JP2006267858A - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブラストにより粗面化された電子写真感光体であって、電子写真プロセスにおいて絶縁破壊されることなく、適切な画像を形成させることができる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 1)未粗面化処理感光体の表面を、平均円形度が0.900以上の粒子を含む研磨粒子を衝突させることによって粗面化する工程、および2)表面に付着した付着物を除去する工程を含むことを特徴とする、電子写真感光体の製造方法。前記除去工程は、不織布との接触、ブラシとの接触、または気体を固化させた粒子を衝突させることによって行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面が粗面化されている電子写真感光体を製造する方法に関する。本発明は、粗面化処理された電子写真感光体の表面に付着している付着物を、特定の方法により除去することを特徴とする。
電子写真感光体は、従来からSe、AsSe、α―Siのような無機感光体、または有機感光体が用いられているが、近年は長寿命化、安全性の面から有機感光体が広く用いられるようになった。
電子写真装置内に搭載される電子写真感光体の表面は、電子写真プロセスにおける帯電工程、前露光工程、転写工程を通して劣化する。さらに電子写真感光体には、帯電工程や転写工程において現像剤が付着したり、現像工程やクリーニング工程においてトナーの外添剤などが付着することがある。そのため、電子写真感光体の離形性の低下、電子写真感光体を駆動するモーターのトルクの増加、クリーニング工程におけるブレードとの摩擦の上昇、ブレード鳴き、捲れなどの不具合が発生する場合がある。
それらを抑制するための手段として、電子写真感光体の表面を粗面化して、清掃工程におけるブレードと感光体との接触面積を低減させることが考案されている。
電子写真感光体の表面を粗面化する方法の例には、
1)砥粒を表面に分散させた研磨シートを、一定の圧力で電子写真感光体表面に圧接して、該表面にスジ状の凹凸を形成させる方法(特許文献1参照)、
2)旋盤に用いられる切削冶具(例えばバイト)を、電子写真感光体表面に押付けて、該表面にスパイラル形状の凹凸を形成させる方法(特許文献2参照)、
3)ブラシを電子写真感光体表面と接触させて、該表面に不連続なスジ状の形状を形成させる方法(特許文献3参照)、および
4)球状砥粒を電子写真感光体表面に吐出して、該表面に凹凸を形成させる方法(特許文献4参照)
などが含まれる。
特開平2−139566号公報 特開2000−314974号広報 特開昭57−94772号広報 特開平2−150850号広報
前記1)研磨シートを用いる方法、または前記3)ブラシを用いる方法により、電子写真感光体の表面を粗面化した場合は、表面を削ることにより凹凸を設けるため、削れ粉が発生することがある。所望の面粗さが大きい場合には、削れ粉が大量に発生するため、その削れ粉を除去するための手段が必要となる場合があると思われる。
前記2)の切削冶具を用いる方法により、電子写真感光体の表面を粗面化した場合には、前記と同様に表面を切削するために発生した削れ粉を除去する手段が必要となることがある。さらに、前記2)の方法により粗面化する場合は感光体を回転させる必要がある。感光体自体の真円度、真直度、振れまわりなどの規格は数十μmオーダーであって、必要とされる感光体表面粗さのオーダーよりも、少なくとも一桁大きい。したがって、前記2)の方法による粗面化により、表面粗さを適切に制御するのは困難であると思われる。
以上の理由から、電子写真感光体の表面の粗面化は、前記4)の砥粒を噴出する方法によって行うことが好ましいと思われる。前記4)の方法によれば、電子写真感光体表面を破壊することなく表面に凹凸を形成させて粗面化することが可能であると考えられる。
前記4)の砥粒を噴出する方法にはブラスト法が含まれる。ブラスト法は、乾式ブラスト法および湿式ブラスト法に分類される。湿式ブラスト法は、液体とともに砥粒を噴出させるのに対し、乾式ブラストは液体が不要であるので、電子写真感光体の表面の粗面化には乾式ブラスト法が適していると思われる。
しかしながら、乾式ブラスト法により電子写真感光体表面を粗面化すると、以下のような不具合が発生することが見出された。
ある砥粒aを用いて乾式ブラスト法により表面処理した電子写真感光体(A)を、接触式の帯電ローラを有する電子写真装置に装着してハーフトーン画像を画出ししたところ、該ハーフトーン画像に黒点が発生した。黒点に相当する電子写真感光体表面を分析したところ、絶縁破壊が生じていることがわかった。
また電子写真感光体(A)を、スコロトロン帯電器を有する電子写真装置に装着して、画出ししたが問題は発生しなかった。しかしながら、低湿環境下においてハーフトーン画像を画出ししたところ、ハーフトーン画像に黒点が発生する場合があった。
一方、砥粒b(砥粒aと比較してほぼ同等の中心粒径を有し、低い平均円形度を有する)を用いて乾式ブラスト法により表面処理した電子写真感光体(B)を、スコロトロン帯電器を有する電子写真装置に装着してハーフトーン画像を画出ししたところ、ハーフトーン画像に黒点が発生した。黒点に相当する電子写真感光体表面を分析したところ、絶縁破壊が生じていた。また、接触式の帯電ローラを有する電子写真装置に装着してハーフトーン画像を画出ししたころ、同様にハーフトーン画像に黒点が発生した。
電子写真感光体(A)および(B)の表面を、光学顕微鏡またはレーザー顕微鏡で観察したところ、砥粒aおよびbが付着していることが確認された。感光体(B)の表面に付着した砥粒bは、該表面をアルコールで清掃しても完全には除去されず、電子写真感光体表面に埋め込まれているように見受けられた。また、感光体(A)の表面に付着した砥粒aは、該表面をアルコールで清掃することにより除去されたように見えたが、電子顕微鏡で確認したところ、微小な砥粒aが表面に埋め込まれていることが確認された。
さらに、表面をアルコール清掃した電子写真感光体(A)または(B)を、電子写真装置に装着してハーフトーン画像を画出ししたところ、いずれの場合にも、ハーフトーン画像に濃度ムラが発生する場合があった。これは、清掃時の溶剤(アルコール)を含浸させた清掃部材の汚れ具合、溶剤の蒸発ムラ等が電子写真感光体表面に残存したためであると推察される。
接触式の帯電ローラを有する電子写真装置に、電子写真感光体(A)を適用した場合に絶縁破壊が生じたのは、帯電ローラに砥粒が埋め込まれた後に、電子写真感光体が帯電された結果、局所的に電荷が集中したためであると考えられた。
スコロトロン帯電器を有する電子写真装置に、電子写真感光体(A)を適用した場合に絶縁破壊が生じなかったのは、通常、電子写真装置は帯電前に電子写真感光体を数回回転させるため、その際に感光体に付着した砥粒がブレード部材などのクリーニング装置によって除去されたためであると考えられた。また、低湿環境下においては絶縁破壊が生じた理由は、低湿環境下では電子写真感光体(A)と砥粒aがより帯電しあうため、クリーニング装置でも除去されない場合があったためであると推察される。
一方、円形度が低く、鋭角の部分を有する砥粒bは、電子写真感光体(B)に衝突して埋め込まれやすいと考えられる。埋め込まれた砥粒bは、電子写真装置のクリーニング装
置でも除去されにくいため、絶縁破壊を生じさせると思われる。
さらに、電子写真感光体の表面特性を変えて同様の検討をしたところ、硬度の低い表面特性または弾性率の低い表面特性を有する電子写真感光体は、仮に円形度が高い砥粒を用いて粗面化されていても、またはスコロトロン帯電器を用いても、絶縁破壊が生じやすいことが見出された。
このように、噴出された砥粒により粗面化(ブラスト法により粗面化)された電子写真感光体は、電子写真プロセスにおいて、種々の問題を発生させることがわかった。
そこで本発明者は、噴出された砥粒により粗面化(ブラスト法により粗面化)された電子写真感光体であって、電子写真プロセスにおいて絶縁破壊されることなく、適切な画像を形成させることができる電子写真感光体を製造することを検討して本発明を完成させた。
本発明の第一の態様は、以下に示す電子写真感光体の製造方法である。
[1] 支持体および該支持体上に設けられた有機感光層を含む電子写真感光体の製造方法であって、1)前記支持体および有機感光層を含み、かつ表面の弾性変形率が45%以上である被処理体を用意する工程、2)前記被処理体の表面に、平均円形度が0.900以上の研磨粒子を含む粉体を衝突させることによって、該表面を粗面化処理する粗面化工程、および3)前記粗面化処理された表面に付着した付着物を除去する付着物除去工程を含むことを特徴とする、電子写真感光体の製造方法。
[2] 前記付着物除去工程が、前記表面と不織布を接触させることによって、前記付着物を除去する工程である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記不織布の接触とともに、除電機能を有する空気を前記表面に吹き付ける、[2]に記載の製造方法。
[4] 前記付着物除去工程が、常温常圧において気体である物質の固体粒子を含む粉体を、前記表面に衝突させることによって、前記付着物を除去する工程である、[1]に記載の製造方法。
[5] 前記固体粒子の体積基準粒度分布における平均粒径が10〜60μmである、[4]に記載の製造方法。
[6] 前記付着物除去工程が、前記表面とブラシを接触させることによって前記付着物を除去する工程である、[1]に記載の製造方法。
[7] 前記粗面化工程と前記付着物除去工程との間に、前記表面に圧縮空気を吹き付ける工程を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 前記圧縮空気は除電機能を有する、[7]に記載の製造方法。
[9] 前記表面の弾性変形率が50%以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 前記表面の弾性変形率が65%以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[11] 前記表面のユニバーサル硬さ値が150〜220N/mmである、[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の第二の態様は、以下に示す電子写真感光体、およびそれを含む装置に関する。[12] [1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法により製造される電子写真感光体、ならびに帯電部材、現像部材、転写部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも一つの部材を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
[13] [1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法により製造される電子写真感光
体、帯電部材、露光部材、現像部材および転写部材を有することを特徴とする電子写真装置。
[14] さらにクリーニング手段を有する、[13]に記載の電子写真装置。
本発明によれば、表面が粗面化された電子写真感光体が提供される。本発明により提供される電子写真感光体は、粗面化処理、および該粗面化処理により発生した表面付着物の除去処理が適切になされている。そのため、該電子写真感光体を適用された電子写真装置は、クリーニングブレードの圧力の高低にかかわらず、クリーニングブレードのびびりやメクレ、トナーのすり抜け、およびクリーニング不良などを発生させず、さらに粗面化に由来するスジ状の画像不良などを発生させない。
