JP2010032283A - 免疫学的測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光粒子を標識物質として用い、例えば競合的免疫測定方法において利用可能な標識抗原を提供する。
【解決手段】蛍光粒子を標識物質として用い、例えば競合的免疫測定方法において好適に利用可能なタンパク質(アビジン、ストレプトアビジンなど)及び/又はリンカーを介して蛍光粒子に結合した抗原を含む標識抗原。
【選択図】なし

Description

本発明は免疫学的測定方法において利用可能な標識抗原に関する。
抗体を用いた免疫学的測定方法は大きく分けてサンドイッチ法及び競合法の2つの方法が用いられている。被検物質がタンパクなどの高分子の場合には、固相化抗体および標識抗体の2種類の抗体を用いるサンドイッチ法が用いられている。この方法はダイナミックレンジ及び感度ともに優れているが、被検物質が低分子の場合には、立体的な問題からサンドイッチ法を用いることは非常に困難であるという問題がある。
被検物質がホルモンなどの低分子化合物の場合、1つの抗体に対して、標識抗原と抗原(被検物質)を反応させる「競合的免疫測定方法(「競合法」と略す場合もある)が用いられる。競合法の場合、任意の抗原添加濃度(X pM)におけるB/B0 値(標識抗原の結合阻害率の尺度)は次式から算出されることが知られている(非特許文献1:J. Pharm. Soc. Jpn., 127(1), 55-69, 2007)。この式に示されるように、競合法における標準曲線は、抗体の解離定数 (Kd) 、標識抗原量(A)、及び固定化抗体量(R)と密接に関連しており、厳密な反応設計が必要であることがわかる。
一般に、免疫学的測定方法において用いられる標識物質としては、放射性同位体(RI)やALPなどの酵素が広く用いられ、最近では酵素標識と化学発光法を組み合わせることにより高感度な検出が可能となっている。しかしながら、RIの場合、取扱いおよび廃棄に対する制約があることから汎用性に乏しい。また、酵素を標識物質とした場合、基質選択や厳密な温度調整、洗浄液を用いたB/F分離が必須であり、分析装置が大型かつ高価になってしまうといった欠点も存在する。また、蛍光色素を標識物質としたイムノアッセイも古くから知られているが(例えば、総説としてImmunoassay Handbook, third ed, ELSEVIERなどを参照のこと)、この方法は標識を直接検出可能であるというメリットがあるものの低感度であり、低濃度領域の検出が要求される検査項目に適用することが不可能である。
これらの問題点を解決する方法として蛍光粒子を標識物質として用いるイムノアッセイが知られている(特許文献1:特開平7-72155号公報;特許文献2:特表平8-503994号公報)。この方法では、酵素標識で必須であった諸条件(基質選択や温度調節)を、感度を落とすことなく解決することが可能となるが、前述のように、競合法においては標識抗原の設計/合成が非常に重要かつ困難であることから、これまで蛍光粒子を標識物質として競合イムノアッセイに適用した例は知られていない。
J. Pharm. Soc. Jpn., 127(1), 55-69, 2007 特開平7-72155号公報 特表平8-503994号公報
本発明の課題は、蛍光粒子を標識物質として用い、例えば競合的免疫測定方法において利用可能な標識抗原を提供することにある。また、本発明の別の課題は、上記の標識抗原を利用した競合的免疫測定方法を提供することにある。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、抗原をタンパク質及び/又はリンカーを介して蛍光粒子に結合させた標識抗原を用いると、例えば競合的免疫測定方法における標識抗原の設計が容易となり、競合的免疫測定方法をより簡便に行うことができることを見出した。本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明により、タンパク質及び/又はリンカーを介して蛍光粒子に結合した抗原を含む標識抗原が提供される。また、競合的免疫測定方法に用いるための標識抗原であって、タンパク質及び/又はリンカーを介して蛍光粒子に結合した抗原を含む標識抗原も本発明により提供される。
本発明の好ましい態様によれば、抗原が蛍光粒子にタンパク質を介して結合している上記の標識抗原;抗原とタンパク質とが生体分子間の相互作用による結合で固定されている上記の標識抗原;生体分子間の相互作用が、アビジン又はストレプトアビジン又はニュートラアビジンと、ビオチン化された抗原との結合である上記の標識抗原;ビオチン化された抗原において、ビオチン骨格部と抗原骨格とがスペーサーを介して連結している上記の標識抗原;及びリンカーの全長が3 nm以上である上記の標識抗原が提供される。
