JPH06150305A - 磁気ディスク基板の表面加工方法、磁気ディスク基板、および磁気ディスク基板の表面加工装置 - Google Patents

磁気ディスク基板の表面加工方法、磁気ディスク基板、および磁気ディスク基板の表面加工装置

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JPH06150305A
JPH06150305A JP29607192A JP29607192A JPH06150305A JP H06150305 A JPH06150305 A JP H06150305A JP 29607192 A JP29607192 A JP 29607192A JP 29607192 A JP29607192 A JP 29607192A JP H06150305 A JPH06150305 A JP H06150305A
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JP
Japan
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magnetic disk
disk substrate
thin film
film supporting
supporting surface
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Application number
JP29607192A
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English (en)
Inventor
Masaru Tsukada
勝 塚田
Makoto Arai
誠 荒井
Fujio Sakumichi
不二雄 作道
Makoto Watanabe
真 渡辺
Masahiro Takagi
將宏 高木
Eishin Yamakawa
栄進 山川
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 磁気ヘッドと磁気ディスクの間隔に空気を掻
き込む能力が高く、磁気ヘッドの摺動面積よりも大きな
スケールで磁気ディスクの円周方向に規則的な表面模様
が形成される心配が少なく、磁気ヘッドと磁気ディスク
の走行中のギャップ状態を従来よりも狭くした状態で安
定化できる磁気ディスクの表面模様が得られる磁気ディ
スク基板の表面加工方法を提供する。 【構成】 砥粒が表面に固定された研削媒体を、回転す
る磁気ディスク基板の薄膜支持面に摺動させて、該薄膜
支持面に微細な線状の凹凸を形成する磁気デイスク基板
の表面加工方法11において、表面性状が柔軟で前記薄
膜支持面よりも柔らかな摩擦媒体を用いて、前記砥粒よ
りも細径の砥粒のスラリー状研磨材を、薄膜支持面で、
砥粒による線状の凹凸の尾根部分が磨滅し尽くさない時
間間隔だけ摺動させる後工程(スラリー方式仕上げ加工
12)を付加した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜型磁気ディスク製
造の1工程を構成して、磁性薄膜等の形成に先立って磁
気ディスク基板の薄膜支持面に微細な凹凸を形成する磁
気ディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング技術等を利用して磁気デ
ィスク基板上に積層した磁性薄膜層を記録層として利用
する薄膜型磁気ディスクが実用化されている。薄膜型磁
気ディスクは、その記録密度の高さから、従来の塗布型
磁気ディスクの少なくない部分を置き換えつつある。薄
膜型磁気ディスクの主な用途は、デジタル情報の記録再
生である。薄膜型磁気ディスクは、水平方向の磁気記録
と再生を行うリング型磁気ヘッド(特に薄膜磁気ヘッ
ド)と組み合わせて、パソコンのハードディスクシステ
ム等に搭載されている。
【0003】薄膜型磁気ディスクの一般的な製造方法
は、磁性薄膜の形成に先立って、磁気ディスク基板の薄
膜支持面に微細な凹凸を形成するテクスチャリングと呼
ばれる工程を含む。薄膜支持面に微細な凹凸を形成する
と、(1) 薄膜支持面に積層される磁性薄膜等の層を介し
て薄膜型磁気ディスクの表面に凹凸を形成し、磁気ヘッ
ドに対する粘着や異常摩擦が抑制される、(2) 磁性薄膜
が積層される際の結晶成長の方向性が制御されて、記録
方向(水平方向)の抗磁力を高める等の効果を期待でき
る。
【0004】そして、このような目的をより効率的に達
成するために、また、別の目的を兼ねて達成するため
に、テクスチャリングに関する具体的な方法、使用機
材、装置等が数多く提案されている。
【0005】例えば、特開平2−71429号には、テ
クスチャリングによる表面の微細な凸部(突起)が磁気
ヘッドを破損させる可能性が指摘され、(1) 鏡面仕上げ
した磁気ディスクの薄膜支持面にラッピングテープを摺
動させるテクスチャリング、(2) ラッピングテープを薄
膜支持面に向かって付勢するゴムローラを磁気ディスク
を挟み込んで配置して、磁気ディスクの表裏を同時に仕
上げる方法、(3) ゴムローラと一緒にラッピングテープ
を磁気ディスクの直径方向に走査して、薄膜支持面の周
方向にランダムな凹凸を形成する方法、(4) 粗いラッピ
