部インタフェース部5及びVAN7の何れかに接続された状態となったとき(ステップB4で「YES」)には、表示部4aに対して図8に示すようなデータ収集画面を表示するルーチンB5を実行する。
具体的には、このデータ収集画面には、「データ収集」の文字b1 、データ収集対象となるパチンコ遊技機1の台番号b2 (例えば最大で10個)、テンキースイッチを示す「0」から「9」までの数字列b3 、前記台番号b2 群のうちの一つを指し示すためのカーソル(この例では台番号b2 の反転表示によるカーソル)用のカーソル移動キースイッチを示すアイコンb4 、「プリセット」、「実行」、「終了」の各文字b5 、b6 、b7 が表示される。
この場合、数字列b3 、文字b4 、b5 、b6 、b7 に対応した部分が押圧操作されたときには、その押圧操作箇所が前記操作部4bを構成するタッチパネルスイッチにより特定されるようになっており、操作部4bにあっては、上記のような押圧操作箇所が、それぞれテンキースイッチ(文字b3 部分)、カーソル移動キースイッチ(文字b4 部分)、プリセットスイッチ(文字b5 部分)、実行スイッチ(文字b6 部分)、終了スイッチ(文字b7 部分)として機能するようになっている。
上記データ収集画面の表示状態では、台番号入力処理ルーチンB6を実行する。このルーチンB6では、テンキースイッチ(文字b3 部分)を通じて3桁の数字が入力される毎に、その数字を台番号b2 としてデータ収集画面中に表示させる。但し、このような数字入力操作は、台番号b2 の表示エリア中においてカーソルが位置された部分に対してのみ有効な構成となっている。また、データ収集画面中に表示できる台番号b2 は10個であるが、11個以上の台番号を入力可能として、それらを次画面で表示できるようにしても良い。
上記のような台番号入力処理ルーチンB6は、実行スイッチ(文字b6 部分)を通じた実行操作、プリセットスイッチ(文字b5 部分)を通じたプリセット選択操作、終了スイッチ(文字b7 部分)を通じた終了指定操作の何れかが行われるまで反復される(ステップB7〜B9)。そして、終了指定操作が行われたとき(ステップB9で「YES」)には、初期画面表示ルーチンB1へ戻る。
また、テンキースイッチ(文字b3 部分)を通じて入力された台番号があるか否か、つまりデータ収集画面中に台番号b2 が表示されているか否かを判断する(ステップB10)。ここで「NO」と判断した場合には、データ収集画面中に、例えば「該当データがありません」のメッセージを所定時間だけ表示する表示ステップB11を実行した後に、前記台番号入力処理ルーチンB6へ戻る。
これに対して、ステップB10で「YES」と判断した場合には、リクエストデータ作成ルーチンB12、リクエストデータ送信ルーチンB13を順次実行する。この場合、上記リクエストデータ作成ルーチンB12では、入力された台番号に対応した台番号データを含む前記図14(a)のようなフォーマットのリクエストデータRDを作成し、また、リクエストデータ送信ルーチンB13では、このように作成されたリクエストデータRDを、自身が接続された端末(インタフェース部3e、外部インタフェース部5及びモデム6)を通じて情報提供端末機3へ送信する。
上記リクエストデータ送信ルーチンB13の実行後には、情報提供端末機3から返信データΔA及び不許可信号の何れかがアンサバックされるまで待機する (ステップB14、B15)。このとき、不許可信号がアンサバックされたときには、データ収集画面中に、例えば「該当データがありません」のメッセージを所定時間だけ表示する表示ステップB16を実行した後に、台番号入力処理ルーチンB6へ戻る。
これに対して、返信データΔAを受信した場合には、データ記憶処理ルーチンB17を実行した後に、図4の一覧画面表示ルーチンB20へ移行する。このデータ記憶処理ルーチンB17では、記憶部4c中に設定された図6のようなフォーマットの表示用データファイル中に、受信した返信データΔAから得たデータを記憶する。具体的には、この表示用データファイルは、営業日を示す年月日データ及び受信した返信データΔAに含まれる台番号データに対応付けて、累計スタート回数、累計特賞回数、出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dnを羅列した構成となっている。
一方、データ収集画面の表示状態で、プリセット選択操作が行われた場合(ステップB8で「YES」)には、記憶部4cに設定された台番号登録エリア中にプリセットデータ(後述のようなプリセット登録操作により登録された台番号データ)が登録されているか否かを判断し(ステップB18)、プリセットデータが登録されていない場合には、前記メッセージ表示ステップB16を実行した後に、台番号入力処理ルーチンB6へ戻る。
