JP2006275905A - 蛍光分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に測定対象物に生物学的特異的反応を用いて異なる蛍光緩和時定数を持つ蛍光色素で標識された物質を結合し、それぞれの蛍光緩和時定数を測定すれば、測定対象物の由来が判明すると共に雰囲気中より発せられる自家蛍光を含むバックグラウンドとの区別が可能となる。
【解決手段】測定対象物を蛍光標識された物質と直接又は間接的に生物学的特異的反応を用いて結合させ、該蛍光標識を変調したレーザ光の照射によって励起させ、発する蛍光の緩和時定数を測定して測定対象物を検出することを特徴とする蛍光分析方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光標識を用いて測定対象物を検出する蛍光分析方法であって、蛍光標識の蛍光緩和時定数を測定することを特徴とする蛍光分析方法に関する。
従来、細胞内の物質や細胞表面の例えばエピトープの検出に際しては、1)検出対象と結合する物質(例えば抗体)に蛍光色素を結合させ、2)検出対象と結合する物質(例えば抗体)に、当該物質の検出対象との結合は阻害せずに結合する第三の物質(例えば抗抗体)に蛍光色素を結合させ、あるいは、3)検出対象と競合してある物質(例えば抗体)と結合する物質に蛍光色素を結合させ、B/F分離の後、残存する蛍光色素、即ち、蛍光標識、が発する蛍光を測定していた。
しかし、細胞内外には、種々の蛍光を発する物質(自家蛍光物質)が存在するため、蛍光標識の発する蛍光のみを正確に検出することは困難であった。
また、上記測定に際してマイクロプレート等の担体を用いると、担体が蛍光を発し、それが、蛍光標識の発する蛍光の検出を妨害することもあった。
このような状況下、上記のようないわゆるバックグラウンド蛍光の影響を受けないで、真に測定したい蛍光のみを検出するための方法が検討されてきている。その一例として、単に蛍光強度を測定するのではなく、測定された蛍光を物理的に処理しあるいは何らかのパラメータによって演算処理して、蛍光標識の発する蛍光のみを検出する試みが挙げられる。
より具体的には、例えば特許文献1に記載の方法では、屈折率の異なる2種以上の粒子に蛍光標識抗体等を結合させ、レーザ光を照射して、前方散乱光と速報散乱光とをそれぞれ検出する方法が記載されている。
特開平6−27112号公報
本発明は、蛍光標識が発する蛍光をいわゆる自家蛍光を含むバックグラウンド蛍光から区別して、より精度よく測定できる方法であって、特許文献1に記載の方法とは異なり、変調したレーザ励起光によって生じる蛍光の蛍光緩和時定数を測定、算出することによる、測定対象物の蛍光分析方法の提供を目的とする。
本発明は、測定対象物を蛍光標識された物質と直接又は間接的に生物学的特異的反応を用いて結合させ、その蛍光標識を変調したレーザ光の照射によって励起させ、発する蛍光の緩和時定数を測定して測定対象物を検出することを特徴とする蛍光分析方法(1)に関する。
ここにおいて、測定対象物と蛍光標識された物質との直接の結合、又は、測定対象物と蛍光標識された物質の両者と結合する物質と測定対象物との結合は、例えば抗原・抗体反応による。
また、本発明は、測定対象物と結合する物質wに、1)測定対象物と、当該物質wに結合でき且つ蛍光標識された物質xとを競合的に結合させるか、又は、2)測定対象物と、当該物質wに結合できる物質yとを競合的に結合させ、次いで、測定対象物には結合せずに、当該物質yに結合でき且つ蛍光標識された物質zを、当該物質yと結合させ、前記物質x又は前記物質zの蛍光標識をパルス変調したレーザ光の照射によって励起させ、発する蛍光の緩和時定数を測定して測定対象物を検出することを特徴とする蛍光分析方法(2)に関する。
上記分析方法(1)及び(2)において、測定対象物は、例えば、細胞、細胞内物質、細胞表面に存在する部位又は細胞が分泌した物質である。
本発明では、蛍光標識の発する蛍光の緩和時定数を用いて測定対象物を検出するので、自家蛍光や測定雰囲気より発せられるバックグラウンド蛍光と検出目的の蛍光とを識別でき、検出目的の蛍光の正確な測定が可能となる。
本発明では、変調された励起光を蛍光標識に照射するが、特に検出目的に応じて抗原もしくは抗体等の測定対象物に対し異なる蛍光緩和時定数を持つ蛍光色素で標識し、それぞれの蛍光緩和時定数を測定すれば、標識された測定対象物の由来が判明すると共に雰囲気中より発せられる蛍光との区別が可能となる。また、複数の光源を使用した場合には、光源毎に異なる条件で変調を行うことができるため、複数の蛍光標識を用いて測定対象物を同時に分別測定することが可能である。
はじめに、本発明の方法における測定対象物、当該測定対象物と結合する物質、蛍光標識される物質、蛍光標識に使用される蛍光色素等について説明する。
