JP4213029B2 - 特異的標識化方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、異なった反応性部位を共に含んでいる1種またはそれ以上の物質を特異的に標識化する方法、本発明の方法に従って標識化された物質、および本発明の方法を利用するための診断キットに関する。
たとえば、化学的、生物学的もしくは医学的な研究または診断において物質を検出、可視化、定量化または観察するために、物質は検出可能な標識で標識化される。標識化方法の広範な多様性は文献で知られている(総説については、Hermanson, 1996, Bioconjugate techniques, Academic Press, ISBN 0-12-34-2335-X)。
独特の検出可能な標識と独特な標識化の方法を選定するには、多数の要素がその役目を果たすかもしれない。そのような要素には物質の性質、反応条件、標識された物質の検出限界、標識化反応中の感度および物質に対する特異性が含まれる。
生物有機分子を標識化するために白金化合物を使用する方法が非常に長期にわたり興味深いと考えられてきた。検出可能な種々のタイプの標識部分を、イオン性白金に付着することができる。白金化合物は、物質上の種々の反応部分と反応することができる。
シス−白金化合物の使用がヨーロッパ特許出願番号95201197.1に記載されている。ここでは、白金化合物を介して生物有機分子と標識とを結合するための方法が開示されており、その2つの配位部位は、エチレンジアミン基のような安定化架橋の2つの端部で占められている。この既知のシス白金化合物は、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質および核酸のような数種の生物有機化合物に標識を連結するのに好適である。トランス−白金化合物を使用する方法もまた、種々の生物有機分子を標識化するのに適していると報告されている(EP出願97201066.4)。
種々の反応性部位に対する白金化合物の反応性は、迅速な標識化反応と広範な種々の物質に対する優れた感度を可能にするので、多数の応用に有益である。
しかしながら、たとえば、標識化の選択性を改良するために、物質の特異な反応性部位へ標識を導くことが望まれるだろう。また、予め選択した部位は、種々の形の生物有機化合物を含んでいる検体のような複雑な検体中で標識化されるかもしれない。特異的なまたは選択的な標識化は、しばしば検体精製の必要性を回避し、そして標的とされる物質がその本来の性質、たとえば、3次元構造、活性、親和性などを失わないような方法で管理され得る。
さらに、制御された多くの反応性部位で物質を標識化することは有益であろう。このことは定量の精度を向上させそして標識化された物質の同定を容易にすることができる。そのような改善は有機化学、生物学および医学領域のような種々の応用に極めて価値があるだろう。
さらに、たとえば、酵素、免疫グロブリン、またはDNA−プローブのような物質の構造または活性に影響を与えない標識化方法を発見することは、標識化化学において、しばしば高度な課題である。
本発明の目的は、異なる反応性部位を含む1種またはそれ以上の物質を共に特異的に標的とする反応性部位で標識化する方法を提供することである。
本発明によって、驚くべきことに、1種またはそれ以上の物質が白金−リンカーを介して標識化できることが見出された。好ましい実施形態では、該リンカーは白金−リンカーであり、該物質は1つまたはそれ以上の硫黄含有反応性部位および/または1つまたはそれ以上の窒素含有反応性部位を合わせもち、そして白金化合物と標識の複合体が形成され、該白金化合物は1種またはそれ以上の物質と反応される。本発明の好ましい実施形態では、実質的に硫黄を含有する反応性部位または実質的に窒素を含有する反応性部位のみが該白金化合物と結合される。
ここで使用される物質は、1つまたはそれ以上の硫黄含有反応性部位および/または1つまたはそれ以上の窒素含有反応性部位を含むある種のものと解釈される。特に、物質は、生物有機化合物を含め、無機または有機化合物に関する。ここで使用される生物有機化合物は、生物学的炭素を含有する化合物を意味する。また、生物有機化合物は、たとえば、治療もしくは予防効果、免疫応答、代謝経路などを誘導またはこれに作用することによって、生物学的システムにおける反応を誘導するかまたはこれに影響を与える能力のある化合物を意味する。「物質」は、さらに、微生物、ウイルスもしくはプリオン、または、1つまたはそれ以上の上記の硫黄または窒素反応型の反応性部位を含む材料、または、微配列(micro-array)、微量力価測定板(microtitre plate)、試験ストリップ(test strip)もしくは試験管のようなそれらから作られた製品、を意味する。特異的に標識化されるべき別個の反応性部位は、1つの物質内に、または、1つまたはいくつかの標識化される部位を有しているが該別個の反応性部位も含んでいる多くの物質の組み合わせ(混合物、溶液、分散物など)内に、共存する。そのような、組み合わせは、たとえば、窒素含有反応性部位をのみを有する物質と硫黄含有反応性部位のみを有する物質の組み合わせである。
原理的に、どのようなタイプの窒素含有反応性部位または硫黄含有反応部も、本発明の方法を使用して標識化することができる。好ましい反応性部位には、一級アミン、2級アミン、3級アミン、芳香族アミン、チオール、チオエーテル、スルフィド、ジスルフィド、チオアミド、チオン、アミド、イミド、イミン、イミノエーテル、またはアジドを含有する反応性部位が含まれる。標識化され得る物質の例は、アミノ酸(好ましくは、メチオニン、システイン、ヒスチジン、リジンおよびトリプトファン)、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、蛋白質、免疫グロブリン、酵素、人工酵素、リン脂質、糖蛋白質、核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド核酸、ペプチド核酸オリゴマー、ペプチド核酸ポリマー、アミン、アミノ配糖体、核ペプチドおよび糖ペプチドの群から選ばれる物質である。本発明に従い、物質は、好ましくはアミノ酸、ペプチド、オリゴペプチドおよびポリペプチドの群から選ばれる。
白金化合物に結合された物質は、Pt−S付加物(硫黄含有反応性部位に結合したとき)、Pt−N付加物(窒素含有反応性部位に結合したとき)または一般に白金−付加物と称すことができる。
硫黄含有反応性部位は以後、S−反応性部位とよび、窒素含有反応性部位は、以後、N−反応性部位とよぶことができる。
白金リンカーについては、物質に標識を結合するために使用できる白金部分を意味する。本発明で使用される好ましいリンカー化合物は配位子が結合される白金化合物である。
本発明の方法は、物質の標識化を、種々の反応性部位を合わせ持っている物質または物質のグループ内の特異的反応性部位に導くのに極めて適していることが見つけ出された。さらに本発明の方法は標的とされる物質(の反応性部位)に対して、たとえ複雑なマトリックス内でも優れた感度を有していることが見つけ出された。本発明の方法の、標識が標識化される反応性部位を識別するための優れた能力は、なかでも、分析目的に極めて有用である。優れた感度は、精度と定量化の機能上の範囲に貢献できるばかりでなく、標識化された物質の均質性を向上することができる。改良された均一性は、一般に、たとえばクロマトグラフィーまたは電気泳動の方法による分析検体の分離または精製中の分析帯を広げるのに有用な効果を有している。
