JP2006275253A - ピストンリング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外周面aの一部をなす外周摺動面e、内周面d、及び厚さ方向の上下面b,cに窒化層12,13が形成されているスチール製母材11と、そのスチール製母材11の外周面aを覆う硬質クロムめっき皮膜14とを有するピストンリングであって、外周面aには外周摺動面eから上下面b,cに連なる曲面又は面取り面15cが形成されていると共に、外周摺動面eに形成されている窒化層12と上下面b,cに形成されている窒化層13とが曲面又は面取り面15cを隔てて分離されており、外周摺動面eに形成されている窒化層12のビッカース硬さが400〜900HV0.05の範囲内にあるように構成することにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図1
Description
ピストンリングを形成するためのスチール製母材として、質量%で、Cr:10.05%、C:0.51%、Si:0.20%、Mn:0.31%、P:0.02%、S:0.02%の組成からなる材料(以下、A材という)を用い、ピストンリング形状となるように切削加工及び研削加工を行った。次いで、ピストンリング形状に加工されたスチール製母材11をガス窒化処理して窒化層13を形成した。このときの窒化処理は、アンモニア分解ガス雰囲気中に590℃×6時間保持して第1窒化層13aを形成し、さらに540℃×2時間保持して第2窒化層13bを形成する条件で行った。こうした窒化処理により、厚さ50μmの第1窒化層13aと、厚さ100μmの第2窒化層13bとからなる合計厚さ150μmの窒化層13をスチール製母材11上に形成した。
外周摺動面eに形成されている窒化層12のビッカース硬さを800HV0.05とし、外周摺動面eを覆うように形成されている硬質クロムめっき皮膜14のビッカース硬さを900HV0.05とした以外は、実施例1と同様にして実施例2のピストンリングを作製した。なお、外周摺動面eに形成されているビッカース硬さ800HV0.05の窒化層12は、実施例1の窒化層を研磨することにより形成し、外周摺動面eを覆うように形成されているビッカース硬さ900HV0.05の硬質クロムめっき皮膜14は、電流密度とめっき浴温度で調整することにより形成した。
外周摺動面eに形成されている窒化層12のビッカース硬さを400HV0.05とし、外周摺動面eを覆うように形成されている硬質クロムめっき皮膜14のビッカース硬さを1000HV0.05とした以外は、実施例1と同様にして実施例3のピストンリングを作製した。なお、外周摺動面eに形成されているビッカース硬さ400HV0.05の窒化層12は、実施例1の窒化層を研磨することにより形成し、外周摺動面eを覆うように形成されているビッカース硬さ1000HV0.05の硬質クロムめっき皮膜14は、電流密度とめっき浴温度で調整することにより形成した。
ピストンリングを形成するためのスチール製母材として、質量%で、Cr:17.85%、Co:4%、Mo:1.16%、C:0.89%、Si:0.32%、Mn:0.35%、V:0.12%、P:0.02%、S:0.02%の組成からなる材料(以下、B材という)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4のピストンリングを作製した。こうして作製されたピストンリング10において、外周摺動面eに形成されている窒化層12はビッカース硬さが900HV0.05であり、スチール製母材上に形成されている第1窒化層13aは第2窒化層13bのビッカース硬さ700HV0.05の位置から10μm母材側のビッカース硬さが586HV0.05であり、その第1窒化層13aを覆うように形成されている第2窒化層13bはビッカース硬さが700HV0.05であった。また、外周摺動面eを覆うように外周面aに形成されている硬質クロムめっき皮膜14はビッカース硬さが1200HV0.05であった。
ピストンリングを形成するためのスチール製母材としてB材を用い、外周摺動面eに形成されている窒化層12のビッカース硬さを800HV0.05とし、外周摺動面eを覆うように形成されている硬質クロムめっき皮膜14のビッカース硬さを900HV0.05とした以外は、実施例4と同様にして実施例5のピストンリングを作製した。なお、外周摺動面eに形成されているビッカース硬さ800HV0.05の窒化層12は、実施例4の窒化層を研磨することにより形成し、外周摺動面eを覆うように形成されているビッカース硬さ900HV0.05の硬質クロムめっき皮膜14は、電流密度とめっき浴温度で調整することにより形成した。
ピストンリングを形成するためのスチール製母材としてB材を用い、外周摺動面eに形成されている窒化層12のビッカース硬さを400HV0.05とし、外周摺動面eを覆うように形成されている硬質クロムめっき皮膜14のビッカース硬さを1000HV0.05とした以外は、実施例4と同様にして実施例6のピストンリングを作製した。なお、外周摺動面eに形成されているビッカース硬さ400HV0.05の窒化層12は、実施例4の窒化層を研磨することにより形成し、外周摺動面eを覆うように形成されているビッカース硬さ1000HV0.05の硬質クロムめっき皮膜14は、電流密度とめっき浴温度で調整することにより形成した。
実施例1とはピストンリング素材の外周コーナー部が形成されたことのみが異なる素材を用い、実施例1と同様な熱処理を施し、外周摺動面eのみを研磨して、窒化層13を厚さ150μm程度残すように面取り面15cを形成した。それ以外は実施例1と同様にして比較例1のピストンリングを作製した。なお、実施例1と同様、外周摺動面eに形成されている窒化層12はビッカース硬さが900HV0.05であり、スチール製母材上に形成されている第1窒化層13aは第2窒化層13bのビッカース硬さ700HV0.05の位置から10μm母材側のビッカース硬さが577HV0.05であり、その第1窒化層13aを覆うように形成されている第2窒化層13bはビッカース硬さは最も硬度の高い部分において1100HV0.05であった。また、外周摺動面eを覆うように形成されている硬質クロムめっき皮膜14はビッカース硬さが1200HV0.05であった。
ピストンリングを形成するためのスチール製母材としてA材を用い、外周摺動面eに形成されている窒化層12のビッカース硬さを360HV0.05とした以外は、実施例1と同様にして比較例2のピストンリングを作製した。なお、外周摺動面eに形成されているビッカース硬さ360HV0.05の窒化層12は、実施例1の窒化層を研磨することにより形成した。
実施例1〜6及び比較例1,2の各ピストンリングの疲労強度を、図2に概略的に示すリング実体型疲労試験機20(以下、試験機20という。)を用いて測定した。先ず、ピストンリング10の合い口部1側の一端を試験機20の支持台21に固定し、他の一端を梃子アーム22に固定する。次に、偏心カム23を回転させて動力伝達棒24を図2中に矢印Aで示す方向に往復運動させる。動力伝達棒24の往復運動に伴って、この動力伝達棒24に連結されている梃子アーム22が図2中に矢印Bで示す方向に往復運動し、ピストンリング10の合い口部1の開閉量が変化する。実施例及び比較例はいずれも同一の試験条件下でピストンリング10が折損するまで試験を行い、このときのS−N曲線(応力−繰返し数曲線)から1×107 回の繰返し数に耐え得る応力を疲労強度(疲れ限度)として求めた。なお、図2中の符号25は、動力伝達棒24の往復運動の方向を規制するためのガイドである。
1 合い口部
11 スチール製母材
12,13 窒化層
13a 第1窒化層
13b 第2窒化層
14 硬質クロムめっき皮膜
15c 面取り面
15s 窒化層が形成されていない領域
L 幅
a 外周面
b 上面
c 下面
d 内周面
e 外周摺動面
Claims (3)
- 外周面の一部をなす外周摺動面、内周面、及び厚さ方向の上下面それぞれに窒化層が形成されているスチール製母材と、該スチール製母材の前記外周面を覆う硬質クロムめっき皮膜とを有するピストンリングであって、
前記外周面には前記外周摺動面から前記上下面に連なる曲面又は面取り面が形成されていると共に、前記外周摺動面に形成されている窒化層と前記上下面に形成されている窒化層とが前記曲面又は面取り面を隔てて分離されており、
前記外周摺動面に形成されている窒化層のビッカース硬さが400〜900HV0.05の範囲内にあることを特徴とするピストンリング。 - 前記スチール製母材の内周面及び厚さ方向の上下面に形成されている窒化層が、ビッカース硬さ700HV0.05未満の第1窒化層と、該第1窒化層を覆う第2窒化層とを有し、前記第2窒化層のビッカース硬さが前記第1窒化層のビッカース硬さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のピストンリング。
- 前記硬質クロムめっき皮膜が積層構造を有し、該硬質クロムめっき皮膜のビッカース硬さが900〜1200HV0.05の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のピストンリング。
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