JP2006265470A - 接着性に優れた樹脂膜被覆鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表面に接着剤が塗布されて被着体と接着する工程に用いられ、この接着剤の層が形成されることとなる最表層に樹脂膜が被覆されてなる樹脂膜被覆鋼板であって、前記樹脂膜は、アミノ樹脂および/またはフェノール樹脂からなる付加縮合型樹脂と、バインダー樹脂とを質量比で70:30〜40:60となるように含み、前記付加縮合型樹脂は、縮合可能な未反応のメチロール基および/またはその反応性保護基を有する状態で樹脂膜中に存在していることを特徴とする接着性に優れた樹脂膜被覆鋼板である。
Description
下記実験例で用いた試験方法は下記の通りである。
付着量1.5g/m2で防錆油を塗布した樹脂膜被覆鋼板同士を、接着面積25mm×25mmとなるように接着剤(付着量1.0〜1.5g/m2)で接着し、170℃で20分加熱硬化させる。接着剤には、自動車分野でスポットウェルドシーラーとして多用されるSBR(スチレン−ブタジエン系)ラテックスを用いた。硬化後の試料を25℃の室温になじむまで放冷し、剪断引張試験機において50mm/分の引張速度で、2枚の鋼板をそれぞれ逆方向に、接着状態が破壊されるまで引っ張る。破壊の形態が、接着剤層の凝集破壊である領域の面積率を目視で測定し、下記基準で評価した。凝集破壊でない領域とは、接着剤層と樹脂膜(鋼板)との界面破壊の領域である。凝集破壊領域の面積率が大きいほど、界面破壊領域の面積率が小さいので、接着剤層と樹脂膜との界面での接着力が非常に高いことを意味する。
◎:凝集破壊面積率が90%以上
○:凝集破壊面積率が70%以上、90%未満
△:凝集破壊面積率が50%以上、70%未満
×:凝集破壊面積率が50%未満
40℃に加温したアルカリ脱脂剤(「SD550」;日本ペイント社製)の2%水溶液の中に樹脂膜被覆鋼板を浸漬し、脱膜状態を観察した。脱膜性は、下記基準で評価した。
○:樹脂膜が完全に鋼板から剥離するまでに要した浸漬時間が60秒未満
△:樹脂膜が完全に鋼板から剥離するまでに要した浸漬時間が60秒以上、120秒未満
×:樹脂膜が完全に鋼板から剥離するまでに要した浸漬時間が120秒以上
摺動試験装置を用い、加圧力500kgf/cm2(約4.9×107Pa)、引き抜き速度300mm/分で樹脂膜被覆鋼板を引き抜いたときの引き抜き荷重を測定し、この値と加圧力から、測定面の動摩擦係数(両面の平均値)を算出した。潤滑性の評価基準は下記のとおりである。
◎:動摩擦係数μ<0.04
○:0.04≦μ<0.06
△:0.06≦μ<0.08
×:0.08≦μ
基材には、合金化溶融Znめっき鋼板(表ではGAと表記)、溶融Znめっき鋼板(表ではGIと表記)、冷延鋼板(表ではCRと表記)、電気Znめっき鋼板(表ではEGと表記)の4種類を無処理で用いた。冷延鋼板以外のZnめっき層の付着量は、いずれも、45g/m2とした。
樹脂膜の原料組成物として用いた各成分は以下の通りである。
・カルボキシル基含有アクリル樹脂1(酸価100、Tg40℃、pH3.0のエマルジョン;「ミルボンド」;日油化学社製;表ではアクリル1と表記)
・カルボキシル基含有アクリル樹脂2(酸価190、Tg70℃、pH3.2のエマルジョン;表ではアクリル2と表記))
・塗料用ウレタン樹脂エマルジョン(表ではウレタンと表記)
・塗料用ポリエチレン樹脂エマルジョン(表ではポリエチレンと表記)
・メラミン樹脂(「スミマール(登録商標)M−40W」;住友化学社製;表ではメラミンと表記)
・フェノール樹脂(「スミライトレジン(登録商標)PR−53738WK」;住友ベークライト社製;表ではフェノールと表記)
・シランカップリング剤(「KBM−403」;信越化学工業社製)
・ワックス(「ケミパール(登録商標)W−700」;三井化学社製)
・フッ素樹脂(「テフロン(登録商標)30−J」;三井・デュポンフロロケミカル社製)
・コロイダルシリカ(「スノーテックス(登録商標)OL」;日産化学工業社製)
上記の各成分を表に示した配合比(ドライ)で混合し、樹脂膜の原料組成物を調製した。固形分濃度は20%と一定にした。
この実験では、基材として合金化溶融Znめっき鋼板(GA)と冷延鋼板(表ではCRと表記)を用い、付加縮合型樹脂、バインダー樹脂、その他の樹脂の種類と量を変えて、特性に及ぼす影響を検討した。乾燥条件は100℃で1分、樹脂膜付着量は1g/m2と一定にした。結果を表1に示した。
この実験では、基材として前記GAを、付加縮合型樹脂としてメラミン樹脂60部を、バインダー樹脂として前記アクリル1を40部用い、シランカップリング剤、ワックス、フッ素樹脂、コロイダルシリカの配合量(これらを配合した分だけ、樹脂量を減らした)を変化させて、特性に及ぼす影響を検討した。また、樹脂膜付着量も変化させた。乾燥条件は、100℃で1分とした。結果を表2に示した。
この実験では、基材を変えて特性評価を行った。結果を表3に示したが、いずれも良好であった。
この実験では、乾燥条件を変えて特性評価を行った。結果を表4に示したが、150℃以上で乾燥した場合、接着性が低下した。メチロール基の一部が樹脂膜の乾燥時に反応してしまったためであると考えられる。
Claims (6)
- 表面に接着剤が塗布されて被着体と接着する工程に用いられ、この接着剤の層が形成されることとなる最表層に樹脂膜が被覆されてなる樹脂膜被覆鋼板であって、前記樹脂膜は、アミノ樹脂および/またはフェノール樹脂からなる付加縮合型樹脂と、バインダー樹脂とを質量比で70:30〜40:60となるように含み、前記付加縮合型樹脂は、縮合可能な未反応のメチロール基および/またはその反応性保護基を有する状態で樹脂膜中に存在していることを特徴とする接着性に優れた樹脂膜被覆鋼板。
- 上記付加縮合型樹脂が、縮合可能な未反応のメチロール基および/またはその反応性保護基を有するメラミン樹脂および/またはフェノール樹脂である請求項1に記載の樹脂膜被覆鋼板。
- 上記バインダー樹脂がカルボキシル基含有アクリル樹脂である請求項1または2に記載の樹脂膜被覆鋼板。
- 上記樹脂膜は、さらに、シランカップリング剤を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂膜被覆鋼板。
- 上記樹脂膜の付着量が、0.2〜3.0g/m2である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂膜被覆鋼板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂膜被覆鋼板の製造方法であって、樹脂膜の原料組成物を鋼板に塗布した後の乾燥工程を、到達板温が120℃以下となるように行うことを特徴とする接着性に優れた樹脂膜被覆鋼板の製造方法。
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JPH02255824A (ja) * | 1988-11-16 | 1990-10-16 | Sekisui Chem Co Ltd | 熱硬化性被覆用シート |
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- 2005-03-25 JP JP2005088997A patent/JP4718217B2/ja active Active
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