JP2006267963A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘導加熱を対象としてさらなるウォームアップ時間の短縮および消費電力の削減を図り、加えて定着部材の温度の不均一を防止する。
【解決手段】 転写されたトナー像を被転写材に熱処理で定着させる定着部材30と、この定着部材30に当接して用紙Pを通過させるニップ部Nを形成する加圧部材40とを備えてなる定着装置20であり、定着部材30は、表面側に用紙Pが当接される筒状の金属層32と、この金属層32に向けて磁気を供給して誘導加熱する誘導コイル34とを備え、金属層32は、誘導コイル34側に形成された非磁性金属からなる非磁性金属層321と、この非磁性金属層321に積層された感温金属からなる感温金属層322とからなり、非磁性金属層321は、定着部材30が発する発熱量が感温金属層322単体における発熱量よりも大きくなるように厚み寸法が設定されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複写機やファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置に適用される定着装置に関するものであり、特に誘導加熱によってトナー像の被転写材に対する定着処理を施す定着装置に関するものである。
画像形成装置は、画像情報に基づく光線を回転している感光体ドラムの周面に照射し、これによって前記周面に形成された静電潜像に現像剤としてのトナーを供給してトナー像を形成させるようになされている。感光体ドラムの周面に形成されたトナー像は、搬送されてきた被転写材としての用紙に転写され、定着装置において加熱による用紙への定着処理が施されるようになっている。定着処理済みの用紙は装置本体から外部に排出される。
定着装置は、通常、高温に加熱される定着ローラと、周面がこの定着ローラの周面に当接状態で対向配置された加圧ローラとを備えて構成され、これら両ローラ間のニップ部に用紙を供給することによって定着処理を施すようになっている。従来、定着ローラの加熱源として当該定着ローラに内装されたハロゲンランプが採用されていたが、熱効率が劣り、かつ、ウォームアップ(加熱の立ち上がり)に長時間を要することから迅速性に欠けるという欠点がある。かかる欠点を解消するべく定着ローラの低熱容量化や薄肉化が図られているが、それにも限界がある。
そこで、近年、特許文献1に記載されているような誘導加熱により定着ローラを加熱する誘導加熱方式の定着装置が注目されている。この誘導加熱方式の定着装置は、定着ローラが良熱伝導性でかつ非磁性の中空金属ローラと、この中空金属ローラ外周に形成された磁性金属からなる磁性金属薄層とから構成されている。かかる定着ローラの内部に誘導コイルが設けられ、この誘導コイルの励起によって磁性金属薄層に渦電流を発生させることによるジュール熱で定着ローラを加熱するようになっている。
かかる誘導加熱方式の定着装置を採用することにより、従来のハロゲンランプ方式のものに比べて定着ローラの昇温速度が格段に速くなるため、定着装置のウォームアップの迅速化が実現するが、あまりに迅速に昇温するため定着ローラが過加熱されるという新たな問題点が提起される。かかる問題点を解消するために、定着ローラの温度をサーミスタやサーモスタット等の温度センサで検出し、予め設定された温度以上に高温になった場合に誘導コイルへの電力の供給を遮断するフィードバック制御が採用されるが、タイムラグによってこれら温度センサの検出信号の出力が誘導加熱による温度上昇に追随することができず、定着ローラが過加熱されてしまうことがあるという不都合が存在する。
また、薄肉化に伴い定着ローラは、長手方向に向かう熱の移動がスムーズに行われ難くなる傾向となるため、加熱幅より小さい用紙を連続通紙した場合、用紙の通過する頻度が少ない両端部に熱がこもりがちになり、この状態で幅広の用紙に定着処理を施すと、当該用紙のトナー像が定着ローラに融着してしまって次の用紙に転写される、いわゆるオフセット現象が生じるなどの画像不良を引き起こすという不都合も発生する。
このような不都合を解消するために、特許文献2には、図11に示すように、定着ローラ90を筒状の感温金属製の感温金属層91と、この感温金属層91の外周面に同心で積層されてなる非磁性金属製の非磁性金属層92とを備えて構成し、筒状を呈した感温金属層91の内部には磁気を発生させる誘導コイル93の設けられたものが記載されている。かかる定着ローラ90において、感温金属層91の厚み寸法t(m)は、以下の不等式を満足するように設定されている。
503×√(ρ/(μs×f))<t<503×√(ρ/(1×f))
(但し、ρ:感温金属の固有抵抗(Ω・m)、f:誘導コイル電源周波数(Hz)、μs:感温金属のキュリー温度以下の比透磁率)。
なお、この式において「503×√(ρ/(μs×f))」は、感温金属層91がキュリー温度(転移温度)以下のときの磁気の浸透深さであり、「503×√(ρ/(1×f))」は、感温金属層91がキュリー温度以上のときの磁気の浸透深さである。
そして、このように構成された定着ローラ90を採用することにより、感温金属層91がキュリー温度以下のときは、磁気の浸透深さが感温金属層91の厚みより小さくなるため、これによって発生する渦電流に対する負荷(電気抵抗)が増大し(すなわち、狭い領域に電流が流れることにより渦電流密度が増大して負荷が増大し)、図11の(イ)に矢印で示すように、磁気の流れが電気抵抗の大きな感温金属層91内を軸方向に走るようになり、これによって渦電流に起因した負荷による大きな発熱量(ジュール熱)により感温金属層91は速やかに加熱されることになる。
この加熱によって感温金属層91の温度がキュリー温度を越えると、磁気の浸透深さが感温金属層91の厚みより大きくなるため、磁気は、非磁性でかつ感温金属層91より低抵抗率の非磁性金属層92にまで到達し、図11の(ロ)に示すように、当該低抵抗率の非磁性金属層92を軸心方向に向けて走ることになり、これよって発熱量が抑えられて定着ローラ90の過加熱が抑制されることになる。
従って、このような定着ローラ90を採用すれば、定着ローラ90の温度をサーミスタやサーモスタット等の温度センサで検出して当該定着ローラ90の温度を抑える制御を行うことなく(すなわち、制御を行った場合には検出信号の出力遅れによるタイムラグが生じるが、かかるタイムラグのない状態で)、定着ローラ90が過加熱するのを防止することが可能になるという作用効果が得られる。
因みに、特許文献2に記載の定着ローラ90にあっては、感温金属層91として鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金が採用されていると共に、非磁性金属層92としてアルミニウム(Al)が採用されている。
特開平9−127810号公報 特開2004−151470号公報