ングテープを用いたテクスチャリングの後に細かいラッ
ピングテープを軽く走らせて、薄膜支持面の高い凸部を
選択的に平坦化する方法、(5) 薄膜支持面の0.02μ
m レベルの異常突起を少なくすることで磁気ヘッドの破
損や粘着を抑制し、CSS性能を向上させた実験結果が
報告される。ここで、CCS性能とは、磁気ヘッドを磁
気ディスクに接触させた静止状態から磁気ディスクを回
転開始させる操作を、磁気ディスクの記録面に異常が発
生するまでに、何回繰り返し得るかという指数である。
【0006】また、特開昭62−248133号には、
テクスチャリングによる表面の微細な凸部(突起)が磁
気ヘッドの走行性能を損なわせる可能性が指摘され、
(6) 粗い砥粒が表面に固定された研削媒体を薄膜支持面
に摺動させた後に、表面性状が柔軟で薄膜支持面よりも
柔らかな摩擦媒体を用いて、細かい遊離砥粒を薄膜支持
面に摺動させて、磁気ディスク基板の表面性状を制御す
る方法が提案される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気ディスクの
薄膜支持面のテクスチャリングは、薄膜支持面上で円周
方向に配置された無数の同心円状または螺旋状のスクラ
ッチ傷で構成され、その凹凸の制御においては、専ら、
磁気ディスクの直径方向の凹凸分布のみを問題としてい
る。しかし、磁気ヘッドの安定走行を得るためには、磁
気ディスクの円周方向の凹凸状態、さらには、磁気ヘッ
ドの摺動面積のスケールで見たスクラッチ傷の方向性の
分布もまた重要であることが判明した。
【0008】パソコン等の記憶媒体として利用されるハ
ードディスク装置の磁気ディスクでは、高速回転する磁
気ディスクの表面をわずか0.2〜0.4μm のギャッ
プを隔てて磁気ヘッドでトレースしながら、磁気ディス
ク表面の磁気薄膜層に高密度の記録再生を行う。磁気ヘ
ッドは、磁気ディスクの静止状態では弱いばね力に付勢
されて磁気ディスクの表面に接触しているが、磁気デイ
スクの回転に伴って磁気ディスクと磁気ヘッドの間隔に
引き込まれる空気によって、上述の弱いばね力と釣り合
う位置まで上空に押し上げられ、磁気ディスクと磁気ヘ
ッドのギャップが形成される。そして、テクスチャリン
グ加工された磁気ディスクの薄膜支持面に磁性体薄膜等
(中間層、表面潤滑層を含む)を積層形成すると、磁気
ディスク表面には、薄膜支持面のテクスチャリングの凹
凸をそのまま反映した表面模様が形成されている。
【0009】このとき、磁気ヘッドの摺動面積よりも大
きなスケールで、磁気ディスクの円周方向に規則的な表
面模様が形成されていると、この表面模様(特にスクラ
ッチ傷の方向性)に応じて磁気ヘッドと磁気ディスクの
間に巻き込まれる空気量が変化し、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクのギャップが増減する方向に、磁気ヘッドが加振
される。このような磁気ヘッドの振動は、0.2μm レ
ベルのギャップよりも一桁低くて、常識的には衝突の可
能性が無い0.02μm レベルの磁気ディスク表面の突
起に対しても、磁気ヘッドを接触させる原因となる。
【0010】また、磁気ディスクの円周方向のスクラッ
チ傷で構成されるテクスチャリングを用いた磁気ディス
ク表面は、磁気ヘッドと磁気ディスクの間隔に空気を掻
き込む能力が比較的に低く、上記のギャップを形成する
ためのバネ力を比較的小さく設定する必要がある。小さ
なバネ力は、磁気ヘッドの安定性を損なわせて、小さな
外乱によっても、磁気ディスク表面に磁気ヘッドを衝突
させたり、磁気ヘッドと磁気ディスクの間隔を容易に拡
大して、その記録再生(特に再生)を一時的に不可能に
する原因となる。
【0011】本発明は、磁気ヘッドと磁気ディスクの間
隔に空気を掻き込む能力が高く、磁気ヘッドの摺動面積
よりも大きなスケールで磁気ディスクの円周方向に規則
的な表面模様が形成される心配が少なく、従って、磁気
ヘッドと磁気ディスクの走行中のギャップ状態を従来よ
りも狭くした状態で安定化できる磁気ディスクの表面模
様、が得られる磁気ディスク基板を提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1の磁気
デイスク基板の表面加工方法の説明図である。図1にお
いて、請求項1の磁気ディスク基板の表面加工方法は、
砥粒が表面に固定された研削媒体を、回転する磁気ディ
スク基板の薄膜支持面に摺動させて、該薄膜支持面に微
細な線状の凹凸を形成する磁気デイスク基板の表面加工
方法11において、表面性状が柔軟で前記薄膜支持面よ
りも柔らかな摩擦媒体を用いて、前記砥粒よりも細径の
砥粒のスラリー状研磨材を、前記薄膜支持面で、前記砥
粒による線状の凹凸の尾根部分が磨滅し尽くさない時間
間隔だけ摺動させる後工程(スラリー方式仕上げ加工1
2)を付加した方法である。
【0013】ここで、好ましくは、前記薄膜支持面に対
する前記摩擦媒体の摩擦方向は、前記スラリー状研磨材
を、前記砥粒による線状の凹凸に交差する方向に摺動さ
せる方向に選択される。
【0014】図2は、請求項2の磁気デイスク基板の説
明図である。図2において、請求項2の磁気ディスク基
板は、深くて長い溝状の凹部21を挟む2条の尾根部分
