JP5114837B2 - 酸化物半導体電極、およびこれを用いた色素増感型太陽電池セル - Google Patents
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Description
このような色素増感型太陽電池には、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極が用いられている。
上記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする酸化物半導体電極を提供する。
また、本発明によれば、上記接着層が熱可塑性樹脂からなることにより、接着層を可撓性に優れたものにできるため、接着層自体に「割れ」等が生じにくく、外部衝撃に対する耐性を備えた酸化物半導体電極を得ることができる。
まず、本発明の酸化物半導体電極について説明する。本発明の酸化物半導体電極は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有するものである。
まず、第一態様の酸化物半導体電極について説明する。第一態様の酸化物半導体電極は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、上記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とするものである。
まず、第一態様の酸化物半導体電極における接着層について説明する。本態様における接着層は、上記基材と、上記第1電極層とを接着する機能を有するものであり、シラン変性樹脂からなることを特徴とするものである。
本態様に用いられるシラン変性樹脂は、熱可塑性を示し、後述する基材および第1電極層との接着性を示すものであれば特に限定されないが、中でも本態様においては、融点が、50℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、特に60℃〜180℃の範囲内であることが好ましく、中でも65℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。融点が上記範囲よりも低いと、例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて作製した色素増感型太陽電池セルを、屋外で使用した場合に基材と第1電極層間の密着性が十分に保持されない可能性が有り、また、融点が上記範囲よりも高いと、例えば転写法により本態様の酸化物半導体電極から色素増感型太陽電池セルを作製する際に、転写工程において融点以上の加熱工程が必要となるため、本態様に用いる基材の種類によっては、基材自体が熱によるダメージを受ける場合があるからである。
本態様における接着層には、必要に応じてシラン変性樹脂以外の他の化合物を含むことができる。本態様においては、このような他の化合物として熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、なかでもポリオレフィン化合物(以下、添加用ポリオレフィン化合物と称する。)を用いることが好ましい。また、接着層に含まれる上記シラン変性樹脂として、ポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いる場合には、このような添加用ポリオレフィン化合物として、上記共重合体に用いられるポリオレフィン化合物と化合物を用いることが好ましい。
本態様に用いられる接着層の厚みは、接着層を構成する上記シラン変性樹脂の種類に応じて、必要な接着力を発現できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、5μm〜300μmの範囲内が好ましく、特に10μm〜200μmの範囲内が好ましい。接着層の厚みが上記範囲よりも薄いと所望の接着力を得ることができない場合があり、また厚みが上記範囲よりも厚いと接着層により層間接着強度を十分に発現させるために過剰な加熱が必要となり、基材などへの熱ダメージが大きくなる場合があるからである。
次に本態様に用いられる第1電極層について説明する。本態様に用いられる第1電極層は、金属酸化物からなることを特徴とするものである。
本態様に用いられる金属酸化物としては、導電性に優れ、かつ後述する酸化還元対に対して耐性を示す材料であれば特に限定はされない。中でも本態様においては、太陽光の透過性に優れた材料を用いることが好ましい。例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作成した場合、通常、基材側から太陽光を受光する態様により使用するため、上記金属酸化物が太陽光の透過性に乏しいと、本態様の酸化物半導体電極を用いた色素増感型太陽電池の発電効率が損なわれてしまうからである。
本発明における第1電極層は、単層からなる構成であっても良く、また、複数の層を積層した構成であっても良い。複数の層を積層した構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる層を積層する態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層を積層する態様を挙げることができる。
なお、上記透明電極の厚みは、透明電極が複数の層から構成される場合には、すべての層を厚みを合計した総厚みを指すものとする。
次に本態様における多孔質層について説明する。本発明に用いられる多孔質層は、金属酸化物半導体微粒子を含むことを特徴とするものである。
