JP2006267242A - 眼鏡フレームの丁番構造、眼鏡フレーム、及び眼鏡フレームの製造方法 - Google Patents

眼鏡フレームの丁番構造、眼鏡フレーム、及び眼鏡フレームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間にわたり適度なアガキを維持できる眼鏡フレームの丁番構造を提供する。
【解決手段】眼鏡フレームの智2に対しテンプル3を回動可能に連結する丁番構造において、智またはテンプルの一方の連結端13に、溝24を挟んで複数の平行な連結駒23を設けると共に、他方の連結端12に、溝に挿入される連結駒22を設け、一方の連結端の複数の連結駒間の溝に他方の連結端の連結駒が嵌まるように両連結端の連結駒を噛み合わせ、その状態で両連結端をピン4により回動可能に連結すると共に、一方の連結端の最外側の2枚の連結駒23の外面を一対の挟持壁5b、5cで挟むように、該連結端にコ字形のクリップ5を固定することにより、一方の連結端の連結駒に溝を狭める方向の圧接力を作用させて、それにより両連結端の連結駒22、23の摺動面間にアガキ(摺動摩擦抵抗)を付与した。クリップ5は、常温で一定形状を記憶する特性を持つと共にバネ性を併せ持つ形状記憶合金で形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼鏡フレームの丁番(「蝶番」または「ヒンジ」とも呼ばれる)構造、その丁番構造を備える眼鏡フレーム、及び、その眼鏡フレームの製造方法に関するものである。
眼鏡フレームのテンプルは、フロント部に対して開閉可能に連結されている。このような開閉機能を有する構造としては、丁番構造が広く用いられている。
図15は従来の丁番構造の一般的な例を示している。
図15において、1は眼鏡フレームのフロント部のリム、2はそのリム1の側部に設けられた智(「ヨロイ」とも呼ばれる)、3は智2に連結されるテンプルであり、智2の連結端12とテンプル3の連結端13の連結手段として丁番構造が使用されている。
具体的には、智2の連結端12に溝を挟んで2枚の連結駒22が設けられ、テンプル3の連結端13に、智2側の連結端12の溝に嵌まる1枚の連結駒23が設けられ、各連結駒22、23に貫通したネジ通し孔22a、23aが設けられている。智2の連結端12の下側の連結駒22のネジ通し孔22aには雌ネジが切られている。
そして、智2の連結端12の2枚の連結駒22間の溝に、テンプル3の連結端13の1枚の連結駒23を挿入し、重ね合わさった連結駒22、23のネジ通し孔22a、23aを位置合わせした状態で、全ネジ通し孔22a、23aに1本のネジ101を通し、そのネジ101の先端を智2の連結端12の下側の連結駒22の雌ネジに締結することにより、智2に対してテンプル3が回動可能に連結されている。なお、智2の連結端12の下側の連結駒22のネジ通し孔22aに雌ネジを切る代わりに、ネジの101の先端にナットを締結することもある。
このような1本のネジ101を使用した丁番構造においては、テンプル3の開閉が繰り返されるに従い、ネジ101の軸部分とネジ通し孔22a、23aとが摺れて磨耗し、テンプル3を開閉するときの適度な摺動摩擦抵抗(以下「アガキ」という)が失われたり、ひどい場合にはテンプル3にぐらつきが生じたりするという問題があった。
特に、ネジ通し孔22a、23aの内周壁に対して摺動するネジ101の軸部分にネジ山がある場合は、テンプル3の開閉時にネジ山がネジ通し孔22a、23aの内壁面に食い込むことがあるため、ネジ通し孔42a、23aの内壁面とネジ101の摺動部分が磨耗しやすかった。特に連結駒22、23が樹脂からなる場合は磨耗が激しい。また、ネジ101が、連結手段としての機能の他に回動軸を兼ねていることから、テンプル3の開閉に伴ってネジ101が緩みやすいという問題もあり、この点でもアガキがなくなったり、ぐらつきが生じたりすることがあった。また、アガキの調整はネジ101の締め付け具合によって行うので、適度なアガキを持たせることが難しかった。
そこで、適度なアガキを長期間にわたり維持する方法が種々提案されている。
その方法として、丁番の軸(ピン)とその軸を通す軸孔との間に弾性スリーブ(弾性部材)を介在させるものや、丁番の各連結駒の間に弾性部材を介在させるものがある。前者の例は特許文献1に開示があり、後者の例は特許文献2に開示がある。
特開平11−24007号公報 特開2002−90697号公報
ところで、特許文献1に記載の技術の場合、軸孔に弾性スリーブを介してピンを圧入しているが、軸部材である弾性スリーブと軸孔との摺動面積は連結駒同士で摺動させる場合に比べて小さいため、開閉の繰り返しで弾性スリーブが磨耗し、早期にアガキが低下してしまうおそれがある。特にスリーブが軸孔から抜けないように、智側またはテンプル側のいずれか一方の軸孔との摩擦抵抗が大きくなるように設定しているため、スリーブと軸孔との間で摺動接触する部分は、実質摩擦抵抗の小さい方の軸孔と接触する部分だけになるため、摺動面積がさらに小さくなってしまう。また、弾性スリーブが常に圧接された状態になるため、潰れて復元力を失った状態になってしまうと、アガキが低下する可能性もある。
また、特許文献2に記載の技術の場合も、連結駒同士の間に介在している弾性部材が、ネジによる締め付けにより常に圧接されているため、弾性部材が潰れて復元力を失ってしまうと、アガキは低下してしまう。また、ネジが回転軸を兼ねているため、テンプルの開閉を繰り返すことによりネジの緩みが生じやすく、このネジの緩みによってもアガキが低下してしまうおそれがある。
また、上記いずれの文献に記載の技術の場合も、弾性部材が押圧されて収縮している状態での弾性力を利用して長期間のアガキの維持を確保しているが、収縮量が大きいほど圧接状態での摺動に対して消耗、劣化が早くなるため、これにより収縮量が小さくなると、早期にアガキが低下してしまうおそれもある。
本発明は、上述の背景のもとでなされたものであり、長期間にわたり適度なアガキを維持できる眼鏡の丁番構造、その丁番構造を備える眼鏡フレームもしくは眼鏡、および、眼鏡フレームの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明の眼鏡の丁番構造は、眼鏡の部材間を回動可能に連結する眼鏡の丁番構造において、前記回動可能に連結する部材の一方の連結端に、溝を挟んで複数の連結駒を設けると共に、他方の連結端に、前記溝に挿入される連結駒を設け、前記一方の連結端の複数の連結駒間の溝に他方の連結端の連結駒が嵌まるように両連結端の連結駒を噛み合わせ、その状態で両連結端を回転軸により回動可能に連結すると共に、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面を一対の挟持壁で挟むように、該連結端に前記一対の挟持壁を有するクリップを固定することにより、前記一方の連結端の連結駒に前記溝を狭める方向の圧接力を作用させて、それにより一方の連結端と他方の連結端の連結駒の摺動面間に摺動摩擦抵抗を付与したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記クリップを弾性を有する素材で形成し、前記一方の連結端に固定する前の自由状態における前記クリップの一対の挟持壁の少なくとも開口側の内面間寸法を、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面間寸法よりも小さく設定することで、前記一方の連結端にクリップを固定した状態においてクリップの弾性力により前記圧接力を作用させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記クリップを、予め記憶された一定形状に常温で復元する特性を持つと共にバネ性を併せ持つ形状記憶合金で形成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3において、前記各連結駒にピン挿入孔を設け、前記両連結端の連結駒を噛み合わせた状態で、前記全部のピン挿入孔に貫通させて前記回転軸としてのピンを挿入することにより前記両連結端を回動自在に連結し、前記ピンの長さを、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面間寸法よりも短く設定したことによって前記最外側の2枚の連結駒のピン挿入孔内に生じる両端の空所に、前記挟持壁の内面に突設した突起を係合させることで、クリップの抜け止めを行ったことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2または3において、前記一方の連結端の2枚の連結駒の外面に、クリップの挿入方向と逆方向の付勢力をクリップに与える傾斜を設け、その傾斜にクリップの挟持壁を係合させることで、クリップの抜け止めを行ったことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2または3において、前記回転軸を、前記連結駒同士の摺動面の一方に設けた凸部と他方に設けた凹部の係合により構成したことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記クリップを、眼鏡フレームの外側方から前記一方の連結端に嵌合させたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記クリップを、眼鏡フレームの内側方から前記一方の連結端に嵌合させたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8において、前記クリップの一対の挟持壁を繋ぐ連結壁に、動作の際に他方の連結端との干渉を避ける逃げ部を設けたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかにおいて、前記一方の連結端の連結駒の枚数を3枚以上とし、他方の連結端の連結駒の枚数をそれよりも1枚少ない枚数としたことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1〜10のいづれかにおいて、 前記一方の連結端は智又はテンプルのいづれか一方に形成され、他方の連結端はその残り一方に形成されたことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1〜10のいづれかにおいて、前記一方の連結端は眼鏡レンズに一体に形成され、他方の連結端はテンプルに形成されたことを特徴とする。
請求項13の発明の眼鏡フレームは、請求項1〜11のいずれかに記載の丁番構造を用いて部材間を連結したことを特徴とする。
請求項14の発明の眼鏡は、 請求項1〜12のいずれかに記載の丁番構造を用いて部材間を連結したことを特徴とする。
請求項15の発明の眼鏡フレームの製造方法は、眼鏡フレームの部材間を回動可能に連結した眼鏡フレームの製造方法において、前記回動可能に連結する部材の一方の連結端に、溝を挟んで複数の連結駒を設けると共に、他方の連結端に、前記溝に挿入される連結駒を設け、前記一方の連結端の複数の連結駒間の溝に他方の連結端の連結駒が嵌まるように両連結端の連結駒を噛み合わせ、その状態で両連結端を回転軸により回動可能に連結し、一方、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面を挟む一対の挟持壁を有した形状記憶合金製のクリップを用意し、このクリップは予め形状が記憶され、常温でその記憶した形状に復元する機能を有し、これを柔らかくなるなる温度に冷却または加熱しながら変形させて挟持壁の間隔を広げ、その状態で前記一方の連結端に前記一対の挟持壁で最外側の2枚の連結駒の外面を挟むようにクリップを装着し、その後、クリップを常温に戻して、記憶した形状に復元させることで、前記一方の連結端の連結駒に前記溝を狭める方向の圧接力を作用させて、それにより一方の連結端と他方の連結端の連結駒の摺動面間に摺動摩擦抵抗を付与することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、眼鏡部材の一方の連結端にクリップを固定することで、クリップに設けた一対の挟持壁によって外側から連結駒に圧接力を作用させるので、長期にわたり連結駒の摺動面間に適度のアガキ(摺動摩擦抵抗)を与えることができる。