したがって、本発明の電子写真感光体を適用することにより、電子写真装置のクリーニング部材の設定のラチチュードを広くすることができる。
本発明は電子写真感光体の製造方法である。本発明の方法により製造される電子写真感光体(以下、「本発明における感光体」とも称する)は、有機感光体であることが好ましい。また本発明における感光体は、少なくとも支持体、および該支持体上に設けられた感光層を有するが、他の層を有していてもよい。他の層の例には、表面保護層、導電層や下引き層などが含まれる。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、耐久特性の優れた電子写真感光体を製造するために特に有効な手法である。後述するように本製造方法は、被処理体の表面を粗面化することにより、適切な表面形状を有する感光体を製造することを特徴とする。したがって、該被処理体表面の弾性変形率または硬度を調整することによって、製造される感光体の表面の表面弾性変形率または表面硬度も適切に調整され得る。
表面弾性変形率または表面硬度を適切に制御することにより、長期間にわたって使用されても表面形状を変化させにくく、表面形状が維持され得る電子写真感光体を製造することができる。
本発明の製造方法は、1)支持体および有機感光層を含む被処理体を用意する工程、2)前記被処理体の表面を粗面化処理する粗面化工程、および3)前記粗面化処理された表面に付着した付着物を除去する付着物除去工程を含むことを特徴とする。
<用意される被処理体>
前述の通り、本発明は1)支持体および有機感光層を含む被処理体を用意する工程を含む。ここで被処理体とは、後述の2)粗面化処理、および3)付着物除去処理をされることにより、本発明における電子写真感光体となるものであることが好ましい。すなわち、本発明における電子写真感光体と、被処理体との差異は、その表面の状態(例えば表面粗さ)だけであることが好ましい。
前記被処理体は、少なくとも支持体および感光層を含み、さらに表面保護層、導電層や下引き層などの層を任意に含んでいてもよい。
前記被処理体の支持体は導電性支持体であることが好ましい。該支持体の材料の材質の例には、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモンおよびインジウムなどの金属や合金、ならびに前記金属の酸化物;カーボン、導電性高分子などが含まれる。
これらの導電性材料は、それ自体が支持体に成形加工されることができる。また、導電性材料は、支持体表面の導電性薄膜の成分として用いられてもよく、該導電性薄膜は塗布
、蒸着、エッチング、プラズマ処理により形成されることができる。表面に導電性薄膜を有する支持体の基体の材質の例には、前記金属や合金の他、紙やプラスチックなどが含まれる。
前記支持体の形状の例には、円筒状、円柱状などのドラム形状、ベルト状、シート状が含まれる。
前記感光層は有機感光層であることが好ましい。すなわち本発明の方法により製造される感光体は有機感光体であることが好ましい。有機感光体の表面の形状は、弾性特性や膜厚の点から粗面化により調整されやすく、また、粗面化処理の条件を調整することにより制御されやすいからである。
前記被処理体の有機感光層の層構成は、支持体側から電荷発生層/電荷輸送層の順に積層された順層積層構成;支持体側から電荷輸送層/電荷発生層の順に積層された逆層積層構成;または電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層中に分散された単層構成のいずれの構成でもよい。
前記単層構成の感光層では、光キャリアの生成と移動が同一層内で行なわれる。一方、前記積層構成の感光層は、光キャリアを生成する電荷発生層と、生成したキャリアが移動する電荷輸送層とからなる。
前記被処理体の有機感光層の好ましい層構成は、支持体側から電荷発生層/電荷輸送層の順に積層した順層構成である。
前述の通り、前記被処理体は導電層を有していてもよい。導電層は、支持体上に形成されることが好ましい。支持体上に形成された導電層は、支持体のムラや欠陥を被覆し、レーザー光による画像入力をする場合に生じうる散乱によって干渉縞が発生するのを防止することができる。
前記導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物等の導電性粉体が分散されたバインダー樹脂から形成され得る。
前記導電層の膜厚は0.05〜50μmであることが好ましく、0.2〜30μmであることがより好ましい。
前述の通り、前記被処理体は下引き層を有していてもよい。下引き層は、導電性支持体もしくは導電層と、感光層との間に形成されることが好ましい。下引き層は、界面での電荷注入を制御したり、接着層として機能する。
下引き層は、主にバインダー樹脂からなるが、金属(鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモンおよびインジウムなど)やそれらの合金、またはそれらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含んでもよい。下引き層を形成するバインダー樹脂の具体例には、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂などが含まれる。
下引き層の膜厚は0.05〜7μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
前記被処理体の表面層(最表面層)は、感光層(電荷輸送層および電荷発生層を含む)、および感光層上に形成された表面保護層、ならびにその他の層のいずれであってもよい。すなわち前記被処理体の表面層は、電荷輸送機能または電荷発生機能を有していても、有していなくてもよい。
前記被処理体の表面層は、硬化性樹脂を含有することが好ましい。被処理体の表面の強
度を上げるためである。硬化性樹脂とは立体的な網目構造を有する高分子物質である。前記被処理体の表面層に含有される硬化性樹脂は、重合性官能基を二以上有するモノマーまたはオリゴマーを重合させて得られる。
前記被処理体の表面層は、例えば以下のようにして作製される。
重合性官能基を有するモノマーまたはオリゴマー(ワニスを含む)などを含有する塗料を得る。この塗料には、電荷発生材料および/または電荷輸送材料を含んでいてもよい。モノマーまたはオリゴマーの少なくとも一部は、二以上の重合性官能基を有していることが好ましい。得られた塗料を塗布して形成された塗膜を乾燥させ、さらに加熱または放射線の照射等により、モノマーまたはオリゴマーを重合(好ましくは3次元的に架橋、硬化)させて表面層が作製される。形成された表面層は、溶剤等に不溶、不融の強靭な膜となる。
前記被処理体の表面の弾性変形率は、45%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また前記弾性変形率は、45〜65%の範囲内にあることが好ましい。一方、前記被処理体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)は、150〜220N/mmであることが好ましい。
さらに前記被処理体の表面の弾性変形率が45〜65%であって、かつユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mmであることが好ましい。
前記被処理体の表面の弾性変形率が小さすぎる場合には、弾性が不足しているために、後述の2)粗面化工程において、前記被処理体の表面に研磨粒子が埋め込まれやすく、異型粒子が突き刺さりやすい。一方、前記被処理体の表面の弾性変形率が大きすぎる場合には、後述の2)粗面化工程において、前記被処理体の表面が研磨粒子に衝突されても、その弾性によって元に戻る割合が大きい。よって適正な粗面化処理を施すために、より高いエネルギーや長い処理時間が必要となり、加工効率が低下する。
また、前記被処理体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)が大きすぎると、被処理体の表面形状が変化にしくいため、後述の2)粗面化工程において、適正に表面を粗面化するために衝突エネルギーを高める必要がある。その結果、被処理体の表面を損傷(例えば、割れ)させる可能性が高まる。
一方、前記被処理体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)が小さすぎると、後述の2)粗面化工程において、研磨粒子の衝突エネルギーが小さい場合でも被処理体の表面形状が大きく変化するため、適正に粗面化しにくい。
前記被処理体の表面のユニバーサル硬さ値は、押込み変位を測定することによる、試験負荷で求められるユニバーサル硬さ値であり、ISO14577またはDIN50359に準拠して測定される。
前記被処理体の表面のユニバーサル硬さ値は、例えば微小硬さ測定装置フィッシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定されることができる。具体的には、HU圧
子に連続的に荷重(〜6mN)をかけ、荷重下での押し込み深さを連続的に測定する(測定点の数;273、各点における保持時間;0.1秒)。測定環境は、温度;25℃、湿度50%とする。圧子としてダイヤモンド四角錐のビッカース圧子(対面角136°)を使用する。最大荷重(6mN)としたときの押し込み深さからビッカース圧子の表面積を求めて、それらを以下の式に代入して求める。
なお、下記式中、HUはユニバーサル硬さ値を、Fは最終荷重(6mN)を、Sは最終荷重をかけたときの圧子の押し込まれた部分の表面積を意味し、hは最終荷重をかけたときの圧子の押し込み深さを意味する。
図5には、フィシャースコープH100Vを用いてHUを測定した場合の測定チャートの概略が示される。また、本発明の電子写真感光体を測定対象としたときのフィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの一例を図6に示す。
図5および6において、縦軸は圧子にかけた荷重F(mN)を、横軸は圧子の押し込み深さh(μm)を示す。図5は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて荷重が最大になった(A→B)後、段階的に荷重を減少させた(B→C)場合に得られたチャートを示している。図6は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて最終的に荷重を6mNとし、その後、段階的に荷重を減少させた場合に得られたチャートを示している。
前記被処理体の表面の弾性変形率は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求められ、下記式(3)から算出されることができる。
例えば、前述のユニバーサル硬さ値の測定において、全仕事量Wt(nJ)は図5中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nJ)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
前述の通り、前記被処理体の表面層は電荷輸送層であってもよい。表面層である電荷輸送層に含まれる電荷輸送材料は、重合性官能基を有し、かつ電荷輸送能を有する物質を重合させて得られる電荷輸送材料(以下、「重合型電荷輸送材料」ともいう)であることが好ましい。ここで重合型電荷輸送材料とは、前述の硬化性樹脂の一態様である。