本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、TiO2、ZnO、SnO2、ITO、ZrO2、MgO、Al2O3、CeO2、Bi2O3、Mn3O4、Y2O3、WO3、Ta2O5、Nb2O5、La2O3等を挙げることができる。これらの金属酸化物半導体微粒子は、多孔性の多孔質層を形成するのに適しており、エネルギー変換効率の向上、コストの削減を図ることができるため本態様の酸化物半導体電極に好適に用いられる。また、本態様においては上記金属酸化物半導体微粒子のうち、いずれか一種を使用しても良く、また、2種以上を混合して使用してもよい。さらに、上記の金属酸化物半導体微粒子のうち、一種をコア微粒子とし、他の金属酸化物半導体微粒子により、コア微粒子を包含してシェルを形成するコアシェル構造としてもよい。本態様においては、上記半導体酸化物微粒子としてTiO2を用いることが最も好ましい。
このような粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子の混合物としては、同種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であっても良く、または異なる種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であってもよい。異なる粒径の組み合わせとしては、例えば、10〜50nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子と、50〜800nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子とを混合して用いる態様を挙げることができる。
本態様における多孔質層には、上記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と同一の金属元素(以下、電極金属元素と称する場合がある。)を含むことが好ましい。上記多孔質層が、電極金属元素を含むことにより、本態様の酸化物半導体電極を導電性に優れたものにできるからである。
なお、本態様において上記「色素増感剤を含む」とは、多孔質層(介在層、および酸化物半導体層)に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に吸着していることを意味するものとする。
本態様における多孔質層の膜厚は、本発明の酸化物半導体電極の用途に応じて、多孔質層に所望の機械強度を付与できる範囲内であれば特に限定されない。本発明における多孔質層の膜厚は、通常、1μm〜100μmの範囲内が好ましく、特に5μm〜30μmの範囲内が好ましい。多孔質層の厚みが上記範囲よりも厚いと、接着層からの剥離、多孔質層自体の凝集破壊が起りやすく、膜抵抗となりやすくなってしまう場合があり、また、上記範囲よりも薄いと厚みが均一な多孔質層を形成するのが困難となったり、例えば、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、色素増感剤を含んだ多孔質層が太陽光などを十分に吸収できないために、性能不良になる可能性があるからである。
次に本態様に用いられる基材について説明する。本態様に用いることができる基材は、本態様の酸化物半導体電極の用途等に応じて、所望の透明性を有するものであれば特に限定されないが、通常、波長400nm〜1000nmの光に対する透過率が、78%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。基材の透過率が上記範囲よりも低いと、例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作成した場合に発電効率が損なわれてしまう可能性があるからである。
本態様の酸化物半導体電極における多孔質層は、パターニングされていることが好ましい。多孔質層がパターニングされていることにより、本態様の酸化物半導体電極を、モジュール起電力の高い色素増感型太陽電池を作製するのに好適なものにできるからである。本態様における多孔質層のパターニングについて図を参照しながら説明する。図5は、本態様における多孔質層のパターニング態様の一例を示す概略断面図である。本態様における多孔質層のパターニングは、図5(a)に示すように、少なくとも多孔質層24がパターニングされていれば良い。また、図5(b)に示すように多孔質層24が、酸化物半導体層24aと、介在層24bとからなる場合には、両層が同一形状でパターニングされていることが好ましい。
さらに、本態様における多孔質層のパターニング態様としては、多孔質層24と、第1電極層23とがパターニングされていることが好ましい。多孔質層24と第1電極層23とがパターニングされている場合においては、多孔質層24と第1電極層23とのパターニング形状は、例えば、多孔質層24のパターン形状が第1電極層23のパターン形状よりも小さい等の態様によりパターン形状が互いに異なっていることが好ましい。
次に、本態様の酸化物半導体電極の作成方法について説明する。本態様の酸化物半導体電極の作製方法は、通常、接着層を介して上記基材上に、多孔質層および第1電極層の積層体を転写する方式で作製する方法による。このような酸化物半導体電極の作製方法について図を参照しながら説明する。図6は、本態様の酸化物半導体電極の作製方法を示すものである。図6に示すように、本態様の酸化物半導体電極の作製方法は、耐熱基板25上に多孔質層24を形成する多孔質層形成工程(図6(a))と、上記多孔質層24上に第1電極層23を形成する第1電極層形成工程(図6(b))と、上記第1電極層23上に接着層22と基材21を付与する接着層および基材付与工程(図6(c))と、からなる耐熱基板付基材形成工程により、耐熱基板付酸化物半導体電極40を作製した後、図7に示す耐熱基板剥離工程において、上記耐熱基板付酸化物半導体電極40が有する耐熱基板25を上記多孔質層24から剥離する方法により作製する。以下、このような本態様の酸化物半導体電極の作製方法について説明する。
まず、上記の耐熱基板付基材形成工程について説明する。本態様における耐熱基板付基材形成工程は、多孔質層形成工程と、第1電極層形成工程と、接着層および基材付与工程と、からなり、耐熱基板付酸化物半導体電極を作製する工程である。
