JP2006264635A - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】
さまざまな走行状況において適切なリスク情報を伝達する車両用運転操作補助装置を提供する。
【解決手段】
車両用運転操作補助装置は、コントローラにおいて自車両の過去の車線内横位置および道路曲率に基づいて運転者の主観的なレーン中心位置を算出し、主観的レーン中心位置と隣接車両の有無に基づいて基準位置を設定する。コントローラは設定した基準位置に従って自車両の左右方向に関するリスクポテンシャルを算出し、シートの左右サイド部からの押圧力として左右方向のリスクポテンシャルを運転者に伝達する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置は、自車両の近くに障害物が検出された場合にシート内に設けられた振動体を駆動して乗員に報知している(例えば特許文献1参照)。この装置は、自車両の後方または後側方の他車両が所定の警報距離よりも接近すると振動体を駆動する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開2000−225877号公報 特開2003−211999号公報
上述した従来の装置では、障害物が所定の警報距離よりも接近すると運転者に報知しているが、障害物の接近状態から運転者が感じるリスクは、自車両の走行状況や運転者の運転特性から影響を受ける。すなわち、このような車両用運転操作補助装置にあっては、自車両の走行状況や運転者特性を考慮してさまざまな走行状況において適切なリスク情報を伝達することが望まれている。
本発明による車両用運転操作補助装置は、車線に対する自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、走行状態検出手段によって検出される走行状態との偏差に基づいて、車線に対する自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出する処理手段と、処理手段で算出されたリスクポテンシャルを触覚情報として運転者に伝達する触覚情報伝達手段とを備える。
本発明による車両用運転操作補助方法は、車線に対する自車両の走行状態を検出し、自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、走行状態との偏差に基づいて、車線に対する自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出し、リスクポテンシャルを触覚情報として運転者に伝達する。
本発明による車両は、車線に対する自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、走行状態検出手段によって検出される走行状態との偏差に基づいて、車線に対する自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出する処理手段と、処理手段で算出されたリスクポテンシャルを触覚情報として運転者に伝達する触覚情報伝達手段とを備える車両用運転操作補助装置を備える。
本発明によれば自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と自車両の走行状態との変化に基づいて、車線に対する自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出するので、運転者の車両感覚に対応したリスクポテンシャルを算出して運転者に伝達することができる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載した車両の構成図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。車速センサ10は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ50に出力する。
前方カメラ20は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50へと出力する。前方カメラ20による検知領域は車両の前後方向中心線に対して水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。
側方カメラ30は自車両の左右サイドミラーにそれぞれ取り付けられており、前方カメラ20と同等の性能で自車両の左右側方領域の状況を画像として検出する。側方カメラ30で撮像された画像はコントローラ50へ出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、自車両の走行状況に基づいて車線に対する自車両のリスク度合、すなわち自車両の左右方向のリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルを触覚を介して運転者に伝達する。具体的には、リスクポテンシャルを触覚刺激情報として運転席(シート)を通して運転者に伝達する。
コントローラ50は、例えばCPUのソフトウェア形態により、走行状態認識部51、主観的レーン中心算出部52、隣接車線状況検出部53、基準位置算出部54、伝達情報算出部55およびシート制御量算出部56を構成する。
走行状態認識部51は、前方カメラ20で検出された自車両前方の画像信号に所定の画像処理を施し、自車両が走行する車線のレーンマーカ(車線識別線)を認識する。さらに、認識したレーンマーカの情報から、自車線に対する自車両の横方向位置(車線内横位置)x、自車角度θおよび道路曲率ρを検出する。