本発明の方法における「測定対象物」は、抗原となることができる物質(例えば、細胞、細胞内物質、細胞が分泌した物質、低分子化合物、高分子化合物、ペプチド、タンパク質、多糖、細菌、微生物)、抗体(例えば、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE))、細胞等のその表面にエピトープを有する物質における細胞表面に存在するそのエピトープ部位、受容体が不明なリガンドであるオーファン等である。なお、細胞の種類は、特に限定されず、培養細胞、死細胞、血中免疫細胞、微生物等、いずれであってもよい。
「当該測定対象物と結合する物質」は、測定対象物が抗原となることができる物質又はエピトープ部位である場合には抗体であり、測定対象物が抗体である場合には抗原である。なお、抗体に抗抗体が結合する反応は、抗体が抗原であり、抗抗体が抗体である場合と同様に解釈される。
「蛍光標識される物質」は、上記蛍光分析方法(1)では、測定対象物と直接又は間接的に結合する物質であるから、測定対象物が抗原となることができる物質又はエピトープ部位である場合には、抗体(直接結合)や抗抗体(間に抗体を挟んで間接結合)である。あるいは、測定対象物又は抗体にジゴキシゲニン(DIG)を結合させておけば、抗DIG抗体を蛍光標識される物質として使用することができ、測定対象物又は抗体にビオチンを結合させておけば、アビジンやストレプトアビジンを蛍光標識される物質として使用することができる。
上記蛍光分析方法(1)において、測定対象物が抗体である場合には、蛍光標識される物質は、抗原(直接結合)、エピトープを有する物質(直接結合)、当該抗原又はエピトープを有する物質に対する抗体(間に抗原を挟んで間接結合)である。あるいは、測定対象物、抗原、エピトープを有する物質、又は当該抗原又はエピトープを有する物質に対する抗体にジゴキシゲニン(DIG)を結合させておけば、抗DIG抗体を蛍光標識される物質として使用することができ、測定対象物、抗原、エピトープを有する物質、又は当該抗原又はエピトープを有する物質に対する抗体にビオチンを結合させておけば、アビジンやストレプトアビジンを蛍光標識される物質として使用することができる。
上記蛍光分析方法(2)では、測定対象物が抗原となることができる物質又はエピトープ部位である場合には、測定対象物と結合する物質wは抗体である。また、物質xは、抗原等の、測定対象物と競合的に物質wに結合する物質である。この物質xは、蛍光標識されている。
あるいは、測定対象物と競合的に物質w、即ち抗体、に結合する物質として、抗原等であって蛍光標識されていない物質yを用いることもできる。この場合は、さらに、物質yに、測定対象物には結合せずに、当該物質yに結合でき且つ蛍光標識された物質zを結合させる。物質zの例としては、物質yの、測定対象物が有するエピトープとは異なるエピトープに対する抗体であって蛍光標識されたもの、物質yとしてDIGが結合されている物質を用いた場合の、蛍光標識された抗DIG抗体、物質yとしてビオチンが結合されている物質を用いた場合の、蛍光標識されたアビジンやストレプトアビジンが挙げられる。
上記蛍光分析方法(2)において、測定対象物が抗体である場合には、測定対象物と結合する物質wは抗原又はエピトープを有する物質である。また、物質xは、抗体等の、測定対象物と競合的に物質wに結合する物質である。この物質xは、蛍光標識されている。
あるいは、測定対象物と競合的に物質w、即ち抗原又はエピトープを有する物質、に結合する物質として、抗体等であって蛍光標識されていない物質yを用いることもできる。この場合は、さらに、物質yに、測定対象物には結合せずに、当該物質yに結合でき且つ蛍光標識された物質zを結合させる。物質zの例としては、物質yに対する抗抗体であって蛍光標識されたもの、物質yとしてDIGが結合されている物質を用いた場合の、蛍光標識された抗DIG抗体、物質yとしてビオチンが結合されている物質を用いた場合の、蛍光標識されたアビジンやストレプトアビジンが挙げられる。
蛍光標識に使用される蛍光色素は、特に限定されないが、その例として、後述する蛍光緩和時定数が比較的短いFITC(同仁化学社他製)、PE(和光純薬工業社他製)、Alexa Fluor(Molecular Probes社製)、Cy Dye(Amersham Biosciense社製)、Rhodamine(和光純薬工業社他製)、Cascade Blue(Molecular Probes社製)、Cascade Yellow(Molecular Probes社製)及びNaphtofluorescein(Sigma社製)と、蛍光緩和時定数が比較的長い半導体量子蛍光色素であるQ-Dot(Quantum Dot社製)及びEvic-Tag(Ocean Optics社製)が挙げられる。