まず、多孔質層形成工程について説明する。本態様における多孔質層形成工程は、図6(a)に示すように耐熱基板25上に、多孔質層24を形成する工程である。ここで、本態様の多孔質層形成工程は、多孔質層を上記のように酸化物半導体層と、介在層との2層からなる構成とする場合は、耐熱基板上に介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層上に酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層および上記酸化物半導体層形成用層を焼成して、多孔質である介在層および酸化物半導体層からなる多孔質層を形成する焼成工程とからなる。本態様の酸化物半導体電極は、多孔質層が上記酸化物半導体層と、上記介在層とからなる2層構造が好ましいため、以下、このような2層構造の多孔質層を形成する、多孔質層形成工程について説明する。
多孔質層形成工程に用いられる耐熱基板としては、後述する焼成処理時の加熱温度に対する耐熱性を有するものであれば特に限定されない。このような耐熱基板としては、ガラス、セラミックス、または金属板等からなる耐熱基板を挙げることができる。中でも本態様においては、耐熱基板として可撓性のある金属板を用いることが好ましい。このような耐熱基板を用いることにより、後述する焼成処理を十分に高温で行うことができるので、多孔質層を形成する金属酸化物半導体微粒子間の結着性を高くすることができるからである。また、上記耐熱基板は、リユースできることが好ましい。
本態様における介在層形成用層形成工程は、上記耐熱基板上に、介在層形成用塗工液を塗布し、固化させて介在層形成用層を形成する工程である。
本態様における上記介在層形成用塗工液は、通常、金属酸化物半導体微粒子と、有機物と、溶媒とからなり、必要に応じて他の化合物を含むものである。以下、このような介在層形成用塗工液の各構成について説明する。
耐熱基板上への介在層形成用塗工液の塗布方式は、膜厚が均一で、平面性に優れた塗膜を形成できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、具体的には、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコート、オフセットコート、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。このような塗布法を用い、単数回または複数回、塗布および固化を繰り返すことにより介在層形成用層を所望の膜厚に調整することができる。
次に、酸化物半導体層形成用層形成工程について説明する。本態様における酸化物半導体層形成用層形成工程は、介在層形成用層上に、酸化物半導体層形成用塗工液を塗布し、固化させて酸化物半導体層形成用層を形成する工程である。
本態様における酸化物半導体層形成用塗工液は、通常、金属酸化物半導体微粒子と、樹脂と、溶媒と、からなり、必要に応じて他の化合物を含んでも良い。以下、本態様に用いられる酸化物半導体層形成用塗工液の各構成について説明する。
なかでも本態様においては、特に、分散助剤としてポリエチレングリコールを使用することが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が調節可能となり、剥がれにくい酸化物半導体層の形成、酸化物半導体層の空孔率の調整等を行うことができるからである。
上記介在層形成用層上への酸化物半導体層形成用塗工液の塗布方法は、上記「b.介在層形成用層形成工程」の項に記載した、介在層形成用塗工液の塗布方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、焼成工程について説明する。本態様における焼成工程は、上記介在層形成用層と、上記酸化物半導体層形成用層を焼成処理し、多孔質である介在層と酸化物半導体層とを形成することにより、多孔質層を形成する工程である。
次に、第1電極層形成工程について説明する。第1電極層形成工程は、上記多孔質層上に、金属酸化物からなる第1電極層を形成する工程である。
まず、上記第1の方法について説明する。第1の方法は、下地電極層形成用組成物を用いて多孔質層の内部または表面に下地電極層を設ける溶液処理工程と、上記下地電極層上に主たる第1電極層を設ける上側電極層形成工程と、により2工程で第1電極層を形成する方法である。
本態様における溶液処理工程は、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体が溶解した下地第1電極層形成用塗工液を、上記多孔質層に接触させることにより、上記多孔質層の内部または表面に下地第1電極層を設ける工程である。以下、このような溶液処理工程の各構成について説明する。
まず、本態様に用いられる下地第1電極層形成用塗工液について説明する。本態様に用いられる下地第1電極層形成用塗工液は、少なくとも第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体(以下、これらを「金属源」とする場合がある。)と、溶媒と、からなり、必要に応じて他の化合物を含むものである。
本態様に用いられる金属源は、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含むものであり、金属塩であっても良く、金属錯体であっても良い。なお、本発明における「金属錯体」とは、金属イオンに対して無機物または有機物が配位したもの、あるいは、分子中に金属−炭素結合を有する、いわゆる有機金属化合物を含むものである。
また、本態様においては、下地第1電極層形成用塗工液が上記金属元素を2種類以上含有していても良く、複数種の金属元素を使用することにより、例えば、ITO、Gd−CeO2、Sm−CeO2、Ni−Fe2O3等の複合下地第1電極層を得ることができる。
また、本実施態様に用いられる下地第1電極層形成用塗工液は、必要に応じて添加剤を含んでも良い。本態様に用いられる添加剤としては、例えば、酸化剤、還元剤、補助イオン源や界面活性剤等を挙げることができる。