さらに、たとえ、標識化される物質が壊れやすいかまたは不安定な部分を含んでいても、標識化された物質の構造または活性に著しく影響を与えることなく物質を選択的に標識化できることが見つけ出された。物質がインビボまたはインビトロでの活性、好ましくは実質的にその全ての活性保持している間、標識化された物質の検出または追跡を容易になるので、これは本発明の非常に有利な特徴である。活性保持の利点のために、本質的に該物質の機能性部分の1つまたはそれ以上のN−またはS−反応性部位で標識が付かないように、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、核酸のような物質を直接標識化できることが見つけ出された。
さらに、物質が標識化された後で、物質の立体配座が大きな影響を受けてない状態でいるように、本発明が物質を標識化するのに使用できることが見つけ出された。本発明のこの実施態様は、たとえば、抗体−抗原複合体または二重鎖になったオリゴ−またはポリヌクレオチドをその複合体を乱すことなく標識化するのに適している。本発明のこの態様は、また、物質または/およびある種の化学的または生化学的過程のインビトロまたはインビボでの可視化に極めて有用である。
好ましい白金化合物の例は、式[Pt(II)(X1)(X2)(A)(D)]のシス−もしくはトランス白金化合物、または、式[Pt(II)(X3)(A)(D)]のシス−白金化合物である。
ここで、Ptは白金(Pt)を表し、AおよびDは同一または異なる反応性部分を表し、白金化合物の標識との錯体形成と白金化合物の物質への結合にそれぞれ関与する。物質、X1およびX2は同一または異なる不活性部分、X3は、たとえば2配位性の配位子のような安定化の架橋として作用する不活性部分を表す。
そのような白金化合物のいくつかの例の構造表示が、以下に示されている。
Figure 0004213029
本発明の方法で使用する白金(II)化合物は、公知技術のいずれかの方法を経て調整することができる。文献は、たとえば、リーディーク等(Redijk et al., Structure and Bonding, 67, pp. 53-89, 1987)で見ることができる。いくつかのトランス−白金化合物の調製は、EP-A97201066.4に開示されている。その他の調整方法は、EP-A 96202792.6およびEP-A 95201197.1で見ることができる。これらいずれかの文献に記載された方法をここに引用し包含する。本発明の好ましい実施態様において、白金化合物はスペーサー−tertブトキシカルボニル/NHS−標識経路に従って調製される。
白金化合物の反応性部分(A,D)は、好ましくは、良好な脱離配位子である。Aおよび/またはDが、Cl-、NO3 -、HCO3 -、CO3 2-、SO3 2-、ZSO3 -、I-、Br-、F-、アセタート、カルボキシラート、ホスファート、エチルニトラート、オキサラート、シトラート、ホスホナート、ZO-および水の群から独立して選ばれる白金化合物が、本発明の方法で使用するのに特に適していることが見つけ出された。Zはここで、水素部分、または、1〜10の炭素原子を有するアルキルもしくはアリール基と定義される。これらの配位子の中で、Cl-とNO3 -が特に好ましい。
いずれの形の不活性部分を選択することができる。ここで使用される不活性とは、その部分が標識化過程およびその後において物質と化学的に反応することなく白金化合物に結合したままになっていることを意味する。NH3、NH2R、NHRR’,NRR’R’’基の群から選ばれる1つまたは2つの不活性部を含んでいる白金化合物は、発明の方法で使用される特に好ましい不活性部分であることが見つけ出され、ここでR、R’およびR’’は、好ましくは、1〜6の炭素原子を有するアルキル基を表す。H2NCH3は、本発明の方法で使用される特に好ましい不活性部分である。アルキル基が2〜6の炭素原子を有するアルキルジアミンは、シス-白金化合物(たとえば、式1cでX3)における好ましい2配位性の不活性部分である。特に好ましい実施態様で、X3はエチレンジアミンである。
本発明の方法で使用される好ましい白金化合物には、シス[Pt(en)Cl2]、シス[Pt(en)Cl(NO3)]、シス[Pt(en)(NO32]、トランス[Pt(NH32Cl2]、トランス[Pt(NH32Cl(NO3)]およびトランス[Pt(NH32(NO32]が含まれる。
ここで標識化の用語は、標識を物質と、好ましくは白金リンカーを経て結合することを示すために使用される。ここで使用される標識は、白金化合物または物質に結合させることができ、そして、物質を検出、追跡または可視化するために使用可能ないずれの部分(moiety)であってもよい。標識はいつでも白金化合物と反応させることができる。したがって、本発明に従って、リンカー−標識複合体を得るために白金リンカーを標識と最初に反応させ、それから物質と反応させることが可能であり、または、この順序が逆でも可能である。好ましい実施態様では、白金リンカーを最初に標識と反応させる。
白金化合物に結合させることができる限りにおいて、いずれの型の標識も使用可能である。そのような標識は、放射活性標識、酵素、アビジン、ストレプトアビジンもしくはビオチンのような特異結合する一対の成分、ビオシチン、イミノビオチン、コロイド染料物質、りん光標識(たとえば、ユーロピウムキレート、白金ポルフィリン)、化学発光標識(たとえばルミノール)、蛍光色素、シアニン色素を含めて、アレクサダイ(Alexa dye,(Molecular Probe))またはボディピーカララント(Bodipy-colorant, ( Molecular Probe))、ローダミン、ジニトロフェノール(DNP)、カルボキシローダミン、tert-ブトキシカルボニル、還元剤(エオシン、エリスロシン等)、(着色された)ラテックスゾル、ジゴキシゲニン、金属(ルテニウム)、金属ゾルまたはその他の特殊ゾル(セレニウム、炭素およびこの類)、ダンシルリジン、UV染料、VIS染料、インフラレッドダイ(Infra Red Dye)、クマリン(たとえばアミノメチルクマリン)、抗体、プロテインA、プロテインGなど、であり得る。
なかでも、どのような物質に結合した白金とも安定な複合体を作ることができそして優れた検出限界を生み出すことができるので、DNP、フルオロレセイン、シアニン−着色剤、およびテトラメチルローダミンが特に好ましい。これらの標識は、多色標識と呼ばれる技術に極めて好適に使用することができる。すなわち、異なった色を有している一方、類似の化学構造を任意に有しているこの種のいくつかの着色剤が使用可能である。他の好ましい標識には、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびジゴキシゲニンが含まれる。
