JP2006274174A - 粘度安定化再生ゴム及びそれを含むゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は粘度安定化再生ゴム及びそれを含むゴム組成物に関し、更に詳しくはムーニー粘度などの粘度が経時的に安定な粘度安定化再生ゴム及びそれを含むゴム組成物に関する。
省資源及び材料コストダウンの観点から再生ゴムの使用が見直されてきているが、天然ゴムが主成分の再生ゴムの場合、経時によりムーニー粘度が上昇するという技術的問題がある。そのため再生ゴムを用いた、例えば空気入りタイヤなどの製造において混合工程や押出工程が不安定になり、品質バラツキの問題の原因となっている。このことが再生ゴムの使用が広がらない原因の一つとなっている。かかる問題を解決する提案として、例えば特許文献1には再生ゴムにセミカルバジド(塩)を配合することが記載されている。
従って、本発明の目的は、ムーニー粘度の経時による上昇がおきにくく、経時安定な再生ゴムを提供することにある。
本発明に従えば、再生ゴムに対して、常温及び酸素存在下において安定に存在する式(I)及び(II)
の少なくとも一種のフリーラジカルを含むラジカル含有化合物を再生ゴム製造工程中に添加してなる再生ゴム並びにそれを含むゴム組成物が提供される。
本発明によれば、再生ゴムに式(I)及び/又は(II)のフリーラジカルを配合することにより、ムーニー粘度の経時による上昇がおきにくく、経時安定な再生ゴムを得ることができる。
本発明者は前記課題を解決すべく開発を進めた結果、再生ゴム100重量部に対して、常温及び酸素存在下において安定に存在する前記式(I)及び/又は(II)のフリーラジカルを含むラジカル含有化合物を再生ゴム製造工程中に添加することによって、前記目的を解決することに成功した。本発明において使用する再生ゴムは一般的な製造方法、例えばロール、バンバリー混合機などで加硫ゴムにせん弾力を付加して加硫ゴム中の硫黄架橋結合を切断する方法、又は加硫ゴムに分解剤と再生油を加えた後、オートクレープ中で高温で処理する方法などで得ることができる。本発明において使用する再生ゴムには特に制限はない。
前記ラジカル含有化合物としては例えばニトロキシラジカル、ヒドラジルラジカル、アリロキシルラジカル及びトリチルラジカルから選ばれた少なくとも一種の化合物であり、その配合量は再生ゴム100重量部当たり、0.01〜5重量部であるのが好ましく、0.1〜4重量部であるのが更に好ましい。
本発明者らは再生ゴムが経時的に粘度上昇を起す原因が以下のためと考えた。
1)切断により発生したラジカル同志が放置期間中に再結合し粘度が上昇する。
2)ラジカルが、再生ゴム中に残存している遊離硫黄と結合して架橋構造をつくることにより粘度が上昇する。
1)切断により発生したラジカル同志が放置期間中に再結合し粘度が上昇する。
2)ラジカルが、再生ゴム中に残存している遊離硫黄と結合して架橋構造をつくることにより粘度が上昇する。
そこで、かかる原因を除くために、本発明者は、ラジカル補足剤を再生ゴム製造中に配合しておくことを試みた。そのようなラジカル補足剤としては天然ゴムの粘度安定化に用いるヒドラジド化合物、硫酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジドプロピオネートなどが一般的であるが、これらでは加硫後の引張り物性が低下するので好ましくない。かかる引張り物性の低下がこのようなラジカル補足剤を添加した場合に比べて少なく且つ、経時による再生ゴムのムーニー粘度の増加を抑制する方法について検討を進めた結果、再生ゴム中に、常温及び酸素存在下において安定に存在する前記式(I)及び(II)のフリーラジカルを含む化合物を再生ゴムの製造工程中に添加することによって問題となる経時変化を抑えることに成功した。具体的な化合物としてはこれらに限定するものではないが以下のものをあげることができる。
本発明に係る粘度安定化再生ゴムを含むゴム組成物は、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム及びブチルゴムから選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴム100重量部に対して前述の粘度安定化再生ゴムを1〜50重量部含んでなるゴム組成物である。粘度安定化再生ゴムの割合が50重量部超では、引張強さが低下するので好ましくない。1重量部未満では材料コストダウンが得られない為、本再生ゴムを使用する利点はなくなる。
本発明に係る粘度安定化再生ゴムを含むゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックやシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜3及び比較例1〜3
再生ゴム配合物の調製
表Iに示す配合で再生ゴムにラジカル補足剤1又は2を添加し(比較例1は配合せず)、ロールで温度50℃で10分間混合して再生ゴム配合物を得た。この配合物のムーニー粘度(JIS K6300に準拠して100℃で測定したML1+4)を、混合直後並びに室温で10日、30日及び60日放置した後に測定して表Iに示した。
再生ゴム配合物の調製
表Iに示す配合で再生ゴムにラジカル補足剤1又は2を添加し(比較例1は配合せず)、ロールで温度50℃で10分間混合して再生ゴム配合物を得た。この配合物のムーニー粘度(JIS K6300に準拠して100℃で測定したML1+4)を、混合直後並びに室温で10日、30日及び60日放置した後に測定して表Iに示した。
表I脚注
*1:再生ゴム(村岡ゴム工業(株)製タイヤリクレーム)
*2:N,N−ビス−ヒドロキシエチレン−N−2−ヒドロキシルドデシルアミン
*3:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ(アルドリッチケミカル社製)
*1:再生ゴム(村岡ゴム工業(株)製タイヤリクレーム)
*2:N,N−ビス−ヒドロキシエチレン−N−2−ヒドロキシルドデシルアミン
*3:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ(アルドリッチケミカル社製)
実施例4〜5及び比較例4〜5
再生ゴム組成物サンプルの調製
表IIに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに、表IIに示す加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いてJIS K6300に従って(温度100℃)(ML1+4)を経時的なムーニー粘度を評価して粘度安定性を試験した。結果は表IIに示す。
再生ゴム組成物サンプルの調製
表IIに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに、表IIに示す加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いてJIS K6300に従って(温度100℃)(ML1+4)を経時的なムーニー粘度を評価して粘度安定性を試験した。結果は表IIに示す。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で20分間加硫して加硫ゴムシートを作製し、JIS K6251の試験法に従って加硫ゴムの引張強さを測定し、比較例4の値を100として指数表示した。結果は表IIに示す。
表II脚注
*1:RSS#3
*2:表I参照
*3:東海カーボン(株)製シースト6(N220タイプ)
*4:東邦亜鉛(株)製亜鉛華3号
*5:日本油脂(株)製ビーズステアリン酸
*6:FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD
*7:細井化学工業(株)製粉末硫黄
*8:大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS
*1:RSS#3
*2:表I参照
*3:東海カーボン(株)製シースト6(N220タイプ)
*4:東邦亜鉛(株)製亜鉛華3号
*5:日本油脂(株)製ビーズステアリン酸
*6:FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD
*7:細井化学工業(株)製粉末硫黄
*8:大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS
表IIの結果から明らかなように、本発明の再生ゴム配合物5を用いたゴム組成物は、経時によるムーニー粘度の増加が少なく、引張強さも高い。
本発明に従えば再生ゴムの経時粘度安定性が改良されるので、例えば空気入りタイヤのより広範囲なパーツに再生ゴムを使用することが可能となり、省資源や材料コストダウンに寄与できる。
Claims (3)
- 前記ラジカル含有化合物がニトロキシラジカル、ヒドラジルラジカル、アリロキシルラジカル及びトリチルラジカルから選ばれた少なくとも一種の化合物であり、その配合量が再生ゴム100重量部当たり、0.01〜5重量部である請求項1に記載の再生ゴム。
- 天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム及びブチルゴムから選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴム100重量部と、請求項1又は2に記載の再生ゴム1〜50重量部を含んでなるゴム組成物。
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JP2005098672A JP2006274174A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 粘度安定化再生ゴム及びそれを含むゴム組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011148894A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ジエン系ゴム組成物 |
JP2011148893A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ジエン系ゴム組成物 |
JP2011148895A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 変性粉砕加硫ゴムの製造法 |
CN103937059A (zh) * | 2014-04-10 | 2014-07-23 | 青岛通力橡胶科技有限公司 | 一种环保高强力且门尼粘度稳定的再生胶及其制备方法 |
CN112898654A (zh) * | 2019-12-04 | 2021-06-04 | 北京橡胶工业研究设计院有限公司 | 一种门尼粘度稳定且高强力的再生胶及其制备方法 |
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2005
- 2005-03-30 JP JP2005098672A patent/JP2006274174A/ja active Pending
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