JP2010052980A - 酸素原子発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低い温度条件において高い電力効率をもって酸素原子を高密度に照射可能な酸素原子発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】酸化物セラミックスによって画成された密閉空間の内部に酸素ガスを供給し、当該空間の内外に酸素分圧差を生じさせた状態で、上記酸化物セラミックス自体を直接通電加熱して1000℃以上の高温に保持する。このとき空間内部に充填された酸素ガスは、外部との酸素化学ポテンシャル差によって駆動力を付与され、酸素イオンの形態で酸化物セラミックスの結晶内を移動し、外部雰囲気中に高密度の酸素原子(中性原子種)として放出される。本発明においては、金属酸化物セラミックスとしては、ジルコニア、セリア、ムライト、アパタイト型希土類シリケート、ランタンガレート等の酸化物イオン導電性材料を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素原子発生装置に関し、より詳細には、酸素原子を高密度かつ省電力で発生させることのできる酸素原子発生装置に関する。
マイクロエレクトロニクスの分野において、シリコン酸化膜の形成に代表される酸化プロセスの低温化は、重要な懸案事項である。現在、最も普及しているシリコン酸化膜形成法は、酸素分子のガスを満たした容器内に設置した基板を約900℃以上で加熱する熱酸化法である。一方、耐熱性の低いガラス基板を用いる液晶ディスプレイの製造プロセスにおいては、約500℃で酸化膜が形成可能であるプラズマ化学気相成長(CVD)法が用いられているが、この方法では、これ以上の低温化が困難であることに加え、酸化膜にダメージを与えやすいという欠点があった。よって、より低い温度条件において、より高品質な酸化膜を形成しうる技術が求められていた。
一方で、近年、酸素原子のビーム発生器について種々検討がなされている。酸素原子は、酸素分子に比較して格段に活性が高いため、上述した酸素分子を用いる従来法に比較して格段に低い基板温度条件で基板上に酸化物薄膜を成長させることが可能になる。高真空での酸素原子ビームの最も一般的な生成手法は、ラジオ波、マイクロ波、電子サイクロトロン共鳴などの各種プラズマ発生法により、発生器内部に酸素プラズマを形成し、その中から酸素原子を含んだ中性粒子を拡散によって発生器外部に取り出すものである。しかしながら、これらプラズマ発生法においては、高いエネルギーを持ったイオン種が放出されやすく、それらが成長中の薄膜に衝突することで薄膜中に点欠陥が導入されるという問題があり、さらには、放電電極の金属元素による汚染が生じやすいという問題があった。そして、なにより、プラズマ発生法においては、1014〜1015
cm−1台の酸素原子流束を得るために、数百から数キロワットの高周波の有効電力を必要とし、エネルギー効率の点においても問題があり、さらに冷却機構が必須であるため装置構成が複雑になるという問題があった。
この点につき、米国特許第5367161号明細書(特許文献1)には、銀箔からなるメンブレンの片側から酸素ガスを供給し、その反対側を真空とした状態で、真空側からメンブレンを電子ビーム加熱励起することによって、真空側に酸素原子を透過して放出させる技術が報告されている。特許文献1には、350℃に加熱した10μm厚のメンブレンから、1×1014cm−2−1の放出密度をもって酸素原子が放出された旨が記載されているが、同様の手法を用いて酸素原子の放出密度について検証した非特許文献1(G.B.Hoflund and J. F. Weaver Meas. Sci. Technol. 5, 201 1994)によれば、供給酸素圧220Torr,550℃に加熱の条件下において、酸素原子の放出密度4.5×1012cm−2−1であったことが報告されており、この値は、既存のプラズマ発生法による酸素原子発生器と比較して、実用性の観点から見劣りするものであった。さらに、同様の手法について検証した非特許文献2(C.J.Miglionico
et al. J. Mater. Sci. Lett. 18,1,1999)においては、400℃以上の温度条件では銀箔の劣化が激しく、数時間の運転にしか耐えないことが問題点として指摘されている。
一方、特開2004−75431号公報(特許文献2)には、加熱したセラミックスを用いた酸素ラジカルの発生方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示された方法で発生する酸素ラジカルは、電場によって引き出される単原子酸素ラジカル負イオン(Oイオン)である。Oイオンは酸素原子と同等の高い酸化力をもった化学種ではあるが、電場の存在によって容易に高いエネルギーを持つため、シリコン酸化膜の形成プロセスにおいては、成長中の薄膜に衝突して薄膜中に点欠陥を発生させるという問題があり、当該方法を酸化プロセスに適用することは好ましくない。
上述したように、高品質な酸化膜をより低温で形成するための技術として、酸素原子を高密度に照射可能な手段が求められており、また、従来の装置に比較して、電力効率が高く、より簡便な装置構成の創出が求められていた。
