JP5114837B2 - 酸化物半導体電極、およびこれを用いた色素増感型太陽電池セル - Google Patents

酸化物半導体電極、およびこれを用いた色素増感型太陽電池セル Download PDF

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Description

本発明は、酸化物半導体電極、およびこれ用いた色素増感型太陽電池セルに関するものであり、より詳しくは熱可塑性樹脂からなる接着層を有する酸化物半導体電極、および、これを用いた色素増感型太陽電池セルに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、および化合物半導体太陽電池などが既に実用化されているが、これらの太陽電池は製造コストが高い等の問題がある。そこで、環境負荷が小さく、かつ製造コストを削減できる太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目され研究開発が進められている。
このような色素増感型太陽電池には、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極が用いられている。
色素増感型太陽電池セルの一般的な構成を図1に示す。図1に示すように、一般的な色素増感型太陽電池セル11は、基材1上に、第1電極層2および色素増感剤を担持した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層3がこの順で積層した酸化物半導体電極13の多孔質層3上に、酸化還元対を有する電解質層4と、第2電極層5と、対向基材6がこの順に積層された構成を有し、酸化物半導体微粒子表面に吸着した増感色素が、基材1側から太陽光を受光することによって励起され、励起された電子が第1電極層へ伝導し、外部回路を通じて第2電極層へ伝導される。その後、酸化還元対を介して増感色素の基底準位に電子が戻ることよって発電するものである。このような色素増感型太陽電池としては、上記多孔質層を多孔質二酸化チタンから構成し、色素増感剤の含有量を増加させたグレッチェルセルが代表的であり、発電効率の高い色素増感型太陽電池として広く研究の対象となっている。
上記グレッチェルセルの特徴である多孔質の多孔質層を形成するには、一般的に多孔質層形成用組成物に対して300℃〜700℃での焼成処理を行うことが必要である。したがって、上記基材としては、焼成処理に耐え得る耐熱性を有する材質でなければ用いることができず、一般的な高分子フイルムは使用することができない問題点があった。
特許文献1には、耐熱基板上に酸化物半導体及び/又はその前駆体を含む層を形成させ、これを加熱焼成して得られる酸化物半導体膜を、被転写基材上に転写することを特徴とする半導体電極の製造方法が開示されている。このような転写方式によれば、耐熱基板上で焼成した酸化物半導体膜を任意の被転写基材へ転写することにより、多孔質層を形成することが可能である。したがって、このような転写方式は、被転写基材の材質を問わず酸化物半導体電極の用途等に応じて適当な被転写基材を選択することができる点において有用である。
上記転写方式においては、耐熱基板上に形成された酸化物半導体膜を、被転写基材に転写することによって多孔質層を形成するが、このような転写を実施するには被転写基材上に接着層を形成することが必要になる。したがって、例えば、転写方式で多孔質層を形成した酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いる場合、図1に示す色素増感型太陽電池セルの一般的な構成に、接着層が追加されることになる。図2に転写方式により多孔質層を形成した酸化物半導体電極を用いた、色素増感型太陽電池セルの構成を示す。図2に示すように転写方式で多孔質層を形成した酸化物半導体電極を用いた場合、色素増感型太陽電池セル12には、基材1と第1電極層2との間に接着層Aが形成されることになる。従来、このような接着層に用いる接着剤としては特に限定されず一般的な各種合成樹脂や無機接着剤が使用されてきた。
ここで、上記転写方式を用いて経時安定性に優れた酸化物半導体電極を作製するには、上記接着層が優れた接着力を有し、かつ長時間安定的に維持されていることが必要である。しかし、従来使用されてきた接着剤では接着力が不十分であり、経時で層間剥離を生じる問題点があった。また、例えば、酸化物半導体電極を上記色素増感型太陽電池に用いた場合、多孔質層が多孔質であるため、電解質層中の溶媒および酸化還元対が多孔質層を透過し、さらには電極層も透過する現象が確認されている。このため図2に示すような接着層を有する色素増感型太陽電池においては、接着層の接着力が上記電解質層中の酸化還元対および溶媒などの作用により低下してしまい、層間剥離が生じてしまう問題点があった。このような問題点から転写方式を用いて経時安定性に優れる色素増感型太陽電池を作製することは困難であった。さらに、上記転写方式は、被転写基材の材質を問わない点において利点を有するが、多孔質層を被転写基材に転写する際に、多孔質層が破損してしまう根本的な問題が残っており、実用性に欠けるといった問題点があった。
特開2002−184475号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、接着力の経時安定性に優れた接着層を備え、かつ転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極、およびこれを用いた色素増感型太陽電池セルを提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、
上記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする酸化物半導体電極を提供する。
本発明によれば、上記熱可塑性樹脂としてシラン変性樹脂を用いることにより、基材と第1電極層とに対する接着層の接着力を強固にできるため、例えば、本発明の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池セルに用いた場合に、電解質層から酸化還元対が接着層に透過したとしても、接着力を損なうことのない接着安定性を得ることができる。したがって、本発明によれば、経時で層間剥離等が生じることのない、経時安定性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。
また本発明は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、上記多孔質層が、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とする酸化物半導体電極を提供する。
本発明によれば、上記多孔質層が上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることにより、転写方式により多孔質層を形成する際に、上記耐熱基板と多孔質層との密着力を低減することができる。したがって、本発明によれば、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。
また、本発明によれば、上記接着層が熱可塑性樹脂からなることにより、接着層を可撓性に優れたものにできるため、接着層自体に「割れ」等が生じにくく、外部衝撃に対する耐性を備えた酸化物半導体電極を得ることができる。
本発明においては、上記熱可塑性樹脂が接着性樹脂を含むことが好ましい。上記熱可塑性樹脂が接着性樹脂を含むことにより、上記接着層の基材と第1電極層との接着力を強固にできるため、転写方式による高生産性を備えるのみならず、経時で層間剥離等が生じることのない、経時安定性に優れた酸化物半導体電極を得ることができるからである。
また本発明においては、上記基材が樹脂製フイルム基材であることが好ましい。上記基材が樹脂製フイルム基材であることにより、本発明の酸化物半導体電極を可撓性に優れたものにできるからである。
また本発明においては、上記多孔質層が、上記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と同一の金属元素を含むことが好ましい。上記多孔質層が、上記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と同一の金属元素を含むことにより、本発明の酸化物半導体電極を導電性に優れたものにできるからである。
また本発明においては、上記多孔質層がパターニングされていることが好ましい。上記多孔質層がパターニングされていることにより、例えば、本発明の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、モジュール起電力の高い色素増感型太陽電池を作製することができるからである。
また本発明においては、上記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着していることが好ましい。上記多孔質層が色素増感剤を含むことにより、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いる場合に、色素増感型太陽電池セルの製造工程を簡易化できるからである。
また本発明は、上記酸化物半導体電極が有する多孔質層上に、耐熱基板を有することを特徴とする耐熱基板付酸化物半導体電極を提供する。
本発明によれば、上記酸化物半導体電極が有する多孔質層上に耐熱基板を有することにより、耐熱性基材を剥離することにより、各層の密着性に優れる酸化物半導体電極を容易に作成できる耐熱基板付酸化物半導体電極を得ることができる。
また本発明は、上記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着した、上記酸化物半導体電極の多孔質層と、第2電極層および対向基材からなる対電極基材の第2電極層とが、酸化還元対を含む電解質層を介して、対向配置されていることを特徴とする色素増感型太陽電池セルを提供する。
本発明によれば、上記融着層が、熱可塑性樹脂から構成されることにより接着層自体に「割れ」等が生じにくく、外部衝撃に対する耐性を備えた色素増感型太陽電池セルを得ることができる。また本発明によれば、上記接着層がシラン変性樹脂からなることにより、上記接着層の接着力を強固にすることができるため、経時で層間剥離等が生じることのない、経時安定性に優れた色素増感型太陽電池セルを得ることができる。
本発明によれば、各層の接着安定性に優れ高生産性を備えた酸化物半導体電極、および色素増感型太陽電池セルを得ることができるといった効果を奏する。
以下、本発明の酸化物半導体電極、耐熱基板付酸化物半導体電極、および色素増感型太陽電池セルについて詳細に説明する。
A.酸化物半導体電極
まず、本発明の酸化物半導体電極について説明する。本発明の酸化物半導体電極は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有するものである。
次に、本発明の酸化物半導体電極について、図を参照しながら説明する。図3に本発明の酸化物半導体電極の一例を示す概略断面図を示す。図3に示すように、本発明の酸化物半導体電極20aは、基材21と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層22と、上記接着層22上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層23と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層24と、を有するものである。
本発明の酸化物半導体電極は、上記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする「第一態様の酸化物半導体電極」と、上記多孔質層が、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とする「第二態様の酸化物半導体電極」とに分けることができる。以下、本発明の酸化物半導体電極について、第一態様の酸化物半導体電極と、第二態様の酸化物半導体電極と、に分けて詳細に説明する。
A−1:第一態様の酸化物半導体電極
まず、第一態様の酸化物半導体電極について説明する。第一態様の酸化物半導体電極は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、上記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とするものである。
第一態様の酸化物半導体電極によれば、上記熱可塑性樹脂としてシラン変性樹脂を用いることにより、上記接着層の基材と第1電極層との接着力を強固なものにできる。このように上記熱可塑性樹脂としてシラン変性樹脂を用いることにより、上記接着層の基材と第1電極層との接着力が向上する機構は明らかでないが、シラン変性樹脂が有する反応性官能基が、基材および第1電極層を構成する化合物と縮合反応等を生じることにより、化学結合を形成することに起因すると考えられる。
また、上記熱可塑性樹脂としてシラン変性樹脂を用いることにより、上記のように接着層の接着力を強固にできることから、上記電解質層から酸化還元対が接着層に透過したとしても、接着力を損なうことのない接着安定性を得ることができる。したがって、第一態様の酸化物半導体電極によれば、経時で層間剥離等が生じることのない、経時安定性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。
転写方式による酸化物半導体電極の作製方法は、酸化物半導体電極に用いることができる基材の材質を問わない点において非常に有用であるが、経時安定性に優れた酸化物半導体電極を作製するには、接着層が優れた接着力を有し、かつ接着力が長時間安定的に維持されていることが必要とされる。しかし、従来転写方式による酸化物半導体電極の作製に使用されてきた接着剤では接着力が不十分であり、経時で層間剥離を生じる問題点があった。
また、例えば、上記酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合には、多孔質層が多孔質であるため電解質層中に含まれる酸化還元対が多孔質層を透過し、さらには電極層も透過する現象が確認されている。このため接着層を有する酸化物半導体電極を用いた色素増感型太陽電池では、上記電解質層中の酸化還元対および溶媒などの作用により接着層の接着力が低下してしまい、層間剥離が生じてしまう問題点があった。このような問題点から転写方式により形成した酸化物半導体電極を用いて経時安定性に優れる色素増感型太陽電池を作製することは困難であった。
本発明の第一態様の酸化物半導体電極によれば、上記接着層を構成する熱可塑性樹脂をシラン変性樹脂とすることにより、接着層の基材と、第1電極層との接着力を強固にすることができるため、経時安定性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。以下、本態様の酸化物半導体電極の各構成について説明する。
1.接着層
まず、第一態様の酸化物半導体電極における接着層について説明する。本態様における接着層は、上記基材と、上記第1電極層とを接着する機能を有するものであり、シラン変性樹脂からなることを特徴とするものである。
(1)シラン変性樹脂
本態様に用いられるシラン変性樹脂は、熱可塑性を示し、後述する基材および第1電極層との接着性を示すものであれば特に限定されないが、中でも本態様においては、融点が、50℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、特に60℃〜180℃の範囲内であることが好ましく、中でも65℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。融点が上記範囲よりも低いと、例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて作製した色素増感型太陽電池セルを、屋外で使用した場合に基材と第1電極層間の密着性が十分に保持されない可能性が有り、また、融点が上記範囲よりも高いと、例えば転写法により本態様の酸化物半導体電極から色素増感型太陽電池セルを作製する際に、転写工程において融点以上の加熱工程が必要となるため、本態様に用いる基材の種類によっては、基材自体が熱によるダメージを受ける場合があるからである。