本発明の実施態様で、標識および/または物質の反応性部位は、スペーサーを通して白金化合物に結合することができる。そのようなスペーサーには、好ましくは、少なくとも4つの炭素原子、そして好ましくは20以下の炭素原子を有する鎖であり、一方の端に電子供与部分と他の端に標識または物質と反応するための部分を含み、そして電子供与部分を通して白金に結合している鎖が含まれる。もちろん、スペーサー、標識、物質および白金リンカーは、いずれの順序にでも互いに結合させることができる。たとえば、スペーサーをまずリンカーに結合し、次いで得られた化合物を標識と物質に結合することができる。また、リンカーと反応させる前に、最初にスペーサーを標識に結合することも可能である。スペーサーの電子供与部分は、たとえば、アミン基およびチオラートアニオンであり得る。好ましくは、鎖にはさらに少なくとも1つのヘテロ原子がふくまれている。非常に好ましいスペーサーは、1,6−ジアミノヘキサンおよび1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタンである。本発明の好ましい実施態様では、マーカーおよび/または物質への結合に先立つ中間体リンカー−スペイサー複合体として、1,6−ジアミノヘキサン tert-ブトキシカルボニルが使用される。言うまでもなく、標識化用の複合体には、1つ以上の白金、たとえばヨーロッパ特許出願97201066.4に記載されているような2つの白金原子を含むことができる。
本発明の方法で物質が特異的に標識化されるように選択するのに特に有用であると発見されたパラメーターの1つは、pH値である。ここで使用されるpHは、本発明による組成または産物の20℃での水中におけるpHとして解されるべきである。本発明の実施態様が、変更された溶媒陽子移動定数(pKw)(すなわち変更された温度で、有機溶媒中で)を導く環境下で実施される場合には、ここでいうpHは、水中20℃のpH範囲に基づくものであると解すべきである。
一般に、Pt−S付加体の生成はpH非依存性であって、一方、Pt−N付加体の生成はpH依存性である。好ましい実施態様で、1つまたはそれ以上のS−反応性部位は、pHを使用することにより1またそれ以上の窒素原子反応性部位に優先して選択的に標識化される。
指針として、好ましい実施態様では、標識化されるべきでない物質のいずれのN−反応性部位の最低pKaよりも低いpHで本発明のpHを選択することができ、これで1つまたはそれ以上のS−反応性部位の特異的な標識化が可能となる。熟練の専門家が理解するように、pKaに加え、標識化される物質の近傍における微細な環境の影響を含め、他の因子もその役割を果たす。
好ましい実施態様で、そのS−反応性部位または複数部位は、中性または酸性pHで選択的に標識化される。さらに好ましい実施態様では、そのS−反応性部位または複数部位は、5またはそれ以下のpHで、N−反応性部位に優先して特異的に標識化される。
また、約pH6と8の間で、他のN−反応性部位に明確に優先してヒスチジン残基を標識化することが可能であると見つけ出された。ここで使用されるように化合物の残基は、化合物それ自体、またはたとえばタンパク質中のアミノ酸残基のようにより大きい物質の部分として解釈されるべきである。
種々pHにおけるPt−SおよびPt−N付加体の生成についての総覧が表1に示されている。
Figure 0004213029
論理的にPt−S付加体生成は1段階のプロセスである。Sが電子対を白金に供与したときに、反応性基が白金から脱離する。Rt―XからPt−Sへの直接変換であるこのプロセスは、pH非依存性であると信じられている。一方、N供与体は、N置換に先立って酸素による白金化合物の反応性基の置換を必要とする。まず、Pt−XはPt−Oになり、最後にPt−Nとなる。これは2段階反応で最初の段階はpHを変えることによって制御できる。溶液のpHに影響を与える因子は、Pt−N付加体の生成を妨げるだろう。
また、N−反応性部位に関する白金化合物の選択性を制御するのにイオンの存在が利用できる。1つの実施態様において、S−反応性部位の特異的標識化を高めるために、N−反応性部位への白金化合物が付くのを阻害するのに、1種またはそれ以上の脱離配位子、好ましくはアニオン部分が使用される。そのような脱離配位子の例には、Cl-、NO3 -、HCO3 -、CO3 2-、ZSO3 -、SO3 -、I-、Br-、F-、アセタート、カルボキシラート、ホスフファート、エチルニトラート、オキサラート、シトラート、ホスホナート、ZO-および水が含まれる。Zはここで、水素部分、または1〜10の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基と定義される。特に好ましい結果が陰イオン部分を含んでいる塩を使用して得られ、これらの中で特に、塩化物が好ましい。対イオンはアルカリ陽イオン、アルカリ土類陽イオンまたは標識化を導くためにも使用される陽イオン類である。好ましい実施態様では、N−反応性部位への標識化の阻害に使用される陰イオン部分の全イオン強度は少なくとも0.1モル/lである。さらに好ましくは、全イオン強度は、0.1から0.5モル/lの範囲である。
たとえば遷移金属のような金属イオンの存在もまた、標識化される反応性部位の選択に使用される。特に、S−反応性部位に優先して1つまたはそれ以上のN−反応性部位が効果的に特異的に標識化されるように、そのようなイオンが、S−反応性部位の標識化を防止するかまたは標識化されたPt−S付加体を不安定にするために適していることが見つけ出された。本発明の方法内で、たとえば、シス−白金化合物またはトランス−白金化合物のような白金化合物の幾何異性体を使用することによって、硫黄含有反応性部位または窒素含有反応性部位のいずれかへ白金化合物が選択的に付くように、標識化を管理することが可能である。
白金化合物の嵩高い不活性部分もまた、たとえば、物質の反応性部位における標識化の防止に使用でき、特異的な立体化学的構造を有する白金化合物から反応性部位が物質の構造によって部分的に遮蔽される。これは、たとえば、もし物質が蛋白質、分子の集合体などのような複雑な三次元構造を有しているなら、可能である。
本発明によると、1つまたはそれ以上の標識化されるべきでない反応性部位を遮蔽部分で最初に遮蔽し、その後、標識もまた結合されるところの白金化合物と物質の目的の反応性部位とを反応させることによって、物質を特異的に標識化することも可能である。
ここで使用する遮蔽とは、反応性部位と、標識の反応性部位への直接的な結合を防ぐ部分または標識と反応性部位に結合した白金との複合体形成を防ぐ部分との反応によって、標識のための反応性部位の親和性の不活性化であると、解釈されるべきである。好ましくは、遮蔽部分は、遮蔽されるべき反応性部位の数によりも過剰に存在する。遮蔽過程の好ましい反応時間はその適用性に依存し、そして如何に反応条件を選択するかは、知識を有する当業者には明瞭であろう。
もう1つの好ましい実施態様では、白金化合物が特異的に該物質に結合するように白金化合物を反応した後に、遮蔽部分は遮蔽された反応性部位から除去される。
好ましい実施態様では、1種またはそれ以上の物質のN−反応性部位への選択的標識化に先立ち、1つまたはそれ以上のS−反応性部位は、たとえば、上述した条件でトランス−白金化合物によって遮蔽することができる。特に良好な結果が、遮蔽部分としてローダミントランス−Pt(トランス[Pt(II)(NH32(NH2−(CH26−NH−ローダミン)Cl](NO3))で達成された。遮蔽をさらに改善するために、反応は2と5の間で選択されたpHで実施され、そののちpHは、N−反応性部位を標識化するためにアルカリ性pHに上昇された。他の好ましい遮蔽用化合物はカドミウム、水銀または亜鉛複合体である。