下地第1電極層形成用塗工液に用いられる酸化剤は、上述した金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化を促進する働きを有するものである。金属イオン等の価数を変化させることにより、下地第1電極層の発生しやすい環境とすることができる。
下地第1電極層形成用塗工液に用いられる還元剤は、分解反応により電子を放出し、水の電気分解によって水酸化物イオンを発生させ、下地第1電極層形成用塗工液のpHを上げる働きを有するものである。下地第1電極層形成用塗工液のpHが上昇することで、下地第1電極層の発生しやすい環境とすることができる。
上記補助イオン源は、電子と反応し水酸化物イオンを発生するものであり、下地第1電極層形成用塗工液のpHを上昇させ、下地第1電極層の形成しやすい環境とすることができる。また、上記補助イオン源の使用量は、使用する金属塩や還元剤に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
また、上記界面活性剤は、下地第1電極層形成用塗工液と酸化物半導体層の多孔質体表面との界面に作用し、多孔質体表面に金属酸化物膜(下地第1電極層)が生成し易くする働きを有するものである。上記界面活性剤の使用量は、使用する金属塩や還元剤に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
次に、本実施態様における多孔質層と下地第1電極層形成用塗工液との接触方法について説明する。本実施態様における上記接触方法は、上述した多孔質層と上述した下地第1電極層形成用塗工液とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではなく、具体的には、ディッピング法、枚葉式による方法、溶液を霧状にして塗布する方法、等が挙げられる。
本実施態様における上側第1電極層形成工程は、上述した溶液処理工程により形成された下地第1電極層上に上側第1電極層を設ける工程である。本実施態様においては、上述した下地第1電極層上に上側第1電極層を形成することで、緻密な第1電極層を得ることができる。
以下、上記スプレー法について各構成毎に説明する。
まず、上記スプレー法に用いられる上側第1電極層形成用塗工液について説明する。上記スプレー法に用いられる上側第1電極層形成用塗工液は、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を含む金属塩または金属錯体と、溶媒とからなり必要に応じて他の化合物を含むものである。
上側第1電極層形成用塗工液に用いられる金属源は、上側第1電極層を形成することができるものであれば、金属塩であっても良く、金属錯体であっても良い。上記金属源の種類は、上述した溶液処理工程に記載された下地第1電極層形成用塗工液の金属塩と同じものを用いることができるが、中でも、透光性、導電性を有した上側第1電極層を得ることができる金属源であることが好ましい。本実施態様において上側第1電極層は、集電電極として作用するからである。このような上側第1電極層を構成する金属酸化物としては、透光性、導電性を有した上側第1電極層を構成することができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ITO、ZnO、FTO(フッ素ドープ酸化すず)、ATO(アンチモンドープ酸化すず)、SnO2(TO)等が挙げられる。このような金属酸化物を構成する金属源としては、ITOの場合、例えば、トリス(アセチルアセトナート)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。また、上記ZnOの場合、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛等を用いることができる。また、上記FTOの場合、例えば、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができ、フッ素ドーピング剤としてはフッ化アンモニウム等を用いることができる。また、上記ATOの場合、例えば、アンチモン(III)ブトキシド、アンチモン(III)エトキシド、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。また、上記SnO2(TO)の場合、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド等を用いることができる。
上側第1電極層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上述した金属源を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではないが、上述した溶液処理工程に記載された下地第1電極層形成用塗工液の溶媒と同じであるので、ここでの説明は省略する。
また、上記スプレー法に用いられる上側第1電極層形成用塗工液は、補助イオン源や界面活性剤等の添加剤を含有していても良いが、上述した溶液処理工程に記載された下地第1電極層形成用塗工液の添加剤と同じであるので、ここでの説明は省略する。
次に、上記スプレー法における上側第1電極層形成用塗工液と上記下地第1電極層との接触方法について説明する。上記スプレー法における上記接触方法は、上述した上側第1電極層形成用塗工液と上述した下地第1電極層とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではないが、上記上側第1電極層形成用塗工液と上記下地第1電極層とが接触する際に、加熱された下地第1電極層の温度を低下させない方法であることが好ましい。下地第1電極層の温度が低下すると所望の第1電極層を得ることができない可能性があるからである。