請求項2の発明によれば、一方の連結端にクリップを固定するだけで、クリップの弾性力によって、長期にわたり連結駒の摺動面間に適度のアガキを与えることができる。
請求項3の発明によれば、形状記憶合金製のクリップを使用したので、温度条件を変えて変形させた状態でクリップを所定部位に装着し、後は常温に戻すだけで、長期にわたり連結駒の摺動面間に適度のアガキを与えることができる。また、クリップを外す場合にも、温度条件を変えてクリップを変形させるだけで、簡単にクリップを外すことができる。従って、クリップの交換やテンプルの交換も容易に行うことができる。
請求項4の発明によれば、眼鏡部材の連結端同士をピンで連結した状態でクリップを固定し、そのクリップの挟持壁に設けた突起を、最外側の2枚の連結駒のピン挿入孔内の空所に係合させるだけで、簡単確実にクリップの抜け止めを行うことができる。
請求項5の発明によれば、最外側の2枚の連結駒の外面の傾斜にクリップを係合させるだけで、クリップの抜け止めを行うことができる。
請求項6の発明によれば、回転軸を、連結駒同士の摺動面の一方に設けた凸部と他方に設けた凹部の係合により構成したので、ピンが不要であり、連結駒の間隔を開きながら凸部と凹部を係合させるだけで、眼鏡部材の連結端同士を回動自在に連結することができる。
請求項7の発明によれば、クリップを眼鏡フレームの外側方から嵌合させたので、クリップをデザイン上のポイントとして見せることができる。
請求項8の発明によれば、クリップを眼鏡フレームの内側方から嵌合させたので、クリップを外側から目立たないようにすることができる。
請求項9の発明によれば、内側方から嵌合させる場合に、クリップの一対の挟持壁を繋ぐ連結壁に逃げ部を設けているので、眼鏡部材の回動動作の際の部材の干渉を避けることができる。従って、開閉動作に影響を与えずに挟持壁の大きさを大きくでき、安定した圧接力を連結駒に付与させることができる。
請求項10の発明によれば、連結駒の枚数を3枚と2枚の組み合わせ以上としたので、幅広の部材に適用した場合にも、安定した開閉動作を実現できる。
請求項11の発明によれば、智とテンプルの連結端同士の回動に適度のアガキを持たせることができる。
請求項12の発明によれば、眼鏡レンズに一体に形成された連結端とテンプルの連結端との回動に適度のアガキを持たせることができる。
請求項13の眼鏡フレームによれば、長期にわたり適度のアガキを持たせることができる。
請求項14の眼鏡によれば、長期にわたり適度のアガキを持たせることができる。
請求項15の発明によれば、温度条件を変えて変形させた状態でクリップを所定部位に装着し、後は常温に戻すだけで、長期にわたり連結駒の摺動面間に適度のアガキを与えることができる。従って、組み付け性がよい。
以下、本発明の各実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の眼鏡フレーム及びその丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)は組立前の状態を示す斜視図、(c)は(a)のIc−Ic矢視断面図である。
図1において、1は眼鏡フレームのフロント部のリム、2はリム1の側部に設けられた智、3はテンプルである。なお、智2が眼鏡レンズに直接取り付けられる場合もある。智2とテンプル3は、実施形態の丁番構造により、矢印A方向に回動可能に連結されている。この丁番構造の特徴は、コ字形の圧接用クリップ5の弾性力によって、テンプル3の開閉動作の際のアガキ(摺動摩擦抵抗)を与えている点にある。
テンプル3側の連結端13には、溝24を挟んで2枚の平行な連結駒23が設けられ、智2側の連結端12には、テンプル3側の溝24に挿入される1枚の連結駒22が設けられている。また、各連結駒22、23には、それぞれピン通し孔22a、23aが設けられている。
そして、テンプル3側の連結端13の2枚の連結駒23、23間の溝24に、智2側の連結端12の1枚の連結駒22を挿入することで、両連結端12、13の連結駒22、23が噛み合わせられ、その状態で、全部のピン挿入孔22a、23aに貫通させて、ピン(回転軸)4を差し込むことにより、両連結端12、13がピン4によって回動自在に連結されている。
また、その状態で、眼鏡フレームの外側方から、コ字形のクリップ5をテンプル3側の連結端13に嵌合することによって、所定のアガキが付与されている。
クリップ5は、連結壁5aと、その上下端に連設された互いに対向する一対の挟持壁5b、5cとを有するコ字形のもので、1枚の形状記憶合金(ニッケルチタン合金等)を曲げ加工することによって構成されている。この形状記憶合金は、高温の所定温度で一定形状を記憶し、常温でその記憶した形状に回復し、その回復する温度より低温または高温の領域で軟化する特性を持つと共に優れた弾性を併せ持つものである。ここでは形状記憶合金として、例えばニッケルチタン合金で、500℃で形状を記憶し、0℃から60℃の範囲で記憶した形状に回復し、0℃〜−10℃、ならびに 70℃〜80℃から徐々に柔らかくなる特性を持つもの(古河テクノマテリアル社製、商品名 NT合金)が採用されている。
この場合のクリップ5は、図2(a)に示すように、テンプル3側の連結端13に嵌合する前の自由状態において、一対の挟持壁5b、5cが開口端側に向けて窄まった形状に形成されており、寸法的には、挟持壁5b、5cの開口端側の内面間寸法が、テンプル3の連結端13の2枚の連結駒23、23の外面間寸法よりも小さくなるように設定されている。
このクリップ5を製作する場合は、例えば次の手順で行う。
(1)丸線材を定尺切断
(2)プレス成形
(3)なまし処理(700℃)
(4)研磨
(5)曲げ
(6)形状記憶処理
