JP2006278298A - 色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池基材 - Google Patents
色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池基材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006278298A JP2006278298A JP2005100263A JP2005100263A JP2006278298A JP 2006278298 A JP2006278298 A JP 2006278298A JP 2005100263 A JP2005100263 A JP 2005100263A JP 2005100263 A JP2005100263 A JP 2005100263A JP 2006278298 A JP2006278298 A JP 2006278298A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- oxide semiconductor
- dye
- substrate
- sensitized solar
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/542—Dye sensitized solar cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Hybrid Cells (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】耐熱基板1上に有機物および金属酸化物半導体微粒子を含有する介在層2’形成用塗工液を塗布し、固化後、上記介在層形成用層2上に、上記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高い酸化物半導体層3’形成用塗工液を塗布し、固化後、焼成することにより多孔質体とし、介在層および酸化物半導体層を形成する焼成工程と、上記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層4を形成する緻密酸化物半導体層形成工程と、第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、を行い、耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材を形成し、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の耐熱基板を介在層から剥離する剥離工程を行う。
【選択図】図1
Description
まず、本発明の色素増感型太陽電池用積層体の製造方法について説明する。本発明の色素増感型太陽電池用積層体の積層体の製造方法は、耐熱基板上に有機物および金属酸化物半導体微粒子を含有する介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層上に、上記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高い酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を焼成することにより多孔質体とし、介在層および酸化物半導体層を形成する焼成工程と、上記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層を形成する緻密酸化物半導体層形成工程と、上記緻密酸化物半導体層上に、第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、を有し、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層の構造を有する色素増感型太陽電池用積層体を形成することを特徴とするものである。
以下、本発明の色素増感型太陽電池用積層体の製造方法について各工程に分けて説明する。
まず、本発明における介在層形成用層形成工程について説明する。本発明における介在層形成用層形成工程は、耐熱基板上に、有機物および金属酸化物半導体微粒子を含有する介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する工程である。
まず、本工程に用いられる介在層形成用塗工液について説明する。本工程に用いられる介在層形成用塗工液は、少なくとも金属酸化物半導体微粒子および有機物を含有するものである。
本工程に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、最終的に介在層形成用層が介在層になった際に、色素増感剤を担持し、電荷を伝導する機能を有するものであるとともに、後述する有機物と、後述する酸化物半導体層に含有される金属酸化物半導体微粒子との熱膨張係数の差を緩和するために用いられるものである。上記金属酸化物半導体微粒子を介在層形成用塗工液に添加することによって、熱膨張係数の差によるクラック等が発生することを防止することができる。
このような粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子の混合物としては、同種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であっても良く、または異なる種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であってもよい。異なる粒径の組み合わせとしては、例えば、10〜50nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子と、50〜800nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子とを混合して用いる態様を挙げることができる。
次に、上記介在層形成用塗工液に用いられる有機物について説明する。上記介在層形成用塗工液に用いられる有機物としては、後述する焼成工程において分解されやすいものであれば特に限定はされない。中でも本工程においては、上記有機物として合成樹脂を用いることが好ましい。合成樹脂は分子量や材質を任意に選択することにより、所望の熱分解性を備える化合物を得ることができるため、後述する焼成処理の処理条件の制約が少なくなる等の利点を有するからである。
本工程に用いられる介在層形成用塗工液は、溶媒を含有しない塗工液であっても良く、溶媒を含有する塗工液であっても良い。介在層形成用塗工液に溶媒が含有されている場合には、用いる有機物に対して良溶媒であることが好ましく、溶剤の選定は、溶剤の揮発性と、使用する有機物の溶解性を主に考慮して適宜選択する。具体的には、ケトン類、炭化水素類、エステル類、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、グリコール誘導体、エーテル類、エーテルエステル類、アミド類、アセテート類、ケトンエステル類、グリコールエーテル類、スルホン類、スルホキシド類等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。中でも、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、メタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルブタノール、イソブタノール、テルピネオール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール等の有機溶媒であることが好ましい。介在層形成用塗工液は耐熱基板上に塗布されるため上記有機溶媒を用いることにより、耐熱基板上に濡れ性良く塗布することができるからである。