別の観点からは、本発明により、あらかじめ目的物質に対する抗体を結合させた不溶性担体に被検物質を含む試料及び標識抗原を添加して抗原抗体複合体を形成させた後、該抗原抗体複合体を形成した標識抗原、又は該抗原抗体複合体を形成しなかった標識抗原を検出することにより被検物質を定量する方法において、上記の標識抗原を用いることを特徴とする免疫学的測定方法が提供される。
さらに別の観点からは、本発明により、あらかじめ目的物質に対する抗体を結合させた不溶性担体に被検物質を含む試料及び標識抗原を添加して抗原抗体複合体を形成させた後、該抗原抗体複合体を形成した標識抗原、又は該抗原抗体複合体を形成しなかった標識抗原を検出することにより被検物質を定量するためのキットであって、上記の標識抗原を1要素として含むキットが提供される。
本発明により提供される標識抗原を用いることにより、競合的免疫測定方法における標識抗原の設計が容易となり、競合的免疫測定方法をより簡便に行うことができる。
また、標識に蛍光粒子を用いることにより酵素を標識とする方法で問題となる試薬の安定性を向上させることが可能になり、標識抗原を含むキットを長期にわたって安定に保存、流通させることができ、またキャリブレーションも容易になる。
本発明により提供される標識抗原は、タンパク質及び/又はリンカーを介して蛍光粒子に結合した抗原を含むことを特徴としている。この標識抗原は、例えば競合的免疫測定方法に好適に用いることができる。
タンパク質としては、例えば球状タンパク質やシート状タンパク質などを利用することができる。タンパク質のサイズは特に限定されず、例えば1万〜100万ダルトン程度、好ましくは 5万〜50万ダルトン程度であるが、これらの限定されることはない。好ましいタンパク質としては、例えば、アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンおよびフィブリンなどの血清/血漿タンパク質や、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジンなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。特に好ましいタンパク質としてストレプトアビジンを挙げることができる。
リンカーの種類も特に限定されないが、例えば、1個のアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドなどのペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、直鎖若しくは分枝鎖アルキル鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリリン酸鎖などの有機化合物残基、糖鎖、核酸など、任意の有機化合物又は生体分子などをリンカーとして用いることができる。これらのうち、ポリペプチド、ポリエチレングリコール鎖など水溶性の高いものが好ましいが、これらに限定されることはない。
リンカーのサイズは特に限定されないが、例えば、主鎖の全長が3 nm以上であることが好ましい。リンカーの主鎖の全長は、例えば分子模型を組み立てるなどの手法により簡便に推定することができる。リンカーの主鎖に含まれる原子数は特に限定されないが、例えば15〜20個程度であることが好ましい。本明細書においてリンカーの「主鎖」とはリンカーの片方の末端の原子から他方の末端の原子に至る最短の鎖状構造を意味しており、主鎖に含まれる原子数とは、主鎖を構成する鎖状構造においてリンカーの片方の末端の原子から他方の末端の原子に至る最小の原子個数を意味する。例えば-CH2-CH2-O-CH(CH2CH3)-CH2-O-で表されるリンカーの主鎖は-CH2-CH2-O-CH-CH2-O-で表される鎖状構造であり、主鎖に含まれる原子数は6個である。また、-CH2-CH2-O-CH(CH2CH3)-CH2-C6H4-O-(C6H4はp-フェニレン基を示す)で表されるリンカーの主鎖は-CH2-CH2-O-CH-CH2-C6H4-O-であり、主鎖に含まれる原子数は10個である(p-フェニレン基の結合部位の一端から他端に至る原子数は4個である)。分枝鎖を有する場合には分枝鎖はさらに枝分かれを有していてもよい。
タンパク質を用いる場合には、立体構造が明らかにされているものであれば、その構造を内包する最小球体の直径を全長とし、立体構造が明らかでないものであれば、その分子量が近いタンパク質の立体構造から推定できる。例えば、60kダルトンのBSAをリンカーとして用いる場合の全長は5 nm程度である。
蛍光粒子としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、若しくはPMMA、又はこれらの2種以上からなる複合材料などを素材とする有機高分子の微粒子に蛍光材料を含ませた粒子のほか、シリカや遷移金属材料から構成される無機微粒子に蛍光材料を含ませた粒子などを用いることができる。蛍光粒子の製造方法としては、例えば、「ナノ蛍光体の開発と応用」(シーエムシー出版、2007年発行)に記載されている方法が知られており、当業者はこの刊行物を参照することにより所望の蛍光粒子を容易に製造することができる。
蛍光粒子の粒径は特に限定されないが、例えば10〜1,000 nm程度であり、好ましくは 50〜500 nm程度である。蛍光粒子が概ね球状である場合には粒径として粒子直径を測定すればよく、蛍光粒子が球状ではない場合には粒子の最小幅を粒径として近似することができる。
蛍光粒子の励起/蛍光波長は特に限定されないが、例えば全血、血清、又は血漿などの血液サンプル中での測定を行う場合には血液サンプルの吸収及び/又は蛍光を回避するために580 nm以上の励起/蛍光波長を有する蛍光粒子を選択することが好ましい。
蛍光粒子中の蛍光色素は特に限定されないが、例えばローダミン系色素、シアニン系色素、ピリジン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素、ナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、又は分散染料なども蛍光性を有している場合には蛍光色素として使用することができる。
本発明の標識抗原では、抗原と蛍光粒子との間にタンパク質又はリンカー、あるいはその両者の組み合わせが配置されており、抗原と蛍光粒子とが直接結合する場合は本発明の標識抗原の範囲から除かれる。タンパク質とリンカーとを組み合わせて用いる場合としては、例えばリンカーの両端に抗原と蛍光粒子とを結合させる場合や、リンカーの両端にタンパク質を配置して、それらのタンパク質にそれぞれ抗原と蛍光粒子とを結合させる場合などを挙げることができるが、この特定の態様に限定されることはない。
タンパク質と抗原又は蛍光粒子との結合は共有結合やイオン結合のほか、分子間相互作用による水素結合、疎水結合、又は物理的吸着などであってもよい。例えば、生体分子間の相互作用を利用する場合には、アビジン、ストレプトアビジン、又はニュートラアビジンと、ビオチン化された抗原との結合などを利用することができるが、この特定の態様に限定されることはない。この態様において、ビオチン化された抗原として、例えばビオチン骨格部と抗原骨格とがスペーサーを介して連結している抗原を好ましく用いることができる。
ビオチン骨格部とは下記の式:
に示す構造を意味しており、式中のRにおいてスペーサーと結合することができる。抗原骨格とは抗原分子のうち抗体によって認識される部分構造を意味する。この場合のスペーサーとしては 例えば、1個のアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドなどのペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、直鎖若しくは分枝鎖アルキル鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリリン酸鎖などの有機化合物残基、糖鎖、又は核酸など、任意の有機化合物又は生体分子などを用いることができる。
本発明の標識抗原の代表的製造方法を本明細書の実施例に具体的に示した。上記の一般的説明及び実施例の具体的説明を参酌することにより、当業者は本発明の標識抗原を容易に製造することができる。
本発明の標識抗原の用途は特に限定されないが、競合的免疫測定方法に好適に用いることができる。競合的免疫測定方法の一例として、あらかじめ目的物質に対する抗体を結合させた不溶性担体に被検物質を含む試料及び標識抗原を添加して抗原抗体複合体を形成させた後、該抗原抗体複合体を形成した標識抗原、又は該抗原抗体複合体を形成しなかった標識抗原を検出することにより被検物質を定量する方法を挙げることができる。