22が浅くて狭くて短い凹部23で分断されて、平坦な
頂上の凸部24がごく少なく、深い凹部21よりも微細
で高密度な凸部24を分布させた微視的性状をその表面
に有するものである。
【0015】図3は、請求項3の磁気デイスク基板の加
工装置の説明図である。図3において、請求項3の磁気
ディスク基板の加工装置は、砥粒が表面に固定された研
削媒体31を、回転する磁気ディスク基板32を横切る
方向33に相対移動させながら、該磁気ディスク32の
薄膜支持面34に摺動させて、該薄膜支持面34に、そ
の円周方向に交差する方向の微細な線状の凹凸35を形
成する磁気デイスク基板の表面加工装置において、前記
横切る方向33に磁気ディスク32を揺動させる揺動手
段36を、前記磁気ディスク32の回転を支持する機構
に付加したものである。
【0016】請求項4の磁気ディスク基板の加工装置
は、請求項3の磁気デイスク基板の表面加工装置におい
て、前記磁気ディスク基板の中央に形成された貫通孔に
挿入されて前記磁気ディスク基板を回転駆動するスピン
ドルを有するとき、前記揺動手段は、前記スピンドルに
対して前記磁気ディスク基板を偏心状態で装着する装着
機構を有する前記スピンドル自身で構成されるものであ
る。
【0017】図4は、請求項5の磁気デイスク基板の加
工装置の説明図である。図4において、請求項5の磁気
ディスク基板の加工装置は、回転する磁気ディスク基板
41の薄膜支持面42に対して、表面性状が柔軟で前記
薄膜支持面よりも柔らかな摩擦媒体43を用いて、砥粒
を液体中に分散したスラリー状研磨材44を摺動させ
て、前記薄膜支持面42に微細な線状の凹凸を形成する
磁気デイスク基板の表面加工装置において、複数枚の磁
気ディスク基板41のそれぞれの外周を少なくとも3箇
所で支持して、それぞれの回転中心をほぼ一直線上に揃
えた状態で、同一方向に回転駆動する基板支持手段45
を設けるとともに、前記摩擦媒体43を、回転体形状の
外観に形成されてほぼ逆方向に回転駆動される一対のも
のとして、それぞれの前記磁気ディスク基板41を挟み
込む形式に複数対配置したものである。
【0018】請求項6の磁気ディスク基板の加工装置
は、請求項5の磁気ディスク基板の表面加工装置におい
て、前記一対の摩擦媒体は、円筒型の外観に形成されて
回転軸がほぼ平行に配置され、該回転軸は、少なくとも
前記薄膜支持面の加工中に、前記磁気ディスク基板の直
径方向と交差する方向に配置され、これにより、前記砥
粒が前記薄膜支持面をその円周方向に対して斜めに摺動
するものである。
【0019】
【作用】図1において、請求項1の磁気ディスク基板の
表面加工方法では、磁気ディスクの薄膜支持面でラッピ
ングテープ等の研削媒体を摺動させて形成されるほぼ円
周方向に伸びた微細な線状の凹凸の尾根部分を、後工程
12でスラリー状の砥粒を衝突させて荒らして分断す
る。
【0020】後工程12では、研削媒体による線状の凹
凸の尾根部分が磨滅し尽くさない時間間隔が選択され
る。そして、好ましくは、摩擦媒体の摺動方向が研削媒
体による線状の凹凸に交差する方向に定められる。いず
れにせよ、被加工面の微小部分に対する圧力状態で衝突
方向が変化する遊離砥粒によって、凹凸の尾根部分を平
坦化させることなく、尾根部分を多数の小さなピークに
分割する。
【0021】図2において、請求項2の磁気ディスク基
板の薄膜支持面は、研削媒体の固定砥粒で形成された尾
根部分22が多数のピーク24に細かく分割され、異常
突起も周囲の凹凸状態に平均化されている。
【0022】薄膜支持面のこのような微視的形状は、磁
性薄膜を積層した磁気ディスクの表面の凹凸状態にその
まま転写され、単に溝部分と尾根部分が磁気ディスクの
円周方向に伸びて並列に配列される単調な微視的形状に
比較して、空気を磁気ヘッドと磁気ディスクの間に掻き
込む能力を増大させる。また、磁気ディスクの回転に伴
って磁気ヘッドの対向面における溝部分と尾根部分の配
列方向が変化した場合でも、空気の掻き込み量を大きく
変化させない。
【0023】図3において、請求項3の磁気ディスク基
板の加工装置では、磁気ディスク基板32の回転を支持
する機構側に揺動手段36を設けて、磁気ディスク基板
32を研削媒体31に対して揺動させる。そして、テク
スチャリングされた微細な線状の凹凸35を薄膜支持面
34上で円周方向と交差する方向に積極的に走査させ
る。
【0024】請求項4の磁気ディスク基板の加工装置で
は、磁気ディスク基板を回転駆動するスピンドルの回転
軸に対して磁気ディスクが偏心して取り付けられる。ス
ピンドルの回転駆動によって磁気ディスクが偏心回転
し、これにより、磁気ディスク基板の薄膜支持面に対す
る研削媒体の揺動が確保される。
【0025】図4において、請求項5の磁気ディスク基
板の加工装置では、複数の磁気ディスク基板41が一括
してテクスチャリング加工される。複数の磁気ディスク
基板41は、それぞれ一対の摩擦媒体43で挟み込まれ
て、それぞれの摩擦媒体43が磁気ディスク41に及ぼ
す圧力を相殺した応力の無い状態でテクスチャリング加
工される。
【0026】基板支持手段45は、複数枚の磁気ディス
ク基板41の外周を支持して、複数枚の磁気ディスク基
板41の回転中心をほぼ一直線上に揃え、複数枚の磁気
ディスク基板41を同一方向に回転駆動する。図4に示
