JPH1079382A - Si−F結合を有するSiO2膜の成膜方法および半導体装置 - Google Patents

Si−F結合を有するSiO2膜の成膜方法および半導体装置

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JPH1079382A
JPH1079382A JP23492096A JP23492096A JPH1079382A JP H1079382 A JPH1079382 A JP H1079382A JP 23492096 A JP23492096 A JP 23492096A JP 23492096 A JP23492096 A JP 23492096A JP H1079382 A JPH1079382 A JP H1079382A
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JP
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film
sio
wafer
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polysilazane
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Application number
JP23492096A
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English (en)
Inventor
Atsushi Otake
大嶽  敦
Kinya Kobayashi
金也 小林
Kiyotaka Katou
聖隆 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平坦化能力および段差被覆性能に優れたSi−
F結合を有するSiO2 膜を成膜する。 【解決手段】ウエハ10にF添加ポリシラザンを塗布し
てウエハ保持台11に配置する。反応容器1a内に導入
されたO2 ガス40およびH2 ガスをプラズマ化し、高
周波装置13でウエハ保持台11に高周波電圧を印加す
るとともに、ウエハ10を加熱ヒ−タ12で加熱する。 【効果】従来プラズマCVD法により成膜されたSi−
F結合を有するSiO2 膜よりも平坦化能力および段差
被覆能力に優れたSi−F結合を有するSiO2 膜を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造に
係り、特にSi−F結合を有するSiO2 膜の成膜方法
と、この成膜方法を用いて形成されたSi−F結合を有
するSiO2 膜をもつ半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体高集積回路の配線遅延を低減し、
高集積回路の動作を高速化するためには、層間絶縁膜を
低誘電率化することが重要である。Si−F結合を有す
るSiO2膜(以下、F添加SiO2 膜と呼ぶ)は、従来の
層間絶縁膜であるSiO2 膜にFを添加したもので、S
iO2 膜に比べて誘電率が低い。このF添加SiO2
の成膜法は、プラズマCVD法を利用した以下のような
方法がある。
【0003】特開平6−302593号 公報は、SiO2 膜の
材料ガスにC26,CF4 およびNF3 等のF原子を含
むエッチングガスを添加して、プラズマCVD法によっ
てF添加SiO2 膜を形成することを記載する。
【0004】特開平2−77127号公報は、SiO2 膜の材
料ガスにSiF4 系ガスを添加して、プラズマCVD法
によってF添加SiO2 膜を形成することを記載する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したプラ
ズマCVD法によってF添加SiO2 膜を成膜する方法
は、配線間の平坦化能力および段差被覆能力が低い。ま
た、プラズマCVD法では、F添加SiO2 膜中のSi
−F結合数および結合状態の制御が困難で、親水性の一
因であるF−Si−F構造を減少させることが困難であ
る。従って、F添加SiO2 膜の吸湿性が高くなり、F
添加SiO2 膜に覆われている金属電極が酸化され、半
導体装置の性能が劣化する問題がある。
【0006】本発明の目的は、平坦化能力および段差被
覆性能に優れたSi−F結合を有するSiO2 膜の成膜
方法、およびこの成膜方法を用いて成膜したSi−F結