本態様に用いられるシラン変性樹脂は、上記融点を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも本態様に用いられるシラン変性樹脂としては、ポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いることが好ましい。このような共重合体を用いることにより、例えば、本態様の酸化物半導体電極の製造方法等に応じて、シラン変性樹脂の諸物性を好適範囲に調整することが容易になるからである。本態様において上記共重合体は、シラノール触媒による架橋をしていてもしていなくてもどちらでもよい。
本態様に用いられる上記ポリオレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の炭素数2〜8程度のα-オレフィンの単独重合体、それらのα-オレフィンとエチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数2〜20程度の他のα-オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂、及び、1-ブテン単独重合体、1-ブテン-エチレン共重合体、1-ブテン-プロピレン共重合体等の1-ブテン系樹脂等が挙げられる。中でも本態様においては、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
本態様に用いられる上記共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体のいずれであってもよい。本態様においては、グラフト共重合体であることが好ましく、さらには、重合用ポリエチレンの主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、接着層の接着力をより強固にすることができるからである。
本態様に用いられる上記ポリエチレン系樹脂(以下、重合用ポリエチレンと称する。)としては、ポリエチレン系のポリマーであれば特に限定されない。このようなポリエチレン系のポリマーとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、極超低密度ポリエチレン、または直鎖状低密度ポリエチレンを挙げることができる。また本態様においては、これらのポリエチレン系ポリマーの一種類を単体として用いても良く、また、2種類以上を混合して用いても良い。
また本態様に用いられる重合用ポリエチレンは、上記ポリエチレン系ポリマーの中でも密度が低いものが好ましく、具体的には、密度が0.850g/cm〜0.960g/cmの範囲内であることが好ましく、特に0.865g/cm〜0.930g/cmの範囲内であることが好ましい。密度が低いポリエチレン系ポリマーは、一般的に側鎖を多く含有しているため、グラフト重合に好適に用いることができる。したがって、密度が上記範囲よりも高いと、グラフト重合が不十分になり、接着層に所望の接着力を付与することができない場合があり、また、密度が上記範囲よりも低いと、接着層の機械強度が損なわれる可能性があるからである。
本態様に用いられる上記エチレン性不飽和シラン化合物としては、上記重合用ポリエチレンと重合して、熱可塑性樹脂を形成できるものであれば特に限定されない。このようなエチレン性不飽和シラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリオペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、およびビニルトリカルボキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種のものであることが好ましい。
次に、上記ポリオレフィン化合物と、上記エチレン性不飽和シラン化合物とのグラフト共重合体の製造方法について説明する。このようなグラフト共重合体の製造方法は、所望の収率を得ることができる方法であれば特に限定されることなく、公知の重合手段により製造することができる。中でも本態様においては、上記ポリオレフィン化合物と、上記エチレン性不飽和シラン化合物と、遊離ラジカル発生剤と、からなるシラン変性樹脂組成物を加熱溶融混合することによりグラフト共重合体を得る方法が好ましい。このような方法によれば高収率で上記グラフト共重合体を得ることが容易だからである。
上記加熱溶融混合時の加熱温度は、所望の時間内に重合反応を終えることができる範囲内であれば特に限定されないが、通常、300℃以下が好ましく、特に270℃以下が好ましく、中でも、160℃〜250℃の範囲内が好ましい。加熱温度が上記範囲よりも低いと、重合反応が十分に進行しない場合があり、また加熱温度が上記範囲よりも高いと、シラノール基部分が架橋しゲル化する可能性があるからである。
遊離ラジカル発生剤としては、上記重合反応の促進に寄与できる化合物であれば特に限定されない。このような遊離ラジカル発生剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチル‐パーオキシイソブチレート、t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、またはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などが挙げることができる。これらの遊離ラジカル発生剤は、一種類のみを単体として用いてもよく、また2種類以上を混合して用いても良い。
上記シラン変性樹脂組成物中の遊離ラジカル発生剤の含有量は、遊離ラジカル発生剤の種類や重合反応条件に応じて、任意に決定することができるが、重合反応により得られるシラン変性樹脂中の残存量が0.001質量%以下となる範囲内であることが好ましい。本態様においては、通常、上記シラン変性樹脂組成物中のポリオレフィン化合物100重量部に対して、0.001重量部以上含まれていることが好ましく、特に0.01重量部〜5重量部含まれていることが好ましい。
上記シラン変性樹脂成物中の、エチレン性不飽和シラン化合物の含有量は、重合用ポリエチレン100重量部に対して、0.001重量部〜4重量部の範囲内が好ましく、特に0.01重量部〜3重量部の範囲内が好ましい。エチレン性不飽和シラン化合物の含有量が上記範囲よりも多いと、重合されることなく遊離したエチレン性不飽和シラン化合物が残存する可能性が有り、また上記範囲よりも少ないと接着層の密着力が不十分となり、本態様の酸化物半導体電極の安定性が損なわれてしまう場合があるからである。
(2)その他の化合物
本態様における接着層には、必要に応じてシラン変性樹脂以外の他の化合物を含むことができる。本態様においては、このような他の化合物として熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、なかでもポリオレフィン化合物(以下、添加用ポリオレフィン化合物と称する。)を用いることが好ましい。また、接着層に含まれる上記シラン変性樹脂として、ポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いる場合には、このような添加用ポリオレフィン化合物として、上記共重合体に用いられるポリオレフィン化合物と化合物を用いることが好ましい。
本態様において、接着層中の上記添加用ポリオレフィン化合物の含有量は、上記シラン変性樹脂100重量部に対し、0.01重量部〜9900重量部の範囲内が好ましく、特に0.1重量部〜2000重量部の範囲内がより好ましい。添加用ポリオレフィン化合物の含有量が上記範囲よりも少ないと、コストの面において不利となってしまう場合があり、また上記範囲よりも多いと、接着層の接着力が不十分となる可能性があるからである。
本態様においては、上記ポリオレフィン化合物として、ポリエチレン系樹脂(以下、添加用ポリエチレンと称する。)を用いることが好ましい。本態様においては、上記シラン変性樹脂として、ポリエチレン系樹脂とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いることが好ましいからである。
上記添加用ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、および直鎖状低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のものであることが好ましい。
また、本態様に用いられる接着層は、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、長期にわたって安定した機械強度、黄変防止、ひび割れ防止、優れた加工適性を得ることができるからである。
光安定化剤は、接着層に用いられる熱可塑性樹脂中の光劣化開始の活性種を補足し、光酸化を防止するものである。具体的には、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードピペリジン系化合物などの光安定化剤が挙げられる。
紫外線吸収剤は、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギーへと変換し、接着層に用いられる熱可塑性樹脂中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものである。具体的には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系、アクリロニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードアミン系、および超微粒子酸化チタン(粒子径:0.01μm〜0.06μm)もしくは超微粒子酸化亜鉛(粒子径:0.01μm〜0.04μm)などの無機系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
熱安定剤としては、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4‐ビス(1,1−ジメチルエチル)‐6‐メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)[1,1‐ビフェニル]‐4,4´‐ジイルビスホスフォナイト、およびビス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等のリン系熱安定剤;8‐ヒドロキシ‐5,7‐ジ‐t‐ブチル‐フラン‐2‐オンとo‐キシレンとの反応生成物等のラクトン系熱安定剤などを挙げることができる。リン系熱安定剤とラクトン系熱安定剤とを併用することが好ましい。
酸化防止剤は、接着層に用いられる熱可塑性樹脂の酸化劣化を防止するものである。具体的には、フェノール系、アミン系、イオウ系、リン系、およびラクトン系などの酸化防止剤が挙げられる。
これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤および酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤および酸化防止剤の含有量は、その粒子形状、密度などにより異なるものではあるが、それぞれ接着層の材料中0.001質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
さらに、本態様に用いられる他の化合物としては上記以外に、架橋剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤等を挙げることができる。
(3)接着層
本態様に用いられる接着層の厚みは、接着層を構成する上記シラン変性樹脂の種類に応じて、必要な接着力を発現できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、5μm〜300μmの範囲内が好ましく、特に10μm〜200μmの範囲内が好ましい。接着層の厚みが上記範囲よりも薄いと所望の接着力を得ることができない場合があり、また厚みが上記範囲よりも厚いと接着層により層間接着強度を十分に発現させるために過剰な加熱が必要となり、基材などへの熱ダメージが大きくなる場合があるからである。
2.第1電極層
次に本態様に用いられる第1電極層について説明する。本態様に用いられる第1電極層は、金属酸化物からなることを特徴とするものである。
(1)金属酸化物
本態様に用いられる金属酸化物としては、導電性に優れ、かつ後述する酸化還元対に対して耐性を示す材料であれば特に限定はされない。中でも本態様においては、太陽光の透過性に優れた材料を用いることが好ましい。例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作成した場合、通常、基材側から太陽光を受光する態様により使用するため、上記金属酸化物が太陽光の透過性に乏しいと、本態様の酸化物半導体電極を用いた色素増感型太陽電池の発電効率が損なわれてしまうからである。
このような太陽光の透過性に優れた上記金属酸化物としては、例えば、SnO、ITO、IZO、ZnOを挙げることができる。本発明においてはこれらの金属酸化物の中でも、フッ素ドープしたSnO(以下、FTOと称する。)、ITOを用いることが好ましい。FTOおよびITOは、導電性および太陽光の透過性の両方に優れているからである。
(2)第1電極層
本発明における第1電極層は、単層からなる構成であっても良く、また、複数の層を積層した構成であっても良い。複数の層を積層した構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる層を積層する態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層を積層する態様を挙げることができる。
本態様における第1電極層の厚みは、本態様の酸化物半導体電極を用いた色素増感型太陽電池セルの用途等に応じて、所望の導電性を実現できる範囲内であれば特に限定されない。本態様における第1電極層の厚みとしては、通常、5nm〜2000nmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも厚いと、均質な第1電極層を形成することが困難となる場合があり、また、厚みが上記範囲よりも薄いと、本態様の酸化物半導体電極の用途によっては第1電極層の導電性が不足する可能性があるからである。
なお、上記透明電極の厚みは、透明電極が複数の層から構成される場合には、すべての層を厚みを合計した総厚みを指すものとする。
また、本発明における第1電極層としては、基材上に開口が十分で光透過性のある金属メッシュと上述した金属酸化物とを一体化、または積層化した構成を有するものを用いることもできる。
3.多孔質層
次に本態様における多孔質層について説明する。本発明に用いられる多孔質層は、金属酸化物半導体微粒子を含むことを特徴とするものである。
(1)金属酸化物半導体微粒子
本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。これらの金属酸化物半導体微粒子は、多孔性の多孔質層を形成するのに適しており、エネルギー変換効率の向上、コストの削減を図ることができるため本態様の酸化物半導体電極に好適に用いられる。また、本態様においては上記金属酸化物半導体微粒子のうち、いずれか一種を使用しても良く、また、2種以上を混合して使用してもよい。さらに、上記の金属酸化物半導体微粒子のうち、一種をコア微粒子とし、他の金属酸化物半導体微粒子により、コア微粒子を包含してシェルを形成するコアシェル構造としてもよい。本態様においては、上記半導体酸化物微粒子としてTiOを用いることが最も好ましい。
本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子の粒径としては、多孔質層中に所望の表面積を得ることができる範囲内であれば特に限定はされないが、通常、1nm〜10μmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。粒径が上記範囲よりも小さいと各々の金属酸化物半導体微粒子が凝集し二次粒子を形成してしまう場合があり、また粒径が上記範囲より大きいと、多孔質層が厚膜化してしまうだけではなく、多孔質層の多孔度、すなわち比表面積が減少し、例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、多孔質層に光電変換するのに十分な色素増感剤を担持することができない場合があるからである。
また本態様においては、上記金属酸化物半導体微粒子として、粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子の混合物を用いても良い。粒径の異なる金属酸化物半導体微粒子の混合物を用いることにより、多孔質層における光散乱効果を高めることができるため、例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、色素増感剤による光吸収を効率的に行うことが可能となる。したがって、本態様においては粒径の異なる金属酸化物半導体微粒子の混合物を用いることが特に好ましい。
