JP2006273727A - ジカルボン酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

ジカルボン酸ジエステルの製造方法 Download PDF

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【課題】 本発明の課題は、エステル生成速度が改善され、エステル化反応を効率よく行えるジカルボン酸ジエステルの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 ジカルボン酸又はその無水物と過剰のアルコールとを、副生する水を反応系から留出させつつ、反応させてジカルボン酸エステルを生成させるに際し、反応系内における水の生成速度(kg/hr)に対する反応系からの蒸気の留出速度(kg/hr)の比Rを8.0以上となるようにして反応を行わせることを特徴とする方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はジカルボン酸又はその無水物を過剰量のアルコールと反応させるジカルボン酸ジエステルの製造方法に関する。
ジオクチルフタレート(DOP)、ジオクチルアジペート(DOA)等のジカルボン酸ジエステルは、ジカルボン酸又はその無水物を過剰量のアルコールと反応させて製造している。エステル化反応の際には水が副生し、この反応は平衡反応であるため、水をそのまま放置しておくと、平衡状態に達してエステル化反応が進まなくなり、エステルの収率が悪くなる。このため、生成した水を速やかに反応系から除去することがエステル化反応を効率よく行うために重要である。
エステル化反応において生成する水を除去する方法としては、水を原料のアルコールと共沸させて反応系外へ除去する方法が行われている(例えば、特許文献1)。従来より、アルコールを大量に還流することはエネルギーロスであるとの考えから、副生水を系外に排出することができる必要最低限の還流量となるような条件でエステル化反応を行っていた。
特開2004−300078号公報
しかしながら、このような方法では、反応初期に反応混合物中の水を速やかに除去することができないため、エステル生成速度が低下し、反応終了までに時間がかかるので、結果として反応に用いる供給熱量がより多く必要となり、効率が悪くなることがわかった。
従って、本発明の目的は、エステル生成速度の低下が抑えられ、エステル化反応を効率よく行えるジカルボン酸ジエステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ジカルボン酸又はその無水物と過剰のアルコールとからジカルボン酸ジエステルを製造する方法において、反応初期の水の生成速度と、蒸気の留去速度との関係について鋭意検討した結果、両者の比が特定の範囲にある場合に、エステル化反応が良好に進行することを見いだし、本発明を完成するに到った。即ち、本発明の要旨は、ジカルボン酸又はその無水物と過剰のアルコールとを、副生する水を反応系から留出させつつ、反応させてジカルボン酸エステルを生成させるに際し、反応系内における水の生成速度(kg/hr)に対する反応系からの蒸気の留出速度(kg/hr)の比Rを8.0以上となるようにして反応を行わせることを特徴とする方法に存する。
本発明によれば、エステル生成速度の低下が抑制され、エステル化反応が効率よく進行するジカルボン酸ジエステルの製造方法を提供することができる。
ジカルボン酸及びその無水物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環式ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物が挙げられる。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸無水物、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸無水物が好ましく、特に芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸無水物が好ましい。最も好ましいのはテレフタル酸である。これらは単独で用いても複数を併用してもよい。
アルコールとしては、1価アルコールが挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール、2−メチルブタノール、イソペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、n−ヘプタノール、2−メチルヘキサノール、n−オクタノール、2−メチルヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノール、イソノニルアルコール、n−デカノール、イソデカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、ステアリルアルコール等の炭素数が通常1〜18、好ましくは4〜12、特に好ましくは4〜10で直鎖状又は分岐状の鎖状脂肪族1価アルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール類等の炭素数が通常3〜20、好ましくは5〜15の脂環族1価アルコール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、トリルメタノール等の炭素数が通常6〜20、好ましくは6〜15の芳香族1価アルコールを挙げられる。中でも鎖状脂肪族1価アルコールが好ましい。アルコールは単独で用いても、複数を併用してもよい。
エステル化反応に用いるアルコールの量は、アルコールが過剰に存在していればよく、ジカルボン酸及びその無水物1モルに対して、通常2.0〜10モル、好ましくは2.1〜4.0モルである。アルコールが少なすぎると反応の進行が遅くなったり、反応が押し切ることができなくなる。一方、多すぎると、所定の反応温度に加熱するまでに時間がかかり、また反応終了後に過剰のアルコールを除去するための負荷が大きくなるので好ましくない。
エステル化反応は、触媒の不存在下で行ってもよいが、通常は触媒の存在下に行う。触媒としては、エステル化能を有するものであれば特に制限はなく、公知のエステル化触媒を使用することができる。エステル化反応触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアレーンスルホン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸;スズテトラエチレート、ブチルスズマレート、ジメチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド等のスズ化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネートなどのテトラアルキルチタネート、四塩化チタン等のチタン化合物、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物等の金属化合物が挙げられる。これらの中でも、金属化合物が好ましく、特にチタン化合物が好ましい。最も好ましいのはテトラアルキルチタネート等の有機金属化合物である。
触媒の使用量は、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及びアルコールの合計に対し、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
エステル化反応は、反応により生成する水、アルコール等を含有する蒸気を留出させながら行う。
反応圧力は、100mmHg〜常圧の範囲から、反応混合物が沸騰状態となる圧力に調整される。反応温度は、通常60〜250℃、好ましくは100〜250℃の範囲から選ばれる。反応温度が低すぎると、反応の進行が遅く反応終了までに時間がかかる。一方、反応温度が高すぎると、原料のアルコールが脱水したオレフィンや脱水縮合したエーテル化合物等の反応副生成物が増加する恐れがある。
反応時間は、反応温度、触媒使用量等により変化するため一義的に決めることはできないが、通常1時間〜48時間、好ましくは3時間〜24時間である。反応時間が短すぎると、未反応の原料ジカルボン酸又はその酸無水物や反応中間体であるジカルボン酸のモノエステルの含有量が多くなるため、これら酸成分の分離工程の負荷が大きくなる。一方、反応時間が長すぎると、副生成物が増加しジカルボン酸ジエステルの品質を損なう恐れがある。
エステル化反応は、回分法、連続法のいずれでもよい。
反応装置としては、水を含む蒸気を留出させながら反応をすることができる公知の反応装置を用いて行うことができる。例えば、攪拌機、コンデンサー、凝縮液に含まれるアルコールを還流できる凝縮器等を備えた反応器等が挙げられる。
反応槽としては、特に限定されるものではなく通常のエステル化反応に用いられる反応槽が使用できる。例えば、ジカルボン酸がテレフタル酸のようにアルコールへの溶解性の低いものの場合には、通常の固液反応に用いられる反応槽が用いられ、具体的には、扁平底面円筒形撹拌槽、さら形底面円筒形撹拌槽、半球形底面円筒形撹拌槽等が挙げられる。
撹拌槽には、槽内の固液の撹拌混合を良好にするために槽内壁に邪魔板を設けてもよい。邪魔板を設置する場合の条件としては、完全邪魔板条件または不完全邪魔板条件が採用され、通常、邪魔板の幅Bとエステル化反応槽の槽径Dとの関係がB/D=0.08〜0.15である邪魔板を槽壁に2〜8枚設けるのが好ましい。また、これらの邪魔板は槽壁から少しクリアランスをとって設置するのが好ましい。
また、撹拌翼の翼形状については、テレフタル酸などの溶解性の低いジカルボン酸粒子を均一に懸濁させるに適した形状のものが好ましく、具体的には、パドル翼、ファンタービン翼、ディスクタービン翼、ブルマージン翼、傾斜パドル翼等が使用される。これら撹拌翼の翼長dと槽径Dの比はd/D=0.2〜0.8の範囲であり、翼幅bと翼長dの比はb/d=0.05〜0.2の範囲から選ばれる。また、撹拌翼の取り付け位置は撹拌翼下端から撹拌槽底面までの距離Cと撹拌槽の槽径Dの比がC/D=0.05〜0.6の範囲から選ばれる。
本発明に係る方法においては、反応系内における水の生成速度(kg/hr)に対する反応系からの蒸気の留出速度(kg/hr)の比Rを8.0以上となるようにして反応を行わせる。比Rは10以上となるように反応を行わせるのが好ましい。また、比Rは、30以下、特に20以下となるように反応を行わせるのが好ましい。比Rがこの範囲となるように反応を行うと、エネルギー消費量及び反応速度の低下が抑えられ、また、反応の制御が容易となるので好ましい。
また、触媒として有機金属化合物を用いた場合には、比Rを上記範囲となるように制御することで、触媒が水で被毒してその活性が低下することを防止することができる。
特に、ジカルボン酸又はその無水物のエステル化率が30%に達するまで、なかでも25%に達するまでは、比Rが上記範囲になるように蒸気を留去しながら反応を行うことが好ましい。反応初期は反応後期に比べて水の副生が多く、系内に水が溜まりやすいので、反応初期に系内の水を積極的に留去することで、効率的に反応速度の低下を抑え、また、エネルギー消費量を低減することができる。
蒸気の留出速度は、単位時間(hr)あたりに留出される蒸気の重量(kg)で表される。蒸気の重量は、反応器中の気相を蒸留器、冷却器等により凝縮した際に得られる液体の量で求められる。水の生成速度は、単位時間(hr)あたりの反応混合物中でエステル化反応により生成する水の量(kg)で表される。生成する水の量は、反応混合物中のエステルの生成割合から算出される。なお、エステル化率X%に達するまでの比Rとは、反応開始からエステル化率X%に達するまでの流出速度の平均と、反応開始からエステル化率X%に達するまでの水の生成速度の平均から求めた、比Rの平均を指す。
比Rを上記範囲に制御する方法としては、加熱温度や攪拌強度の調整、反応器の気相部への不活性ガスの導入などが挙げられる。
撹拌は反応混合物中の水分を気相に追い出す効果がある。蒸発量が十分であっても、撹拌動力が小さすぎるとその効果は現れない場合があるので、撹拌動力は、0.01kW/m以上が好ましく、その上限は通常10kW/m以下である。攪拌方法は、攪拌翼を用いた攪拌でも、ポンプを用いた強制液循環による攪拌でもよい。
また、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを気相部に導入することにより、気相の水とアルコールが常に系外に除去することができ、蒸発量を増大させることができ、不活性ガスの流量により蒸発量を調節することができる。
本発明において、上記の条件を満たす反応蒸留を行う方法の一例としては、撹拌機、コンデンサーおよび凝縮液のうちアルコールを還流できるようにした凝縮液溜めを備えた反応器を用い、予め反応器に供給するジカルボン酸又はその無水物の仕込み量から生成する水の量を計算しておき、これに対して8.0倍量以上、好ましくは10倍量以上で、通常30倍量以下、好ましくは20倍量以下の蒸発還流量が得られるように熱源の温度、攪拌器の攪拌動力、気相部への不活性ガスの導入等を調整する。
本発明に係るジカルボン酸ジエステルの製造方法では、アルコールは水とともに反応混合物から留出されるので、反応混合物中のアルコール濃度を維持するために、通常は留出されたのと同量のアルコールを反応混合物に供給する。通常、反応混合物より留出された液を水とアルコールとに分離し、アルコールを反応原料として再び反応混合物中に供給する。
エステル化反応終了後、反応混合物から過剰のアルコールを除去し、触媒分離、アルカリ洗浄、水洗、不純物の吸着、蒸留等の公知の方法で後処理することによりジカルボン酸ジエステルを得ることができる。
反応混合物から触媒を分離する方法としては、公知の方法が使用できる。具体的には、鉱酸やスルホン酸を触媒として用いた場合には、アルカリ洗浄や固体塩基で処理する方法が挙げられる。有機金属化合物を触媒として用いた場合には、有機金属触媒を加水分解した後、アルカリ洗浄やろ過により分離する方法が挙げられる。また、蒸留により触媒を分離してもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<撹拌動力の検定>
エステル化反応器に密度、粘度の異なる様々な有機溶剤を入れ、撹拌トルクを測定することによりレイノルズ数と撹拌動力数との相関を示す線図を作成した。さらに、エステル化反応器にテレフタル酸と2−エチルヘキサノールとの混合物を入れ同様に撹拌動力数を求め、線図が固液の撹拌においても使用できることを確認した。以下の実施例及び比較例における撹拌動力はこの線図をもとに算出した。
<反応装置>
撹拌機、単蒸留装置を備えた反応器(6mm幅の邪魔板4枚を槽内壁に等間隔に取り付けた槽径60mmの扁平底面円筒槽)を使用した。攪拌機としては、6枚羽根の垂直パドル翼(翼径30mm、翼幅6mm)を用い、翼の下端から反応容器の底までの距離が5mmの高さに設置した。
単蒸留装置の受器で留出液の流出量を測定し、これを蒸気の重量とした。留出液は静置して水とアルコールとに分離してアルコールを反応器に還流した。また、水の生成量は経時的に反応液の一部をとり、ジカルボン酸ジエステルを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果から求めた。
実施例1
反応器にテレフタル酸47.45g(0.286モル)および2−エチルヘキサノール93.00g(0.714モル)を仕込み、撹拌動力0.42kW/m(撹拌速度600rpm)で撹拌しながら、220℃の油浴に浸し加熱した。2−エチルヘキサノールの還流が始まった後、テトラ−イソ−プロピルチタネート0.064ml(0.0617g)を添加し、2時間反応を行ったところエステル化率は33%であった。
反応開始からエステル化率33%までの蒸気の流出速度は0.142kg/hrであった。また、反応中、経時的に反応混合物の一部を抜きとり高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、エステル化率33%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は、0.773モル/g−触媒/hrであった。反応開始からエステル化率33%までの比Rは82.82であった。
実施例2
実施例1において、撹拌動力を0.83kW/m(撹拌速度750rpm)、油浴の温度を210℃に変えた以外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は31%であった。
反応開始からエステル化率31%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.723モル/g−触媒/hr、比Rは22.96であった。
実施例3
実施例1において、撹拌動力を0.83kW/m(撹拌速度750rpm)に、油浴の温度を205℃に変えた以外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は32%であった。
反応開始からエステル化率32%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.733モル/g−触媒/hr、比Rは11.12であった。
実施例4
実施例1において、撹拌動力を0.24kW/m(撹拌速度500rpm)に、油浴の温度を200℃に変え、エステル化反応器の気相部に窒素ガスを吹き込んだ以外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は32%であった。
反応開始からエステル化率32%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.744モル/g−触媒/hr、比Rは22.38であった。
比較例1
実施例1において、撹拌動力を0.24kW/m(撹拌速度500rpm)に、油浴の温度を205℃に変えた以外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は30%であった。
反応開始からエステル化率30%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.703モル/g−触媒/hr、比Rは7.73であった。
比較例2
実施例1において、撹拌動力を0.24kW/m(撹拌速度500rpm)に、油浴の温度を200℃に変えた以外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は26.0%であった。