されるように、基板支持手段45が磁気ディスク基板4
5をその厚み方向にルーズに保持する構造とすれば、一
対の摩擦媒体43からの圧力が釣り合う厚み方向位置
に、磁気ディスク基板41は自動的に位置決めされる。
【0027】請求項6の磁気ディスク基板の加工装置で
は、円筒型の摩擦媒体が、その軸を磁気ディスクの直径
方向と傾けた状態で回転し、スラリー状の砥粒を薄膜支
持面上で円周方向と交差する方向に引きずり、円周方向
と交差する斜めの方向のスクラッチ傷を形成する。
【0028】
【実施例】図5は第1実施例の磁気デイスク基板の表面
加工方法の説明図、図6は図5のスラリー方式仕上げ加
工に使用したラッピング装置の平面図である。ここで
は、砥粒の粒度を順番に細かくした3段階のテープラッ
ピングに引き続いて、スラリー状砥粒を用いたラッピン
グ装置による仕上げ加工を実施した。
【0029】図5において、鏡面加工されたアルミニウ
ム製の磁気ディスク基板は、まず、平均粒径2μm のホ
ワイトアランダム砥粒をポリエチレンテープに固定した
6000番ラッピングテープを巻き取りながら、ゴムロ
ーラを用いて磁気ディスク基板の薄膜支持面に押し付け
る6000番テープラッピング51で粗くテクスチャリ
ング加工される。
【0030】次に、クリーニングテープを薄膜支持面に
押し付けて行う乾式のクリーニング52を行って、薄膜
支持面に残留した砥粒を除去した後に、平均粒径1μm
のホワイトアランダム砥粒を固定した8000番ラッピ
ングテープを使用して8000番テープラッピング53
が行われる。
【0031】さらに、クリーニングテープを用いたクリ
ーニング54を行った後に、平均粒径0.5μm のホワ
イトアランダム砥粒を固定した10000番ラッピング
テープを使用して10000番テープラッピング55が
行われる。その後、再び、クリーニングテープを用いた
クリーニング56が実施される。
【0032】ここまでのテクスチャリング加工51〜5
6によって、磁気ディスク基板の薄膜支持面には、ほぼ
同心円状に配列した無数の微小な線状の凹凸が形成され
ている。それぞれのラッピングテープは、ゴムローラに
よる押圧力を厳密に管理された状態で、ゴムローラもろ
とも磁気ディスク基板の直径方向に走査されるが、磁気
ディスク基板の回転速度に対してかなり遅い走査速度が
設定されているので、ラッピングテープに固定された個
々の砥粒が形成するスクラッチ傷は、ほぼ円周方向に配
列されている。
【0033】このようにテクスチャリング加工された磁
気ディスク基板に対して、スラリー状研磨材を用いたス
ラリー方式仕上げ加工57が実施される。
【0034】スラリー方式仕上げ加工57は、磁気ディ
スクの薄膜支持面でラッピングテープ等の研削媒体を摺
動させて形成されるほぼ円周方向に伸びた微細な線状の
凹凸の尾根部分に対して、スラリー状の砥粒をいろいろ
な方向から衝突させ、荒らして分断する。
【0035】ラッピングテープ等、固定砥粒の研削媒体
を用いた従来のテクスチャリングでは、砥粒が被加工面
との圧力に屈して逃げる率が低く、砥粒は被加工面に対
して1方向にのみ衝突する。従って、砥粒によるスクラ
ッチ溝の両側に材料の塑性変形による盛り上がりが形成
され、周囲の水準とはかけ離れた異常突起にまで成長す
る可能性がある。また、異常突起は別にしても、鋭い断
面の長い溝状の凹部と、これを挟む連続的な尾根部分と
が並列に無数に分布した微視的形状を有して、薄膜支持
面のテクスチャリングが構成されることになる。
【0036】このような鋭い凹凸を有する被加工面に対
して、ラップ盤等の摩擦媒体を用いて遊離砥粒を摺動さ
せると、摩擦媒体の圧力を大きく受ける凸部だけが選択
的に磨滅し、長時間の摺動を許すと凸部が全く平坦化さ
れてしまう。しかし、薄膜支持面の平坦な凸部は、磁性
薄膜形成後の磁気ディスク表面にも平坦な凸部を形成す
ることになり、(1) 磁気ヘッドに対する粘着の可能性を
高める、(2) 磁気ヘッドと磁気ディスクの間に空気を掻
き込む能力を低下する、(3) 磁性薄膜形成時の結晶成長
方向の制御を弱めて磁性薄膜の磁気異方性に悪影響を与
える、それぞれの可能性を残す。
【0037】スラリー方式仕上げ加工57では、従っ
て、テクスチャリング加工51〜56を通じて形成され
た磁気ディスク基板表面の線状の凹凸の尾根部分が磨滅
し尽くさない時間間隔が選択される。そして、テクスチ
ャリング加工51〜56を通じて形成された線状の凹凸
は、スラリー方式仕上げ加工57を通じて、凹凸の尾根
部分を平坦化させることなく、また、線状の凹凸の方向
性を大きく変化させることなく、その尾根部分を選択的
かつ効率的に細かく分断して、多数の小さなピークに分
割する。
【0038】スラリー方式仕上げ加工57によって仕上
げ加工された磁気ディスク基板の表面は、特有な微視的
形状を有する。すなわち、テクスチャリング加工51〜
56における研削媒体の固定砥粒で形成された凹凸の微
視的形状を大きく損なうことなく、尾根部分が多数のピ
ークに細かく分割され、ラッピングローラによる圧力を
特に大きく受ける異常突起は、磨滅して周囲の凹凸状態
に平均化される。
【0039】薄膜支持面のこのような微視的形状は、磁
性薄膜を積層すると、磁気ディスクの表面の凹凸状態に