次に、上記第2の方法について説明する。第2の方法は1工程で多孔質層上に第1電極層を形成する方法である。このような第2の方法により第1電極層を形成する場合は、上記第1の方法における溶液処理工程を除き、上記上側第1電極層形成工程に記載した方法に従って、多孔質層上に上側第1電極層を形成することにより、本態様における第1電極層を形成することができる。
次に、接着層および基材付与工程について説明する。接着層形成工程は、上記第1電極層上に接着層を形成し、かつ上記接着層上に基材を付与する工程である。
次に、耐熱基板剥離工程について説明する。耐熱基板剥離工程は、上記耐熱基板付基材形成工程により作製した耐熱基板付酸化物半導体電極から、耐熱基板を剥離し、酸化物半導体電極を作製する工程である。
本態様の酸化物半導体電極の作製方法には、上記の工程以外に他の工程を含んでも良い。本態様に用いられる他の工程としては、多孔質層のパターニングを行う、パターニング工程と、多孔質層に色素増感剤を含有させる色素増感剤担持工程を挙げることができる。なお、色素増感剤担持工程により、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材とすることができる。以下、これらの工程について説明する。
まず、本態様に用いられるパターニング工程について説明する。本態様におけるパターニング工程は、多孔質層のパターニングを実施する工程である。
次に、本態様に用いられる色素増感剤担持工程について説明する。本態様における色素増感剤担持工程は、上記多孔質層に色素増感剤を担持させる工程である。色素増感剤担持工程により、本態様の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材とすることができる。なお、本工程に用いられる色素増感剤は、上記「3.多孔質層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明の第二態様の酸化物半導体電極について説明する。本発明の第二態様の酸化物半導体電極は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、上記多孔質層が、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とするものである。
まず、多孔質層について説明する。本態様における多孔質層は、上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなることを特徴とするものである。本態様においては、多孔質層をこのような2層構造とすることにより、転写方式により多孔質層を形成する際に、上記耐熱基板と多孔質層との密着力を低減することができるため、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができる。
本態様において、多孔質層を構成する上記介在層は上記酸化物半導体層上に均一に形成されている必要は無く、厚み分布を有していてもよく、また酸化物半導体層上に介在層が存在しない部分があっても良い。介在層がこのような態様で存在しても、転写方式による生産性に優れた酸化物半導体電極を得ることができるからである。
本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(1)金属酸化物半導体微粒子の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における多孔質層には、必要に応じて金属酸化物半導体微粒子以外の他の化合物を含んでも良い。このような他の化合物としては、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(2)その他の化合物の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様における多孔質層の膜厚は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、3.多孔質層、(3)多孔質層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に本態様における接着層について説明する。本発明における接着層は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
本態様における接着層に用いられる熱可塑性樹脂は、所望の温度で融解する樹脂であれば特に限定されない。中でも本態様においては、熱可塑性樹脂の融点が50℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、特に60℃〜180℃の範囲内であることが好ましく、中でも65℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。融点が上記範囲よりも低いと、例えば、本態様の酸化物半導体電極を用いて作製した色素増感型太陽電池セルを、屋外で使用した場合に基材と第1電極層間の密着性が十分に保持されない可能性が有り、また、融点が上記範囲よりも高いと、例えば転写法により本態様の酸化物半導体電極から色素増感型太陽電池セルを作製する際に、転写工程において融点以上の加熱工程が必要となるため、本態様に用いる基材の種類によっては、基材自体が熱によるダメージを受ける場合があるからである。
本態様における接着層には、必要に応じて上記以外の他の化合物を含むことができる。本態様に用いられる他の化合物としては、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、1.接着層、(2)その他の化合物の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様における接着層の厚みは、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、1.接着層、(3)接着層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる第1電極層は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、2.第1電極層の項に記載したものと同様であるためここでの説明は省略する。