反応開始からエステル化率26%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.620モル/g−触媒/hr、比Rは4.76であった。
実施例1〜4、比較例1〜2の結果をまとめて表−1に示す。
Figure 2006273727
実施例5
反応器にテレフタル酸47.45g(0.286モル)および2−エチルヘキサノール93.00g(0.714モル)を仕込み、撹拌動力0.42kW/m(撹拌速度600rpm)で撹拌しながら、220℃の油浴に浸し加熱した。2−エチルヘキサノールの還流が始まった後、テトラ−イソ−プロピルチタネート0.128ml(0.123g)を添加し、1時間反応を行ったところ、エステル化率は29%であった。
反応中、経時的に反応混合物の一部を抜きとり高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、反応開始からエステル化率29%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.689モル/g−触媒/hr、比Rは32.16であった。
実施例6
実施例5において、撹拌動力を0.025kW/m(撹拌速度235rpm)に変えた以外は実施例5と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は31%であった。
反応開始からエステル化率31%までのジオクチルテレフタレートの生成速度速度は0.725モル/g−触媒/hr、比Rは26.91であった。
実施例7
実施例5において、撹拌動力を0.24kW/m(撹拌速度500rpm)に、油浴の温度を205℃に変え、エステル化反応器をより深く油浴に浸した以外は実施例5と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は31%であった。
反応開始からエステル化率31%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.718モル/g−触媒/hr、比Rは15.92であった。
比較例3
実施例5において、撹拌動力を0.83kW/m(撹拌速度750rpm)に、油浴の温度を205℃に変えた以外は実施例5と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は28%であった。
反応開始からエステル化率28%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.652モル/g−触媒/hr、比Rは7.92であった。
比較例4
実施例5において、撹拌動力を0.24kW/m(撹拌速度500rpm)に、油浴の温度を205℃に変えた以外は実施例5と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は27%であった。
反応開始からエステル化率27%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.630モル/g−触媒/hr、比Rは5.85であった。
比較例5
実施例5において、撹拌動力を0.24kW/m(撹拌速度500rpm)に、油浴の温度を200℃に変えた以外は実施例5と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は26%であった。
反応開始からエステル化率26%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.601モル/g−触媒/hr、比Rは3.50であった。
比較例6
実施例5において、撹拌動力を0.18kW/m(撹拌速度450rpm)に、油浴の温度を200℃に変えた以外は実施例5と同様にして反応を行ったところ、エステル化率は25%であった。
反応開始からエステル化率25%までのジオクチルテレフタレートの生成速度は0.586モル/g−触媒/hr、比Rは3.45であった。
実施例5〜7、比較例3〜4の結果をまとめて表−2に示す。
Figure 2006273727

Claims (9)

  1. ジカルボン酸又はその無水物と過剰のアルコールとを、副生する水を反応系から留出させつつ、反応させてジカルボン酸エステルを生成させるに際し、反応系内における水の生成速度(kg/hr)に対する反応系からの蒸気の留出速度(kg/hr)の比Rを8.0以上となるようにして反応を行わせることを特徴とする方法。
  2. エステル化率が30%に達するまでは比Rを8.0以上となるように反応を行わせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. エステル化率が25%に達するまでは比Rを8.0以上となるように反応を行わせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 比Rを10以上となるように反応を行わせることを特徴とする求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 比Rを30以下となるように反応を行わせることを特徴とする求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 比Rを20以下となるように反応を行わせることを特徴とする求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  7. 触媒として有機金属化合物を用いて反応を行わせることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. ジカルボン酸又はその無水物が、芳香族ジカルボン酸又はその無水物であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
  9. テレフタル酸と炭素数8以上の脂肪族アルコールとを有機金属化合物を触媒として反応を行わせることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
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