抗原、抗体等への蛍光色素の結合は、例えば、抗原や抗体のアミノ基と、蛍光色素の有するカルボキシル基とを化学的に結合させる方法、抗体に、前もって作製しておいた蛍光色素と抗抗体との複合体を結合させる方法で行うことができる。
上記蛍光分析方法(1)及び(2)において、抗原と抗体との結合や、ビオチンとアビジン又はストレプトアビジンとの結合等は、公知の条件及び方法で行うことができる。
本発明の蛍光分析方法では、複数の抗原抗体反応等は、順次行ってもよいし同時に行ってもよい。反応の順序や同時に行うことができる反応の種類等は、当業者には公知である。また、各反応の後において、B/F分離を行う場合と行う必要がない場合、あるいは遠心分離等によって、過剰の蛍光標識体を除去した後に測定する場合等があるが、それは、本発明の方法において抗原抗体反応等を実施する系の構成による。
本発明の方法において、抗原抗体反応等を実施する系は、特に限定されないが、例を挙げると以下のとおりである。
第一の構成例は、固層を使用しないものである。例えば測定対象が細胞である場合に、その細胞を適当な液体に懸濁させ、その懸濁系において物質固有の凝集反応、抗原抗体反応、リガンド・受容体反応等の生物学的特異的反応を行う。本発明の蛍光分析方法によれば細胞表面および内部における反応を検出することができる。後述する蛍光の測定は、例えばフローサイトメータを用いて行うことができる。この場合、B/F分離は行っても行わなくてもよい。細胞に間接的に結合した蛍光色素による蛍光と、細胞に結合していない蛍光色素による蛍光とは、分別して測定することができるからである。
第二の構成例は、マイクロビーズ等の粒子を担体として使用するものである。反応系で使用される抗原や抗体等のいずれか(但し、測定対象物以外)を粒子に結合させておき、それに測定対象物を結合させる。従って、測定は、例えばフローサイトメータを用いて、当該粒子に結合した蛍光色素による蛍光をについて行うこととなる。
上記蛍光分析方法(1)を実施する際には、例えば、測定対象物である抗原に対する抗体でマイクロビーズ表面を被覆しておき、その抗体に抗原を結合させた後、その抗原に蛍光標識された物質(抗体等)を結合させる(サンドイッチ法)。
また、上記蛍光分析方法(2)を実施する際には、例えば、測定対象物と結合する物質w(抗体等)でマイクロビーズ表面を被覆しておき、その物質wに、測定対象物(抗原等)と物質xとを競合的に結合させる(競合法)。
マイクロビーズを使用する場合、それは、通常は合成高分子重合体製である。合成高分子重合体の中では、水不溶性水分散型合成高分子重合体が好ましい。水不溶性水分散型合成高分子重合体製マイクロビーズの具体例としては、ポリスチレン製マイクロビーズ、メタクリル酸トリフルオロエチル等のメタクリル酸フルオロアルキルエステル誘導体の(共)重合体製マイクロビーズを挙げることができる。
用いるマイクロビーズの粒子径は、測定に適切な大きさである限り、特に限定されない。例えば、本発明の方法において蛍光測定をフローサイトメータを用いて実施する場合には、通常、その直径が1〜20μmのマイクロビーズが好適に用いられる。
第三の構成例は、96穴マイクロタイタープレート等のマイクロプレートを担体として使用するものである。反応系で使用される抗原や抗体等のいずれか(但し、測定対象物以外)をマイクロプレートに結合させておき、それに測定対象物を結合させる。従って、測定は、例えば、蛍光プレートリーダー、蛍光画像化装置を用いて、当該プレートに結合した蛍光色素による蛍光をについて行うこととなる。
次に、本発明における蛍光測定法について説明する。
本発明においては、蛍光標識を変調したレーザ光の照射によって励起させ、発する蛍光の緩和時定数を測定して測定対象物を検出する。
レーザ光の具体例としては、半導体レーザ光やガスレーザ光が挙げられる。また、レーザ光は単色光であってもよいし、複数種類の波長のレーザ光をレンズを通過させることによって光路中の所定の位置に集束させたものであってもよい。レーザ光の出力は、例えば5〜100mW程度である。
レーザ光の変調方法としては、高周波重畳変調、特定形状波変調、正弦波変調、リニア変調およびパルス変調からなる群から選択されるいずれかの方法によりレーザ光を変調させる。以下の本発明においては、パルス変調で説明する。パルス変調されたレーザ光を蛍光標識に照射し、生じた蛍光の蛍光緩和時定数から、目的とする蛍光を特定し、定性又は定量を行う。これにより、検出の精度が高まる。この方法を採用すれば、検出又は分析対象が複数であっても、同時に各々を分別して測定することもできる。
以下、本発明の方法で採用することができる各種蛍光測定法の中で、フローサイトメータを用いた測定について、詳細に説明する。
図1は、本発明の方法中、蛍光測定工程に使用することができるフローサイトメータ10の概略構成図である。