表面層である電荷輸送層は、重合性官能基を有し、かつ電荷輸送能を有する物質を含む塗料を塗布して形成された塗膜を硬化させて得られることが好ましい。
表面層を電荷輸送層とする場合、電荷輸送層を積層型としてもよい。電荷輸送層を積層型とする場合、表面層である電荷輸送層は重合型電荷輸送材料を含み、表面層でない電荷輸送層は非重合型電荷輸送材料を含むことが好ましい。
前記被処理体の感光層(単一構成の感光層または積層構成の感光層の電荷発生層)は電荷発生材料を含む。電荷発生材料は、一般的な材料を用いることができる。一般的な電荷発生材料の例には、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属および結晶系が含まれる。前記電荷発生材料の具体的な例には、α,β,γ,εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、およびキノシアニンおよびA−Si等も含まれる。
前記被処理体の感光層(単一構成の感光層または積層構成の感光層の電荷発生層)は、電荷発生材料以外に、バインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂の具体例には
、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂などが含まれる。
電荷発生層にバインダー樹脂が含まれる場合、電荷発生層における電荷発生材料の含有率は、「バインダー樹脂と電荷発生材料との合計」に対して、0.1〜100質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
また、電荷発生層に含有される電荷発生材料の含有率は、電荷発生層全体に対して、10〜100質量%が好ましく、50〜100質量%であることがより好ましい。
電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、0.01〜2μmであることがより好ましい。
前記被処理体の感光層(単一構成の感光層または積層構成の感光層の電荷輸送層)は電荷輸送材料を含む。
電荷輸送材料の例には、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが含まれる。
また、前記被処理体の感光層(単一構成の感光層または積層構成の感光層の電荷輸送層)は、電荷輸送材料以外に、バインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂の具体例には、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミドなどが含まれる。
前述の通り、前記被処理体の表面層は電荷輸送層であってもよい。表面層を電荷輸送層とする場合、該電荷輸送層は、高エネルギー線等を利用して硬化、重合された樹脂を含むことが好ましく、または、重合性官能基を有し、正孔輸送機能を有するモノマーを硬化、重合して得られた樹脂を含むことが好ましい。
電荷輸送層にバインダー樹脂が含まれる場合、電荷輸送層における電荷輸送材料の含有率は、「バインダー樹脂と電荷輸送材料の合計」に対して、0.1〜100質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
電荷輸送層に含まれる電荷輸送材料の含有率は、電荷輸送層全体に対して、20〜質量100%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
電荷輸送層は、その膜厚が薄すぎると帯電能が維持できず、厚すぎると残留電位が高くなりすぎる。したがって、電荷輸送層の膜厚を適当な範囲に調整する必要がある。該膜厚は、5〜70μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
本発明における感光体の感光層を単層構成とする場合には、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層内に含有させる。電荷発生材料および電荷輸送材料の具体例には、上記積層感光体の場合と同様の材料が含まれる。
さらに、表面層が単層構成の感光層である場合は、高エネルギー線(放射線を含む)等を利用して硬化、重合された樹脂を含むことが好ましく、または、重合性官能基を有し、正孔輸送機能を有するモノマーまたはオリゴマーを硬化、重合して得られた樹脂を含むことが好ましい。
前記被処理体の、単層構成の感光層の膜厚は8〜40μmであることが好ましく、12〜30μmであることがより好ましい。単層構成の感光層における、電荷発生材料や電荷輸送材料などの光導電性材料の含有率は、感光層全体に対して、20〜100質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
前記被処理体の感光層を構成する各層は、酸化防止剤や光劣化防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
前記の通り、被処理体の表面層は表面保護層であってもよい。表面保護層の膜厚は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜7μmであることがより好ましい。
前記表面保護層は、高エネルギー線(放射線を含む)等を利用して硬化、重合された樹脂を含むことが好ましい。また、本発明における感光体の表面保護層は、金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金やカーボン等の導電性材料を含有してもよい。含有される金属の例には、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが含まれる。前記金属の酸化物の例には、ITO、TiO、ZnO、SnO、Alなどが含まれる。
表面保護層に含まれる導電性材料は微粒子であることが好ましく、さらに分散されていることが好ましい。導電性材料の微粒子の粒子径は、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。表面保護層における導電性材料の含有量は、表面保護層全体に対して1〜70質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いてもよい。
また前記表面保護層は、その表面の滑性や撥水性を改善する目的で、各種フッ素化合物やシラン化合物、もしくは金属酸化物など、またはそれらの微粒子などを含有してもよい。これらの分散性を改善するための分散剤や界面活性剤を含有してもよい。表面保護層におけるこれら添加物の含有量は、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
前記被処理体の各層を形成する方法の例には、蒸着法や塗布法などが含まれるが、好ましくは塗布法である。塗布法によれば、膜厚の範囲を制御しやすく、かつ様々な組成を有する膜を形成することができる。
塗布法の具体例には、バーコーター、ナイフコーター、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、ロールコーター、アトライター、粉体塗布などが含まれる。
<粗面化工程>
前記の通り本発明の感光体の製造方法は、2)被処理体の表面を粗面化処理する粗面化工程を含む。ここで粗面化は、被処理体の表面に研磨粒子を衝突させることによって行われる。ここでいう粗面化は、乾式ブラストまたは湿式ホーニングと称されることもある。
乾式ブラストは、湿度条件に敏感な電子写真感光体を水等の溶媒に接触させることなく粗面化することができるため、本発明における粗面化は乾式ブラスト法により行われることが好ましい。
乾式ブラスト法としては、研磨粒子を圧縮空気により噴射する方法、モータを動力として噴射する方法等がある。感光体を精密に粗面化するため、および設備を簡易にするため、圧縮空気により研磨粒子を噴射する方法が好ましい。
前記研磨粒子の材質の例には、酸化アルミニウム、ジルコニア、炭化ケイ素、ガラス等
のセラミック系;ステンレス、鉄、亜鉛等の金属系;ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエステル等の樹脂系が含まれる。特に粗面化効率およびコスト面から、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニアが好ましい。
前記研磨粒子の体積基準粒度分布における平均粒子径は、10μm〜60μmであるこ
とが好ましい。そのような研磨粒子を用いて粗面化された電子写真感光体は、電子写真装置において適切にクリーニングされ、画像流れなどの発生を抑制する。
平均粒子径が10μm未満の研磨粒子は、一般的なブラストの噴出圧力で噴出されても
衝突エネルギーが小さいために、電子写真感光体表面の粗面化を十分に行うことができない場合がある。一方、平均粒子径が60μm超過の研磨粒子により粗面化された感光体表
面は、形成された凹凸の周期が長いために、感光体とクリーニングブレードの接触面積低減の効果が小さい場合がある。したがって、クリーニング性を改善する効果を得ることができない。
また、前記研磨粒子の体積基準粒度分布における最頻径は、10μmより大きく、かつ60μm未満であることが好ましい。最頻径がこの範囲から外れても、クリーニング性や、画像流れを改善する効果は得られるが、所望の表面を形成するために多量の研磨粒子と処理時間を必要とし、コストや生産性の面で不利である。
前記研磨粒子のうち、体積基準粒度分布における平均粒子径が10μm以上の粒子の平均円形度は、0.900以上であることが好ましく、0.950以上であることがより好ましい。ここで平均円形度は、研磨粒子の凹凸度合いの指標であり、研磨粒子が完全な球形の場合1.000を示し、その表面形状が複雑になるほど小さな値となる。
前記平均粒子径が10μm以上の研磨粒子は、一般的なブラストの噴出圧力で噴出されることにより、感光体表面に凹凸を形成しうる衝突エネルギーを得ることができる。一方、平均円形度が0.900未満の研磨粒子は、球形ではなく凹凸が激しい粒子であるため、いわゆる「異型粒子」の比率が高くなる。前記平均粒子径が10μm以上である異型粒子は、粗面化処理によって感光体表面に突き刺さったり、感光体表面の割れを発生させる可能性がある。したがって電子写真プロセスにおいて、電流のリーク、画像上の欠陥、耐久使用された際の傷の発生を招きやすい。前記平均円形度が0.950以上であれば、研磨粒子に含まれる異型粒子はごく少量であるため、そのような問題はほとんど発生しない。
前記研磨粒子の平均円形度、平均粒子径、最頻径、粒度分布は、体積基準粒度分布に基づくものである。これらは種々の方法によって測定され得るが、例えばシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定されることができる。
具体的な測定手順を記載する。
容器中の不純物が除去された水(100〜150ml)中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩(0.1〜0.5ml)を加え、さらに測定試料(0.1〜0.5g程度)を加える。
得られた懸濁液に超音波(50kHz,120W)を1〜3分間照射し、分散液濃度が1.2〜2.0万個/μlに調整された測定溶液を得る。
得られた測定溶液を、上記フロー式粒子像測定装置にセットして、0.6〜400μm(平均円形度の測定においては10.05μm以上100.48μm未満)の円相当径を