Cu(II)、Zn(II)またはこれらの混合物のような遷移金属イオンの添加が、白金付加体の標識化されたN−反応性部位は実質的に安定な状態を保ちながら、S−反応性部位からトランス−白金化合物を選択的に除去するのに特に優れていることが見つけ出された。
標識化を特異的にするために特定の類型の溶媒が使用され得る。特に、N−反応性部位への反応性は、溶媒に依存して変えることができる。白金化合物へ配位子として働くことのできる溶媒は、N−反応性部位への反応性を減少させることができ、したがってそのような溶媒はS−反応性部位の標識化に好ましい。
上述のパラメーターに加え、本発明の方法は、好ましくは0℃と120℃の範囲、さらに好ましくは20℃と70℃の範囲で変化される温度;通常1分と48時間の範囲、好ましくは10分と24時間の範囲、さらに好ましくは15時間の範囲内の反応時間;試薬濃度、試薬モル比、白金標識複合体の実質的な全荷電など、のようなパラメーターで、さらに精巧に調節することができる。これらのパラメーターは、特別な応用に応じ、技術的に既知のいずれかの方法において調節することができる。たとえば、白金標識複合体の実質的全荷電は、中性pHでのヒスチジンのPt−N付加生成の特異性に影響を与える。フルオロレセイン−およびシアニンPt複合体のような中性のPt複合体はPt−N付加体を生成するが、陽性荷電された白金標識複合体、たとえば、ローダミン−およびジニトロフェノールPt複合体は、Pt−N付加体を成生成しない。陽性荷電された白金標識化複合体は、ペプチドおよびそのようなものの等電点以上でN−付加体に対し特異的な標識化を示す。S−反応性部位に優先するN−反応性部位の、またはその逆の優先順位の選択的標識化を可能にすることとは別に、本発明の方法は、ここに記載された方法を正しく選択することによってN−反応性部位またはS−反応性部位を区別することもできる。
たとえば、ヒスチジン残基の1つまたはそれ以上のN−反応性部位は、白金化合物を標識と結合することにより、そして白金化合物が特異的に物質のヒスチジン残基に特異的に結合するような反応条件を選択することによって、選択的に標識化することができる。そのような方法は、ヒスチジンの標識化をしている間は遮蔽できるS−反応性部位の存在下に、またその非存在下にも、実施することができる。
したがって、ペプチドまたは蛋白質のような物質は、アミノ酸または他のN−反応性部位を有する物質の混合物中の1つまたはそれ以上のヒスチジン残基を、選択的に標識化することができる。好ましい実施態様では、ヒスチジンの選択的標識化は、約7のpH7と全体として中性の電荷を有するPt標識化複合体を選択することによって遂行される。
特殊な型のS−反応性部位または特殊な型のN−反応性部位の選択的標識化は種々の応用分野で解決策を提供する。たとえば、それは未知組成物の物質中の特殊な型の反応性部位または検体中の特殊な物質の存在(たとえばアミノ酸混合物中のヒスチジンの存在)をスクリーニングするために使用することができる。したがって、特異的標識化過程の繰り返しで、いくつかの物質を異なった標識で次から次へと標識化することができ、これはたとえば、クロマトグラフィー、電気泳動および/またはマススペクトメトリーで検体を分離する必要がなく、いくつかの成分のスクリーニングに有用である。
望まない反応性部位(たとえば、物質の機能性部位)での標識化を避けるために、さらに標識化に特異性を賦与することも可能である。
さらに、別個のN−反応性部位または別個のS反応性部位間の区別によって、多数の異なった標識を有する物質を作り出すことが可能である。
本発明の方法で、1種またはそれ以上の標識化された物質を調製することが可能である。本発明は、また、N−反応性部位またはS−反応性部位において白金化合物で特異的に結合された物質にも関する。本発明はさらに、物質の特異な反応性部位に結合された白金化合物を通して標識が物質に結合している、標識化された物質に関する。
本発明の特異な実施態様では、物質または物質混合物の第1の反応性部位の選択的標識化の後に、少なくとも1つの他の反応性物質が特異的にまたは非特異的に標識化される。そのような後の標識化は、本発明に従って、白金化合物と反応させられるのとは異なった標識を使用して実施され得るが、当該技術分野で既知の異なる型の標識化反応を使用することも可能である。たとえば、S−反応性部位を特異的に標識化した後に、それに続く標識化はアミンに反応性のある標識を使用して行なうことができる。
好ましい実施態様で、後に続く標識化は、また、特異的標識化をも含む。したがって、別個の反応性部位で種々の標識で標識化された1つの物質を調製することが可能である。
このように、1種の物質または物質の混合物を種々の標識で標識化することが可能であることが見いだされた。したがって、本発明は2または複数の標識さえをも有する物質に関する。1種以上の標識で標識化することは、種々の応用に極めて有用であり得る。たとえば、分析分離を必要とせずに混合物中の特定の物質をスクリーニング、たとえばアミノ酸混合物中のメチオニンとヒスチジンの存在をスクリーニングするのに極めて有用である。もう1つの実施態様では、標識化された物質が関与するプロセス、たとえば、物質がいくつかの物質に分裂しそれぞれが異なる標識を有しているプロセスまたはその逆のプロセスを追跡するのに使用できる。言うまでもなく、本発明は定性分析に限定されず、特異的に標識化された物質の定量分析も包含する。原則として、標識化された物質は、続いて、いずれの液体分析物の分析システムでも分析することができる。本発明の特に好ましい実施態様では、標識化された物質の分析を含み、標識化された物質は、たとえばフローサイトメトリーシステムのような、ハイスル−プット液体多重分析物分析システムを使用して分析される。
本発明はさらに、本発明の物質を含む診断キットに関する。本発明の診断キットは、好ましくは、1つまたはそれ以上の窒素含有反応性部位および/または1つまたはそれ以上の硫黄含有反応性部位で白金化合物に特異的に結合された物質、白金―リンカー調製物、緩衝液、標識調整物、遷移金属イオン調整物、イオン強度調節用の調整物および遮蔽部分を含む調製物からなる群から選ばれる1種またはそれ以上の調製物、を含有する。
もう1つの本発明の実施態様は、本発明の方法を利用するための診断キットに関する。そのようなキットは、たとえば、反応説明書、物質を標識化するための1種またはそれ以上の白金化合物、1種またはそれ以上の標識、本発明の1種またはそれ以上の物質、1種またはそれ以上の試験検体、1種またはそれ以上の他の試薬、1つまたはそれ以上の試験管またはストリップなどを含むことができる。
本発明はさらに以下の非限定的な実施例によって説明される。
実施例1
2つのアミノ酸(ヒスチジンとメチオニン、各0.1ミリモル)が500μl重水素化リン酸ナトリウム緩衝液(50mM、pD=7.00)に溶解され、少量の過剰(0.44ミリモル)の[Pt(en)(NH2−NH−Boc)Cl](NO)3(=PtN3−Cl)、とともにインキュベートされた。ここでBocは((en)=エチレンジアミン、Boc=tert-ブトキシカルボニル)マーカーである。反応過程は、1Hと195Pt核を可視化する高分解能NMR(ブルカー(Bruker)DPX300)で追跡された。結果を図1および2に示す。データ−は、S−反応性部位(メチオニン、図1)の反応が120分以内にほとんど完結したことを示し、PtN3−ClからPtN3−S−付加体への信号の変化によって証明され、一方、N−反応性部位と白金化合物間の反応は緩やかに進行(図2)したことを示した。24時間の後、ヒスチジン分子の4分の1のみが標識化された。