しかしながら、特許文献2に記載の定着装置にあっては、誘導加熱による加熱効率(特に立ち上がり時(ウォームアップ時)の昇温速度)が感温金属の特性(具体的にはキュリー温度以下における比抵抗と透磁率の値)にのみ依存し、加熱効率のさらなる向上等を図ることができないという解決課題が存在する。
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、誘導加熱を対象としてさらなるウォームアップ時間の短縮と消費電力の削減とを図ることができ、加えて定着部材の温度の不均一、特に定着部材の端部の異常昇温を抑制することができる定着装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、転写されたトナー像を被転写材に熱処理で定着させる定着部材と、この定着部材に当接して被転写材を通過させるニップ部を形成する加圧部材とを備えてなる定着装置であって、前記定着部材は、表面側に被転写材が当接される筒状の金属層と、この金属層に向けて磁気を供給して誘導加熱する誘導コイルとを備え、前記金属層は、前記誘導コイル側に形成された非磁性金属からなる非磁性金属層と、この非磁性金属層に積層された感温金属からなる感温金属層とからなり、前記非磁性金属層は、当該定着部材から発せられる発熱量が前記感温金属層単体における発熱量よりも大きくなるように厚み寸法が設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、非磁性金属層の厚み寸法を磁気の浸透深さより薄く設定しておくことにより、誘導コイルから供給された磁束は、まず非磁性金属層を透過して感温金属層に到り、当該感温金属層内を走ってから再度非磁性金属層を透過して誘導コイルに戻ることになる。従って、定着部材は、感温金属層のキュリー温度以下の条件下におけるジュール加熱に加えて、非磁性金属層のジュール加熱によっても加熱されるようになる。
このような構成において、本発明者は、非磁性金属層の厚み寸法を所定範囲に設定することにより、当該非磁性金属層が渦電流負荷を適正化する調整層として機能することを見出した。すなわち、非磁性金属層の厚み寸法を採用する材料に応じて調整することで、感温金属層単体の場合よりも、感温金属層と非磁性金属層とを組み合わせた場合の方が渦電流負荷を小さくすることができ(渦電流負荷を低減でき)、もって当該定着部材から発せられる発熱量を感温金属層単体における発熱量よりも大きくなるようにできることを見出したものである。上記の構成は、かかる知見に基づくものであって、これにより被加熱体に効率よく熱エネルギーを伝達できるようになる。
なお、感温金属層は、その製造・加工条件によって透磁率が変化し易いという不安定さを有している。従って、渦電流負荷も不安定さが否めないが、上記構成のように渦電流負荷の調整層としての非磁性金属層を付設することで、渦電流負荷の安定化、つまり狙い通りの渦電流負荷値を容易に設定できるようにすることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記非磁性金属層は、非磁性金属である銅によって形成され、かつ、厚み寸法が7.0μm以下に設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、非磁性金属層として熱放射率の低い銅を採用することにより、誘導コイルが加熱された定着部材から受ける熱量が少なくなり、これによって誘導コイルが焼損するような不都合の発生が有効に防止される。また、銅からなる非磁性金属層の厚み寸法を、少なくとも7.0μm以下に設定することにより、感温金属層と銅からなる非磁性金属層とを組み合わせた場合の渦電流負荷を適正化できるようになる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記非磁性金属層は、非磁性金属であるアルミニウムによって形成され、かつ、厚み寸法が11.0μm以下に設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、非磁性金属層として熱放射率の低いアルミニウムを採用することにより、誘導コイルが加熱された定着部材から受ける熱量が少なくなり、これによって誘導コイルが焼損するような不都合の発生が有効に防止される。また、アルミニウムからなる非磁性金属層の厚み寸法を11.0μm以下に設定することにより、感温金属層とアルミニウムからなる非磁性金属層とを組み合わせた場合の渦電流負荷を適正化できるようになる。さらに、アルミニウムは銅より廉価な材料であるため、定着装置の製造コストの低減化に貢献する。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記非磁性金属層は、非磁性金属である非磁性ステンレススチールによって形成され、かつ、厚み寸法が300μm以下に設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、非磁性ステンレススチールからなる非磁性金属層の厚み寸法を、少なくとも300μm以下に設定することにより、感温金属層と非磁性ステンレススチールからなる非磁性金属層とを組み合わせた場合の渦電流負荷を適正化できるようになる。また、非磁性ステンレススチールは、ヤング率が高く丈夫な材料であるため、定着部材を構成する構造材として利用することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記感温金属層は、感温金属単体の渦電流負荷が0.003Ω以下となるように厚み寸法が設定されていることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記感温金属層は、感温金属である鉄とニッケルとの合金によって形成され、かつ、厚み寸法が200μm以上に設定されていることを特徴とするものである。
なお、上述した発明の構成において、渦電流負荷とは、以下の式によって定義される負荷のことである。
R=ρ/z
但し、Rは、渦電流負荷(Ω)、ρは、比抵抗(Ω・m)、zは、渦電流が発生する深さ(すなわち磁気の浸透深さ)(m)である。この渦電流負荷Rは、感温金属層の厚み寸法d(m)が磁気の浸透深さより薄い場合、この感温金属層の厚み寸法dに律されて
R=ρ/d
となる。このことは、感温金属層の渦電流負荷Rの値をその厚み寸法dによって設定し得ることを示している。
一方、感温金属層の渦電流負荷Rが0.003Ωを越えると、感温金属層のジュール熱による発熱量が過大になりすぎて定着部材が過加熱されるという不都合の生じることが実験的に確認されている。従って、前記の「R=ρ/d」という式から渦電流負荷Rが0.003Ω以下になる感温金属層の厚み寸法dを逆算し、この厚み寸法dより厚くなるようにすることによって定着部材の過加熱が防止される(請求項5)。この感温金属層の厚み寸法dは、感温金属が鉄とニッケルとの合金である場合200μm(請求項6)である。
従って、請求項5および6の発明によれば、感温金属層の厚み寸法dをこのように設定した状態(すなわちジュール熱による発熱量を低く抑えた状態)で加熱すると、コイルの電源での損失(発熱)が大きくなり、非効率になるだけでなく、コイル電源の焼損につながりかねない。このような状態を防止するために、電源内部に予め負荷検出回路を備えておくことり、一定負荷以下になるとアラームもしくは自動停止機能によって加熱出力を停止するようにし得るので、結果として定着部材の過加熱が防止される。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記感温金属層は、前記感温金属のキュリー温度が定着部材の過昇温を防止し得る温度に設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、感温金属層のキュリー温度が定着部材の過昇温を防止し得る温度に設定されているため、感温金属層がジュール熱によって過加熱されることにより定着部材が異常な高温になることが有効に防止される。
請求項1記載の発明によれば、渦電流負荷の調整層として非磁性金属層を機能させることで、定着部材から発せられる発熱量を感温金属層単体における発熱量よりも大きくすることができる。従って、被加熱体に効率よく熱エネルギーを伝達でき、加熱効率を向上させることができると共に、ウォームアップ時間の短縮化を実現することができる。また、感温金属層の透磁率不安定さも非磁性金属層の付設により補うことができ、所望の渦電流負荷に設定することが容易となる。
請求項2記載の発明によれば、非磁性金属層として熱放射率の低い銅が採用されているため、誘導コイルが加熱された定着部材から受ける熱量が少なくなり、これによって誘導コイルが焼損するような不都合の発生を有効に防止することができる。また、銅からなる非磁性金属層の厚み寸法を、少なくとも7.0μm以下に設定することにより、感温金属層と銅からなる非磁性金属層とを組み合わせた場合の渦電流負荷を適正化できるようになる。
請求項3記載の発明によれば、非磁性金属層として熱放射率の低いアルミニウムを採用されているため、誘導コイルが加熱された定着部材から受ける熱量が少なくなり、これによって誘導コイルが焼損するような不都合の発生を有効に防止することができる。また、アルミニウムからなる非磁性金属層の厚み寸法を少なくとも11.0μm以下に設定することにより、感温金属層とアルミニウムからなる非磁性金属層とを組み合わせた場合の渦電流負荷を適正化できるようになる。さらに、アルミニウムは銅より廉価な材料であるため、定着装置の製造コストの低減化に貢献することができる。
請求項4記載の発明によれば、非磁性ステンレススチールからなる非磁性金属層の厚み寸法が少なくとも300μm以下に設定されているため、感温金属層と非磁性ステンレススチールからなる非磁性金属層とを組み合わせた場合の渦電流負荷を適正化できるようになる。また、非磁性ステンレススチールは、ヤング率が高く丈夫な材料であるため、定着部材を構成する構造材として利用することができる。
請求項5記載の発明によれば、感温金属単体の渦電流負荷が0.003Ω以下となるように厚み寸法が設定されており、また請求項6記載の発明によれば、感温金属層を感温金属である鉄とニッケルとの合金によって形成し、かつ、厚み寸法を200μm以上に設定している。このように渦電流負荷若しくは厚み寸法を設定することで、高周波電源側における負荷変動の検知を容易に行うことができ、結果として定着部材の過加熱を確実に防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、感温金属層のキュリー温度が定着部材の過昇温を防止し得る温度に設定されているため、感温金属層がジュール熱によって過加熱されることにより定着部材が異常な高温になることを有効に防止することができる。
まず、本発明に係る現像装置が適用された画像形成装置の一例であるプリンタについて図1を基に説明する。図1は、プリンタの一実施形態を示すその内部構造の概要を説明するための正面断面視の説明図である。この図に示すように、プリンタ10(画像形成装置)10は、印刷処理に供する用紙(被転写材)Pを貯留する用紙貯留部12と、この用紙貯留部12に貯留された用紙束P1から繰り出された1枚ずつの用紙Pに対して画像の転写処理を施す転写部13と、この転写部13で転写処理の施された用紙Pに対して定着処理を施す定着部14とが装置本体11に内装されると共に、定着部14で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部15が装置本体11の頂部に設けられることによって構成されている。
前記用紙貯留部12には、所定数(本実施形態では1つ)の用紙カセット121が装置本体11に対して挿脱自在に設けられている。用紙カセット121の上流端(図1の右方)には、用紙束P1から1枚ずつの用紙Pを繰り出させるピックアップローラ122が設けられている。このピックアップローラ122の駆動によって用紙カセット121から繰り出された用紙Pは、給紙搬送路123およびこの給紙搬送路123の下流端に設けられたレジストローラ対124を介して転写部13に給紙されるようになっている。
前記転写部13は、コンピュータ等から電送された画像情報に基づき用紙Pに転写処理を施すものであり、前後方向(図1の紙面と直交する方向)に延びるドラム心回りに回転可能に設けられた感光体ドラム131の周面に沿うように、当該感光体ドラム131の直上位置から時計方向に向けて帯電器132、露光装置133、現像装置134、転写ローラ135およびクリーニング装置136が配設されることによって形成されている。
前記感光体ドラム131は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成させるためのものであり、周面にアモルファスシリコン層が積層され、これによってこれらの像を形成させるのに適したものになっている。
前記帯電器132は、ドラム心回り時計方向に回転している感光体ドラム131の周面に一様な電荷を形成させるものであり、図1に示す例では、コロナ放電によって感光体ドラム131の周面に電荷を付与する方式が採用されている。なお、感光体ドラム131の周面に電荷を付与する部材として帯電器132に代えて周面が感光体ドラム131の周面と当接しながら従動回転しつつ電荷を付与する帯電ローラを採用してもよい。
前記露光装置133は、コンピュータ等の外部の機器から電送されてきた画像データに基づき強弱の付与されたレーザー光を回転している感光体ドラム131の周面に照射し、これによる感光体ドラム131周面のレーザー光が照査された部分の電荷の消去によって当該感光体ドラム131の周面に静電潜像を形成させるものである。
前記現像装置134は、感光体ドラム131の周面にトナーを供給することによって周面の静電潜像が形成された部分にトナーを付着させ、これによって感光体ドラム131の周面にトナー像を形成させるものである。
前記転写ローラ135は、感光体ドラム131の直下位置に送り込まれた用紙Pに対して当該感光体ドラム131の周面に形成されているプラスに帯電したトナー像を用紙Pに転写させるものであり、トナー像の電荷と逆極性であるマイナスの電荷を用紙Pに付与するようになっている。
従って、感光体ドラム131の直下位置に到達した用紙Pは、転写ローラ135と感光体ドラム131とによって押圧挟持されつつ、プラスに帯電した感光体ドラム131周面のトナー像がマイナスに帯電した用紙Pの表面に向けて引き剥がされ、これによって用紙Pに対し転写処理が施されることになる。
前記クリーニング装置136は、転写処理後の感光体ドラム131の周面に残留しているトナーを取り除いて清浄化するためのものである。この転写ローラ136によって清浄化された感光体ドラム131の周面は、次の画像形成処理のために再び帯電器132へ向かうことになる。
前記定着部14は、転写部13によって転写処理の施された用紙Pのトナー像に加熱による定着処理を施すものであり、用紙Pに熱を加える定着部材30と、この定着部材30の下部に対向配置された加圧部材40とを有する定着装置20備えて構成されている。そして、転写処理後の用紙Pは、定着部材30と加圧部材40との間に形成されたニップ部Nへ向けて送り込まれ、当該ニップ部Nを通過することによって、定着部材30からの熱を得て定着処理が施されるようになっている。定着処理の施された用紙Pは、排紙搬送路143を通って排紙部15へ排出されることになる。
前記排紙部15は、装置本体11の頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ151が形成されている。
図2は、定着装置20の第1実施形態を示す一部切り欠き斜視概略図である。また、図3は、そのA−A線断面図であり、図4は、そのB−B線断面図である。これらの図においては、定着ローラ31および加圧ローラ軸41の厚み寸法を誇張して示している。まず、図2に示すように、定着装置20は、箱形を呈した筐体21内に定着部材30および加圧部材40が装着されることによって形成されている。
前記定着部材30は、筐体21内の上部位置に装着された筒状の定着ローラ31と、この定着ローラ31に内装された誘導コイル34とを備えている。前記定着ローラ31は、筐体21内の上部に、用紙搬送方向(図2に白抜き矢印で表示)と直交する用紙幅方向に延びた筒心310(図3)回りに回転可能に装着されている。かかる定着ローラ31は、筐体21の外部に設けられた図略の駆動モータの駆動で筒心310回りに時計方向に向けて駆動回転されるようになっている。かかる定着部材30は、本実施形態においては、外径寸法が40mmに設定されているが、定着部材30の外径寸法が40mmであることい限定されるものではなく、状況に応じて最適の径寸法を設定することができる。
前記加圧部材40は、筐体21内の下部において外周面を定着ローラ31の外周面に当接させた状態で当該定着ローラ31と平行に配設されている。かかる加圧部材40は、筐体21の両側壁間に軸心回りに回転自在に架設された加圧ローラ軸41と、この加圧ローラ軸41回りに回転可能に同心で軸支された加圧ローラ42とを備えて構成されている。
前記加圧ローラ42は、弾力性を有するシリコンゴム等のエラストマーによって形成され、これによって周面が、図3に示すように、定着ローラ31の周面に押圧当接された状態で径方向の内方に向けて弾性変形するようになっている。かかる加圧ローラ42は、定着ローラ31の筒心310回りの駆動回転に従動して回転するようになっている。加圧ローラ42の定着ローラ31に対して当接する位置には、用紙Pをニップして通過させるニップ部Nが形成されている。従って、定着ローラ31および加圧ローラ42が互いに逆方向に回転した状態で画像形成部13から送り込まれた用紙Pは、弾性変形している加圧ローラ軸41により表面が定着ローラ31に押圧されつつニップ部Nを通過しながら定着ローラ31により加熱され、これによって溶融したトナーが用紙Pの表面に溶着される定着処理が施されるようになっている。
前記誘導コイル34は、図2に示すように、定着ローラ31内に長手方向に延びるように装着された磁性材料製のコア341における上下の鍔部間に長手方向に向かうように巻回されている。かかる各誘導コイル34に誘導加熱用電源としての図略の高周波発生回路からの電力が供給されるようになっている。そして、誘導コイル34に誘導加熱用電力が供給されることにより、誘導コイル34のコア341の一方の鍔部から出力された磁力線の束(磁束)が、図5に矢印で示すように、定着ローラ31内を走り、誘導コイル34のコア341の他方の鍔部へ向かうことになる。そして、このような磁束の流れによって定着ローラ31内には渦電流が励起され、これによるジュール発熱で定着ローラ31が加熱されるようになっている。
前記定着ローラ31は、誘導加熱により当該定着ローラ31を加熱する金属層32と、この金属層32の周面に積層された樹脂層33とを備えて構成されている。樹脂層33は、金属層32の周面を保護するためと、用紙Pに対する剥離性を確保するために設けられるものであり、シリコンゴム等の弾性材料によって形成された弾性層331と、この弾性層331の周面に積層されたPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)等からなる剥離層332とからなっている。本実施形態においては、弾性層331は、厚み寸法が略100μmに設定されていると共に、剥離層332は、厚み寸法が略50μmに設定されている。
前記金属層32は、図3および図4に示すように、非磁性金属からなる環状の非磁性金属層321と、この非磁性金属層321の外周面に積層された感温金属からなる感温金属層322とからなっている。本実施形態においては、前記非磁性金属として銅、アルミニウムおよび非磁性ステンレススチールの内のいずれかが採用される。
前記感温金属は、温度により磁気特性が変化する金属のことであり、本実施形態においては鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金によって形成されたものが採用されている。このような感温金属は、磁気特性が変化する磁気転移温度(キュリー温度)を境にして、磁気の浸透深さが変化する性質を有している。本実施形態においては、感温金属を構成する鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金比率を調節することによってキュリー温度を略200℃になるようにしている。因みに、非磁性金属においては、そもそも磁気を帯びないため、キュリー温度が存在しない。
そして、本発明においては、誘導コイル34側に設けられた非磁性金属層321を透過する磁束によるジュール発熱と、この非磁性金属層321を透過した後の磁束による感温金属層322のジュール発熱との双方を利用することによって定着ローラ31の加熱の立ち上がり(ウォームアップ)をより迅速に行い得るようにすると共に、消費電力を削減し得るようになされている。
以下、本発明において重要な役割を果たす金属の磁気の浸透深さについて説明する。金属の磁気の浸透深さは、つぎの(i)式によって表される。
σ=503×√(ρ/(μ×f))・・・(i)
(但し、σ:磁気の浸透深さ(m)、ρ:比抵抗(Ω・m)、f:誘導加熱電源周波数(Hz)、μ:比透磁率(感温金属の場合キュリー温度以下のときの透磁率))
(i)式は、対象となる金属が非磁性金属であるか感温金属であるかに拘らず成立する式であるが、特にその金属が感温金属の場合、当該感温金属がキュリー温度以下において成立する式である。因みに、キュリー温度以上の場合、感温金属の磁気の浸透深さσは後述の(ii)式のようになる。
(i)式から判るように、磁気の浸透深さσは、金属の固有抵抗ρの平方根に比例する一方、比透磁率μおよび誘導加熱電源周波数fの平方根に反比例するようになっている。従って、金属の比抵抗ρの値が大きくなる程磁気の浸透深さσは深くなる一方、比透磁率μおよび誘導加熱電源周波数fが大きくなればなる程磁気の浸透深さσが浅くなるのが判る。通常、金属のキュリー温度以下の比透磁率μの値は1より相当大きい。
これに対し、感温金属の場合においては、キュリー温度を越えると、当該感温金属の磁気の浸透深さσは、以下の(ii)のようになる。
σ=503×√(ρ/(1×f))・・・(ii)
(但し、σ:磁気の浸透深さ(m)、ρ:比抵抗(Ω・m)、f:誘導加熱電源周波数(Hz)、μ=1:感温金属のキュリー温度以上の比透磁率)
すなわち、感温金属においては、キュリー温度を越えると、比透磁率μの値が最小の「1」になってしまうため、その分磁気の浸透深さσが深くなることになる。なお、本実施形態においては、誘導加熱電源周波数fは、30kHzに設定されている。
つぎに、金属が磁界中に存在することにより励起される渦電流の負荷について説明する。渦電流負荷Rは、以下の(iii)式によって表現される。
R=ρ/z・・・(iii)
(但し、R:渦電流負荷(Ω)、ρ:比抵抗(Ω・m)、z:渦電流が発生する深さ(m))
すなわち、渦電流負荷Rは、その金属の比抵抗ρに比例する一方、渦電流発生深さzに反比例するため、同一の比抵抗ρを有する金属については、渦電流発生深さzが深くなる程渦電流負荷Rは小さくなることが判る。
一方、金属の厚み寸法を渦電流発生深さz(すなわち磁気の浸透深さσ)より薄くすると、渦電流負荷Rは、以下の(iv)式のようになる。
R=ρ/d・・・(iv)
(但し、d:金属の厚み寸法d(d<z=σ))
表1は、金属の厚み寸法dを磁気の浸透深さσより厚くした場合(d>σ)、すなわち厚み寸法dに律されない状態における非磁性金属および磁性金属の渦電流負荷Rを示した一覧表である。なお、誘導加熱電源周波数fとして30kHzを採用している。
Figure 2006267963
表1から判るとおり、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、非磁性ステンレススチール(SUS304)等の非磁性金属は、磁気の浸透深さσが磁性金属に比べて極めて深いため、両者間で1桁程度しか差がない比抵抗ρの値を磁気の浸透深さσで除した値である渦電流負荷Rは、磁性金属に比べて非常に小さく、従って誘導加熱は可能であるものの加熱効率が悪いのである。そこで、非磁性金属を用いて誘導加熱を行うに際しては、誘導加熱電源の周波数fを200kHzにまで上げて磁気の浸透深さσを浅くするのが一般的であるが(前記(i)式および(ii)式参照)、このようにすると電源コスト(電力コスト)が大幅に増大する。
そこで、本発明においては、前記(iv)式に注目して非磁性金属層321の厚み寸法dを充分に薄くし、これによる渦電流負荷Rの増大と、非磁性金属層321を透過した磁束の感温金属層322でのジュール熱による加熱とを組み合わせることにより定着ローラ31のウォームアップ時の迅速な加熱を確保すると共に、定着ローラ31の過加熱を防止するようになされている。
そして、本発明においては、定着ローラ31の過昇温を防止するために、感温金属層322は、その温度がキュリー温度異常になると比透磁率μが最小値である「1」になるという性質(すなわち比透磁率μの値が「1」より格段に大きい場合の前記(i)式により計算される磁気の浸透深さσより比透磁率μの値が「1」である前記(ii)式により計算された磁気の浸透深さσの値が格段に大きくなるという性質)を利用する(すなわち、磁気の浸透深さσが深くなるとその分渦電流負荷Rの値が小さくなってジュール熱による発熱量が少なくなるという性質を利用する)と共に、誘導コイル34に高周波電力を供給する図略の高周波電源は、本来的にその回路構成によって感温金属層322がキュリー温度以上になった状態でこのときの感温金属層322の大きな負荷の変動を検出し、この検出結果に基づいて誘導コイル34への電力供給を停止するように構成されている点を利用するようにしている。
すなわち、感温金属層322がキュリー温度以上に加熱されると、比透磁率μが「1」になって感温金属層322の渦電流負荷Rが大幅に低くなるため、感温金属層322内でのジュール発熱量が小さくなる一方、過大な電流が誘導コイル34に供給されるようになり(高周波電源の所定の回路内で短絡が生じたような状態になり)、この急激で、かつ、大幅な電流の増加が検出されて高周波電源からの誘導コイル34への電力の供給が一時的に遮断され、これによって定着ローラ31の過加熱が防止されるので、これらの作用で定着ローラ31の過加熱が防止されるのである。
表2に60%の鉄(Fe)と40%のニッケル(Ni)との合金からなる感温金属層322のキュリー温度未満およびキュリー温度以上のそれぞれについて誘導加熱に関する各種データおよび渦電流負荷Rの値を示す。
Figure 2006267963
表2から判るように、感温金属層322の温度がキュリー温度未満の場合、比透磁率μは10000と非常に大きいため、誘導加熱電源周波数fを30kHzとした場合、磁気の浸透深さσは0.0225mm(2.25×10−5m)となり、前記(iii)式から渦電流負荷Rは2.67×10−2Ω(6.0×10−7/2.25×10−5)になるのに対し、感温金属層322の温度がキュリー温度以上になると、磁気の浸透深さσは2.25mm(2.25×10−3m)と深くなり、これによって渦電流負荷Rは2.67×10−4(6.0×10−7/2.25×10−5)と2桁も小さくなっている。
かかる感温金属層322の厚み寸法については、感温金属のキュリー温度以上の非磁性金属層321と感温金属層322とを合わせた総渦電流負荷ΣRが、感温金属のキュリー温度未満の非磁性金属層321と感温金属層322とを合わせた総渦電流負荷ΣR′の略50%以下になる(ΣR/ΣR′<略0.5)ような厚みが必要であるという基準(この基準は、感温金属層322がキュリー温度を越えた場合に誘導コイル34への電力供給が遮断されることに関し実際の運転から得られた経験的なものである)に照らすと、200μmになる。因みに、感温金属層322が200μmの場合のΣRは、1.58×10−3であり、ΣR′は、2.97×10−3であるから、「ΣR/ΣR′=0.53」になっている。
図5は、本発明の作用を説明するための模式化した定着部材30の正面断面視の説明図であり、(イ)は、金属層32の温度がキュリー温度未満の状態、(ロ)は、金属層32の温度がキュリー温度以上の状態をそれぞれ示している。なお、図5では、樹脂層33の図示を省略しているとともに、金属層32の厚み寸法を誇張して示している。
まず、金属層32の温度がキュリー温度未満の図5の(イ)に示す状態においては、誘導コイル34からの磁気は、コア341の一方の端部から出て薄い非磁性金属層321を透過し、前記(i)式で計算される浅い浸透深さσ(表2のキュリー温度未満の欄参照)で非磁性金属層321内を走り、再度非磁性金属層321を透過してコア341の他端に戻るため、金属層32は、薄い非磁性金属層321での前記(iv)式で計算される大きな渦電流負荷Rによるジュール加熱と、感温金属層322での大きな渦電流負荷Rによるジュール加熱とによって加熱されることになり、これによってウォームアップ時に迅速に温度が立ち上がることになる。
ついで、金属層32がキュリー温度として設定された200℃を越えると、誘導コイル34からの磁気の浸透深さσ(表2のキュリー温度以上の欄参照)がキュリー温度未満の場合の略100倍に増大し、これによって渦電流負荷Rがキュリー温度未満の場合の略1/100になり、誘導コイル34からの磁気による渦電流は、図5の(ロ)に示すように、余裕を持って感温金属層322内を流れるため、感温金属層322でのジュール加熱はほとんど行われなくなる。また、この状態では、高周波電源から誘導コイル34に対して過大な電流が供給されることになり、この電流の過供給に基づき誘導コイル34への電力供給が自動的に遮断されるため、キュリー温度を大幅に越えた定着ローラ31の過加熱が確実に防止される。
その後、金属層32の温度がキュリー温度である200℃未満になると、高周波電源からの誘導コイル34に対する電力供給が自動的に再開されるため、誘導コイル34からの磁気の供給状態が図5の(イ)に示す状態に戻り、再度感温金属層321におけるジュール熱による加熱が行われる。
このようなキュリー温度を境にした磁束通路の切り換えによって定着ローラ31の加熱および冷却が繰り返されることにより、特に温度センサを用いたフィードバック制御を行わなくても、定着ローラ31は、許容範囲内でばらついた温度制御が実現するため、その分装置コストの低減化に貢献することができる。
そして、本発明においては、定着ローラ31の迅速加熱および過加熱防止を図る上での非磁性金属層321および感温金属層322の効果的な厚み寸法を見出している。すなわち、前記非磁性金属層321は、当該定着ローラ31から発せられる発熱量が前記感温金属層322単体における発熱量よりも大きくなるように厚み寸法が設定されている。つまり、定着ローラ31から発せられる発熱量は、上述の渦電流負荷の値に依存し、感温金属層322の渦電流負荷が高すぎる場合は、その発熱量も低下することになる。一方、非磁性金属層321の渦電流負荷は低いことから、感温金属層322の渦電流負荷が適正でない場合は、非磁性金属層321をその材料に応じた適宜な厚さ寸法で感温金属層322に付設することで両者を組み合わせた場合における渦電流負荷を最も加熱効率の良い値に設定することが可能となる。いわば非磁性金属層321を、渦電流負荷を適正化するための調整層として機能させることが可能となり、これにより定着ローラ31から発せられる発熱量を、感温金属層322単体でみたときの発熱量よりも大きくすることができるようになる。
以下、図6を基に非磁性金属層321および感温金属層322の効果的な厚み寸法について具体的に説明する。
図6は、誘導加熱電源周波数fが30kHzの場合の定着ローラ31の金属層32を構成する各種材料の厚み寸法dと渦電流負荷Rとの関係を示す両対数グラフである。このグラフにおいては、横軸に対数目盛で厚み寸法d(μm)が設定されていると共に、縦軸に対数目盛で渦電流負荷R(Ω、但し、目盛数値の「1.0E−i」は、「1.0×10−i」を示す)が設定されている。また、このグラフにおいて、非磁性金属である銅(Cu)、アルミニウム(Al)およびステンレススチール(SUS304)については、それぞれ黒塗り菱形、黒塗り四角および黒塗り三角で示すと共に、感温金属である鉄(Fe)およびニッケル(Ni)については黒丸および×印で示している。
また、このグラフにおいて、各種材料の厚み寸法dと渦電流負荷Rとの間の関係を示す線は、実測値をプロットすることによって得られた線であり、前記(iii)式および(iv)式は、これらの線から導き出されたものである。
そして、図6のグラフにおいて点線で囲まれた範囲(渦電流負荷Rについて2.0×10−4〜2.0×10−2の範囲)内が効果的に誘導加熱を施し得る範囲として設定されている。このような範囲が設定される理由は以下のとおりである。
すなわち、渦電流負荷Rが2.0×10−4Ω未満の場合には、金属層32の抵抗の値が誘導コイル34そのものの抵抗値と大差がなくなってしまい、ジュール熱を発生させるべき値としてあまりにも小さすぎることによって金属層32を充分に加熱することができなくなるためである。これに対し、渦電流負荷Rが2.0×10−2Ωを越えた場合には、抵抗値が大きすぎることによって高周波電源の供給し得る電流量との関係で渦電流そのものが発生し難くなり、これによって実質的にジュール熱を得ることができなくなるからである。かかる渦電流負荷Rの加熱可能範囲については、種々の実験を行うことによって得られた値である。
そして、このような範囲において、非磁性金属層321の渦電流負荷Rは、2.4×10−3Ω以上が好ましく、2.8×10−3Ω〜8.0×10−3Ωの範囲内が特に好適であることを見出した。
これらの渦電流負荷Rの値を材質毎にその厚み寸法に換算して示すと、表3のようになる。
Figure 2006267963
なお、表3において、例えば銅(Cu)の好ましい厚みの範囲である7.0μm以下の「7.0」という数値は、前記(iv)式に基づき銅(Cu)の比抵抗の値である1.67×10−8Ωm(表1参照)を、当該銅(Cu)の渦電流負荷Rの値である2.4×10−3Ωで除すことによって得られた値(d=1.67×10−8Ωm/2.4×10−3Ω=7.0×10−6)である。以下同様に銅(Cu)の特に好ましい厚みの範囲の数値並びにアルミニウム(Al)およびステンレススチール(SUS304)の厚みの数値が算出されている。
つぎに、このような非磁性金属層321の好ましい厚み寸法の範囲に関しその根拠について銅(Cu)を例に挙げて図8を基に説明する。図8は、銅(Cu)からなる非磁性金属層321の厚み寸法と、キュリー温度以下の場合における非磁性金属層321および感温金属層322からなる金属層32のジュール発熱量との関係を示すグラフである。
このグラフにおいて、横軸に非磁性金属層321の厚み寸法(μm)を設定すると共に、縦軸に感温金属層322のみがジュール加熱された場合の発熱量を1とした発熱量比を設定している。この感温金属層322のみがジュール加熱された場合とは、感温金属層322に非磁性金属層321が積層されていない状態のことである。因みに、感温金属層322の厚み寸法はキュリー温度以下の磁気の浸透深さである22.5μmより相当厚い250μmに設定している。
そして、このグラフは、図7に示すような試験装置を用いた試験の結果得られたものである。図7に示すように、試験装置50は、内部に負荷検出回路511を有する誘導加熱用電源51と、この誘導加熱用電源51から供給される誘導加熱用の電力によって高周波の磁力を発生する誘導加熱コイル52とから構成されている。かかる試験装置50において、誘導加熱コイル52には、誘導加熱用電源51から周波数が30kHzの高周波電力を供給するようにした。
このような試験装置50において、誘導加熱コイル52の上方位置にテストピース53を配置した状態で誘導加熱用電源51の駆動により当該テストピース53に磁力を供給し、これによるテストピース53の温度の上昇状況を測定することによって前記発熱量比を求めた。
テストピース53は、平面寸法が100mm×100mmの正方形状に設定した厚み寸法が25μmの鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金からなる感温金属層531と、この感温金属層531に積層された銅(Cu)からなる非磁性金属層532とを備えてなるものを調製した。そして、基準となるテストピース53については非磁性金属層532が形成されていないものを採用し、この基準となるテストピース53に対して非磁性金属層532を積層したものを6種類調製した。この6種類のテストピース53における非磁性金属層532の厚み寸法については、5μm、10μm、15μm、20μm、30μmおよび50μmとした。そして、各種類のテストピース53について誘電加熱を実行してその温度を測定し、この温度測定結果を発熱量比に換算した値をグラフ上にプロットすることにより図8を得た。
図8のグラフから判るように、非磁性金属層321として銅(Cu)を採用した場合、当該銅(Cu)の厚み寸法が5μmのときに非磁性金属層321と感温金属層322とのトータルのジュール熱による発熱量が最大になることを確認することができた。しかも、厚み寸法が7.0μm以下の場合、感温金属層322単体の場合の発熱量に比べて、テストピース53の発熱量の方が多くなり、特に2.0〜6.0μmの範囲内において発熱量の増加度合いが大きいことが確認された。このことは、定着ローラとして構成した場合に、銅からなる非磁性金属層321の厚み寸法を7.0μm以下とすることで、感温金属層322単体の場合よりも定着ローラの発熱量を増加させ得ることを意味している。以上の結果から、銅(Cu)の厚み寸法を少なくとも7.0μm以下、特に2.0〜6.0μmの範囲内に設定することが望ましいということができる。
また、非磁性金属であるステンレススチール(SUS304)についても同様の試験を行った。その結果を図9に示す。図9のグラフに示すように、非磁性金属層321としてステンレススチール(SUS304)を採用した場合、当該ステンレススチールの厚み寸法が約200μmのときに非磁性金属層321と感温金属層322とのトータルのジュール熱による発熱量が最大になることを確認することができた。しかも、厚み寸法が300μm以下の場合、感温金属層322単体の場合の発熱量に比べて、テストピース53の発熱量の方が多くなり、特に90〜257μmの範囲内において発熱量の増加度合いが大きいことが確認された。
さらに、非磁性金属であるアルミニウム(Al)についても同様の試験を行った結果、アルミニウム(Al)の厚み寸法が略7μmのときに非磁性金属層321と感温金属層322とのトータルのジュール熱による発熱量が最大になることを確認することができた。しかも、厚み寸法が11.0μm以下の場合、感温金属層322単体の場合の発熱量に比べて、テストピース53の発熱量の方が多くなり、特に3.3〜9.5μmの範囲内において発熱量の増加度合いが大きいことが確認された。
図10は、第2実施形態の定着装置20′の概略を説明するための説明図であり、(イ)は、定着装置20′の断面視の正面図、(ロ)は、定着ベルト37の拡大断面図である。まず、図10の(イ)に示すように、第2実施形態の定着装置20′においては、定着部材30′がテンションローラ(一方の支持ローラ)35と、下部でこのテンションローラ35に対向配置された定着ローラ(他方の支持ローラ)36と、これらテンションローラ35と定着ローラ36との間に張設された定着ベルト37と、前記テンションローラ35の上方位置で定着ベルト37と対向配置された誘導コイル34′とを備えて構成されている。定着装置20′のその他の構成は第1実施形態のものと同様である。
前記テンションローラ35は、テンションローラ軸351と、このテンションローラ軸351回りに同心で一体回転可能に形成された筒状の感温金属筒体352とからなっている。前記テンションローラ軸351は、図略の駆動モータの駆動で時計方向に向けて回転され、これによって感温金属筒体352がテンションローラ軸351と一体回転するようになっている。本実施形態においては、感温金属筒体352として厚み寸法が0.1mmに設定された鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金が採用されている。
前記定着ローラ36は、前記テンションローラ軸351と同一方向に向けて平行に配された定着ローラ軸361と、この定着ローラ軸361の周面に同心で一体的に形成された定着ローラ本体362とからなっている。定着ローラ本体362は、本実施形態においては、シリコンゴムの発泡体からなる、いわゆるシリコンスポンジが採用され、これによって定着ローラ本体362が定着ベルト37を介し加圧ローラ42に押圧当接された状態で当該定着ローラ本体362が径方向に向けて圧縮弾性変形するようになっている。
前記定着ベルト37は、図10の(ロ)に示すように、内面側に形成された非磁性金属からなる金属層38と、この金属層38の外面側に積層された樹脂層39とを備えて構成されている。前記金属層38は、本実施形態においては、厚み寸法が5μmに設定された銅(Cu)によって形成されている。
前記樹脂層39は、前記金属層38を支持するPI(ポリイミド)製の支持層391と、第1実施形態の弾性層331と同様の機能を有し、かつ、同様の厚み寸法(100μm)に設定されたシリコンゴム製の弾性層392と、第1実施形態の剥離層332と同様の機能を有し、かつ、同様の厚み寸法(50μm)に設定されたPFA製の剥離層393とからなっている。前記金属層38は、前記支持層391の内面側に蒸着処理が施されることによって形成されている。
このように構成された第2実施形態の定着装置20′によれば、定着ベルト37がテンションローラ35の駆動回転により当該テンションローラ35と定着ローラ36との間で周回されている状態で、誘導コイル34′からの磁束が定着ベルト37の表面側に供給されることにより、当該磁束が金属層38を透過することによってジュール熱で加熱され、同時に感温金属筒体352が渦電流の励起によるジュール熱で速やかにキュリー温度にまで加熱される。
従って、この状態で用紙Pがニップ部Nに供給されると、当該用紙Pは、定着ローラ本体362が圧縮弾性変形した状態で周回している定着ベルト37と加圧ローラ42との間で押圧挟持されつつ図10における左方に向けて移動させられ、この移動中に用紙Pに対し定着ベルト37からの加熱による定着処理が施される。
そして、感温金属筒体352の温度がキュリー温度を越えると、感温金属筒体352の磁気の浸透深さσが深くなるため、その分過加熱が防止される、もしくは高周波電源の負荷検出回路により誘導コイル34′への電力の供給が遮断されるため、定着ベルト37の過加熱が防止される。感温金属筒体352がキュリー温度以下になると、高周波電源の電力供給遮断が解除され、これによって当該感温金属筒体352が再び誘導加熱されるため、以後、定着ベルト37の温度は、キュリー温度を境にして許容範囲内で上下にばらつきながら推移することになる。
そして、第2実施形態においては、定着ベルト37に機械的な強度が要求されないため、金属層38を極限の薄さ(5ミクロン)にまで薄くすることが可能になる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、画像液製装置としてプリンタ10が採用されているが、本発明は、画像形成装置がプリンタ10であることに限定されるものではなく、スキャナーによって読み取った画像情報に基づくトナー像を用紙Pに転写する複写機や、電送されてきた画像情報に基づくトナー像を用紙Pに転写するファクシミリ装置であってもよい。
(2)上記の第2実施形態において、テンションローラ35に感温金属筒体352を設ける代わりに金属層38の内面側に感温金属を積層して定着ベルト37側に感温金属層を設けるようにしてもよい。こうすることによって、定着ベルト37の強度を向上させることが可能になる。
プリンタの一実施形態を示すその内部構造の概要を説明するための正面断面視の説明図である。 定着装置の第1実施形態を示す一部切り欠き斜視概略図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明の作用を説明するための模式化した定着部材の正面断面視の説明図であり、(イ)は、加熱層の温度がキュリー温度未満の状態、(ロ)は、加熱層の温度がキュリー温度以上の状態をそれぞれ示している。 誘導加熱電源周波数が30kHzの場合の定着ローラの加熱層を構成する各種材料の厚み寸法と渦電流負荷との関係を示す両対数グラフである。 試験装置の概要を説明するための説明図である。 銅からなる非磁性金属層の厚み寸法と、キュリー温度以下の場合における非磁性金属層および感温金属層からなる加熱層のジュール発熱量との関係を示すグラフである。 ステンレススチール(SUS304)からなる非磁性金属層の厚み寸法と、キュリー温度以下の場合における非磁性金属層および感温金属層からなる加熱層のジュール発熱量との関係を示すグラフである。 第2実施形態の定着装置の概略を説明するための説明図であり、(イ)は、定着装置の断面視の正面図、(ロ)は、定着ベルトの拡大断面図である。 従来の定着ローラの誘導加熱を説明するための説明図であり、(イ)は、定着ローラがキュリー温度未満の場合、(ロ)は、定着ローラがキュリー温度以上の場合をそれぞれ示している。
符号の説明
10 プリンタ(画像形成装置)
11 装置本体 12 用紙貯留部
121 用紙カセット 122 ピックアップローラ
123 給紙搬送路 124 レジストローラ対
13 画像形成部 131 感光体ドラム
132 帯電器 133 露光装置
134 現像装置 135 転写器
136 クリーニング装置 14 定着部
15 排紙部 151 排紙トレイ
20,20′ 定着装置 21 筐体
30,30′ 定着部材 310 筒心
31 定着ローラ 32 金属層
321 非磁性金属層 322 感温金属層
33 樹脂層 331 弾性層
332 剥離層 34,34′ 誘導コイル
35 テンションローラ(一方の支持ローラ)
351 テンションローラ軸 352 感温金属筒体
36 定着ローラ(他方の支持ローラ)
361 定着ローラ軸 362 定着ローラ本体
37 定着ベルト 38 金属層
39 樹脂層 391 支持層
392 弾性層 393 剥離層
40 加圧部材 41 加圧ローラ軸
42 加圧ローラ 50 試験装置
51 誘導加熱用電源 511 負荷検出回路
52 誘導加熱コイル 53 テストピース
531 感温金属層 532 非磁性金属層
N ニップ部 P 用紙

Claims (7)

  1. 転写されたトナー像を被転写材に熱処理で定着させる定着部材と、この定着部材に当接して被転写材を通過させるニップ部を形成する加圧部材とを備えてなる定着装置であって、
    前記定着部材は、表面側に被転写材が当接される筒状の金属層と、この金属層に向けて磁気を供給して誘導加熱する誘導コイルとを備え、
    前記金属層は、前記誘導コイル側に形成された非磁性金属からなる非磁性金属層と、この非磁性金属層に積層された感温金属からなる感温金属層とからなり、
    前記非磁性金属層は、当該定着部材から発せられる発熱量が前記感温金属層単体における発熱量よりも大きくなるように厚み寸法が設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記非磁性金属層は、非磁性金属である銅によって形成され、かつ、厚み寸法が7.0μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記非磁性金属層は、非磁性金属であるアルミニウムによって形成され、かつ、厚み寸法が11.0μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. 前記非磁性金属層は、非磁性金属である非磁性ステンレススチールによって形成され、かつ、厚み寸法が300μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記感温金属層は、感温金属単体の渦電流負荷が0.003Ω以下となるように厚み寸法が設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記感温金属層は、感温金属である鉄とニッケルとの合金によって形成され、かつ、厚み寸法が200μm以上に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記感温金属層は、前記感温金属のキュリー温度が定着部材の過昇温を防止し得る温度に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置。
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