そのまま転写さる。このとき、テクスチャリング加工5
1〜56のみで平坦に仕上げ加工された薄膜支持面や、
長時間に渡って遊離砥粒を摺動させて凸な部分を完全に
平坦化した薄膜支持面における積層に比較して、磁性薄
膜の結晶成長方向を大きく攪乱することがなく、必要な
磁気異方性が確保される。
【0040】そして、磁気ディスク表面における尾根部
分が多数のピークに細かく分割された微視的形状は、単
に溝部分と尾根部分が磁気ディスクの円周方向に伸びて
並列に配列される微視的形状に比較して、磁気ディスク
に加工された状態で、空気を磁気ヘッドと磁気ディスク
の間に掻き込む能力を増大させる。また、磁気ディスク
の回転に伴って磁気ヘッドの対向面における溝部分と尾
根部分の配列方向が変化した場合でも、空気の掻き込み
量が大きく変化しないで済む。
【0041】図6において、ほぼ同心円状に配列した無
数の微小な線状の凹凸をその薄膜支持面62に有する磁
気デイスク基板60は、矢印方向に回転駆動されるラッ
プ盤61に締結装置63を用いて固定される。スラリー
供給装置66は、平均粒径0.3μm のダイヤモンド砥
粒を水、界面活性剤、乳化材等と混和して形成したスラ
リー研磨液69の濃度を一定に保って、配管67を通じ
て、薄膜支持面62に定量づつ供給する。
【0042】円筒型の樹脂ローラにラッピングクロスを
巻いて形成されたラッピングローラ68は、その表面が
起毛状態で、起毛によってスラリー研磨液69を含浸
し、磁気ディスク基板60の薄膜支持面62に供給し、
薄膜支持面62を押圧してラップ盤61の回転に伴って
砥粒をひきずり、薄膜支持面62に形成された線状の微
小な凹凸に衝突させる。
【0043】ラッピングローラ68は、モータ65によ
って回転駆動されるが、ラッピングローラ68の回転軸
は、磁気ディスク基板60の直径方向と浅い角度で交差
するように設定されている。
【0044】このようにして実施されるスラリー方式仕
上げ工程57は、ラッピングローラ68の薄膜支持面6
2に対する圧力をごく小さく設定した状態で、ごく短い
時間間隔だけ実施される。そして、ラッピングテープを
用いたテクスチャリング加工51〜56によって形成さ
れた、薄膜支持面62の線状の微小な凹凸を余り損なう
ことなく、異常な凸部を選択的に磨滅させて周囲の凹凸
状態に平均化するとともに、溝状の凹部を挟む2つの尾
根部分を細かいピークに分断する。
【0045】ここでは、円筒状のラッピングローラ68
を用いて磁気ディスク基板60の薄膜支持面62をラッ
ピングしたが、例えば、大型の円板状のラップ面にスラ
リー状の研磨材を供給しながら、薄膜支持面62を下向
きにした状態で、磁気ディスク基板60をラップ面上で
遊星回転させる形式を採用してもよい。
【0046】図7は第2実施例の磁気デイスク基板の表
面加工装置の説明図である。ここでは、磁気ディスク基
板を偏心回転させながら、その薄膜支持面をテープラッ
ピングする。
【0047】図7において、薄膜支持面72を鏡面加工
したアルミニウム製の磁気ディスク基板70は、治具7
1に偏心状態で固定される。治具71は、モータ77で
駆動されるローラ78によって矢印方向に回転駆動され
る。従って、磁気ディスク基板70は、治具71の回転
に伴って、治具71の中心の回りを偏心回転する。
【0048】これに対して、ラッピングテープ76側の
機構は、薄膜支持面72に向かってラッピングテープ7
6を付勢するゴムローラ73、ゴムローラ73にラッピ
ングテープ76を供給する供給ボビン75、使用済みの
ラッピングテープ76を巻き取る巻き取りボビン74、
ゴムローラ73、供給ボビン75、巻き取りボビン74
の図示しない回転駆動装置、ゴムローラ73の薄膜支持
面72における単位面積当たり(接触長さ当たり)圧力
を一定に保つ図示しない付勢装置、ゴムローラ73、供
給ボビン75、巻き取りボビン74、回転駆動装置、付
勢装置、等の位置関係を一定に保った状態で全体を治具
71の直径方向に走査する走査機構、等で構成される。
【0049】以上のように構成された表面加工装置に磁
気ディスク基板70を装着して、まず、平均粒径2μm
のホワイトアランダム砥粒を固定した6000番ラッピ
ングテープ(76)を治具71の円周方向に供給しなが
ら、走査機構によって治具71の直径方向にも移動させ
て、磁気ディスク基板70の半径に比較して幅が狭いラ
ッピングテープ(76)を薄膜支持面72の全面に適用
して、薄膜支持面72を粗くテクスチャリング加工す
る。
【0050】次に、磁気ディスク基板70を治具71か
ら外して、60°回転した状態で再び治具71に固定す
る。これは、治具71の中心と磁気ディスク基板70の
中心を結ぶ方向に形成された、磁気ディスク基板70の
円周方向のテクスチャリングを次回のテープラッピング
で解消するためである。
【0051】そして、クリーニングテープを用いたクリ
ーニングを行って、薄膜支持面72に残留した砥粒を除
去した後に、平均粒径1μm のホワイトアランダム砥粒
を固定した8000番ラッピングテープ(76)を使用
した同様なテープラッピング53を行う。これにより、
薄膜支持面72には、6000番ラッピングテープによ
って形成されたスクラッチ傷に交差して、その尾根部分
を多数のピークに分割して、円周方向の傾向を残したま