被検物質としては、例えば甲状腺ホルモン(ジヨードサイロニン(T2)、トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)、リバースT3(rT3))、ステロイドホルモン(コーチゾール、エストラジオール、テストステロン、アルドステロン、プロゲステロン、及びそれらの誘導体など)、薬剤(ジゴキシン、ジギトキシン、ジフェニルヒダントイン、テオフィリン、モルフィン、ペニシリンなど)が挙げられる。上記の目的物質を検出する際には、それぞれの目的物質に対する抗体を選択する必要があるが、それぞれ目的物質に対して特異的に反応する抗体は当業者に利用可能である。例えば、T3に対する抗体としてはFitzgerald社製10-T35Aが知られており、エストラジオールに対する抗体としてはFitzgerald社製 10-E14Bが知られている。
不溶性担体としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、ニトロセルロースなどの有機高分子性担体、ガラス、シリカなどの無機高分子性担体、金、銀、アルミニウムなどの金属類、フェライトなどの磁性体が挙げられる。不溶性担体の形状としては、平面状や球状であってもよく、またメンブレン等の三次元膜を形成していてもよい。また、上記不溶性担体に化学的処理や物理的処理によって官能基を付与したものも用いることができる。抗体を不溶性担体に結合させる方法としては、抗体をガラスに化学的に結合させる方法(例えば、米国特許第4280992号明細書及び同第3652761号明細書)や、抗体をプラスチックに物理吸着させる方法(例えば、イ−・エングバル等;バイオシム・バイオフィズ・アクタ、251巻、427貢、1971年)などがある。さらに、抗体にビオチンを結合させ担体にはストレプトアビジンを結合させることにより、抗体を不溶性担体に結合させる方法など、間接的に抗体を不溶化抗体にさせる方法がある。抗原抗体複合体とは標識抗原と被検物質に対する抗体が実質的に結合している状態を表し、標識抗原の蛍光強度を測定することで、被検物質を定量することができる。
さらに、本発明により競合的免疫測定方法に使用するためのキットが提供される。このキットは少なくとも2以上の要素を含んでおり、それらのうちの1つは上記の標識抗原である。キットに含まれる要素の組み合わせとしては、例えば、上記の標識抗原及び目的物に対する抗体を結合させた不溶性担体の組み合わせなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されることはない。
例1
(1)サイロキシン結合BSA(T4-MEMIDA-BSA)の作製
特開昭51-106724号公報に記載の方法に従って合成した。
(2)抗サイロキシン抗体固相化プレートの作製
96ウェル黒色プレート(NUNC社製 #475515)の各ウェルに、10 μg/mLに調製した抗サイロキシンモノクローナル抗体(Medix社製#100074)の150 mM塩化ナトリウム溶液を100μLずつ添加し、室温で1時間静置した。抗体溶液を除去し、予め調製した洗浄用バッファー(0.05%(w/v) Tween-20を含むPBS(pH7.4))で洗浄した(350μL/ウェル、3回)。洗浄終了後、抗体の未吸着部分のブロッキングを行うため、1%カゼインを含むPBS(pH7.4)を200μLずつ各ウェルに添加し、3時間、室温で静置した。上記の洗浄用バッファーで洗浄後、安定化剤としてImmunoassay Stabilizer(ABI社製)を200μLずつ各ウェルに添加し、室温で30分間放置後、溶液を除去し乾燥機中で水分を完全に取り除いたものを実験に使用した。
(3)サイロキシン−BSA結合粒子作製(φ210 nm)の作製
2%蛍光粒子溶液(F8811、φ210 nm、Molecular Probes社)250 μLに50 mM MESバッファー(pH 6.0)150μLおよび、10.0 mg/mLサイロキシン結合BSA PBS溶液100 μLを加え室温で15分間攪拌した。400 mg/mLのWSC(品番01-62-0011、和光純薬)水溶液を5 μL加え室温で2時間撹拌した。2 mol/L Glycine水溶液を 25μL添加し30分間撹拌した後、遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)にて粒子を沈降させた。上清を取り除き、PBS (pH7.4)を500μL加え、超音波洗浄機により蛍光粒子を再分散させた。さらに遠心分離(15,000 rpm、4℃、15分)を行い、上清を除いた後、1%BSAのPBS(pH7.4)溶液500 μL加え、蛍光粒子を再分散させることでサイロキシン-BSA結合粒子の1%(w/v)溶液を得た。
(4)サイロキシン−BSA結合粒子によるT4測定