また、本工程においては、上記介在層形成用塗工液の塗工適性を向上させるために、各種添加剤を用いてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、分散助剤、pH調節剤等を用いることができる。上記pH調製剤としては、例えば、硝酸、塩酸、酢酸、ジメチルホルムアミド、アンモニア等を挙げることができる。また、分散助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のポリマー、界面活性剤、酸、キレート剤等を挙げることができる。
本工程において用いる耐熱基板としては、後述する焼成処理時の加熱温度に対する耐熱性を有するものであれば特に限定されない。このような耐熱基板としては、ガラス、セラミックス、または金属板等からなる耐熱基板を挙げることができる。中でも本工程においては、耐熱基板として可撓性のある金属板を用いることが好ましい。このような耐熱基板を用いることにより、後述する焼成処理を十分に高温で行うことができるので、金属酸化物半導体微粒子間の結着性を高くすることができるからである。また、上記耐熱基板は、リユースすることが好ましい。
本工程において、上記介在層形成用塗工液を上記耐熱基板上に塗布する方法としては、公知の塗布方法であれば特に限定はされないが、具体的には、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコートや、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。このような塗布法を用い、単数回または複数回、塗布および固化を繰り返すことにより介在層形成用層を所望の膜厚に調整することができる。
本工程により得られる介在層形成用層の膜厚としては、特に限定はされないが、後述する焼成工程において多孔質体として形成された際に、後述する「3.焼成工程」の中に記載した膜厚となるように調整して決定することが好ましい。具体的には、0.01μm〜50μmの範囲内、中でも、0.01μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
次に、酸化物半導体層形成用層形成工程について説明する。本発明における酸化物半導体層形成用層形成工程は、介在層形成用層上に、上記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高い酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する工程である。
本工程に用いられる酸化物半導体層形成用塗工液について説明する。本工程に用いられる酸化物半導体層形成用塗工液は、少なくとも、金属酸化物半導体微粒子および樹脂を含有するものであり、上記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高く調整されている。
本工程に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、最終的に酸化物半導体層形成用層が酸化物半導体層になった際に、色素増感剤を担持し、電荷を伝導する機能を有するものである。
本工程に用いられる樹脂は、後述する焼成工程により多孔質体の空孔を付与するために用いられるものである。また、樹脂の使用量を変化させることにより、酸化物半導体層形成用塗工液の粘度を調整することができる。
本工程に用いられる酸化物半導体層形成用塗工液は、溶媒を含有しない塗工液であっても良く、溶媒を含有する塗工液であっても良い。酸化物半導体層形成用塗工液に溶媒を用いた場合には、上述した樹脂が溶解するものであり、かつ、上述した介在層形成用層の形成に使用する有機物が溶解しにくいものであれば特に限定はされない。具体的には、水またはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ターピネオール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール等の各種溶剤を挙げることができる。中でも、水ないしアルコール系の溶媒であることが好ましい。水またはアルコール系溶媒は、上記介在層形成用塗工液に用いられる有機溶媒と混合しないため、上記介在層形成用パターンと酸化物半導体層形成用層とが混合することを防止できるからである。
また、本工程においては、上記酸化物半導体層形成用塗工液の塗工適性を向上させるために、各種添加剤を用いてもよい。例えば、添加剤としては、界面活性剤、粘度調整剤、分散助剤、pH調節剤等を用いることができるが、上記「1.介在層形成用層形成工程」に用いられるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。また、本工程においては、特に、分散助剤としてポリエチレングリコールを使用することが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が調節可能となり、剥がれにくい酸化物半導体層の形成、酸化物半導体層の空孔率の調整等を行うことができるからである。
本工程において、上記酸化物半導体層形成用塗工液を上記介在層形成用層上に塗布する方法としては、公知の塗布方法であれば特に限定はされないが、具体的には、上記「1.介在層形成用層形成工程」の中に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本工程により得られる酸化物半導体層形成用層の膜厚としては、最終的に酸化物半導体層として形成された際に、光照射により色素増感剤により生じた電荷を伝導する機能を充分に得ることができるのであれば特に限定はされない。例えば、後述する焼成工程において多孔質体として形成された際に、後述する「3.焼成工程」の中に記載した膜厚となるように調整して決定することが好ましい。具体的には、1μm〜65μmの範囲内、中でも、5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
次いで、本発明における焼成工程について説明する。本発明における焼成工程は、上記介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を焼成することにより多孔質体とし、介在層および酸化物半導体層を形成する工程である。本工程により、連通孔を有する多孔質体として形成された介在層および酸化物半導体層を形成することができる。
次に、本発明における緻密酸化物半導体層形成工程について説明する。本発明における緻密酸化物半導体層形成工程は、上記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層を形成する工程である。
本工程におけるスプレー熱分解法について説明する。本工程におけるスプレー熱分解法は、具体的には、上記酸化物半導体層を緻密酸化物半導体層形成温度以上の温度に加熱し、緻密酸化物半導体層を構成する金属元素を有する金属塩または金属錯体が溶解した緻密酸化物半導体層形成用塗工液と接触させることにより、上記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層を形成する方法である。
上記スプレー熱分解法に用いられる緻密酸化物半導体層形成用塗工液について説明する。上記スプレー熱分解法に用いられる緻密酸化物半導体層形成用塗工液は、緻密酸化物半導体層を構成する金属元素を有する金属源が溶媒に溶解したものである。
上記スプレー熱分解法に用いられる金属源は、緻密酸化物半導体層を構成する金属元素を有するものであって、良好な緻密性を有する緻密酸化物半導体層を形成することができるものであれば、金属塩であっても良く、金属錯体であっても良い。なお、本発明における「金属錯体」とは、金属イオンに対して無機物または有機物が配位したもの、あるいは、分子中に金属−炭素結合を有する、いわゆる有機金属化合物を含むものである。