本態様に用いられる基材は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、4.基材の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様における酸化物半導体電極の作製方法は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、6.酸化物半導体電極の作製方法の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極について説明する。本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極は、上記第一態様の酸化物半導体電極または上記第二態様の酸化物半導体電極が有する多孔質層上に、耐熱基板を有することを特徴とするものである。
本発明に用いられる耐熱基板は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、6.酸化物半導体電極の作製方法、(1)耐熱基板付基材形成工程の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる酸化物半導体電極は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」、および上記「A−2:第二態様の酸化物半導体電極」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極は、色素増感型光充電キャパシタ用電極の作製、エレクトロクロミックディスプレイ用電極の作製、汚染物質分解基板の作製、および色素増感型太陽電池用基材の作製等に用いることができるが、中でも色素増感型太陽電池用基材の作製に好適に用いることができる。
本発明の耐熱基板付酸化物半導体電極の作製方法は、上記「A−1:第一態様の酸化物半導体電極」の、6.酸化物半導体電極の作製方法、(1)耐熱基板付基材形成工程の項に記載した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明の色素増感型太陽電池セルについて説明する。本発明の色素増感型太陽電池セルは、上記第一態様の酸化物半導体電極または、上記第二態様の酸化物半導体電極と、第2電極層および対向基材からなる対電極基材とが、酸化還元対を含む電解質層を介して、対向配置されていることを特徴とするものである。
まず、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、酸化還元対を含むことを特徴とするものである。
本発明における電解質層に用いられる酸化還元対としては、一般的に電解質層において用いられているものであれば特に限定はされない。具体的には、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。例えば、ヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、LiI、NaI、KI、CaI2等の金属ヨウ化物と、I2との組合せを挙げることができる。さらに、臭素および臭化物の組み合わせとしては、LiBr、NaBr、KBr、CaBr2等の金属臭化物と、Br2との組合せを挙げることができる。
本発明における電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物として、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していても良い。
電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用で室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応などにより化学結合でゲルを形成しているものである。
また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレンなどを溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。
さらに、電解質層を固体状とした場合には、酸化還元対を含まずにそれ自身が正孔輸送剤として機能するものであればよく、例えばCuI、ポリピロール、ポリチオフェンなどを含む正孔輸送剤であってもよい。
次に本発明における対電極基材について説明する。本発明における対電極基材は、第2電極層および対向基材からなるものである。
本発明における第2電極層は、上記「A−1:第1態様の酸化物半導体電極」の、2.第1電極層の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における第2電極層は、上記「A−1:第1態様の酸化物半導体電極」の、4.基材の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における対電極基材には必要に応じて、上記以外のその他の層を含んでも良い。本発明に用いられるその他の層としては、触媒層を挙げることができる。本発明においては、上記第2電極層上に触媒層を形成することにより、本発明の色素増感型太陽電池セルをより発電効率に優れたものにできる。このような触媒層の例としては、上記第2電極層上にPtを蒸着した態様を挙げることができるが、この限りではない。