米国特許第5367161号明細書 特開2004−75431号公報 G.B.Hoflund and J. F. Weaver Meas. Sci. Technol. 5, 201 1994 C.J.Miglionico et al.J. Mater. Sci. Lett. 18,1,1999
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、低い温度条件において高い電力効率をもって酸素原子を高密度に照射可能な酸素原子発生装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、低い温度条件において高い電力効率をもって酸素原子を高密度に照射可能な構成につき鋭意検討した結果、酸化物セラミックスによって画成された密閉空間の内部に酸素ガスを供給し、当該空間の内外に酸素分圧差を生じさせた状態で、上記酸化物セラミックス自体を直接通電加熱して1000℃以上の高温に保持した際、酸化物セラミックスの外部に酸素原子(中性原子種)が高密度に放出される現象を発見し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明によれば、酸化物セラミックスからなる部材によって画成される空間を備える構造体と、前記空間の内部に酸素ガスを供給する手段と、前記空間の外部雰囲気を減圧する手段と、前記酸化物セラミックスからなる部材を直接通電加熱するための手段とを含む、酸素原子発生装置が提供される。本発明は、前記直接通電加熱するための手段が、前記酸化物セラミックスからなる部材を1000℃以上に加熱することを特徴とする。また、本発明においては、前記酸化物セラミックスとして、ジルコニア、セリア、ムライト、アパタイト型希土類シリケートおよびランタンガレートからなる群から選択される材料を採用することができる。また、本発明においては、前記酸化物セラミックスからなる部材の直接通電加熱される領域を予備加熱する手段をさらに含むことができ、前記予備加熱する手段は、電気抵抗線と、該電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段とを含んで構成することができる。さらに、前記電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段は、前記電気抵抗線に対して、前記酸化物セラミックスからなる部材を直接通電加熱するための電極の電位よりも負の電位を印加することができ、前記電気抵抗線は、Pt、Rh、Ru、Irまたはこれらの合金から形成することができる。
また、本発明によれば、酸化物セラミックス管を備える構造体と、前記酸化物セラミックス管の管内に酸素ガスを供給する手段と、前記酸化物セラミックス管の外部雰囲気を減圧する手段と、前記酸化物セラミックス管を直接通電加熱するための手段とを含む酸素原子発生装置であって、前記直接通電加熱するための手段は、前記酸化物セラミックス管の外部雰囲気から隔離された状態で該酸化物セラミックス管の管内にその両端から形成されるガス透過性の内部電極を含む、酸素原子発生装置が提供される。本発明は、前記直接通電加熱するための手段が、前記酸化物セラミックス管を1000℃以上に加熱することを特徴とする。本発明においては、前記酸化物セラミックス管を、ジルコニア、セリア、ムライト、アパタイト型希土類シリケートおよびランタンガレートからなる群から選択される材料によって形成することができる。また、本発明においては、前記内部電極を、金属細線からなるウールおよび導電性の多孔質焼成体の少なくとも一方を含んで形成することができ、前記金属細線を、Pt、Rh、Ru、Irまたはこれらの合金から形成することができ、前記導電性の多孔質焼成体を、LaCrO系またはLaMnO系のペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物セラミックスとすることができる。さらに、本発明においては、前記酸化物セラミックス管の直接通電加熱される領域を予備加熱する手段であって、該直接通電加熱される領域を螺旋状に取り巻いて配置される電気抵抗線と、該電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段とを含んで構成される予備加熱手段をさらに含むことができ、前記電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段は、前記電気抵抗線に対して、前記内部電極の電位よりも負の電位を印加することができる。また、本発明においては、前記電気抵抗線を、Pt、Rh、Ru、Irまたはこれらの合金から形成することができる。
上述したように、本発明によれば、低い温度条件において高い電力効率をもって酸素原子を高密度に照射可能な酸素原子発生装置が提供される。
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態である酸素原子発生装置10の断面概略図を示す。本実施形態の酸素原子発生装置10は、酸素発生部として機能する酸化物セラミックス管12と、酸化物セラミックス管12の管内に酸素ガスを供給するための酸素ガス供給手段14と、酸化物セラミックス管12に直接通電するための電極16,16と、電極16,16に電気的に接続される電力供給手段18と、酸化物セラミックス管12の外部空間を真空状態にするための真空槽20とを含んで構成されている。なお、図1においては、説明の便宜のため、酸化物セラミックス管12については、その断面を示している(以下、図2および図3についても同様)。