有する粒子の平均粒子径、最頻径、粒度分布、円形度を測定する。
前記円形度は、下記式(1)により求められる。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画
像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を示す。〕
ここで、「512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)」とは、0.3μm四方の画素を縦横512個並べたものを測定の視野として用いたということである。
さらに、前記研磨粒子の平均円形度は、下記式(2)で示されるように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除することにより求められる。
なお、本発明で用いられる測定装置「FPIA−2100」では、円形度が算出された各粒子が、算出された円形度に応じて、円形度0.4〜1.0の範囲で0.020刻みに分割されたクラス(226クラス)に振り分けられる。そして、各クラスの分割点の中心値、および該クラスに振り分けられた粒子数から、平均円形度および円形度標準偏差が算出される(この算出法を簡易法と称する)。簡易法によれば、算出時間が短縮化され、算出演算式が簡略化される。
また、簡易法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差と、前述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差との誤差は非常に小さく、実質的には無視できる程度である。
したがって前記研磨粒子の平均円形度及び円形度標準偏差は、前記簡易法によって求められてもよい。
本発明の製造方法における粗面化処理は、例えば図4に示されたブラスト加工装置を用いて行うことができる。
図4に示された装置において、容器(不図示)に貯留されている研磨粒子が経路4−4を通じてノズル4−1に導かれ、さらに経路4―3を通じて導かれた圧縮空気をとともに、噴射ノズル4−1から噴射される。噴射された研磨粒子4−5は、感光体4−7に衝突する。感光体4−7は、ワーク支持体4−6により支持されて自転している。
図4に示された装置において、ノズル4−1とワーク4−7との距離は、ノズル固定冶具4−2および4−9のアームにより制御される。ノズル4−1は、上下方向(矢印参照)に移動することができる。例えばノズル支持体4−8が、ノズル4−1とともに上下方向(矢印参照)に移動することによって、感光体表面をムラ無く粗面化することができる。
図4に示された装置を用いて粗面化処理する場合、ノズル4−1とワーク4−7の最短距離は、適切に調整される必要がある。距離が過剰に短いまたは長いと、加工効率が落ちる、もしくは所望の粗面化が行えない場合がある。噴射の動力である圧縮空気の圧力も適切に調整される必要がある。また、ワークの自転の回転数とノズルの移動速度は、互いに相関があり、粗面化のムラを発生させないように適宜調整される必要がある。
また、被処理体の粗面化の条件は、目的とする感光体の表面粗さなどに応じて適宜調整することができる。
<付着物除去工程>
前記の通り本発明の製造方法は、3)粗面化処理された被処理体の表面に付着した付着物を除去する付着物除去工程を含む。3)の工程において除去される付着物とは、前記2)の工程において衝突させられた研磨粒子のほか、被処理体の表面が削られて生じた微粉などを含んでいてもよい。
また被処理体の表面は、付着物除去工程の前に、圧縮気体を吹き付けられてもよく、それにより付着物の一部を除去しておくことが好ましい。該圧縮気体は除電機能を有していてもよい。除電機能を有する気体の例にはイオン化された空気が含まれる。除電とは、被処理体表面の静電気を除去することを意味し、除電することにより表面の付着物を効率的に除去することができる。
3)の工程における付着物の除去の手段の例には、a)被処理体の表面に不織布を接触させる手段、b)被処理体の表面にブラシを接触させる手段、およびc)被処理体の表面に、常温かつ常圧で気体である物質を固化させてなる粒子を衝突させる手段などが含まれる。
前記a)の手段は、粗面化された被処理体の表面に不織布を接触(好ましくは摺擦)させることにより、被処理体表面の付着物を除去する手段である。
不織布と被処理体の表面の接触は、例えば、不織布に圧縮気体(圧縮空気を含む)を吹き付け、その圧力で不織布を被処理体の表面に接触させることにより行われる。不織布が受ける圧縮気体の圧力は、不織布が被処理体の表面に密着することができるように適宜調整される。圧縮気体の圧力が低すぎると密着性が弱くなり、一方、高すぎでも不織布がゆれてしまうため密着性が弱まる。
また、不織布が受ける圧縮気体は除電機能を有することが好ましい。除電機能を有する気体の例にはイオン化された空気が含まれる。除電とは、被処理体表面の静電気を除去することを意味し、除電することにより表面の付着物を効率的に除去することができる。
さらに、不織布と被処理体の表面の接触において、被処理体を移動(例えば自転)させることにより、不織布と該表面とを摺擦させることが好ましい。
また、不織布と被処理体の接触面積を大きくすれば効率的に除去処理をすることができるが、該接触面積はその装置との関係で適宜選択される。
前記a)の手段に用いられる不織布の材質の好ましい例には、ポリエステル、ポリプロピレン、セルロース、レーヨン、ナイロン等、及びそれらの混合品が含まれる。前記不織布は、発塵や毛羽を発生しないことが好ましい。
前記不織布には市販されているものもあり、市販品の商品名としては、トレシー(東レ(株)製)、アルファ10、アルファワイパー、テクニクルー、テクニクルーII(テックスワイプ(社)製)、ベンコットスーパーCN、ベンコットフリー(旭化成(株)製)、クルー(キンバリー(社)製)、コットンシーガル、ベルクリン(アイオン(株)製)、ミクロスターAV(ロアス(株)製)、ミクロスター(帝人(株)製)、スーパーアルシーマ(ユニチカ(株)製)、サンパクト、スピック等があげられる。
前記a)の手段において不織布を被処理体の表面に接触させる場合に、被処理体の表面に気体を吹き付けることによって、さらに効果的に付着物を除去することができる。ここで気体は、不織布との接触部以外の被処理体表面に対して、その接線方向に吹き付けられることが好ましい。
さらに、前記a)の手段は減圧雰囲気下で行われることが好ましい。表面から除去された付着物が、系中で舞うことにより再付着するのを防止するためである。
前記a)の手段による付着物の除去は、例えば図1に示される装置を用いて行うことができる。
図1に示される装置おいて、除去装置は枠体1−6内に収められ、空気吸引口1−7、空気排出口1−8が配置されている。空気吸引口1−7は、ゴミ、粉塵等が混入しないようにヘバフィルターのような除去部材を設けている。空気排出口1−8からの排気は、集塵機など(不図示)で行い、ワーク1−1で除去された付着物が枠体1−6内を舞う(旋回する)ことがないように配慮されることが望ましい。
ワーク1−1は図示された矢印の方向に回転する。不織布固定部材1−4及び1−4’で固定された不織布1−9は、除電圧縮空気供給部1−5から矢印方向に噴出された空気の圧力によってワーク1−1に接触し、ワークの表面に付着した砥粒を除去する。
不織布1−9を固定する不織布固定部材1−4及び1−4’は、ワーク1−1に対して遠近移動することができ、したがって不織布1−9とワーク1−1との接触面積を制御することができる。また該接触面積は、除電圧縮空気供給部1−5からの空気の圧力を調整することによっても制御されることができる。
ワーク1−1は不織布1−9との接触により、その付着物(砥粒)を除去されるが、前記付着物(砥粒)の除去は、圧縮空気供給部1−2及び1−2’から吹き付けられる圧縮空気によって補助されることが好ましい。圧縮空気供給部1−2及び1−2’は回転可能であり、圧縮空気をワークの任意の位置に吹き付けることができる。付着物(吐粒)除去の補助を効果的に行なうには、ワーク1−1の接線方向に圧縮空気をあてることが好ましい。
圧縮空気供給部1−2から供給される圧縮空気の圧力は、除電圧縮空気供給部1−5から供給される圧縮空気の圧力よりも、少なくとも0.05MPa低いことが好ましい。不織布のよれの発生や、密着性のムラの発生などを抑制するためである。よって1−2から供給される圧縮空気の圧力は0.02〜0.6MPaであることが好ましく、0.1〜0.45MPaであることがより好ましい。
動作中の装置の枠体1−6内は、除去された砥粒が舞うのを防止するために、大気圧よりも負圧にされている(減圧されている)ことが好ましい。したがって、圧縮空気供給部1−5、ならびに圧縮空気供給部1−2および1−2’で供給される空気量よりも、空気排出口1−8で排出される空気量が大きいことが望ましい。
除電圧縮空気供給部1−5から供給される圧縮空気は、不織布をワーク1−1(感光体)表面に密着させるため、不織布をよじれさせないようにすることが好ましい。そのため、除電圧縮空気供給部1−5から供給される圧縮空気の圧力は0.07〜0.65MPaであることが好ましく、0.15〜0.50MPaであることがより好ましい。
前記圧力が低すぎる場合は、不織布1−9とワーク1−1との密着性が弱くなり、不織布のよれが生じる。一方、前記圧力が高すぎる場合は、不織布の端からの圧縮空気の漏れが大きくなり、密着性が損なわれる。
また、圧縮空気により不織布がワーク表面に密着しているときの不織布1−9とワーク1−1との接触幅(ワーク回転方向の接触幅、すなわち、回転軸方向の上部からワークを観察することにより観測される、不織布とワーク表面との接触部の長さ)は、不織布1−9とワーク1−1との接触部が大きいほうが除去効果を高いため、ある程度大きいほうが好ましい。一方、前記接触幅が過剰に大きいと、圧縮空気供給部1−2から噴出された圧縮空気と干渉して、不織布の密着性が損なわれ、不織布との接触により除去された吐粒が感光体に再付着する場合がある。
よって前記接触幅は、ワーク1−1(電子写真感光体)の周長Scmとしたときに、S
/20〜9S/20であることが好ましく、S/10〜S/3であることがより好ましい。
前記b)の手段は、粗面化された被処理体の表面にブラシを接触(好ましくは摺擦)させることにより、被処理体表面の付着物を除去する手段である。
前記b)の手段において用いられるブラシは、導電性のブラシ繊維を含むことが好ましい。ブラシ繊維の電気抵抗値が低いと、スクレーパ2−3で付着物が除去されず、導電性ブラシに付着しやすい。一方、電気抵抗値が高いとワーク2−1との摩擦帯電が生じ、ワーク表面を帯電する。したがってブラシ繊維の電気抵抗値は、10〜10Ω・cmであることが好ましく、10〜10Ω・cmであることがより好ましい。
導電性ブラシ繊維の材質としては、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等が好ましい。砥粒を掻き取り、且つ、ブラシから砥粒を吐き出す能力があるものを選んだ方が良い。この中では、アクリル、ナイロン、アラミド等がより好ましいと思われる。
ブラシ繊維が細いほど、そのブラシの掻き取り効果は低くなる。一方でブラシ繊維が太すぎると単位面積当りの繊維本数が減少するために、やはりそのブラシの掻き取り効果が低くなる。
さらに、太すぎるブラシ繊維は、被処理体を帯電させる場合がある。明確な理由は不明であるが、被処理体と導電性ブラシとの接触面積が増えると、必要以上に電荷が発生するためであると推察される。よって、導電性ブラシ繊維の太さは0.11〜2.22mg/mであることが好ましく、0.22〜1.33mg/mであることがより好ましい。
ブラシにおける導電性ブラシ繊維の単位面積当りの本数が少ないほど、そのブラシの掻き取り効果は低くなり、除去効果が低下する。一方で、単位面積当りの本数が多すぎる場合も、穂の間に砥粒が挟まるため、掻き取り効果が低くなる。
また単位面積当りの本数は、繊維の太さにより制限される。本数が多すぎると砥粒が穂の間に埋め込まれて回収できない場合がある。
従って好ましい本数としては、50〜500F/mmであり、より好ましくは、100〜350F/mmである。
一般的に、ブラシのブラシ繊維の長さが短いほど、そのブラシの除去効果は高く、長いほど除去効果が低い。一方、ブラシ繊維が短すぎるとブラシ繊維と被処理体との接触ムラが生じ、砥粒除去効果が均一に行なわれなくなる可能性がある。さらに、ブラシ繊維の長さの調整は、通常繊維先端を刈り込むことにより行われるが、目的とするブラシ繊維の長さが長い場合、長さを均一に調整することが困難なことがある。
したがって、ブラシ繊維の長さは1〜10mmであることが好ましく、3〜7mmであることがより好ましい。
被処理体および導電性ブラシの材質や表面抵抗などにより、砥粒の除去効果が充分に得られない場合は、電界を付与することにより付着物を効果的に除去することができる。
前記b)表面にブラシを接触させる手段による付着物の除去は、例えば図2に示された装置を用いて行うことができる。
図2に示される装置おいて、除去装置は、回転装置(図示されていない)により矢印方向に回転させられるワーク2−1、および除去ユニット2−4で構成される。ユニット2−4において導電性ブラシ2−2はワーク2−1に接しつつ、接触点においてワーク2−1の回転方向に対して逆方向に回転する。さらに導電性ブラシ2−2には、付着した砥粒
を除去するためのスクレーパ2−3が接している。スクレーパ2−3の両端部に設けられた間隙から、吸引機構(図示されない)により近傍の空気が吸引され、同時にスクレーパ2−3で掻き落とされた砥粒が回収される。ワーク2−1、導電性ブラシ2−2、及びスクレーパ2−3は図2に示されるように基本的にはアースに設置される。
前記c)の手段は、粗面化された被処理体の表面に常温かつ常圧において気体である物質を固化させてなる粒子(以下、「気体を固化させてなる粒子」とも称する)を衝突させることにより、被処理体表面の付着物を除去する手段である。
気体を固化させてなる粒子の例には、ドライアイスの粒子、ナフタレンの粒子、ヨウ素の粒子などが含まれるが、好ましくはドライアイスの粒子である。
気体を固化させてなる粒子の平均円形度は0.950以上であることが好ましく、平均粒径は10〜60μmであることが好ましい。該平均円形度および平均粒径は、前述の2)粗面化工程において用いられる研磨粒子の平均円形度および平均粒径と同様に測定される。
前記気体を固化させてなる粒子は、圧縮空気とともに噴射されて被処理体の表面に衝突することが好ましい。前記噴射される圧縮空気の圧力は、前記粒子に充分な除去効果を付与し、かつ被処理体の損傷(例えば巻くの剥がれ)を生じさせないように調整されればよい。
また、被処理体の表面に衝突する前記気体を固化させてなる粒子の量も、充分な除去作用を奏し、かつ被処理体の損傷(例えば巻くの剥がれ)を生じさせないように調整されればよい。
前記c)気体を固化させてなる粒子を含む粉体を衝突させる手段による付着物の除去は、例えば図3に示された装置を用いて行うことができる。
図3に示される装置は、気体を固化させてなる粒子としてドライアイス粒子を用いている。ワーク3−1は矢印方向に回転し、噴射ガン3−2はスパイラル状に溝を有する軸3−3の回転により矢印方向に移動し、ワーク3−1全面にドライアイスを噴射し、砥粒を除去する。また、噴射ガンを固定させ、ワーク3−1を上下させても良い。
噴射ガン3−2から噴射に用いられる圧縮空気の圧力は、低いと除去効果が低く、高いと膜の剥がれを生じるため、0.1〜1.0MPaであることが好ましく、0.15〜0
.5MPaであることがより好ましい。
また、噴射ガン3−2より噴射されるドライアイスの流量は、少ないと除去効果が低く、多いと膜の剥がれを生じるため、0.05〜1kg/分であることが好ましく、0.15〜0.75kg/分であることがより好ましい。
付着物除去処理が適切にされたかどうかは、除去処理後の被処理体表面を顕微鏡で観察することにより確認することができる。例えば、図5に概略される装置を用いて付着物の有無を観察することにより、表面に付着物があるかどうかを確認すればよい。図5の装置について説明する。ワーク5−1を受け台5−5に置き、ワークのエッジ部に一方から照明装置5−2で照明を当てる。照明を当てられたエッジ部を、別の一方から簡易顕微鏡5−3で観察する。顕微鏡5−3にはモニター5−4が接続されてもよい。モニター5−4には、エッジ像の画像が映し出される。砥粒が除去されていない場合は、図5に示されたように、モニターに砥粒が映し出される。
<本発明の電子写真感光体>
本発明の製造方法により製造される電子写真感光体(以下、「本発明における電子写真感光体」とも称する)は、その表面形状が異なる以外は、前記被処理体と同様であり得る
。すなわち、少なくとも支持体および支持体上に設けられた有機感光層を有し、この支持体や感光層は、前記被処理体における支持体や感光層と同様にすることができる。
本発明における電子写真感光体の表面の形状は粗面化されている。その粗面化の程度と、電子写真プロセスにおけるクリーニング工程で用いられるクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)の条件(圧力などを含む)とを適切に調整することにより、電子写真感光体とクリーニング部材との摩擦が制御される。
両者の摩擦が適切に制御されると、クリーニングブレードのびびり、感光体の摩耗、クリーニング不良などが抑制される。
前述したとおり、本発明における電子写真感光体の表面粗さは、クリーニング部材との摩擦の抑制の観点などから適宜選択されることができる。
<本発明におけるプロセスカートリッジおよび電子写真装置>
本発明の電子写真装置は、前述の本発明における電子写真感光体、帯電部材、露光部材、現像部材および転写部材を有することを特徴とし、さらに好ましくはクリーニング部材を有する。
帯電手段は、本発明における電子写真感光体を帯電する部材である。帯電部材の例には、接触帯電式のコロナ帯電器、ならびに非接触帯電式の帯電ブラシおよび帯電ローラが含まれるが特に限定されない。
露光部材は、帯電された感光体に光を照射することによって、静電潜像を形成する部材である。露光手段の例には、レーザー露光部材やLED露光部材が含まれるが特に限定されない。
現像部材とは、感光体に形成された静電潜像をトナーで現像して、感光体にトナー像を形成する部材である。現像部材は、用いられる現像剤の種類に応じて選択されればよい。例えば1成分現像剤(キャリアを含まない現像剤)を用いる場合には、ジャンピング現像法による現像部材などを適用することができ、2成分現像剤(キャリアを含む現像剤)を用いる場合には、2成分磁気ブラシ現像法による現像部材などを用いることができるが、これらに限定されない。
転写部材とは、感光体に形成されたトナー像を、転写体(中間転写体を含む)に転写する部材である。転写部材の例には、静電転写部材、圧力転写部材および粘着転写部材などが含まれるが、特に限定されない。
クリーニング部材とは、転写されずに感光体に残存したトナーを、感光体から除去する部材である。クリーニング部材の例には、ブラシクリーナー、ローラークリーナーおよびブレードクリーナーなどが含まれるが、本発明における電子写真感光体の効果の一つであるクリーニング部材との摩擦の低減は、ブレードクリーナーである場合に特に効果的に発揮される。
本発明のプロセスカートリッジは、前述の電子写真装置に含まれる電子写真感光体、ならびに帯電部材、現像部材、転写部材およびクリーニング部材の一または二以上を、一体に支持しており、かつ電子写真感光体本体に対して脱着可能にされていることを特徴とする。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されない。
[実施例1]
実施例1で用いられる電子写真感光体を、以下の通りに作製した。
まず、長さ370mm、外径84mm、肉厚3mmのアルミニウムシリンダー(JIS
A3003アルミニウムの合金)を切削加工により作製した。このシリンダーの表面粗
さを回転軸方向に測定したところRzjis=0.08μmであった。このシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流した後、更に純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
アンチモンをドープした酸化スズの膜で被覆された酸化チタン粉体(商品名:クロノスECT−62、チタン工業(株)製)60質量部、酸化チタン粉体(商品名:titone SR−1T、堺化学(株)製)60質量部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)70質量部、2−メトキシ−1−プロパノール50質量部、メタノール50質量部とからなる混合液を、約20時間ボールミルで分散処理した。この分散液に含有するフィラーの平均粒径は、0.25μmであった。
得られた分散液を、前記アルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、塗布膜を150℃に調整された熱風乾燥機中で48分間加熱乾燥して硬化させることにより、膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10質量部およびメトキシメチル化ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF30T、帝国化学産業(株)製)30質量部を、メタノール500質量部およびブタノール250質量部の混合液に溶解させた溶液を得た。得られた溶液を前記導電層の上に浸漬塗布し、塗布膜を100℃に調整された熱風乾燥機中に22分間投入して加熱乾燥させて、膜厚0.45μmの下引き層を形成した。
次に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CuKα線回折スペクトルにおける2θ±0.2°(θ:ブラッグ角)の7.4°および28.2°に強いピークを有する)顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2質量部、シクロヘキサノン90質量部からなる混合液を、直径1mmガラスビーズを用いてサンドミルで10時間分散処理した後、酢酸エチル110質量部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。
調製された塗工液を、上記の下引き層上に浸漬塗布した。80℃に調整された熱風乾燥機中に22分間投入して塗布膜を加熱乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(11)で示されるトリアリールアミン系化合物35質量部、およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50質量部を、モノクロロベンゼン320質量部およびジメトキシメタン50質量部に溶解して電荷輸送層用塗工液を得た。得られた電荷輸送層用塗工液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布した。100℃に調整された熱風乾燥機中に40分間投入して塗布膜を加熱乾燥して、膜厚20μmの第一の電荷輸送層を形成した。
次いで、下記構造式(12)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物30質量部を、1−プロパノール35質量部と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35質量部の混合溶媒に溶解した。得られた混合液を、PTFE製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過して、第二の電荷輸送層用塗工液を調製した(硬化型表面層用の塗工液)。
調製された塗工液を、前記第一の電荷輸送層上に浸漬塗布法により塗布した。その後、窒素中において加速電圧150kV、線量15kGyの条件で電子線を照射した。さらに感光体の温度を120℃として90秒間加熱処理した。加熱処理は、酸素濃度が10ppmの雰囲気下で行った。さらに、100℃に調整された熱風乾燥機中で20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二の電荷輸送層である硬化型表面層を形成した。
このようにして、各層が形成された支持体を「被処理体1」と称する。
温度23℃;湿度50%の環境下に24時間放置された被処理体1の表面の弾性変形率およびユニバーサル硬さ値を、前述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて求めた。弾性変形率は58%であり、ユニバーサル硬さ値は205であった。
弾性変形率およびユニバーサル硬さ値の測定方法は、前述の通りである。すなわち、圧子に連続的に荷重(0〜6mN)をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さを測定して、弾性変形率を求めた。測定は、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1Sの保持時間で273点)行った。圧子は、対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子とした。ユニバーサル硬さ値は、最終荷重6mNのときの値を用いて算出した。
被処理体1の表面を粗面化処理した。
被処理体1の粗面化処理は、図4で概略される乾式ブラスト装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にてブラストすることにより行った。
1)研磨材砥粒:球状ガラスビーズ、平均粒径が30μm(商品名:UB−01L (株)ユニオン製)
2)エア吹き付け圧力:0.35MPa
3)ブラストガン移動速度:430mm/分
4)ワーク(被処理体)回転速度:288rpm
5)ブラストガン吐出口と感光体の距離:100mm
6)砥粒吐出角度:90°
7)砥粒供給量:200g/分
8)ブラスト回数:2回
次に、粗面化処理(ブラスト処理)された被処理体1の表面に圧縮空気を吹き付けて、残存付着した粒子(研磨材砥粒を含む)の少なくとも一部を除去した。
圧縮空気を吹付けられた被処理体1の表面を、図1に概略される装置を用いて、以下の
条件で付着物除去処理して感光体1とした。
1)ワーク1−1(被処理体1)の回転速度:60rpm
2)圧縮空気供給部1−2からの圧縮空気の圧力:0.3MPa
3)不織布1−3:トレシー(東レ(株)製)
4)除電圧縮空気供給部1−5からの圧縮空気の圧力:0.4MPa
5)作動時間:150秒
6)空気排出口1−8からの吸引量:10m/分(不図示の集塵機により吸引した)
7)被処理体1と不織布との接触幅:5cm
得られた感光体1のエッジ部を、図5に示される吐粒観察装置を用いて観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを装備する電子写真複写機(商品名:iR
C6800、キヤノン(株)製)を、以下の点で改造した。
1)帯電器を、スコロトロン帯電器から接触式の帯電ローラとし、かつ負帯電ができるようにした。
2)感光体を、実施例1で得られた感光体1とした。
改造された複写機を用いて、以下の条件で20枚のハーフトーン画像を画出しした。
1)環境:23℃/50%RH
2)感光体の暗部電位(Vd):−600V
3)感光体の明部電位(Vl):−200V
得られたハーフトーン画像の濃度は均一であって、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例2〕
実施例1と同様に、被処理体1を作製し、粗面化処理して、さらに圧縮空気を吹付けた。
圧縮空気を吹付けられた被処理体1を、図2に示された装置を用いて、以下の条件で付着物除去処理して感光体2とした。
1)ブラシを摺擦させる時間:120秒
2)ワーク2−1(被処理体1)、導電性ブラシ2−2およびスクレーパ2−3は、それぞれアースにつないだ
3)ワーク2−1(被処理体1)の回転速度:60rpm(矢印方向)
4)ブラシ2−2の芯金の直径:20mm
5)ブラシ2−2の回転速度:100rpm(矢印方向)
6)ブラシ2−2のブラシ繊維:長さ;5mm、材質;アクリル、電気抵抗;10Ω・cm、太さ;6d(0.66mg/m)、本数;150F/mm、電子写真感光体への侵入量;1.5mm(侵入量とは、ブラシ繊維の先端部分が被処理体の内側に無抵抗で侵入したと仮定した場合の、その侵入の長さを意味する)、
7)スクレーパ2−3:材質;Cu、導電性ブラシへの侵入量;1mm
作製された感光体2のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例3〕
実施例1と同様に、被処理体1を作製し、粗面化処理して、さらに圧縮空気を吹付けた。
圧縮空気を吹付けられた被処理体1を、図3に示された装置を用いて、以下の条件で付着物除去処理して感光体3とした。
1)噴射物:ドライアイス粒子(平均粒径;15μm)
2)噴射条件:吐出圧;0.3MPa、ドライアイス噴射量;350g/分
3)噴射時間:120秒
4)ワーク3−1(被処理体1)の回転速度:60rpm(矢印方向)
5)噴射ガン3−2とワーク3−1(被処理体1)との距離:7cm
6)噴射ガン3−2の移動速度:200mm/秒(矢印方向)
感光体3のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で確認したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例4〕
実施例1と同様に、被処理体1を作製し、粗面化処理して、さらに圧縮空気を吹付けた。さらに、圧縮空気を吹付けられた被処理体1を、以下の点を変更すること以外は実施例1と同様に、図1に示す装置を用いて付着物除去処理して感光体4とした。
ワーク1−1(被処理体1)と不織布との接触幅:8cm(不織布固定部材1−4および1−4’をワーク1−1に近づけた)
感光体4のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で確認したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例5〕
実施例1と同様に、被処理体1を作製し、粗面化処理して、さらに圧縮空気を吹付けた。さらに、圧縮空気を吹付けられた被処理体1を、以下の点を変更すること以外は実施例1と同様に、図1に示す装置を用いて付着物除去処理して感光体5とした。
ワーク1−1(被処理体1)と不織布との接触幅:3cm(不織布固定部材1−4および1−4’をワーク1−1から遠ざけた)
感光体5のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で確認したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例6〕
実施例4における、図1に示される装置を用いた付着物除去処理において、除電圧縮空気供給部1−5からの圧縮空気の圧力を、0.4MPaから0.57MPaにする(ワーク1−1(被処理体1)と不織布との接触幅は8.5cmとなった)こと以外は、実施例4と同様にして、被処理体1を付着物除去処理して感光体6を得た。
付着物除去処理中の不織布の端部がゆれてしまうため、感光体の端部に不織布が接触していない場合があった。
感光体6のエッジを、実施例1と同様の吐粒観察装置で観察したところ、感光体6の端部に少量の砥粒が確認された。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。感光体の極端部に付着した砥粒
は、帯電手段に接触しなかったものと考えられる。
〔実施例7〕
実施例5における、図1に示す装置を用いた付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例5と同様にして被処理体1を付着物除去処理して感光体7を得た。
1)除電圧縮空気供給部1−5からの圧縮空気の圧力:0.12MPa
2)圧縮空気供給部1−2および1−2’からの圧縮空気の圧力:0.06MPa
3)不織布と感光体との接触幅:1.8cm
付着物除去処理中の不織布の端部がゆれてしまうため、感光体の端部に不織布が接触していない場合があった。
感光体7のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で確認したところ、端部にはやや砥粒が見られた。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。感光体の極端部に付着した砥粒は、帯電手段に接触しなかったものと考えられる。
〔実施例8〕
被処理体1の製造における、第二の電荷輸送層(硬化型表面層)の形成を以下の通りに変更すること以外は、実施例1における被処理体1の製造と同様にして被処理体2を得た。
分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.15質量部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35質量部と1−プロパノール35質量部との混合溶媒に溶解した後、潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)3質量部を加えた。得られた混合物を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)を用いて、5880Nkgf/cm(600kgf/cm)の圧力で3回処理して、均一な分散液とした。
得られた分散液を、10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧ろ過して、潤滑剤分散液を調製した。
調製された潤滑剤分散液に、前記式(12)で示される正孔輸送性化合物27質量部を加え、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過して、第二の電荷輸送層用塗工液を調製した。
この塗工液を、第一の電荷輸送層上に浸漬塗布法により塗工した。その後、実施例1と同様に電子線を照射し、さらに加熱処理して膜厚5μmの第二の電荷輸送層である硬化型表面層を形成した。
このようにして、各層が形成された支持体を「被処理体2」と称する。
被処理体2の表面を、実施例1と同様にして弾性変形率およびユニバーサル硬さ値を求めた。弾性変形率は54%であり、ユニバーサル硬さ値は198であった。