緻密酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上述した金属源を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、金属源が金属塩の場合は、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール、トルエン、およびこれらの混合溶媒等を挙げることができ、金属源が金属錯体の場合は、上述した低級アルコール、トルエン、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
次に、上記スプレー熱分解法における緻密酸化物半導体層形成用塗工液と酸化物半導体層との接触方法について説明する。上記スプレー熱分解法における接触方法は、上述した緻密酸化物半導体層形成用塗工液と、上述した酸化物半導体層とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではないが、上記緻密酸化物半導体層形成用塗工液と上記酸化物半導体層とが接触する際に、加熱された酸化物半導体層の温度を低下させない方法であることが好ましい。酸化物半導体層の温度が低下すると所望の緻密酸化物半導体層を得ることができない可能性があるからである。
本工程により得られる緻密酸化物半導体層の膜厚としては、上述した機能を発揮できる膜厚であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、0.01〜1μmの範囲内、中でも、0.05〜0.8μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明における第1電極層形成工程について説明する。本発明における第1電極層形成工程は、上記緻密酸化物半導体層上に第1電極層を設ける工程である。
本工程におけるスプレー熱分解法について説明する。本工程におけるスプレー熱分解法は、具体的には、上記緻密酸化物半導体層を第1電極層形成温度以上の温度に加熱し、第1電極層を構成する金属元素を有する金属塩または金属錯体が溶解した第1電極層形成用塗工液と接触させることにより、上記緻密酸化物半導体層上に第1電極層を形成する方法である。
また、このような「第1電極層形成温度」は、実際に所望の金属源が溶解した第1電極層形成用塗工液を用意することによって、上記「4.緻密酸化物半導体層形成工程」に記載した測定方法と同様の方法により求めることができる。
上記スプレー熱分解法に用いられる第1電極層形成用塗工液について説明する。上記スプレー熱分解法に用いられる第1電極層形成用塗工液は、第1電極層を構成する金属元素を有する金属塩または金属錯体が溶媒に溶解したものである。また、上記スプレー熱分解法においては、上記第1電極層形成用塗工液が、酸化剤および還元剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。酸化剤および還元剤の少なくとも一方を含有させることにより、より低い加熱温度で第1電極層を得ることができるからである。
上記スプレー熱分解法に用いられる金属源は、第1電極層を構成する金属元素を有するものであって、良好な緻密性を有する第1電極層を形成することができるものであれば、金属塩であっても良く、金属錯体であっても良い。
また、上記金属酸化物がZnOの場合、金属源としては、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛等を用いることができる。
また、上記金属酸化物がFTOの場合、金属源としては、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができ、フッ素ドーピング剤としてはフッ化アンモニウム等を用いることができる。
また、上記金属酸化物がATOの場合、金属源としては、アンチモン(III)ブトキシド、アンチモン(III)エトキシド、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。
また、上記金属酸化物がSnO2(TO)の場合、金属源としては、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。
上記スプレー熱分解法に用いられる酸化剤は、上述した金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化を促進する働きを有するものである。金属イオン等の価数を変化させることにより、第1電極層(金属酸化物膜)の発生しやすい環境とすることができ、より低い加熱温度で第1電極層を得ることができる。
上記スプレー熱分解法に用いられる還元剤は、分解反応により電子を放出し、水の電気分解等によって水酸化物イオンを発生させ、上記第1電極層形成用塗工液のpHを上げる働きを有するものである。上記第1電極層形成用塗工液のpHが上昇することで、第1電極層(金属酸化物膜)の発生しやすい環境とすることができ、より低い加熱温度で第1電極層を得ることができる。
上記スプレー熱分解法に用いられる第1電極層形成用塗工液は、添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、補助イオン源や界面活性剤等が挙げられる。上記補助イオン源は、電子と反応し水酸化物イオンを発生するものであり、第1電極層形成用塗工液のpHを上昇させ、第1電極層の形成しやすい環境とすることができる。また、上記補助イオン源の使用量は、使用する金属塩や還元剤に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。このような補助イオン源としては、具体的には、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、臭素酸イオン、次臭素酸イオン、硝酸イオン、および亜硝酸イオンからなる群から選択されるイオン種等を挙げることができる。
上記スプレー熱分解法に用いられる溶媒としては、上記「4.緻密酸化物半導体層形成工程」に記載されたものと同様であるのでここでの説明は省略する。
次に、上記スプレー熱分解法における第1電極層形成用塗工液と緻密酸化物半導体層との接触方法について説明する。上記スプレー熱分解法における接触方法は、上述した第1電極層形成用塗工液と、上述した緻密酸化物半導体層とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、上記「4.緻密酸化物半導体層形成工程」における方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明における第1電極層の膜厚としては、優れた導電性を発揮できる膜厚であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、5nm〜2000nmの範囲内、その中でも、10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法について説明する。本発明の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法は、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層/基材の構造を有する耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材を形成する方法である。
以下、上記第一態様および上記第二態様について詳細に説明する。
本態様の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法は、上記色素増感型太陽電池用積層体の製造方法によって得られる色素増感型太陽電池用積層体の第1電極層上に基材を設ける基材形成工程を行い、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層/基材の構造を有する耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材を形成することを特徴とする態様である。