なお、前記(2)のプレス成形において、図2(b)に示すように、後述する抜け止め用の小突起5dを形成しておく。そして前記(3)なまし処理、前記(4)研磨の工程を経た後、図2(b)に示すように前記小突起5dが向かい合うように挟持片5b、5cを曲げ加工する。そして前記(6)形状記憶処理において、この折り曲げたクリップ5を、記憶させたい形状に保持するための型に入れ、500℃で20〜30分加熱した後、急冷して形状を記憶させる。
このような工程を経て形成したクリップ5をテンプル3側の連結端13に取り付けるには、予め2枚の連結駒23、23に1枚の連結駒22を噛み合わせ、ピン通し孔22a、23aを位置合わせしてピン4を差し込んだ後、形状記憶合金製のクリップを−20℃程度に冷却(コールドスプレーを吹き付ける等して冷却)しながら挟持壁5b、5c間の開口部を広げる。そしてその状態で、テンプル3側の2枚の連結駒23の外面を一対の挟持壁5b、5cで挟むように、クリップ5をテンプル3の連結端13に装着する。
その後、クリップ5を常温に戻すと、クリップ5の形状が、予め記憶した元の形状(先窄まり形状)に戻ることで、クリップ5自身の持つ弾性力によって、一対の挟持壁5b、5cが、テンプル3側の2枚の連結駒23、23を溝24を狭める方向に締め付ける。そして、その締め付けによる圧接力によって、両連結端12、13の連結駒22、23の摺動面間にアガキ(摺動摩擦抵抗)が付与される。
この場合、プレス成形の段階で、クリップ5の挟持壁5b、5cの内面には、ピン通し孔22a、23aに嵌まる小突起5dが形成されており、この小突起5dが、図1(c)に示すように、敢えてピン4の長さをテンプル3の2枚の連結駒23、23の外面間寸法よりも短く設定したことによって2枚の連結駒23、23のピン挿入孔内23aに生じる両端の空所に係合することで、クリップ5の抜け止めが行われる。
なお、テンプル3側の連結端13の外周面のクリップ5が嵌まる位置には、クリップ5の板厚程度の凹み13aが設けられており、クリップ5を嵌めた際に隣接部分との間に段差ができるだけ出ないようにしてある。
このように、本実施形態の丁番構造では、コ字形のクリップ5を、テンプル3側の連結端13に外側から固定するだけで、クリップ5に設けた一対の挟持壁5b、5cによって、外側から連結駒23、23に圧接力を作用させることができるので、長期にわたって連結駒22、23の摺動面間に適度のアガキ(摺動摩擦抵抗)を与えることができる。
しかも、形状記憶合金製のクリップ5を使用しているので、温度条件を変えながら変形させた状態でクリップ5を所定部位に装着し、後は常温に戻すだけで、簡単に組み立てられる。
また、クリップ5を外す場合にも、温度条件を変えてクリップ5を変形させるだけで、簡単にクリップ5を外すことができる。従って、クリップ5の交換やテンプル3の交換も容易に行うことができる。
例えば、図3に示すように、クリップ5の連結壁5aや挟持壁5b、5cの外面に装飾模様を施しておけば、あるときは一方のクリップ15を装着し、またあるときは、別のクリップ25に交換することができ、クリップ5のバリエーションを楽しむことができる。
また、クリップ5の脱落防止も、クリップ5の挟持壁5b、5cに設けた小突起5dを、2枚の連結駒23のピン挿入孔23aに係合させるだけで、簡単確実に行うことができる。
また、ピン4は、回動軸としての役割に専念させることができるので、ピン4の側面にはネジ溝が無く、従来のように回動軸を兼ねるネジで締結する場合と違って、ネジ溝がピン通し孔の内壁に噛み込んで磨耗したり、ガタツキを生じさせたりする虞がない。つまり、アガキを得るために連結駒22、23間に圧接力を付与する手段(クリップ5)と、連結駒22、23同士を回動可能に連結する手段(ピン4)とを別のものとし、敢えて役割を分担させているので、特にアガキの劣化を防止することができる。また、ピン4は、締結部材としての役割を持たなくてよいことから、複雑な形状に加工する必要は無く、製造が容易である。
また、ピン4だけの交換も容易であるので、メンテナンス上も好ましい。
また、ピン4を弾性材料を用いてピン通し孔22a、23aの内径よりも大きい外径に構成して、このピン4とピン通し孔22a、23aの内面との間に摩擦抵抗を生じるようにしてもよい。
なお、組立手順としては、まず、図1(b)の矢印f1で示すように、智2側の1枚の連結駒22を、テンプル3側の2枚の連結駒23、23間の溝24に挿入する。次に矢印f2で示すように、ピン4を連結駒22、23のピン通し孔22a、23aに差し込む。そして、最後にクリップ5を、上述した要領でテンプル3側の連結端13に嵌める。これだけで、(a)、(c)に示す丁番構造を得ることができる。
一方、分解する場合は、逆順に作業を行えばよい。即ち、まずクリップ5にコールドスプレーを吹きかけてクリップ5が軟化する温度まで冷却し、この柔らくなった状態でクリップ5を変形して外す。次にピン4を抜く。そして最後に、連結駒22、23の噛み合わせを解く。以上により簡単に分解できる。この際、ピン4は、主に連結駒22、23を回動可能に連結する手段として使い、摩擦抵抗を付与する手段としては使っていない場合は、小さな力でスムーズに抜き取ることができる。なお、クリップ5は、組立状態においてピン4の抜け止めの機能も果たしている。
<第2実施形態>
図4は本発明の第2実施形態の丁番構造を示している。
前記第1実施形態の丁番構造では、クリップ5の抜け止めを、クリップ5の挟持壁5b、5cに設けた小突起5dを、テンプル3側の連結駒23のピン通し孔23aに係合させることで行っていたが、本実施形態では、テンプル3側の連結端13Bの断面を略楕円形状(あるいは略円形状)に設定し、連結駒23、23の外面の凹み13bに、C字形(コ字形の角を丸めた形状)に形成したクリップ35を嵌めることで、クリップ5の抜け止めを行っている。
この場合、具体的には、テンプル3側の連結端13Bを断面楕円形状に形成することによって、連結駒23の外面に、クリップ35の挿入方向と逆方向の付勢力をクリップ35に与える傾斜ができ、その傾斜にC字形のクリップ35の挟持壁35b、35cの開口端側が係合することによって、クリップ35の抜け止めが行われる。
ここで使用しているクリップ35は、テンプル3の連結端13Bの断面形状に対応した楕円形状を少し内側にせばめた形状のもので、連結壁35aから上下の挟持壁35b、35cまでが滑らかに湾曲している。
このように、テンプル3側の連結端13の断面形状を、傾斜部分を有する適当な形状に設定し、それに合わせてクリップ35の形状を設定することにより、クリップ35の抜け止めを行うことができる。この場合、連結端13の断面形状及びクリップ35の形状の選定だけで、クリップ35の抜け止めを行うことができるので、前記第1実施形態において設けていたような小突起5dを省略することができる。
なお、クリップの抜け止めを行うための形状としては、他に図5に示すような例も考えられる。
(a)の例は、テンプル3側の連結端13Cを断面菱形に形成し、それに合わせてクリップ45を菱形に形成している。この場合は、クリップ45の連結壁45aの中間、また上下の挟持壁45b、45cの中間にそれぞれ折れ曲がり部があることにより、挟持壁45b、45cの開口端側が、連結駒23の外面の傾斜に引っ掛かって、クリップ45が抜け止めされる。
また、(b)の例は、テンプル3側の連結端13Dを、クリップ55の挿入方向に上下外面が窄まった断面台形状に形成し、それに合わせてクリップ55を台形状に形成している。この場合は、クリップ55の連結壁55aから延びる上下の挟持壁55b、55cが先窄まりになっていることにより、挟持壁55b、55cの開口端側が、連結駒23の外面の傾斜に圧接して、クリップ55が抜け止めされる。
また、(c)の例は、連結端13の外面の傾斜を利用して抜け止めを行う場合の例ではなく、爪部を利用してクリップの抜け止めを行う場合の例を示している。ここでは、第1実施形態と同じ形状のテンプル3側の連結端13に対し、それに合わせてクリップ95をコ字状に形成し、その開口側の先端に、連結端13の連結駒23の先端を後方(図中右方)へ押圧する弾性力を生じる爪部95d、95eを設けている。この場合、クリップ95の連結壁95aから延びる上下の挟持壁95b、95cの先端に、内側に湾曲した爪部95d、95eを設けており、この爪部95d、95eの先端を、連結駒23の側端面に圧接させることで、がたつきのないクリップ95の抜け止めを行っている。
なお、クリップの抜け止めの形状は、上下の挟持壁で異なるものを組み合わせても良い。
例えば、上側の挟持壁に図1(c)のような小突起5dを設け、下側の挟持壁に図5(a)のような折れ曲がり部を設けるなどの例を挙げることができる。
<第3実施形態>
図6は本発明の第3実施形態の丁番構造を示している。
この丁番構造では、クリップ65の形状を前記第1実施形態と異ならせている。
即ち、一対の挟持壁(挟持板)65b、65cを繋ぐ連結部材として、線材や帯板を湾曲加工したC形バネ65aを使用し、C形バネ65aの両端に挟持壁65b、65cを固着したクリップ65を使用している。この場合も、抜け止め用に挟持壁65b、65cの内面に、テンプル3側の連結駒23のピン通し孔23aに嵌まる小突起65dを設けている。クリップ65には、前記第1実施形態と同様に形状記憶作用が与えられている。その他の構成・作用は、前記第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
図7は本発明の第4実施形態の丁番構造を示している。
前記第1実施形態の丁番構造では、クリップ5を眼鏡フレームの外側方からテンプル3側の連結端13に嵌合させていたが、本実施形態の丁番構造では、クリップ75を眼鏡フレームの内側方(矢印B方向)からテンプル3側の連結端13に嵌合させている。このように内側方から嵌める場合、クリップ75を外から目立ちにくくすることができる。
しかし、内側方にクリップ75を嵌めた場合、矢印Aのように回動可能に取り付けてあるテンプル3を閉じるときに、智2側の部分(連結駒22)がクリップ75に干渉しやすくなる。そこで、クリップ75の連結壁5aに、切欠かれたように凹んだ部分である逃げ部5eを設けて干渉を避けている。こうすることで、挟持壁5b、5cの大きさを小さくせずに済み、圧接力を安定して連結駒22、23間に付与できるようになる。なお、前記逃げ部5eの形状は、図7に示した切欠に限定せず、連結壁5aの上下端側より凹んだ形状をして干渉を避けているものであればよい。
図8は、内側方にクリップを嵌めた場合のクリップと智との干渉を回避する他の例を示す。この場合は、クリップ105を矢印Cのように、テンプル3の軸方向に対して斜めの方向から嵌め込むことにより、クリップ105の連結壁5aが、智2の連結端12の回動領域に重ならないようにして、互いの干渉を避けている。なお、ここで使用するクリップ105は、上記のようにテンプル3に対して斜め方向から嵌め込んでも、クリップ105の連結壁5aとテンプル3の内側面との間に無用な隙間ができないように、連結壁5aの角度を、テンプル3の内側面に沿った角度に設定している。
また、図7及び図8で示した実施形態は、智2がレンズ100に直接取り付けられた場合の例であり、レンズ100の縁面から内側に切り欠かれた溝(図示略)に、智2に延設した取付片101を嵌め込むことで、智2とレンズ100とを結合している。
<第5実施形態>
図9は本発明の第5実施形態の丁番構造を示している。
前記第1実施形態の丁番構造では、テンプル3側の連結端13の連結駒23の枚数を2枚とし、智2側の連結端12の連結駒22の枚数を1枚として組み合わせる場合を説明したが、本実施形態の丁番構造では、テンプル3側の連結端13Eの連結駒23の枚数を3枚とし、智2側の連結端12Bの連結駒22の枚数を2枚として組み合わせている。また、デザイン的な要請からクリップ5の連結壁5aを斜めに設け、クリップ5を斜め外側方からテンプル3側の連結端13Eに嵌合させている。
この丁番構造のように、連結駒22、23の枚数を増やすと、幅広の眼鏡フレームに適用した場合にも、安定した開閉動作を実現できる。本例では3枚と2枚の組み合わせであるが、それ以上の枚数の組み合わせも可能である。いずれの場合も、最外側の連結駒を挟むようにクリップを装着すればよい。