合を有するをもつ半導体装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴は、酸素と、Si−N結合を切断する添加物質
とが導入された処理容器内で、Si−F結合を有するポ
リシラザンが塗布されたウエハを加熱することにある。
【0008】Si−F結合を有するポリシラザンはウエ
ハ上に平坦に付着する。ラジカル化した添加物質が前記
ポリシラザン中のSi−N結合を切断し、その切断箇所
に酸素が結合してSi−O−Si結合を生じる。従っ
て、Si−F結合を有するポリシラザンはSi−F結合
を有するSiO2 膜に化学変化する。成膜されたSi−
F結合を有するSiO2 膜は、従来プラズマCVD法に
より成膜されたSi−F結合を有するよりも平坦化能力
および段差被覆能力に優れている。従って、平坦化能力
および段差被覆能力が高く、かつ誘電率が低い絶縁膜を
成膜できる。また、ウエハが加熱されるので、切断と結
合の化学反応が容易に生じ、Si−F結合を有するSi
2 膜を早く成膜できる。
【0009】また、半導体装置に上記したSi−F結合
を有するSiO2 膜を施せば、平坦化能力および段差被
覆能力に優れたSi−F結合を有するSiO2 膜が配線
間に埋め込まれた半導体装置を得ることができる。Si
−F結合を有するSiO2 膜を絶縁膜として有する半導
体装置は、絶縁膜の誘電率が低いので配線遅延が低減で
きる。
【0010】本発明の他の特徴は、添加物質がH2 ,H
F,NH3 ,OF2 およびNF3 の少なくとも1つであ
ることにある。添加物質から発生した水素ラジカルまた
はフッ素ラジカルが前記ポリシラザン中のSi−N結合
を切断するので、上述したようにSi−F結合を有する
SiO2 膜を成膜できる。
【0011】本発明の他の特徴は、処理容器内に酸素と
添加物質とを含むプラズマを発生させることにある。プ
ラズマ内の電子によって添加物質のラジカル化が促進す
るので、Si−F結合を有するSiO2 膜をより早く成
膜できる。
【0012】本発明の他の特徴は、ウエハに波長が10
0nm以上250nm以下の紫外線を照射することにあ
る。波長が100nm以上250nm以下の紫外線はS
i−N結合を切断するが、Si−O結合を切断しない。
従って、Si−F結合を有するSiO2 膜をより早く成
膜できる。
【0013】本発明の他の特徴は、処理容器内にキセノ
ンを導入してプラズマを発生させることにある。プラズ
マの電子によってキセノンが準安定状態に励起される
と、基底状態に戻るときに8.3eV の遷移光を放出す
る。この遷移光はSi−N結合を切断するがSi−O結
合を切断しないので、Si−F結合を有するSiO2
をより早く成膜できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の第1の実施例を以下に説明する。
【0015】まず、ウエハにSi−N結合をもつポリシ
ラザン(以下、F添加ポリシラザンと呼ぶ)を塗布す
る。塗布は、スピンコーティング法(ウエハを回転させ
ながら一定量のF添加ポリシラザンを滴下し、均一に塗
布する方法)によって行う。シラザン結合(Si−N結
合)を持つF添加ポリシラザンは、ウエハ表面の平坦化
能力および段差被覆能力に優れている。ウエハ10上に
金属電極14が設けられ、F添加ポリシラザン15が塗
布された様子を図6に示す。
【0016】次に、後述する成膜装置で、ウエハ上のF
添加ポリシラザンをF添加SiO2膜に化学変化させる
処理を行う。
【0017】図1に本実施例の絶縁膜の成膜装置を示
す。成膜装置は、プラズマを内部に発生する反応容器1
a,プラズマを発生させるためのマイクロ波を発生する
マイクロ波発生装置30,マイクロ波を反応容器1a内
に導入する導波管31,導波管31と反応容器1aを隔
てる石英窓32,プラズマを発生させるための磁場を発
生するプラズマ発生用電磁石2,O2 ガス40を反応容
器1a内に供給するガス供給系41,添加物ガス50を
反応容器1a内に供給するガス供給系51,反応容器1
a内を一定の圧力に保つように、排気管71から反応容
器1a内のガスを排気する排気装置70,F添加ポリシ
ラザンを塗布したウエハ10を載せるウエハ保持台1
1,ウエハ10を加熱するためにウエハ保持台11の内
部に設けられた加熱ヒ−タ12,ウエハ保持台11に高
周波電圧を印加する高周波装置13を備える。
【0018】本実施例では、添加物ガス50としてH2
ガスを用いる。反応容器1a内に導入されたO2 ガス4