これに対して、プリセットデータが登録されていた場合には、登録されている台番号データを含む前記図14(a)のようなフォーマットのリクエストデータRDを作成するリクエストデータ作成ルーチンB19を実行した後に、前記リクエストデータ送信ルーチンB13以降の制御を実行する。
図4において、前記データ記憶処理ルーチンB17に引き続いて実行される一覧画面表示ルーチンB20は、前記ステップB2で「YES」と判断された場合、つまり、初期画面表示状態でデータ照会スイッチ(文字a2 部分)を通じたデータ照会操作が行われたときにも実行される構成となっている。
この一覧画面表示ルーチンB20では、表示部4aに対して図9に示すような一覧画面を表示する。具体的には、この一覧画面には、「大当たり回数/特賞確率」の文字c1 、前記表示用データファイル(図6参照)の記憶データに基づいて作成した大当たりデータΔF群、「次画面」、「出玉」、「履歴」、「終了」の各文字c2 、c3 、c4 、c5 、上記大当たりデータΔF群のうちの一つを指し示すための三角形状のカーソルc6 用のカーソル移動キースイッチを示すアイコンc7 が表示される。
この場合、文字c2 、c3 、c4 、c5 、c7 に対応した部分が押圧操作されたときには、その押圧操作箇所が前記操作部4bを構成するタッチパネルスイッチにより特定されるようになっており、操作部4bにあっては、上記のような押圧操作箇所が、それぞれ次画面選択スイッチ(文字c2 部分)、出玉推移グラフ選択スイッチ(文字c3 部分)、特賞履歴データ選択スイッチ(文字c4 部分)、終了スイッチ(文字c5 部分)、カーソル移動キースイッチ(文字c7 部分)として機能するようになっている。
また、上記大当たりデータΔFは、表示用データファイル(図6参照)に記憶された台番号データに対応させて、当該台番号のパチンコ遊技機1での特賞発生回数(大当たり回数)及び特賞確率(累計特賞回数を累計スタート回数で除算した値)を、当日を含む過去3日分について羅列した状態となっている。尚、この大当たりデータ中に、台番号データと対応付けて当該台番号のパチンコ遊技機1の機種名を同時に表示する構成としても良い。但し、この場合には、例えば情報提供端末機3からの返信データΔA中に機種名に関するデータを含ませるなどの構成が必要となる。
上記一覧画面の表示状態では、次画面選択スイッチ(文字c2 部分)を通じた次画面選択操作、出玉推移グラフ選択スイッチ(文字c3 部分)を通じた出玉推移グラフ選択操作、特賞履歴データ選択スイッチ(文字c4 部分)を通じた特賞履歴データ選択操作、終了スイッチ(文字c5 部分)を通じた終了指定操作の何れかが行われるまで待機する(ステップB21〜B24)。そして、終了指定操作が行われたとき(ステップB24で「YES」)には、図3の初期画面表示ルーチンB1へ戻る。
また、一覧画面の表示状態で、次画面選択操作が行われたとき(ステップB21で「YES」)には、表示用データファイル中に、上記一覧画面に未表示の台番号データがある場合に、その台番号データに対応した大当たりデータΔFを既表示のデータに変えて表示し(ステップB25)、この後にステップB21へ戻る。
一覧画面の表示状態で、出玉推移グラフ選択操作が行われた場合(ステップB22で「YES」)には、表示部4aに対して図10に示すような出玉推移グラフ画面を表示する(ルーチンB26)。具体的には、この出玉推移グラフ画面には、「出玉推移グラフ」の文字d1 、前記表示用データファイル(図6参照)の記憶データに基づいて作成した出玉推移グラフΔG、「次画面」、「一覧」、「履歴」、「終了」の各文字d2 、d3 、d4 、d5 が表示される。
この場合、文字d2 、d3 、d4 、d5 に対応した部分が押圧操作されたときには、その押圧操作箇所が前記操作部4bを構成するタッチパネルスイッチにより特定されるようになっており、操作部4bにあっては、上記のような押圧操作箇所が、それぞれ次画面選択スイッチ(文字d2 部分)、一覧データ選択スイッチ(文字d3 部分)、特賞履歴データ選択スイッチ(文字d4 部分)、終了スイッチ(文字d5 部分)として機能するようになっている。
また、上記出玉推移グラフΔGは、表示用データファイル(図6参照)に、台番号データと対応した状態で記憶された出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dnに基づいて作成されるもので、それらのデータD1〜Dnのうち当日分の各データについて1画面分ずつの出玉推移グラフΔGを得るようになっている。この場合、出玉推移グラフΔGは、出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dn中の特賞発生時点及び特賞終了時点の各累計アウト玉数データを横軸とし、特賞発生時点及び特賞終了時点の各差玉数データを縦軸として作成されるものであり、このグラフΔGからはパチンコ遊技機1における出玉の推移状態が一目で分かるようになる。