本発明における酸化物半導体電極は、上記「A−1:酸化物半導体電極」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に本発明の色素増感型太陽電池セルの作成方法について説明する。本発明の色素増感型太陽電池セルは、本発明の「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層と、上記対電極基材が有する第2電極基材との間に電解質層を形成することにより作製する。
また第2の方法としては、上記多孔質層と、対電極基材が有する第2電極層とが対向するように所定の間隙を有して配置させ、その間隙に、電解質層形成用組成物を注入することにより、電解質層を形成する注入法が好ましい。以下、このような塗布法および注入法について説明する。
まず、電解質層形成用組成物を、「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層上に塗布し、乾燥させることにより電解質層を形成した後に、対電極基材を付与する塗布法について説明する。このような形成方法により、主に固体状の電解質層を形成することができる。
次に、「第一態様の酸化物半導体電極」または「第二態様の酸化物半導体電極」が有する多孔質層と、対電極基材が有する第2電極層とが対向するように所定の間隙を有して配置させ、その間隙に、電解質層形成用組成物を注入することにより、電解質層を形成する注入法について説明する。
(1)酸化物半導体層形成用層の形成
酸化物半導体層形成用塗工液として、粒子サイズ約13nmの酸化チタンペーストTi−NanoxideD(Solaronix社製)を用いて、ドクターブレード法にて塗布後、室温下にて20分放置の後100℃、30分間乾燥させた。
上記酸化物半導体層形成用層について、電気マッフル炉(デンケン社製P90)を用い500℃、30分間、大気圧雰囲気下にて焼成した。これにより、多孔質体として形成された多孔質層を得た。
第1電極層形成用組成物として、エタノールに塩化インジウム0.1mol/l、塩化スズ0.005mol/lを溶解した組成物を用意した。その後、上記焼成を行った耐熱基板を、多孔質層を上向きにし、ホットプレート(400℃)上へ設置し、この加熱された多孔質層上に、上述した第1電極層形成用組成物を超音波噴霧器により噴霧し、透明導電膜であるITO膜を500nmを形成し、色素増感太陽電池用基材を形成した。
続いて接着層として、以下の熱可塑性樹脂フィルムを作成した。密度0.898g/m3の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)98重量部に対してビニルメトキシシラン2重量部、ラジカル発生剤0.1重量部を混合しグラフト重合することによりシラン変性ポリエチレン樹脂を得た。本樹脂に対して酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤からなる耐候剤ペレットを混合し、Tダイスを用いた溶融押し出しを行うことにより厚み50ミクロンの熱可塑性樹脂フィルムを得た。
次に、透明樹脂フィルム基材としてPETフィルム(東洋紡E5100 125μm)のコロナ処理面と先に作成した色素増感太陽電池用基材のITO膜面との間に先に作成した熱可塑性樹脂フィルムを挟みロールラミネータにて130℃で貼り合せた。
その後、無アルカリガラス基板を剥離することで多孔質層および第1電極層を基材側へ転写した。
その後、多孔質層をトリミングすることにより0.8mm□の多孔質層を形成した。
上記多孔質層を、あらかじめ用意した吸着用色素溶液(ルテニウム錯体(小島化学株式会社RuL2(NCS)2)を無水エタノール溶液に濃度3×10−4mol/lとなるように溶解)に浸漬すること多孔質層に増感色素が担持された色素増感太陽電池用基材を得た。
得られた色素増感太陽電池用基材を用いて以下のように色素増感型太陽電池を作製した。電解質層を形成する電解質層形成用組成物を以下のように調整した。メトキシアセトニトリルを溶媒とし、濃度0.1mol/lのヨウ化リチウム、濃度0.05mol/lのヨウ素、濃度0.3mol/lのジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、濃度0.5mol/lのターシャリーブチルピリジンを溶解させたものを電解液とした。
上記色素増感型太陽電池用電極と、対向基材とを厚さ20μmのサーリンフィルムによって貼り合せ、その間に電解質層形成用塗工液を含浸させて色素増感型太陽電池セルを作製した。対向基材としては、膜厚150nmを有し、表面抵抗7Ω/□である、ITOスパッタ層を有する対向フィルム基材上に膜厚50nmの白金膜をスパッタリングにて付与したものを用いた。
作製した色素増感型太陽電池セルについて、後述する方法により電流電圧特性を測定した結果、短絡電流14.8mA/cm2、開放電圧683mV、変換効率6.1%であった。
以下の方法により、多孔質層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池セルを作製した。
(1)介在層形成用層の形成
介在層形成用塗工液として一次粒径20nmのTiO2微粒子(日本アエロジル社製P25)1質量%、アクリル樹脂(分子量25000、ガラス転移温度105℃)(三菱レーヨン社製BR87)10質量%となるようにペイントシェイカーによりメチルエチルケトンおよびトルエンにアクリル樹脂を溶解させた後、TiO2微粒子を分散させることにより介在層形成用塗工液を作製した。この介在層形成用塗工液を耐熱基材として用意した無アルカリガラス基板(厚み0.7mm)上にワイヤーバーにて塗工し乾燥させた。
酸化物半導体層形成用塗工液として、一次粒径20nmのTiO2微粒子(日本アエロジル社製P25)37.5質量%、アセチルアセトン1.25質量%、ポリエチレングリコール(平均分子量3000)1.88質量%となるようにホモジナイザーを用いて水およびイソプロピルアルコールに溶解および分散させて酸化物半導体層形成用塗工液を作製した。上記介在層形成用層が形成された耐熱基板上にドクターブレードにて酸化物半導体層形成用塗工液を塗布後、室温下にて20分放置の後100℃、30分間乾燥させた。