主観的レーン中心算出部52は、自車両の過去の車線内横位置xおよび道路曲率ρに基づいて、主観的レーン中心位置を算出する。自車両が走行する際の自車両と車線との相対位置関係は、自車両の走行環境や運転意図、さらに運転者個人の特性により変化する。すなわち、走行状況や運転者特性によっては車線中央を走行せずに自車両中心がレーン中心から逸脱した状態で走行する。主観的レーン中心算出部52は、実際のレーン中心とは別に、走行の基準となっている自車両の左右方向中心位置を運転者の主観的なレーン中心位置として算出する。
隣接車線状況検出部53は、側方カメラ30で検出された自車両の左右方向領域の画像信号に所定の画像処理を施し、自車両の左右隣接車線上に存在する他車両を検出する。基準位置算出部54は、主観的レーン中心算出部52で算出された主観的レーン中心位置と隣接車線状況検出部53の検出結果に基づいて、自車両の左右方向のリスクポテンシャルを算出する際の基準とする基準位置x0を算出する。
伝達情報算出部55は、走行状態認識部51で認識した自車両の走行状況および基準位置算出部54で算出した基準位置x0に基づいて、運転者に伝達する情報であるリスクポテンシャルRPを算出する。シート制御量算出部56は、伝達情報算出部55で算出したリスクポテンシャルRPを触覚情報として運転者に伝えるためのシート制御量を算出する。コントローラ50は、算出したシート制御量信号をシート押圧力調整機構70へ出力する。
シート押圧力調整構70は、コントローラ50からの指令に応じて、レーンマーカに対するリスクポテンシャルRPを触覚刺激情報として運転者に伝達するために、シートの形状を変更する。図3(a)(b)に、車両用運転操作補助装置1を備えた車両に搭載され、シート押圧力調整機構70によってその形状が制御される運転者用シート71の構成を示す。
図3(a)(b)に示すように、シート71は、クッション部72,シートバック部73,およびヘッドレスト74から構成される。シートバック部73は、シートバックフレーム73aと、左右のサイドフレーム73b、73cとを備え、これらのフレーム73a〜73cをウレタンパッド75でカバーしている。シートバックフレーム73aには、ウレタンパッド75を支持するスプリング73dが取り付けられている。
シート押圧力調整機構70は、左右シートサイドアクチュエータとしてシートバック部73の左右サブフレーム73b、73cをそれぞれ回動するモータユニット73e、73fを備えている。シートバック部73に取り付けられたモータユニット73e、73fの回転トルクは、トルクケーブル73g、73hを介してそれぞれサブフレーム73b、73cに伝えられ、左右サブフレーム73b、73cをシートバックフレーム73aの左右端を中心としてそれぞれ回転させる。
シート押圧力調整機構70は、コントローラ50からの指令に応じてモータユニット73e、73fを制御してシートバック部73の左右サイド部73i、73jをそれぞれ回動させる。すなわち、シートバック部73の左右サイド部73i、73jは運転者に押しつけられ、または運転者から離れるように回動し、運転者の脇腹を押す押圧力を発生することにより、レーンマーカに対するリスクポテンシャルRPを運転者に伝達する。
次に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を図4を用いて詳細に説明する。図4は、第1の実施の形態による車両用運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
ステップS101では、自車両の走行状態を検出する。具体的には、前方カメラ20によって検出される自車両前方領域の画像信号に画像処理を施し、自車線のレーンマーカを認識する。そして、認識したレーンマーカから、自車両の車線内横位置x、レーンに対する自車両の角度θ、および道路曲率ρを算出するとともに、自車線に隣接する隣接車線が存在するかを検出する。さらに、車速センサ10で検出される自車速Vを検出する。
車線内横位置xはレーン中心から自車両中心までの横方向距離であり、図5に示すように、自車線のレーン中心を0、右側のレーンマーカ位置を+1、左側のレーンマーカ位置を-1とするように正規化される。自車角度θは、レーン中心に対して自車両の前後方向中心線が右方向を向いている場合に正の値で表す。道路曲率ρは右コーナの場合に正の値で表し、直線路の場合、道路曲率ρ=0である。
ステップS102では、隣接車線上に存在する他車両を検出する。具体的には、側方カメラ30によって検出される自車両の左右側方領域の画像信号にそれぞれ画像処理を施し、図6に示すように右隣接車線の所定領域内および左隣接車線の所定領域内に他車両が存在するかを検出する。他車両を検出する他車両検出エリアは、図6に示すように左右隣接車線上に、自車両の所定距離前方から所定距離後方までの範囲Rr,Rlとして設定される。これらの他車両検出エリアRr,Rl内に他車両が存在する場合は、隣接車線のリスクが高いと判断する。なお、隣接車線が存在しない場合は他車両の検出も行わない。
ステップS103では、ステップS101で検出した自車両の走行状態に基づいて運転者の主観的レーン中心位置を算出する。主観的レーン中心位置は、自車線内を走行するときに、運転者が走行の基準としていると推定される車線内の横位置であるといえる。まず、自車両の現在の車線内横位置xと、前回周期以前に検出されてコントローラ50のメモリに記憶されている過去の所定期間の車線内横位置xのデータとを用いて、現在から過去の所定期間における車線内横位置xの平均値x_s1を算出する。