このような粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子の混合物としては、同種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であっても良く、または異なる種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であってもよい。異なる粒径の組み合わせとしては、例えば、10〜50nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子と、50〜800nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子とを混合して用いる態様を挙げることができる。
(2)その他の化合物
本態様における多孔質層には、上記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と同一の金属元素(以下、電極金属元素と称する場合がある。)を含むことが好ましい。上記多孔質層が、電極金属元素を含むことにより、本態様の酸化物半導体電極を導電性に優れたものにできるからである。
上記多孔質層中の電極金属元素の存在分布は、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて、任意に決定することができるが、第1電極層側の表面から反対側表面に向かって減少傾向の濃度勾配をもつ存在分布を有することが好ましい。多孔質層中において電極金属元素がこのように分布することにより、多孔質層の集電効率を一層向上することができるからである。
本態様において、多孔質層中に電極金属元素が含まれること、および上記の存在分布を有することは、電子線をプローブとして特定したい金属元素の特性X線強度を二次元でマッピングすることにより判断することができる。具体的には、日本電子社(JEOL)製のEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により判断することができる。また、上記金属元素の濃度勾配については、上記EPMAにより得られる断面元素マッピング図の縦方向(断面垂直方向)の検出強度プロファイルにより判断することができる。
また本態様における多孔質層は、色素増感剤を含むことが好ましい。すなわち、上記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着していることが好ましい。上記多孔質層が色素増感剤を含むことにより、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いる場合に、色素増感型太陽電池セルの製造工程を簡易化できるからである。本態様に用いられる色素増感剤としては、光を吸収し起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定はされない。このような色素増感剤としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。
なお、本態様において上記「色素増感剤を含む」とは、多孔質層(介在層、および酸化物半導体層)に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に吸着していることを意味するものとする。
本態様に用いられる上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系の色素が挙げられる。本態様においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。
また、本態様に用いられる上記金属錯体色素としては、ルテニウム系色素が好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が好ましい。このようなルテニウム錯体は、吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(3)多孔質層
本態様における多孔質層の膜厚は、本発明の酸化物半導体電極の用途に応じて、多孔質層に所望の機械強度を付与できる範囲内であれば特に限定されない。本発明における多孔質層の膜厚は、通常、1μm〜100μmの範囲内が好ましく、特に5μm〜30μmの範囲内が好ましい。多孔質層の厚みが上記範囲よりも厚いと、接着層からの剥離、多孔質層自体の凝集破壊が起りやすく、膜抵抗となりやすくなってしまう場合があり、また、上記範囲よりも薄いと厚みが均一な多孔質層を形成するのが困難となったり、例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、色素増感剤を含んだ多孔質層が太陽光などを十分に吸収できないために、性能不良になる可能性があるからである。
本態様における多孔質層は、単一の層からなる構成でもよく、また複数の層を積層した構成でも良いが、本態様においては複数の層を積層する構成を有することが好ましい。複数の層を積層する構成としては、本態様の酸化物半導体電極の製造方法等に応じて任意の構成を適宜選択して採用することができる。中でも本態様においては、多孔質層を上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなる2層構造とすることが好ましい。多孔質層をこのような酸化物半導体層と、介在層とからなる2層構造とすることにより、転写方式により多孔質層を形成する際に、上記耐熱基板と多孔質層との密着力を低減することができ、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができるからである。
本態様において、多孔質層を上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなる2層構造とする場合には、上記介在層は上記酸化物半導体層上に均一に形成されている必要は無く、厚み分布を有していてもよく、また酸化物半導体層上に介在層が存在しない部分があっても良い。介在層がこのような態様で存在しても、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができるからである。
多孔質層を上記酸化物半導体層と、上記介在層との2層構造とする場合における、酸化物半導体層と介在層との厚み比は、本態様の酸化物半導体電極の製造方法等に応じて、任意に決定すればよい。中でも本態様においては上記酸化物半導体層と上記介在層との厚み比が、10:0.1〜10:5の範囲内であることが好ましく、中でも、10:0.1〜10:3の範囲内であることが好ましい。介在層の厚みが上記範囲よりも厚いと、介在層の凝集破壊が起り易くなることによって、本発明の酸化物半導体電極を生産する際に歩留まりが悪くなったり、例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた倍に、多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に所望量の色素増感剤を吸着させることができない可能性があるからである。また厚みが上記範囲よりも薄いと本態様の酸化物半導体電極の生産性向上に寄与できない場合があるからである。
上記酸化物半導体層の空孔率としては、10%〜60%の範囲内であることが好ましく、中でも、20%〜50%の範囲内であることが好ましい。例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、酸化物半導体層の空孔率が上記範囲よりも小さいと、比表面積が小さくなるため、色素増感剤を含んだ多孔質層が太陽光などを有効に吸収できなくなる可能性があり、また上記範囲よりも大きいと、酸化物半導体層に所望量の色素増感剤を含むことができなくなる可能性があるからである。
上記介在層の空孔率としては、上記酸化物半導体層の空孔率よりも大きければ特に限定されないが、通常、25%〜65%の範囲内であることが好ましく、中でも、30%〜60%の範囲内であることが好ましい。介在層の空孔率が上記範囲よりも小さいと、耐熱基板との密着力が高くなるため、生産性に欠けてしまう可能性があり、また上記範囲よりも大きいと、均質な介在層を形成することが困難になる場合があるからである。
なお、本発明における空孔率とは単位体積当たりの金属半導体微粒子の非占有率のことを示す。上記空孔率の測定方法としては、細孔容積をガス吸着量測定装置(Autosorb−1MP;Quantachrome製)にて測定し、単位面積あたりの体積との比率から算出する。介在層の空孔率については酸化物半導体層と積層された多孔質層として求め、酸化物半導体層単体で求めた値より算出する。
4.基材
次に本態様に用いられる基材について説明する。本態様に用いることができる基材は、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて、所望の透明性を有するものであれば特に限定されないが、通常、波長400nm〜1000nmの光に対する透過率が、78%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。基材の透過率が上記範囲よりも低いと、例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作成した場合に発電効率が損なわれてしまう可能性があるからである。
また、本態様に用いられる基材は、上記透明性を有するものの中でも、耐熱性、耐候性、水蒸気、その他のガスバリア性に優れたものであることが好ましい。基材がガスバリア性を有することにより、例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、経時安定性を向上できるからである。中でも本態様においては、酸素透過率が温度23℃、湿度90%の条件下において1cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が温度37.8℃、湿度100%の条件下において1g/m/day以下のガスバリア性を有する基材を用いることが好ましい。本態様においては、このようなガスバリア性を達成するために、任意の基材上にガスバリア層を設けたものを用いてもよい。
上記ガスバリア性を具備する基材としては、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂製フイルム基材を挙げることができる。
本態様においては、上記基材の中でも、樹脂製フイルム基材を用いることが好ましい。樹脂製フイルム基材は、加工性に優れているため、他のデバイスとの組合せが容易であり、用途の幅を広げることができるからである。また、樹脂製フイルム基材を用いることにより、製造コストの削減にも寄与することができるからである。また本態様における基材は、一種類のみを単独で用いても良く、また、2種以上を積層して用いても良い。本態様においては、基材として二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)を用いることが特に好ましい。
本態様に用いられる基材の厚みは、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて、所望の自己支持性を有する範囲内であれば特に限定されない。本態様においては、通常、50μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に75μm〜1800μmの範囲内であることが好ましく、中でも100μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。基材の厚みが上記範囲より薄いと、必要な自己支持性を確保できない場合があり、また厚みが上記範囲よりも厚いと、加工適性を損なってしまう可能性があるからである。
5.酸化物半導体電極
本態様の酸化物半導体電極における多孔質層は、パターニングされていることが好ましい。多孔質層がパターニングされていることにより、本態様の酸化物半導体電極を、モジュール起電力の高い色素増感型太陽電池を作製するのに好適なものにできるからである。本態様における多孔質層のパターニングについて図を参照しながら説明する。図5は、本態様における多孔質層のパターニング態様の一例を示す概略断面図である。本態様における多孔質層のパターニングは、図5(a)に示すように、少なくとも多孔質層24がパターニングされていれば良い。また、図5(b)に示すように多孔質層24が、酸化物半導体層24aと、介在層24bとからなる場合には、両層が同一形状でパターニングされていることが好ましい。
さらに、本態様における多孔質層のパターニング態様としては、多孔質層24と、第1電極層23とがパターニングされていることが好ましい。多孔質層24と第1電極層23とがパターニングされている場合においては、多孔質層24と第1電極層23とのパターニング形状は、例えば、多孔質層24のパターン形状が第1電極層23のパターン形状よりも小さい等の態様によりパターン形状が互いに異なっていることが好ましい。
本態様において多孔質層がパターニングされている場合の、パターンは、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて任意に決定することができるが、中でも、ストライプ形状のパターンとすることが最も好ましい。
本態様の酸化物半導体電極は、色素増感型光充電キャパシタに用いられる色素増感型光充電キャパシタ用基材、エレクトロクロミックディスプレイに用いられるエレクトロクロミックディスプレイ用基材、光触媒反応を用いて大気中の汚染物質を分解できる汚染物質分解基板、および色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材等として用いることができるが、中でも色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材に好適に用いられる。
6.酸化物半導体電極の作製方法
次に、本態様の酸化物半導体電極の作成方法について説明する。本態様の酸化物半導体電極の作製方法は、通常、接着層を介して上記基材上に、多孔質層および第1電極層の積層体を転写する方式で作製する方法による。このような酸化物半導体電極の作製方法について図を参照しながら説明する。図6は、本態様の酸化物半導体電極の作製方法を示すものである。図6に示すように、本態様の酸化物半導体電極の作製方法は、耐熱基板25上に多孔質層24を形成する多孔質層形成工程(図6(a))と、上記多孔質層24上に第1電極層23を形成する第1電極層形成工程(図6(b))と、上記第1電極層23上に接着層22と基材21を付与する接着層および基材付与工程(図6(c))と、からなる耐熱基板付基材形成工程により、耐熱基板付酸化物半導体電極40を作製した後、図7に示す耐熱基板剥離工程において、上記耐熱基板付酸化物半導体電極40が有する耐熱基板25を上記多孔質層24から剥離する方法により作製する。以下、このような本態様の酸化物半導体電極の作製方法について説明する。
(1)耐熱基板付基材形成工程
まず、上記の耐熱基板付基材形成工程について説明する。本態様における耐熱基板付基材形成工程は、多孔質層形成工程と、第1電極層形成工程と、接着層および基材付与工程と、からなり、耐熱基板付酸化物半導体電極を作製する工程である。
(1−1)多孔質層形成工程
まず、多孔質層形成工程について説明する。本態様における多孔質層形成工程は、図6(a)に示すように耐熱基板25上に、多孔質層24を形成する工程である。ここで、本態様の多孔質層形成工程は、多孔質層を上記のように酸化物半導体層と、介在層との2層からなる構成とする場合は、耐熱基板上に介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層上に酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層および上記酸化物半導体層形成用層を焼成して、多孔質である介在層および酸化物半導体層からなる多孔質層を形成する焼成工程とからなる。本態様の酸化物半導体電極は、多孔質層が上記酸化物半導体層と、上記介在層とからなる2層構造が好ましいため、以下、このような2層構造の多孔質層を形成する、多孔質層形成工程について説明する。
a.耐熱基板