上記介在層形成用層および上記酸化物半導体層形成用層について、電気マッフル炉(デンケン社製P90)を用い500℃、30分間、大気圧雰囲気下にて焼成した。これにより、多孔質体として形成された多孔質層を得た。
作製した色素増感型太陽電池セルについて、後述する方法により電流電圧特性を測定した結果、短絡電流13.2mA/cm2、開放電圧680mV、変換効率5.5%であった。
接着層として、密度0.898g/m3のLLDPEを用い、実施例2と同様の方法により厚さ50μmの熱可塑性フィルムを用いること以外は実施例2と同様の方法により色素増感型太陽電池セルの作製を試みた。
しかしながら、上記「4.耐熱基板の剥離」において、無アルカリガラス基板を剥離する際に、転写性が不良が発生し、色素増感型太陽電池セルを作製することが出来なかった。
接着層として、50ミクロン厚のEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)(タマポリ社製SB−10)を用いたこと以外は実施例2と同様の方法により、色素増感型太陽電池セルを作製した。
作製した色素増感型太陽電池セルについて、後述する方法により電流電圧特性を測定した結果、短絡電流13.2mA/cm2、開放電圧678mV、変換効率5.4%であった。
実施例1、実施例2、および比較例2において作製した色素増感型太陽電池セルについて、作製後1ヵ月経過した時点で再度電流電圧特性を測定した結果、実施例1、実施例2では変換効率の維持率が95%、96%であったのに対して、比較例2ではそれぞれ82%の維持率であり、性能の低下が顕著であった。性能低下が見られた比較例2で作製した色素増感型太陽電池セルを目視したところPET基材と第1電極層間における剥離が認められた。
作製した素子の評価は、AM1.5、擬似太陽光(入射光強度100mW/cm2)を光源として、色素吸着させた多孔質層を有する基材側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)にて電圧印加することにより測定した。
2 … 第1電極層
3 … 多孔質層
4 … 電解質層
5 … 第2電極層
6 … 対向基材
11 … 酸化物半導体電極
12 … 酸化物半導体電極
20a …酸化物半導体電極
20b …酸化物半導体電極
21… 基材
22 … 接着層
23 … 第1電極層
24 … 多孔質層
24a … 酸化物半導体層
24b … 介在層
25 … 耐熱基板
30 … パターニング基材
31 … 基材
32 … 熱溶融性樹脂層
40 … 耐熱基板付酸化物半導体電極
41 … 電解質層
50 … 色素増感型太陽電池セル
51 … 第2電極層
52 … 対向基材
53 … 対電極基材
Claims (9)
- 基材と、
前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、
前記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、
前記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、
を有する酸化物半導体電極であって、
前記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする酸化物半導体電極。 - 基材と、
前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、
前記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、
前記第1電極層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、
を有する酸化物半導体電極であって、
前記多孔質層が、前記第1電極層と接する酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層上に形成され、かつ前記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなり、
前記熱可塑性樹脂が、シラン変性樹脂を含むことを特徴とする酸化物半導体電極。 - 前記熱可塑性樹脂が接着性樹脂を含むことを特徴とする、請求項2に記載の酸化物半導体電極。
- 前記基材が樹脂製フイルム基材であること特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
- 前記多孔質層が、前記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と、同一の金属元素を含むことを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
- 前記多孔質層がパターニングされていることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
- 前記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着していることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極。
- 請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極が有する多孔質層上に、耐熱基板を有することを特徴とする耐熱基板付酸化物半導体電極。
- 前記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が吸着した、請求項1から請求項7のいずれかの請求項に記載の酸化物半導体電極の多孔質層と、第2電極層および対向基材からなる対電極基材の第2電極層とが、酸化還元対を含む電解質層を介して、対向配置されていることを特徴とする色素増感型太陽電池セル。
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