自車両がコーナを通過する場合には、運転者は一般的にコーナ内側のレーンマーカを意識した運転操作を行うので、主観的レーン中心位置をコーナ内側にずらすようにする。そこで、道路曲率ρおよび自車速Vに基づいて主観的レーン中心位置の移動量dx_s1を以下の(式1)から算出する。
dx_s1=k1・ρ・V ・・・(式1)
(式1)においてk1は予め適切に設定された係数である。道路曲率ρ=0で自車線が直線の場合は移動量dx_s1=0となる。
車線内横位置平均値x_s1と移動量dx_s1とから、以下の(式2)を用いて主観的レーン中心位置x_s2を算出する。
x_s2=x_s1+dx_s1 ・・・(式2)
車線内横位置平均値x_s1に道路曲率ρに基づく移動量dx_s1を付加することにより、コーナ走行時にコーナ外側への逸脱のリスクが高まることも考慮して主観的レーン中心位置x_s2を算出することができる。
つづくステップS104では、リスクポテンシャルRPを算出する際の基準となる基準位置x0を主観的レーン中心位置x_s2から算出する。
(a)主観的レーン中心位置x_s2が自車線の右側領域(x_s2≧0)の場合
右隣接車線上の検出エリアRrに他車両が存在する場合は基準位置x0=0とし、それ以外の場合はx0=x_s2とする。
(b)主観的レーン中心位置x_s2が自車線の左側領域(x_s2<0)の場合
左隣接車線上の検出エリアRlに他車両が存在する場合は基準位置x0=0とし、それ以外の場合はx0=x_s2とする。
このように、隣接車線上に他車両が存在しない場合は主観的レーン中心位置x_s2を基準位置x0として設定し、隣接車線上に他車両が存在する場合は、その存在方向へは基準位置x0を移動させないようにする。基準位置x0を移動する場合は、所定の変化率リミッタにより基準位置x0を前回値から徐々に変化させる。
ステップS105では、ステップS101で検出した自車両の走行状態およびステップS104で算出した基準位置x0とを用いて、以下の(式3)から自車両の左右方向のリスクポテンシャルRPを算出する。
RP=k2・(x−x0)+k3・sinθ ・・・(式3)
(式3)においてk2、k3はそれぞれ予め適切に設定された係数である。
(式3)に示すようにリスクポテンシャルRPは基準位置x0からの自車両の左右方向の変位と車線に対する自車両の角度θとから算出される。すなわち、基準位置x0に対する自車両の横方向位置の偏差と自車角度θの重み付け和として算出される。基準位置x0からの変位が大きくなるほど、また車線に対する自車角度θが大きくなるほどリスクポテンシャルRPが大きくなる。リスクポテンシャルRPは自車両がレーン境界への接近、および自車線からの逸脱のリスクを表しており、運転者に伝達する情報量に相当する。RP≧0の場合は右方向への逸脱のリスクがあり、RP<0の場合は左方向への逸脱のリスクがあることを表している。
ステップS106では、自車線からの逸脱のリスクに応じた押圧力を発生させるために、リスクポテンシャルRPに基づいてシート71の制御量を算出する。ここでは、シートバック部73の右サイド部73iの制御量y_Rと、左サイド部73jの制御量y_LをリスクポテンシャルRPに応じて以下の(式4)または(式5)から算出する。
(A)右方向への逸脱リスクがある場合(RP≧0)
y_R=k4・RP
y_L=0 ・・・(式4)
(B)左方向への逸脱リスクがある場合(RP<0)
y_R=0
r_L=-k4・RP ・・・(式5)
(式4)(式5)においてk4は、リスクポテンシャルをシート71からの押圧力に相当する制御量に変換するように予め適切に設定された係数である。
続くステップS107では、ステップS106で算出した左右サイド部73i,73jの制御量y_R,y_Lをシート押圧力調整機構70へ出力する。シート押圧力調整機構70は、コントローラ50からの信号に応じてシート71の左右サイド部73i,73jを回動し、運転者に押圧力を与える。これにより、リスクポテンシャルRPが触覚刺激として運転者に伝達される。これにより、今回の処理を終了する。
以下に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の作用を説明する。
例えば図7(a)に示すように、隣接車両が存在しない状態で主観的レーン中心位置x_s2が自車線の実際のレーン中心よりも右側の領域にあるとすると、主観的レーン中心位置x_s2が基準位置x0として設定される。この場合、基準位置x0からの自車両の偏差と自車角度θの重み付け和がリスクポテンシャルRPとして算出されて運転者に伝達される。
具体的には、自車角度θが一定であるとすると、図7(b)に示すように自車両が基準位置x0から右方向にずれるほど、実線で示すようにシートバック部73の右サイド部73iからの押圧力が大きくなる。このとき、左サイド部73jから押圧力は発生しない。一方、自車両が基準位置x0から左方向にずれるほど、破線で示すようにシートバック部73の左サイド部jからの押圧力が大きくなる。このとき、右サイド部73iから押圧力は発生しない。
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1のコントローラ50は、自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、車線に対する自車両の走行状態との偏差に基づいて、車線に対する自車両のリスクを表すリスクポテンシャルRPを算出する。算出されたリスクポテンシャルRPは、触覚情報として運転者に伝達される。このように、走行環境、運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置を用いることにより、運転者の車両感覚に対応したリスクポテンシャルRPを算出して適切な情報伝達を行うことができる。運転者の車両感覚にあった情報が伝達されるので、運転者に対して違和感のない自然な運転支援効果を発揮することが可能となる。