実施例2
ウシ血清アルブミン(BSA)が0.5×PBS(リン酸塩緩衝化食塩水、pH7.4)中に1mg/ml溶液になるよう溶解された。1mlのBSA検体に、0.5mgのローダミン シス−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−ローダミン)Cl](NO3))が加えられた。もう1つの1mlのBSA検体に、0.5mgのローダミン トランス−Pt(トランス[Pt(II)(NH32(NH2−(CH26−NH−ローダミン)Cl](NO3))が加えられた。両方の検体が37℃で16時間反応させられた。その後、非結合発蛍光団(非結合ローダミンおよび非結合ローダミン−Pt化合物)が、1×PBSを溶出液として使用してゲル濾過(10mlセファデックスG50カラム、10cm長、1ml直径)で除去された。次いで、蛋白質あたりに結合した発蛍光団の比率(F/P比率)が以下の式を使用して決定された。
Figure 0004213029
ここで、A521(521nmにおける吸光度)はウルトロスペック4000(Ultrospec 4000)分光光度計(APS)を使用して測定され、そして[BSA](単位μg/μlでの蛋白質濃度)はBCA試薬(BCA蛋白測定キットnr.23225、ピース(Pierce))で測定された。
蛋白質に対する白金化合物の比率(Pt/P比率)は、以下の式を使用して決定された。
Figure 0004213029
ここで、[Pt](単位μg/μlでの白金濃度)は自動吸収光度法で測定された。要するに、白金−蛋白質結合の延長は、265.9nmでのPt線を追跡するためにスリット帯を0.70nmに定めたパーキンエルマー原子吸光度測定器3100(Perkin Elmer Atomic Absorption Spectrometer3000)で測定された。定量のための直線領域は100〜1500ng/mLであった。重水素バックグラウンドの補正は分析中の間中なされ、検体容量は0.020〜0.060mLの間にあった。炉パラメーターは、乾燥120℃/90秒、灰化1300℃/60秒、フラッシング20℃/15秒そして2650℃/5秒のアトマイゼイションである。アルゴンガスが炉を浄化するために使用された。
結果は以下のとおりである。
Figure 0004213029
BSAはメチオニンとシステイン残基(S−反応性部位)に富んでおり、そして上記条件でN−反応性部位への反応は遅い。Pt/P比率は、シスおよびトランスー白金化合物の両者ともがうまく蛋白質と反応することを示している。しかしながら、F/P比率は、この実験条件下でマーカー(ローダミン)は、トランス−白金化合物から遊離され、一方、シス−白金化合物は蛋白質への結合を留めていることを示している。このことは、トランス−白金結合反応性部位への標識の結合から反応性部位を遮蔽するために、トランス−白金化合物が使用できることを示している。
実施例3
ウシ血清アルブミン(BSA、シグマ(Sigma);A−9647)、アビジン−D(ベクター(Vector);A−2000)そしてヤギIgG抗−マウスIgG(全IgG分画、腎臓学部、ライデン大学 メディカルセンター)を、ビオチン−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH22−CO−(CH22−CO−(CH22−NH−ビオチン)CL](NO3))(KREATECH, ULK001)、DNP−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−DNP)CL](NO3))(KREATECH, ULK003)、ローダミン−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−ローダミン)CL](NO3))(KREATECH, ULK101)およびdグリーン−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−dグリーン)CL](NO3))(KREATECH, ULK301)で標識化するために使用した。BSAとIgGの各標識化のために、250μlPBS中の250μgの蛋白質が125μgの標識化試薬を含有する250μlの水と混合された(標識に対する蛋白質比率=1:0.5)。必要なときには、容量は蒸留水で0.5mlに調節された。反応は37℃で16時間実施された。非結合の標識化試薬が、TBS/0.05%ツイーン20を溶出液として使用して、ゲル濾過(セファデックスG25、PD10;APB)で除去された。アビジン−DのDNP−PT標識化は、システインを有さないかまたは反応し得ないシステインを有しそしてメチオニンアミノ酸を有する蛋白質の標識化を最適にするために選ばれた。アビジン−Dは、種々の蛋白質:標識比率と固定された比率で、75mMと500mMのNa−リン酸塩−、トリスHCl−またはNa−炭酸塩緩衝液中、7から10で変化するpHで標識化された。標識化期間中の蛋白質濃度は0.5mg/mlに保たれたが、標識−白金試薬濃度は、0.25から0.75mg/mlの間で変化した。
蛋白質に対する蛍光色素比率(F/P比率)も蛋白質に対するDNP比率(D/P比率)も蛍光色吸光極大(DNP:363nm、dグリーン:597nmそしてローダミン:521nm)における吸光度を測定することによって計算された。特別な波長におけるシス−白金寄与に関して測定を調節する補正ファクターが導入され、蛋白質濃度はBCA試薬(ピース(Piece);23225)を使用して測定された。280nmでの蛋白質濃度の計算は、Pt試薬のA250nm寄与で疑いがあり使用することができなかった。F/P比率の式はUV/VIS分光法と白金無炎原子吸光分析法(Pt−FAAS)を使用してそれから得られた。Pt−FAASは、蛋白結合白金化合物の数を測定するために使用され、それにより結合した蛍光色素またはDNP−分子の正確な測定ができた。F/PおよびD/P−比率を計算するために使用された式は表2に掲げられている。
Figure 0004213029
表3はBSAとIgGがアビジン−Dに比較して多くの白金に結合した蛍光色素を含んでいることを示している。ローダダミン−Ptの場合:BSAは1蛍光色素/16.6kDを含み、IgGは1蛍光色素/19.5kDそしてアビジンは1蛍光色素/82.5kDを有している。さらに、DNP−Ptとローダミン−Ptは、匹敵する反応性を有し両者はdグリーン−Ptよりも反応性が高い。
Figure 0004213029
アビジン標識化についてD/P−比率を増加させるために実施された実験もまた表3に掲げられている。標識化溶液のpH7からpH10へのpH増加は、低い塩条件ではほとんどD/P−比率を増加させない。高い塩条件で同様の同じ実験を行った時には、顕著な増加が見られたが、最大2のD/P−比率が観察され、塩またはpHを変えてもこれ以上には上昇できなかった。標識化の間中に標識−Pt濃度を上昇すると、さらにD/P−比率が増加することが見いだされた。
実施例4