被処理体2の表面を、実施例1と同様の条件で粗面化処理して、さらに付着物除去処理して感光体8を得た。感光体8のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得ら
れた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例9〕
被処理体1の製造における、第二の電荷輸送層(硬化型表面層)の形成を以下の通りに変更すること以外は、被処理体1の製造と同様にして被処理体3を得た。
構造式(12)で示される正孔輸送化合物30質量部を、下記構造式(15)で示される正孔輸送性化合物27質量部に変更した以外は同様にして、第二の電荷輸送層用塗工液を調製した。
被処理体3の表面の弾性変形率およびユニバーサル硬さ値を、実施例1と同様にして求めた。弾性変形率は52%であり、ユニバーサル硬さ値は188であった。
被処理体3の表面を、実施例1と同様に粗面化処理し、付着物除去処理して感光体9を得た。感光体9のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例10〕
被処理体1の製造における第二の電荷輸送層(硬化型表面層)の形成を以下の通りに変更すること以外は、被処理体1の製造と同様にして被処理体4を得た。
実施例2の第二電荷輸送層用塗布液と同様の液に更に下記式(16)で示される構造を有する化合物(光重合開始材)3部を添加し、これを第二電荷輸送層用塗布液とした。
調製された第二の電荷輸送層用塗工液を、第一の電荷輸送層上に浸漬塗布した。形成された塗布膜に、メタルハライドランプを用いて500mW/cmの強度の光を60秒間照射して、膜を硬化させた。さらに、大気中で120℃に調整された熱風乾燥機中で、60分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二の電荷輸送層である硬化性表面層を形成した。
このようにして各層が形成された支持体を「被処理体4」と称する。
被処理体4の表面の弾性変形率およびユニバーサル硬さ値を、実施例1と同様にして求
めた。弾性変形率は53%であり、ユニバーサル硬さ値は183であった。
被処理体4の表面を、実施例1と同様に粗面化処理し、付着物除去処理して感光体10を得た。感光体10のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例11〕
前記実施例1の被処理体1の製造において、電荷発生層までを実施例1と同様に作製した。電荷発生層上に、以下のようにして、単一層の電荷輸送層である硬化型表面層を設けた。
前記構造式(12)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物70質量部を、1−プロパノール15質量部と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(ゼオローラH)15質量部との混合溶媒に溶解して得られた溶液を、PTFE製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過し、硬化型表面層としての電荷輸送層用塗工液を調製した。
調製された塗工液を、電荷発生層上に浸漬塗布法により塗工した。形成された塗膜に、窒素中で加速電圧150kV、線量5Mradの電子線を照射した。引き続いて感光体の温度を120℃として90秒間加熱処理を行った。加熱処理は、酸素濃度10ppmの環境下で行った。さらに、感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚10μmの電荷輸送層である硬化性表面層を形成した。
このようにして各層が設けられた支持体を、「被処理体5」と称する。
被処理体5の表面の弾性変形率およびユニバーサル硬さ値を、実施例1と同様にして求めた。弾性変形率は63%であり、ユニバーサル硬さ値は216であった。
被処理体5の表面を、下記に示す点を変更すること以外は、実施例1における粗面化処理と同様にして粗面化処理した。
エア吹き付け圧力:0.35MPaから、0.45MPaに変更
粗面化処理された被処理体4の表面を、実施例1と同様に付着物除去処理して感光体11を得た。感光体11のエッジ部を、実施例1と同様の吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例12〕
前記実施例1の被処理体の作製において、第一の電荷輸送層までを実施例1と同様に作製した。
次に、分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:サーフロンS−381、セイミケミカル(株)製)0.34質量部をメタノール35質量部とエタノール35質量部との混合溶媒に溶解した後、潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粉体(ルブロンL−2)3質量部を加えた。得られた混合液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)を用いて、3回分散処理して均一分散液とした。分散処理は、600kgf/cmの圧力条件で行った。
得られた分散液を10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧ろ過して、潤滑剤分
散液を調整した。得られた潤滑剤分散液に、レゾール型フェノール樹脂ワニス(商品名:PL−4852、群栄化学工業(株)製、不揮発成分:75%)21.2質量部、および下記式(18)で示される構造を有する電荷輸送材料11.1質量部を加え、攪拌して溶解させた。得られた混合液を、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過し、第二の電荷輸送層用塗工液を調製した。
得られた塗工液を、第一の電荷輸送層上に浸漬塗布し、145℃に調整された熱風乾燥機中で1時間加熱硬化処理し、膜厚が5μmの第二の電荷輸送層(最表面層)を形成した。このようにして各層が設けられた支持体を、「被処理体6」と称する。
被処理体6の表面の弾性変形率およびユニバーサル硬さ値を、実施例1と同様にして求めた。弾性変形率は52%であり、ユニバーサル硬さ値は197であった。
被処理体6の表面を、実施例1と同様に粗面化処理および付着物除去処理をして感光体12を得た。感光体12のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で確認したところ、砥粒は全く見られなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例13〕
実施例2における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例2と同様にして感光体13を作製した。
ブラシ2−2のブラシ繊維:長さ;4mm、太さ;3d(0.33mg/m)、本数;250F/mm、侵入量;1mm (材質および電気抵抗は変更せず)
感光体13のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で確認したところ、砥粒は全く見られなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例14〕
実施例2における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例2と同様にして感光体14を作製した。
ブラシ2−2のブラシ繊維:長さ;5.5mm、太さ;9d(0.99mg/m)、本数;120F/mm (材質、電気抵抗および侵入量は変更せず)
感光体14のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で確認したところ、砥粒は全く見られなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例15〕
実施例2における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例2と同様にして感光体15を作製した。
ブラシ2−2のブラシ繊維:長さ;3.5mm、太さ;1.5d(0.17mg/m)、本数;450F/mm、侵入量;1mm (材質および電気抵抗は変更せず)
感光体15のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ若干の砥粒が確認された。そこで、同様の条件で、さらに120秒間の付着物除去処理を行った。その結果、吐粒は除去された。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例16〕
実施例2における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例2と同様にして感光体16を作製した。
ブラシ2−2のブラシ繊維:太さ;18d(1.98mg/m)、電気抵抗;10Ω・cm、本数;60F/mm (長さ、材質および侵入量は変更せず)
ブラシを摺擦させる時間:70秒
(なお、ブラシを摺擦させる時間を70秒から延長すると、100秒程度で被処理体と導電ブラシの間で絶縁破壊が生じた。)
感光体16のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したが、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例17〕
実施例2における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例2と同様にして感光体17を作製した。
ブラシ2−2のブラシ繊維:長さ;8.5mm(太さ、電気抵抗、本数、材質および侵入量は変更せず)
得られた感光体17のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、若干の砥粒が確認された。
そこで、ブラシ繊維の侵入量を2.5mmとして、さらに付着物除去処理を行なった。同様に吐粒観察装置で観察したが、砥粒は全く確認されなくなった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例18〕
実施例3における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例3と同様にして感光体18を作製した。
ドライアイス噴射量:650g/分
噴射ガン移動速度:300mm/秒
感光体18を実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例19〕
実施例3における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例3と同様にして感光体19を作製した。
噴射条件:吐出圧;0.22MPa、ドライアイス噴射量;950g/分
(噴出圧を0.3MPaとすると、付着物は除去されるが、感光層の一部に剥がれが生じた)
感光体19を実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。また、感光層の剥がれも生じていなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例20〕
実施例3における付着物除去処理において、以下の点を変更すること以外は、実施例3と同様にして感光体20を作製した。
噴射条件:吐出圧;0.5MPa、ドライアイス噴射量;10g/分
噴射ガン3−2の移動速度:100mm/秒
