JPH108257A - 窒化炭素の製造方法並びに窒化炭素 - Google Patents

窒化炭素の製造方法並びに窒化炭素

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JPH108257A
JPH108257A JP15930896A JP15930896A JPH108257A JP H108257 A JPH108257 A JP H108257A JP 15930896 A JP15930896 A JP 15930896A JP 15930896 A JP15930896 A JP 15930896A JP H108257 A JPH108257 A JP H108257A
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carbon
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light
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JP15930896A
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English (en)
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Hitoshi Nishino
仁 西野
Shinichi Tada
進一 多田
Naoki Inoue
直樹 井上
Takamitsu Fujii
隆満 藤井
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的小さなエネルギーで理想組成に近い組成
を有する窒化炭素を生成する製造方法を提供する 【解決手段】炭素源となる物質と窒素源となる物質をチ
ャンバー内に導入し、炭素源となる物質の炭素の結合を
励起する光を照射する光CVD法により窒化炭素を生成
する。光源としてはレーザー光を使用することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】窒化炭素は、近年知られるよ
うになった比較的新しい物質であり、理想的にはC3
4 なる組成を有し、ダイアモンドに匹敵するかもしくは
それ以上の硬度を有する材料として期待されており、磁
気ディスクの保護膜、機械・工具の耐摩耗性向上のため
のコーティング剤、固体潤滑剤、電子デバイス用の保護
・絶縁膜のほか、半導体材料、表面弾性波素子等の用途
への応用が考えられる。本発明は、窒化炭素の製造方法
に関し、特に光CVD(化学気相蒸着法)により製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化炭素の理想的な構造は、NとCが交
互に結合したものであり、窒素源と炭素源よりこの構造
を形成するためには、原料化合物中における窒素、炭素
の結合を励起し、好ましくは切断してC、Nを原子状に
する必要がある。窒素の関与する結合を励起するエネル
ギーは比較的小さいため、窒素源の物質を励起すること
は比較的容易であることが知られているが、C−Hのσ
結合を励起することが特に高いエネルギーを必要とし、
困難である。これまで、窒化炭素の製造方法としては、
プラズマCVDによる方法(特開平3−240959号
公報)、常圧熱CVD法(1995年秋、日本応用物理
学会発表)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のプラズ
マCVD法によれば、特開平3−240959号公報の
実施例に記載されているようにC/N比は約3/1であ
って、これはC−C結合が多く残っていることを示して
おり、理想の組成とはかけ離れたものである。また、常
圧熱CVD法によれば、反応温度が600〜950℃と
高く、反応に大きなエネルギーが必要であり、比較的長
い時間反応させる必要もある。しかも、基板温度に耐熱
性が要求されるため、基板材料の選択範囲が制限され
る。本発明は、比較的小さなエネルギーにて、低い基板
温度にて、短時間で理想組成に近い組成を有する窒化炭
素を生成する製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による窒化炭素の
製法は、炭素源となる物質と窒素源となる物質をチャン
バー内に導入し、前記チャンンバー内にて前記炭素源と
なる物質と窒素源となる物質に対して、炭素源となる物
質の炭素の結合を少なくとも1個励起する光を照射する
光CVD法によることを特徴とするものである。
【0005】炭素の結合は光、特に波長の短い紫外線に
より励起され、炭素の関与する結合の励起によりC−N
結合が生成し、理想組成に近い窒化炭素が得られる。即
ち、炭素の結合を励起する光を照射する光CVD法を採
用することにより理想組成に近い窒化炭素を得ることが
できる。
【0006】本発明においては、前記炭素源として、炭
素と電気陰性度が炭素以上である元素を含む化合物を使
用して窒化炭素を製造することが好ましい。このような