フローサイトメータ10は、レーザ光をパルス変調方式で変調して、マイクロビーズや細胞(以下においては、特に必要のない限り、「マイクロビーズ」とのみ記載する)に照射するものである。
フローサイトメータ10は、レーザ光を測定対象とするマイクロビーズ12に照射し、マイクロビーズ12に結合した蛍光色素、即ち蛍光標識の発する蛍光の光信号、及び例えばB/F分離を行っていない場合等においては、マイクロビーズ12に結合していない蛍光色素、即ち蛍光標識の発する蛍光の光信号をも検出し、信号処理する信号処理装置(蛍光検出装置)20と、信号処理装置20で得られた処理結果からマイクロビーズ12に結合した蛍光標識に由来する蛍光を解析する分析装置50とを有する。
ここで、測定対象物が二種以上の場合には、それぞれの測定対象物に一対一対応する、複数種類の蛍光標識が用いられる。
信号処理装置20は、レーザ光源部22と、受光部24,26と、レーザ光源部22のレーザ光の出射のオン/オフを制御する光源制御部及びマイクロビーズ12に結合した蛍光標識が発する蛍光の光信号と、マイクロビーズ12に結合していない蛍光標識が発する蛍光の光信号とを識別する信号処理部を含んだ制御・処理部28と、励起光の照射や蛍光の検出のために、高速流を形成するシース液に含ませてマイクロビーズ12を流したフローセルを有する管路30と、を有する。管路30の出口には、回収容器32が設けられている。
レーザ光源部22は、波長の異なる3つのレーザ光、例えばλ1=405nm、λ2=533nm及びλ3=650nm等のレーザ光を出射する部分である。レーザ光は、管路30中の所定の位置に集束するようにレンズ系が設けられ、この集束位置でマイクロビーズ12の測定点を形成する。
図2は、レーザ光源部22の構成の一例を示す。
レーザ光源部22は、350nm〜800nmの可視光のパルスレーザ光を出射する部分で、主に赤色のレーザ光Rを極めて短時間のパルス幅でパルスレーザ光として断続的に出射するR光源22r、緑色のレーザ光Gを極めて短時間のパルス幅でパルスレーザ光として断続的に出射するG光源22g及び青色のレーザ光Bを極めて短時間のパルス幅でパルスレーザ光として出射するB光源22bと、特定の波長帯域のレーザ光を透過し、他の波長帯域のレーザ光を反射するダイクロイックミラー23a1,23a2と、レーザ光R,G及びBからなるレーザ光を管路30中の測定点に集束させるレンズ系23cと、を有して構成される。
パルスレーザ光のパルス幅は、蛍光標識の発する蛍光をバックグラウンドノイズと区別して効率よく検出できるように設定され、例えば0.5ナノ秒〜4ナノ秒である。
ダイクロイックミラー23a1は、レーザ光Rを透過し、レーザ光Gを反射するミラーであり、ダイクロイックミラー23a2は、レーザ光R及びGを透過し、レーザ光Bを反射するミラーである。
この構成によりレーザ光R,G及びBが合成されて、測定点のマイクロビーズ12を照射する照射光となる。
R光源22r、G光源22g及びB光源22bは、それぞれレーザドライバ34r,34g及び34bによって駆動される。このレーザドライバ34r,34g及び34bは、制御・処理部28に接続されて、レーザ光R,G,Bの出射のオン/オフが制御されるように構成される。ここで、レーザ光R,G,Bの各々は、後述するように制御信号によって出射のオン/オフが制御されて変調される。
R光源22r、G光源22g及びB光源22bは、レーザ光R、G及びBが蛍光標識を励起して特定の波長帯域の蛍光を発するように、予め定められた波長帯域で発振する。レーザ光R、G及びBによって励起される蛍光標識には、マイクロビーズ12に結合されているものと結合されていないものとがあるが、それらは、管路30を通過する際、測定点でレーザ光R、G及びBの照射を受けて特定の波長で蛍光を発する。
図3は、レーザ光の発振波長と、このレーザ光によって蛍光標識の発する蛍光のスペクトル強度分布を模式的に示す。例えば、B光源から出射する波長λ11のレーザ光の照射により、中心波長をλ12とする蛍光を発する。同様に、G光源から出射する波長λ21のレーザ光の照射により中心波長をλ22とする蛍光を発する。また、B光源から出射する波長λ31のレーザ光の照射により中心波長をλ32とする蛍光を発する。
受光部24は、管路30を挟んでレーザ光源部22と対向するように配置されており、測定点を通過するマイクロビーズ12によってレーザ光が前方散乱することによりマイクロビーズ12が測定点を通過する旨の検出信号を出力する光電変換器を備える。この受光部24から出力される信号は、制御・処理部28に供給され、制御・処理部28においてマイクロビーズ12が管路30中の測定点を通過するタイミングを知らせるトリガ信号として用いられる。