尚、出玉推移グラフΔGには該当するパチンコ遊技機1の台番号データが表示されるものであるが、このグラフΔG中に、上記台番号データと対応付けて当該台番号のパチンコ遊技機1の機種名を同時に表示する構成としても良い。また、出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dnは当日を含む過去3日分のデータであるから、3日分の出玉推移グラフを一度に表示する構成とすることも可能である。
上記出玉推移グラフ画面の表示状態では、次画面選択スイッチ(文字d2 部分)を通じた次画面選択操作、一覧データ選択スイッチ(文字d3 部分)を通じた一覧データ選択操作、特賞履歴データ選択スイッチ(文字d4 部分)を通じた特賞履歴データ選択操作、終了スイッチ(文字d5 部分)を通じた終了指定操作の何れかが行われるまで待機する(ステップB27〜B30)。そして、終了指定操作が行われたとき(ステップB30で「YES」)には、図3の初期画面表示ルーチンB1へ戻る。
また、出玉推移グラフ画面の表示状態で、次画面選択操作が行われたとき(ステップB27で「YES」)には、表示用データファイル中に、上記出玉推移グラフ画面に未表示の台番号データがある場合に、その台番号データに対応した出玉推移グラフΔGを既表示のデータに変えて表示し(ステップB31)、この後にステップB27へ戻る。
出玉推移グラフ画面の表示状態で、一覧データ選択操作が行われたとき(ステップB28で「YES」)には、前記一覧画面表示ルーチンB20へ移行する。さらに、出玉推移グラフ画面の表示状態で、特賞履歴データ選択操作が行われたとき(ステップB29で「YES」)には、特賞履歴画面表示ルーチンB32へ移行する。
上記特賞履歴画面表示ルーチンB32は、前記ステップB23で「YES」と判断された場合、つまり、一覧画面表示状態で特賞履歴データ選択スイッチ(文字c4 部分)を通じた特賞履歴データ選択操作が行われたときにも実行される構成となっている。
この特賞履歴画面表示ルーチンB32では、表示部4aに対して図11に示すような特賞履歴画面を表示する。具体的には、この特賞履歴画面には、「特賞履歴」の文字e1 、前記表示用データファイル(図6参照)の記憶データに基づいて作成した特賞履歴グラフΔH、「次画面」、「一覧」、「出玉」、「終了」の各文字e2 、e3 、e4 、e5 が表示される。
この場合、文字e2 、e3 、e4 、e5 に対応した部分が押圧操作されたときには、その押圧操作箇所が前記操作部4bを構成するタッチパネルスイッチにより特定されるようになっており、操作部4bにあっては、上記のような押圧操作箇所が、それぞれ次画面選択スイッチ(文字e2 部分)、一覧データ選択スイッチ(文字e3 部分)、出玉推移グラフ選択スイッチ(文字e4 部分)、終了スイッチ(文字e5 部分)として機能するようになっている。
また、上記特賞履歴グラフΔHは、表示用データファイル(図6参照)に、台番号データと対応した状態で記憶された出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dnに基づいて作成されるもので、台番号データに対応した各データD1〜Dnの全部(当日を含む過去3日分のデータ)について1画面分ずつの特賞履歴グラフΔHを得るようになっている。この場合、特賞履歴グラフΔHは、出玉推移グラフ及び特賞履歴グラフ作成用データD1〜Dn中の特賞発生時点の累計アウト玉数データに基づいて、特賞発生時点を時間軸(当日を含む過去3日分)である横軸にプロット(「$」印)することにより作成されるものであり、このグラフΔHからは、パチンコ遊技機1における特賞状態の発生履歴が過去3日分について一目で分かるようになる。
尚、特賞履歴グラフΔH中には、対応する位置に「2日前」、「1日前」、 「本日」の各文字が表示される。また、特賞履歴グラフΔHには該当するパチンコ遊技機1の台番号データが表示されるものであるが、このグラフΔH中に、上記台番号データと対応付けて当該台番号のパチンコ遊技機1の機種名を同時に表示する構成としても良い。
上記特賞履歴画面の表示状態では、次画面選択スイッチ(文字e2 部分)を通じた次画面選択操作、一覧データ選択スイッチ(文字e3 部分)を通じた一覧データ選択操作、出玉推移グラフ選択スイッチ(文字e4 部分)を通じた特賞履歴データ選択操作、終了スイッチ(文字e5 部分)を通じた終了指定操作の何れかが行われるまで待機する(ステップB33〜B36)。そして、終了指定操作が行われたとき(ステップB36で「YES」)には、図3の初期画面表示ルーチンB1へ戻る。
また、特賞履歴画面の表示状態で、次画面選択操作が行われたとき(ステップB33で「YES」)には、表示用データファイル中に、上記特賞履歴画面に未表示の台番号データがある場合に、その台番号データに対応した特賞履歴グラフΔHを既表示のデータに変えて表示し(ステップB37)、この後にステップB33へ戻る。
特賞履歴画面の表示状態で、一覧データ選択操作が行われたとき(ステップB34で「YES」)には、前記一覧画面表示ルーチンB20へ移行し、また、出玉推移グラフ選択操作が行われたとき(ステップB35で「YES」)には、出玉推移グラフ画面表示ルーチンB26へ移行する。
一方、図3に示す前記ステップB3で「YES」と判断した場合、つまり、初期画面表示状態でプリセット登録スイッチ(文字a3 部分)を通じたプリセット登録操作が行われた場合には、図5中のプリセット登録画面表示ルーチンB38を実行する。
上記プリセット登録画面表示ルーチンB38では、表示部4aに対して図12に示すようなプリセット登録画面を表示する。具体的には、このプリセット登録画面には、「プリセット登録」の文字f1 、プリセット登録対象となるパチンコ遊技機1の台番号f2 (例えば最大で10個)、テンキースイッチを示す「0」から「9」までの数字列f3 、前記台番号f2 群のうちの一つを指し示すためのカーソル(この例では台番号f2 の反転表示によるカーソル)用のカーソル移動キースイッチを示すアイコンf4 、「登録」、「削除」、「終了」の各文字f5 、f6 、f7 が表示される。
この場合、文字f3 、f4 、f5 、f6 、f7 に対応した部分が押圧操作されたときには、その押圧操作箇所が前記操作部4bを構成するタッチパネルスイッチにより特定されるようになっており、操作部4bにあっては、上記のような押圧操作箇所が、それぞれテンキースイッチ(文字f3 部分)、カーソル移動キースイッチ(文字f4 部分)、登録スイッチ(文字f5 部分)、削除スイッチ(文字f6 部分)、終了スイッチ(文字f7 部分)として機能する。
上記プリセット登録画面の表示状態では、台番号入力処理ルーチンB39を実行する。このルーチンB39では、テンキースイッチ(文字f3 部分)を通じて3桁の数字が入力される毎に、その数字を台番号f2 としてプリセット登録画面中に表示させる。但し、このような数字入力操作は、台番号f2 の表示エリア中においてカーソルが位置された部分に対してのみ有効な構成となっている。また、プリセット登録画面中に表示できる台番号f2 は10個であるが、11個以上の台番号を入力可能として、それらを次画面で表示できるようにしても良い。
上記のような台番号入力処理ルーチンB39は、登録スイッチ(文字f5 部分)を通じた登録操作、削除スイッチ(文字f6 部分)を通じた削除操作、終了スイッチ(文字f7 部分)を通じた終了指定操作の何れかが行われるまで反復される(ステップB40〜B42)。そして、終了指定操作が行われたとき(ステップB42で「YES」)には、図3の初期画面表示ルーチンB1へ戻る。
また、プリセット登録画面の表示状態で、登録操作が行われた場合(ステップB40で「YES」)には、テンキースイッチ(文字f3 部分)を通じて入力された台番号があるか否か、つまりプリセット登録画面中に台番号f2 が表示されているか否かを判断する(ステップB45)。ここで「NO」と判断した場合には、プリセット登録画面中に、例えば「該当データがありません」のメッセージを所定時間だけ表示する表示ステップB46を実行した後に、前記台番号入力処理ルーチンB39へ戻る。
これに対して、ステップB45で「YES」と判断した場合には、テンキースイッチを通じて入力された台番号(プリセット登録画面中の台番号f2 )を、記憶部4cに設定された台番号登録エリアに対してプリセットデータとして登録し(ステップB47)、この後に台番号入力処理ルーチンB39へ戻る。
プリセット登録画面の表示状態で、削除操作が行われた場合(ステップB41で「YES」)には、前記記憶部4cに設定された台番号登録エリアに登録されているプリセットデータを全て削除し、この後に台番号入力処理ルーチンB39へ戻る。