化合物の炭素の関与する結合がC−H結合と比較する
と、より低いエネルギーで励起されるためであると考え
られる。
【0007】また、本発明においては光照射により窒素
原子が生成するか、或いは窒素の関与した結合が励起さ
れる物質は窒素源として使用が可能であり、窒素酸化物
も窒素源として使用可能である。窒素源として使用する
物質としては、特に、窒素のみ又は窒素と水素よりなる
化合物を使用することが好ましく、良好な窒化炭素を得
ることが出来る。
【0008】本発明において使用する光源としては、炭
素、窒素の結合を励起する光は制限無く使用できる。一
般にσ結合、π結合等の化学結合は紫外線により励起さ
れるので、水銀ランプなどの紫外線光源の使用が好まし
い。紫外線領域のレーザーは高強度のため光CVDに好
ましく、特に、炭素、窒素の結合を励起する作用の強い
真空紫外領域の紫外線レーザーの使用が好ましい。この
ようなレーザーとしては、エキシマレーザーの使用が好
適であり、Ar2 、Kr2 、Xe2 などの希ガスエキシ
マレーザー、ArF、KrF、XeClなどの希ガスハ
ロゲンエキシマレーザー等が例示できる。特にArFエ
キシマレーザー光を使用することが好ましい。ArFエ
キシマレーザー光は、波長が193nmの紫外線であ
り、炭素の関与する化学結合を励起ないし解離する能力
が強い。
【0009】本発明にかかる製造方法により得られた窒
化炭素は、従来の技術で得られたものより理想組成に近
い組成を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、炭素源となる物質と窒
素源となる物質をチャンバー内に導入し、炭素源となる
物質の炭素の結合を励起する光を照射し、窒素源となる
物質及び炭素源となる物質を励起若しくは解離し、窒素
と炭素を反応させてC−N結合を形成せしめて窒化炭素
とし、これを基板上に皮膜形成する、光CVD法による
窒化炭素の製造方法に関するものである。
【0011】炭素の電気陰性度は2.5であり(化学大
辞典、共立出版)、これ以上の電気陰性度を有する元素
としては、酸素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ
る。これらの元素と炭素の化合物は紫外線によりその結
合が励起されやすいため、本発明の原料として使用する
ことが好ましい。本発明において炭素源として使用する
物質は、前述のように炭素と電気陰性度が炭素以上であ
る元素を含む化合物であることが好ましく、具体的に
は、酸素を含む化合物としてはエタノール等のアルコー
ル類、ジエチルエーテル等のエーテル類が例示でき、ま
た塩素、臭素、ヨウ素などハロゲンを含む化合物として
は、塩化メチル、臭化メチル、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレ
ン(CHCl=CCl2 )等のハロゲン化オレフィン等
が挙げられ、ハロゲンと酸素の双方を含む化合物とし
て、エチレンモノクロルヒドリン等が例示できる。窒素
を含む化合物としては、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミンが使用できる。炭素源として使用
する化合物は、生成物中のC−C結合を少なくするため
に、長い炭素鎖を有する化合物の使用は避けることが好
ましい。
【0012】本発明において窒素源として使用する物質
としては、窒素ガスのほか、アンモニア、ヒドラジン等
窒素と水素より構成されるものが好ましい。これらの物
質は光、特に紫外線により容易に解離して窒素原子とな
り、炭素原子若しくは励起された炭素化合物との反応に
より窒化炭素を生成する。
【0013】上記の炭素源として使用する化合物、窒素
源として使用する物質はいずれも、気体状にてチャンバ
ー内に供給する必要があり、沸点が低い物質はそのまま
チャンバー内に気化させて供給できるが、沸点の高い物
質を原料として使用する場合には、バブリング法を用い
てチャンバー内に供給することが好ましい。
【0014】本発明による窒化炭素の製造工程の1例を
以下に記載する。 (1)基板を成膜チャンバー内にセットする。 (2)成膜チャンバーを真空に排気する。 (3)基板温度を所定値に調整する。 (4)光源照射の準備をする。 (5)原料ガスを導入し、所定時間安定保持を行う。 (6)光(好ましくはレーザー)照射を行い、成膜す
る。 (7)原料ガスの供給、基板の加熱を停止し、次いで真
空排気を停止して基板を取り出す。
【0015】本発明において使用する光CVD装置は、
一般的に光CVDに使用される装置が使用できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)基板としてP型(100)方位、抵抗率1
〜50Ω・cmのシリコン基板((株)住友シチックス
社製)を使用し、特に前処理を行うことなく実験に供し
た。基板を成膜チャンバー内にセットし、成膜チャンバ
ー内を1×10-5Torr以下の真空とし、基板の加熱
は特に行わず、室温程度の温度とした。成膜チャンバー
に炭素源としてエタノール、また窒素源としてアンモニ
アをそれぞれ気体状でマスフローコントローラーを用い