一方、受光部26は、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直方向であって、かつ管路30中のマイクロビーズ12の移動方向に対して垂直方向に配置されており、測定点にて照射されたマイクロビーズ12に結合した蛍光標識やマイクロビーズ12に結合していない蛍光標識の発する蛍光を電気信号に変える光電変換器を備える。
図4は、受光部26の一例の概略の構成を示す。
図4に示す受光部26は、マイクロビーズ12に結合した蛍光標識やマイクロビーズ12に結合していない蛍光標識が発する蛍光の光信号を集束させるレンズ系26aと、ダイクロイックミラー26b,26bと、バンドパスフィルタ26c〜26cと、光電子倍増管等の光電変換器27a〜27cと、を有する。
レンズ系26aは、受光部26に入射した光信号を光電変換器27a〜27cの受光面に集束させるように構成されている。
ダイクロイックミラー26b,26bは、所定の範囲の波長帯域の蛍光を反射させて、それ以外は透過させるミラーである。バンドパスフィルタ26c〜26cでフィルタリングして光電変換器27a〜27cで所定の波長帯域の蛍光の光信号を取り込むように、ダイクロイックミラー26b,26bの反射波長帯域及び透過波長帯域が設定されている。
バンドパスフィルタ26c〜26cは、各光電変換器27a〜27cの受光面の前面に設けられ、所定の波長帯域の蛍光のみを透過させる。透過する蛍光の波長帯域は、図3に示す蛍光標識の発する蛍光の波長帯域に対応して、すなわち、マイクロビーズ12に結合した蛍光標識の発する蛍光及びマイクロビーズ12に結合していない蛍光標識の発する蛍光に対応して、予め設定されており、例えばB光源から出射した波長λ11のレーザ光の照射によって発する波長λ12を中心とする一定の波長幅の帯域である。
バンドパスフィルタ26c〜26cの波長帯域は、例えば、それらの中の一つは、マイクロビーズ12に結合している蛍光標識の発する蛍光を透過し、他の二つのうち少なくとも一つは、マイクロビーズ12に結合していない蛍光標識の発する蛍光を透過するように波長帯域が設定される。
光電変換器27a〜27cは、例えば光電子倍増管を備えたセンサを備え、光電面で受光した光を電気信号に変換するセンサである。ここで受光された蛍光は、電気信号として出力され、増幅器で増幅されて、制御・処理部28に供給される。
制御・処理部28は、図5に示すように、レーザ光源部22のレーザ光の出射のオン/オフを制御する光源制御部28a、及びマイクロビーズ12に結合した蛍光標識やマイクロビーズ12に結合していない蛍光標識の発する蛍光の光信号を識別する信号処理部28bを有して構成されている。
光源制御部28aは、受光部24から出力される検出信号がトリガ信号として入力されると、瞬時にレーザ光の出射のオン/オフを制御するパルス制御信号を生成するように構成される。
光源制御部28aは、このパルス制御信号を巡回的に繰り返し生成し、レーザドライバ34r、レーザドライバ34g、レーザドライバ34bの制御信号として供給する。
制御・処理部28は、光源制御部28aにおけるコードの生成のタイミングに同期して一定のクロック信号で駆動して、受光信号のA/D変換を行うA/D変換器28c及び一定のクロック信号で駆動して受光信号に所定の演算処理を施す演算処理部28dを備える。
A/D変換器28cは、受光部26の光電変換器27a〜27cで生成されて増幅された受光信号をA/D変換によりサンプリングする。サンプリングされた受光信号は演算処理部28dにて演算処理に供される。
演算処理部28dは、パルス制御信号の生成のタイミングに同期して受光信号の演算処理を行うように構成され、受光部26から出力された受光信号を、パルス制御信号の生成のタイミングに同期して時系列データとすることにより、レーザ光の照射に対するマイクロビーズ12に結合した蛍光標識の蛍光緩和特性(図7参照)を求める部分である。
ここで、この蛍光緩和特性を特徴付ける蛍光緩和時定数について説明する。蛍光緩和時定数は、蛍光強度とは独立したパラメータである。蛍光緩和時定数は、蛍光の減衰曲線から推測される消長時間を示すパラメータであり、この値が大きいほど、蛍光の消長時間は長くなる。この蛍光の消長時間は、蛍光試薬、即ち蛍光標識により異なる。従って、測定対象物に結合した蛍光標識による蛍光を、測定雰囲気中に存在する物質によって発せられる蛍光と区別することが可能となる。また、測定対象物が複数である場合には、各測定対象物に対応させて、複数種類の蛍光標識を使用すれば、複数の測定対象物を精度よく同時測定することができる。
本発明における蛍光緩和時定数は、蛍光標識に、周波数変調をした励起光を照射し、その励起光源と生じた蛍光とを検出した後、復調をすることで測定される。
蛍光緩和の過程においては、マイクロビーズにレーザ光の照射を開始した時点では、発する蛍光の蛍光強度が高いが、蛍光強度が時間とともに減少する。蛍光緩和時定数は、このときの、レーザ光の照射開始時点の蛍光強度(最大強度)に対して37%(1/e:eは自然対数の底)に蛍光強度が減衰したときの時間をいう。