以下、本態様における基材形成工程について詳細に説明する。
まず、本工程に用いられる色素増感型太陽電池用積層体について説明する。本工程に用いられる色素増感型太陽電池用積層体は、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層の構造を有するものである。上記色素増感型太陽電池用積層体の各構成については、上記「A.色素増感型太陽電池用積層体の製造方法」に記載されたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本工程に用いられる基材について説明する。本工程に用いることができる基材は、所望の透明性を有するものであれば特に限定されないが、通常、波長400nm〜1000nmの光に対する透過率が、78%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
本工程においては上記の熱可塑性樹脂の中でも、シラン変性樹脂を用いることが好ましい。シラン変性樹脂を用いることにより、接着層が示す接着力をより強固にすることができるからである。
また、本工程において上記共重合体は、シラノール触媒による架橋をしていてもしていなくてもどちらでもよい。
次に、上記色素増感型太陽電池用積層体の第1電極層上に基材を形成する方法について説明する。上記第1電極層上に基材を形成する方法としては、第1電極層上に密着性良く基材を形成することができる方法であれば、特に限定されるものではないが、例えば、上記色素増感型太陽電池用積層体の第1電極層と、上記基材とを熱融着する方法等が挙げられる。熱融着する際の加熱方法としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ヒートバーを用いる方法、ランプを用いる方法、レーザーを用いる方法、電磁誘導加熱を用いる方法、超音波摩擦加熱を用いる方法等を挙げることができ、中でも、レーザーを用いる方法が好ましい。上記方法に用いられるレーザーとしては、例えば固体レーザー(YAGレーザー)、半導体レーザー等を挙げることができる。
本態様の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法は、耐熱基板上に有機物および金属酸化物半導体微粒子を含有する介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層上に、上記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高い酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を焼成することにより多孔質体とし、介在層および酸化物半導体層を形成する焼成工程と、上記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層を形成する緻密酸化物半導体層形成工程とを行い、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層の構造を有する色素増感型太陽電池用半導体基板を形成し、上記色素増感型太陽電池用半導体基板の緻密酸化物半導体層に、基材および第1電極層を備えた電極基材を設けることにより耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層/基材の構造を有する耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材を形成することを特徴とするものである。
以下、本態様に用いられる色素増感型太陽電池用半導体基板、および電極基材の設置方法について詳細に説明する。
まず、本態様に用いられる色素増感型太陽電池用半導体基板について説明する。本態様に用いられる色素増感型太陽電池用半導体基板は、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層の構造を有するものである。本態様に用いられる色素増感型太陽電池用半導体基板は、耐熱基板に対して、介在層形成用層形成工程、酸化物半導体層形成用層形成工程、焼成工程および緻密酸化物半導体層形成工程を行うことによって形成することができるが、耐熱基板および上記工程については、上述した「A.色素増感型太陽電池用積層体の製造方法」に記載されたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本態様に用いられる電極基材について説明する。本態様に用いられる電極基材は、基材および第1電極層を備えるものである。上記基材および上記第1電極層については、上記第一態様に用いられるものと同様であるので。ここでの説明は省略する。
次に、上記色素増感型太陽電池用半導体基板の緻密酸化物半導体層上に電極基材を形成する方法について説明する。上記緻密酸化物半導体層上に基材を形成する方法としては、緻密酸化物半導体層上に密着性良く電極基材を形成することができる方法であれば、特に限定されるものではないが、例えば、上記色素増感型太陽電池用半導体基板の緻密酸化物半導体層を、マイクロ波等で選択的に加熱し、酸化物半導体層と上記電極基材の第1電極層とを接着する方法等が挙げられる。
本発明の色素増感型太陽電池用基材の製造方法は、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法によって得られる耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の耐熱基板を介在層から剥離する剥離工程を行い、基材/第1電極層/緻密酸化物半導体層/酸化物半導体層/介在層の構造を有する色素増感型太陽電池用基材を形成することを特徴とするものである。
以下、本発明における剥離工程について詳細に説明する。
まず、本工程に用いられる耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材について説明する。本工程に用いられる耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材は、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層/基材の構造を有するものである。上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の各構成については、上記「B.耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法」に記載されたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の耐熱基板を介在層から剥離する方法について説明する。上記耐熱基板を剥離する方法としては、耐熱基板と介在層とを剥離できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば耐熱基板がフレキシブルなものであって、Roll to Roll方式で行う場合は、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の耐熱基板および基材を別々のヒートロールで貼り合わせ、その後、耐熱基板および色素増感型太陽電池用基材を別々に巻き取る方法等が挙げられる。また、例えば耐熱基板がリジッドなものである場合は、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の基板をヒートロールで貼り合わせ、色素増感型太陽電池用基材を巻き取る方法等が挙げられる。なお、本発明においては、耐熱基板と介在層とを剥離する際、耐熱基板および介在層の種類等によって、耐熱基板と介在層とが界面剥離を起こす場合と、介在層が凝集破壊を起こし、耐熱基板上に介在層の一部が残留する場合とがある。
また本工程においては、耐熱基板を機械的研磨除去や、エッチングなどによる化学的除去により剥離することもできる。
次に、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法について説明する。本発明の色素増感型太陽電池の製造方法は、上記色素増感型太陽電池用基材の製造方法によって得られる色素増感型太陽電池用基材と、第2電極層および対向基材を備えた対電極基材とを用い、上記介在層と上記第2電極層とを対向させて色素増感型太陽電池用基材対を形成する対電極基材形成工程を有し、上記色素増感型太陽電池用積層体、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材、上記色素増感型太陽電池用基材、または、上記色素増感型太陽電池用基材対に対して、上記介在層および上記酸化物半導体層の多孔質体細孔表面に、色素増感剤を担持する色素増感剤担持工程、および上記色素増感剤担持工程の後に、上記第2電極層と上記介在層との間、および上記介在層と上記酸化物半導体層との 多孔質体の細孔内部に、電解質層を形成する電解質層形成工程を行う充填処理を行うことにより、色素増感型太陽電池を形成することを特徴とするものである。
まず、本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基材対について説明する。本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基材対は、上述した「C.色素増感型太陽電池用基材の製造方法」によって得られる色素増感型太陽電池用基材と、第2電極層および対向基材を備え上記第2電極層が上記色素増感型太陽電池用基材の介在層に対向する対電極基材と、を有するものである。
まず、本工程に用いられる対向基材について説明する。本工程に用いられる対向基材は、後述する第2電極層を担持するものである。本工程に用いられる対向基材としては、透明なものであっても不透明なものであっても特に限定されるものではないが、例えば、上記対向基材が、色素増感型太陽電池において受光面となる場合には、透明性に優れたものであることが好ましい。さらに、本発明においては、耐熱性、耐候性、水蒸気等に対するガスバリア性に優れた基材を用いることが好ましい。このような対向基材としては、上記「B.耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本工程に用いられる第2電極層について説明する。本工程に用いられる第2電極層は、上記色素増感型太陽電池用基材の介在層と対向し、光照射により生じた電荷を集電するものである。本工程に用いられる第2電極層を構成する金属酸化物としては、導電性に優れたもので、かつ、電解質に対する腐食性がないものであれば特に限定はされないが、光の受光面側に位置する場合には、光の透過性に優れているものであることが好ましい。このような第2電極層に用いることができる金属酸化物は、上記「A.色素増感型太陽電池用積層体の製造方法」に記載した第1電極層を構成する金属酸化物と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、第2電極層を構成する金属酸化物としては、上記第1電極層を構成する構成成分の仕事関数等を考慮して適宜選択されることが好ましい。また、本発明に用いられる第2電極層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、具体的には0.1〜500nmの範囲内、中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
次に、色素増感型太陽電池用基材対を形成する方法について説明する。色素増感型太陽電池用基材対を形成する方法としては、エネルギー変換効率が良好な色素増感型太陽電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、後述する充填処理の電解質層形成工程に対する本工程を行う時期によって以下のように大別することができる。すなわち、本工程が上記電解質層形成工程より先に行われる場合および本工程が上記電解質層形成工程より後に行われる場合である。
次に、本発明における充填処理について説明する。本発明における充填処理は、色素増感剤担持工程、および上記色素増感剤担持工程の後に行われる電解質層形成工程をいうものである。本発明においては、上記充填処理を、色素増感型太陽電池用積層体、耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材、色素増感型太陽電池用基材または色素増感型太陽電池用基材対に対して行うことにより、色素増感型太陽電池を製造する。以下、本発明における充填処理である、色素増感剤担持工程および電解質層形成工程について説明する。
まず、上記充填処理における色素増感剤担持工程について説明する。上記色素増感剤担持工程は、上記色素増感型太陽電池用積層体、上記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材、上記色素増感型太陽電池用基材または上記色素増感型太陽電池用基材対に対して行われ、これらの部材の介在層および酸化物半導体層の細孔表面に色素増感剤を担持する工程である。
本工程に用いられる色素増感剤は、光照射により電荷が生じるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、有機色素または金属錯体色素を使用することができる。例えば有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系の色素が挙げられる。中でも、クマリン系であることが好ましい。
本工程において、上記介在層および上記酸化物半導体層の細孔表面に色素増感剤を担持させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、色素増感剤の溶液に上記酸化物半導体層および上記介在層を浸漬した後に乾燥させる方法、あるいは、耐熱基板を有さず介在層が露出している部材、例えば色素増感型太陽電池用基材等に対しては、色素増感剤が溶解した溶液を塗布し乾燥させる方法等を挙げることができる。
次に、上記充填処理における電解質層形成工程について説明する。上記電解質層形成工程は、上記第2電極層と上記介在層との間、および上記酸化物半導体層および上記介在層の多孔質体細孔内部に、光照射によって生じた電荷を伝達する電解質層を形成する工程である。
本工程により得られる電解質層は、色素増感型太陽電池の介在層と第2電極層との間に位置し、上記介在層および上記酸化物半導体層に担持された色素増感剤と上記第2電極層との間の電荷輸送を行うものである。上記電解質層は、通常、酸化還元対を含有するものであり、上記酸化還元対としては、一般的な色素増感型太陽電池の電解質に用いられるものを使用することができる。具体的な酸化還元対としては、ヨウ素−ヨウ素化合物、臭素−臭素化合物が挙げられる。さらに、上記ヨウ素化合物としては、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物等が挙げられ、上記臭素化合物としては、LiBr、NaBr、KBr、CaBr2等が挙げられる。
なお、本発明においては、上記介在層および上記酸化物半導体層は多孔質であるので、上記ゲル化した酸化還元対および上記液体化した酸化還元対を用いた場合は、多孔質内部に上記酸化還元対の一部が移動する。
介在層および酸化物半導体層の膜厚も含めて2μm〜100μmの範囲内、その中でも、2μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、介在層と第2電極層とが接触しやすくなるため短絡の原因となる可能性があり、上記範囲を超える場合は、内部抵抗が大きくなり性能低下につながる可能性があるからである。
次に、電解質層を形成する方法について説明する。上記電解質層を形成する方法としては、エネルギー変換効率が良好な色素増感型太陽電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、上述した対電極基材形成工程に対する本工程を行う時期によって以下のように大別することができる。すなわち、本工程が上記対電極基材形成工程より先に行われる場合および本工程が上記対電極基材形成工程より後に行われる場合である。
次に、上記充填処理を行う時期について説明する。上記充填処理は、上記色素増感剤担持工程および上記電解質層形成工程を有し、上記2つの工程を、色素増感型太陽電池用積層体、耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材、色素増感型太陽電池用基材または色素増感型太陽電池用基材対に対して行うことにより色素増感型太陽電池を製造する。
色素増感型太陽電池用積層体に対して、色素増感剤担持工程を行う場合における色素増感型太陽電池の製造方法としては、以下の(i)および(ii)の方法を挙げることができる。
(ii)上記色素増感型太陽電池用積層体に対して、上記色素増感剤担持工程を行い、次いで、上記基材形成工程、上記剥離工程、上記電解質層形成工程および上記対電極基材形成工程をこの順で行うことにより、色素増感型太陽電池を形成する色素増感型太陽電池の製造方法
耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材に対して、色素増感剤担持工程を行う場合における色素増感型太陽電池の製造方法としては、以下の(iii)および(iv)の方法を挙げることができる。
耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材に対して、色素増感剤担持工程を行う場合における色素増感型太陽電池の製造方法としては、以下の(v)および(vi)の方法を挙げることができる。
色素増感型太陽電池用基材対に対して、色素増感剤担持工程を行う場合における色素増感型太陽電池の製造方法としては、以下の(vii)の方法を挙げることができる。
次に、本発明の色素増感型太陽電池用積層体について説明する。本発明の色素増感型太陽電池用積層体は、耐熱基板上に、多孔質層、緻密酸化物半導体層および第1電極層を順に備えたことを特徴とするものである。
次に、本発明の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材について説明する。本発明の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材は、耐熱基板上に、多孔質層、緻密酸化物半導体層、第1電極層および基材を順に備えたことを特徴とするものである。
次に、本発明の色素増感型太陽電池用基材について説明する。本発明の色素増感型太陽電池用基材は、基材上に、第1電極層、緻密酸化物半導体層および多孔質層を順に備えたことを特徴とするものである。
次に、本発明の色素増感型太陽電池について説明する。本発明の色素増感型太陽電池は、基材上に、第1電極層、緻密酸化物半導体層および多孔質層を順に備えた色素増感型太陽電池用基材と、上記多孔質層に対向し、第2電極層および対向基材を備えた対電極基材と、上記多孔質層および上記第2電極層の間に形成された電解質層と、を有することを特徴とするものである。
介在層等に渡される。さらに、第1電極層に接続されたリード線を通じて、対向電極に運ばれる。これにより光電流を得ることができる。この際、色素増感剤は生じた電子を介在層等に渡すことにより酸化される。また、生じた電子は、対向電極に移動した後、電解質層内に存在する酸化還元対であるI−/I3 −のうちI3 −を還元しI−とする。さらに、I−は酸化した色素増感剤を還元させることにより基底状態に戻すことができる。
上記色素増感型太陽電池用基材を1cm×1cmにトリミングした後、対向基材を厚さ20μmのサーリンによって貼り合せ、その間に電解質層形成用塗工液を含浸させたものを素子とした。対向基材としては、膜厚150nmを有し、表面抵抗7Ω/□である、ITOスパッタ層を有する対向フィルム基材上に膜厚50nmの白金膜をスパッタリングにて付与したものを用いた。
作製した素子の評価は、AM1.5、擬似太陽光(入射光強度100mW/cm2)を光源として、色素吸着させた酸化物半導体層を有する基材側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)にて電圧印加により電流電圧特性を測定した。その結果、短絡電流12.8mA/cm2、開放電圧750mV、変換効率5.8%であった。
緻密化酸化物半導体層を形成しなかったこと以外は、上記実施例と同様にして色素増感型太陽電池を得た。得られた素子の評価を上記実施例と同様に行ったところ、短絡電流12.5mA/cm2、開放電圧680mV、変換効率5.1%であった。
2 … 介在層形成用層
2´ … 介在層
3 … 酸化物半導体層形成用層
3´ … 酸化物半導体層
4 … 緻密酸化物半導体層
5 … 第1電極層
6 … 基材
7 … 第2電極
8 … 対向基材
9 … 対電極基材
10 … 電解質層
11 … 有機ポリマー
A … 色素増感型太陽電池用積層体
B … 耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材
C … 色素増感型太陽電池用基材
X … 色素増感型太陽電池用半導体基板
Claims (8)
- 耐熱基板上に有機物および金属酸化物半導体微粒子を含有する介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、
前記介在層形成用層上に、前記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高い酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、
前記介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を焼成することにより多孔質体とし、介在層および酸化物半導体層を形成する焼成工程と、
前記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層を形成する緻密酸化物半導体層形成工程と、
前記緻密酸化物半導体層上に、第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
を有し、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層の構造を有する色素増感型太陽電池用積層体を形成することを特徴とする色素増感型太陽電池用積層体の製造方法。 - 請求項1に記載の色素増感型太陽電池用積層体の製造方法によって得られる色素増感型太陽電池用積層体の第1電極層上に基材を設ける基材形成工程を行い、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層/基材の構造を有する耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材を形成することを特徴とする耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法。
- 耐熱基板上に有機物および金属酸化物半導体微粒子を含有する介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、
前記介在層形成用層上に、前記介在層形成用塗工液よりも金属酸化物半導体微粒子の固形分中の濃度が高い酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、
前記介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を焼成することにより多孔質体とし、介在層および酸化物半導体層を形成する焼成工程と、
前記酸化物半導体層上に緻密酸化物半導体層を形成する緻密酸化物半導体層形成工程と、
を行い、耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層の構造を有する色素増感型太陽電池用半導体基板を形成し、前記色素増感型太陽電池用半導体基板の緻密酸化物半導体層に、基材および第1電極層を備えた電極基材を設けることにより耐熱基板/介在層/酸化物半導体層/緻密酸化物半導体層/第1電極層/基材の構造を有する耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材を形成することを特徴とする耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法。 - 請求項2または請求項3に記載の耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の製造方法によって得られる耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材の耐熱基板を介在層から剥離する剥離工程を行い、基材/第1電極層/緻密酸化物半導体層/酸化物半導体層/介在層の構造を有する色素増感型太陽電池用基材を形成することを特徴とする色素増感型太陽電池用基材の製造方法。
- 請求項4に記載の色素増感型太陽電池用基材の製造方法によって得られる色素増感型太陽電池用基材と、第2電極層および対向基材を備えた対電極基材とを用い、前記介在層と前記第2電極層とを対向させて色素増感型太陽電池用基材対を形成する対電極基材形成工程を有し、
前記色素増感型太陽電池用積層体、前記耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材、前記色素増感型太陽電池用基材、または、前記色素増感型太陽電池用基材対に対して、前記介在層および前記酸化物半導体層の多孔質体細孔表面に、色素増感剤を担持する色素増感剤担持工程、および前記色素増感剤担持工程の後に、前記第2電極層と前記介在層との間、および前記介在層と前記酸化物半導体層との 多孔質体の細孔内部に、電解質層を形成する電解質層形成工程を行う充填処理を行うことにより、色素増感型太陽電池を形成することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。 - 耐熱基板上に、多孔質層、緻密酸化物半導体層および第1電極層を順に備えたことを特徴とする色素増感型太陽電池用積層体。
- 耐熱基板上に、多孔質層、緻密酸化物半導体層、第1電極層および基材を順に備えたことを特徴とする耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材。
- 基材上に、第1電極層、緻密酸化物半導体層および多孔質層を順に備えた色素増感型太陽電池用基材と、前記多孔質層に対向し、第2電極層および対向基材を備えた対電極基材と、前記多孔質層および前記第2電極層の間に形成された電解質層と、を有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005100263A JP4848661B2 (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池基材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005100263A JP4848661B2 (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池基材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006278298A true JP2006278298A (ja) | 2006-10-12 |
JP4848661B2 JP4848661B2 (ja) | 2011-12-28 |
Family
ID=37212821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005100263A Expired - Fee Related JP4848661B2 (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池基材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4848661B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006310255A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-11-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 酸化物半導体電極の製造方法 |
WO2009113342A1 (ja) * | 2008-03-14 | 2009-09-17 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 色素増感型太陽電池 |
WO2009139310A1 (ja) | 2008-05-12 | 2009-11-19 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 色素増感型太陽電池およびその製造方法 |
JP2010033915A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Gunze Ltd | 色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池の製造方法 |
JP2010509715A (ja) * | 2006-11-10 | 2010-03-25 | 北京大学 | 色素増感太陽電池及びその作用電極 |
JP2010244724A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Mitsubishi Materials Corp | 粒子分散体の製造方法及びこの方法で製造された粒子分散体 |
JP2016082005A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 積水化学工業株式会社 | 有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法、及び、有機無機ハイブリッド太陽電池 |
JP2018085497A (ja) * | 2016-11-16 | 2018-05-31 | ペクセル・テクノロジーズ株式会社 | 光電変換素子 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002184475A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-28 | Lintec Corp | 半導体電極の製造方法及び光化学電池 |
JP2003218371A (ja) * | 2002-01-18 | 2003-07-31 | Seiko Epson Corp | 光電変換素子の製造方法 |
JP2004311197A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-04 | Hitachi Metals Ltd | 光電極およびそれを使用した色素増感型太陽電池 |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005100263A patent/JP4848661B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002184475A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-28 | Lintec Corp | 半導体電極の製造方法及び光化学電池 |
JP2003218371A (ja) * | 2002-01-18 | 2003-07-31 | Seiko Epson Corp | 光電変換素子の製造方法 |
JP2004311197A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-04 | Hitachi Metals Ltd | 光電極およびそれを使用した色素増感型太陽電池 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006310255A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-11-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 酸化物半導体電極の製造方法 |
JP2010509715A (ja) * | 2006-11-10 | 2010-03-25 | 北京大学 | 色素増感太陽電池及びその作用電極 |
WO2009113342A1 (ja) * | 2008-03-14 | 2009-09-17 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 色素増感型太陽電池 |
JPWO2009113342A1 (ja) * | 2008-03-14 | 2011-07-21 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 色素増感型太陽電池 |
WO2009139310A1 (ja) | 2008-05-12 | 2009-11-19 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 色素増感型太陽電池およびその製造方法 |
JP2010033915A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Gunze Ltd | 色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池の製造方法 |
JP2010244724A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Mitsubishi Materials Corp | 粒子分散体の製造方法及びこの方法で製造された粒子分散体 |
JP2016082005A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 積水化学工業株式会社 | 有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法、及び、有機無機ハイブリッド太陽電池 |
JP2018085497A (ja) * | 2016-11-16 | 2018-05-31 | ペクセル・テクノロジーズ株式会社 | 光電変換素子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4848661B2 (ja) | 2011-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060219294A1 (en) | Oxide semiconductor electrode, dye-sensitized solar cell, and, method of producing the same | |
JP4848661B2 (ja) | 色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池基材 | |
CN101667493B (zh) | 氧化物半导体电极、色素增感型太阳能电池及它们的制造方法 | |
US20080202583A1 (en) | Dye-sensitized solar cell and method of manufacturing same | |
EP1933387A2 (en) | Dye-sensitized solar cell | |
JP2012248537A (ja) | 光電極構造体及びその製造方法 | |
JP4925605B2 (ja) | 光電変換装置およびそれを用いた光発電装置 | |
JP2008257893A (ja) | 色素増感型太陽電池用基板の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、および、これらによって製造された色素増感型太陽電池用基板および色素増感型太陽電池。 | |
JP4969046B2 (ja) | 光電変換装置およびそれを用いた光発電装置 | |
JP2009217970A (ja) | 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、および色素増感型太陽電池モジュール | |
JP2008091162A (ja) | 酸化物半導体電極、および、これを用いた色素増感型太陽電池セル | |
JP5754071B2 (ja) | 酸化物半導体電極基板の製造方法および色素増感型太陽電池 | |
JP4915076B2 (ja) | 酸化物半導体電極の製造方法 | |
JP5364999B2 (ja) | 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、および色素増感型太陽電池モジュール | |
JP5007492B2 (ja) | 中間転写媒体の製造方法、酸化物半導体電極の製造方法、および色素増感型太陽電池の製造方法 | |
JP4929658B2 (ja) | 酸化物半導体電極用積層体 | |
JP4815838B2 (ja) | 色素増感型太陽電池用積層体、耐熱基板付色素増感型太陽電池用基材、色素増感型太陽電池用基材、および色素増感型太陽電池セル | |
JP4852838B2 (ja) | 色素増感型太陽電池用基材の製造方法および色素増感型太陽電池の製造方法 | |
JP5114837B2 (ja) | 酸化物半導体電極、およびこれを用いた色素増感型太陽電池セル | |
JP2003264304A (ja) | 光電変換素子 | |
JP5422960B2 (ja) | 光電変換用酸化物半導体電極、その作製方法及びこれを備えた色素増感太陽電池 | |
JP5217337B2 (ja) | 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、酸化物半導体電極用積層体の製造方法、および、酸化物半導体電極の製造方法 | |
JP5200398B2 (ja) | 酸化物半導体電極用積層体、耐熱基板付酸化物半導体電極、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池セル、および色素増感型太陽電池モジュール | |
KR20090039454A (ko) | 염료감응 태양전지 및 이의 제조방법 | |
JP2008041576A (ja) | 金属酸化物電極製造用転写体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110705 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110826 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110920 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |