JP2006270040A - 酸化膜形成方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板とこの基板に形成される酸化膜との間に界面バッファー層として働く高品質な酸化膜を形成すること。
【解決手段】所定の波長のレーザー光をパルス発振可能な光源141と、基板10が格納される反応炉11と、反応炉11内において所定の雰囲気を構成させるガスを導入するための導入管12と、反応炉11内のガスを排出するための排出管13と、所定の波長でパルス発振されたレーザー光を導入する石英窓14と、反応炉11内において基板10を移動可能に支持する移動手段15と、基板10を加熱するための赤外線を導入する石英窓16とを備え、光源141は158nmより長い波長でパルス発振し、前記雰囲気は10-20cm2以上の吸収断面積を有すると共に前記レーザー光の光吸収反応によって励起状態の酸素原子が0.5以上の収率で発生するガス分子からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、400℃程度以下の耐熱温度しか有さない任意の基板上に、シリコンデバイスを作成する場合、特に、シリコン系薄膜(シリコン結晶薄膜、アモルファスシリコン薄膜、ポリシリコン薄膜)上に、絶縁膜として働くシリコン酸化膜(SiO2)を生成する場合において、前記シリコン系薄膜とCVDやPVD等の堆積プロセスで成膜するシリコン酸化膜の間に両者間の不整合に起因する欠陥準位の形成、界面での電荷の蓄積を軽減する目的として、両者間にバッファー層として熱処理により薄膜シリコン酸化膜(例えば1〜5nm)を形成するための酸化膜形成方法とその装置に関する。
近年、TFT方式のLCD装置は広く表示装置として用いられている。このLCD装置はガラス基板上にTFT(薄膜トランジスタ)がマトリックス状に形成され、このTFTによりTFTの上下の液晶を駆動するものである。TFTはガラス基板上に絶縁膜やポリシリコン膜を積層して形成されるが、ガラス基板として、近年石英ガラスより安価なソーダガラス等が用いられている。ソーダガラスは石英と比較して軟化点が500℃程度と低く、またソーダガラス中に含まれるNaが高温環境で拡散するため、400℃以下の成膜技術が求められる。しかも作成された膜の膜質は高温で形成される膜に近い高品質なものが求められる。
これらの絶縁膜として主にシリコン酸化膜が用いられる。成膜方法は、ガラス(あるいは有機物)上に作成されたポリシリコン(アモルファスシリコンも含む)薄膜上に熱CVDやプラズマCVDでシリコン酸化膜(SiO2)を堆積(例えば膜厚50nm)する手法が主である。熱CVDの場合、SiH4+O2が主に用いられる。但し、300℃以下で作成された絶縁膜は不純物や水分を多量に含み、膜の緻密性が低い、ピンホールやパーティクルが多い、絶縁耐圧が低くリーク電流が多いという問題を抱えている。
そこで、これらの問題を解決するため、プラズマCVD法が提案されている。例えば、非特許文献1(J.Vac.Sci.Technol.A21,728(2003))に示されたCVD法によると、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ反応炉内でSiH4+O2ガスを用いたCVDにより、基板温度100℃で耐圧4MV/cm、界面準位密度1012eV-1cm-2、固定電荷密度1011cm-2の良質な絶縁膜の作成に成功している。
しかしながら、この方法は基板表面に到達する電子やイオン種のエネルギー制御が難しいことや、効率的に放電を起しかつ処理ダメージをできるだけ抑えるために、放電電極の配置(装置構成)やプロセス条件(プロセス圧力)等に制約が多いという問題がある。
また、通常ポリシリコン(アモルファスシリコン、シリコン単結晶も含む)上に直接CVD膜を堆積すると、その界面特性が悪いために、改質のためにポスト高温アニールが必要となる。一方、ポリシリコンを熱酸化しシリコン酸化(SiO2)膜を3nm程度の膜厚形成した後CVD膜を堆積する手法を用いると、すなわち、ポリシリコンとCVD膜の界面に良質なシリコン酸化膜をバッファー層として作成しておくと、ポストアニール温度が下げられるばかりでなく、絶縁膜としての特性が改善されることが知られている。
但し、熱処理温度の制約(400℃以下)から、通常のドライ酸化、ウェット酸化ではバッファー層として寄与するだけの膜厚の熱酸化を実現できない。したがって、オゾンガスを用いる方法(非特許文献2)、紫外光の照射を用いる方法(非特許文献3)。Kr/O2プラズマ酸化を用いる方法(非特許文献4)等が提案されている。これらの方法はいずれも酸素分子、水分子よりも活性な酸化還元準位を有する酸素原子(O)を酸化種として用いることにより低温での熱酸化を実現しているものである。特に、プラズマ酸化を用いた場合、400℃以下でも十分高速に3nmの熱酸化膜を作成できる。但し、先に述べたように、運動エネルギー的に活性なイオン種の基板表面スパッタリングによる基板へのダメージ導入により、成膜したシリコン酸化膜が必ずしも高品質な界面バッファー層として寄与できない可能性がある。
一方、ダメージレス及びプロセスウインドウを広げる(汎用性を高める)ため、プラズマの代わりにオゾン含有ガスを用いたプロセスの場合、高温表面でのオゾンからの基底状態酸素原子(O(3P))生成効率が低下するためか、400℃以下での熱酸化速度は急激に低下し、膜厚3nm以上の熱酸化には10分以上の時間を要する(非特許文献5)。すなわち、スループットが低下するという問題がある。
また、酸素雰囲気に紫外光照射を用いた場合でも、170nmよりも短波長の光源を用いないと高速な酸化膜生成ができない。これより、長い波長を有する紫外光によると酸化速度は大きくならない。例えば、3nmの酸化膜作成に1時間程度要するとの報告がある(非特許文献6)。これは、光源のパワーに限界があるため、光子数の絶対数が小さい、光吸収反応の発生効率が低い等の理由により気相での濃度に上限がある、また光吸収効率(吸収係数)が低い、酸素原子の再結合等により基板の表面近傍に酸素原子を輸送できない等の理由によると思われる。
一方、170nmより短い波長を有する光を用いた場合、非常に高速な成膜が実現できるが、これは電気的に中性の酸素原子だけでなく、局所的プラズマの発生により生じた電子、イオンが活性種として寄与するためであるとされている(非特許文献7)。Si−O−Siネットワークの光吸収は9eV前後から始まるが、膜中に欠陥、例えばSi−Si結合、Si−OH結合、歪んだSi−O−Si結合が存在すると、7.9eV(波長158nm)の光に対しても吸収が発生し、E‘センター(=Si・)及び酸素ダングリングボンド(=SiO・)が形成されるとされている(非特許文献8)。そして、一度これらの欠陥が生じると、5.8eV、4.8eVに対する光に対して吸収を有するとの報告がある(非特許文献9)。すなわち、さらに長波長に対する光に対しても、酸化膜への光ダメージが無視できなくなる。以上から用いる酸化促進のために用いる光のスペクトルには7.9eV以上の輝線を有さないものがよい。例えば、5eVの光に対しては、光子の表面照射量、照射頻度によらず、E‘センターが生成されないことが報告されている(非特許文献10)。
このように、酸素雰囲気への光照射酸化においては、高速処理及び高品質な熱酸化処理は実現できない。
J.Vac.Sci.Technol.A21,728(2003) Y.Ebiko et al.,Abstract of IDW02 271(2002) Y.Nakata et al.,Extended Abstract of IWGI2001 120(2001) Y.saito et al.,Digest of Technical Papers 2000 Symposium on VLSI tecnology,Hawaii,p176(2000) T.Nishiguchi et al.,Appl.Phys.Lett.81,2190(2002) J.Y.Zhang et al.,Appl.Phys.Lett.71,2964(1997) Q.Fang et al.,Appl.Surf.Sci.208−209,369(2003) K.Kajihara et al.,Appl.Phys.Lett.81,3164(2002) Ikuda et al.,J.Vac.Sci.Technol.B18,2891(2000) Tsai et al.,Appl.Phys.Lett.,62,3396(1993)
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、基板とこの基板に形成される酸化膜との間に界面バッファー層として働く高品質な酸化膜を形成できる酸化膜形成方法とその装置の提供にある。
そこで、本発明の酸化膜形成方法は、所定の雰囲気のもとで所定の波長でパルス発振されたレーザー光を基板に照射して前記基板に酸化膜を形成させる酸化膜形成方法において、前記レーザー光を照射する光源は158nmより長い波長でパルス発振することと、前記雰囲気は10-20cm2以上の吸収断面積を有すると共に前記レーザー光の光吸収反応によって励起状態の酸素原子が0.5以上の収率で発生するガス分子からなることを特徴とする。
また、本発明の酸化膜形成装置は、所定の雰囲気のもとで所定の波長でパルス発振されたレーザー光を基板に照射して前記基板に酸化膜を形成させる酸化膜形成装置であって、所定の波長のレーザー光をパルス発振可能な光源と、前記基板が格納される反応炉と、この反応炉内において前記雰囲気を構成させるガスを導入するための導入管と、前記反応炉内のガスを排出するための排出管と、前記レーザー光を導入するレーザー光導入窓と、前記反応炉内において前記基板を移動可能に支持する移動手段と、前記基板を加熱するための赤外線を導入する赤外線導入窓とを備え、前記光源は158nmより長い波長でパルス発振することと、前記雰囲気は10-20cm2以上の吸収断面積を有すると共に前記レーザー光の光吸収反応によって励起状態の酸素原子が0.5以上の収率で発生するガス分子からなることを特徴とする。
前記雰囲気を構成するガスとしてはオゾンガスが挙げられる。また、前記雰囲気の圧力は前記基板の表面近傍で前記励起状態酸素原子が最大になるように設定される。より具体的には、雰囲気中の励起状態酸素原子の寿命を考え、表面近傍(表面から励起状態酸素原子の寿命の間に動ける距離の範囲)で酸素原子発生量(前記範囲での光子吸収量×酸素原子生成の量子収率=生成励起状態酸素原子)が最大になるように、処理基板が格納された処理炉のレーザー光照射面から処理基板までの(気相)距離に応じて、最適な雰囲気圧力が設定するとよい。
前記雰囲気は基板に対して層流状態で供給され、前記雰囲気のガス流量に基づきレーザー光の照射領域または繰り返し周波数を調整するとよい。より具体的には、ガスは層流となるとなるように処理炉のレーザー光照射面から処理基板までの距離を決定すると同時に、ガスフローの断面積から予想されるガス流速からレーザー光の繰り返しの間(例えば100Hzならば1/100秒)に、レーザー照射領域のガスが完全に入れ替わるようにレーザー光の照射領域または繰り返し周波数を調整するとよい。
前記レーザー光を発する光源としてはコヒーレント(波長が任意に定まる)にレーザー光を照射できるものであれば既知のものでもよい。
また、前記レーザー光は、レーザー光のビームサイズ(=光子密度が±10%以内で均一である領域)が基板のサイズに比べて小さい場合、あるいは、前記基板のサイズまでレーザー光を広げた場合に前記基板に到達する光子密度が低く、前記基板の表面近傍で発生する酸素原子密度が低く十分な酸化の増殖が見込めない場合、前記基板の任意の場所にレーザー光を一定パルス数照射した後、この照射領域が重ならないように、レーザー光を走査させることで、大型基板の均一処理できる。
前記基板の温度は基板の耐熱温度の範囲内で調整するとよい。具体的には、基板温度は室温に設定してもよいが、スループットを考慮し、基板の耐熱温度までの温度範囲で最適な温度を設定するとよい。例えば、前記基板の耐熱温度の範囲内で前記基板の温度が調整されるように赤外線を前記基板に照射するとよい。
また、前記基板が供される前記雰囲気としてはオゾンガスからなるものがあり、このとき前記光源はレーザー光を所定の繰り返し周波数でパルス発振することにより基板への酸化膜の形成を制御できる。
さらに、前記基板表面近傍における気相のオゾン密度を測定するオゾン密度測定システムを設け、前記オゾン密度測定システムの測定結果に基づいて前記パルス発振されるレーザー光の繰り返し周波数を制御することで、最適な照射条件に基づいて基板への酸化膜形成を制御することができる。オゾン密度測定システムは、酸化膜形成プロセス中の処理基板表面近傍の気相におけるオゾン濃度を100μ秒以下の分解能でリアルタイムに測定するもので、例えばプロセスを妨げない位置にプローブ用パルスレーザ光導入部、パルスレーザ光気相走行部、パルスレーザ光強度検出部等を備えて構成される。このプローブ用パルスレーザ光としてはKrFエキシマレーザーを用いることができ、レーザー光のレーザーパワー密度10mJ/cm2以下とする。
そして、前記パルス発振されるレーザー光は、104Hz以下の繰り返し周波数でパルス発振すれば前記雰囲気中のオゾン密度を制御することができ、これにより基板への酸化膜の形成を制御することができる。前記光源としては例えばKrFエキシマレーザーが挙げられる。
以上の本発明の酸化膜形成方法とその装置によれば、処理温度が室温の場合でも、CVD等の堆積プロセスで作成したシリコン酸化膜とシリコン系薄膜との間で界面バッファー層として働くだけの十分厚い膜(2nm〜5nmの膜厚)が短時間で生成が可能となること、すなわち、スループットが高まる。また、コヒーレントなレーザー光を用いているため、短波長の輝線からの膜へダメージが投入されるのを防止できる。さらに、レーザー光のエネルギーが7.9eV以下であるため、気相で吸収されなかったレーザー光が基板(例えばシリコン及びシリコン酸化膜)に吸収されても、基板にダメージは発生しない。
また、励起状態酸素原子が基板に到達できる基板表面で最もガスの光吸収及びそれに伴う励起状態酸素の生成が起こる条件で照射することにより、励起状態酸素原子を表面に供給できるプロセスが可能となる。すなわち、プラズマプロセスと異なり、ガス流量、ガス圧力、窓から処理基板までの距離等のプロセスを最適するための条件が容易に推測できる。さらに、これらの条件のうちいくつかに制約がある場合、(例えば窓から基板表面までの距離やガス流量等)でも残りのパラメータの調整により、高速処理を実現するための最適なプロセスが実現できる。
オゾンガスや水蒸気ガス等の反応性に比べ、オゾンガス等にレーザー光を照射して光吸収反応の結果発生する励起状態酸素原子の反応性が十分高いこと、また後者の気相での寿命の短さにより、指向性の高いレーザー光が照射された部分のみの酸化が実現できる。すなわち、マスクを用いない酸化パターン作成が実現する。
以上のように、本発明の酸化膜形成方法とその装置によれば、基板とこの基板に形成される酸化膜との間に界面バッファー層として働く高品質な酸化膜を形成できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の酸化膜形成方法の一実施形態に係る酸化処理装置の概略構成を示した断面図である。
酸化膜形成装置1は、基板10が格納される反応炉11と、反応炉11内にオゾンガスを導入するための導入管12と、反応炉11内のガスを排出するための排出管13と、基板10に一定波長、例えば158〜300nmの光を導入するレーザー光導入窓としての石英窓14と、反応炉11内において基板10を移動させる移動手段15と、基板10を加熱するための赤外線を導入する石英窓16とを備える。前記一定波長の光を照射させる光源141としては例えばKrFエキシマレーザーが挙げられる。前記赤外線を照射させる光源161としてはハロゲンランプが例示される。
反応炉11としては、基板10のみを加熱することができるコールドウォール方式のCVD減圧炉を採用した減圧反応炉を用いるとよい。そのためにオゾンガスを流通させる配管類には排気用ポンプが接続される。反応炉11の材質はオゾンに対し反応性がない材料を採用するとよい。例えば石英、ステンレス、アルミ、チタン等が挙げられる。
オゾンガスは既知のオゾン発生手段(放電管、紫外光照射式のものだけではなく、酸素オゾン混合ガスからオゾンのみを分留する等の機構で生成した高濃度オゾン発生装置も含む)により生成されたものがある。反応炉11から排出されたオゾンガスは、前記オゾンガスを発生する手段に供給して再生処理に供されるか、または、オゾンキラー(オゾンガス処理手段、既知のものでよい)に供して分解処理して系外排出される。
反応炉11、導入管12及び排出管13を構成させる材料は、オゾンに対し不活性、水冷が可能、加熱手段からの熱輻射を反射し、自身は100℃以上に温まらないという観点から、電解研磨を施したステンレスやアルミニウム、チタン等が望ましい。また、オゾンガスを給排気する配管類、導入管12及び排出管13は電界研磨済みステンレス管等のオゾンに対し不活性表面を生成可能な配管を採用するとよい。
移動手段15としては、半導体製造装置等で採用される既知のものでよく、例えば、ベローズとギアを用いた機構などが採用可能である。図示された移動手段15は、基板10が置かれるステージ151と、ステージ151を保持する保持部152と、保持部152を支持する支持部153と、支持部153を往復動させる図示省略した駆動手段とを備え、基板10の面を処理室11の石英窓14と平行に対向させながら基板10を往復動可能に支持している。また、移動手段15は、保持部152の位置を任意の方向(ガスの流れと同方向、逆方向または垂直方向)に移動させることが可能で、酸化膜が形成される面が任意に設定される。さらに、移動手段15は、保持部152を上下に移動させること可能で、石英窓14と前記酸化膜が形成される面との間隔が任意に設定される。このとき、前記間隔はレイノルズ数を考慮しながらオゾンガスのガス流が層流となるように調整される。
移動手段15を構成させる材料は、電解研磨を施したステンレスやアルミニウム、チタンなどの材質が望ましい。保持部153の材質は、ステージ151と支持部153を熱的に遮断するため、石英等の熱伝導の低い材料が採用される。ステージ151は、通常の枚葉処理のCVDプロセスで用いられる焼結SiC等からなるものが用いられる。
酸化膜形成装置1は、シリコン系の基板10を格納した反応炉11内の雰囲気を158nm〜300nmの波長域の光に対しできるだけ大きい吸収断面積を有するガス分子(例えばオゾンガス)によって構成している。そして、この雰囲気に170nmより長波長で前記ガス分子が最大の吸収係数を有する近傍の波長でパルス発振するレーザー光を照射することにより、レーザパルスと同期してパルス的に高密度に励起状態酸素原子(O(1D))を発生させている。そして、これにより、光照射ダメージを受けないで高速に界面バファー層として寄与しうる高品質なシリコン酸化膜(SiO2膜)の作成を可能としている。170nm以上の波長を有する光の基板への照射に対して、シリコン酸化膜がダメージを受けないのは先に述べた通りである。
前記ガス分子とパルスレーザ光の組み合わせとして、以下の組み合わせが考えられる。
(1)オゾン分子とKrFエキシマレーザー(λ=248nm)との組み合わせ(この波長でのオゾン吸収断面積=σO=1.1×10-17cm2、O3+hυ(248nm)⇒O2+O(1D)、励起状態酸素原子生成の量子収率0.9、O3+hυ(248nm)⇒O2+O(3P)、量子収率0.1)
(2)N2O分子とArエキシマレーザー(λ=193nm)との組み合わせ(吸収断面積=3×10-19cm2、N2O+hυ(193nm)⇒N2+O(1D)、量子収率1)
(1)と(2)とを比較した場合、(1)の吸収断面積が(2)のものより2桁大きいので、(1)の組み合わせによれば(2)の組み合わせよりも効率よく酸素原子を生成できることがわかる。尚、酸素雰囲気中では、175nmより短い光を用いた場合のみ、O2+hυ(<175nm)⇒O(3P)+O(1D)の光吸収反応よりO(1D)が発生するため、酸素雰囲気でのプロセスは不可能である。
次に、(1)の組み合わせの最適条件について説明する。
酸化膜が形成される基板表面での活性種の寿命を考慮し、表面から活性種が寿命の間で働ける範囲に存在するO(1D)の数、その範囲で吸収された光子の数、結果生成する励起状態の酸素原子の数密度が最大となるように、照射面とシリコン系基板との間の距離及びその間の気相に満たす圧力で設定される。
表面に到達するO(1D)の原子数は以下のように計算できる。
初めに、パワー密度I0[J/cm2]を有するレーザー光がオゾン分子数密度n[cm-3]に張られた空間の気相距離d[m]透過した後のパワー密度Iは以下で与える。
Figure 2006270040
ただし、hはプランク定数、vはレーザー光の繰り返し周波数[Hz]、P[atm]は気相でのオゾン圧力である。
一方、以下の励起状態酸素原子の寿命から、表面のΔd[m]でオゾンの光吸収の結果生成した酸素原子が基板表面に到達できる。
励起状態酸素原子の寿命と表面からの可動距離(圧力)は以下のように算出される。
O(1D) + O3 → 2O2 k=1.2×10-10[cm3molecules-1-1
O(1D)+O3 → 2O(3P) + O2 k=1.2×10-10[cm3molecules-1-1
両者合わせて、
−d[O(1D)]/dt =P[Pa]×6.4×109×[O(1D)],但し、Pはオゾン雰囲気の圧力
したがって、O(1D)の数が1/eになる時間は1.6×10-10/P[atm][s]と計算できる。
一方、気体の自由運動速度はボルツマン分布f(v)で与えられ、酸素原子の代表的速度は平均速度VでV=2(kT/mπ)1/2(kはボルツマン定数、Tはガス温度[K]、mは分子の質量[kg])の計算により、ガス温度が室温の場合(基板温度が室温の場合)、630[m/s]と算出される。したがって、前記寿命をかけて、基板表面から1.0×10-7/P[atm][m]以内の位置で光吸収反応の結果生成したO(1D)が表面に到達できると推定できる(この距離以上離れたO(1D)は自由分子運動にて表面に到達する前に前記反応で消滅あるいは基底状態に失活する)。すなわち、Δd=1.0×10-17/P[atm][m]となる。
次に、励起状態酸素原子生成の量子効率が1なので、光路d−Δd[m](基板からΔd離れた位置)までと光d[m](基板表面)まで透過した光子数の差が表面に到達する励起状態酸素原子の数となる。この計算した結果を図3に示した。
図3に示されたようにオゾン圧力150Pa近傍で、励起状態酸素原子密度が最大となる。また表1に示されたように実験的にもレーザー照射条件及びガス流量を一定にしたとき同じ傾向が確認された。室温で処理時間10分及びオゾンガス流量150sccmの場合の成長膜厚との関係を示した。
Figure 2006270040
以上はレーザーパワー密度100mJ/cm2,光路長(光導入位置から処理基板までの距離が)3cmであるが、同様に任意のレーザーパワー密度とオゾン圧力で最適化が可能である。
また、反応炉11おいてオゾンガスは基板10表面に平行に流れるよう層流状態で供給される。このとき、レーザー光のビームサイズ(=光子密度が±10%以内で均一である領域)はミラーや、図2に示した実施形態のように円筒平凹レンズ17等で調整される。また、大型の基板10を処理する際はレーザー光を走査させればよい。
一定位置に照射領域を固定している間のレーザー光の繰り返し周波数はガス流量の兼ね合いで発振ごとにガスが(ガス流量/層流断面積)から完全に入れ替わる流量と設定する。例えば、レーザーのビームサイズがガスの流れ方向に2cm、ガス流量が100cm/sならば、レーザーは繰り返し周波数=50Hzで照射する。それ以下の照射であれば、時間軸において、励起状態酸素原子が供給されない(オゾンが表面に供給されている)時間帯が生じる。一方、それ以上の繰り返しでの照射は前記のパルスで光吸収反応を受け分解したガスがレーザー照射領域内にまだ残留した状態であるため、次の照射での酸素原子生成効率が低下する。
また、オゾンガスの流速を速める観点から、反応炉11内の圧力は減圧であれば望ましい。これにより、高速な繰り返し周波数でレーザー光を照射できる。そのために、反応炉11内のガスの排気形態としては従来の減圧CVD炉で用いるシステムをそのまま用いるとよい。このとき、パーティクルトラップ等の除害装置と到達真空度が1Pa程度以下のドライポンプ、例えばメカニカルブースターポンプ(例えば排気速度1000l/min)を必要となる。
図4にレーザーパワー密度及びレーザー照射の繰り返し数を変化させた場合の処理温度と酸化膜の膜厚との関係を示した特性図を示した。ここではオゾンガス流量が150sccm、処理圧力が400Paである条件のもと、レーザー照射条件を変化させ、照射時間を3分とした。また、レーザーを照射しない場合の処理時間は40分とした。
レーザー光のパワー密度を上昇させればするほど、表面に到達する励起状態酸素原子の数が増大し、酸化の増殖が確認できる。また、レーザー照射領域のオゾンガスが繰り返し間隔の間に入れ替わる条件の範囲では繰り返し周波数が大きければ大きい程、高速酸化が実現できる。
次に、オゾンガス流量150sccm、繰り返し周波数50Hz(1/50秒でレーザー照射領域のオゾンガスが完全に入れ替わる条件)で、処理圧400Paでシリコン基板を熱酸化したときの成膜速度の結果を図5に示した。図5は水素終端したSi(100)の熱酸化速度を示している。実線はd2=B(t+t0)で表され、酸化種の酸化膜への拡散が酸化の律速となると仮定してフィッティングした。但し、dは膜厚、tは酸化時間、t0=30minとした。レーザーパワー密度は66mJ/cm2である。また、B定数の活性化エネルギーのグラフを図6に示した。活性化エネルギーは0.06eVとなりオゾンのみによる酸化より明らかに小さいことがわかる。
また、図5には示されていないが、シリコン酸化膜の成膜速度は室温から300℃で大幅に増大することが確認されている。しかも、活性化エネルギーはオゾンに比べて小さくなることも確認された。これはオゾンが酸素原子の供給剤とならないことと、基底状態の酸素原子ではなく励起状態の酸素原子が生成、供給されたためであると考えられる。
このように本実施形態で作成された膜の絶縁膜としての特性も図7に示された特性図のように良好な結果が得られている。図7によれば、印加電圧8MV/cmで印加した場合の漏れ電流はFN(Fowler Nordheim)トンネル電流モデルで予想される挙動と完全に一致しており、SiO2/Siに理想的な障壁(3.2eV)を有する界面が形成されていることが明らかである。
以上のように本実施形態の酸化膜形成装置によれば、基板表面にレーザー光が届く条件でレーザー光を照射する条件においてのみ、寿命の短い励起状態酸素原子を基板に供給でき、400℃以下でも高速な酸化が実現できることが示された。また、レーザー光の波長を170nmより長く設定することにより、基板表面や成長した酸化膜がダメージを受けないようなダメージレスプロセスが実現する。
光源の波長は、反応系内(本実施形態では反応炉11内)のガス分子が光吸収の結果、励起状態の酸素原子を生成するのに必要な最低エネルギーを有する範囲で、ガス分子毎に異なるものであり、本実施形態においては158〜300nmの範囲で検討しているが、例えばオゾンの場合は410nmが上限となる。
吸収断面積、励起状態酸素原子生成の量子収率は、高いほど効率よく励起状態酸素原子が形成されるので、より高いことが望ましい。
また、酸化膜の形成速度がレーザー光発振の繰り返し周波数に依存することが図4に係る実験結果から示唆されたが、このことは図8及び図9に示されたオゾン励起用レーザー光を照射した後のオゾン密度の経時的変化から改めて示された。
前記オゾン密度の経時的変化は図10の概要図に示されたオゾン密度測定システムよって測定された。この測定システムは、オゾン励起用レーザー光とオゾン密度測定用レーザー光(プローブ用パルスレーザ光)の照射のタイミングを変化させて、オゾン励起用レーザー光照射後の反応炉21に格納された基板20表面近傍のオゾン密度の時間分布を調べている。前記オゾン密度はオゾン濃度100%のオゾンガスが滞留された反応炉21内の基板(シリコン)20表面近傍の気相(基板20表面から10mmの位置中心として±2mmの範囲、即ち8〜12mmの気相空間)を透過したオゾン密度測定用レーザー光の強度に基づき測定された(測定値は、基板から8〜12mmの範囲での平均情報)。
反応炉21は人工石英からなる天井部22によって密封された。天井部22には、光源23Aから発せられたオゾン励起用レーザー光を基板20に照射するための窓221と、基板20の表面近傍の気相にオゾン密度測定用レーザー光を照射させるため溝部222と、前記気相を透過してきたオゾン密度測定用レーザー光を導入する溝部223とが形成されている。溝部222は光源23Bから照射されたオゾン密度測定用レーザー光を反射鏡24aによって導入している。オゾン密度測定用レーザー光の一部は検出器25Aに供されている。溝部222内に導入されたオゾン密度測定用レーザー光は反射鏡24bを介して前記気相に供される。前記気相を透過したオゾン密度測定用レーザー光は溝部223内に導入された後に反射鏡24c,24dを介して検出器25Bに供される。そして、検出器25A,25Bで検出されたレーザー光強度の値に基づきオゾン密度が算出された。
反応炉21に滞留させるオゾン濃度100%のオゾンガスは特公平5−17164に示されたオゾンビーム発生装置よって生成されたものが採用された。光源23A,23BにはKrFエキシマレーザー(Lambda Physik社製COMPEX110およびMINEX,λ=248nm)が採用された。前記オゾン励起用レーザー光のレーザーパワー密度は70mJ/cm2に設定された。前記オゾン密度測定用レーザー光のレーザーパワー密度は2mJ/cm2に設定された。検出器25A,25Bにはフォトダイオード(浜松ホトニクス社製,S1226−18BU)が採用された。
図8はオゾン励起用レーザー光を照射した後のオゾン密度の経時的変化を示した特性図である。図9はオゾン励起用レーザー光を照射した後1×10-5secまでのオゾン密度の経時的変化を拡大表示した特性図である。
図8及び図9には実験値プロット(experimental)と計算値曲線(calculated)が示されている。反応炉21内のオゾン雰囲気にオゾン励起用レーザー光が照射されて生成するO(1D)とO2の数を見積もり、O(1D)とO2がO3と反応しオゾン密度が減少する速度を計算によって算出した結果、実験により測定されたオゾン密度の初期の変化とよく一致した。このようにオゾンガス雰囲気中のオゾン密度がレーザー光発振の繰り返し周波数に依存することが示された。特に、レーザー光密度70mJ/cm2のオゾン励起用レーザー光を10-4sec以上の間隔(104Hz以下の繰り返し周波数)で発振すれば、オゾンガス雰囲気中のオゾン密度を制御することができ、酸化膜の形成速度を任意に調節できることが示された。
また図8において、時間10-3秒以降では、レーザー照射領域に新規の高純度オゾンガスが流入してきたことによるオゾン数密度の増大が確認できる。そして、オゾンガス濃度が低下した領域にレーザー光を照射しても活性な酸化種である酸素原子が発生しない。これらのことを考えれば、図1に示された酸化膜形成装置1において、石英窓14の代えて図10に示す天井部22構造から成るようなオゾン密度測定システムを具備した構成とし、任意のオゾンガス流量で処理を行う場合に、このオゾン密度測定システムによる測定結果を(無駄が無く且つ上限となる)繰り返し周波数にフィードバックして制御することで、最適な照射条件に基づいて基板10への酸化膜形成を制御することができる。
本発明の酸化膜形成方法の一実施形態に係る酸化膜形成装置の概略構成を示した断面図。 レーザー光を照射する光源の一実施形態を示した斜視図。 オゾン雰囲気圧力と表面到達光子数と表面到達励起状態酸素原子数との関係を示した特性図。 レーザーパワー密度及びレーザー照射の繰り返し周波数を変化させた場合の処理温度と酸化膜の膜厚との関係を示した特性図 反応時間とシリコン酸化膜の膜厚との関係を示した特性図。 B定数の活性化エネルギーを示した特性図。 印加電圧と漏れ電流との関係を示した特性図。 オゾン励起用レーザー光を照射した後のオゾン密度の経時的変化を示した特性図。 オゾン励起用レーザー光を照射した後1×10-5secまでのオゾン密度の経時的変化を拡大表示した特性図。 オゾン密度測定システムの概要図
符号の説明
1…酸化膜形成装置
10,20…基板、11,21…反応炉、12…導入管、13…排出管、14,16…石英窓
141,161,23A,23B…光源
15…移動手段、151…ステージ、152…保持部、153…支持部
17…円筒平凹レンズ
22…天井部、221…窓、222,223…溝部
24a,24b,24c,24d…反射鏡
25A,25B…検出器

Claims (18)

  1. 所定の雰囲気のもとで所定の波長でパルス発振されたレーザー光を基板に照射して前記基板に酸化膜を形成させる酸化膜形成方法において、
    前記レーザー光を照射する光源は158nmより長い波長でパルス発振すること、前記雰囲気は10-20cm2以上の吸収断面積を有すると共に前記レーザー光の光吸収反応によって励起状態の酸素原子が0.5以上の収率で発生するガス分子からなること
    を特徴とする酸化膜形成方法。
  2. 前記基板の表面近傍で前記励起状態の酸素原子が最大になるように前記雰囲気の圧力を設定することを特徴とする請求項1記載の酸化膜形成方法。
  3. 前記雰囲気は基板に対して層流状態で供給され、前記雰囲気のガス流量に基づきレーザー光の照射領域を調整することを特徴とする請求項1または2記載の酸化膜形成方法。
  4. 前記雰囲気のガス流量に基づきレーザー光の照射領域または繰り返し周波数を調整することを特徴とする請求項3記載の酸化膜形成方法。
  5. 前記光源は、レーザー光のビームサイズが基板のサイズに比べて小さい場合、あるいは、前記基板のサイズまでレーザー光を広げた場合に前記基板に到達する光子密度が低く、前記基板の表面近傍で発生する酸素原子密度が低く十分な酸化の増殖が見込めない場合、前記基板の任意の場所にレーザー光を一定パルス数照射した後、この照射領域が重ならないように、レーザー光を走査させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の酸化膜形成方法。
  6. 前記基板の温度をこの基板の耐熱温度の範囲内で調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の酸化膜形成方法。
  7. 前記雰囲気を構成するガスはオゾンガスであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の酸化膜形成方法。
  8. 前記基板表面近傍における気相のオゾン密度を測定するオゾン密度測定システムを設け、前記オゾン密度測定システムの測定結果に基づいて前記パルス発振されるレーザー光の繰り返し周波数を制御することを特徴とする請求項7に記載の酸化膜形成方法。
  9. 前記パルス発振されるレーザー光は、104Hz以下の繰り返し周波数でパルス発振することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の酸化膜形成方法。
  10. 所定の雰囲気のもとで所定の波長でパルス発振されたレーザー光を基板に照射して前記基板に酸化膜を形成させる酸化膜形成装置であって、
    所定の波長のレーザー光をパルス発振可能な光源と、前記基板が格納される反応炉と、この反応炉内において前記雰囲気を構成させるガスを導入するための導入管と、前記反応炉内のガスを排出するための排出管と、前記レーザー光を導入するレーザー光導入窓と、前記反応炉内において前記基板を移動可能に支持する移動手段と、前記基板を加熱するための赤外線を導入する赤外線導入窓とを備え、
    前記光源は158nmより長い波長でパルス発振すること、前記雰囲気は10-20cm2以上の吸収断面積を有すると共に前記レーザー光の光吸収反応によって励起状態の酸素原子が0.5以上の収率で発生するガス分子からなること
    を特徴とする酸化膜形成装置。
  11. 反応炉内の雰囲気の圧力は前記基板の表面近傍で前記励起状態の酸素原子が最大になるように調整されることを特徴とする請求項10記載の酸化膜形成装置。
  12. 前記雰囲気は基板に対して層流状態で供給され、前記移動手段は前記雰囲気のガス流量に基づきレーザー光の照射領域を調整することを特徴とする請求項10または11記載の酸化膜形成装置。
  13. 前記光源は、前記雰囲気のガス流量に基づきレーザー光の照射領域または繰り返し周波数を調整することを特徴とする請求項12記載の酸化膜形成装置。
  14. 前記移動手段は、レーザー光のビームサイズが基板のサイズに比べて小さい場合、あるいは、前記基板のサイズまでレーザー光を広げた場合に前記基板に到達する光子密度が低く、前記基板の表面近傍で発生する酸素原子密度が低く十分な酸化の増殖が見込めない場合、前記基板の任意の場所にレーザー光を一定パルス数照射した後、この照射領域が重ならないように、前記レーザー光に対して前記基板を誘導すること
    を特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の酸化膜形成装置。
  15. 前記赤外線は前記基板の耐熱温度の範囲内で前記基板の温度を調整するように照射されること
    を特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の酸化膜形成装置。
  16. 前記雰囲気はオゾンガスからなり、
    前記光源はレーザー光を所定の繰り返し周波数でパルス発振することにより基板への酸化膜の形成を制御することを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の酸化膜形成装置。
  17. 前記基板表面近傍における気相のオゾン密度を測定するオゾン密度測定システムを有し、前記オゾン密度測定システムの測定結果に基づいて前記パルス発振されるレーザー光の繰り返し周波数を制御するように構成したことを特徴とする請求項16に記載の酸化膜形成装置。
  18. 前記パルス発振されるレーザー光は、104Hz以下の繰り返し周波数でパルス発振することを特徴とする請求項10から17のいずれか1項に記載の酸化膜形成装置。
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