JP2006268923A - 磁気記録媒体の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
研磨ホイールの表面状態を改善し、研磨処理後の磁気記録媒体の品質を向上させる磁気記録媒体の表面処理方法を提供すること。
【解決手段】
長尺フィルム形状に裁断された磁気テープ26の表面研磨処理を、円筒状の研磨ホイール2により行なう磁気記録媒体の表面処理方法において、研磨ホイール2へドレッシング工程、及び突出部の平坦化を行なう突出部処理工程を行なうことにより、研磨ホイール2の表面状態を改善し、研磨処理後の磁気テープ26の品質を向上させることを可能にした。
【選択図】図2
研磨ホイールの表面状態を改善し、研磨処理後の磁気記録媒体の品質を向上させる磁気記録媒体の表面処理方法を提供すること。
【解決手段】
長尺フィルム形状に裁断された磁気テープ26の表面研磨処理を、円筒状の研磨ホイール2により行なう磁気記録媒体の表面処理方法において、研磨ホイール2へドレッシング工程、及び突出部の平坦化を行なう突出部処理工程を行なうことにより、研磨ホイール2の表面状態を改善し、研磨処理後の磁気テープ26の品質を向上させることを可能にした。
【選択図】図2
Description
本発明は、テープ状磁気記録媒体の表面処理方法に関するものである。
オーディオ、ビデオ、放送、コンピュータ等に使用されるテープ状の磁気記録媒体は、磁性微粒子と樹脂バインダとを含有する磁気ペイントを、ポリエステル等の素材で作られた長尺フィルムへ塗布、乾燥することにより磁性層を形成して製造されている。このような磁気記録媒体へ記録された情報の読み出しは、磁性層を磁気ヘッドへ摺動させて行なわれる。この時、磁気記録媒体表面に突起やゴミ等が残留していると、ドロップアウト、エラー、及び磁気ヘッドの磨耗を誘発する原因となる。そのため、磁性層表面を研磨することにより、突起やゴミ等を除去する仕上げ処理が行なわれており、例えば、回転するダイヤモンド研磨ホイールで磁性層表面を研磨する磁気記録媒体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭62−172532号公報
特許文献1に記載されているような研磨を行なった場合、研磨ホイールを長期間使用していると、目詰まりや磨耗によって研磨砥粒の凹凸が減り、研磨能力が低下して磁気記録媒体の品質に影響が出てくる。これを解消する為、研磨砥石を用いて研磨ホイール表面の研磨加工を行い、砥粒の凹凸形状を回復させる必要があった。
しかし、研磨加工を行なった直後の砥粒の凸部は鋭利であり、そのまま使用すると磁性層表面に擦り傷が発生して品質に大きな影響を与える。この対策として、ダミーのテープ(長さ約2000m)を擦り傷が発生しなくなるまで研磨ホイールで処理する方法を行なっていたが、コストと時間がかかり生産性を低下させていた。
本発明は、このような問題に対して成されたものであり、生産性を低下させることなく、研磨ホイールの表面状態を改善し、研磨処理後の磁気記録媒体の品質を向上させる磁気記録媒体の表面処理方法を提供することを目的としている。
本発明は前記目的を達成するために、長尺フィルム形状に裁断された磁気記録媒体の表面研磨処理を、円筒状の研磨ホイールにより行なう磁気記録媒体の表面処理方法において、前記研磨ホイールは、ドレッシング工程、及び突出部の平坦化を行なう突出部処理工程により表面の加工が行なわれていることを特徴とする。
また、前記ドレッシング工程は粗研磨工程と、仕上げ研磨工程とからなり、前記突出部処理工程は、粒径#1000から#10000の研磨テープ、又は粒径#1000から#10000のWA(白色アルミナ研磨剤)ラバー砥石を使用することにより、粗研磨工程と仕上げ研磨工程とで生じた前記研磨ホイール表面の突出部を平坦化することを特徴とする。
本発明によれば、粗研磨工程と、仕上げ研磨工程とからなるドレッシング工程により研磨ホイール表面の砥粒の凹凸形状が回復する。更に、突出部処理工程により、砥粒凸部の鋭利な箇所が平坦化され、ダミーのテープを用いなくとも、磁気記録媒体の磁気層表面に擦り傷を発生させずに研磨ができる。
以上説明したように、本発明の磁気記録媒体の表面処理方法によれば、研磨ホイールの表面状態を改善し、研磨処理後の磁気記録媒体の品質を向上させることが可能となる。
以下、添付図面に従って本発明に係る磁気記録媒体の表面処理方法ついて説明する。図1は研磨ホイールにより磁気記録媒体を研磨する状態を示した概念図であり、図2は本発明の表面処理方法が使用される磁気記録媒体の製造装置を示した構成図である。
磁気記録媒体の磁性層表面の研磨は、図1に示すように複数本(例えば、40本)の所定幅(例えば、12.65mm幅)のテープ状の磁気記録媒体1、1・・・を、所定長さ(例えば、1m)の円柱状の研磨ホイール2へ、所定のテンションを加えながら、磁性層側が接するように巻き掛けて行う。
研磨ホイール2は、メタルボンドタイプの研磨ホイールが好ましく使用される。また、条件によっては、ビトリファイドタイプの研磨ホイール、レジンボンドタイプの研磨ホイール、電着方式の研磨ホイールでもよい。
研磨ホイール2に使用されるダイヤモンド砥粒の粒度番号は、#325〜#2000が好ましく使用され、#600〜#1200がより好ましく使用される。ダイヤモンド砥粒の粒径が大き過ぎると磁性層の傷が問題となり好ましくなく、ダイヤモンド砥粒の粒径が小さ過ぎると研削能力が低く好ましくない。
研磨ホイール2のボンド材質、集中度(コンセントレーション)等は磁性層の組成等に応じて適宜のもの、値を選択し、巻き掛け時の角度及び研削での相対速度は、研磨ホイール2の外径、磁性層の組成等に応じて適宜の値を選択することが好ましい。
次に、磁気記録媒体の製造装置について説明する。図2に示すように、テープ状の磁気記録媒体製造装置10(以下、製造装置10とする)は、主として、ロール状に巻回された幅広な帯状の磁気記録媒体原反20を送り出し側から引き出すテープ供給手段13と、磁気記録媒体原反20を複数の幅狭な磁気記録媒体テープ(磁気テープ)26に裁断する裁断装置(スリッタ)14と、スリッタ14で裁断された磁気テープ26を研磨ホイール等に巻き掛けて研削する研削手段80と、研削後の磁気テープ26を固定刃によりクリーニングするクリーニング手段90と、磁気テープ26を個別に巻取り側の巻取りリール17の巻芯(ハブ)18に巻取るテープ巻取り手段50と、で構成される。
テープ供給手段13において、巻戻しリール11の巻芯(ハブ)12には、ロール状に巻回された磁気記録媒体原反20が装着される。磁気記録媒体原反20は、通常、非磁性支持体上に強磁性微粒子を含む磁性層を塗布法や真空蒸着法等により形成し、その磁性層に配向処理、乾燥処理、表面処理等を行うことによって製造される。
スリッタ14は、幅広で帯状の磁気記録媒体原反20を上下一対の回転刃30、32により複数本の磁気テープ26、26・・・に裁断する装置であり、図2に示されるように、受け刃としてローラ状に形成された複数の回転下刃30、30・・・と、回転下刃30との間で帯状体21に剪断力を与えて裁断する薄円盤状の複数の回転上刃32、32・・・とで構成される。
図3に示すように、スリッタ14の回転下刃30は、下側シャフト34にスペーサ36を介して嵌合固定され、回転上刃32は、下側シャフト34と平行な上側シャフト38にスペーサ40を介して嵌合固定され、回転上刃32と回転下刃30との刃先部分が互いに重なり合うように配置されている。そして、回転上刃32は図示しないバネにより図3の軸方向右側に付勢され、回転上刃32の刃先部分が回転下刃30の刃先部分に当接した状態で位置決めされる。上側シャフト38と下側シャフト34はそれぞれ回転速度を自由に可変可能なモータ41、43に接続され、回転上刃32と回転下刃30の周速度を個別に可変できるようになっている。
巻戻しリール11とスリッタ14との間には、磁気記録媒体原反20の搬送路を形成する複数のガイドローラ22、22・・・と、磁気記録媒体原反20の搬送速度を規制するサクションドラム24が設けられる。サクションドラム24は、回転速度を自由に可変可能なモータ(図示せず)に接続され、サクションドラム24の周面に磁気記録媒体原反20を吸着して回転することにより、磁気記録媒体原反20の搬送速度を任意に可変する。
テープ巻取り手段50における巻取リール17のハブ18の回転速度は、このサクションドラム24の周速度を基準として制御される。磁気記録媒体原反20の搬送速度を規制する手段としてはサクションドラム24に限定されず、磁気記録媒体原反20を挟持搬送するピンチローラを使用することもできる。
スリッタ14とテープ巻取り手段50との間には、研削手段80とクリーニング手段90とが設けられる。研削手段80は、ガイドローラ28、28と、ガイドローラ28、28間に張架された磁気テープ26に研削加工を行う研磨ホイール2とより構成される。
研磨ホイール2への磁気テープ26の巻き掛け角は、好ましくは60〜150度が採用できる。研磨ホイール2の回転方向は図示の例ではホイール表面が磁気テープ26の走行方向と逆方向に運動するようにCW(時計回り)が採用されている。このように構成することにより、ホイール表面と磁気テープ26表面との相対速度を大きくできる。
クリーニング手段90は、ガイドローラ94、94と、ガイドローラ94、94間に張架された磁気テープ26にエッジ部が接触する固定刃92とより構成される。図示の固定刃92としては、三角柱形状のものが採用されている。
図示のクリーニング手段90は、各磁気テープ26に対し1式設けられているが、2式以上設けることもできる。磁気テープ26の処理量、研削手段80の能力等に応じて最適な構成を採用すればよい。
研削手段80とクリーニング手段90とには、走行する各磁気テープ26のテンションをコントロールすべく、テンション調整手段を設けてもよい。このようなテンション調整手段としては、たとえば、ガイドローラ28、ガイドローラ94のいずれか1以上に磁気テープ26を吸着して回転することにより、磁気テープ26の搬送速度を任意に可変する手段を設ければよい。
また、研削手段80とクリーニング手段90とのガイドローラ28、ガイドローラ94のいずれか1以上は、研削手段80及びクリーニング手段90での処理の際に磁気テープ26の外れを防止すべく、所定のクラウン(中高)が形成されていることが好ましい。
次に、上記のように構成された磁気テープの製造装置10の作用を説明する。先ず、磁気テープの製造装置10の巻戻しリール11に巻回されたロール状の磁気記録媒体原反20は、巻戻しリール11から連続的に引き出され、スリッタ14に搬送される。そして、スリッタ14で複数本の磁気テープ26に裁断されて研削手段80に搬送される。
研削手段80で研磨ホイール2により磁性層が研削され、クリーニング手段90に搬送される。クリーニング手段90で磁性層がクリーニングされ、その後巻取リール17のハブ18に巻取られる。これにより、例えば磁気記録媒体原反20が40〜250本に裁断され、規定の幅寸法(例えば12.65mm、25.4mm、3.81mm等)の磁気テープ26が製造される。
以上のように、磁気テープ26が製造装置10により製造される。このとき、長期間使用されていた研磨ホイール2は、目詰まりや磨耗によって研磨砥粒の凹凸が減り、研磨能力が低下してゆく。これを解消する為、研磨砥石を用いて研磨ホイール2表面の研磨加工(ドレッシング)を行う。
研磨ホイール2のドレッシング工程は、粗研磨工程、仕上げ研磨工程の2つの工程からなり。ドレッシング工程後、砥粒凸部の鋭利な箇所を平坦化する突出部処理工程を行なう。
研磨能力が低下した研磨ホイール2は、研削手段80より取り外され円筒研磨機(不図示)へ取り付けられる。取り付けられた研磨ホイール2は、粒度番号#500〜#1000のGC(グリーンカーバイト研磨剤)研磨砥石を使用して粗研磨工程が行なわれる。
続いて、仕上げ研磨工程では、粒度番号#2000〜#4000のWA(白色アルミナ研磨剤)研磨砥石を使用して研磨が行なわれる。
これにより、研磨ホイール2表面の研磨砥粒は、図4に示す粗さチャートのように、鋭利な凸部をもつ凹凸形状が形成される。
更に、ドレッシング工程後、粒度番号#1000〜#10000(#2000〜#5000を好適とする)のGC研磨テープ、又は粒度番号#1000〜#10000(#1000〜#5000を好適とする)のWAラバー砥石により、砥粒凸部の鋭利な箇所を平坦化する突出部処理工程を行なう。
これにより、研磨ホイール2表面の研磨砥粒は、図5に示す粗さチャートのように、鋭利な凸部の無い凹凸形状が形成される。この状態まで研磨加工された研磨ホイール2は、再び研磨手段80へ取り付けられ、磁気テープ26の研磨を行なう。突出部処理工程を施した研磨ホイール2で研磨された磁気テープ26では、研磨による擦り傷は発生せず、ミッシングパルスの発生も確認されることが無い。
以上説明したように、本発明に係る磁気記録媒体の表面処理方法は、研磨能力が低下した研磨ホイール表面の砥粒の凹凸形状を、粗研磨工程と、仕上げ研磨工程とにより回復させる。更に、突出部処理工程により、砥粒凸部の鋭利な箇所が平坦化され、研磨ホイール表面状態を改善し、研磨処理後の磁気記録媒体の品質を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では突出部処理工程においてGC研磨テープ又はWAラバー砥石を用いているが、同程度の粒度番号を持つ研磨材料でも利用可能である。
2…研磨ホイール、10…磁気記録媒体製造装置、13…テープ供給手段、14…スリッタ、20…磁気記録媒体原反、22…ガイドローラ、26…磁気テープ、28…ガイドローラ、50…テープ巻取り手段、80…研削手段、90…クリーニング手段、92…固定刃、94…ガイドローラ、
Claims (3)
- 長尺フィルム形状に裁断された磁気記録媒体の表面研磨処理を、円筒状の研磨ホイールにより行なう磁気記録媒体の表面処理方法において、
前記研磨ホイールは、ドレッシング工程、及び突出部の平坦化を行なう突出部処理工程により表面の加工が行なわれていることを特徴とする磁気記録媒体の表面処理方法。 - 前記ドレッシング工程は、粗研磨工程と、仕上げ研磨工程とからなることを特徴とする磁気記録媒体の表面処理方法。
- 前記突出部処理工程において、粒度番号#1000から#10000の研磨テープ、又は粒度番号#1000から#10000のWAラバー砥石を使用することにより、前記ドレッシング工程で生じた前記研磨ホイール表面の突出部を平坦化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気記録媒体の表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005082416A JP2006268923A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 磁気記録媒体の表面処理方法 |
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JP2005082416A JP2006268923A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 磁気記録媒体の表面処理方法 |
Publications (1)
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JP2005082416A Pending JP2006268923A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 磁気記録媒体の表面処理方法 |
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JP (1) | JP2006268923A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200002845A (ko) * | 2017-05-02 | 2020-01-08 | 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 | 워크의 절단 방법 및 접합 부재 |
-
2005
- 2005-03-22 JP JP2005082416A patent/JP2006268923A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20200002845A (ko) * | 2017-05-02 | 2020-01-08 | 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 | 워크의 절단 방법 및 접합 부재 |
KR102476617B1 (ko) | 2017-05-02 | 2022-12-12 | 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 | 워크의 절단 방법 및 접합 부재 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20070115 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |