JP5513763B2 - シリコン基板上にSi3N4へテロエピタキシャルバッファ層を有する窒化シリコン基板の作製方法および装置 - Google Patents

シリコン基板上にSi3N4へテロエピタキシャルバッファ層を有する窒化シリコン基板の作製方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン基板上にSi34へテロエピタキシャルバッファ層を有する窒化シリコン基板の作製、詳しくは、高真空状態下で表面清浄化したシリコン基板の再構成構造表面に、誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により生成した解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックスを照射して形成されるSi34へテロエピタキシャルバッファ層を備えた窒化シリコン基板の作製方法およびその作製装置に関するものである。
従来、III族窒素化合物、例えば、ワイドバンドギャップエネルギーを有するAlN、GaNまたはナローバンドギャップエネルギーを有するInNとかそれらの合金のIII-V族化合物半導体を積層して構成される高効率・高出力の半導体電子デバイスとか、紫外領域の短波長発光特性を利用した高速大容量のワイヤレス通信用半導体電子デバイス等を製造するにあたり、III族窒素化合物、例えば、Al元素を含む窒素化合物の半導体単結晶層を積層する基板として、シリコン基板上に、III族窒素化合物の単結晶バッファ層、たとえば、SiCヘテロエピタキシャルバッファ層を有するシリコン基板を用いることが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来形式のシリコン基板上SiCヘテロエピタキシャルバッファ層は、原理的に、C38炭素ガス源と、Si2Cl6珪素ガス源とを用いてシリコン基板を1200℃〜1400℃程の高温度に加熱して気相成長するものであることから、形成されるIII族窒素化合物単結晶膜に炭素不純物が混入され易く、また、バッファ層の膜厚制御が困難で、格子欠陥が発生し易く、品質上、いま一つ不満足なものであった。
これに対し、シリコン基板上に形成するSiCヘテロエピタキシャルバッファ層に代えて、シリコン基板上に、CSL(Coincident site lattice)整合によりIII族窒素化合物単結晶の格子定数の整合性が良好なSi34へテロエピタキシャルバッファ層を形成することが考えられる。
しかしながら、シリコン基板上にSi34へテロエピタキシャル層を形成する実用上有効な技術が未だ確立されていない。
そこで、本発明の発明者等は、先に提供した活性度制御式窒素化合物MBE成膜装置(特願2006−252887号)に適用できる高周波誘導結合プラズマ発生器(RF−ICP)を用いて、図1に示されるように、励起コイルに周波数13.56MHzの比較的大きな高周波電力500Wを投入することにより高輝度(High Brightness)放電モード(HB放電モード)で励起室に供給したN2ガスを励起する予備実験を行い、窒素励起セルから放出される励起窒素プラズマを分析した結果、HB放電では、図1(c)に示されるように、窒素励起セルからは、ほとんどが窒素分子N2の解離による基底原子Nと励起原子N*が混じった解離窒素原子フラックス(N+N*)と、少量の励起窒素分子フラックスN2 *と窒素分子イオンN2 +の放出が確認された。一方、図2に示すように、高周波誘導結合プラズマ発生器の励起コイルに周波数13.56MHzの比較的小さい高周波電力120Wを投入して低輝度(Low Brightness)放電モード(LB放電モード)で励起室に供給したN2ガスを励起して窒素励起セルから放出される励起窒素プラズマを分析したところ、LB放電モードでは、図2(c)に示されるように、窒素励起セルから解離窒素原子フラックス(N+N*)が全く含まれず、少量の励起窒素分子フラックスN* 2と窒素分子イオンN2 +のみの放出が確認された。
前記分析結果から、高周波誘導結合プラズマ発生器の励起コイルに大きな高周波電力を投入してHB放電モードで作動させれば、窒素励起セルからは、寿命の長い解離窒素原子(N+N*)のみを放出させることができ、したがって、窒素ガスの解離時に発生した運動エネルギーの大きなN2 +イオンとか電子によるシリコン基板面への衝突による悪影響を排除して該シリコン基板の全表面にわたって均一密度の解離窒素原子を付着させ、シリコン基板表面のSi原子と表面界面反応させて均一な膜厚のSi34単結晶層をエピタキシャル成長させ得るものと推論するに至った。
本発明の発明者等は、更に鋭意研究した結果、解離窒素原子を照射する前に、高真空状態下でシリコン基板表面を再構成可能に清浄化処理し、シリコン基板の全表面に均一な密度をもって解離窒素原子を付着させて、均一な厚みのSi34へテロエピタキシャルバッファ層を形成する窒化シリコン基板の作製方法および装置を案出するに至った。
特開2005−223215号公報
本発明は、シリコン基板の全表面にわたって均一な厚みを有しかつ品質の安定したβ−Si34へテロエピタキシャルバッファ層を容易にかつ安価に作製する方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリコン基板上にSi34へテロエピタキシャルバッファ層を有する窒化シリコン基板作製するにあたり、
高真空状態下でシリコン基板表面清浄化処理し、
次いで、前記清浄化処理したシリコン基板、誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により生成した解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックスを間接照射して表面界面反応によりSi34単結晶膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする。
た本発明の窒化シリコン基板の作製方法は、化学酸化により犠牲酸化膜SiO2で被覆されたシリコン基板Si(111)を、1×10-4〜1×10-8Paの高真空状態下で該シリコン基板Si(111)の低温相“7X7”表面再構成構造から高温相“1X1”表面構造へ転移する温度(TC)以上の予め定めた温度に加熱して前記犠牲酸化膜SiO2を蒸発させて基板表面を清浄化処理し
次いで、前記シリコン基板温度を、i(111)の再構成転移温度(T C )以下に保持し、“7X7”表面構造のシリコン基板上に解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックスを間接照射して表面界面反応によりβ−Si34単結晶膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする。
本発明の窒化シリコン基板の作製装置は、 高真空状態を可能とした成膜室配置された基板固定部材と、
誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により解離窒素原子フラックスを放出可能とした窒素励起セルと、
前記基板固定部材浄化処理済のシリコン基板を固定して、シリコン基板表面に、前記窒素励起セルから解離窒素原子フラックスと励起窒素分子フラックスとを間接照射して予め定めた膜厚の単結晶Si34 を形成するように逐次制御する成膜動作制御装置とにより構成したことを特徴とする。
また、窒素励起セルの放出口部から放出された解離窒素原子フラックスと励起窒素分子フラックスとを成膜室内の壁部で少なくとも1回以上反射させて基板固定部材に固定されたシリコン基板表面全体に均一のフラックス量にて照射するように構成したことを特徴とする。
本発明によると、誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により生成される寿命の比較的長い解離窒素原子(N+N*)を用いてSi原子と結合または反応するようにしたから、窒素励起セルから直接的にシリコン基板面に入射させなくとも、基板面に入射するまでに基板面全体にわたって解離窒素原子密度が均等化される、すなわち、基板面全体にわたって均一密度をもって付着するようにしたから、シリコン基板の表面界面反応によりエピタキシャル成長するSi34窒化膜の膜厚が基板全面にわたってほぼ一定となり、良質のSi34バッファ層を形成することができるという優れた作用効果を奏功し得る。
また、本来無害な窒素ガスを、高周波誘導結合プラズマ発生器(RF−ICP)を利用して化学活性度が高くかつ窒素化合物半導体の結晶性に弊害をもたらすことの少ない解離窒素原子(NおよびN*)に励起し、表面再構成可能に清浄化処理したシリコン基板に照射することで表面界面反応により高品質のSi34単結晶層、すなわちSi34ヘテロエピタキシャルバッファ層が得られ、このバッファ層を介して種々のIII-V族化合物半導体の積層が可能となり、高効率・高出力の半導体電子デバイスとか、紫外領域の短波長発光特性を利用した高速大容量のワイヤレス通信用半導体電子デバイス等の量産化を有効に促進するという優れた作用効果を奏功し得る。
解離窒素原子(NおよびN*)フラックッスおよび励起窒素分子(N* 2)フラックス量、したがって、膜厚(成長量)は、RF−IPC20の励起コイル24に投入する高周波電力、基板温度、窒素内圧、反射壁38による反射回数とかシャッター32の開閉を調節することにより制御できるという優れた作用効果を奏功し得る。
以下、本発明の好適な実施例を、添付の図面にしたがって詳細に説明する。
直径3インチ、Si(111)のシリコン基板5上にβ−Si34へテロエピタキシャルバッファ層を形成する成膜工程を実行する前に、(フルウチ化学株式会社製)洗浄液“セミコクリーン23”を用いて洗浄した後、熱アンモニア水(NH4OH:H22:H22=1:1:3 (Vol)を用いてシリコン基板5をアルカリ洗浄(化学酸化)し、シリコン基板5の表面を被覆する犠牲酸化膜SiO2を形成する。この犠牲酸化膜SiO2は、詳細に後述する製膜装置1の製膜室2を、たとえば、1×10-4〜1×10-8Paの高真空状態下で該シリコン基板5のSi(111)の低温相“7X7”表面再構成構造から高温相“1X1”表面構造へ転移する温度(TC=830℃)以上の予め定めた温度に加熱して前記犠牲酸化膜SiO2を蒸発させ、次いで1X10-6Paの高真空状態下でシリコン基板5の基板温度がSi(111)の再構成転移温度(TC)となったときに撮影された反射高速電子回折(RHEED)図形が図5に示される。図5のRHEED図形は、シリコン基板5のSi(111)の再構成構造“7X7”のものであり、シリコン基板5が適正に清浄化処理されたことが分る。
前記シリコン基板5上に解離窒素原子フラックスを照射して表面界面反応によりβ−Si34単結晶膜を形成後、基板温度が再構成転移温度(TC)以下の温度となったときに撮影されたRHEED図形が図6に示される。このRHEED図形はβ−Si34 の“8X8”表面構造を示すことから、詳細に後述する高周波誘導結合プラズマ発生器20の窒素励起セル21から放出された解離窒素原子フラックス(N+N*)および励起窒素分子フラックス(N2 *)の照射により、β−Si34単結晶膜のエピタキシャル成長が適正に開始したことを示す。
次に、本発明の窒化シリコン基板の作製装置を、添付図面とともに詳細に説明する。
窒化シリコン基板の作製装置は、たとえば、V.G.Semicon(英国)社製VG80HMBE装置を用いた、MBE(分子線エピタキシー)成膜装置1に、高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma)発生器(以下、RF−ICPと略称する)20を組み合わせて構成される。
なお、図4において、図3の成膜装置の構成部分と等価の部分には同一の数字符号を付して詳細な説明を省略する。
成膜室2内に配置された基板ホルダー3に、清浄化処理済のシリコン基板5を固定するとともにヒータ4を介して該シリコン基板5を所定温度に加熱する。8は真空機構部で、例えば、ターボ分子ポンプを用いて成膜室2が10-4〜10-8Paの高真空とされる。
成膜室2の底部に、複数の固体金属分子線セルが配置される。これらの固体金属分子線セル11は、例えば、PBN(Pyrolytic Boron Nitride)製坩堝14を用いて構成される。坩堝14に装入された固体金属材料、たとえば、Alが溶融ヒータ15により溶融蒸発され、各セル11の出口部分にそれぞれ装着されたシャッター12を開閉可能とされる。ガス分子線セル17が装着される。
RF−ICP20は、概略、窒素励起セル21、給電制御回路51およびRF電源53を1セットとして市販されている、例えば、アリオス株式会社(日本国東京)製IRFS−501RF活性原子窒素源(装置)を適用することができる。
給電制御回路51は、整合用可変リアクタンス回路52と自動リアクタンス調整回路54とを含み、励起コイル24に、たとえば、周波数13.56MHzの大きな高周波電力500Wを投入して窒素励起セル21をHB放電モードで作動させた場合、窒素励起セル21からは、ほとんどが窒素分子N2の解離による基底原子Nと励起原子N*が混じった解離窒素原子(N+N*)と、少量の励起窒素分子フラックスN2 *と窒素分子イオンN2 +が放出され、励起コイル24に、たとえば、周波数13.56MHzのやや大きい高周波電力200Wを投入して窒素励起セル21をHB放電モードで作動させた場合、前記の場合と比べて解離窒素原子(N+N*)量が比較的小さく、励起窒素分子N* 2の含有量が大きい励起窒素プラズマフラックスが放出され、励起コイル24に、たとえば、周波数13.56MHzの比較的小さい高周波電力120Wを投入して窒素励起セル21をLB放電モードで作動させた場合、窒素励起セル21からは、解離窒素原子(N+N*)が全く含まれず、少量の励起窒素分子フラックスN* 2と窒素分子イオンN2 +のみが放出される。
窒素励起セル21は、窒素ガスボンベ26から質量流量制御器27及びガス圧力計28を接続した窒素ガス供給管29から供給される窒素ガスN2を、励起室22の外周に同軸状に巻装される水冷パイプを兼用した励起コイル24に投入される高周波電力に応じて励起し、窒素励起セル21の出口部に設けられたオリフィス25から窒素活性種を放出する。
上記窒素励起セル21から放出されるHB放電プラズマに含まれる荷電粒子を全て排除し、励起原子、基底原子および励起分子を含む、いわゆる、活性種フラックスを、負の電位にバイアスした原子プローブ電極(図示しない)に導入または付与して該原子プローブ電極において活性種の自己電離により放出される電子数量に応じた電流検出器により検出される電流値に基づき上記HB放電プラズマに含まれる原子フラックス量が算定される。
上記窒素励起セル21の出口部分の付近に荷電粒子排除器34が配置される。荷電粒子排除器34は、該窒素励起セル21から放出される荷電粒子、すなわち、LB放電モードで放出される中性の励起窒素分子以外の窒素分子イオン及び電子、ならびに、HB放電モードで放出される中性の励起窒素原子、基底窒素原子、励起窒素分子以外の窒素分子イオン及び電子の軌道を偏向するように作用する。
荷電粒子排除器34は、一対の半割円筒状電極体35と、直流電源(図示を省略)と、磁界または電界発生手段励起セル21の先端部に固定されたリング状のセラミック絶縁体35に互いに対向しかつ起立状に装着される。両半割円筒状電極体35、35は、それぞれ、直流電源により正電位、負電位に設定され、両半割円筒状電極体35、35間の電圧に応じた強さの電界が形成される。両半割円筒状電極体35、35の先端部に上記磁界発生器が装着され、該磁界発生器の励磁コイルの軸方向に発生する磁界と両半割円筒状電極体35、35の空間部に形成される電界とが交差するように取り付けられる。
上記荷電粒子排除器34の各半割円筒状電極体35に印加する電圧は、成膜室2内の真空圧、窒素励起セル21の操作条件(励起電流)等に応じて調整または制御され、窒素励起セル21から基板5に向けて放射される窒素分子イオン(+)及び電子(−)は、それぞれ、上記電界および磁界中で作用する電磁力によって逆電位(極性)の半割円筒状電極体35に吸引または吸着するもしくは偏向され、これによりターゲット位置に向かう軌道から逸脱し、荷電粒子フラックスから排除される。
RF−ICP20の窒素励起セル21がHB放電モードで作動されて寿命の長い解離窒素原子(N+N*)が放出される場合、図7に模式的に図示するように、窒素励起セル21の前方部に配置されたシャッター32を閉じて該シャッター32の外周部から漏出する解離窒素原子(N+N*)をシリコン基板5に照射する、すなわち、閉じたシャッター32の周辺部で少なくとも1回以上反射させることにより、シリコン基板5の全面にわたって均一密度をもって解離窒素原子(N+N*)を分散させ得ることが、前記原子フラックス測定装置(特願2007−323345)を用いて確認することができた。また、シリコン基板5の全面にわたって均一密度をもって解離窒素原子(N+N*)が付着することにより、該基板5の表面界面反応によりエピタキシャル成長したβ−Si34窒化膜の膜厚が基板5の全面にわたってほぼ一定であったことにより確認できた。図12に、3インチのSiウェハ上に得られたβ−Si34膜の表面のAFM画像による表面形状の分布の一例を示す。
閉じたシャッター32の周辺部からの漏出解離窒素原子(N+N*)を利用することに代え、図8に示すように、RF−ICP20の窒素励起セル21の近くに配置した反射壁38により反射された解離窒素原子(N+N*)を利用するようにしてもよい。なお、解離窒素原子反射壁38は、図4に示すように、窒素励起セル21の軸との交差角度を変更可能としてシリコン基板5の表面に入射する解離窒素原子フラックス量を調整するようにしてもよい。
窒素励起セル21の後端部に形成した観察窓には、光ファイバーケーブルを介して、励起室22内の励起(放電)時の分光スペクトルを計測する、例えば、浜松ホトニクス社製のPMA−11分光器を用いた分光スペクトル測定器30が装着される。
成膜室2内のターゲット位置に固定された基板5の表面に、成膜室2の外壁の一側部(図1の左側部)に配置したRHEED(Reflection High-energy Electron Diffraction)電子銃41から浅い角度(1〜2°)で入射された反射高速電子ビームが基板5の表面で反射回折して他側部(図1の右側部)に配置されたRHEEDスクリーン42に投影され、該RHEEDスクリーン42の影像に基づき基板5の成長表面の結晶状態が観察される。成膜室2の外壁部に四重極質量分析器43が配置され、該成膜室2内の残留ガスの種類及びその量を計測可能とされる。
前記構成の窒化シリコン基板の作製装置において、成膜装置1におけるAl用の固体金属分子線セル11から、図9(3)に示すように、既に、図9(2)の工程においてシリコン基板5上に形成されたSi34単結晶膜上に、数原子層分(MLs)のAl原子フラックスを照射して表面界面反応によりAlN単結晶膜を生成し、引き続き、図9(4)に示すように、前記AlN単結晶膜上に、RF−ICP20の窒素励起セルから、誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により生成した解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックスを照射するとともに、Al用の固体金属分子線セル11からAl原子フラックスを照射することにより、AlNへテロエピタキシャルバッファ層を形成することができる。
図9に示すように、(1)工程における表面界面反応による数原子層(ML)の窒化シリコンSi34膜の成長開始から(2)工程にわたる期間(5分間)の窒化シリコンβ−Si34膜の成長過程を図12に示す。
なお、前記(4)工程においては、本発明の発明者等が先に提供した活性度制御式窒素化合物MBE成膜装置(特願2006−252887号)におけると同様、RF−ICP20の窒素励起セルから、LB放電とHB放電とを交互に利用した窒素励起モード切換マイグレーションエンハンスメントエピタキシー(MC−MME)法により窒化アルミニュームAlN層を形成するようにしてもよい。
本発明の窒化シリコン基板の作製方法に利用される窒素励起セルのHB励起状態の説明図で、(a)は、HB励起状態発生の原理を示す図、(b)は、HB励起状態作動時のオリフィス部の明るさを示す写真で、(c)は、HB励起状態時の窒素励起セル21から放出される励起窒素分子線のスペクトル(放電スペクトル)の計測グラフを示す。 本発明の窒化シリコン基板の作製方法に適用できる窒素励起セルのLB励起状態の説明図で、(a)は、LB励起状態発生の原理を示す図、(b)は、LB励起状態作動時のオリフィス部の明るさを示す写真で、(c)は、LB放電モードで励起状態時の窒素励起セル21から放出される励起窒素分子線のスペクトル(放電スペクトル)の計測グラフを示す。 本発明の窒化シリコン基板の作製装置の基本的構成概念図である。 前記窒化シリコン基板の作製装置の主要構成部分のブロック図である。 シリコン基板Si(111)“7X7”再構成構造のRHEED図形である。 シリコン窒化膜β−Si34“8X8”表面構造のRHEED図形である。 閉じたシャッターを用いた解離窒素原子のシリコン基板への間接照射の模式図である。 反射壁を用いた解離窒素原子のシリコン基板への間接照射の模式図である。 本発明の窒化シリコン基板の作製方法における主要成膜工程図である。 シリコン基板上に形成された解離窒素原子の間接照射により形成されたβ−Si34膜の中央部の原子間力顕微鏡(AFM)写真である。 本発明の方法により得られたβ−Si34膜の成長過程を示すAFM写真である。 本発明の方法により3インチのSiウェハ上に得られたβ−Si34膜の表面のAFM画像による表面形状の分布の一例を示すAFM写真である。
1 MBE成膜装置
2 成膜室
3 基板ホルダー
5 シリコン基板