通常のヤギ血清とマウスIgGで免疫化されたヤギの血清が、DNP−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−DNP)CL](NO3))で、2:1(w/w)のDNP−Ptに対する全蛋白比率で37℃において16時間標識化された。マウスIgGが、マイクロタイタープレート上にウエル当たりコーティング濃度0、0.1、0.3、1、3、10、30、100、300および1000ng/mlの希釈シリーズで固定された。このコーティング段階の後、プレートはPBS−0.05%ツイーン20で3回連続して濯がれ、最後に125μlPBS/2%カゼイン/3%BSAで、37℃において30時間ポストコーティングされた。次に、血清がマレイン酸緩衝液(ロッシュ ダイアグノステックス)で0.5ng/μlの蛋白質濃度溶液になるように希釈された。次いで、標識化された血清の100μlが、固定されたマウスIgGに加えられ37℃で60分間反応された。マイクロタイタ−プレートが1×PBS−0.05%ツイーン20で洗浄され、マレイン酸緩衝液で希釈されたHRP標識化抗−DNP抗体(#NEN7−1−99)と37℃で1時間インキュベートされた。非結合の抗DNP−HRPがそれぞれ1mlの1×PBS−0.05%ツイーン20で3回洗浄されて除去された。次に、pH5.3のクエン酸−リン酸緩衝液に希釈された100μlのTMB基質がウエルに加えられ、室温(22〜22℃)で30分間、暗所で反応された。反応を停止するために100μlの1N H2SO4が加えられた。マウスIgGに結合した本発明の標識化された抗マウスIgGの尺度として、450nmでの吸光度が測定された。結果は、図3に示されている。非免疫化ヤギ血清と対照的に、免疫化されたヤギ血清を使用した試験は、結合された抗NDPのシグナルを示し、抗マウスIgGがマウスIgGに選択的に結合したことを示した。この実験は標識としてDNPの替わりにビオチンそして抗−DNPの代わりに替わりに抗−ビオチンを使用して反復して行われた。同様の結果が観察された。
実施例5
マイクロタイタープレート(MB,762070、グリーナー(Griener))が、ウサギ抗−ヒトIgG(ダコ(DAKO)、A0424)、ウサギ抗−ヒトIgA(ダコ(DAKO)、A0092)、ウサギ抗−ヒトIgM(ダコ(DAKO)、A0426)、ウサギ抗−ヒトIgD(ダコ(DAKO)、A0093)またはウサギ抗−ヒトIgE(ダコ(DAKO)、A0094)のいずれかでコーティングされた。各抗体が10μg/mlの濃度で1×PBSに溶解された。マイクロタイタープレートが100μlで、室温で1晩コーティングされた。次に、プレートが洗浄用緩衝液(0.15M NaCl、4.9mM Na2HPO4・2H2O、1.2mM KH2PO4、0.005%ツイーン80、0.005%チメラソール(thimerasol))で濯がれそして、150μlの1×PBS、2%カゼイイン、3%BSA)でポストコーティングされた(37℃で30分)。1:250から1:9.105までの範囲の種々希釈比(血清希釈緩衝液:0.1MトリスpH7、0.15M NaCl、1%BSA、2%カゼイン、0.05%ツイーン80、0.025%チメラソール(thimerasol))で未処理の全ヒト血清(100μl)が、抗−ヒトIgGと抗−ヒトIgAでコートされたプレートに加えられ、37℃で1時間インキュベートされた。ウエルが完全に濯がれ、抗−ヒトIgG−HRP(ダコ(DAKO)P−214/保存溶液:スタビルザイムセレクト(サーモディックス)(Stabilzyme Select(Surmodics))での1:20希釈、最後に血清希釈緩衝液で1:100に希釈された)と抗−ヒトIgA−HRP(ダコ(DAKO)P−216/保存溶液:スタビルザイムセレクト(サーモディックス)(Stabilzyme Select(Surmodics))での1:35希釈、最後に血清希釈緩衝液で1:100に希釈された)コンジュゲートおよび標準操作に従うTBS基質を使用することにより、検出限界が確立された。
4:1のDNP−Ptに対する全蛋白比率でDNP−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−DNP)CL](NO3))を加え、混合物を1晩反応させることにより同一の未処理の全ヒト血清が標識化された。次に、検体が希釈され、プレートに加えられ(100μl/ウエル)、上記と同様にインキュベートされた。検出限界が、抗−DNP−HRPコンジュゲート(#NEN7−1−99、血清希釈緩衝液で1:1000希釈;100μl/ウエル、37℃で1時間)とTBS基質(室温で30分間)を使用することにより決定された。結果は以下のとおりである。
Figure 0004213029
全てのサブクラスはその抗体結合能力を維持していることが示された。
実施例6
硫酸アンモニウムの効果が評価された。最初に蛋白質が飽和(NH42SO4溶液の50、100、200または400μlのいずれかで沈殿させられた(30分間氷上−30分間室温−遠心分離)。上澄み液は沈殿物から分離された。沈殿物は、0.5mg/mlの濃度になるように0.5×PBSに溶解された(透析なしに)。蛋白質濃度は、BCA試薬(ピース(Pierce)、上記参照)で測定された。次に、最溶解された沈殿物は、4:1比率(w/w)でDNP−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−DNP)CL](NO3)]で50℃において4時間標識化された。結果は、図4に示されている。
また、新しい試験管に移された上澄み液がDNT−PTで標識化された。0.5mgの蛋白質(上澄み液中)に、DNP−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−DNP)CL](NO3))の0.125が加えられた。混合物は50℃で4時間反応させられた。結果は図5に示されている。
結果は、本発明の方法は、硫酸アンモニウムで沈殿された物質または硫酸アンモニウム溶液に溶解されている物質のいずれをも、過剰の硫酸アンモニウムを全く除去する必要なしに標識化するのに使用できることを明示している。後者は、たとえばNHS−エステルのような標準の標識化部分では、不可能である。
実施例7
この実施例で、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を使用して特異的標識化が実証される。選択された生物有機分子は、ミクロパーオキシダーゼである。ミクロパーオキシダーゼmp−11(シグマM6765)は、2つのN反応性部位(リジンとヒスチジン)と2つのS−反応性部位(システイン)を有する11アミノ酸から構成されている。mp−11の全長の配列は、バリン−グルタミン−リジン(N)−システイン(S)−アラニン−グルタミン−システイン(S)−ヒスチジン(N)−スレオニン−バリン−グルタミン、である。mp−11が0.5×PBS(pH7.2)に1mg/mlの濃度で溶解された。この溶液の1部分(0.25mg)がFlu−ULSで、1:0.25の比率で0.5×PBS(最終容量4999.5μl)中、50℃で4時間標識化された。フルオロレセイン標識mp−11溶液はpD−10カラム(APBnr.17-0851-01 )で精製された。溶液の精製に先立ち、カラムは5mlの0.5×PBSで3回濯がれた。フルオロレセイン標識mp−11溶液は、ウルトロスペクック(Ultrospec)4000分光光度計(APB)で分析された。続いて、フルオロレセイン標識mp−11はローダミン−ULS(比率1:0.25)で標識化された。標識化は、4℃で1晩、実施された。次いで、溶液は上記のように精製され、分析された。