噴射ガン3−2とワーク3−1(被処理体)との距離:3cm
除去回数:3回
(なお、上記変更点のうちドライアイス噴射量だけを変更した場合、被処理体表面全体に付着物が残存した)
感光体20のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例21〕
実施例1における粗面化処理(乾式ブラスト)を、以下の条件とすること以外は、実施例1と同様にして、感光体21を製作した。
1)研磨材砥粒:球状アルミナ、平均粒径が18μm、円形度が0.97(商品名:CB−A20S 昭和タイタニウム(株)製)
2)エア吹き付け圧力:0.20MPa
3)ブラストガン移動速度:430mm/分
4)ワーク(被処理体)回転速度:288rpm
5)ブラストガン吐出口と感光体の距離:100mm
6)砥粒吐出角度:90°
7)砥粒供給量:200g/分
8)ブラスト回数:2回
感光体21のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔実施例22〕
実施例1における粗面化処理(乾式ブラスト)を、以下の条件とすること以外は、実施例1と同様にして、感光体22を製作した。
1)研磨材砥粒:球状ジルコニア、平均粒径が25μm、円形度が0.94(商品名
:ジルコニアMB−20 マテリアルサイエンス(株)製)
2)エア吹き付け圧力:0.20MPa
3)ブラストガン移動速度:430mm/分
4)ワーク(被処理体)回転速度:288rpm
5)ブラストガン吐出口と感光体の距離:100mm
6)砥粒吐出角度:90°
7)砥粒供給量:200g/分
8)ブラスト回数:2回
感光体22のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験をおこなった。得られた画像は均一な濃度で、画像欠陥のない画像であった。
〔比較例1〕
実施例1における付着物除去処理前の、粗面化された被処理体1を感光体として用いて実施例1と同様に電子写真複写機を改造した。感光体として用いた付着物除去処理前の被処理体1のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、エッジ部に砥粒の残存が確認された。
前記改造複写機を用いて、実施例1と同様に画出し試験を行って得られたハーフトーン画像には黒点が発生した。黒点に相当する感光体表面をレーザー顕微鏡で観察したところ、絶縁破壊を生じていることが確認された。
〔比較例2〕
実施例1における付着物除去処理において、圧縮空気供給部1−2及び1−2’からの圧縮空気の圧力を0.3MPaから5.5MPaに変更する(感光体との接触長さは4.7cmとなった)こと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
付着物除去処理中の不織布は波をうつようにゆれており、感光体に接触していない場合が多々あった。
作製された感光体のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、感光体表面全域にわたって、粗密に砥粒が確認された。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験を行った。得られたハーフトーン画像には黒点が発生した。黒点に相当する感光体表面をレーザー顕微鏡で観察したところ、絶縁破壊を生じていることが確認された。
〔比較例3〕
実施例1における付着物除去処理において、除電圧縮空気供給部1−5からの圧縮空気の圧力を0.4MPaから0.75MPaに変更する(感光体との接触長さは13cmとなった)こと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
付着物除去処理中の不織布は、極短波をうつようにゆれており、感光体に接触していない場合があった。
作製された感光体を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、感光体表面全域にわたって、粗密に極微量の砥粒が確認された。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験を行った。得られたハーフトーン画像には黒点が発生した。黒点に相当する感光体表面をレーザー顕微鏡で観察したところ、絶縁破壊を生じていることが確認された。
〔比較例4〕
実施例4における付着物除去処理において、除電圧縮空気供給部1−5からの圧縮空気の圧力を0.06MPaとして、圧縮空気供給部1−2及び1−2’からの圧縮空気の圧力を0.03MPaとした(感光体との接触長さは0.8cmとなった)こと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製した。
付着物除去処理中の不織布は、接触長さが短いため、不均一に感光体との接触、非接触を繰り返していた。
作製された感光体のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で確認したところ、感光体表面全域にほぼ均一に砥粒が残存していることが確認された。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して画出し試験を行った。得られたハーフトーン画像には黒点が発生した。黒点に相当する感光体表面をレーザー顕微鏡で観察したところ、絶縁破壊を生じていることが確認された。
〔比較例5〕
実施例2における付着物除去処理において、ブラシ繊維の電気抵抗を1011Ω・cmとした。付着物除去処理を開始してから約30秒後に、感光体表面に絶縁破壊が生じた。吐粒がブラシで除去されず電荷が蓄積したために発生したものと推察される。
〔比較例6〕
実施例3における付着物除去処理において、ドライアイス噴射量を1.2kg/分とすること以外は、実施例3と同様にして感光体を作製した。作製された感光体のエッジ部を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、砥粒は全く確認されなかったが、感光層の一部に剥がれを生じていた。
吐出圧の低減、ガン移動速度の高速化および被処理体−ガン距離の離間などにより、剥がれの防止を試みたが改善されなかった。
〔比較例7〕
実施例3における付着物除去処理において、ドライアイス噴射量を30g/分とすること以外は、実施例3と同様にして感光体を作製した。作製された感光体を、実施例1と同様に吐粒観察装置で観察したところ、比較例1と同量の吐粒が確認され、除去効果がほとんど見られなかった。
吐出圧の上昇、ガン移動速度の低速化、感光体−ガン距離の近接などにより、砥粒の除去を試みたが完全に除去されなかった。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験を行った。得られたハーフトーン画像に黒点が発生した。
〔比較例8〕
実施例1における粗面化処理(ブラスト処理)を、下記の条件で行うこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
1)研磨材砥粒:多角形ホワイトアランダム、平均粒径が20μm、円形度が0.75(商品名:WA#600 不二製作所(株)製)
2)エア吹き付け圧力:0.35MPa
3)ブラストガン移動速度:430mm/分
4)ワーク(感光体)回転速度:288rpm
5)ブラストガン吐出口と感光体の距離:100mm
6)砥粒吐出角度:90°
7)砥粒供給量:200g/分
8)ブラスト回数:2回
作製された感光体のエッジ部を、実施例1と同様にして吐粒観察装置で観察したところ、ほぼ感光体表面全域に砥粒が確認された。
さらに、実施例1と同様に電子写真複写機を改造して、画出し試験を行った。得られたハーフトーン画像に黒点が発生した。
不織布を用いた付着物除去処理を行う装置の一例を示す図である。 ブラシを用いた付着物除去処理を行う装置の一例を示す図である。 気体を固化した粒子を衝突させて付着物除去処理を行う装置の一例を示す図である。 粗面化をするためのブラスト装置を示す図である。 被処理体表面のユニバーサル硬さ値の測定におけるチャートの概略を示す図である。 被処理体表面のユニバーサル硬さ値の測定における出力チャートの一例を示す図である。

Claims (14)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた有機感光層を含む電子写真感光体の製造方法であって、
    1)前記支持体および有機感光層を含み、かつ表面の弾性変形率が45%以上である被処理体を用意する工程、
    2)前記被処理体の表面に、平均円形度が0.900以上の研磨粒子を含む粉体を衝突させることによって、該表面を粗面化処理する粗面化工程、および
    3)前記粗面化処理された表面に付着した付着物を除去する付着物除去工程、
    を含むことを特徴とする、電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記付着物除去工程が、前記表面と不織布を接触させることによって、前記付着物を除去する工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記不織布の接触とともに、除電機能を有する空気を前記表面に吹き付ける、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記付着物除去工程が、常温常圧において気体である物質の固体粒子を含む粉体を、前記表面に衝突させることによって前記付着物を除去する工程である、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記固体粒子の体積基準粒度分布における平均粒径が10〜60μmである、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記付着物除去工程が、前記表面とブラシを接触させることによって前記付着物を除去する工程である、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記粗面化工程と前記付着物除去工程との間に、前記表面に圧縮空気を吹き付ける工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記圧縮空気は除電機能を有する、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記表面の弾性変形率が50%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記表面の弾性変形率が65%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記表面のユニバーサル硬さ値が150〜220N/mmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法により製造される電子写真感光体、ならびに
    帯電部材、現像部材、転写部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも一つの部材
    を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法により製造される電子写真感光体、帯電部材、露光部材、現像部材および転写部材を有することを特徴とする電子写真装置。
  14. さらにクリーニング部材を有する、請求項13に記載の電子写真装置。
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