(2)コントローラ50は、自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づいて、リスクポテンシャルRPを算出するための基準とする基準位置x0を算出する基準位置算出部54と、リスクポテンシャルRPを算出する手段である伝達情報算出部55とを備えている。算出されたリスクポテンシャルRPは、シート71の左右端部、たとえばシートバック部73の左右サイド部73i,73jからの押圧力として運転者に伝えられる。運転者が常に接触しているシート71からの押圧力を介してリスクポテンシャルRPを伝えることにより、安定した情報提供を行うことができる。また、シート71の左右端部からそれぞれ押圧力を伝えることにより、自車両が車線に対して左右どちらに偏って走行しているかを運転者に直感的に認識させ、適切な運転操作を促すことが可能となる。
(3)基準位置算出部54は、運転者の運転特性である自車両の車線内の走行履歴に基づいて基準位置x0を算出する。具体的には、走行状態認識部51で認識され、記憶された自車両の過去の所定期間の車線内横位置xを用いて基準位置x0を算出する。例えば自車両が車線内で右に偏って継続的に走行している場合は、レーン中心よりも右寄りを基準位置x0として設定する。これにより、運転者の車両感覚に対応した基準位置x0を算出することができる。
(4)車両用運転操作補助装置1は、自車両の走行環境である自車両が走行する道路の道路曲率ρを検出し、基準位置算出部54において道路曲率ρが大きいほど基準位置x0をカーブ内側に移動させる。運転者はカーブ走行時にカーブ内側のレーンマーカを意識して運転操作を行うので、道路曲率ρに応じて基準位置x0をシフトすることにより、運転者の運転感覚にあった基準位置x0を算出することができる。
(5)基準位置算出部54は、自車速Vが速いほど基準位置x0をさらにカーブ内側に移動する。カーブ走行時には自車速Vが速いほどカーブ外側への逸脱のリスクが高まるので、基準位置x0をカーブ内側にシフトすることにより、逸脱のリスクを低減するような情報伝達を行うことが可能となる。
(6)隣接車線状況検出部53は、隣接車線上に存在する障害物を検出して自車両に対する隣接車線のリスクを判断する。基準位置算出部54は、隣接車線状況検出部53によって右側隣接車線のリスクが高いと判断され、かつ走行履歴に基づく基準位置x_s1が自車線のレーン中心よりも右側に設定された場合、または左側隣接車線のリスクが高いと判断され、かつ走行履歴に基づく基準位置x_s1が自車線のレーン中心よりも左側に設定された場合は、自車線のレーン中心を基準位置x0として再設定する。図6に示すように自車両の側方に設定される他車両検出エリアRr,Rlに他車両が存在し、隣接車線のリスクが高いと判断される場合は自車線のレーン中心を基準位置x0として設定するので、隣接車線のリスクも考慮した情報伝達を行って適切な運転操作を促すことができる。
(7)車両用運転操作補助装置1は、走行状態として自車両の車線内横位置xと車線に対する自車角度θとを検出し、基準位置x0に対する車線内横位置xの偏差と、自車角度θの重み付け和として上述した(式3)からリスクポテンシャルRPを算出する。これにより、車線に対するリスクを、運転者の車両感覚を考慮して的確に算出することができる。シート71の左右サイド部73i,73jからは、図7(b)に示すように車線内横位置xが基準位置x0から離れるほど大きくなる押圧力が発生し、レーン境界への接近および車線からの逸脱のリスクを運転者に知らせることができる。
なお、上述した図4のフローチャートのステップS104の処理において、他車両検出エリアRr,Rlでの隣接車両の出現頻度が高い場合、すなわち、隣接車線のリスクが頻繁に高まる場合は、基準位置x0のオフセットを禁止することも可能である。
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態は、リスクポテンシャルRP、すなわち伝達情報の算出方法のみが第1の実施の形態と異なっている。以下に、リスクポテンシャルRPの算出方法を説明する。
(a)基準位置x0が自車線の右側領域の場合(x0≧0)
(a−1)車線内横位置xがx<0のとき
RP=k2・x+k3・sinθ ・・・(式6)
(a−2)車線内横位置xが0≦x<x0のとき
RP=k3・sinθ ・・・(式7)
(a−3)車線内横位置xがx≧x0のとき
RP=k2/(1−x0)・(x−x0)+k3・sinθ ・・・(式8)
(b)基準位置x0が自車線の左側領域の場合(x0<0)
(b−1)車線内横位置xがx≧0のとき
RP=k2・x+k3・sinθ ・・・(式9)
(b−2)車線内横位置xがx0≦x<0のとき
RP=k3・sinθ ・・・(式10)
(b−3)車線内横位置xがx<x0のとき
RP=k2/(1+x0)・(x−x0)+k3・sinθ ・・・(式11)
コントローラ50は、(式6)から(式11)のいずれかにより算出したリスクポテンシャルRPを用いて、シート制御量y_R,y_Lをそれぞれ算出する。
これにより、例えば図8に示すように基準位置x0が自車線の右側領域に設定された場合には、自車角度θが一定であるとすると、自車両が基準位置x0から右方向にずれるほど、実線で示すようにシートバック部73の右サイド部73iからの押圧力が大きくなる。なお、基準位置x0が右側のレーンマーカに近づくほど基準位置x0からの自車両の偏差に対する右サイド部73iの押圧力の変化率が大きくなる。また、自車両がレーン中心から左方向にずれるほど、破線で示すようにシートバック部73の左サイド部jからの押圧力が大きくなる。
レーン中心と基準位置x0との間の領域は、車線内横位置xによって押圧力が変化しない不感帯となっている。車線内横位置xがこの不感帯領域にあるときは、(式7)または(式10)から自車角度θのみに基づいて算出されたリスクポテンシャルRPが押圧力を介して運転者に伝えられる。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
コントローラ50は、基準位置x0と自車線のレーン中心との間の領域を、車線内横位置xが変化してもリスクポテンシャルRPが変化しない不感帯として設定する。具体的には、図8に示すように基準位置x0が自車線の右側領域に設定されている場合に、車線内横位置xがレーン中心と基準位置x0との間にある場合は、シート71から車線内横位置xに応じた押圧力が発生しないようなリスクポテンシャルRPを算出する。車線内横位置xが基準位置x0よりも右方向へ逸脱するほど右サイド部73iからの押圧力が大きくなり、車線内横位置xがレーン中心よりも左方向へ逸脱するほど左サイド部73jからの押圧力が大きくなる。これにより、車線中央付近では情報量を低減して違和感を与えないようにしながら、レーン境界へ接近して自車線から逸脱するリスクが高まっていることを運転者に知らせることが可能となる。
なお、第2の実施の形態では、図8に示すように基準位置x0がレーン中心よりも右側領域に設定された場合に、右サイド部73iからの情報伝達の基準として基準位置x0を利用し、左サイド部73jからの情報伝達の基準としてレーン中心を利用している。すなわち、自車両の右方向の基準位置と左方向の基準位置とをそれぞれ設定し、右方向のリスクポテンシャルと左方向のリスクポテンシャルをそれぞれ算出しているといえる。
《第3の実施の形態》
以下に、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第3の実施の形態では、シートバック部73の右サイド部73iから発生させる押圧力に対応する右リスクポテンシャルRP_rと、左サイド部73jから発生させる押圧力に対応する左リスクポテンシャルRP_lとをそれぞれ算出する。以下に、左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lの算出方法を説明する。
(a)基準位置x0が自車線の右側領域の場合(x0≧0)
(a−1)車線内横位置xがx<0のとき
RP_r=0
RP_l=-k2・x-k3・sinθ+k5・x0 ・・・(式12)
(a−2)車線内横位置xが0≦x<x0のとき
RP_r=k5・x+k3・sinθ
RP_l=-k5・(x-x0)-k3・sinθ ・・・(式13)
(a−3)車線内横位置xがx≧x0のとき
RP_r=k2・(x−x0)+k3・sinθ+k5・x0
RP_l=0 ・・・(式14)
(b)基準位置x0が自車線の左側領域の場合(x0<0)
(b−1)車線内横位置xがx≧0のとき
RP_r=k2・x+k3・sinθ+k5・x0
RP_l=0 ・・・(式15)
(b−2)車線内横位置xがx0≦x<0のとき
RP_r=k5・(x−x0)+k3・sinθ
RP_l=-k5・x-k3・sinθ ・・・(式16)
(b−3)車線内横位置xがx<x0のとき
RP_r=0
RP_l=-k2・(x−x0)-k3・sinθ-k5・x0 ・・・(式17)
(式12)から(式17)において、k5は予め適切に設定された係数であり、k5<k2である。
コントローラ50は、(式12)から(式17)のいずれかにより算出したリスクポテンシャルRPを用いて、以下の(式18)からシート制御量y_R,y_Lをそれぞれ算出する。
y_R=k4・RP_r
y_L=k4・RP_l ・・・(式18)
これにより、例えば図9に示すように基準位置x0が自車線の右側領域に設定された場合には、自車角度θが一定であるとすると、自車両がレーン中心から右方向にずれるほど、実線で示すようにシートバック部73の右サイド部73iからの押圧力が大きくなる。また、自車両が基準位置x0から左方向にずれるほど、破線で示すようにシートバック部73の左サイド部jからの押圧力が大きくなる。
なお、レーン中心と基準位置x0との間の領域は、x≧x0またはx<0の場合に比べて車線内横位置xの変化に対する押圧力の変化の感度を下げている。これにより、車線内横位置xの変化に対して押圧力が緩やかに変化する。すなわち、シート制御量y_R,y_Lは、車線内横位置xに対して傾きが変化するように設定されている。
以上説明したように、第3の実施の形態においては以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、基準位置算出部54において基準位置x0として自車両の右方向と左方向の基準位置をそれぞれ算出し、右方向と左方向の基準位置と走行状態との偏差に基づいて、自車両の右方向と左方向のリスクポテンシャルRP_r、RP_lをそれぞれ算出する。シート押圧力調整機構70は、右方向のリスクポテンシャルRP_rをシート71の右端部からの押圧力として、左方向のリスクポテンシャルRP_lをシート71の左端部からの押圧力として運転者に伝える。これにより、自車両の左右方向のリスクポテンシャルRP_r、RP_lを独立して運転者に伝えることが可能となる。
(2)基準位置算出部54は、右方向と左方向の基準位置のうち、一方を自車両の走行環境、運転者の運転特性、および運転意図の少なくとも一つに基づいて算出し、他方を自車両が現在走行する自車線のレーン中心とする。これにより、自車両の左右方向のリスクポテンシャルRP_r、RP_lをそれぞれ独立した情報として算出し、左右それぞれの方向から必要な情報を提供することが可能となる。
(3)コントローラ50は、車線内横位置xが基準位置x0と自車線のレーン中心との間にある場合と、それ以外の場合では、リスクポテンシャル算出式の重みを変更する。具体的には、上述した(式12)から(式17)に示したように車線内横位置xと、基準位置x0およびレーン中心との関係に従って、リスクポテンシャル算出式の係数を変更している。これにより、運転者の車両感覚にあうように設定された基準位置x0、自車両の現在の車線内横位置x、および自車線のレーン中心との関係を考慮して適切な情報伝達を行うことが可能となる。
(4)コントローラ50は、車線内横位置xが基準位置x0とレーン中心との間にある場合には、それ以外の場合に比べて偏差の重みを小さくする。具体的には、(式12)から(式17)において係数k5<k2となるように設定する。その結果、図9に示すようにレーン中心と基準位置x0との間で車線内横位置xの変化に対する押圧力変化の感度が低下し、レーン中心付近において過度の情報伝達により運転者に違和感を与えてしまうことを抑制できる。
-変形例-
伝達情報の算出方法は、上述した第1から第3の実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば図10に示すように基準位置x0が自車線の右側領域に設定された場合に、自車角度θが一定であるとすると、自車両がレーン中心から右方向にずれるほど、実線で示すようにシートバック部73の右サイド部73iからの押圧力を大きくする。また、自車両が基準位置x0から左方向にずれるほど、破線で示すようにシートバック部73の左サイド部jからの押圧力を大きくする。これにより、車線内横位置xがレーン中心と基準位置x0との間の領域にある場合は、右サイド部73iおよび左サイド部73jの両方から押圧力が発生する。
図10に示す例では、レーン中心と基準位置x0との間の領域において車線内横位置xの変化に対する押圧力の変化の感度を下げない。したがって、情報伝達量の算出処理が容易である。
または、図7(b)に示したように基準位置x0からの自車両の偏差と自車角度θとの重み付け和としてリスクポテンシャルRPを算出する場合に、自車両が基準位置x0から左右どちらにずれているかによってリスクポテンシャルRPを算出する際の重みを変化させることもできる。具体的には、図11に示すように、基準位置x0が自車線の右側領域に設定された場合に、x≧x0のときの車線内横位置xの変化に対する押圧力の変化率を、x<x0のときの押圧力の変化率よりも大きくする。
《第4の実施の形態》
以下に、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。図12に、第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の構成を示す。図12において、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
図12に示すように、車両用運転操作補助装置2のコントローラ50Aは走行状態認識部51、主観的レーン中心算出部52、隣接車線状況検出部53、基準位置算出部54、伝達情報算出部55、シート制御量算出部56および走行モード判定部57を備えている。コントローラ50Aには、ウィンカ40の操作状態を表す信号が入力される。走行モード判定部57は、走行状態認識部51で検出される自車両の走行状態およびウィンカ操作信号に基づいて、自車両が自車線内を継続して走行する車線内走行モードであるか、車線変更を行う車線変更モードであるかを判定する。
以下に第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の動作を図13を用いて詳細に説明する。図13は、第2の実施の形態による車両用運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
ステップS201では、自車両の走行状態を検出する。具体的には、図14に示すように自車両の車線内横位置x、およびレーンに対する自車両の角度θを算出するとともに、自車線の車線幅wを算出する。また、自車線に隣接する隣接車線が存在するかを検出する。ステップS202では、隣接車線上の他車両検出エリアRr,Rlに存在する他車両を検出する。
ステップS203では、ウィンカ40からの操作信号を取得し、自車両が車線内走行モードおよび車線変更モードのいずれの状態にあるかを判定する。ウィンカ40がオン操作されると車線変更モードであると判定し、ウィンカ40が操作されていない場合あるいはオフ操作された場合は車線内走行モードであると判定する。なお、走行モードはウィンカ操作信号の代わりに自車両の車線内横位置xの変化や操舵パターンに基づいて判定することも可能である。
ステップS204では、ステップS203で判定した自車両の走行モードに従って、運転者の主観的レーン中心位置x_s2を算出する。車線内走行モードの場合は、自車両が走行する車線のレーン中心をそのまま主観的レーン中心位置x_s2として設定する。一方、車線変更モードの場合は、運転者が車線変更を行おうとしている目標車線との車線境界線(レーンマーカ)を目標として主観的レーン中心位置x_s2を所定変化速度で徐々に変化させる。車線変更モードから車線内走行モードに移行すると、車線変更目標車線、すなわち車線変更後の自車線のレーン中心を目標として主観的レーン中心位置x_s2を所定変化速度で徐々に変化させる。
図15に、車線変更モードおよび車線内走行モードにおける主観的レーン中心位置x_s2の時間変化を示す。図15では、各車線の車線幅wの片側3車線の道路において、自車両が中央車線(車線変更前の自車線)から右隣接車線(車線変更目標車線)に車線変更する場合の主観的レーン中心位置x_s2の変化の一例を示している。ここでは車線変更前の自車線のレーン中心を基準としているので、車線変更目標車線のレーン中心では主観的レーン中心位置x_s2=wと表される。
ウィンカ40がオン操作されて時間t0で車線変更モードに移行すると、主観的レーン中心位置x_s2は車線変更前の自車線のレーン中心から車線変更方向のレーン境界まで所定変化速度で変化する。時間t1で主観的レーン中心位置x_s2がレーン境界に到達すると、車線変更モードの間、主観的レーン中心位置x_s2がレーン境界に固定される(x_s2=w/2)。
その後、ウィンカ40がオフ操作されて時間t2で車線内走行モードに移行すると、主観的レーン中心位置x_s2は車線変更目標車線のレーン中心まで、すなわち主観的レーン中心位置x_s2=wとなるまで所定変化速度で変化する。なお、車線内走行モードが継続する場合は自車線のレーン中心を主観的レーン中心位置x_s2として設定する。
つづくステップS205からS208での処理は、図4に示したフローチャートのステップS104からS107での処理と同様であるので説明を省略する。
以下に、第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の作用を図16(a)(b)を用いて説明する。運転者が右側隣接車線への車線変更を意図してウィンカ操作を行うと、車線変更モードと判定され、自車線と右側隣接車線(車線変更目標車線)とのレーン境界を目標として主観的レーン中心位置x_s2が設定される。これにより、図16(a)に示すように自車両が自車線内を走行している間はシート71の左サイド部73jからレーン境界を基準とした押圧力が発生し、車線変更方向のレーン境界に対する情報を運転者に提供する。自車両がレーン境界をまたいで車線変更目標車線に進入した後は、図16(b)に示すようにシート71の右サイド部73iからレーン境界を基準とした押圧力が発生し、隣接車線進入後の急激な車線内移動を抑制するような情報を運転者に提供する。
このように、以上説明した第4の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置2においては、運転者の運転意図として、自車両の車線変更意図を検出する。基準位置算出部54は車線変更意図が検出されると、現在、自車両が走行する自車線から車線変更の目標車線の方向へ基準位置x0を徐々に変化させる。これにより、運転者が車線変更を行おうとしているときに、車線変更方向からの情報を運転者に伝えることが可能となる。
(2)基準位置算出部54は、車線変更意図が検出されると自車線と車線変更の目標車線とのレーン境界を目標として基準位置x0を徐々に変化させる。具体的には、図15に示すように車線変更モードに移行すると主観的レーン中心位置x_s2を所定速度で徐々にレーン境界まで変化させる。これにより、車線変更を行おうとする場合に、車線変更方向のレーン境界に対する情報、すなわちレーン境界への接近の度合を運転者に提供することができる。また、車線変更モードのときは自車両がレーン境界をまたいだ後でもレーン境界が基準位置x0として維持されるので、車線変更後の車線において急激な車線内移動を抑制するような運転操作を促すことが可能となる。
《第5の実施の形態》
以下に、本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図12に示した第4の実施の形態と同様である。ここでは、第4の実施の形態との相違点を主に説明する。
第5の実施の形態においては、車線変更モードと判定されると、車線変更目標車線のレーン中心を目標として主観的レーン中心位置x_s2を設定する。そして、シートバック部73の右サイド部73iから発生させる押圧力に対応する右リスクポテンシャルRP_rと、左サイド部73jから発生させる押圧力に対応する左リスクポテンシャルRP_lとをそれぞれ算出する。以下に、主観的レーン中心位置x_s2の算出方法と左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lの算出方法を説明する。
車線内走行モードの場合は、自車両が走行する車線のレーン中心をそのまま主観的レーン中心位置x_s2として設定する。一方、車線変更モードの場合は、運転者が車線変更を行おうとしている車線変更目標車線のレーン中心を目標として主観的レーン中心位置x_s2を所定変化速度で徐々に変化させる。
図17に、車線変更モードおよび車線内走行モードにおける主観的レーン中心位置x_s2の時間変化を示す。図17では、各車線の車線幅wの片側3車線の道路において、自車両が中央車線(車線変更前の自車線)から右隣接車線(車線変更目標車線)に車線変更する場合の主観的レーン中心位置x_s2の変化の一例を示している。ウィンカ40がオン操作されて時間t0で車線変更モードに移行すると、主観的レーン中心位置x_s2は車線変更前の自車線のレーン中心から車線変更目標車線のレーン中心まで所定変化速度で変化する。