結果は、図6に示されている。データは、mp−11はフルオロレセイン(A470 FAM50)とローダミン(A510 FAM50 Ro4)とで標識化されていることを示す。高いローダミンの特異的発光は、二重標識化されたmp−11が470nm(これはフルオロレセインの励起波長である)で照射されたときに、明瞭である。励起の後に、フルオロレセインは十分なエネルギーを近くのローダミンに移動し、510nmにおけるローダミンの直接的励起なしに、570nmにおけるローダミンの蛍光を導く。これがFRETである。
実施例8
pH4または4でシスまたはトランスローダミン−Ptでウシ血清アルブミン(BSA)が標識化された。BSAが1×PBS(リン酸塩緩衝化食塩水、pH=7.4)中に3%の量で溶解された。この溶液の少量(3.3μl)が以下の計画に従って標識化された:(a)0.0075M NaAc/クエン酸緩衝液pH4(最終容量1ml)中の1mg/ml保存溶液の25μlローダミン シス−Pt(シス[Pt(II)(en)(NH2−(CH26−NH−ローダミン)CL](NO3))を加える;(b) 0.0075MNaAc/クエン酸緩衝液pH4(最終容量1ml)中の2mg/ml保存溶液の12.5μlローダミン トランス−Pt(トランス[Pt(II)(NH32(NH2−(CH26−NH−ローダミン)CL](NO3))を加える;(c)0.5×PBSpH7中である以外は(a)に同じ;(d) 0.5×PBSpH7中である以外は(b)に同じ。すべての場合において、標識に対する蛋白質比率は1:0.25である。標識化は、50℃で4時間実施された。その後、標識化されたBSAはカラムで精製された。検体の目視での評価によると、(b)および(d)には明瞭な着色された溶液を認めなかったが、(a)および(c)では着色されていた(cがaよりも強い)。
実施例9
ソフト遷移金属の効果が、特異的標識化条件をさらに制御するために評価された。10mM リン酸ナトリウムpH8と20mM NaCl中にDNP−Pt(最終濃度、0.2mM)またはRho−Pt(最終濃度、0.2mM)のいずれかを含んでいる溶液に、N−アセチルメチオニン(最終濃度、2mM)またはN−アセチルヒスチジン(最終濃度、2mM)の10倍過剰量が加えられた。標識−白金化合物とS−反応性部位およびN−反応性部位を含むアミノ酸との反応速度に及ぼすソフト遷移金属の存在の影響を研究するために、各溶液にCdCl2またはK2PdCl4の0、1、2、または5当量が加えられた。反応は37℃で実施された。遷移金属を添加したときにpHが低下したことは注目すべきである。このことはこの実験で使用された全ての遷移金属について観察された。pHの低下は、パラジウムについて最も顕著であり、カドミウムについて最も少なかった。標識−Ptの消失が尺度として選択され、ソフト遷移金属(すなわち、Pd,Cd等)の添加がない検体が対照となった。そのような添加ソフト遷移金属を含有する検体中の測定された相対的変化は、NまたはS−反応性部位を有するアミノ酸の標識化特性に及ぼすそのような化合物の存在と濃度の効果に関する尺度である。結果は表4に示されている。結果は、メチオニンの標識化が極めて速いことを示している。この発見は、上に示されたデータと一致する。相当量のカドミウムの添加は、かすかに反応速度を低下させるだけである。しかしながらパラジウムの添加は、濃度依存的に顕著に反応を阻害する。ヒスチジンの標識化はきわめて遅く、カドミウムが添加されたときに減少する。ヒスチジンに対して5倍の過剰量のカドミウムは、最初の場所で標識化が起こることを妨害した。パラジウムは低濃度で存在するときにはヒスチジンとの反応を加速するように見え、高濃度では反応は低下する。しかしながらこの反応速度の変化は、ソフト遷移金属の存在、またはその混合物によるのではなく、部分的にはpHの変化にもよるだろう。パラジウムはまた、S−反応性部位(たとえばメチオニン)およびN−反応性部位(たとえばヒスチジン)を含有する両方のアミノ酸の標識化に効果があるが、メチオニンに対する効果が大きい。このことは硫黄の標識化を選択的に減少させるための優れた機会を提供する。
実施例10
牛血清アルブミン(BSA、シグマ;A−9647)が20mMリン酸塩緩衝液pH8または20mM酢酸ナトリウム緩衝液pH4中に、濃度5mg/mlで溶解された。この溶液の1部分に、Flu−Pt、Rho−Pt、Flu−NHS(モレキュラープローブズ(Molecular Probes)、C−6164、10mg/mlの濃度でDMSO中に溶解されている)またはRho−NHS(モレキュラープローブズ(Molecular Probes)、C−6123、5mg/mlの濃度でDMSO中に溶解されている)が10倍の過剰量で添加された。標識化反応は、37℃で1晩実施された。全ての検体がカラム精製(PD10)で精製され、分光光度計で標準の手順に従って分析された。NHS標識に関する標識化は低pHでほとんど起こらないという結果であったが、Flu−Pt標識は顕著に高いF/P比率を示した。ベースラインFlu−NHS値は、標識(陰性荷電)の蛋白質(陽性荷電)への非特異的結合に主として起因していることに注意すべきである。標識両者は、低pHでのFlu−Pt値と相応して、中性pHで匹敵するF/P比率を生成した。低pHでRho−NHS値に比べてRho−Pt値が低かったことを除いて、ローダミンについて同様の結果が得られた。この場合、低pH実験に対応するデータは、実際のベースライン値であり標識化されないかまたはほとんど標識化されないことを示している。この発見は、蛋白質の荷電の観点で標識化化合物の総合的な実質的荷電の結果として少なくとも部分的に説明できるかもしれない。この例は、種々の標識化技術の成功的な使用と本発明の範囲に寄与する強い静電気的相互作用を実証している。
実施例11
上皮細胞成長因子(EFG、シグマ;E9644)が濃度1mg/mlで50mMリン酸塩緩衝液pH8に溶解された。EFG溶液の1部分に、10倍過剰量のFlu−NHS(モレキュラープローブズ(Molecular Probes)、C−6164、10mg/mlの濃度でDMSO中に溶解されている)またはFlu−Pt(クレアテック(KREATECH)、ULK004)が添加された。標識化反応は、1晩、30℃と37℃でそれぞれFlu−NHSとFlu−Pt標識について実施された。次いで、検体はカラム精製(PD10)で精製され、分光光度計で標準の手順に従って分析された。結果は、Flu−NHSとFlu−Pt標識についてそれぞれ0.07と0.28のF/P比率を示した。EFGはリジンを含有していない、したがって、NHS標識化のための好ましい標的ではない。NHS複合体にとっては末端のアミノ基がただ潜在的な標識化部位として働くだけである。同様の反応条件で顕著に高いF/P比率がFlu−Pt複合体について達成された。
Figure 0004213029
室温でのPtとN−Ac−メチオニン間の付加体生成を示す図である。 室温でのPtとヒスチジン間の付加体生成を示す図である。 マウスIgGに結合した本発明の標識化された抗マウスIgGの吸光度を測定した結果を示す図である。 硫酸アンモニウムで沈殿されたIgG血清蛋白質を標識化した結果を示す図である。 硫酸アンモニウムで沈殿されたIgG血清蛋白質を標識化した結果を示す図である。 ミクロパーオキシダーゼmp−11を標識した結果を示す図である。

Claims (22)

  1. 白金−リンカーを介して1種またはそれ以上の物質を特異的に標識化する方法であって、該物質は共に1つまたはそれ以上の硫黄含有反応性部位と1つまたはそれ以上の窒素反応性部位を含み、白金化合物と標識との複合体を形成し、そして、実質的に硫黄含有反応性部位のみまたは実質的に窒素含有反応性部位のみが該白金化合物に結合するように該白金化合物を前記の1種またそれ以上の物質と反応させることを特徴とする、物質を特異的に標識化する方法。
  2. 硫黄含有反応性部位と窒素含有反応性部位の標識化を区別するためにpHを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 硫黄含有反応性部位と窒素含有反応性部位の標識化を区別するためにイオン強度を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 塩化物、Cl-、NO3 -、HCO3 -、CO3 2-、SO3 -、I-、Br-、アセタート、カルボキシラート、ホスファート、スルファート、エチルニトラート、オキサラート、シトラート、ホスホナートまたはこれらの混合物を含む1つもしくはそれ以上の塩によってイオン強度を実現することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 硫黄含有部位またはこの複数部位を最初に遮蔽部分で特異的に遮蔽し、その後に白金化合物を窒素含有反応性部位に特異的に結合することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 遮蔽部分がトランス−白金化合物であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 白金化合物が特異的に物質に結合するように白金化合物を反応させた後に、遮蔽部分を遮蔽された反応性部位から選択的に除去することを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
  8. 窒素含有反応性部位に白金化合物を選択的に標識付けするように選択した濃度で1種またはそれ以上の遷移金属イオンを使用することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 遷移金属をCu(II)、Zn(II)の群から選ぶことを特徴とする、請求項に記載の方法。
  10. 窒素含有反応性部位の少なくとも1つがヒスチジン残基であり、白金化合物と標識の複合体を生成し、実質的にヒスチジン残基のみまたは実質的に非ヒスチジン反応性部位のみが該白金化合物に結合するように該白金化合物を1種またそれ以上の物質と反応させることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. 白金−リンカーを介して1種またはそれ以上の物質を特異的に標識化する方法であって、該物質は共に1つまたはそれ以上のヒスチジン残基と1つまたはそれ以上の他の窒素含有反応性部位を含んでおり、白金化合物と標識との複合体を形成し、そして、実質的にヒスチジン残基のみまたは実質的に非ヒスチジン反応性部位のみが該白金化合物に結合するように該白金化合物を1種またそれ以上の物質と反応させることを特徴とする、物質を特異的に標識化する方法。
  12. 窒素含有反応性部位と硫黄含有反応性部位を異なる標識で標識化することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 白金化合物が以下の式のうちの1つで表される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
    Figure 0004213029
    ここで、Ptは白金(Pt)、AおよびDは、Cl-、NO3 -、アセタート、HCO3 -、CO3 2-、ZSO3 -、SO3 2-、I-、Br-、F-、アセタート、カルボキシラート、ホスファート、エチルニトラート、オキサラート、シトラート、ホスホナート、ZO-および水によって作られる反応部分の群から独立して選ばれ、Zは、水素、または1〜10の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり、
    X1とX2は、NH3、NH2R、NHRR’、NRR’R’’基によって作られる不活性部分の群から独立して選ばれ、R、R’およびR’’は1〜6の炭素原子を有するアルキル基を表し、そして
    X3は、アルキル基が安定化架橋を表す。
  14. 安定化架橋がアルキルジアミンであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. アルキル基が2〜6の炭素元素を有することを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
  16. 標識および/または物質の反応性部位がスペーサーを通して白金化合物の白金部分に結合していることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 標識が、蛍光色素、リン光標識、化学発光標識、特異結合する一対の成分、UVまたは可視光線吸収標識、放射活性標識、コロイド染料物質、還元剤、微粒子ゾルまたは金属であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 標識が、ジニトロフェノール(DNP)、テトラメチルローダミン、ジゴキシゲニン、シアニン色素、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 物質が1級アミン、2級アミン、3級アミン、芳香族アミン、チオール、チオエーテル、スルフィド、ジスルフィド、チオアミド、チオン、アミド、イミド、イミン、イミノエーテルまたはアジドを含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 1種またはそれ以上の物質が、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、蛋白質、免疫グロブリン、酵素、人工酵素、リン脂質、糖蛋白質、核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド核酸、ペプチド核酸オリゴマー、ペプチド核酸ポリマー、アミン、アミノ配糖体の群から選ばれる物質であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 1種またはそれ以上の物質が、免疫グロブリン、酵素、抗体−抗原複合体の群から選ばれることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 標識化された物質を、液状分析物の分析システムを使用して引き続き分析することを特徴とする、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
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