JP2006270365A - 圧電共振部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流動化した接着剤が振動領域に流れ込むのを防止し、発振不良を低減した圧電共振部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】振動電極11、12は、圧電基板10の両主面101、102上に互いに対向して形成されている。振動空間形成層21は、振動電極11、12の周囲を取り囲んで形成され、圧電基板10と一体化された硬化樹脂でなり、接着層22は、振動空間形成層21のそれぞれに積層して配置され、天板3及びベース基板4をそれぞれ振動空間形成層21に接着する。
【選択図】 図1
【解決手段】振動電極11、12は、圧電基板10の両主面101、102上に互いに対向して形成されている。振動空間形成層21は、振動電極11、12の周囲を取り囲んで形成され、圧電基板10と一体化された硬化樹脂でなり、接着層22は、振動空間形成層21のそれぞれに積層して配置され、天板3及びベース基板4をそれぞれ振動空間形成層21に接着する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばフィルタ、共振子または発振子等として使用される圧電共振部品に関する。
この種の圧電共振部品は、圧電共振子と圧電共振子を両側から挟みこむ天板及びベース基板とを含んで構成される。圧電共振子は、圧電基板と、その両面に対向して配置された振動電極とを含んで構成される。振動電極を含むその周囲は振動領域とされる。振動領域は、圧電共振子が振動するための振動空間を必要とする。振動空間を形成する手段として、天板及びベース基板に凹部を形成したり、天板及びベース基板と、圧電共振子との間に振動空間形成層を挟みこむ等の構造が採用されている。
このような圧電共振部品は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されている。特許文献1は、天板及びベース基板に凹部を形成し、接着剤により凹部の先端を圧電共振子の両面に接着する技術を開示している。特許文献2、特許文献3は、接着剤層を半硬化したシート状樹脂で構成し、シート状樹脂に振動空間形成層としての機能を持たせるとともに、シート状樹脂を介して天板及びベース基板を圧電共振子に接着する技術をも開示している。
しかし、これらの先行技術文献に記載された圧電共振部品は、いずれも圧電共振子の両面上に接着剤層が配置される。接着剤層は、半硬化したシート状樹脂で構成されたものであっても接着時の加熱、加圧により流動化する。流動化した接着剤は振動領域に流れ込むおそれがあり、振動領域に流れ込んだ接着剤は圧電共振子の振動を阻害し、発振不良を発生させる。この問題は、圧電共振部品の小型化の進展に伴い極めて大きな問題となりつつある。
実公平7−49860号公報
特開平10−163793号公報
特開平10−190400号公報
本発明の課題は、流動化した接着剤が振動領域に流れ込むのを防止した圧電共振部品及びその製造方法を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、接着剤が振動領域に流れ込むことによる発振不良を低減した圧電共振部品及びその製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明は、圧電共振部品及びその製造方法について開示する。
1.圧電共振部品
本発明に係る圧電共振部品は、圧電共振子と、振動空間形成層と、接着層と、天板と、ベース基板とを含む。前記圧電共振子は、圧電基板と、振動電極とを含んでおり、前記振動電極は、前記圧電基板の両主面上に互いに対向して形成されている。
本発明に係る圧電共振部品は、圧電共振子と、振動空間形成層と、接着層と、天板と、ベース基板とを含む。前記圧電共振子は、圧電基板と、振動電極とを含んでおり、前記振動電極は、前記圧電基板の両主面上に互いに対向して形成されている。
前記振動空間形成層は、前記圧電基板と一体化された硬化樹脂でなり、前記圧電基板の両主面上で前記振動電極の周りを取り囲み、前記振動電極の周りに振動空間を形成している。前記接着層は、前記天板及びベース基板をそれぞれ前記振動空間形成層に接着する。
上述した圧電共振部品において、振動空間形成層は、圧電基板の両主面上で振動電極の周りを取り囲み、振動電極の周りに振動空間を形成しており、接着層は、天板及びベース基板をそれぞれ振動空間形成層に接着するから、振動電極の周りに、振動空間形成層、接着層、天板及びベース基板によって封止された振動空間が形成される。
振動空間形成層は、樹脂でなるから、印刷などの手段によって高精度パターンとして形成することができる。したがって、振動空間自体の面積精度を高精度化し、所望の圧電共振特性を得ることができる。
振動空間形成層は、圧電基板と一体化されているから、圧電共振子と、天板及びベース基板とを接着する段階で、既に、圧電共振子上で、これと一体化され硬化された樹脂として扱うことができる。このため、振動空間形成層を樹脂で形成した場合でも、天板及びベース基板をそれぞれ振動空間形成層に接着する際、その流動化が起こらず、振動空間形成層用樹脂が振動領域に流れ込むことはない。
接着層は圧電共振子と天板及びベース基板との接着に伴う加熱、加圧により流動化する。しかし、接着層は圧電共振子の両主面から離れた位置に配置されており、また、振動空間形成層としての機能をほとんど持たない極めて少量の接着剤で構成されている。このため、流動化した接着剤が振動領域にまで流れ込むことはない。
前記接着層における内周端面は、前記振動空間形成層における内周端面より後退した位置に形成することができる。このように構成すれば、流動化した接着剤が振動領域に流れ込むことをより確実に防止できる。
また、振動空間形成層の内周端面は、外周方向に傾斜して立ち上がることが好ましい。この構成によれば、振動領域に対する振動空間形成層の質量負荷を低減し、圧電共振特性を向上させることができる。
さらに、振動空間形成層は、天板及びベース基板と対面する接着面が、平滑化された面となっていることが好ましい。この構造によると、例えば研磨により、振動空間形成層の厚み精度を上げ、所望の圧電共振特性を得ることができる。また、振動空間形成層に対する天板及びベース基板の密着度が向上し、気密不良のない高信頼度の圧電部品を得ることができる。
2.圧電共振部品の製造方法
本発明に係る圧電共振部品の製造方法では、多数の圧電共振子が行列状に形成された圧電共振子基板シートに、振動空間形成層用樹脂を印刷した後、これを硬化させる(振動空間形成層形成工程)。
本発明に係る圧電共振部品の製造方法では、多数の圧電共振子が行列状に形成された圧電共振子基板シートに、振動空間形成層用樹脂を印刷した後、これを硬化させる(振動空間形成層形成工程)。
次に、硬化した前記振動空間形成層用樹脂に接着剤を塗布し、前記接着剤を用いて、前記圧電共振子基板シートの一方に天板シート、他方にベース基板シートを接着する(接着工程)。
次に、前記天板シート、前記ベース基板シート及び前記圧電共振子シート基板を切断し、圧電共振子部品の個品を得る(分割工程)。
上述した圧電共振部品の製造方法において、多数の圧電共振子が行列状に形成された圧電共振子基板シートに、振動空間形成層用樹脂を印刷した後、これを硬化させる工程とを含む。このため、次の接着工程において、振動空間形成層を構成する樹脂層が流動化することがない。
接着工程は、圧電共振子基板シートに接着層を介して天板シート及びベース基板シートを重ね合わせ、天板シート及びベース基板シートをそれぞれ振動空間形成層に接着する工程である。このとき、接着層は圧電共振子と天板及びベース基板との接着に伴う加熱、加圧により流動化する。しかし、接着層は圧電共振子の両主面から離れた位置に配置されており、また、接着機能のみ負担すればよいので、接着に必要な最低限の量の、極めて少量の接着剤で構成することができる。このため、流動化した接着剤が振動領域にまで流れ込むことはない。
前記振動空間形成層形成工程は、更に平滑化工程を含むことができる。平滑化工程は、接着層を形成する工程の前に設けられ、硬化した振動空間形成層の接着層を形成する面を平滑化するとともに、振動空間形成層を所定の厚み寸法に制御する。このため、振動空間形成層に対する接着層の密着度が向上し、気密不良の発生を低減するとともに、振動空間形成層の厚みが制御できるので、特性不良の発生を低減できる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
以上述べたように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(A)流動化した接着剤が振動領域に流れ込むのを防止した圧電共振部品及びその製造方法を提供することができる。
(B)接着剤が振動領域に流れ込むことによる発振不良を低減した圧電共振部品及びその製造方法を提供することができる。
(C)振動空間形成層の厚みが制御できるので、特性不良を低減した圧電部品及びその製造方法を提供することができる。
(A)流動化した接着剤が振動領域に流れ込むのを防止した圧電共振部品及びその製造方法を提供することができる。
(B)接着剤が振動領域に流れ込むことによる発振不良を低減した圧電共振部品及びその製造方法を提供することができる。
(C)振動空間形成層の厚みが制御できるので、特性不良を低減した圧電部品及びその製造方法を提供することができる。
1.圧電共振部品
図1は本発明に係る圧電共振部品の一実施例を示す分解斜視図、図2は図1に図示した圧電共振部品の組立後の状態を示す斜視図、図3は図2の3−3線に沿った断面図である。図示された圧電共振部品は、圧電共振子1と、封止部2と、天板3と、ベース基板4と、外部電極51、52、53とを含み、例えば、縦×横×高さ寸法がそれぞれ2.5mm×2mm×1mm程度に構成される。振動モードは、厚み縦振動でもよいし、厚みすべり振動でもよい。
図1は本発明に係る圧電共振部品の一実施例を示す分解斜視図、図2は図1に図示した圧電共振部品の組立後の状態を示す斜視図、図3は図2の3−3線に沿った断面図である。図示された圧電共振部品は、圧電共振子1と、封止部2と、天板3と、ベース基板4と、外部電極51、52、53とを含み、例えば、縦×横×高さ寸法がそれぞれ2.5mm×2mm×1mm程度に構成される。振動モードは、厚み縦振動でもよいし、厚みすべり振動でもよい。
圧電共振子1は、圧電基板10と、振動電極11、12と、引き出し電極14、15とを含む。圧電基板10は、材料として例えば、チタン酸鉛系等の従来から公知の圧電セラミック材料等を用いて構成してもよく、矩形板状に形成され、厚み方向に分極される。振動電極11、12及び引き出し電極14、15は、スパッタリングや蒸着等の薄膜技術または厚膜技術を適用し、それぞれ圧電基板10の表裏両主面101、102上に形成される。振動電極11、12を含むその周囲には、振動領域110、120が形成される。振動電極11、12は、圧電基板10の両主面101、102上に互いに対向して形成され、それぞれ引き出し電極14、15を介して側面に形成された外部電極51、52に導通する。外部電極53は接地電極である。
封止部2は、圧電基板10の表裏の両主面101、102上に形成され、それぞれ振動空間形成層21と、接着層22とを含む。封止部2の厚みは、圧電共振子1の振動する空間を確保できる厚みであればよいが、圧電共振子1の振動周波数によって最適厚みが異なる。封止部2の厚みは、通常15μm〜50μmの範囲から選択され、このうち、約10μmが接着層22の厚みとなり、残余の5μm〜40μm程度が振動空間形成層21の厚みとなる。すなわち、主として振動空間形成層機能を負担する振動空間形成層21と、主として接着機能を負担する接着層22との二層構造で封止部2を構成することにより、接着層22の厚みを接着に必要な厚みに限定し、接着剤の量を低減しえる。
振動空間形成層21は、印刷手段によって振動領域110、120の周囲を取り囲んで形成され、圧電共振子1の表裏の両主面101、102に密着し、圧電基板10の上に一体化された状態で硬化させた樹脂で構成される。振動空間形成層21には、例えばエポキシ等の熱硬化性樹脂が用いられる。
接着層22は、振動空間形成層21のそれぞれに積層して配置され、天板3及びベース基板4をそれぞれ振動空間形成層21に接着する。天板3及びベース基板4の材料は絶縁性あるいは誘電性セラミック等が用いられる。
接着層22の配置は、例えばエポキシ等の熱硬化性樹脂やBステージ樹脂を印刷手段によって、振動空間形成層21のそれぞれに積層して塗布することにより行えるが、振動領域110、120に対応する部分を打ち抜いたBステージ樹脂シートを振動空間形成層21のそれぞれに積層して配置してもよい。接着に際しては、天板3及びベース基板4を圧電共振子1と重ね合わせ、加熱、加圧して接着する。このとき、接着層22を構成する接着剤は流動化するが、振動空間形成層21は、硬化した樹脂層で構成されるから、樹脂層が流動化することはない。
上述した本発明の圧電共振部品において、接着層22は圧電共振子1の表裏両主面101、102から離れた位置に配置されており、つまり、振動空間形成層21と天板及び振動空間形成層21とベース基板の間に存在しており、また、極めて少量の接着剤で構成されている。このため、本発明によれば、流動化した接着剤が振動領域110、120にまで流れ込むことがなく、接着剤が振動領域に流れ込むことによる発振不良を低減した圧電共振部品を提供することができる。
図4は、本発明に係る圧電共振部品において、接着層22の配置を変更した他の一実施例を示す断面図である。図示された圧電共振部品は、接着層22における振動領域側110、120の端部22Bが、振動空間形成層21における端部21Bより、振動領域110、120から見て後退した位置に形成されている。封止部2をこのように構成すると、接着層22を構成する流動化した接着剤が振動領域110、120に流れ込むことをより確実に防止できる。
図5は、本発明に係る圧電共振部品において、封止部2の側面形状を変更した他の一実施例を示す断面図である。図示された圧電共振部品は、封止部2における振動領域110、120側の側面2Cが、振動領域110、120から遠ざかる方向に傾斜して圧電基板の両主面から立ち上がる形状となっている。
従って、封止部2はその先端に近づくにしたがい厚みが薄くなる。封止部2の側面2Cをこのように構成すると、封止部2の側面2Cの質量が封止部2の先端に近づくに従い、すなわち振動領域110、120に近づくに従い小さくなる。このため、振動阻害要因として、振動領域110、120に与える悪影響(質量負荷など)を低減できるので、圧電共振部品としての特性が向上する。
さらに、振動空間形成層21は、接着層22を介して、天板3及びベース基板4と対面する接着面が、研磨され、平滑化されていることが好ましい。この構造によると、研磨により、振動空間形成層21の厚み精度を上げ、所望の圧電共振特性を得ることができる。また、振動空間形成層21に対する天板3及びベース基板4の密着度が向上し、気密不良のない高信頼度の圧電部品を得ることができる。
2.圧電共振部品の製造方法
図6は本発明に係る圧電共振部品の製造方法に含まれる工程を示すフローチャートである。以下、図6を参照しながら、図7〜図15の各工程について、説明する。
図6は本発明に係る圧電共振部品の製造方法に含まれる工程を示すフローチャートである。以下、図6を参照しながら、図7〜図15の各工程について、説明する。
本実施例の圧電共振部品の製造方法は、図6に示すごとく、部品準備工程と、振動空間形成層形成工程と、接着工程と、分割工程と、外部電極形成工程とを含む。
部品準備工程は、組み立て部品を準備する工程であって、圧電共振子基板シートと、天板シートとベース基板シートとが準備される。
まず、圧電共振子基板シート1Sは、大板の圧電基板10によって構成されており、その表面には、図7に示すように、多数個の振動電極11及び引き出し電極14が形成されている。振動電極11及び引き出し電極14は、この実施例では、帯状の引き出し電極14の両側に、振動電極11を、くしの歯状に配置した導体パターンを有しており、このパターンを、間隔を隔てて、一方向に配列しものとなっている。
圧電共振子基板シート1Sの裏面側には、図8に示すように、多数個の振動電極12及び引き出し電極15が形成されている。図8は、圧電共振子基板シート1Sを裏返しにしないで、表面側から透視した場合の電極配置を示している。振動電極12及び引き出し電極15は、帯状の引き出し電極15の両側に、振動電極12をくしの歯状に配置した導体パターンを有しており、この導体パターンを、間隔を隔てて、一方向に配列したパターンとなっている。
図7及び図8のX1−X1線及びこれに直交するY1−Y1線は、切断ラインであり、最終的にこの位置で切断され、圧電部品の個品が取り出される。振動電極11、12及び引き出し電極14、15は、図9に拡大して示すように、圧電共振子基板シート1Sを、X1−X1線及びこれに直交するY1−Y1線で切断したとき、図1〜図5に示した電極配置となるような関係にある。
上述した圧電共振子基板シート1Sは、次に、振動空間形成層形成工程に付される。振動空間形成層形成工程は、圧電共振子基板シート1Sに形成されたそれぞれの圧電共振子1に振動空間形成層21を印刷する工程と、印刷された振動空間形成層21を硬化する工程と、硬化した振動空間形成層21を研磨する工程と、研磨した振動空間形成層21に積層して接着層22を形成する工程とを含む。
まず、図10及び図11に示すごとく、エポキシ等の熱硬化性樹脂をスクリーン印刷等の手段で、各圧電共振子1の表裏両面における振動領域110、120の周囲を取り囲むように、振動空間形成層21を形成する。印刷された振動空間形成層21は、その硬化工程において加熱され硬化する。
硬化された振動空間形成層21は、好ましくは、研磨工程に付される。研磨工程において、振動空間形成層21は、接着層22を形成する面を研磨し平滑化されるとともに、所定の厚み寸法に制御される。本発明の製造方法において、振動空間形成層21の研磨工程は必ずしも必要ではないが、接着層22を形成する面を研磨し平滑化することにより、振動空間形成層21と接着層22との密着性が高まり、圧電共振部品の信頼性を高めることができる。また、振動空間形成層21の厚み寸法を制御することにより、圧電共振部品の特性を高めることができ、特に小型化した圧電共振部品において顕著な効果が得られる。
次に、接着層形成工程において、図12に示すごとく、振動空間形成層21に接着層22が積層される。接着層22の形成は、例えばエポキシ等の熱硬化性樹脂を印刷手段によって、振動空間形成層21の一面上に塗布することにより行えるが、振動領域110に対応する部分を行列状に打ち抜いたBステージ樹脂シートを振動空間形成層21に積層して配置してもよい。
なお、図11及び図12において、本来、振動領域110、120の奥行き方向に、振動空間形成層21及び接着層22の面を表わす線が現れるが、図面の見やすさの観点から、これを省略してある。
接着層22が形成された圧電共振子基板シート1Sは、次に、接着工程に付される。接着工程では、図13に示すごとく、圧電共振子基板シート1Sの表裏面に、天板シート3S及びベース基板シート4Sが重ね合わされ、更に、加熱、加圧されて一体化される。
天板シート3Sは、部品準備工程(図6参照)で、予め製造してあったものであって、絶縁性あるいは誘電性のセラミック基板等を用いて、圧電共振子基板シート1Sに対応して形成されている。天板シート3Sの上面側には、引き出し電極14、15に対応した電極パターン81が形成されている。電極パターン81は引き出し電極14、15と接合するパターンである。
一方、ベース基板シート4Sも、部品準備工程(図6参照)で、予め製造してあったものであって、絶縁性あるいは誘電性のセラミック基板等を用いて、圧電共振子基板シート1Sに対応して形成され、引き出し電極14、15に対応した電極パターン82が形成されている。電極パターン82は外部電極と接合するパターンである。
圧電共振子基板シート1S、天板シート3S及びベース基板シートの接合積層体は、図14に示すごとく、粘着シート7上に貼着されて分割工程に移行し、X1−X1線及びY1−Y1線(図7及び図8参照)に沿って、ダイサー等で分割され、圧電共振部品の個品が得られる。
分割された個品は外部電極形成工程へ移行し、冶具により整列され、更に、図15に示すごとく、側面に外部電極5が形成されて、図1〜図5に示された圧電共振部品が完成する。なお、図14の表わす図面によれば、分割して得られる個品の厚み(高さ)が、図2、図3、図15などに表わされているものと著しく異なっているが、これは、図14が専ら製造工程の分かり易さに重点をおき、厚み(高さ)の方向に拡大して示したことによるものである。
上述した本発明の圧電共振部品の製造方法において、接着層22を印刷あるいはBステージ樹脂シートの何れで構成した場合であっても、接着工程において、接着層22を構成する接着剤は加熱、加圧により流動するが、振動空間形成層21は硬化した樹脂層で構成されるから、樹脂層が流動化することがない。
接着層22は圧電共振子シート1Sの表裏両主面から離れた位置に配置されており、また、極めて少量の接着剤で構成されている。このため、本発明によれば、流動化した接着剤が振動領域110にまで流れ込むことがなく、接着剤が振動領域に流れ込むことによる発振不良を低減した圧電共振部品を提供することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
1 圧電共振子
10 圧電基板
11、12 振動電極
14、15 引き出し電極
110、120 振動領域
2 封止部
21 振動空間形成層
22 接着層
3 天板
4 ベース基板
10 圧電基板
11、12 振動電極
14、15 引き出し電極
110、120 振動領域
2 封止部
21 振動空間形成層
22 接着層
3 天板
4 ベース基板
Claims (8)
- 圧電共振子と、振動空間形成層と、接着層と、天板と、ベース基板とを含む圧電共振部品であって、
前記圧電共振子は、圧電基板と、振動電極とを含んでおり、
前記振動電極は、前記圧電基板の両主面上に互いに対向して形成されており、
前記振動空間形成層は、前記圧電基板と一体化された硬化樹脂でなり、前記圧電基板の両主面上で前記振動電極の周りを取り囲み、前記振動電極の周りに振動空間を形成しており、
前記接着層は、前記天板及びベース基板を、それぞれ前記振動空間形成層に接着する、
圧電共振部品。 - 請求項1に記載された圧電共振部品であって、前記接着層における内周端面は、前記振動空間形成層における内周端面より後退している圧電共振部品。
- 請求項1または2に記載された圧電共振部品であって、前記振動空間形成層の内周端面は、外周方向に傾斜して立ち上がる圧電共振部品。
- 請求項1乃至3の何れかに記載された圧電共振部品であって、前記振動空間形成層は、前記天板及び前記ベース基板と対面する接着面が、平滑化された面となっている圧電共振部品。
- 請求項1乃至4の何れかに記載された圧電共振部品を製造する方法であって、
多数の圧電共振子が行列状に形成された圧電共振子基板シートに、振動空間形成層用樹脂を印刷した後、これを硬化させ、
次に、硬化した前記振動空間形成層用樹脂に接着剤を塗布し、前記接着剤を用いて、前記圧電共振子基板シートの一方に天板シート、他方にベース基板シートを接着し、
次に、前記天板シート、前記ベース基板シート及び前記圧電共振子シート基板を切断し、圧電共振子部品の個品を得る、
工程を含む圧電共振部品の製造方法。 - 請求項5に記載された圧電共振部品の製造方法であって、前記振動空間形成層用樹脂を硬化させた後、前記接着剤を塗布する前、硬化した前記振動空間形成層用樹脂を平滑化するとともに、所定の厚み寸法に制御する工程を含む圧電共振部品の製造方法。
- 請求項5または6に記載された圧電共振部品の製造方法であって、前記接着層は、印刷により形成する圧電共振部品の製造方法。
- 請求項5乃至7の何れかに記載された圧電共振部品の製造方法であって、前記接着層は、Bステージ樹脂により形成する圧電共振部品の製造方法。
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