多孔質層形成工程に用いられる耐熱基板としては、後述する焼成処理時の加熱温度に対する耐熱性を有するものであれば特に限定されない。このような耐熱基板としては、ガラス、セラミックス、または金属板等からなる耐熱基板を挙げることができる。中でも本態様においては、耐熱基板として可撓性のある金属板を用いることが好ましい。このような耐熱基板を用いることにより、後述する焼成処理を十分に高温で行うことができるので、多孔質層を形成する金属酸化物半導体微粒子間の結着性を高くすることができるからである。また、上記耐熱基板は、リユースできることが好ましい。
b.介在層形成用層形成工程
本態様における介在層形成用層形成工程は、上記耐熱基板上に、介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する工程である。
(介在層形成用塗工液)
本態様における上記介在層形成用塗工液は、通常、金属酸化物半導体微粒子と、有機物と、溶媒とからなり、必要に応じて他の化合物を含むものである。以下、このような介在層形成用塗工液の各構成について説明する。
まず、上記介在層形成用塗工液に用いられる金属酸化物半導体微粒子について説明する。上記介在層形成用塗工液に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、上記「3.多孔質層」の、(1)金属酸化物半導体微粒子の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記介在層形成用塗工液の固形分中における金属酸化物半導体微粒子の含有量は、後述する酸化物半導体層形成用塗工液の固形分中における金属酸化物半導体微粒子の含有量よりも少ない範囲内であれば特に限定はされない。中でも本態様においては、金属酸化物半導体微粒子の含有量が上記介在層形成用塗工液の固形分中、20質量%〜80質量%の範囲内が好ましく、特に30質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましい。金属酸化物半導体微粒子の含有量が上記範囲よりも多いと、耐熱基板基材との密着力が高くなり、後述する耐熱基板剥離工程において耐熱基板の剥離性が損なわれる場合があり、また含有量が上記範囲よりも低いと、形成された介在層形成用層上に、均質な酸化物半導体層形成用層を形成することが困難になる可能性があるからである。
また、上記金属酸化物半導体微粒子の介在層形成用塗工液中に対する濃度は、後述する介在層形成用塗工液の塗布方法等に応じて任意に決定すればよいが、通常、0.01質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、中でも、0.1質量%〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
次に、上記介在層形成用塗工液に用いられる有機物について説明する。上記介在層形成用塗工液に用いられる有機物としては、後述する焼成工程において分解されやすいものであれば特に限定はされない。中でも本態様においては、上記有機物として合成樹脂を用いることが好ましい。合成樹脂は分子量や材質を任意に選択することにより、所望の熱分解性を備える化合物を得ることができるため、後述する焼成処理の処理条件の制約が少なくなる等の利点を有するからである。
上記合成樹脂としては、後述する酸化物半導体層形成用塗工液に用いる溶媒に溶解しにくいものであれば特に限定はされない。中でも本態様においては、合成樹脂の重量平均分子量が2000〜600000の範囲内であることが好ましく、特に5000〜300000の範囲内であることが好ましく、中でも10000〜200000の範囲内であることが好ましい。合成樹脂の分子量が上記範囲より大きいと、後述する焼成工程での熱分解が不十分になってしまう場合があり、また分子量が上記範囲よりも小さいと、介在層形成用塗工液の粘性が低下し、金属酸化物半導体微粒子が凝集してしまう可能性があるからである。
本態様に用いられる合成樹脂の具体例としては、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルエチルセルロース、セルロースプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、又はメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ターシャルブチルメタクリレート、ノルマルブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、2−エチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合体もしくは共重合体からなるアクリル系樹脂、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類等を挙げることができる。本態様においては、これらの合成樹脂の一種類を単体として用いてもよく、また2種類以上の合成樹脂を混合して用いてもよい。
上記介在層形成用塗工液中における上記有機物の含有量は、後述する耐熱基板剥離工程において、耐熱基板を所望の剥離力により剥離できる程度の多孔質性を介在層に付与できる範囲内であれば特に限定されない。中でも本態様における上記介在層形成用塗工液中の上記有機物の含有量は、介在層形成用塗工液に対して、0.01質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、特に0.1質量%〜15質量%の範囲内であることが好ましい。上記有機物の含有量が上記範囲よりも少ないと、後述する耐熱基板剥離工程における耐熱基板の剥離加重が高くなり、生産性の面において不利になる可能性が有り、また、含有量が上記範囲よりも多いと、介在層が加熱焼成後に耐熱基板より自己剥離してしまう可能性があるからである。
次に、上記介在層形成用塗工液に用いられる溶媒について説明する。上記介在層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上記有機物を所望量溶解できるものであれば、特に限定されない。このような溶媒としては、ケトン類、炭化水素類、エステル類、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、グリコール誘導体、エーテル類、エーテルエステル類、アミド類、アセテート類、ケトンエステル類、グリコールエーテル類、スルホン類、スルホキシド類等を挙げることができる。これらの溶媒は、一種類を単体として用いてもよく、2種類以上を混合した混合溶媒として用いても良い。中でも本態様においては、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、メタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルブタノール、イソブタノール、テルピネオール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール等の有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒は、耐熱基板に対する濡れ性に優れるため、耐熱基板上に対する介在層形成用塗工液の塗工性を向上することができるからである。
上記介在層形成用塗工液には、上記耐熱基板に対する上記介在層形成用塗工液の塗工適性を向上させるために、各種添加剤を用いてもよい。例えば、添加剤としては、界面活性剤、粘度調整剤、分散助剤、pH調節剤等を用いることができる。例えば、pH調製剤としては、硝酸、塩酸、酢酸、ジメチルホルムアミド、アンモニア等を挙げることができる。また、分散助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のポリマー、界面活性剤、酸、キレート剤等を挙げることができる。
(介在層形成用塗工液の塗布方法)
耐熱基板上への介在層形成用塗工液の塗布方式は、膜厚が均一で、平面性に優れた塗膜を形成できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、具体的には、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコート、オフセットコート、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。このような塗布法を用い、単数回または複数回、塗布および固化を繰り返すことにより介在層形成用層を所望の膜厚に調整することができる。
c.酸化物半導体層形成用層形成工程
次に、酸化物半導体層形成用層形成工程について説明する。本態様における酸化物半導体層形成用層形成工程は、介在層形成用層上に、酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する工程である。
(酸化物半導体層形成用塗工液)
本態様における酸化物半導体層形成用塗工液は、通常、金属酸化物半導体微粒子と、樹脂と、溶媒と、からなり、必要に応じて他の化合物を含んでも良い。以下、本態様に用いられる酸化物半導体層形成用塗工液の各構成について説明する。
まず、上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる金属酸化物半導体微粒子について説明する。上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、上記「3.多孔質層」の、(1)金属酸化物半導体微粒子の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記酸化物半導体層形成用塗工液中における金属酸化物半導体微粒子の含有量は、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて、任意に決定することができる。なかでも本態様においては、通常、金属酸化物半導体微粒子の含有量は酸化物半導体層形成用塗工液の固形分中、50質量%〜100質量%の範囲内が好ましく、特に65質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、金属酸化物半導体微粒子の含有量が上記範囲よりも少ないと、多孔質層に所望量の色素増感剤を含有できない可能性が有り、また上記範囲より多いと、多孔質層の抵抗が大きくなりすぎてしまう可能性があるからである。
また、上記金属酸化物半導体微粒子の酸化物半導体層形成用塗工液に対する濃度は、後述する酸化物半導体層形成用塗工液の塗布方法等によって任意に決定すればよいが、通常、5質量%〜50質量%の範囲内、中でも、10質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
次に、上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる樹脂について説明する。上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる樹脂は、後述する焼成工程において、分解されやすいものであれば特に限定はされない。上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる樹脂としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などのほか、ポリエチレングリコールのような多価アルコール類等を挙げることができる。
上記酸化物半導体層形成用塗工液中の上記樹脂の含有量は、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて所望の空孔率を得ることができる範囲内であれば特に限定されない。本態様においては、通常、酸化物半導体層形成用塗工液に対して、0.1質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、特に、0.5質量%〜20質量%の範囲内が好ましく、中でも1質量%〜10質量%の範囲内が好ましい。例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、樹脂の含有量が上記範囲よりも少ないと、多孔質層の多孔度が低くなり、所望量の色素増感剤を含有できない可能性が有り、また上記範囲より多いと、多孔質層の抵抗が大きくなりすぎたり、多孔質層の機械強度が低下する可能性があるからである。
次に、上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる溶媒について説明する。上記酸化物半導体層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上記樹脂を所望量溶解できるものであれば特に限定されない。このような溶媒としては、水またはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ターピネオール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール等の各種溶剤を挙げることができる。中でも、水ないしアルコール系の溶媒であることが好ましい。水またはアルコール系溶媒は、上記介在層形成用塗工液に用いられる有機溶媒と混合しないため、上記介在層形成用層と酸化物半導体層形成用層とが混合することを防止できるからである。
上記酸化物半導体層形成用塗工液には、酸化物半導体層形成用塗工液の塗工適性を向上させるために、各種添加剤を用いてもよい。例えば、添加剤としては、界面活性剤、粘度調整剤、分散助剤、pH調節剤等を用いることができる。pH調製剤としては、硝酸、塩酸、酢酸、ジメチルホルムアミド、アンモニア等を挙げることができる。また、分散助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のポリマー、界面活性剤、酸、キレート剤等を挙げることができる。
なかでも本態様においては、特に、分散助剤としてポリエチレングリコールを使用することが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が調節可能となり、剥がれにくい酸化物半導体層の形成、酸化物半導体層の空孔率の調整等を行うことができるからである。
(酸化物半導体層形成用塗工液の塗布方法)
上記介在層形成用層上への酸化物半導体層形成用塗工液の塗布方法は、上記「b.介在層形成用層形成工程」の項に記載した、介在層形成用塗工液の塗布方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
d.焼成工程
次に、焼成工程について説明する。本態様における焼成工程は、上記介在層形成用層と、上記酸化物半導体層形成用層を焼成処理し、多孔質である介在層と酸化物半導体層とを形成することにより、多孔質層を形成する工程である。
上記焼成工程における焼成温度は、上記介在層形成用層および上記酸化物半導体層形成用層中に含まれる有機物および樹脂を熱分解できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、300℃〜700℃の範囲内であることが好ましく、特に、350℃〜600℃の範囲内であることが好ましい。本態様においては、耐熱性に優れた耐熱基板を用いていることから、上記範囲の高温域での焼成が可能であり、介在層および酸化物半導体層において金属酸化物半導体微粒子間の結着性良く形成することができるからである。
また、上記焼成工程において、介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を焼成する際の加熱方法としては、加熱ムラなく一様に焼成できる方法であれば特に限定はされず、公知の加熱方法を用いることができる。
なお、本態様において多孔質層を上記酸化物半導体層と、上記介在層との2層構造にせず、1層からなる構造とする場合においては、上記「b.介在層形成用層形成工程」を除き、「c.酸化物半導体層形成用層形成工程」に記載した方法を用いることにより、上記耐熱基板上に多孔質層を形成することができる。
(1−2)第1電極層形成工程
次に、第1電極層形成工程について説明する。第1電極層形成工程は、上記多孔質層上に、金属酸化物からなる第1電極層を形成する工程である。
第1電極層形成工程において、上記多孔質層上に第1電極層を形成する方法としては、厚みが均一で平面性に優れた第1電極層を形成できる方法であれば、特に限定されない。本態様における第1電極層の形成方法としては、後述する下地電極層形成用組成物を用いて多孔質層の内部または表面に下地電極層を設ける溶液処理工程と、上記下地電極層上に主たる第1電極層を設ける上側電極層形成工程と、により2工程で第1電極層を形成する方法(第1の方法)と、第1電極層形成用組成物を用いて1工程で多孔質層上に第1電極層を形成する方法(第2の方法)を挙げることができる。