0およびH2 ガスは、マイクロ波と磁場によってプラズ
マ化される。プラズマ中の電子とO2 およびH2 の衝突
によって、酸素ラジカル,水素ラジカルが発生する。水
素ラジカルは、F添加ポリシラザン中のSi−N結合を
切断する。その切断箇所にOラジカルまたはO2 分子が
接近してSi−O−Si結合が形成され、ウエハ10上
に塗布されたF添加ポリシラザンは、F添加SiO2
となる。
【0019】一方、F添加ポリシラザンから切り離され
たNは、水素ラジカルと化合しNH3を形成する。このN
3 は安定でかつ蒸気圧が高いため、容易に気化する。
反応容器1a内のNH3 および未反応のガスは排気管7
1から排気される。
【0020】上述した化学反応により成膜されたF添加
SiO2 膜は、従来プラズマCVD法により成膜された
F添加SiO2 膜よりも平坦化能力および段差被覆能力
に優れている。このため、成膜後にウエハ10の表面を
酸で削るなどの処理工程を省略することもできる。
【0021】本実施例では、水素ラジカルがSi−N結
合を切断するので、Si−O−Siの生成に必要な活性
化エネルギーは0.1eV 程度である。水素ラジカルに
よらずにSi−O−Siを生成するには5eVの活性化
エネルギーが必要である。本実施例の反応速度は、水素
ラジカルを発生しない場合の10の5乗倍になる。
【0022】添加物ガス50はH2 ガス以外に、N
3 ,NF,OF2 ,NF3 でもよい。NH3 のような
水素を含む添加物ガスは、水素ラジカルを発生するの
で、H2 の場合と同様にF添加SiO2 膜が成膜され
る。
【0023】NF,OF2 ,NF3 のようなフッ素を含
む添加物ガスは、プラズマ中の電子との衝突によってフ
ッ素ラジカルを発生する。フッ素ラジカルはSi−N結
合を切断する。箇所にOラジカルまたはO2 分子が接近
してH2 の場合と同様にF添加SiO2 膜が成膜され
る。フッ素ラジカルはF添加ポリシラザン内の窒素と反
応し、安定で蒸気圧の高いNF3 が生成する。NF3
よび未反応のガスは排気管71から排気される。
【0024】添加物ガスの種類とウエハ10の加熱温度
を変えたときのF添加SiO2 膜の成膜速度比の違いを
表1に示す。ここで、F添加SiO2 膜の成膜速度比と
は、ウエハ10上に塗布された厚さ1μmのF添加ポリ
シラザンをF添加SiO2 膜に変化させる速さで、本実
施例の成膜装置で添加物ガス50としてH2 ガスを用い
ウエハ10の温度を100℃に加熱した場合を1とす
る。
【0025】
【表1】
【0026】ウエハ10を加熱することにより、上述し
た化学反応の速度がexp(−E/kT)に比例して増大する
ので、F添加SiO2 膜の成膜速度も増大する。ここで
Eはラジカル生成に必要な活性化エネルギー、kはボル
ツマン定数、Tは加熱温度である。本実施例の成膜装置
においては、添加物ガス50としてH2 ガスを用い、ウ
エハ温度を300℃〜500℃にして反応させたとき
に、最高の成膜速度比が得られることが分かった。
【0027】また、塗布するF添加ポリシラザン中に添
加されたフッ素の量と、成膜されたF添加SiO2 膜の
誘電率との関係を図4に示す。14atm% のSi−F結
合が存在するF添加ポリシラザンを用いた場合には、比
誘電率が3.3 のF添加SiO2膜を成膜することができ
る。F添加量を20atm% まで増加すれば、比誘電率が
3程度のF添加SiO2 膜を成膜することができる。
【0028】(実施例2)本発明の第2の実施例を以下
に説明する。
【0029】第1の実施例と同様に、スピンコーティン
グ法でウエハにF添加ポリシラザンを塗布した後、ウエ
ハ上のF添加ポリシラザンをF添加SiO2 膜に化学変
化させる処理を行う。
【0030】図2に本実施例の絶縁膜の成膜装置を示
す。成膜装置は、プラズマを内部に発生する反応容器1
b,プラズマを発生させるための電極18,電極18に
接続された高周波電源5,石英窓32を通して反応容器
1b内に紫外線を照射する紫外線灯33,O2 ガス40
を反応容器1a内に供給するガス供給系41,添加物ガ
ス50を供給するガス供給系51,希ガス60を供給す
るガス供給系61,反応容器1a内を一定の圧力に保つ
ように、排気管71から反応容器1a内のガスを排気す
る排気装置70,F添加ポリシラザンを塗布したウエハ
10を載せるウエハ保持台11,ウエハ10を加熱する
ためにウエハ保持台11の内部に設けられた加熱ヒ−タ
12,ウエハ保持台11に高周波電圧を印加する高周波
装置13を備える。