なお、レーザ光の照射のオン/オフは、パルス制御信号の生成によって所定の周期で断続的に制御されるので、マイクロビーズに結合された蛍光標識は、レーザ光の照射開始とともに蛍光を発するようになり、時間の経過とともにその蛍光強度は減衰する。従って、この蛍光強度の時系列データを得ることで、蛍光緩和時定数を知ることができる。
測定対象物が二種類であり、蛍光緩和時定数が互いに異なる二種類の蛍光標識を使用したときには、蛍光緩和時定数は、それら二種類の蛍光標識の各々が示す蛍光緩和時定数とは異なる数値を示す。これは、二種類の蛍光標識が互いに作用し合い、異なる蛍光緩和特性を作り出すためである。
図8は、二種類の蛍光標識用色素Q-dot525(Quantum Dot社製)及びCascade Blue(Molecular Probes社製)を配合比率を変えて共存させたときに、蛍光緩和時定数がどのように変化するかを調べた結果を示すグラフである。
Q-dot525の基準濃度を20nMとした溶液Aと、Cascade Blue の基準濃度を20μMとした溶液Bを、下記の比率で混合して、直径1.5m、深さ3mmのスポットサンプル収納部分にサンプル溶液1〜9を作製したものである。
Figure 2006275905
サンプル溶液1〜9には、共通して100μMのCascade Blueを1μL追加している。レーザ光は、半導体レーザにより出射させ、波長405nm、出力40mWのレーザ光を用い、20MHzでパルス変調した。
図8は、このとき発する蛍光の位相遅れを示すグラフである。このグラフによると、位相遅れは蛍光緩和時定数に応じて変化し、しかも、溶液Aと溶液Bの比率の順序に対応している。このことから、蛍光標識の存在比率によって、蛍光緩和時定数が変化することがわかる。
このように、異なる二種類の蛍光標識がその比率変えて存在すると、蛍光緩和時定数が変化する。
制御・処理部28は、マイクロビーズ12の識別結果の情報を分析装置50に供給する。
分析装置50は、制御・処理部28から供給される識別結果の情報を用いて、マイクロビーズ12に結合する蛍光標識を特定する装置である。分析装置50では、使用した蛍光標識の種類が既知であり、この蛍光標識が励起されるレーザ光の波長帯域もわかっているので、制御・処理部28から供給される情報を用いて、マイクロビーズ12に結合する蛍光標識を特定することができる。
こうして、分析装置50は短時間に分析をすることができる。
フローサイトメータ10は以上のように構成される。
このようなフローサイトメータ10の信号処理装置20では、まず、マイクロビーズ12を含む反応混液が管路30を流れ、測定点でレーザ光による照射が成される。そのとき、受光部24でマイクロビーズ12の通過を検出する検出信号が制御・処理装置28にトリガ信号として出力される。
制御・処理装置28では、マイクロビーズ12が通過するときの検出信号をトリガ信号とし、このトリガ信号に同期して、図6に示すようなパルス変調信号を生成する。このパルス変調信号は、レーザ光源部22からのレーザ光の出射のオン/オフを制御する制御信号として用いるために、レーザドライバ34r,34g,34bに供給される。
レーザ光源部22では、この制御信号に従って各レーザ光の出射のオン/オフが制御され、レーザ光が出射される。このレーザ光は測定点を通過するマイクロビーズ12に結合した蛍光標識(B/F分離していない場合にはマイクロビーズ12に結合していない蛍光標識も)を励起させるために用いられ、このレーザ光の照射により蛍光標識が発する蛍光は、受光部26にて受光される。その際、蛍光標識からの蛍光は、パルス変調されたレーザ光に励起して生じるため、レーザ光のパルス変調に対応して蛍光強度も変調して蛍光を発する。
このようにして、受光部24によるマイクロビーズ12の通過の検出からレーザ光を照射するまでの時間は極めて短く、マイクロビーズ12が測定点を通過する数μ〜数10μ秒の間に、パルス変調信号によって変調されたレーザ光が巡回的にマイクロビーズ12に照射される。
ここで、パルス変調されるレーザ光は、マイクロビーズ12が測定点を通過する数μ〜数10μ秒の間に、0.510μ秒を1周期とする、一連のパルス変調の制御信号が数回〜数10回、断続的に巡回される。
受光部26の光電変換器27a〜27cで受光されて出力される受光信号は、A/D変換器28cにおいて受光部24から出力されたトリガ信号のタイミングで同期が取られ、生成されたパルス変調信号の時間分解幅Δtと同じ時間分解幅で、受光信号のサンプリングが行われる。サンプリングは、例えば8ビットのサンプリング(0〜255の階調のサンプリング)である。