て供給し、5分間安定保持した。成膜室内に導入した原
料ガスは、以下のとおりであった。 エタノール: 20 sccm アンモニア: 50 sccm 窒素(N2 ):1300sccm(レーザー光導入窓へ
の吹き付け用) 成膜ガス圧: 3 Torr
【0017】光源としてはArF193nmのレーザー
光を使用してチャンバーの窓を通して4.5分間照射し
た。レーザー光エネルギーは100mJ、レーザー繰り
返し周波数は100Hzであった。基板上には、エリプ
ソメーターにより測定した結果、厚さが1500Åの皮
膜が形成されており、成膜速度は333Å/min.で
あった。得られた皮膜材料はFT−IRにより測定した
結果、窒化炭素であることが確認された。
【0018】(実施例2)炭素源としてトリクロルエチ
レン(CHCl=CCl2 )を使用した以外は実施例1
と同じ条件にて成膜を行った。基盤上に得られた皮膜
は、厚さが5850Åであり、成膜速度は1300Å/
min.であった。実施例1の場合と比較して成膜速度
が速いのは、トリクロルエチレンがArFのエキシマレ
ーザー光(193nm)により、より効率的に励起もし
くは分解されたためと考えられる。
【0019】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、基板を加
熱することなく、室温付近で窒化炭素膜を得ることが出
来、しかも、C=N結合やC−C結合が少なく、理想に
近い組成の窒化炭素膜を得ることが出来た。また、低い
基板温度において窒化炭素の製造が行えるために、基板
材料は広い範囲より選択することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 隆満 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素源となる物質と窒素源となる物質をチ
    ャンバー内に導入し、前記チャンンバー内にて前記炭素
    源となる物質と前記窒素源となる物質に対して、前記炭
    素源となる物質の炭素の関与する結合の1個以上を励起
    する光を照射する光CVD法により窒化炭素を生成する
    窒化炭素の製造方法。
  2. 【請求項2】前記炭素源として、炭素と電気陰性度が炭
    素以上である元素を含む化合物を使用する請求項1記載
    の窒化炭素の製造方法。
  3. 【請求項3】前記窒素源として、窒素のみ又は窒素と水
    素よりなる化合物を使用する請求項1記載の窒化炭素の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記炭素源となる物質の炭素の関与する結
    合を励起する光としてエキシマレーザー光を照射するレ
    ーザーCVD法を使用する請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の窒化炭素の製造方法。
  5. 【請求項5】前記炭素源としてエタノール、四塩化炭
    素、テトラクロルエチレン、トリメチルアミンより選ば
    れる1種以上、また前記窒素源として窒素、アンモニ
    ア、ヒドラジンより選ばれる1種以上を使用し、前記原
    料物質に対してArFエキシマレーザー光を照射する請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化炭素の製造方
    法。
  6. 【請求項6】炭素源となる物質と窒素源となる物質をチ
    ャンバー内に導入し、前記チャンバー内にて前記炭素源
    となる物質と前記窒素源となる物質に対して、前記炭素
    源となる物質の炭素の関与する結合の1個以上を励起す
    る光を照射する光CVD法により得られる窒化炭素。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004099982A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 窒化炭素の合成方法
JP2009283910A (ja) * 2008-04-22 2009-12-03 Tosoh Corp 窒化炭素含有膜、その製法、及びその用途
US7989272B2 (en) 2003-02-28 2011-08-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Composition of carbon nitride, thin film transistor with the composition of carbon nitride, display device with the thin film transistor, and manufacturing method thereof
CN112138629A (zh) * 2019-06-28 2020-12-29 兰州理工大学 一种氮掺杂磁性介孔碳及其制备方法和应用

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