【0031】本実施例では、第1の実施例と同様に添加
物ガス50としてH2 ガスを用いる。反応容器1b内に
導入されたO2 ガス40ガス、H2 ガスおよび希ガス
は、電極18とウエハ保持台11の間に生じる高周波電
界によってプラズマ化される。そして、第1の実施例と
同様にウエハ10上に塗布されたF添加ポリシラザン
は、F添加SiO2 膜となる。
【0032】本実施例で成膜したF添加SiO2 膜は、
第1の実施例と同様に、従来プラズマCVD法により成
膜されたF添加SiO2 膜よりも段差被覆能力に優れて
いる。
【0033】ところで、Si−N結合の切断は、プラズ
マ中のラジカルによる以外に、紫外線の照射によっても
起こる。この時、紫外線の波長が100〜250nmで
あれば、Si−O−Siは切断されない。
【0034】また、希ガス60としてXeガスを用いる
と、Xeガスはプラズマ内の電子との衝突により準安定
状態に励起され、基底状態への遷移するときに8.3e
V の遷移光を放出する。Si−N結合の解離エネルギ
ーは、5eV程度であるので、この遷移光は上述した紫
外線と同様にSi−N結合を切断する。Xeはウエハ1
0上に塗布されたF添加ポリシラザンの内部に入り込む
ので、紫外線が照射されない内部でも、遷移光によって
Si−N結合の切断が起こり、F添加SiO2膜の成膜
が促進される。
【0035】表2に、添加物ガスとしてH2 を用い20
0nmの紫外線を1kWで照射した場合、および200
nmの紫外線照射に加え添加ガスとしてXeを添加した
場合の成膜速度比を示す。紫外線を照射することで、成
膜の速さは第1の実施例の最大60%程度向上した。ま
た、Xeの添加によって成膜の速さはさらに最大20%
増大した。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例3)本発明の第3の実施例を以下
に説明する。
【0038】第1の実施例と同様に、スピンコーティン
グ法でウエハにF添加ポリシラザンを塗布した後、ウエ
ハ上のF添加ポリシラザンをF添加SiO2 膜に化学変
化させる処理を行う。
【0039】図3に本実施例の絶縁膜の成膜装置を示
す。成膜装置は、プラズマを内部に発生する反応容器1
c,O2 ガス40を反応容器1a内に供給するガス供給
系41,添加物ガス50を供給するガス供給系51,反
応容器1a内を一定の圧力に保つように、排気管71か
ら反応容器1a内のガスを排気する排気装置70,F添
加ポリシラザンを塗布したウエハ10を載せるウエハ保
持台16,反応容器1c内を加熱するために反応容器1
cの外側に設けられた加熱ヒータ17を備える。本実施
例では、第1の実施例と同様に添加物ガス50としてH
2 ガスを用いる。ウエハ10が500℃になるように、
加熱ヒータ17で反応容器1c内を加熱する。反応容器
1c内に導入されたO2 ガス40およびH2 ガスも加熱
される。H2 ガスは第1の実施例と同様にF添加ポリシ
ラザン中のSi−N結合を切断する。O2 分子も第1の
実施例と同様に切断箇所に接近して新たにSi−O−S
i結合をつくる。そして、第1の実施例と同様にウエハ
10上に塗布されたF添加ポリシラザンは、F添加Si
2 膜となる。
【0040】本実施例による成膜速度比は、0.7程度
であったが、成膜されたF添加SiO2膜は、第1の実施例
と同様に、従来プラズマCVD法により成膜されたF添
加SiO2 膜よりも平坦化能力および段差被覆能力に優
れている。また、プラズマ発生装置が不要になるので、
成膜装置全体を小さくできる利点がある。
【0041】また、従来技術のプラズマCVD法では、
反応容器内に発生したSi−F結合をもつラジカルが、
反応容器内の不純物を取り込んでウエハ上に堆積するこ
とがあるが、第1から第3の実施例においてはウエハ上
に塗布されたF添加ポリシラザンからSi−F結合が解
離しないので、不純物はF添加SiO2 膜中に入りにく
い。添加物ガス50としてH2 ,NH3 ,NF,O
2 、またはNF3 を用いたときに発生するH,Nまた
はFを含むラジカルは、F添加SiO2 膜中に留まりに
くく、これらのラジカルは成膜されたF添加SiO2
の性質にほとんど影響しない。従って、第1から第3の
実施例によれば、不純物が少ないF添加SiO2膜を成膜す
ることができる。
【0042】第1から第3の実施例のF添加SiO2
の成膜を半導体装置に施せば、平坦化能力および段差被
覆能力に優れたF添加SiO2 膜を成膜できるので、配