上記第1の方法によれば、上記多孔質層に、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を容易に含むことができ、かつ緻密な第1電極層を形成することができ、さらに多孔質層を形成する金属酸化物半導体微粒子表面を第1電極層を構成する金属酸化物が被覆することで多孔質層から電解質中への逆電子移動が抑制される利点を有する。一方、上記第2の方法によれば、工程簡略化が図れる利点を有する。
(第1の方法)
まず、上記第1の方法について説明する。第1の方法は、下地電極層形成用組成物を用いて多孔質層の内部または表面に下地電極層を設ける溶液処理工程と、上記下地電極層上に主たる第1電極層を設ける上側電極層形成工程と、により2工程で第1電極層を形成する方法である。
I.溶液処理工程
本態様における溶液処理工程は、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体が溶解した下地第1電極層形成用塗工液を、上記多孔質層に接触させることにより、上記多孔質層の内部または表面に下地第1電極層を設ける工程である。以下、このような溶液処理工程の各構成について説明する。
(i)下地第1電極層形成用塗工液
まず、本態様に用いられる下地第1電極層形成用塗工液について説明する。本態様に用いられる下地第1電極層形成用塗工液は、少なくとも第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体(以下、これらを「金属源」とする場合がある。)と、溶媒と、からなり、必要に応じて他の化合物を含むものである。
(金属源)
本態様に用いられる金属源は、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含むものであり、金属塩であっても良く、金属錯体であっても良い。なお、本発明における「金属錯体」とは、金属イオンに対して無機物または有機物が配位したもの、あるいは、分子中に金属−炭素結合を有する、いわゆる有機金属化合物を含むものである。
本実施態様に用いられる金属源を構成する金属元素としては、上記「2.第1電極層」の、(1)金属酸化物の項に記載した、金属酸化物が有する金属元素であるため、ここでの説明は省略する。
また、上記金属元素を与える金属塩としては、具体的には、上記金属元素を含む塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、リン酸塩、臭素酸塩等を挙げることができる。中でも、本態様においては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩を使用することが好ましい。これらの化合物は汎用品として入手が容易だからである。
また、上記金属錯体としては、具体的には、マグネシウムジエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナート二水和物、カルシウムジ(メトキシエトキシド)、グルコン酸カルシウム一水和物、クエン酸カルシウム四水和物、サリチル酸カルシウム二水和物、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、チタニウムビス(エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタンペロキソクエン酸アンモニウム四水和物、ジシクロペンタジエニル鉄(II)、乳酸鉄(II)三水和物、鉄(III)アセチルアセトナート、コバルト(II)アセチルアセトナート、ニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ジピバロイルメタナート、エチルアセト酢酸銅(II)、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛、ストロンチウムジピバロイルメタナート、イットリウムジピバロイルメタナート、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレート、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタイソプロポキシニオブ、トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド、ランタンアセチルアセトナート二水和物、トリ(メトキシエトキシ)ランタン、ペンタイソプロポキシタンタル、ペンタエトキシタンタル、タンタル(V)エトキシド、セリウム(III)アセチルアセトナートn水和物、クエン酸鉛(II)三水和物、シクロヘキサン酪酸鉛等を挙げることができる。中でも、本実施態様においては、マグネシウムジエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナート二水和物、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、乳酸鉄(II)三水和物、鉄(III)アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、ストロンチウムジピバロイルメタナート、ペンタエトキシニオブ、トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、ランタンアセチルアセトナート二水和物、トリ(メトキシエトキシ)ランタン、セリウム(III)アセチルアセトナートn水和物を使用することが好ましい。
また、本態様においては、下地第1電極層形成用塗工液が上記金属元素を2種類以上含有していても良く、複数種の金属元素を使用することにより、例えば、ITO、Gd−CeO、Sm−CeO、Ni−Fe等の複合下地第1電極層を得ることができる。
下地第1電極層形成用塗工液中における金属源の濃度としては、下地第1電極層を得ることができる濃度であれば特に限定されるものではないが、金属源が金属塩の場合、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.1mol/lであることが好ましく、金属源が金属錯体である場合、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.1mol/lであることが好ましい。濃度が上記範囲以下であると、下地第1電極層が充分に形成せず、緻密化に貢献できない可能性があり、濃度が上記範囲以上であると、均一な膜厚の下地第1電極層を得ることができない可能性があるからである。
本実施態様の下地第1電極層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上記金属塩等を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、金属源が金属塩の場合は、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール、トルエン、およびこれらの混合溶媒等を挙げることができ、金属源が金属錯体の場合は、上述した低級アルコール、トルエン、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
(添加剤)
また、本実施態様に用いられる下地第1電極層形成用塗工液は、必要に応じて添加剤を含んでも良い。本態様に用いられる添加剤としては、例えば、酸化剤、還元剤、補助イオン源や界面活性剤等を挙げることができる。
(酸化剤)
下地第1電極層形成用塗工液に用いられる酸化剤は、上述した金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化を促進する働きを有するものである。金属イオン等の価数を変化させることにより、下地第1電極層の発生しやすい環境とすることができる。
このような酸化剤の濃度としては、所望の下地第1電極層を得ることができれば特に限定されるものではないが、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.1mol/lであることが好ましい。濃度が上記範囲以下であると、酸化剤が効果を発揮しない可能性があり、濃度が上記範囲以上であると、得られる効果に大差が見られず、コスト上好ましくないからである。
また、このような酸化剤としては、後述する溶媒に溶解し、上記金属イオン等の酸化を促進することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、過酸化水素、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、酸化銀、二クロム酸、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、中でも過酸化水素、亜硝酸ナトリウムを使用することが好ましい。
(還元剤)
下地第1電極層形成用塗工液に用いられる還元剤は、分解反応により電子を放出し、水の電気分解によって水酸化物イオンを発生させ、下地第1電極層形成用塗工液のpHを上げる働きを有するものである。下地第1電極層形成用塗工液のpHが上昇することで、下地第1電極層の発生しやすい環境とすることができる。
このような還元剤の濃度としては、所望の下地第1電極層を得ることができれば特に限定されるものではないが、金属源が金属塩の場合、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.1mol/lであることが好ましく、金属源が金属錯体である場合、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.1mol/lであることが好ましい。濃度が上記範囲以下であると、還元剤が効果を発揮しない可能性があり、濃度が上記範囲以上であると、得られる効果に大差が見られず、コスト上好ましくないからである。
また、このような還元剤としては、後述する溶媒に溶解し、分解反応により電子を放出することができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ボラン−tert−ブチルアミン錯体、ボラン−N,Nジエチルアニリン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体等のボラン系錯体、水酸化シアノホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム等を挙げることができ、中でもボラン系錯体を使用することが好ましい。
また、上記溶液処理に用いられる下地第1電極層形成用塗工液は、還元剤と酸化剤とを含有するものであっても良い。このような還元剤および酸化剤の組合せとしては、特に限定されるものではないが、例えば、過酸化水素または亜硝酸ナトリウムと任意の還元剤との組合せ、任意の酸化剤とボラン系錯体との組合せ等が挙げられ、中でも、過酸化水素とボラン系錯体との組合せが好ましい。
(補助イオン源)
上記補助イオン源は、電子と反応し水酸化物イオンを発生するものであり、下地第1電極層形成用塗工液のpHを上昇させ、下地第1電極層の形成しやすい環境とすることができる。また、上記補助イオン源の使用量は、使用する金属塩や還元剤に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
このような補助イオン源としては、具体的には、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、臭素酸イオン、次臭素酸イオン、硝酸イオン、および亜硝酸イオンからなる群から選択されるイオン種を挙げることができる。
(界面活性剤)
また、上記界面活性剤は、下地第1電極層形成用塗工液と酸化物半導体層の多孔質体表面との界面に作用し、多孔質体表面に金属酸化物膜(下地第1電極層)が生成し易くする働きを有するものである。上記界面活性剤の使用量は、使用する金属塩や還元剤に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
このような界面活性剤は、具体的にはサーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノールGA、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104PPM、サーフィノール104E、サーフィノール104PA等のサーフィノールシリーズ(以上、全て日信化学工業(株)社製)、NIKKOL AM301、NIKKOL AM313ON(以上、全て日光ケミカル社製)等を挙げることができる。
(ii)多孔質層と下地第1電極層形成用塗工液との接触方法
次に、本実施態様における多孔質層と下地第1電極層形成用塗工液との接触方法について説明する。本実施態様における上記接触方法は、上述した多孔質層と上述した下地第1電極層形成用塗工液とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではなく、具体的には、ディッピング法、枚葉式による方法、溶液を霧状にして塗布する方法、等が挙げられる。
また、本態様においては、多孔質層と下地第1電極層形成用塗工液とを接触させる際に、加熱を行うことが好ましい。加熱することにより、下地第1電極層の生成速度を向上させることができるからである。加熱を行う方法としては、特に限定されるものではないが、中でも多孔質層を加熱することが好ましく、特に多孔質層および下地第1電極層形成用塗工液を加熱することが好ましい。多孔質層近傍における下地第1電極層の生成反応を促進することができるからである。加熱温度としては、50〜150℃の範囲内であることが好ましく、中でも70〜100℃の範囲内であることがより好ましい。
(II)上側第1電極層形成工程
本実施態様における上側第1電極層形成工程は、上述した溶液処理工程により形成された下地第1電極層上に上側第1電極層を設ける工程である。本実施態様においては、上述した下地第1電極層上に上側第1電極層を形成することで、緻密な第1電極層を得ることができる。
このような上側第1電極層形成工程で用いられる方法としては、所望の緻密性を有する上側第1電極層を設けることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記溶液処理工程後に、上記下地第1電極層を加熱し、後述する上側第1電極層形成用塗工液と接触させることにより上記下地第1電極層上に上側第1電極層を設ける方法、あるいは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、プラズマCVD、熱CVD、大気圧CVD等のCVD法等を挙げることができる。中でも、本発明においては上記溶液処理工程後に、上記下地第1電極層を加熱し、後述する上側第1電極層形成用塗工液と接触させることにより上記下地第1電極層上に上側第1電極層を設ける方法(以下、スプレー法という場合がある)が好ましい。以下、このようなスプレー法について詳細に説明する。
スプレー法は、上側第1電極層形成工程として、上記下地第1電極層を金属酸化物膜形成温度以上の温度に加熱し、上記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体が溶解した上側第1電極層形成用塗工液と接触させることにより、上記下地第1電極層上に上側第1電極層を設ける方法である。
なお、上記スプレー法において、「金属酸化物膜形成温度」とは、後述する上側第1電極層形成用塗工液に含まれる金属元素が酸素と結合し、上側第1電極層等である金属酸化物膜を形成することが可能な温度をいい、金属源が溶解してなる金属イオン等の種類、上側第1電極層形成用塗工液の組成等によって大きく異なるものである。上記スプレー法において、このような「金属酸化物膜形成温度」は、以下の方法により測定することができる。すなわち、実際に所望の金属源が溶解した上側第1電極層形成用塗工液を用意し、上記下地第1電極層を備えた耐熱基板の加熱温度を変化させて接触させることにより、上側第1電極層である金属酸化物膜を形成することができる最低の基材加熱温度を測定する。この最低の基材加熱温度を上記スプレー法における「金属酸化物膜形成温度」とすることができる。この際、金属酸化物膜が形成したか否かは、通常、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)より得られた結果から判断し、結晶性のないアモルファス膜の場合は、光電子分光分析装置(V.G.Scientific社製、ESCALAB 200i−XL)より得られた結果から判断するものとする。
上記スプレー法においては、上記下地第1電極層を金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱し、上記上側第1電極層形成用塗工液と接触させることにより、上記下地第1電極層上に上側第1電極層を形成することができ、その結果、多孔質体である上記多孔質層上に緻密な第1電極層を得ることができる。