ま全体としては明白ではない方向性を備えた微視的形状
のテクスチャリングが形成される。
【0052】次に、磁気ディスク基板70を再び治具7
1から外し、さらに60°回転した状態で再び治具71
に固定する。そして、クリーニングテープを用いたクリ
ーニング54を行った後に、平均粒径0.5μm のホワ
イトアランダム砥粒を固定した10000番ラッピング
テープを使用した同様なテープラッピングを行う。これ
により、薄膜支持面72には、6000番と8000番
のラッピングテープによって形成された交差したスクラ
ッチ傷にさらに交差して、その尾根部分を微小な無数の
ピークに分割して、円周方向の傾向を残したまま全体と
しては漠然とした方向性を備えた微視的形状のテクスチ
ャリングが形成される。
【0053】第2実施例では、治具71に磁気ディスク
基板70を偏心状態に取り付ける構成によって、磁気デ
ィスク基板70を揺動させるが、その他、例えば、(1)
磁気ディスク基板70を支持するスピンドルを曲げる、
(2) 偏心カムをスピンドルに押圧して湾曲させる、(3)
磁気ディスク基板の外周の3箇所をローラで支持して磁
気ディスク基板を回転駆動する構成とし、3個のローラ
を同期して偏心回転するものとする、等の方法を採用し
てもよい。
【0054】ラッピングテープの摺動部分(付勢用のゴ
ムローラ)を磁気ディスク基板の直径方向に相対移動さ
せる従来の機構が、専ら、狭い加工幅のラッピングテー
プを順送りして、磁気ディスク基板の幅広い被加工面に
適用する目的で設けられ、移動(送り)速度も磁気ディ
スク基板の回転速度に比較して低く設定されていたのに
対して、第2実施例の装置では、揺動振幅を小さく、揺
動速度を大きく設定できる。従って、薄膜支持面に、円
周方向と繰り返し交差する微細な短い線状の凹凸をも容
易に形成できる。
【0055】微細な短い線状の凹凸は、磁気ディスク基
板の回転に伴って薄膜支持面にランダムに積み重ねられ
て、円周方向の傾向を残した漠然とした凹凸を形成す
る。
【0056】このような薄膜支持面に磁性薄膜を積層す
ると、円周方向の傾向が従来どおりの磁気異方性を確保
させるが、同時に、円周方向の傾向を残した漠然とした
凹凸が磁気ディスクの表面にそのまま転写される。磁気
ディスクの表面に形成された漠然とした凹凸は、単に溝
部分と尾根部分が磁気ディスクの円周方向に伸びて並列
に配列される場合に比較して、空気を磁気ヘッドと磁気
ディスクの間に掻き込む能力が大きく、また、磁気ディ
スクの一周を通じた磁気ヘッド対向面における溝部分と
尾根部分の配列方向の変化を小さくする。
【0057】図8は第3実施例の磁気デイスク基板の表
面加工装置の説明図である。ここでは、4枚の磁気ディ
スク基板をほぼ同軸で回転させながら、その薄膜支持面
をスラリー状研磨材を用いてテクスチャリング加工す
る。
【0058】図8において、薄膜支持面82を鏡面加工
したアルミニウム製の磁気ディスク基板80は、磁気デ
ィスク基板80の外周に沿って配置した3個のゴムロー
ラ81によって支持されるとともに回転駆動される。3
個のゴムローラ81は、それぞれの軸端に設けたプーリ
83を歯付きベルト84で連結して、同期状態で同一方
向に回転駆動される。
【0059】これに対して、ラッピングローラ90側の
機構は、樹脂製の円筒の外周にラッピングクロスを巻い
て形成された一対のラッピングローラ90、ラッピング
ローラ90の軸端に設けた一対の歯車91、一方のラッ
ピングローラ90の軸端に設けたプーリ92、それぞれ
の磁気ディスク基板80に対して設けた4個のプーリ9
2を連動させて同一方向に回転させる歯付きベルト9
3、図示しないスラリー供給装置から配管88を通じて
供給されるスラリー状の研磨材87を、ラッピングロー
ラ90に沿った薄膜支持面82上の複数の位置に供給す
るノズル86、ラッピングローラ90、ラッピングロー
ラ90の駆動機構、スラリー状の研磨材87の供給装置
の位置関係を固定して、3個のゴムローラ81により保
持された磁気ディスク基板80に対して全体を上下方向
に移動可能とした図示しないロード・アンロード機構等
で構成される。
【0060】このように構成された表面加工装置では、
3個のゴムローラ81でそれぞれ回転駆動される4枚の
磁気ディスク基板80に対して、ラッピングローラ90
を回転させながら、上方からラッピングローラ90側の
機構全体を降ろして、一対のラッピングローラ90で磁
気ディスク基板80を挟み込み、ノズル86を通じたス
ラリー状の研磨材87の供給を開始させて、4枚の磁気
ディスク基板80の表裏の薄膜支持面82を同時にテク
スチャリング加工する。
【0061】ラッピングローラ90は、スラリー状研磨
材を磁気ディスク基板80の薄膜支持面82に向かって
付勢し、磁気ディスク基板80の回転に伴って、スラリ
ー状研磨材を薄膜支持面82上で引きずり、薄膜支持面
82に並列な無数のスクラッチ傷を形成する。
【0062】ここでは、円筒状のラッピングローラ90
を使用したが、ラッピングローラ90は、磁気ディスク
基板80の中心側で細くなる裁頭円錐状の外観に形成し
てもよい。裁頭円錐状の外観は、磁気ディスク基板80
の外側と中心側におけるラッピングローラ90と薄膜支
持面82の相対速度の差を小さくし、磁気ディスク基板