酸素原子発生装置10においては、酸化物セラミックス管12は、蓋22とガス導入管24が接続された蓋26によって、その両端が密閉された状態とされている。本実施形態においては、酸素ボンベ28に貯留された酸素ガスを、圧送手段30によってガス導入管24を通して酸化物セラミックス管12の管内に所望の供給圧をもって導入することができるように構成されている。なお、酸素ガスは純酸素であることが望ましいが、その他のガス種が含まれていてもよい。
一方、本実施形態の酸素原子発生装置10においては、排気手段32によって真空槽20の内部の空気を排気して、酸化物セラミックス管12の内部雰囲気と外部雰囲気との間に酸素分圧差が生じさせる。本実施形態においては、酸化物セラミックス管12の外部を真空状態にすることが好ましい。
本実施形態の酸素原子発生装置10は、上述したように、酸化物セラミックス管12の内外に酸素分圧差を生じさせた状態において、電力供給手段18から電極16,16に交流電流を印加することによって、その運転が開始される。すなわち、電極16,16に交流電流が印加されると、酸化物セラミックス管12における、電極16,16の間の管壁に直接に通電し、その結果、電極16,16の間の管壁の温度は、1000℃〜2000℃程度の高温にまで至る。一方、酸化物セラミックス管12の内部に充填された酸素ガスは、管の外部との酸素化学ポテンシャル差によって駆動力を付与されて管壁中を移動する。すなわち、高温に加熱された酸化物セラミックスの結晶内を酸素イオンの形態で酸素が移動することになる。そのようにして酸化物セラミックス管12の外周面まで輸送された酸素イオンは、管壁の外部雰囲気中に高密度の酸素原子(中性原子種)として放出される。この現象は、本発明者らによって初めて明らかにされるものであり、上述した酸素原子(中性原子種)の放出機構について、その詳細は不明であるが、本発明者らは、酸化物セラミックス管12の内外の酸素分圧差によって、酸化物セラミックス管12の発熱部Hにおける酸素イオン移動と、発熱部H表面における酸素原子の脱離が促進され、その結果、管外に高密度の酸素原子が放出されるものと考える。
上述した構成をもって、本実施形態の酸素原子発生装置10の発熱部Hから、図中に破線で示すように、酸素原子が高密度で放出される。本実施形態においては、酸化物セラミックス管12の外部雰囲気を、10Pa以下、より好ましくは、0.1Pa以下の圧力にすることが好ましい。このような圧力条件下においては、放出される酸素原子は、発熱部Hより10mm〜1000mm程度離れた位置に配置された被照射基板34に直接到達することができ、従来の酸素分子による酸化プロセスに比べて遥かに容易に被照射基板34の表面に酸化膜を形成することができる。
本実施形態における酸化物セラミックス管12は、金属酸化物セラミックスによって形成され、酸素分子が直接透過しない程度の緻密性をもって形成されている。本実施形態に用いられる金属酸化物セラミックスは、直接通電加熱の制御の容易性の観点から、800〜2000℃程度の高温領域において、酸化物イオンによる電気伝導度の温度変化がなるべく少ないものを用いることが好ましい。この点に鑑みて、金属酸化物セラミックスして、ジルコニア、セリア、ムライト、アパタイト型希土類シリケート、ランタンガレート等の酸化物イオン導電性材料を用いることができる。
また、直接通電加熱においては、局所的に大きな温度勾配が生じることに鑑みて、酸化物セラミックス管12の材料は、耐熱衝撃性に優れ、室温から高温領域に至る範囲での高い強度を示すものが好ましい。さらに、融点や軟化点が運転温度よりも十分に高く、高温クリープ耐性が高いものが好ましい。さらに加えて、効率よく直接通電加熱を行うために、熱伝導が低いものが好ましい。さらに、酸化物セラミックス管12に含有される金属元素は、その蒸気圧が十分に低く、あるいは、シリコン基板等の被照射対象に対して無害であることが望ましい。上述した諸条件を満たす好適な材料として、ジルコニアを挙げることができる。
また、本実施形態においては、酸化物セラミックス管12に対する酸素の供給圧力は、10Pa以上2×10Pa以下の範囲とすることが好ましい。酸素原子の放出強度と酸素の供給圧力の間には正の相関関係があり、酸素原子の放出強度は、酸素の供給圧力を制御することによって調節することができる。また、酸素原子の放出強度と発熱部Hの温度の間にも正の相関関係があり、酸素の供給圧力を適切な範囲に制御することによって、酸化物セラミックス管12の発熱部Hを所望の温度条件に保持することができる。電極界面に起因する酸化物セラミックス管12の破損を回避する観点から、発熱部Hの温度は、1000℃以上とすることが好ましく、より望ましくは、1200℃以上とすることが好ましい。
本実施形態においては、印加する交流電流の交流周波数は、10Hz〜10MHzとすることが好ましい。また、電圧は、運転温度、酸化物セラミックス管12の材質等に依存するが、設計次第では、200V/100Vrms−50/60Hzの商用電源を直接利用することも可能である。なお、酸化物セラミックスの電気抵抗は温度の上昇と共に急激に減少するため、過熱を防止するために、酸化物セラミックスを直接通電加熱する電極と電源との間に安定器などの電力制御機構を挿入する事が望ましい。
なお、上述した実施形態においては、酸素発生部として、管状に成形された酸化物セラミックスの両端を密閉し、これの片側から酸素を導入する構成を例に挙げて説明したが、本発明の酸素原子発生装置の構成はこれに限定されるものでなく、その形状の如何に関わらず、酸化物セラミックス材料からなる壁によって酸素ガスが充填される空間を画成し、当該空間内部に酸素ガスを導入することによって、その内外において、酸素分圧差を生じさせることができる構成であればよい。以上、図1に示した実施形態をもって本発明を説明してきたが、本発明の酸素原子発生装置は、上記構成に加えて、さらに、直接通電する酸化物セラミックスを予備加熱する手段を備えることができる。この点につき、図2を参照して以下説明する。
図2は、酸素原子発生装置10に付加される予備加熱手段40を示す。なお、図2においては、説明の便宜のため、図1に示した酸素原子発生装置10の一部を抜き出して示しており、図1と共通する要素については、同じ符号を用いその説明を省略するものとする。
図2に示すように、予備加熱手段40は、電気抵抗線42と、これに電気的に接続される電力供給手段44とを含んで構成されている。なお、電力供給手段44は、交流と直流とを切替自在に構成されている。予備加熱手段40においては、酸化物セラミックス管12の発熱部H(電極16,16の間に相当)に対応する位置を取り巻くように電気抵抗線42が螺旋状に配置されており、電気抵抗線42と管壁面との間には所定の隙間が設けられている。この構成において、電力供給手段44により電気抵抗線42に交流電流を印加して通電加熱すると、発熱部Hの位置に対応する管壁がその輻射熱によって加熱される。
本実施形態においては、電力供給手段18によって酸化物セラミックス管12を通電加熱する前に、上述した予備加熱手段40によって、酸化物セラミックス管12の管壁を400℃以上、好ましくは、1100℃以上に予備加熱することが好ましい。この予備加熱工程によって、酸化物セラミックス管12の電気抵抗が好適に低下し、その結果、実用的な電圧をもって酸化物セラミックス管12を通電加熱することが可能となる。
電気抵抗線42は、運転中、酸素原子に晒されることに鑑みて、Pt,Rh,Ru,Irなどの(準)貴金属、またはその合金から形成することが好ましい。あるいは、タングステン、ニッケル、ステンレス等の表面をアルミナなどの酸化物でコーティングしたものを用いることもできる。また、その形状は、図2に示した螺旋状配線に限定されるものではなく、酸化物セラミックス管12を均一に加熱することができる態様であればよく、配線の簡便さ等を考慮した上で、適宜設計することができるであろう。
なお、酸素原子発生装置10の発熱部Hからは、微量ながら、酸素原子(中性種)以外にも、酸素負イオン(O)や電子(e)が放出される。これらの負電荷粒子は電場の存在によって容易に高いエネルギーを持ち、成長中の薄膜に衝突することによって薄膜中に点欠陥を導入する原因となるため排除することが好ましい。ここで、上述した予備加熱手段40が、同時に、負電位付与手段としても機能して、これらの負電荷粒子が反応場に放出されることを抑制する。
具体的には、酸化物セラミックス管12の直接通電によって酸化物セラミックス管12の自己発熱が安定した後、電力供給手段44を交流から直流に切替えることによって、電気抵抗線42に対して、酸化物セラミックス管12の電極16,16の電位よりも負の電位を印加する。その結果、酸化物セラミックス管12から酸素負イオン(O)や電子(e)などの負電荷粒子は、この負電位の影響で、電気抵抗線42で囲まれた領域より外に出ることができなくなる。
上述した実施形態を示す図においては、説明の便宜上、酸化物セラミックス管12を直接通電するための電極を管壁の外部に形成した態様を示したが、本発明においては、当該電極を酸化物セラミックス管12の内部に形成することによって、運転中の反応場に、電極の金属成分が蒸発したり、電極から電子が直接放出されたりすることを防止することができる。以下、本発明の酸素原子発生装置について採用することのできる内部電極について説明する。
図3は、酸化物セラミックス管を直接通電するための電極として、酸化物セラミックス管の外部雰囲気に晒されない内部電極を採用した酸素原子発生装置10について示す。なお、図3においては、説明の便宜のため、図1に示した酸素原子発生装置10の一部を抜き出して示しており、図3においては、図1と共通する要素については、同じ符号を用いその説明を省略するものとする。
図3に示されるように、酸化物セラミックス管12には、その管内に発熱部Hとなる空間を隔てて直接通電加熱のための内部電極52,54が形成されている。また、酸化物セラミックス管12の両端開口は、導電性の継手56,58によって密閉されており、その結果、内部電極52,54は、酸化物セラミックス管12の外部雰囲気から完全に隔離されている。また、導電性の継手56,58は、電力供給手段18に電気的に接続され、継手56,58は、それぞれ、内部電極52,54と電気的に接続されており、内部電極52,54は、継手56,58を介して電力供給手段18から電力の供給をうけることができるように構成されている。
内部電極52,54は、気体を透過する導電性の構造体によって構成され、ガス導入管24から導入された酸素ガスは、内部電極52,54を透過して管内に充填される。本実施形態においては、内部電極52,54を、例えば、金属細線からなるウールや導電性の多孔質焼成体によって形成することができる。
また、内部電極52,54は、高温かつ酸化雰囲気に耐性のある、Pt、Rh、Ru、Irなどの高融点(準)貴金属やその合金を用いて形成することが好ましく、これらの金属ウールを酸化物セラミックス管12内に詰めて内部電極52,54を形成することができる。また、原料コストを低減するために、内部電極52,54を導電性の酸化物セラミックスを用いて形成することもできる。本実施形態においては、耐熱性を備え、酸素分圧が1〜106Paの範囲で安定した電気伝導特性を有する酸化物セラミックスを用いることが好ましく、SrやCaなどのアクセプター添加物によりLaサイトを一部置換することで、良好な伝導性が付与されたLaCrO、LaMnO系のペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物セラミックス材料を用いることができる。なお、この場合、CrおよびMnサイトの組成はCrとMnが混ざった任意の比率のものでも良く、Crの比率が多いほど耐熱性が高くなり、Mnの比率が多いほど電気伝導特性に優れる。
さらに、上述した高融点(準)貴金属のウールと酸化物セラミックスをと複合化させることによって、酸化物セラミックスの熱膨張による熱応力が緩和された内部電極52,54を形成することもできる。以上説明した、高融点(準)貴金属のウール、あるいは、酸化物セラミックスは、酸化物セラミックス管12の内壁面との間に貴金属ペーストを介在させ、その焼成等により管内に固着させることができる。
以下、本発明の酸素原子発生装置について、実施例を用いてより具体的に説明を行なうが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
(実験装置)
最初に、本実施例において使用した実験装置について説明する。図4は、本実施例において使用した酸素原子発生装置60の概略図を示す。本実施例においては、酸素原子発生装置60は、酸化物セラミックス管62の管内に内部電極64,64を形成したのち、酸化物セラミックス管62の一端を塞ぎ、他端から酸素ガスを導入するように構成した。具体的な作製手順について以下説明する。
本実施例においては、酸化物セラミックス管62として、外径2.0mm、肉厚0.4mm、長さ50mmのセラミックス製の管を用意した。また、その材料について、10%CaO添加ZrO(ニッカトー製)、3%Y添加ZrO(丸ウ製陶製)、および、8%Y添加ZrO(丸ウ製陶製)の3種類を用意した。
また、本実施例においては、内部電極64として、(1)Ptからなるウール(ニラコ製)、(2)87%Pt−13%Rh合金線からなるウール(石福金属製)、(3)La0.9Sr0.1CrO3-dの焼結体、および(4)87%Pt−13%Rh合金線からなるウールとLa0.9Sr0.1CrO3-dとが混在した焼結体、の4種類を用意した。上記(1)および(2)については、酸化物セラミックス管62内部の中央に10mmの空間が残るように、その両端開口部からウールを詰め入れたのち、Ptペースト(フルヤ金属製)を用いて1300℃で焼付け固定して内部電極とした。
また、上記(3)については、酸化物セラミックス管62内部の中央に10mmの空間が残るように、その両端開口部からLa0.9Sr0.1CrO3-d粉末を押し固めた後、大気中1500℃で焼結して内部電極とした。同じく、上記(4)についても、酸化物セラミックス管62内部の中央に10mmの空間が残るように、その両端開口部から87%Pt−13%Rh合金の金属線ウールとLa0.9Sr0.1CrO3-d粉末の両方を押し固めた後、大気中1500℃で焼結して内部電極とした。なお、La0.9Sr0.1CrO3-d粉末は、予め、La、SrCO、Crの各試薬(いずれも高純度化学製)を所定量秤量の後、混合し、1600℃で2時間、空気中で焼成した後、粉砕したものを用いた。
上述した手順で内部電極64,64を形成したのち、酸化物セラミックス管62の両端にステンレス製の継ぎ手66,66(GLサイエンス製)をグラファイトフェルール(GLサイエンス製)を用いて気密性が得られるように接続したうえで、一方の継ぎ手66にブランクキャップ68を取り付けて塞ぎ、他方の継ぎ手66の片側は、同じく気密性が得られるようにグラファイトフェルール(GLサイエンス製)を用いてステンレス管70を接続し、ステンレス管70を介して酸素ガスを供給できるようにした。
次に、継ぎ手66,66を交流電源72に電気的に接続した。なお、本実施例においては、過電流が発生して酸化物セラミックス管62が焼き切れるのを防止するため、交流電源72と酸化物セラミックス管62の間に、合計約0.2ヘンリーのチョークコイルを用いた安定器74を挿入した。
また、酸化物セラミックス管62の中央部分の外周に、太さ0.4mmの87%Pt−13%Rh合金線からなる金属線76を、外周面との間に1mmの隙間を空けて内径4mmの螺旋状に巻き、その両端を電源と電気的に接続した。なお、本実施例においては、金属線76と交流電源78および直流電源80とを、切替器82によって切替え可能に接続した。