以下、上記スプレー法について各構成毎に説明する。
(i)上側第1電極層形成用塗工液
まず、上記スプレー法に用いられる上側第1電極層形成用塗工液について説明する。上記スプレー法に用いられる上側第1電極層形成用塗工液は、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体と、溶媒とからなり必要に応じて他の化合物を含むものである。
(金属源)
上側第1電極層形成用塗工液に用いられる金属源は、上側第1電極層を形成することができるものであれば、金属塩であっても良く、金属錯体であっても良い。上記金属源の種類は、上述した溶液処理工程に記載された下地第1電極層形成用塗工液の金属塩と同じものを用いることができるが、中でも、透光性、導電性を有した上側第1電極層を得ることができる金属源であることが好ましい。本実施態様において上側第1電極層は、集電電極として作用するからである。このような上側第1電極層を構成する金属酸化物としては、透光性、導電性を有した上側第1電極層を構成することができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ITO、ZnO、FTO(フッ素ドープ酸化すず)、ATO(アンチモンドープ酸化すず)、SnO(TO)等が挙げられる。このような金属酸化物を構成する金属源としては、ITOの場合、例えば、トリス(アセチルアセトナート)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。また、上記ZnOの場合、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛等を用いることができる。また、上記FTOの場合、例えば、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができ、フッ素ドーピング剤としてはフッ化アンモニウム等を用いることができる。また、上記ATOの場合、例えば、アンチモン(III)ブトキシド、アンチモン(III)エトキシド、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。また、上記SnO(TO)の場合、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。
また、上側第1電極層形成用塗工液における金属源の濃度としては、上側第1電極層を得ることができる濃度であれば特に限定されるものではないが、金属源が金属塩の場合、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.5mol/lであることが好ましく、金属源が金属錯体である場合、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.5mol/lであることが好ましい。濃度が上記範囲以下であると、上側第1電極層が形成に時間がかかりすぎる可能性があり、濃度が上記範囲以上であると、均一な膜厚の上側第1電極層を得ることができない可能性があるからである。
(溶媒)
上側第1電極層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上述した金属源を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではないが、上述した溶液処理工程に記載された下地第1電極層形成用塗工液の溶媒と同じであるので、ここでの説明は省略する。
(添加剤)
また、上記スプレー法に用いられる上側第1電極層形成用塗工液は、補助イオン源や界面活性剤等の添加剤を含有していても良いが、上述した溶液処理工程に記載された下地第1電極層形成用塗工液の添加剤と同じであるので、ここでの説明は省略する。
(ii)上側第1電極層形成用塗工液と下地第1電極層との接触方法
次に、上記スプレー法における上側第1電極層形成用塗工液と上記下地第1電極層との接触方法について説明する。上記スプレー法における上記接触方法は、上述した上側第1電極層形成用塗工液と上述した下地第1電極層とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではないが、上記上側第1電極層形成用塗工液と上記下地第1電極層とが接触する際に、加熱された下地第1電極層の温度を低下させない方法であることが好ましい。下地第1電極層の温度が低下すると所望の第1電極層を得ることができない可能性があるからである。
また、上記スプレー法においては、上記上側第1電極層形成用塗工液と加熱された下地第1電極層とを接触させる際、上記下地第1電極層は、「金属酸化物膜形成温度」以上の温度まで加熱される。このような「金属酸化物膜形成温度」は、金属源が溶解してなる金属イオン等の種類、上側第1電極層形成用塗工液の組成等によって大きく異なるものであるが、上側第1電極層形成用塗工液に酸化剤および/または還元剤を加えない場合、通常400〜600℃の範囲内とすることができ、中でも、450〜550℃の範囲内であることが好ましい。一方、上側第1電極層形成用塗工液に酸化剤および/または還元剤を加える場合、通常150〜600℃の範囲内とすることができ、中でも、250〜400℃の範囲内であることが好ましい。また、特に、上記スプレー法を用いてITO膜の第1電極層を形成する際には、300〜500℃の範囲内とすることが好ましく、中でも、350〜450℃の範囲内であることがより好ましい。
また、このような加熱方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホットプレート、オーブン、焼成炉、赤外線ランプ、熱風送風機等の加熱方法を挙げることができ、中でも下地第1電極層の温度を上記温度に保持しながら上側第1電極層形成用塗工液に接触できる方法が好ましく、具体的にはホットプレートにより耐熱基板裏面側から加熱する方法が好ましい。
(第2の方法)
次に、上記第2の方法について説明する。第2の方法は1工程で多孔質層上に第1電極層を形成する方法である。このような第2の方法により第1電極層を形成する場合は、上記第1の方法における溶液処理工程を除き、上記上側第1電極層形成工程に記載した方法に従って、多孔質層上に上側第1電極層を形成することにより、本態様における第1電極層を形成することができる。
(1−3)接着層および基材付与工程
次に、接着層および基材付与工程について説明する。接着層形成工程は、上記第1電極層上に接着層を形成し、かつ上記接着層上に基材を付与する工程である。
上記接着層および基材付与工程において、接着層および基材を付与する方法としては、第1電極層上に、接着層と基材とを密着性良く付与できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、予め基材上にシラン変性樹脂からなる接着層を形成しておき、接着層を有する基材を、接着層と上記第1電極層とが接着するように配置した後、熱融着する方法(第一の方法)と、シラン変性樹脂からなる熱溶融性フイルムを作製し、当該熱溶融性フイルムを介して、上記第1電極層と、基材とをラミネートする方法(第二の方法)と、シラン変性樹脂を含む熱可塑性樹脂を第1電極層と基材間に直接流し込み熱溶着させる、押出ラミネーション法(第三の方法)とを挙げることができる。
上記接着層および基材付与工程に用いられる基材は、上記「4.基材」の項に記載したものと同様であり、またシラン変性樹脂は上記「1.接着層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)耐熱基板剥離工程
次に、耐熱基板剥離工程について説明する。耐熱基板剥離工程は、上記耐熱基板付基材形成工程により作製した耐熱基板付酸化物半導体電極から、耐熱基板を剥離し、酸化物半導体電極を作製する工程である。
上記耐熱基板剥離工程において、耐熱基板付酸化物半導体電極から耐熱基板を剥離する方法は、特に限定されず、一般的な剥離方法を用いることができる。また本工程においては、耐熱基板を機械的研磨除去や、エッチングなどによる化学的除去により剥離することもできる。
また上記耐熱基板剥離工程においては、上記多孔質層から耐熱基板を剥離することになるが、その際の剥離状態は、耐熱基板を耐熱基板と多孔質層との境界から層間剥離しても良く、また多孔質層を凝集破壊して剥離しても良い。また、多孔質層が、酸化物半導体層と介在層との2層からなる場合は、耐熱基板を介在層から剥離することになるが、この場合も同様に耐熱基板を耐熱基板と介在層との境界から層間剥離しても良く、また介在層を凝集破壊して剥離しても良い。
(3)その他の工程
本態様の酸化物半導体電極の作製方法には、上記の工程以外に他の工程を含んでも良い。本態様に用いられる他の工程としては、多孔質層のパターニングを行う、パターニング工程と、多孔質層に色素増感剤を含有させる色素増感剤担持工程を挙げることができる。なお、色素増感剤担持工程により、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材とすることができる。以下、これらの工程について説明する。
(パターニング工程)
まず、本態様に用いられるパターニング工程について説明する。本態様におけるパターニング工程は、多孔質層のパターニングを実施する工程である。
上記パターニング工程における多孔質層のパターニング方法は、多孔質層を所望のパターンに精度良くパターニングできる方法であれば特に限定されない。本態様に用いられるパターニング法としては、例えば、レーザースクライブ、ウェットエッチング、リフトオフ、ドライエッチング、メカニカルスクライブ等が挙げられ、中でもレーザースクライブおよびメカニカルスクライブが好ましい。
上記以外のパターニング方法としては、図8に示すように、任意の基板31上にパターニングされた熱溶融性樹脂層32を有するパターニング基材30と、本態様の酸化物半導体電極とを、熱溶融性樹脂層32と多孔質層24とが接するように熱融着した後、パターニング基材30を剥離することにより、多孔質層をパターニングする例を挙げることができる。上記基材31上へ、パターニングされた熱溶融性樹脂層を形成する方法は特に限定されず、例えば印刷法等の公知の方法を用いることができる。
本態様の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製する場合、上記パターニング工程は、多孔質層が色素増感剤を含まない状態でパターニングを実施しても良く、また後述する色素増感剤担持工程の後、多孔質層が色素増感剤を含む状態でパターニングを実施しても良い。
(色素増感剤担持工程)
次に、本態様に用いられる色素増感剤担持工程について説明する。本態様における色素増感剤担持工程は、上記多孔質層に色素増感剤を担持させる工程である。色素増感剤担持工程により、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材とすることができる。なお、本工程に用いられる色素増感剤は、上記「3.多孔質層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様において、上記色素増感剤担持工程によって多孔質層に色素増感剤を担持させるタイミングは、上記多孔質層形成工程の後であれば、特に限定されず、例えば、上記多孔質層形成工程後、上記第1電極層形成工程前に実施してもよく、上記第1電極層形成工程後、上記接着層および基材付与工程前に実施してもよく、上記接着層および基材付与工程後、上記耐熱基板剥離工程前に実施してもよい。さらには、上記耐熱基板剥離工程後、上記パターニング工程前に実施してもよく、上記パターニング工程後に実施してもよい。
上記色素増感剤担持工程において、多孔質層に色素増感剤を担持させる方法は、多孔質に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤を吸着させることが可能な方法であれば特に限定はされない。例えば、色素増感剤の溶液に多孔質層を浸透させた後、乾燥させる方法や、色素増感剤の溶液を多孔質層に塗布し浸透させた後、乾燥させる方法等を挙げることができる。
A−2:第二態様の酸化物半導体電極
次に、本発明の第二態様の酸化物半導体電極について説明する。本発明の第二態様の酸化物半導体電極は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、上記多孔質層が、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とするものである。
第二態様の酸化物半導体電極の一例を表す概略断面図を図4に示す。図4に示すように、本発明の第二態様の酸化物半導体電極20bは、多孔質層24が、上記第1電極層と接する酸化物半導体層24aと、上記酸化物半導体層24a上に形成され、かつ上記酸化物半導体層24aよりも空孔率が高い介在層24bと、からなることを特徴とするものである。
第二態様の酸化物半導体電極によれば、上記多孔質層が、上記酸化物半導体層と、上記介在層と、からなることにより、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。すなわち、転写方式により多孔質層を形成する場合、耐熱基板から多孔質層を剥離することになるが、耐熱基板と多孔質層との密着力が高いと、耐熱基板から多孔質層を剥離する際に、多孔質層が破損してしまい、高品質の多孔質層を得ることができない。図4に示すように、多孔質層24が酸化物半導体層24aと、上記介在層24bとからなることにより、多孔質層24と、耐熱基板との密着力を低減することができるため、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。以下、本態様の酸化物半導体電極の各構成について説明する。
1.多孔質層
まず、多孔質層について説明する。本態様における多孔質層は、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とするものである。本態様においては、多孔質層をこのような2層構造とすることにより、転写方式により多孔質層を形成する際に、上記耐熱基板と多孔質層との密着力を低減することができるため、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。
(1)多孔質層の構成
本態様において、多孔質層を構成する上記介在層は上記酸化物半導体層上に均一に形成されている必要は無く、厚み分布を有していてもよく、また酸化物半導体層上に介在層が存在しない部分があっても良い。介在層がこのような態様で存在しても、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができるからである。
本態様における酸化物半導体層と介在層との厚み比は、本態様の酸化物半導体電極の製造方法等に応じて、任意に決定すればよい。中でも本態様においては上記酸化物半導体層と上記介在層との厚み比が、10:0.1〜10:5の範囲内であることが好ましく、中でも、10:0.1〜10:3の範囲内であることが好ましい。介在層の厚みが上記範囲よりも厚いと、例えば本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、多孔質層に所望量の色素増感剤を含有することができない可能性があり、また厚みが上記範囲よりも薄いと本態様の酸化物半導体電極の生産性向上に寄与できない場合があるからである。
上記酸化物半導体層の空孔率としては、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて、任意に決定することができるが、中でも本態様においては、上記酸化物半導体層の空孔率が、10%〜60%の範囲内であることが好ましく、中でも、20%〜50%の範囲内であることが好ましい。例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、酸化物半導体層の空孔率が上記範囲よりも小さいと、色素増感剤から生じた電荷を第1電極層に伝導する機能が損なわれてしまう可能性があり、また上記範囲よりも大きいと、酸化物半導体層に所望量の色素増感剤を含むことができなくなる可能性があるからである。
上記介在層の空孔率としては、上記酸化物半導体層の空孔率よりも大きければ特に限定されないが、通常、25%〜65%の範囲内であることが好ましく、中でも、30%〜60%の範囲内であることが好ましい。介在層の空孔率が上記範囲よりも低いと、耐熱基板との密着力が高くなり、生産性に欠けてしまう可能性があり、また上記範囲よりも高いと、均質な介在層を形成することが困難になる場合があるからである。
(2)金属酸化物半導体微粒子
本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(1)金属酸化物半導体微粒子の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他の化合物
本発明における多孔質層には、必要に応じて金属酸化物半導体微粒子以外の他の化合物を含んでも良い。このような他の化合物としては、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(2)その他の化合物の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(4)多孔質層
本態様における多孔質層の膜厚は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(3)多孔質層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の多孔質層は、パターニングされていることが好ましい。多孔質層がパターニングされていることにより、本発明の酸化物半導体電極を、モジュール起電力の高い色素増感型太陽電池を作製するのに好適なものにできるからである。本態様における多孔質層のパターニング態様は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(3)多孔質層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.接着層
次に本態様における接着層について説明する。本発明における接着層は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
(1)熱可塑性樹脂
本態様における接着層に用いられる熱可塑性樹脂は、所望の温度で融解する樹脂であれば特に限定されない。中でも本態様においては、熱可塑性樹脂の融点が50℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、特に60℃〜180℃の範囲内であることが好ましく、中でも65℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。融点が上記範囲よりも低いと、例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて作製した色素増感型太陽電池セルを、屋外で使用した場合に基材と第1電極層間の密着性が十分に保持されない可能性が有り、また、融点が上記範囲よりも高いと、例えば転写法により本態様の酸化物半導体電極から色素増感型太陽電池セルを作製する際に、転写工程において融点以上の加熱工程が必要となるため、本態様に用いる基材の種類によっては、基材自体が熱によるダメージを受ける場合があるからである。
また、上記熱可塑性樹脂は、接着性樹脂であることが好ましい。このような接着性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、エチレン‐プロピレンゴム等のポリオレフィン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐アクリル酸共重合体、エチルセルロース、トリ酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸とそのエステルとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。中でも、接着性、電解液に対する耐性、光透過性及び転写性の点から、ポリオレフィン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シラン変性樹脂、および酸変性樹脂が好ましい。
また、上記接着性樹脂の別の例として、以下のようなポリオレフィン化合物を挙げることができる。上記ポリオレフィン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素数2〜8程度のα―オレフィンの単独重合体、それらのα―オレフィンとエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体、(無水)マレイン酸変性樹脂、シラン変性樹脂やオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
上記α−オレフィンの単独又は共重合体としては、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アタクチックポリプロピレン、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体などのポリオレフィン;エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸3元共重合体などの(無水)マレイン酸変性樹脂、エチレン不飽和シラン化合物とポリオレフィン化合物との共重合体からなるシラン変性樹脂などの変性ポリオレフィン;などが挙げられる。
上記オレフィン系エラストマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレンをハードセグメントとし、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)をソフトセグメントとするエラストマーなどが挙げられる。
これらのポリオレフィン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのこれらのポリオレフィン化合物のうち、接着性の点から、変性ポリオレフィン、特に変性エチレン系樹脂(例えば、エチレン不飽和シラン化合物とポリオレフィン化合物との共重合体からなるシラン変性樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン共重合体など)が好ましい。なかでもシラン変性樹脂を接着層とする場合が最も好ましい。
本態様においては上記の熱可塑性樹脂の中でも、シラン変性樹脂を用いることが好ましい。シラン変性樹脂を用いることにより、接着層が基材と第1電極層と化学結合を形成することが想定されるため、接着層が示す接着力をより強固にすることができるからである。本態様に用いられるシラン変性樹脂については、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、1.接着層、(1)シラン変性樹脂の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)その他の化合物
本態様における接着層には、必要に応じて上記以外の他の化合物を含むことができる。本態様に用いられる他の化合物としては、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、1.接着層、(2)その他の化合物の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)接着層
本態様における接着層の厚みは、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、1.接着層、(3)接着層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.第1電極層
本態様に用いられる第1電極層は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、2.第1電極層の項に記載したものと同様であるためここでの説明は省略する。
4.基材
本態様に用いられる基材は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、4.基材の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
5.酸化物半導体電極の作製方法
本態様における酸化物半導体電極の作製方法は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、6.酸化物半導体電極の作製方法の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
B.耐熱基板付酸化物半導体電極
次に、本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極について説明する。本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極は、上記第一態様の酸化物半導体電極または上記第二態様の酸化物半導体電極が有する多孔質層上に、耐熱基板を有することを特徴とするものである。
次に本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極について図を参照しながら説明する。図9は本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極の一例を示す概略断面図である。図9に示すように本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極30は、酸化物半導体電極20bが有する多孔質層24上に、耐熱基板25を有するものである。
本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極によれば、上記第一態様の酸化物半導体電極または上記第二態様の酸化物半導体電極が有する多孔質層上に耐熱基板を有するため、図7に示す耐熱基板剥離工程において、上記耐熱性基材を剥離することにより、各層の密着性に優れる酸化物半導体電極を容易に作成できる。
以下、本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極の各構成について説明する。
1.耐熱基板
本発明に用いられる耐熱基板は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、6.酸化物半導体電極の作製方法、(1)耐熱基板付基材形成工程の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.酸化物半導体電極
本発明に用いられる酸化物半導体電極は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」、および上記「A−2:第二態様の酸化物半導体電極」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.耐熱基板付酸化物半導体電極
本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極は、色素増感型光充電キャパシタ用電極の作製、エレクトロクロミックディスプレイ用電極の作製、汚染物質分解基板の作製、および色素増感型太陽電池用基材の作製等に用いることができるが、中でも色素増感型太陽電池用基材の作製に好適に用いることができる。
4.耐熱基板付酸化物半導体電極の作製方法
本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極の作製方法は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、6.酸化物半導体電極の作製方法、(1)耐熱基板付基材形成工程の項に記載した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.色素増感型太陽電池セル
次に、本発明の色素増感型太陽電池セルについて説明する。本発明の色素増感型太陽電池セルは、上記第一態様の酸化物半導体電極または、上記第二態様の酸化物半導体電極と、第2電極層および対向基材からなる対電極基材とが、酸化還元対を含む電解質層を介して、対向配置されていることを特徴とするものである。
本発明の色素増感型太陽電池セルについて図を参照しながら説明する。図10は、本発明の色素増感型太陽電池セルの一例を示す概略断面図である。図10に示すように、本発明の色素増感型太陽電池セル50は、基材21と、上記基材21上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層22と、上記接着層22上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層23と、上記第1電極層23上に形成され、色素増感剤を担持した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層24と、を有する酸化物半導体電極20bが、酸化還元対を含む電解質層41を介して、第2電極層51および対向基材52からなる対電極基材53と対向配置されているものである。
本発明によれば、上記接着層を構成する上記熱可塑性樹脂がシラン変性樹脂を含むことを特徴とする第一態様の酸化物半導体電極を用いることにより、上記接着層の基材と第1電極層との接着力を強固にできることから、上記電解質層から酸化還元対が接着層に透過したとしても、接着力を損なうことのない接着安定性を得ることができる。したがって、本発明によれば、経時で層間剥離等が生じることのない、安定性に優れた色素増感型太陽電池セルを得ることができる。
また本発明によれば、上記多孔質層が、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とする第二態様の酸化物半導体電極を用いることにより、転写方式による生産性に優れた色素増感型太陽電池セルを得ることができる。
さらに、本発明の第一態様および第二態様の酸化物半導体電極は、上記接着層が熱可塑性樹脂から構成されるため、上記接着層が可撓性に優れ、接着層自体に「割れ」等が生じにくい特徴を有する。したがって本発明によれば、外部衝撃に対する耐性を備えた色素増感型太陽電池セルを得ることができる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池セルの各構成について詳細に説明する。
1.電解質層
まず、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、酸化還元対を含むことを特徴とするものである。
(1)酸化還元対
本発明における電解質層に用いられる酸化還元対としては、一般的に電解質層において用いられているものであれば特に限定はされない。具体的には、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。例えば、ヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。さらに、臭素および臭化物の組み合わせとしては、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
(2)その他の化合物
本発明における電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物として、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していても良い。
(3)電解質層
電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用で室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応などにより化学結合でゲルを形成しているものである。
また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレンなどを溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。
さらに、電解質層を固体状とした場合には、酸化還元対を含まずにそれ自身が正孔輸送剤として機能するものであればよく、例えばCuI、ポリピロール、ポリチオフェンなどを含む正孔輸送剤であってもよい。
2.対電極基材
次に本発明における対電極基材について説明する。本発明における対電極基材は、第2電極層および対向基材からなるものである。
(1)第2電極層
本発明における第2電極層は、上記「A−1:第1態様の酸化物半導体電極」の、2.第1電極層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)対向基材
本発明における第2電極層は、上記「A−1:第1態様の酸化物半導体電極」の、4.基材の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他の層