線間にF添加SiO2 膜が埋め込まれた半導体装置を得
ることができる。F添加SiO2膜を絶縁膜として有する半
導体装置は、絶縁膜の誘電率が低いので配線遅延が低減
できる。また、不純物による比誘電率の増加や電極の酸
化も抑えられる半導体装置を得ることができる。
【0043】以下の実施例では、ウエハ上に塗布される
F添加ポリシラザンの分子構造の違いによる、成膜され
たF添加SiO2 膜の違いの例を説明する。
【0044】(実施例4)第4の実施例を説明する。本
実施例では、(化1)に示すような、1個のSiについ
て1個のSi−F結合をもつ分子構造のF添加ポリシラ
ザンをウエハ上に塗布し、第1,2または3の実施例で
行ったようにF添加SiO2 膜を成膜する。
【0045】
【化1】
【0046】成膜されたF添加SiO2 膜は(化2)に
示される分子構造をもつ。
【0047】
【化2】
【0048】(化2)のような1個のSiに対し1個の
Fが結合した分子構造のF添加SiO2膜中にできるすき間
の大きさは、4立方オングストローム程度であるので、
水分子が侵入することはできない。従って、(化2)の
ようなF添加SiO2 膜の透水性は、フッ素をもたない
SiO2 膜と同程度である。
【0049】1個のSiについて1個のSi−F結合を
もつ分子構造のF添加ポリシラザンを用いて第1,2ま
たは3の実施例のF添加SiO2 膜の成膜を行えば、Si
O2膜と同程度の透水性をもつF添加SiO2 膜を得るこ
とができる。
【0050】(実施例5)第5の実施例を説明する。本
実施例では、(化3)に示すような、1個のSiについ
て2個のSi−F結合をもつ分子構造のF添加ポリシラ
ザンをウエハ上に塗布し、第1,2または3の実施例で
行ったようにF添加SiO2 膜を成膜する。
【0051】
【化3】
【0052】成膜されたF添加SiO2 膜は(化4)に
示される分子構造をもつ。
【0053】
【化4】
【0054】(化4)のような分子構造のF添加SiO
2 膜中には、図5に示すようにF−Si−F構造の部分
に空隙ができる。このすき間の大きさは20立方オング
ストローム程度であり、約10立方オングストロームの
水分子が十分入り得る大きさである。従って、(化4)
のような分子構造のF添加SiO2 膜の透水性は、第4
の実施例で説明した1個のSiに対し1個のFが結合し
た分子構造のF添加SiO2 膜よりも大きくなる。一
方、第4の実施例のF添加SiO2 膜よりも膜中に含ま
れるフッ素の数が多いので、本実施例では第4の実施例
よりも誘電率が低いF添加SiO2 膜を成膜することが
できる。
【0055】従来のプラズマCVD法では、分解された
材料ガスがウエハ上で化学的に結合してF添加SiO2
膜を形成するので、1個のSiに結合するFの数を調整
することは難しい。従って、透水性および誘電率を調整
することは困難である。
【0056】しかし、第4の実施例のF添加ポリシラザ
ンか、第5の実施例のF添加ポリシラザンを選べば、透
水性および誘電率が異なるF添加SiO2 膜を成膜する
ことができる。
【0057】第4または第5の実施例のF添加SiO2
膜の成膜を半導体装置に施せば、前述したような半導体
装置を得ることができる。特に、第4の実施例のF添加
SiO2膜をもつ半導体装置は、大気中から膜内への水の侵
入を抑えられ、侵入した水も透過されにくいので、表面
に設けられた属配配線が腐食しにくい半導体装置であ
る。一方、第5の実施例のF添加SiO2 膜をもつ半導
体装置は、第4の実施例のF添加SiO2 膜をもつ半導
体装置よりも配線遅延を低減できる。
【0058】F−Si−F構造を持たないポリマーを合
成するには、ポリシラザンのモノマーをフッ素化し、こ
のモノマー中からSi一個につきSi−F結合を一つだ
け有するモノマーを取り出して重合させる。モノマー分
子をフッ素化する過程で、F−Si−F構造を持つモノ
マーができる場合は、沸点の差を利用し蒸留するか、拡
散係数の差を利用してクロマトグラフィーによって分離
すればF−Si−F構造を持つモノマーを除外できる。
【0059】(実施例6)第6の実施例を説明する。本
実施例では、Siの側鎖にBを含む原子団を持つF添加
ポリシラザンをウエハ上に塗布し、第1,2または3の
実施例で行ったようにF添加SiO2 膜を成膜する。
【0060】物質の密度が小さくなるほど、誘電率が低
くなることが知られている。Siの側鎖にBを含む原子
団を持つF添加ポリシラザンを用いて成膜されたF添加
SiO2膜の密度は2.1g/cc程度になり、(化2)のF