このサンプリングされた受光信号から、巡回して生成されるパルス変調信号に対応させて、蛍光強度の時系列データを平均化処理することにより、図7に示すような蛍光緩和特性が求められる。
この蛍光緩和特性の波形において、最大となる蛍光強度に対して、蛍光強度が1/e%=37%(eは自然対数の底)になる時間が蛍光緩和時定数として求められる。この蛍光緩和時定数の値から、マイクロビーズ12に結合した蛍光標識の種類が特定される。
なお、光電変換器27a〜27cは、バンドパスフィルタ26c〜26cにより波長帯域別に受光して受光信号を出力するので、受光信号がどの波長帯域の蛍光の信号なのかを知ることもできる。したがって、マイクロビーズ12に結合した蛍光標識から発せられた蛍光の蛍光緩和時定数と波長帯域とを用いて、蛍光標識の種類をより正確に識別することができる。
上述したフローサイトメータ10は、レーザ光をパルス変調してマイクロビーズ12に結合した蛍光標識に照射することで、蛍光緩和時定数を計測するものであるが、レーザ光の強度を所定の周波数で変調してマイクロビーズに照射して、蛍光緩和時定数を計測するものであってもよい。以下、この方法について説明する。
例えば、波長405nmのレーザ光の強度を20MHzで変調し、このレーザ光をフローセル中の測定点を通過するマイクロビーズに照射する。変調したパルス光の照射に対して発する蛍光を光電変換器等で受光する。
光電変換器から出力される蛍光信号を増幅し、レーザ光の変調に用いた変調信号とミキシングし、ローパスフィルタを通して検波する。これにより、蛍光信号のcos成分の信号が抽出される。さらに、蛍光信号を、レーザ光の周波数変調に用いた変調信号に対して位相を90度ずらした信号とミキシングし、ローパスフィルタを通して検波する。これにより、蛍光信号のsin成分の信号が抽出される。
抽出されたsin成分及びcos成分の信号を用いて、蛍光信号の、変調信号に対する位相ずれ角度(位相遅れ角度)を求めることができる。
求められた位相ずれ角度は、蛍光標識の発する蛍光の蛍光緩和時定数に依存しており、例えば一次緩和過程で表した場合、cos成分及びsin成分は、下記式(1),(2)で表される。
cos(θ)=1/(1+(ωτ)2(1/2) (1)
sin(θ)=ωτ/(1+(ωτ)2(1/2) (2)
ここで、θは位相ずれ角度であり、ωはレーザ光の変調周波数であり、τは蛍光緩和時定数である。
蛍光信号のcos成分及びsin成分の比から求められる位相ずれ角度θを用いて、上記式(1)、(2)から、蛍光緩和時定数τを求めることができる。
この蛍光緩和時定数τは、上述したように、蛍光標識の種類によって変わるものであり、また、二種類の蛍光標識の比率を変えて混合すると、比率に応じて蛍光緩和時定数τも変わる。このため、蛍光緩和時定数τを求めることで、二種類の蛍光標識の比率を特定することができる。
このように、蛍光標識が結合されたマイクロビーズに、所定の周波数で強度変調したレーザ光を照射し、そのとき発する蛍光を計測することにより、発する蛍光の種類を識別することができる。
このようなマイクロビーズは、上記実施形態のようなフローサイトメータに使用されるが、フローサイトメータに使用が限定されるわけではない。
しかし、フローサイトメータでは、マイクロビーズ12に結合された蛍光標識の蛍光緩和時定数を求めることで、蛍光標識の種類を的確に識別することが可能であるから、本発明方法における蛍光測定工程には、フローサイトメータを好適に用いることができる。
用いられる蛍光検出器は標識蛍光色素に応じた波長の蛍光について、その蛍光強度と蛍光緩和時定数とを計測できることが必要である。このような検出器としては特願2005−37399号明細書に記載の装置を用いることができる。検出の方式としてはフローサイトメーター、蛍光プレートリーダー、蛍光画像化装置などの方式の検出器を、単体や細胞の状態に応じて選択することができる。
なお、本発明方法における蛍光測定工程の実施に先立ち、蛍光標識された物質を用いないで空試験を行い、細胞や測定雰囲気等が発するいわゆるバックグラウンド蛍光の蛍光緩和時定数を測定しておくと、測定対象物に結合した蛍光標識の発する蛍光との識別が容易となる。
以上、本発明にかかる蛍光分析方法の中、特定の態様について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
測定用ビーズは以下のように調製した。磁気マイクロビーズ(Dynal社製DynabeadsM270)を100μLの蒸留水で3回洗浄し、10μLのCMC(0.005M、シグマ社製)を加え4℃、10分反応させた。上済みを除去し、6μLのCMC(0.005M)と4μLのMES緩衝液(0.3M)を加え、4℃、30分反応させた。このビーズを100μLのMES緩衝液(0.3M)により洗浄し、ビーズに対し2μLのMES緩衝液(0.3M)と0.3M、MES緩衝液により希釈した抗トランスフェリン抗体(inter−cell Technologies社製)8μLを加え、4℃で20分反応させた。このビーズに対し5μLのBSA(10mg/mL)を加え、4℃で一晩反応させた。このマイクロビーズを200μLのPBS緩衝液により2回洗浄し、計測用ビーズとした。