図5は、上述した手順で作製した酸素原子発生装置60を用いた本実施例の実験装置100の概略図を示す。実験装置100においては、酸化物セラミックス管62が真空槽102に導入され、酸化物セラミックス管62の外部を真空に排気可能に構成されている。真空槽102には、放射温度計104によって酸化物セラミックス管62中央の発熱部位の温度を計測するための観察窓106を形成した。また、真空槽102内部に、酸素原子発生装置60から放出されるイオン群を測定するための四重極質量分析計108(Hiden Analytical製PSM003)を設置し、該分析計と酸化物セラミックス管62との離間距離を変更自在とした。さらに、酸化物セラミックス管62と四重極質量分析計108の間には、シャッター110および銅製の基板ホルダ112を移動自在に設けた。なお、本実施例においては、シャッター110を電流検出器(ファラデーカップ)で構成した。
(酸素原子発生装置の動作実験)
上述した実験装置100を用いて、本実施例の酸素原子発生装置60の動作実験を行った。以下の説明は、図4および図5を適宜参照して行うものとする。
以下に示す実験は、酸化物セラミックス管62として、3%Y添加ジルコニア管(丸ウ製陶製)を、内部電極64として、87%Pt−13%Rh合金線からなるウールとLa0.9Sr0.1CrO3-dとが混在した焼結体を採用した酸素原子発生装置60について行った。実験に際して、まず、酸化物セラミックス管62の内外について一旦真空とした後、酸化物セラミックス管62の内部に供給酸素圧3000Paにて酸素ガスを供給した。次に、金属線114に交流電流を印加することによって、酸化物セラミックス管62の中央部表面を約1200℃まで輻射加熱した後、内部電極64,64に交流電流を印加して酸化物セラミックス管62を直接通電して加熱した。酸化物セラミックス管62中央の発熱部の温度が1700℃で安定した後、金属線114への電力供給を停止した。
図6は、酸化物セラミックス管62に直接通電した電力(W)と発熱部の温度(℃)の関係を示す。図6に示されるように、本実施例の酸化物セラミックス管62は、15〜30W程度の電力で充分に運転可能であることが確認された。
発熱部温度1700℃、供給酸素圧3000Paの運転条件の下、四重極質量分析計108を用いて出現電圧分光法による酸素原子の放出の検証を行った。具体的には、分析計内のイオン化電子エネルギーを変化させながら、m(質量)/e(電荷素量)比=16(Oイオンに相当)の信号強度を測定した。図7は、四重極質量分析計108を用いた m/e=16の信号計測に際して、中性粒子のイオン化のための電子線の電流密度を一定に保ちながら、電子線の電子エネルギーを変化させた際の信号強度の変化を示す。図7において、四重極質量分析計108の導入口を酸化物セラミックス管62の表面から20mmの位置に配置して測定した場合の信号強度を実線で示し、導入口を酸化物セラミックス管62の表面から100mmの位置に配置し、間にシャッター110を挟んだ場合の信号強度を破線で示す。図7の実線が示すように、導入口が20mmの位置に配置されている場合には、イオン化電子エネルギー電圧が約17Vから信号が得られ始めた。それに対して、導入口を100mmの位置に配置し、間にシャッター110を挟んだ場合には、信号が現れる電圧は約20Vとなった。
ここで、酸素原子をイオン化するためには、13.6eV以上、酸素分子をイオン化するためには、18.4eV以上のエネルギーが必要である事が知られていることから、酸化物セラミックス管62の表面から20mmの位置で観測された対象が酸素原子であることがわかった。
次に、酸化物セラミックス62の発熱部の温度を1800℃、供給酸素圧3000Paとし、酸化物セラミックス62の表面と四重極質量分析計108との離間距離を変化させながら、酸素原子および酸素分子の強度を測定した。酸素原子については、m/e=16(O)として酸素分子をイオン化させない条件(電子エネルギー=18eV)で測定を行い、酸素分子についてはm/e=32(O )の検出がなされる条件で測定を行った。また、距離100mmの位置でシャッター110を挟んだ状態においても測定を行った。
図8は、酸化物セラミックス62の表面と四重極質量分析計108との離間距離と酸素原子の測定強度の関係を示す。図8に示されるように、離間距離が40mm以上になると、酸素原子の強度は距離の二乗に反比例して減衰し、さらに、シャッターで遮るとその強度がゼロとなるため、酸素原子が、点光源から放射される発散光のような態様で、酸化物セラミックスの発熱部から放出されていることがわかった。
さらに、酸化物セラミックス62の発熱部の温度と供給酸素圧について異なる運転条件下で酸素原子の放出強度の変化を測定した。発熱部の温度については、1400℃〜1800℃の間で変化させ、供給酸素圧については、100Pa〜3000Paの間で変化させて測定を行った。図9は、供給酸素圧(Pa)の常用対数と酸素原子の放出量(任意単位)の常用対数の関係を示す。図9に示されるように、発熱部の温度と酸素原子の放出量との間、ならびに、供給酸素圧と酸素原子の放出量との間には、それぞれ、正の相関関係があることが示された。
さらに、発熱部の温度1800℃、供給酸素圧1000Paの運転条件において、酸化物セラミックス管62の外周に設置した金属線114を直流電源に接続し、酸化物セラミックス管62の平均電位に対する電位を変化させて、各電位において酸素原子の放出強度を四重極質量分析計108にて測定した。図10は、金属線114の酸化物セラミックス管62の平均電位に対する電位(V)と酸素原子の放出強度(任意単位)の関係を示す。図10に示されるように、酸素原子の放出強度は金属線114の電位に依存しないことがわかった。このことは、すなわち、四重極質量分析計108によって観測された粒子が電荷を有しない中性種の酸素原子である事を支持する結果となった。