なお、以上の各実施形態においては、テンプル3側の連結端13(13B〜13E)の連結駒23の枚数を多くし、智2側の連結端12(12B)の連結駒23の枚数をそれより1枚少なくして、連結駒22、23同士を噛み合わせ、その状態で、枚数の多い方のテンプル3側の連結端13にクリップ5(25、35、45、55、65、75、95、105)を固定する場合について説明したが、それとは反対に、智2側の連結駒23の枚数を多くし、テンプル3側の連結駒23の枚数をそれより1枚少なくして、連結駒22、23同士を噛み合わせ、その状態で、枚数の多い方の智2側の連結端にクリップを固定するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、回転軸として実際にピン4を、ピン通し孔22a、23aに差し込む形式について述べたが、ピン4を使用しないで(省略して)回転軸を、連結駒22、23同士の摺動面の一方に設けた凸部と他方に設けた凹部の係合により構成することもできる。
<第6実施形態>
図10は本発明の第6実施形態の丁番構造を示している。
この丁番構造では、智2側の連結端112に、溝24を挟んで2枚の連結駒22、22を設けると共に、テンプル3側の連結端113に、前記溝24に嵌まる1枚の連結駒23を形成している。また、テンプル3側の連結駒23には、凹部としての小孔23a(前記ピン通し孔23aと同じものであるから同符号を付す)を設けているが、智2側の連結駒23の内面には、孔ではなくて、小さな凸部14を設け、テンプル3側の小孔(凹部)23aに智2側の凸部14を嵌めることで回転軸を構成し、それによりテンプル3と智2を回動可能に連結している。また、智2側の連結端112を外面がカーブした断面略台形状に形成し、それに合わせてクリップ55の形状を決めることで、図5(b)の例と同様にクリップ55の抜け止めを図っている。
この丁番構造を組み立てるには、まず、矢印f1で示すように智2側の2枚の連結駒22を押し開きながら、矢印f2で示すように連結駒22間の溝24にテンプル3側の1枚の連結駒23を挿入し、小孔23aと凸部14を係合させることで、連結端112、113同士を回動可能に結合する。次に、その状態で、クリップ55を智2側の連結端112の外面に嵌め付けることで、智2側の連結駒22を溝24を狭める方向に圧接し、それにより連結駒22、23間の摺動面にアガキを付与する。この場合もクリップ55を形状記憶合金で作っておくことにより、前述のように簡単に装着することができる。なお、このクリップ55は、小孔23aと凸部14の外れ防止も果たす。
<第7実施形態>
図11は本発明の第7実施形態の丁番構造を示している。
前記各実施形態の丁番構造では、クリップ5(25、35、45、55、65、75、95、105)自体の持っている弾性力だけで、連結駒に圧接力を付与する場合について説明したが、本実施形態の丁番構造では、クリップ85の一対の挟持壁5b、5cの先端を延長して、その挟持壁5b、5cの延長部分同士をネジ87で締結することにより、挟持壁5b、5cに、連結端12、13を圧接する方向の力を付与している。他の構成は第1実施形態と同様である。この場合のネジ87は、圧接力(アガキ)を付与するためだけに機能するので、ゆるむ心配はない。
<第8実施形態>
図12は本発明の第8実施形態の丁番構造を示している。
前記各実施形態の丁番構造では、一方の連結端を有する智が、レンズの周囲に設けられているリムに取り付けられている場合や、レンズに直接取り付けられている場合について説明したが、この第8実施形態の丁番構造では、智をレンズと一体に形成している。
この実施形態における智は、レンズ200の縁面から横方向に突出した突片状の連結端212自身によって構成されており、その連結端212は、レンズ200の端部を切削することにより形成され、全体が、上下に平行な面を有する一枚の連結駒222によって構成されている。この連結駒222には、その上下の面に対して垂直方向に貫通するピン通し孔222aが設けられている。
また、前記各実施形態では、最外側の2枚の連結駒の一方の側面がつながっている場合で説明したが、本実施形態の丁番構造では、テンプル3側の連結端213は、先端を二股状にして2枚の連結駒223を形成し、それらの間に溝224を形成している。前記各連結駒223の両内側には互いに平行な面が形成され、それら互いに平行な両内側面に対して、垂直方向に貫通するピン通し孔223aが各連結駒223に形成されている。前記各連結駒223の外側面の前記ピン通し孔213aが開口している部分には、圧接用クリップ5が嵌合する凹み213aが設けられている。なお、連結駒223の先端は、テンプル3が回動する際にレンズ200の縁面と干渉しないように一方の角が丸められている。
この実施形態の圧接用クリップ5は、第1実施形態と同様のコ字状に形成されたものを使用しているので説明は省略する。この実施形態での両連結端212、213の連結は、テンプル3側の連結端213の溝224に、レンズ100側の連結駒222を挿入して、レンズ側連結駒222のピン通し孔222aとテンプル側連結駒223のピン通し孔223aの位置を合わせ、その状態で全部のピン通し孔222a,223aにピン4を挿入する。
そして、テンプル3側の2枚の連結駒223の両外側を一対の挟持壁5b,5cで挟むように、前記凹み213aに前記挟持壁5b,5cを挿入し、前記挟持壁5b、5cの小突起5dをピン通し孔223aの両外側の空所に係合させながら、クリップ5をテンプル3側の連結端213の外側に装着する。これにより、テンプル3をレンズ200に連結することができる。
このような構成することによっても、レンズ200側の連結端212とテンプル3側の連結端213の両連結駒222、223の摺動面間にアガキを付与することができる。
<第9実施形態>
図13は本発明の第9実施形態の丁番構造を示している。
前記第8実施形態の丁番構造では、レンズ200に一体に智(連結端212、連結駒222)を形成した場合について説明したが、本実施形態では、レンズ100の端面にレンズ保持部材301を取り付けて智を形成している。
レンズ保持部材301は、レンズ100の端面と接する面を有する当て板部320と、この当て板部320の前記レンズ100の端面と接する面に設けられた2本の突起部310と、この当て板部320の前記突起部310が設けられた面と反対側に設けられた連結端312とからなる。前記連結端312は、当て板部320の縁面から横方向に突出した上下に平行な面を有する一枚の連結駒322を有し、この連結駒222には、その上下の面に対して垂直方向に貫通するピン通し孔322aが設けられている。
レンズ100の縁面の前記レンズ保持部材301を取り付ける部分には、レンズ保持部材301の突起部310が挿入される穴110が2つ設けられている。なお、テンプル3側の連結端213については第8実施形態と同じなので説明は省略する。
この場合は、レンズ100の穴110に接着剤を充填した状態で、それら穴110にレンズ保持部材301の突起部310を挿入し、レンズ保持部材301をレンズ100端面に固定する。レンズ保持部材301側の連結端312とテンプル3側の連結端213の連結は、第8実施形態と同じであるので説明を省略する。この構造によっても、第8実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第10実施形態>
図14は本発明の第10実施形態の丁番構造を示している。
前記各実施形態の丁番構造では、智とテンプルを連結する場合で説明したが、本実施の形態では、ブリッジやテンプルの途中に設けられた回動構造に本発明の丁番構造を適用した例である。
図14に示した眼鏡は、智とテンプルとの連結部分以外に、ブリッジ部分とテンプル部分にも丁番構造を設けて、これら丁番構造によって折り曲げることにより、眼鏡を小さく折り畳めるようにした折り畳み眼鏡である。
この図14に示す眼鏡では、テンプル3と智2の連結部分(2箇所)、ブリッジ6の左右(2箇所)、テンプル3の中間(各1箇所)の計6箇所に第1実施形態と同様の丁番構造が設けられている。
ブリッジ6の丁番構造は、ブリッジ6の左右両端に設けられた2枚駒からなる連結端16aと、左右のリム1の両内側に設けられた1枚駒からなる連結端16bの組み合わせからなり、連結端16aの2枚駒の間の溝に連結端16bの連結駒が挿入され、その状態で第1実施形態と同様にピン4とコ字状クリップ5が装着されることで、図中矢印E方向に回動可能に連結されている。
また、テンプル3の中間部の丁番構造は、智2側のテンプル3端部に設けられたと2枚駒からなる連結端413aと、後端側(モダン9側)のテンプル3端部に設けられた1枚駒からなる連結端413bとの組み合わせからなり、連結端413aの2枚駒の間の溝に連結端413bの連結駒が挿入され、その状態で第1実施形態同様にピン4とコ字状クリップ5が装着されることで、図中矢印D方向に回動可能に連結されている。
このような構成においても、連結端12、13、16a、16b、413a、413bの連結駒の摺動面間にアガキを付与することができる。
本発明の第1実施形態の眼鏡フレーム及びその丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)は組立前の状態を示す斜視図、(c)は(a)のIc−Ic矢視断面図である。 第1実施形態の丁番構造で使用するクリップの説明図で、(a)は側面図、(b)は板材からの作り方を示す図である。 第1実施形態の応用例を示す図である。 本発明の第2実施形態の丁番構造を示ず図で、(a)は組立前の状態を示す斜視図、(b)は要部断面図である。 第2実施形態の変形例(a)、(b)及び他のクリップ抜け止め例(c)を示す要部断面図である。 本発明の第3実施形態の丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)は要部断面図、(c)はクリップの斜視図である。 本発明の第4実施形態の丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)はクリップの斜視図である。 前記第4実施形態の変形例の丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)はクリップの斜視図である。 本発明の第5実施形態の丁番構造の組立前の状態を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態の丁番構造の構成図で、(a)は組立前の状態を示す斜視図、(b)は要部正面図である。 本発明の第7実施形態の丁番構造の斜視図である。 本発明の第8実施形態の眼鏡及びその丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)は組立前の状態を示す斜視図である。 本発明の第9実施形態の眼鏡及びその丁番構造を示す図で、(a)は組立状態を示す斜視図、(b)は組立前の状態を示す斜視図である。 本発明の第10実施形態の眼鏡及びその丁番構造を示す斜視図である。 従来の丁番構造の構成図で、(a)は組立前の状態を示す斜視図、(b)は組立状態の上から見た図である。
符号の説明
2 智
3 テンプル
4 ピン
5、15,25,35,45,55,65,75,85,95,105 クリップ
5a,35a,45a,55a,65a,95a 連結壁
5b,5c,35b,35c,45b,45c,55b,55c,65b,65c,95b,95c 挟持壁
5d 凸部
5e 逃げ部
12,12B,112,212、312 連結端
13,13B〜13E,113,213、313 連結端
413a,413b 連結端
16a,16b 連結端
14 凸部
22,23,222,322 連結駒
22a,23a ピン通し孔、小孔(凹部)
24,224 溝

Claims (15)

  1. 眼鏡の部材間を回動可能に連結する眼鏡の丁番構造において、