80の同一回転速度に対する、磁気ディスク基板80の
外側でのスクラッチ傷の状態を中心側での状態に近づけ
ることができる。
【0063】
【発明の効果】請求項1の磁気ディスク基板の表面加工
方法によれば、磁気ディスクの薄膜支持面の異常突起が
減るとともに、微細な線状の凹凸の尾根部分を無数の微
小なピークに分割するから、磁性体薄膜を積層した後の
磁気ディスク表面も同様な無数の微小のピークを持つも
のとなり、微細な線状の凹凸だけでテクスチャリング形
成されている場合に比較して、凹凸の配向の変化による
磁気ヘッドの浮力変化が小さくなる。従って、磁気ディ
スクの回転に伴って磁気ヘッドの対向面におけるテクス
チャリングの配向が変化しても、磁気ヘッドに作用する
加振力が余り大きくならず、特開平2−71429号に
示される程に厳密な粗さ管理を行わなくても、磁気ヘッ
ドと磁気ディスクのギャップが安定に維持され、磁気デ
ィスク表面に磁気ヘッドが衝突することもない。
【0064】また、円周方向に伸びたスクラッチ傷の凹
凸だけでテクスチャリング形成された磁気ディスク基板
による磁気ディスクに比較して、磁気ヘッドと磁気ディ
スクのギャップに空気を掻き込む性能が高いので、磁気
ヘッドを磁気ディスクに向かって付勢するバネ力を強く
設定でき、多少の外乱が作用してもギャップを変化させ
ることなく、安定して記録再生を実施できる。
【0065】さらに、薄膜支持面の微細な線状の凹凸の
円周方向の傾向をそのまま残しているので、磁性薄膜形
成時の結晶成長方向の制御を弱めて磁性薄膜の磁気異方
性に悪影響を与えることがなく、微細な凹凸の凸部を全
く平坦化しないので、磁性薄膜積層後の磁気ディスク表
面にも平坦な凸部を形成して、磁気ヘッドに対する粘着
の可能性を高めることもない。
【0066】請求項2の磁気ディスク基板によれば、磁
気ヘッドと磁気ディスクの間隔に空気を掻き込む能力が
高く、磁気ヘッドの摺動面積よりも大きなスケールで磁
気ディスクの円周方向に規則的な表面模様が形成されて
いても磁気ヘッドと磁気ディスクの間隔が安定に維持さ
れ、磁気ヘッドと磁気ディスクの走行中の間隔を従来よ
りも容易に狭く設定でき、接触した静止状態から磁気デ
ィスクを回転して再び静止させる動作を繰り返した際に
も磁気ヘッドが磁気ディスクに粘着する心配がない磁気
ディスクを提供できる。
【0067】請求項3の磁気ディスク基板の加工装置に
よれば、従来のラッピングテープ側を磁気ディスクの直
径方向に走査する方式に比較して、磁気ディスクと研削
媒体の相対移動を簡単な機構で実現できる。また、高速
度の走査や複雑な往復軌跡や磁気ディスク基板の回転と
同期した走査を容易に利用できるから、薄膜支持面に形
成されるテクスチャリングパターンの選択幅が広がる。
【0068】また、このようにして、磁気ディスクの円
周方向に斜めに交差するスクラッチ傷をいろいろな方向
で重ねて獲得される「円周方向の傾向を残した漠然とし
た方向性のテクスチャリング」は、特有の方向性(例え
ば円周方向)のテクスチャリングに比較して、磁性体薄
膜積層後の磁気ディスクにおいて、配向の変化による磁
気ヘッドの浮力変化が小さくなる。従って、磁気ディス
クの回転に伴って磁気ヘッドの対向面におけるテクスチ
ャリングの配向が変化しても、磁気ヘッドに作用する加
振力が余り大きくならず、磁気ヘッドと磁気ディスクの
ギャップが安定に維持される。
【0069】また、円周方向に伸びたスクラッチ傷の凹
凸だけでテクスチャリング形成された磁気ディスク基板
による磁気ディスクに比較して、磁気ヘッドと磁気ディ
スクのギャップに空気を掻き込む性能が高いので、磁気
ヘッドを磁気ディスクに向かって付勢するバネ力を強く
設定でき、多少の外乱が作用してもギャップを変化させ
ることなく、安定して記録再生を実施できる。
【0070】さらに、薄膜支持面の凹凸が円周方向の傾
向を残しているので、磁性薄膜形成時の結晶成長方向の
制御を弱めて磁性薄膜の磁気異方性に悪影響を与えるこ
とがない。
【0071】請求項4の磁気ディスク基板の加工装置に
よれば、磁気ディスク基板に対して研削媒体を相対移動
させる機構を極めて容易に構成できる。
【0072】請求項5の磁気ディスク基板の加工装置に
よれば、複数枚の磁気ディスク基板を一括して同様にテ
クスチャリング加工できる。従って、磁気ディスク基板
を1枚づつテクスチャリング加工する場合に比較して、
時間と設備と手間と所要コストが削減される。
【0073】請求項6の磁気ディスク基板の加工装置に
よれば、請求項4の磁気ディスク基板の加工装置による
と同様なテクスチャリングパターンを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の磁気ディスク基板の加工方法の説明
図である。
【図2】請求項2の磁気ディスク基板の説明図である。
【図3】請求項3の磁気ディスク基板の加工装置の説明
図である。
【図4】請求項4の磁気ディスク基板の加工装置の説明
図である。
【図5】第1実施例の磁気ディスク基板の加工方法の説
明図である。
【図6】図5のスラリー方式仕上げ加工に使用する装置
の説明図である。
【図7】第2実施例の磁気ディスク基板の加工装置の説
明図である。
【図8】第3実施例の磁気ディスク基板の加工装置の説
明図である。
【符号の説明】