さらに、発熱部温度1800℃、供給酸素圧1000Paの運転条件で、酸化物セラミックス管62の平均電位に対する金属線114の電位を0(V)〜−150(V)に変化させ、各条件における負電荷の放出量を測定した。負電荷の放出量については、シャッター110として採用したファラデーカップの放出電流値を測定し、この測定値から、負電荷が発熱部Hから全方向に均一に放出されていると仮定して、発熱部Hの単位面積当たりの放出量に換算した。図11は、酸化物セラミックス管62の平均電位に対する金属線114の電位(V)と測定された放出電流密度(μAcm−2)の関係を示す。図11に示されるように、金属線114の電位を負に制御することによって、電子および負イオン(O)の放出が完全に抑制される事が分かった。
以上、酸化物セラミックス管62の材料として3%Y添加ZrOを、内部電極64の材料として87%Pt−13%Rh合金線からなるウールとLa0.9Sr0.1CrO3-dとが混在した焼結体を採用した例についての実験結果を説明してきたが、酸化物セラミックス管62および内部電極64について、他の材料を採用して構成した酸素原子発生装置100についても上述したのと同様の手順で動作実験を行った。
下記表1は、動作実験を行った酸素原子発生装置60における酸化物セラミックス管62の材料、内部電極64の材料、酸素原子発生装置60の外部雰囲気、発熱部の最高到達温度(℃)、発熱部の定常運転温度(℃)、および酸素原子発生の有無を示したものである。なお、本実験においては、定常運転温度を、15分以上安定に保持し得た温度として定義した。また、下記表1に示す全ての構成について、供給酸素圧1000Paの運転条件で実験を行った。
Figure 2010052980
上記表1に示されるように、No.1〜No.6で示した全ての構成例について、酸素原子の発生を確認することができた。
(酸化膜の形成)
酸化物セラミックス管62を3%Y添加ジルコニア管とし、内部電極64を87%Pt−13%Rh合金線からなるウールとLa0.9Sr0.1CrO3-dとが混在した焼結体とした酸素原子発生装置60を用いて、発熱部温度1700℃、供給酸素圧3000Paの運転条件で、銀に酸化膜を形成する実験を行った。本実験においては、酸化物セラミックス管62の外部を真空とし、酸化物セラミックス管62の表面から、約30mmの距離に銀板(ニラコ製)を銅製の基板ホルダ112上に設置し、加熱や冷却を行わずに約20時間保持した。
実験を通して、銀板は、輻射によって若干加熱されたが、80℃以下の温度であった。また、真空槽102中の酸素分圧は、1×10−3Pa以下であった。このような銀の温度と酸素分圧条件下では、酸素分子による有意な銀の酸化は起こらない事が知られている。
酸素原子発生装置60の運転を開始したところ、最初の10秒を経過した時点から、早速、銀板の表面の様子が遂次変化していく様子が観察された。運転開始から約20時間後、銀板を大気中に取り出して観察したところ、黒色の酸化皮膜が形成されていることが確認された。銀板上に形成された酸化皮膜をエックス線回折法(理学電気製Rint−2000)によって調べたところ、AgO相である事が確認された。また、走査型電子顕微鏡(日立製S−4500)により、AgO膜層の厚みを計測したところ、約8μmであった。上記結果から、AgO膜層の平均成長速度は、約7nm・min−1と見積もられた。この値から、銀板に捕獲された酸素原子の平均流束は、2×1014cm−2・s−1と見積もられる。
ここで、酸化膜形成過程において、酸化膜の厚みが増してくると、その成長速度は、膜中を拡散する銀の速度で律速されるようになると考えられるため、照射された酸素原子のうち銀板に捕獲される割合は少なくなる。このことから、酸化膜形成初期の実際の酸化速度は、上記平均成長速度より速く、その数倍から数百倍の値であると推察される。このことから、銀板に照射された酸素原子の平均流束は、1014〜17cm−2・s−1台と見積もることができる。この平均流束値と銀板と発熱部(放出源)の離間距離を考慮すると、酸化物セラミックス管62の発熱部から放射される酸素原子の平均流束は、1016〜19cm−2・s−1であることが推察された。
上述した実施例から、本発明の酸素原子発生装置が、高い酸素原子の放出量を達成し、被照射物の温度を低く保ちながら、該被照射物の表面を強い反応性をもって高速に酸化することができる事が明らかとなった。
以上、説明したように、本発明によれば、低い温度条件において高い電力効率をもって酸素原子を高密度に照射可能な酸素原子発生装置が提供される。本発明は、マイクロエレクトロニクスの分野において、さまざまな酸化プロセスに適用されることが期待される。
酸素原子発生装置の断面概略図。 酸素原子発生装置に付加される予備加熱手段を示す図。 内部電極を採用した酸素原子発生装置を示す図。 実施例において使用した酸素原子発生装置の概略図。 実施例の実験装置の概略図。 酸化物セラミックス管に直接通電した電力(W)と発熱部の温度(℃)の関係を示す図。 中性粒子のイオン化のための電子線の電流密度を一定に保ちながら、電子線の電子エネルギーを変化させた際の四重極質量分析計の信号強度の変化を示す図。 酸化物セラミックスの表面と四重極質量分析計の離間距離と酸素原子の測定強度の関係を示す図。 供給酸素圧(Pa)の常用対数と酸素原子の放出量(任意単位)の常用対数の関係を示す図。 金属線の酸化物セラミックス管の平均電位に対する電位(V)と酸素原子の放出強度(任意単位)の関係を示す図。 酸化物セラミックス管の平均電位に対する金属線の電位(V)と測定された放出電流密度(μAcm−2)の関係を示す図。
符号の説明
10…酸素原子発生装置、12…酸化物セラミックス管、14…酸素ガス供給手段、16…電極、18…電力供給手段、20…真空槽、22,26…蓋、24…ガス導入管、28…酸素ボンベ、30…圧送手段、32…排気手段、34…被照射基板、40…予備加熱手段、42…電気抵抗線、44…電力供給手段、52,54…内部電極、56,58…継手、60…酸素原子発生装置、62…酸化物セラミックス管、64…内部電極、66…継ぎ手、68…ブランクキャップ、70…ステンレス管、72…交流電源、74…安定器、76…金属線、78…交流電源、80…直流電源、82…切替器、100…実験装置、102…真空槽、104…放射温度計、106…観察窓、108…四重極質量分析計、110…シャッター、112…基板ホルダ、114…金属線

Claims (16)

  1. 酸化物セラミックスからなる部材によって画成される空間を備える構造体と、
    前記空間の内部に酸素ガスを供給する手段と、
    前記空間の外部雰囲気を減圧する手段と、
    前記酸化物セラミックスからなる部材を直接通電加熱するための手段と
    を含む、酸素原子発生装置。
  2. 前記直接通電加熱するための手段は、前記酸化物セラミックスからなる部材を1000℃以上に加熱することを特徴とする、請求項1に記載の酸素原子発生装置。
  3. 前記酸化物セラミックスは、ジルコニア、セリア、ムライト、アパタイト型希土類シリケートおよびランタンガレートからなる群から選択される、請求項1または2に記載の酸素原子発生装置。
  4. 前記酸化物セラミックスからなる部材の直接通電加熱される領域を予備加熱する手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸素原子発生装置。
  5. 前記予備加熱する手段は、電気抵抗線と、該電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段とを含んで構成される、請求項4に記載の酸素原子発生装置。
  6. 前記電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段は、前記電気抵抗線に対して、前記酸化物セラミックスからなる部材を直接通電加熱するための電極の電位よりも負の電位を印加することができる、請求項5に記載の酸素原子発生装置。
  7. 前記電気抵抗線は、Pt、Rh、Ru、Irまたはこれらの合金から形成される、請求項5に記載の酸素原子発生装置。
  8. 酸化物セラミックス管を備える構造体と、
    前記酸化物セラミックス管の管内に酸素ガスを供給する手段と、
    前記酸化物セラミックス管の外部雰囲気を減圧する手段と、
    前記酸化物セラミックス管を直接通電加熱するための手段と
    を含む酸素原子発生装置であって、
    前記直接通電加熱するための手段は、前記酸化物セラミックス管の外部雰囲気から隔離された状態で該酸化物セラミックス管の管内にその両端から形成されるガス透過性の内部電極を含む、
    酸素原子発生装置。
  9. 前記直接通電加熱するための手段は、前記酸化物セラミックス管を1000℃以上に加熱することを特徴とする、請求項8に記載の酸素原子発生装置。
  10. 前記酸化物セラミックス管は、ジルコニア、セリア、ムライト、アパタイト型希土類シリケートおよびランタンガレートからなる群から選択される材料によって形成される、請求項8または9に記載の酸素原子発生装置。
  11. 前記内部電極は、金属細線からなるウールおよび導電性の多孔質焼成体の少なくとも一方を含んで形成される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の酸素原子発生装置。
  12. 前記金属細線は、Pt、Rh、Ru、Irまたはこれらの合金から形成される、請求項11に記載の酸素原子発生装置。
  13. 前記導電性の多孔質焼成体は、LaCrO系またはLaMnO系のペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物セラミックスである、請求項11に記載の酸素原子発生装置。
  14. 前記酸化物セラミックス管の直接通電加熱される領域を予備加熱する手段であって、該直接通電加熱される領域を螺旋状に取り巻いて配置される電気抵抗線と、該電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段とを含んで構成される予備加熱手段をさらに含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の酸素原子発生装置。
  15. 前記電気抵抗線に電気的に接続される電力供給手段は、前記電気抵抗線に対して、前記内部電極の電位よりも負の電位を印加することができる、請求項14に記載の酸素原子発生装置。
  16. 前記電気抵抗線は、Pt、Rh、Ru、Irまたはこれらの合金から形成される、請求項14に記載の酸素原子発生装置。
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