本発明における対電極基材には必要に応じて、上記以外のその他の層を含んでも良い。本発明に用いられるその他の層としては、触媒層を挙げることができる。本発明においては、上記第2電極層上に触媒層を形成することにより、本発明の色素増感型太陽電池セルをより発電効率に優れたものにできる。このような触媒層の例としては、上記第2電極層上にPtを蒸着した態様を挙げることができるが、この限りではない。
3.酸化物半導体電極
本発明における酸化物半導体電極は、上記「A−1:酸化物半導体電極」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.色素増感型太陽電池セルの作製方法
次に本発明の色素増感型太陽電池セルの作成方法について説明する。本発明の色素増感型太陽電池セルは、本発明の「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層と、上記対電極基材が有する第2電極基材との間に電解質層を形成することにより作製する。
本発明において、「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層と、上記対電極基材が有する第2電極基材との間に電解質層を形成する方法としては、各層を厚み精度良く形成できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、上記多孔質層上に電解質層を形成した後、電解質層上に第2電極層を形成する方法(第1の方法)と、上記多孔質層と対向して第2電極層を形成した後、多孔質層と第2電極層との間に電解質層を形成する方法(第2の方法)を挙げることができる。
本態様においては、上記第1の方法として、電解質層形成用組成物を上記多孔質層上に塗布し、乾燥させることにより電解質層を形成した後に、対電極基材を付与する塗布法が好ましい。
また第2の方法としては、上記多孔質層と、対電極基材が有する第2電極層とが対向するように所定の間隙を有して配置させ、その間隙に、電解質層形成用組成物を注入することにより、電解質層を形成する注入法が好ましい。以下、このような塗布法および注入法について説明する。
(a)塗布法
まず、電解質層形成用組成物を、「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層上に塗布し、乾燥させることにより電解質層を形成した後に、対電極基材を付与する塗布法について説明する。このような形成方法により、主に固体状の電解質層を形成することができる。
このような塗布法において、多孔質層形成用組成物の塗布方法としては、公知の塗布法を用いることができ、具体的には、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコートや、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。
また、塗布法により電解質層を形成する場合、電解質層を形成する電解質層形成用組成物としては、少なくとも酸化還元対および酸化還元対を保持する高分子化合物を有するものであれば特に限定はされない。
(b)注入法
次に、「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層と、対電極基材が有する第2電極層とが対向するように所定の間隙を有して配置させ、その間隙に、電解質層形成用組成物を注入することにより、電解質層を形成する注入法について説明する。
上記注入法により電解質層を形成する場合、電解質層を形成する電解質層形成用組成物としては、少なくとも酸化還元対を有するものであれば特に限定はされないが、形成される電解質層をゲル状とする場合には、さらに、ゲル化剤が含有されたものとする。例えば、物理ゲルの場合は、ゲル化剤としてポリアクリロニトリル、ポリメタクリレート等を挙げることができる。また、化学ゲルの場合は、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系等を挙げることができる。
上記多孔質層と、対電極基材が有する第2電極層との間隙に電解質層形成用組成物を注入する方法としては、特に限定はされないが、例えば、毛細管現象を利用して注入させる方法や、上記多孔質層と、上記第2電極との間隙を真空状態にし、電解質層形成用組成物を接触させた状態で大気圧に開放することで注入する方法などを挙げることができる。
また、注入法により、電解質層形成用組成物を注入した後、例えば、温度調整、紫外線照射または電子線照射等を行い、二次元または三次元の架橋反応を生じさせることによりゲル状さらには固体状の電解質層を形成することができる。
なお、本発明において、対向基材上に第2電極層を形成する方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
1.多孔質層の形成
(1)酸化物半導体層形成用層の形成
酸化物半導体層形成用塗工液として、粒子サイズ約13nmの酸化チタンペーストTi−NanoxideD(Solaronix社製)を用いて、ドクターブレード法にて塗布後、室温下にて20分放置の後100℃、30分間乾燥させた。
(2)焼成
上記酸化物半導体層形成用層について、電気マッフル炉(デンケン社製P90)を用い500℃、30分間、大気圧雰囲気下にて焼成した。これにより、多孔質体として形成された多孔質層を得た。
2.第1電極層の形成
第1電極層形成用組成物として、エタノールに塩化インジウム0.1mol/l、塩化スズ0.005mol/lを溶解した組成物を用意した。その後、上記焼成を行った耐熱基板を、多孔質層を上向きにし、ホットプレート(400℃)上へ設置し、この加熱された多孔質層上に、上述した第1電極層形成用組成物を超音波噴霧器により噴霧し、透明導電膜であるITO膜を500nmを形成し、色素増感太陽電池用基材を形成した。
3.接着層および基材の付与
続いて接着層として、以下の熱可塑性樹脂フィルムを作成した。密度0.898g/m3の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)98重量部に対してビニルメトキシシラン2重量部、ラジカル発生剤0.1重量部を混合しグラフト重合することによりシラン変性ポリエチレン樹脂を得た。本樹脂に対して酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤からなる耐候剤ペレットを混合し、Tダイスを用いた溶融押し出しを行うことにより厚み50ミクロンの熱可塑性樹脂フィルムを得た。
次に、透明樹脂フィルム基材としてPETフィルム(東洋紡E5100 125μm)のコロナ処理面と先に作成した色素増感太陽電池用基材のITO膜面との間に先に作成した熱可塑性樹脂フィルムを挟みロールラミネータにて130℃で貼り合せた。
4.耐熱基板の剥離
その後、無アルカリガラス基板を剥離することで多孔質層および第1電極層を基材側へ転写した。
5.多孔質層のパターニング
その後、多孔質層をトリミングすることにより0.8mm□の多孔質層を形成した。
6.色素増感剤の付与
上記多孔質層を、あらかじめ用意した吸着用色素溶液(ルテニウム錯体(小島化学株式会社RuL(NCS))を無水エタノール溶液に濃度3×10−4mol/lとなるように溶解)に浸漬すること多孔質層に増感色素が担持された色素増感太陽電池用基材を得た。
7.色素増感型太陽電池セルの作製
得られた色素増感太陽電池用基材を用いて以下のように色素増感型太陽電池を作製した。電解質層を形成する電解質層形成用組成物を以下のように調整した。メトキシアセトニトリルを溶媒とし、濃度0.1mol/lのヨウ化リチウム、濃度0.05mol/lのヨウ素、濃度0.3mol/lのジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、濃度0.5mol/lのターシャリーブチルピリジンを溶解させたものを電解液とした。
上記色素増感型太陽電池用電極と、対向基材とを厚さ20μmのサーリンフィルムによって貼り合せ、その間に電解質層形成用塗工液を含浸させて色素増感型太陽電池セルを作製した。対向基材としては、膜厚150nmを有し、表面抵抗7Ω/□である、ITOスパッタ層を有する対向フィルム基材上に膜厚50nmの白金膜をスパッタリングにて付与したものを用いた。
(評価)
作製した色素増感型太陽電池セルについて、後述する方法により電流電圧特性を測定した結果、短絡電流14.8mA/cm、開放電圧683mV、変換効率6.1%であった。
(実施例2)
以下の方法により、多孔質層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池セルを作製した。
<多孔質層の形成方法(実施例2)>
(1)介在層形成用層の形成
介在層形成用塗工液として一次粒径20nmのTiO微粒子(日本アエロジル社製P25)1質量%、アクリル樹脂(分子量25000、ガラス転移温度105℃)(三菱レーヨン社製BR87)10質量%となるようにペイントシェイカーによりメチルエチルケトンおよびトルエンにアクリル樹脂を溶解させた後、TiO微粒子を分散させることにより介在層形成用塗工液を作製した。この介在層形成用塗工液を耐熱基材として用意した無アルカリガラス基板(厚み0.7mm)上にワイヤーバーにて塗工し乾燥させた。
(2)酸化物半導体層形成用層の形成
酸化物半導体層形成用塗工液として、一次粒径20nmのTiO2微粒子(日本アエロジル社製P25)37.5質量%、アセチルアセトン1.25質量%、ポリエチレングリコール(平均分子量3000)1.88質量%となるようにホモジナイザーを用いて水およびイソプロピルアルコールに溶解および分散させて酸化物半導体層形成用塗工液を作製した。上記介在層形成用層が形成された耐熱基板上にドクターブレードにて酸化物半導体層形成用塗工液を塗布後、室温下にて20分放置の後100℃、30分間乾燥させた。
(3)焼成
上記介在層形成用層および上記酸化物半導体層形成用層について、電気マッフル炉(デンケン社製P90)を用い500℃、30分間、大気圧雰囲気下にて焼成した。これにより、多孔質体として形成された多孔質層を得た。
(評価)
作製した色素増感型太陽電池セルについて、後述する方法により電流電圧特性を測定した結果、短絡電流13.2mA/cm、開放電圧680mV、変換効率5.5%であった。
(比較例1)
接着層として、密度0.898g/mのLLDPEを用い、実施例2と同様の方法により厚さ50μmの熱可塑性フィルムを用いること以外は実施例2と同様の方法により色素増感型太陽電池セルの作製を試みた。
しかしながら、上記「4.耐熱基板の剥離」において、無アルカリガラス基板を剥離する際に、転写性が不良が発生し、色素増感型太陽電池セルを作製することが出来なかった。
(比較例2)
接着層として、50ミクロン厚のEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)(タマポリ社製SB−10)を用いたこと以外は実施例2と同様の方法により、色素増感型太陽電池セルを作製した。
(評価)
作製した色素増感型太陽電池セルについて、後述する方法により電流電圧特性を測定した結果、短絡電流13.2mA/cm、開放電圧678mV、変換効率5.4%であった。
<経時安定性評価>
実施例1、実施例2、および比較例2において作製した色素増感型太陽電池セルについて、作製後1ヵ月経過した時点で再度電流電圧特性を測定した結果、実施例1、実施例2では変換効率の維持率が95%、96%であったのに対して、比較例2ではそれぞれ82%の維持率であり、性能の低下が顕著であった。性能低下が見られた比較例2で作製した色素増感型太陽電池セルを目視したところPET基材と第1電極層間における剥離が認められた。
b.電流電圧特性の評価方法
作製した素子の評価は、AM1.5、擬似太陽光(入射光強度100mW/cm)を光源として、色素吸着させた多孔質層を有する基材側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)にて電圧印加することにより測定した。
色素増感型太陽電池セルの一般的構成の一例を示す概略断面図である。 接着層を有する色素増感型太陽電池セルの一例を示す概略断面図である。 本発明の酸化物半導体電極の一例を示す概略断面図である。 本発明の酸化物半導体電極の他の例を示す概略断面図である。 本発明の酸化物半導体電極の他の例を示す概略断面図である。 本発明における耐熱基板付基材の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明における耐熱基板剥離工程の一例を示す工程図である。 本発明における多孔質層のパターニング工程の一例を示す工程図である。 本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極の一例を示す概略断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池セルの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 第1電極層
3 … 多孔質層
4 … 電解質層
5 … 第2電極層
6 … 対向基材
11 … 酸化物半導体電極
12 … 酸化物半導体電極
20a …酸化物半導体電極
20b …酸化物半導体電極
21… 基材
22 … 接着層
23 … 第1電極層
24 … 多孔質層
24a … 酸化物半導体層
24b … 介在層
25 … 耐熱基板
30 … パターニング基材
31 … 基材
32 … 熱溶融性樹脂層
40 … 耐熱基板付酸化物半導体電極
41 … 電解質層
50 … 色素増感型太陽電池セル
51 … 第2電極層
52 … 対向基材
53 … 対電極基材

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、
    前記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、
    を有する酸化物半導体電極であって、
    前記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする酸化物半導体電極。
  2. 基材と、
    前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、
    前記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、
    を有する酸化物半導体電極であって、
    前記多孔質層が、前記第1電極層と接する酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層上に形成され、かつ前記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなり、
    前記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする酸化物半導体電極。
  3. 前記熱可塑性樹脂が接着性樹脂を含むことを特徴とする、請求項2に記載の酸化物半導体電極。
  4. 前記基材が樹脂製フイルム基材であること特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
  5. 前記多孔質層が、前記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と、同一の金属元素を含むことを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
  6. 前記多孔質層がパターニングされていることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
  7. 前記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着していることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極が有する多孔質層上に、耐熱基板を有することを特徴とする耐熱基板付酸化物半導体電極。
  9. 前記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着した、請求項1から請求項7のいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極の多孔質層と、第2電極層および対向基材からなる対電極基材の第2電極層とが、酸化還元対を含む電解質層を介して、対向配置されていることを特徴とする色素増感型太陽電池セル。
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