11 表面加工方法 12 スラリー方式仕上げ加工 21 溝状の凹部 22 尾根部分 23 凹部 23 凸部 31 研削媒体 32 磁気ディスク基板 33 直径方向 34 薄膜支持面 35 線状の凹凸 36 揺動手段 41 磁気ディスク基板 42 薄膜支持面 43 摩擦媒体 44 スラリー状研磨材 45 基板支持手段
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 真 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 高木 將宏 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 山川 栄進 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒が表面に固定された研削媒体を、回
    転する磁気ディスク基板の薄膜支持面に摺動させて、該
    薄膜支持面に微細な線状の凹凸を形成する磁気デイスク
    基板の表面加工方法(11)において、 表面性状が柔軟で前記薄膜支持面よりも柔らかな摩擦媒
    体を用いて、前記砥粒よりも細径の砥粒のスラリー状研
    磨材を、前記薄膜支持面で、前記砥粒による線状の凹凸
    の尾根部分が磨滅し尽くさない時間間隔だけ摺動させる
    後工程(12)を付加したことを特徴とする磁気ディス
    ク基板の表面加工方法。
  2. 【請求項2】 深くて長い溝状の凹部(21)を挟む2
    条の尾根部分(22)が浅くて狭くて短い凹部(23)
    で分断されて、平坦な頂上の凸部(24)がごく少な
    く、深い凹部(21)よりも微細で高密度な凸部(2
    4)を分布させた微視的性状をその表面に有することを
    特徴とする磁気ディスク基板。
  3. 【請求項3】 砥粒が表面に固定された研削媒体(3
    1)を、回転する磁気ディスク基板(32)を横切る方
    向(33)に相対移動させながら、該磁気ディスク(3
    2)の薄膜支持面(34)に摺動させて、該薄膜支持面
    (34)に、その円周方向に交差する方向の微細な線状
    の凹凸(35)を形成する磁気デイスク基板の表面加工
    装置において、 前記横切る方向(33)に磁気ディスク(32)を揺動
    させる揺動手段(36)を、前記磁気ディスク(32)
    の回転を支持する機構に付加したことを特徴とする磁気
    デイスク基板の表面加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の磁気デイスク基板の表面加工
    装置において、前記磁気ディスク基板の中央に形成され
    た貫通孔に挿入されて前記磁気ディスク基板を回転駆動
    するスピンドルを有するとき、前記揺動手段は、前記ス
    ピンドルに対して前記磁気ディスク基板を偏心状態で装
    着する装着機構を有する前記スピンドル自身で構成され
    ることを特徴とする磁気ディスク基板の表面加工装置。
  5. 【請求項5】 回転する磁気ディスク基板(41)の薄
    膜支持面(42)に対して、表面性状が柔軟で前記薄膜
    支持面よりも柔らかな摩擦媒体(43)を用いて、砥粒
    を液体中に分散したスラリー状研磨材(44)を摺動さ
    せて、前記薄膜支持面(42)に微細な線状の凹凸を形
    成する磁気デイスク基板の表面加工装置において、 複数枚の磁気ディスク基板(41)のそれぞれの外周を
    少なくとも3箇所で支持して、それぞれの回転中心をほ
    ぼ一直線上に揃えた状態で、同一方向に回転駆動する基
    板支持手段(45)を設けるとともに、 前記摩擦媒体(43)を、回転体形状の外観に形成され
    てほぼ逆方向に回転駆動される一対のものとして、それ
    ぞれの前記磁気ディスク基板(41)を挟み込む形式に
    複数対配置したことを特徴とする磁気ディスク基板の表
    面加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の磁気デイスク基板の表面加工
    装置において、前記一対の摩擦媒体は、円筒型の外観に
    形成されて回転軸がほぼ平行に配置され、該回転軸は、
    少なくとも前記薄膜支持面の加工中に、前記磁気ディス
    ク基板の直径方向と交差する方向に配置され、これによ
    り、前記砥粒が前記薄膜支持面をその円周方向に対して
    斜めに摺動することを特徴とする磁気ディスク基板の表
    面加工装置。
JP29607192A 1992-11-05 1992-11-05 磁気ディスク基板の表面加工方法、磁気ディスク基板、および磁気ディスク基板の表面加工装置 Withdrawn JPH06150305A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07210864A (ja) * 1993-12-24 1995-08-11 Exclusive Design Co Inc ハードディスク媒体製造装置
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