従って、上記した本実施例の構成によれば、パチンコホール内において、携帯型端末機4を携帯した遊技客が、集中管理コンピュータ2に累積記憶された多数台のパチンコ遊技機1に関する遊技データの提供を受けようとする場合には、パチンコホール内の複数箇所に設置されたインタフェース部3e及び外部インタフェース部5の何れかに対して、上記携帯型端末機4をセットする。すると、情報提供端末機3が、当該携帯型端末機4との間でデータ授受可能な状態に切り換わるようになると共に、前記集中管理コンピュータ2に累積記憶された遊技データを上記インタフェース部3e及び外部インタフェース部5の何れかを通じて携帯型端末機4へ転送するようになる。そして、斯様な遊技データを受信した携帯型端末機4にあっては、その遊技データを表示部4aに所定の形式(図9、図10、図11参照)で選択的に表示するようになるから、斯様な表示に基づいてパチンコ遊技機1に関する遊技データを遊技客に提供できるようになる。
この場合、携帯型端末機4は、多数の遊技客がそれぞれ保持可能であるから、パチンコホール内に設置された多数台のパチンコ遊技機1に関する遊技データを、多数の遊技客に対して同時期に提供できるようになって、その遊技データ提供サービスの有益性の向上及びこれに伴う集客力アップなどを図り得るようになる。しかも、遊技客が遊技データ提供サービスを受ける際に携帯型端末機4をセットするためのインタフェース部3e及び外部インタフェース部5は、パチンコホール内の複数箇所に設置されるものであるから、パチンコホール内のどこからでも上記遊技データ提供サービスを受けることが可能になって、その利便性が向上するようになる。
また、前記携帯型端末機4は、情報提供端末機3から転送される遊技データを記憶部4cに記憶し、その記憶遊技データを表示部4aに表示する構成となっている。この結果、遊技客は、携帯型端末機4を一端インタフェース部3e或いは外部インタフェース部5にセットして遊技データの提供を受けた後には、当該インタフェース部3e或いは外部インタフェース部5を利用しなくても遊技データの確認を行ない得るようになる。従って、インタフェース部3e或いは外部インタフェース部5が遊技客に長時間占有される恐れがなくなって、その利用率が高まるようになるから、この面からも、多数の遊技客に対して同時期に遊技データを提供できるようになる。
携帯型端末機4には、情報提供端末機3を通じて転送される遊技データの種類を予め登録しておくというプリセット機能が設けられているから、当該携帯型端末機4をインタフェース部3e或いは外部インタフェース部5にセットした状態としたまま台番号を入力するという比較的時間がかかる操作を不要にすることが可能である。この結果、インタフェース部3e或いは外部インタフェース部5が遊技客に長時間占有される恐れがなくなって、その利用率が高まるようになるから、多数の遊技客に対して同時期に遊技データを提供できるようになる。
さらに、携帯型端末機4を携帯した遊技客が上述のように遊技データの提供を受けようとする場合に、その携帯型端末機4に備えられた操作部4bによって、パチンコ遊技機1の台番号を指定するための台番号データを含むリクエストデータRDを選択的に送信できる構成となっており、また、このリクエストデータRDを受信した情報提供端末機3は、当該リクエストデータRDにより指定された台番号のパチンコ遊技機1についての遊技データを含む返信データΔAをアンサバックする構成となっているから、遊技客は、所望のパチンコ遊技機1についての遊技データの提供を選択的に得ることができるものであり、結果的に、携帯型端末機4の付加価値の向上を実現できるようになる。
しかも、携帯型端末機4を携帯した遊技客は、情報提供端末機3に対して、パチンコホール外からモデム6及びVAN7を介してアクセスできるから、遊技客側の利便性がさらに向上するようになって、この面からも携帯型端末機4の付加価値の向上を図り得るようになる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
上記実施例では遊技データを蓄積するためのデータ記憶手段として集中管理コンピュータ2を利用したが、このデータ記憶手段の機能を情報提供端末機3に持たせる構成としても良い。さらに、携帯型端末機4において、打止回数を表示できるように構成しても良い。但し、この場合には、情報提供端末機3の制御部3fからの返信データΔA中に打止回数データを含ませる必要がある。
パチンコホール内の複数箇所にインタフェース用端末(インタフェース部3e、外部インタフェース部5)を設置する構成としたが、インタフェース用端末はパチンコホール内の少なくとも1箇所に設けられていれば良いものである。
1はパチンコ遊技機、2は集中管理コンピュータ(データ記憶手段)、3は情報提供端末機、3eはインタフェース部、3fは制御部、4は携帯型端末機、4aは表示部、4bは操作部、4cは記憶部、4fは制御部、5は外部インタフェース部、6はモデム、7はVANを示す。