添加SiO2 膜の密度は2.2g/ccよりも小さい。従
って、本実施例では、(化2)のF添加SiO2 膜より
も誘電率が低いF添加SiO2 膜を成膜することができ
る。
【0061】(実施例7)第7の実施例を説明する。本
実施例では、(化5)に示すような、メトキシ基などの
低級アルコキシ基をもつF添加ポリシラザンをウエハ上
に塗布し、第1,2または3の実施例で行ったようにF
添加SiO2 膜を成膜する。
【0062】
【化5】
【0063】成膜されたF添加SiO2 膜は(化6)に
示される分子構造をもつ。
【0064】
【化6】
【0065】成膜時の加熱によって低級アルコキシ基は
低級アルコールCH3OH として脱離し、Si−O−S
iの架橋構造ができる。発生する低級アルコールは蒸気
圧が低く、迅速に膜外に拡散する。本実施例によれば、
Si−OH基を減らすことができるので、水を吸着しに
くいF添加SiO2 膜を成膜することができる。
【0066】上述したF添加ポリシラザン以外にも、様
々な分子構造のF添加ポリシラザンを用いることができ
る。例えば、アルキル基をもつF添加ポリシラザンは、
アルキル基の種類によって粘度を変えることができるの
で、ウエハの大きさやスピンコーティングの速さによっ
て、アルキル基を選ぶと良い。また、重合度の低いF添
加ポリシラザンの溶液は粘度が低いので、表面被覆性能
が高く、層間絶縁膜の成膜に適している。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、平坦化能力および段差
被覆能力が高く、かつ誘電率が低い絶縁膜を成膜でき
る。また、Si−F結合を有するSiO2 膜を早く成膜
できる。また、半導体装置に上記したSi−F結合を有
するSiO2 膜を施せば、配線遅延を低減された半導体
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の成膜装置を示す図。
【図2】第1の実施例の成膜装置を示す図。
【図3】第1の実施例の成膜装置を示す図。
【図4】F添加量と誘電率の関係を示す図。
【図5】第5の実施例のF添加SiO2 膜を示す図。
【図6】F添加ポリシラザンを塗布したウエハを示す
図。
【符号の説明】
1a,1b,1c…反応容器、2…プラズマ発生用電磁
石、3,32…石英窓、4…紫外線灯、5…高周波電
源、10…ウエハ、11,16…ウエハ保持台、12,
17…加熱ヒ−タ、13…高周波装置、14…金属電
極、15…F添加ポリシラザン、18…電極、30…マ
イクロ波発生装置、31…導波管、33…紫外線灯、4
0…O2 ガス、41,51,61…ガス供給系、50…
添加物ガス、60…希ガス、70…排気装置、71…排
気管。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si−F結合を有するポリシラザンをウエ
    ハ上に塗布し、酸素と、前記ポリシラザン中のSi−N
    結合を切断する添加物質とが導入された処理容器内で、
    前記ポリシラザンが塗布された前記ウエハを加熱するこ
    とを特徴とするSi−F結合を有するSiO2 膜の成膜
    方法。
  2. 【請求項2】前記添加物質は、H2 ,HF,NH3 ,O
    2 およびNF3 の少なくとも1つであることを特徴と
    する請求項1のSi−F結合を有するSiO2 膜の成膜
    方法。
  3. 【請求項3】前記処理容器内に前記酸素と前記添加物質
    とを含むプラズマを発生させることを特徴とする請求項
    1のSi−F結合を有するSiO2 膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】前記ウエハに波長が100nm以上250
    nm以下の紫外線を照射することを特徴とする請求項1
    のSi−F結合を有するSiO2 膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】前記処理容器内にキセノンを導入すること
    を特徴とする請求項3のSi−F結合を有するSiO2
    膜の成膜方法。
  6. 【請求項6】請求項1のSi−F結合を有するSiO2
    膜の成膜方法を用いて成膜されたSi−F結合を有する
    SiO2 膜をもつことを特徴とする半導体装置。
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