8 真空機構部(ターボ分子ポンプ)
11 固体金属分子線セル(Kセル)
12 第1シャッター(金属分子線セル用シャッター)
14 PBN坩堝
15 溶融ヒータ
21 窒素励起セル
22 励起室
24 励起コイル
25 オリフィス
26 窒素ガスボンベ
27 質量流量制御器
28 圧力計
29 窒素ガス供給管
30 分光スペクトル測定器
32 第2シャッター(窒素励起セル用シャッター)
33 第2シャッター駆動回路
34 荷電粒子排除器
35 セラミック絶縁体
36 半割円筒状電極体
41 RHEED電子銃
42 RHEEDスクリーン
43 四重極質量分析器
44 窒素ビームフラックス検出器
45 成膜制御装置(回路)
46 シャッター駆動回路
47 コントロールパネル
48 スタートボタン
49 データ入力設定ボタン(データ入力設定器)
51 給電制御回路
52 整合用可変リアクタンス回路
53 RF(高周波)電源

Claims (6)

  1. シリコン基板上にSi34へテロエピタキシャルバッファ層を有する窒化シリコン基板の作製方法において、
    高真空状態下でシリコン基板表面清浄化処理し、
    次いで、前記清浄化処理したシリコン基板、誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により生成した解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックスを間接照射して表面界面反応によりSi34単結晶膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする窒化シリコン基板の作製方法。
  2. 化学酸化により犠牲酸化膜SiO2で被覆されたシリコン基板Si(111)を、1×10-4〜1×10-8Paの高真空状態下で該シリコン基板Si(111)の低温相“7X7”表面再構成構造から高温相“1X1”表面構造へ転移する温度(TC)以上の予め定めた温度に加熱して前記犠牲酸化膜SiO2を蒸発させて基板表面を清浄化処理し
    次いで、前記シリコン基板温度を、i(111)の再構成転移温度(T C )以下に保持し、“7X7”表面構造のシリコン基板上に解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックスを間接照射して表面界面反応によりβ−Si34単結晶膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする窒化シリコン基板の作製方法。
  3. 清浄化処理した前記シリコン基板上に照射する解離窒素原子フラックスおよび励起窒素分子フラックス量が該シリコン基板上で均一分布となるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化シリコン基板の作製方法。
  4. 清浄化処理した前記シリコン基板Si(111)の表面にβ−Si34窒化膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の窒化シリコン基板の作製方法。
  5. 高真空状態を可能とした成膜室配置された基板固定部材と、
    誘導結合プラズマ方式のRF(高周波)高輝度(HB)放電により解離窒素原子フラックスを放出可能とした窒素励起セルと、
    前記基板固定部材浄化処理済のシリコン基板を固定して、シリコン基板表面に、前記窒素励起セルから解離窒素原子フラックスと励起窒素分子フラックスとを間接照射て、予め定めた膜厚の結晶34 を形成するように逐次制御する成膜動作制御装置と
    により構成したことを特徴とする窒化シリコン基板の作製装置。
  6. 窒素励起セルの放出口部から放出された解離窒素原子フラックスと励起窒素分子フラックスとを成膜室内の壁部で少なくとも1回以上反射させて基板固定部材に固定されたシリコン基板表面全体に均一のフラックス量にて照射するように構成したことを特徴とする請求項5記載の窒化シリコン基板の作製装置。
JP2009079602A 2009-03-27 2009-03-27 シリコン基板上にSi3N4へテロエピタキシャルバッファ層を有する窒化シリコン基板の作製方法および装置 Active JP5513763B2 (ja)

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