    前記回動可能に連結する部材の一方の連結端に、溝を挟んで複数の連結駒を設けると共に、他方の連結端に、前記溝に挿入される連結駒を設け、前記一方の連結端の複数の連結駒間の溝に他方の連結端の連結駒が嵌まるように両連結端の連結駒を噛み合わせ、その状態で両連結端を回転軸により回動可能に連結すると共に、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面を一対の挟持壁で挟むように、該連結端に前記一対の挟持壁を有するクリップを固定することにより、前記一方の連結端の連結駒に前記溝を狭める方向の圧接力を作用させて、それにより一方の連結端と他方の連結端の連結駒の摺動面間に摺動摩擦抵抗を付与したことを特徴とする眼鏡の丁番構造。
  2. 前記クリップを弾性を有する素材で形成し、前記一方の連結端に固定する前の自由状態における前記クリップの一対の挟持壁の少なくとも開口側の内面間寸法を、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面間寸法よりも小さく設定することで、前記一方の連結端にクリップを固定した状態においてクリップの弾性力により前記圧接力を作用させたことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡の丁番構造。
  3. 前記クリップを、予め記憶された一定形状に常温で復元する特性を持つと共にバネ性を併せ持つ形状記憶合金で形成したことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡の丁番構造。
  4. 前記各連結駒にピン挿入孔を設け、前記両連結端の連結駒を噛み合わせた状態で、前記全部のピン挿入孔に貫通させて前記回転軸としてのピンを挿入することにより前記両連結端を回動自在に連結し、前記ピンの長さを、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面間寸法よりも短く設定したことによって前記最外側の2枚の連結駒のピン挿入孔内に生じる両端の空所に、前記挟持壁の内面に突設した突起を係合させることで、クリップの抜け止めを行ったことを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡の丁番構造。
  5. 前記一方の連結端の2枚の連結駒の外面に、クリップの挿入方向と逆方向の付勢力をクリップに与える傾斜を設け、その傾斜にクリップの挟持壁を係合させることで、クリップの抜け止めを行ったことを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡の丁番構造。
  6. 前記回転軸を、前記連結駒同士の摺動面の一方に設けた凸部と他方に設けた凹部の係合により構成したことを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡の丁番構造。
  7. 前記クリップを、眼鏡フレームの外側方から前記一方の連結端に嵌合させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡の丁番構造。
  8. 前記クリップを、眼鏡フレームの内側方から前記一方の連結端に嵌合させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡の丁番構造。
  9. 前記クリップの一対の挟持壁を繋ぐ連結壁に、回動動作の際に他方の連結端との干渉を避ける逃げ部を設けたことを特徴とする請求項8に記載の眼鏡の丁番構造。
  10. 前記一方の連結端の連結駒の枚数を3枚以上とし、他方の連結端の連結駒の枚数をそれよりも1枚少ない枚数としたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の眼鏡の丁番構造。
  11. 前記一方の連結端は智又はテンプルのいずれか一方に形成され、他方の連結端はその残り一方に形成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の眼鏡の丁番構造。
  12. 前記一方の連結端は眼鏡レンズに一体に形成され、他方の連結端はテンプルに形成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の眼鏡の丁番構造。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の丁番構造を用いて部材間を連結したことを特徴とする眼鏡フレーム。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の丁番構造を用いて部材間を連結したことを特徴とする眼鏡。
  15. 眼鏡フレームの部材間を回動可能に連結した眼鏡フレームの製造方法において、
    前記回動可能に連結する部材の一方の連結端に、溝を挟んで複数の連結駒を設けると共に、他方の連結端に、前記溝に挿入される連結駒を設け、
    前記一方の連結端の複数の連結駒間の溝に他方の連結端の連結駒が嵌まるように両連結端の連結駒を噛み合わせ、その状態で両連結端を回転軸により回動可能に連結し、
    一方、前記一方の連結端の最外側の2枚の連結駒の外面を挟む一対の挟持壁を有した形状記憶合金製のクリップを用意し、このクリップは予め形状が記憶され、常温でその記憶した形状に復元する機能を有し、これを柔らかくなる温度に冷却または加熱しながら変形させて挟持壁の間隔を広げ、
    その状態で前記一方の連結端に前記一対の挟持壁で最外側の2枚の連結駒の外面を挟むようにクリップを装着し、
    その後、クリップを常温に戻して、記憶した形状に復元させることで、前記一方の連結端の連結駒に前記溝を狭める方向の圧接力を作用させて、それにより一方の連結端と他方の連結端の連結駒の摺動面間に摺動摩擦抵抗を付与することを特徴とする眼鏡フレームの製造方法。
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