上記条件で作製したサイロキシン-BSA結合粒子を1重量%のBSAを含むPBS溶液(pH7.4)で0.005重量%に希釈した。また、1×10-4 Mのサイロキシン溶液をリン酸緩衝液(pH7.4)で下記濃度となるように希釈系列を作製し抗原溶液とした。
0.005重量%サイロキシン-BSA結合粒子30μLと各水準のサイロキシン溶液30μLを混合し、そのうち50μLを上記の抗サイロキシン抗体固相化プレートの各ウェルに添加した。1時間室温で静置したのち、反応液を除去した。リン酸緩衝液(pH7.4)350μLで洗浄した後、マイクロプレートリーダー(ARVOMX, パーキンエルマー社製)を用いて蛍光強度を測定した(光源Xeランプ、励起光フィルター485nm、蛍光フィルター535nm)。結果を図1に示す。サイロキシン−BSA結合粒子はT4の測定系に有用であることが示された。
例2
(1)ビオチン化T4の合成
ビオチン誘導体2はQuanta社又はシグマ−アルドリッチ社から購入した。DMF 5 mLに化合物2 (300 mg, 0.51 mmol)、化合物3 (590 mg, 0.61 mmol)を溶解し、DIEPAを155μL(0.92 mmol)加えて室温で3時間攪拌した。反応の終了をTLCで確認し、反応混合物に5%クエン酸水溶液を加え、20 mL酢酸エチルで3回抽出した。その後、硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:CHCl3〜CHCl3/ MeOH = 20/1〜10/1〜5/1)で精製して目的物の白色固体200 mg(31%)を得た。
1H-NMR(CD3OD) δ/ppm; 7.81(s, 2H), 7.06(s, 2H), 4.70(m, 1H), 4.45(m, 1H), 4.25(m, 1H), 3.78(s, 3H), 3.60(m, 10H) 3.20(m, 2H), 2.90(m, 2H), 2.70(m, 1H), 2.20(t, 2H), 1.20〜1.60(m, 6H)
(2)ストレプトアビジン修飾蛍光粒子(φ210 nm)の作製
2%蛍光粒子溶液(F8811、φ210 nm、Molecular Probes社)250 μLに50 mM MESバッファー(pH 6.0)150μLおよび、10.0 mg/mLストレプトアビジンPBS溶液100 μLを加え室温で15分間攪拌した。400 mg/mLのWSC(品番01-62-0011、和光純薬)水溶液を5 μL加え室温で2時間撹拌した。2 mol/L Glycine水溶液を 25μL添加し30分間撹拌した後、遠心分離(15,000 rpm、4℃、15分)にて、粒子を沈降させた。上清を取り除き、PBS (pH7.4)を500μL加え、超音波洗浄機により蛍光粒子を再分散させた。さらに遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)を行い、上清を除いた後、1%BSAのPBS(pH7.4)溶液500 μL加え、蛍光粒子を再分散させることで、ストレプトアビジン修飾蛍光粒子の1%(w/v)溶液を得た。
(3)ビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)結合蛍光粒子の作製
ビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)および上記で作製したストレプトアビジン修飾蛍光粒子を、表Aに示した濃度比となるように混合し、室温で15時間反応させた。遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)にて、粒子を沈降させた後、上清を取り除き、PBS (pH7.4)を500μL加え、超音波洗浄機により蛍光粒子を再分散させた。さらに遠心分離(15,000 rpm、4℃、15分)を行い、上清を除いた後、1%BSAのPBS(pH7.4)溶液500 μL加え、蛍光粒子を再分散させることで、ビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)結合蛍光粒子を得た。
(4)ビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)結合蛍光粒子によるT4測定
上記条件Dで作製したビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)結合蛍光粒子を1重量%のBSAを含むPBS溶液(pH7.4)で0.005重量%に希釈した。また、1×10-6 Mのサイロキシン溶液をリン酸緩衝液(pH7.4)で下記グラフの濃度となるように希釈系列を作製し抗原溶液とした。
0.005重量%ビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)結合蛍光粒子30μLと各水準のサイロキシン溶液30μLを混合し、そのうち50μLを上記(4)で作製した抗サイロキシン抗体固相化プレートの各ウェルに添加した。1時間室温で静置したのち、反応液を除去した。リン酸緩衝液(pH7.4)350μLで洗浄した後、マイクロプレートリーダー(ARVOMX, パーキンエルマー社製)を用いて蛍光強度を測定した(光源Xeランプ、励起光フィルター485nm、蛍光フィルター535nm)。結果を図2に示す。本発明で示した化合物を用いたサイロキシン誘導体はT4の測定系に有用であることが示された。
さらに、条件A〜Jで作製したビオチン化サイロキシン4(PEG n=4)結合蛍光粒子についても同様に評価を行い、ビオチン化T4と粒子の混合比を変えるだけで、競合アッセイにおける最適標識率をコントロールできるか確かめた。図3に混合比とT4濃度1.5e-7 Mにおける反応阻害率を示した。
例3(比較例)
(1)サイロキシン結合粒子(φ210 nm)の作製
2%蛍光粒子溶液(F8811、φ210 nm、Molecular Probes社)250 μLに50 mM MESバッファー(pH 6.0)150μL及び10.0mg/mLサイロキシンメチルエステルのDMSO溶液10 μLを加え室温で10分間攪拌した。400 mg/mLのWSC(品番01-62-0011、和光純薬)水溶液を5 μL加え室温で15時間撹拌した。2 mol/L Glycine水溶液を 25μL添加し30分間撹拌した後、遠心分離(15,000 rpm、4℃、15分)にて粒子を沈降させた。上清を取り除き、PBS (pH7.4)を500μL加え、超音波洗浄機により蛍光粒子を再分散させた。さらに遠心分離(15,000 rpm、4℃、15分)を行い、上清を除いた後、1%BSAのPBS(pH7.4)溶液500 μL加え、蛍光粒子を再分散させることでサイロキシン結合粒子の1%(w/v)溶液を得た。
(2)T4−直接結合粒子を用いた競合アッセイ
上記条件で作製したT4−直接結合粒子を使用したこと以外、上記(8)の条件に従ってT4測定を実施したが、濃度依存的なシグナル変化は観測されなかった。このことにより、蛍光粒子に抗原を結合させる際にタンパク質又はリンカーを介在させる本発明の標識抗体の優れた効果が証明された。
例1におけるサイロキシン−BSA結合粒子によるT4標準曲線を示した図である。 例2におけるビオチン化サイロキシン8(PEG n=4)結合蛍光粒子によるT4標準曲線を示した図である。 例2におけるサイロキシン標識率及び反応阻害率を示した図である。

Claims (11)

  1. タンパク質及び/又はリンカーを介して蛍光粒子に結合した抗原を含む標識抗原。
  2. 抗原が蛍光粒子にタンパク質を介して結合している請求項1に記載の標識抗原。
  3. タンパク質が血清タンパク質及び血漿タンパク質からなる群から選ばれるタンパク質である請求項2に記載の標識抗原。
  4. タンパク質がアビジン、ストレプトアビジン、又はュートラアビジンである請求項2に記載の標識抗原。
  5. 抗原とタンパク質とが分子間相互作用による結合で固定されている請求項2ないし4のいずれか1項に記載の標識抗原。
  6. 分子間相互作用による結合がアビジン、ストレプトアビジン、又はニュートラアビジンとビオチン化された抗原との結合である請求項5に記載の標識抗原。
  7. 該抗原がビオチン化された抗原であり、ビオチン骨格部と抗原骨格とがスペーサーを介して連結した抗原である請求項6に記載の標識抗原。
  8. 該スペーサーの全長が3 nm以上である請求項7に記載の標識抗原。
  9. 競合的免疫測定方法に用いるための請求項1ないし8のいずれか1項に記載の標識抗原。
  10. あらかじめ目的物質に対する抗体を結合させた不溶性担体に被検物質を含む試料及び標識抗原を添加して抗原抗体複合体を形成させた後、該抗原抗体複合体を形成した標識抗原、又は該抗原抗体複合体を形成しなかった標識抗原を検出することにより被検物質を定量する方法において、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の標識抗原を用いることを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法に用いるためのキットであって、少なくとも2の要素を含み、かつそれらのうちの1つの要素が請求項1ないし8のいずれか1項に記載の標識抗原であるキット。
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