上記計測用ビーズに対し、1.1μLのBSA(10mg/mLシグマ社製)およびトランスフェリン(1mg/mL)を10μL加え、室温で1時間反応させた後、200μLのTBS−T緩衝液で洗浄する事で計測対象のトランスフェリンが結合したビ−ズを調製した。
上澄みを除去した上記トランスフェリン結合ビーズに対し、10μLの抗トランスフェリンビオチン標識抗体(Rockland社製)を加え、室温で1時間反応させた。このマイクロビーズを200μLのTBS−T緩衝液で3回洗浄し、上澄みを除去した後20μLの2倍B&W緩衝液を加え、きらに、5μLのQ−Dot655(Q−Dot社製)および18.5μLのTBS−T緩衝液を加え、室温で40分間反応させることでQ−Dotを標識した。
上記反応の標識反応の終わったマイクロビーズを200μLのB&W緩衝液により3回洗浄し、100μLのTBS−T暖衝液に縣濁する事で蛍光緩和時定数計測フローサイトメータでの計測に用いた。
フローサイトメータによる計測においては、30mWの変調励起レーザーを光源に用い、6m/秒の流速でシース液を流しながら計測を行った。
この時の計測値、およびQ−Dotで標識しないマイクロビーズの蛍光緩和時定数を以下の表2に示す。
Figure 2006275905
本発明の方法中、蛍光測定工程を実施するフローサイトメータの概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータに用いられるレーザ光源部の一例を示す概略構成図である。 図2に示すレーザ光源部から出射されるレーザ光と蛍光標識の発する光のスペクトル強度分布を模式的に示す図である。 図1に示すフローサイトメータに用いられる受光部の一例を示す概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータに用いられる光源制御部及び信号処理部の一例を示す概略構成図である。 図1に示すフローサイトメータで生成されるパルス変調信号の例を示す図である。 蛍光標識が発する蛍光の強度の特性を説明する図である。(A)は蛍光減衰曲線を示し、(B)は励起光の変調により生じる位相差を示す図である。 二種類の蛍光標識が存在する場合に、パルス変調したレーザ光を照射したときの蛍光の位相遅れの結果を示すグラフである。
符号の説明
10 フローサイトメータ
12 マイクロビーズ
20 信号処理装置
22 レーザ光源部
22r R光源
22g G光源
22b B光源
23a1,23a2,23b1,23b2 ダイクロイックミラー
23c.26a レンズ系
24,26 受光部
26c1,26c2,26c バンドパスフィルタ
27a〜27c 光電センサ
28 制御・処理部
28a 光源制御部
28b 信号処理部
28c A/D変換器
28d 演算処理部
30 管路
32 回収容器
34r,34g,34b レーザドライバ

Claims (5)

  1. 測定対象物を蛍光標識された物質と直接又は間接的に生物学的特異的反応を用いて結合させ、該蛍光標識を変調したレーザ光の照射によって励起させ、発する蛍光の緩和時定数を測定して測定対象物を検出することを特徴とする蛍光分析方法。
  2. 前記レーザ光の変調が、高周波重畳変調、特定形状波変調、正弦波変調、リニア変調およびパルス変調からなる群から選択されるいずれかの方法によりレーザ光を変調させる請求項1に記載の蛍光分析方法。
  3. 測定対象物と蛍光標識された物質との直接の結合、又は、測定対象物と蛍光標識された物質の両者と結合する物質と測定対象物との結合が、抗原・抗体反応である、請求項1または2に記載の蛍光分析方法。
  4. 測定対象物と結合する物質wに、1)測定対象物と、当該物質wに結合でき且つ蛍光標識された物質xとを競合的に結合させるか、又は、2)測定対象物と、当該物質wに結合できる物質yとを競合的に結合させ、次いで、測定対象物には結合せずに、当該物質yに結合でき且つ蛍光標識された物質zを、当該物質yと結合させ、前記物質x又は前記物質zの蛍光標識をパルス変調したレーザ光の照射によって励起させ、発する蛍光の緩和時定数を測定して測定対象物を検出することを特徴とする蛍光分析方法。
  5. 測定対象物が、細胞、細胞内物質、細胞表面に存在する部位又は細胞が分泌した物質である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蛍光分析方法。
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