時間t3で主観的レーン中心位置x_s2が車線変更目標車線のレーン中心に到達してからは、車線変更目標車線のレーン中心が主観的レーン中心位置x_s2として設定される(x_s2=w)。その後、ウィンカ40がオフ操作されて時間t4で車線内走行モードに移行すると、車線変更目標車線、すなわち車線変更後の自車線のレーン中心を主観的レーン中心位置x_s2として維持する。
コントローラ50Aは以上説明したように設定した主観的レーン中心位置x_s2を用いて、第1の実施の形態と同様に基準位置x0を算出する。そして、基準位置x0を用いて右リスクポテンシャルRP_rと左リスクポテンシャルRP_lを算出する。
ウィンカ40が右方向へ操作されて自車両が右側隣接車線へ車線変更を行う場合は、以下の(式19)から左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lを算出する。
RP_r=max{k2・x+k3・sinθ,0}
RP_l=max{-k2・(x−x0)-k3・sinθ,0} ・・・(式19)
ウィンカ40が左方向へ操作されて自車両が左側隣接車線へ車線変更を行う場合は、以下の(式20)から左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lを算出する。
RP_r=max{k2・(x−x0)+k3・sinθ,0}
RP_l=max{-k2・x-k3・sinθ,0} ・・・(式20)
つぎに、(式19)または(式20)により算出したリスクポテンシャルRPを用いて、以下の(式21)からシート制御量y_R,y_Lをそれぞれ算出する。
y_R=k4・RP_r
y_L=k4・RP_l ・・・(式21)
これにより、例えば図18(a)に示すように自車両が右側隣接車線へ車線変更を行う場合は、シート71の左サイド部73jから車線変更目標車線のレーン中心へ収束するような押圧力が発生し、右サイド部73iからは急激な車線変更を抑制するような押圧力が発生する。
具体的には、左サイド部73jからは図18(b)に破線で示すように車線変更目標車線のレーン中心を基準として、車線変更目標車線に近づくほど低下するような押圧力が発生する。一方、右サイド部73iからは図18(b)に実線で示すように車線変更前の自車線のレーン中心を基準として、そのレーン中心から離れるほど増大するような押圧力が発生する。車線変更モードにおいてはシート71の右サイド部73iと左サイド部73jから押圧力が発生して運転者を両側から締め付けることになるので、車線変更時に運転者の緊張感を高めることが可能となる。なお、図18(b)は説明を簡単にするために主観的レーン中心位置x_s2が車線変更目標車線のレーン中心に固定された場合を示している。
このように、以上説明した第5の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)基準位置算出部54は、車線変更意図が検出されると車線変更の目標車線のレーン中心を目標として基準位置x0を徐々に変化させる。具体的には、図17に示すように車線変更モードに移行すると主観的レーン中心位置x_s2を所定速度で徐々に車線変更目標車線のレーン中心まで変化させる。これにより、車線変更を行おうとする場合に、車線変更目標車線のレーン中心へ収束するような運転操作を促すことが可能となる。
(2)また、コントローラ50Aは、基準位置算出部54において基準位置として自車両の右方向と左方向の基準位置をそれぞれ算出し、左右方向の基準位置と走行状態との偏差に基づいて自車両の右方向のリスクポテンシャルRP_rと左方向のリスクポテンシャルRP_lをそれぞれ算出する。算出された左右方向のリスクポテンシャルRP_r、RP_lはそれぞれシート71の左右端部からの押圧力として運転者に伝達される。具体的には、図18(a)(b)に示すように車線変更モードに移行すると、自車線のレーン中心を車線変更方向の基準位置とし、車線変更目標車線のレーン中心を反対側の基準位置として設定する。その結果、例えば自車両が右側隣接車線に車線変更を行おうとしている場合は、シート71の左サイド部73jからは右側隣接車線のレーン中心を基準とした押圧力が発生し、右サイド部73iからは自車線のレーン中心を基準とした押圧力が発生する。これにより、左サイド部73jからの押圧力により右側隣接車線に収束するような運転操作が誘導される。一方、右サイド部73iからの押圧力は急激な車線変更を抑制するよう作用する。また、車線変更モードにおいてシート71の左右サイド部73i,73jから押圧力が発生し、運転者を両側から締め付けるような力が与えられるので、緊張感を高めるという効果も得られる。
−第5の実施の形態の変形例−
車線変更を容易に行うことができるように、車線変更方向から発生する押圧力のゲインを小さく設定することもできる。具体的には、左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lからシート制御量y_R,y_Lを算出する際に、車線変更方向のリスクポテンシャルの係数を小さい値に設定する。自車両が右側隣接車線に車線変更を行う場合は、係数k4よりも小さい係数k5を用いて、以下の(式22)からシート制御量y_R,y_Lを算出する。
y_R=k5・RP_r
y_L=k4・RP_l (k5<k4) ・・・(式22)
これにより、右側隣接車線に車線変更を行う場合は、図19に示すようにシート71の右サイド部73iから発生する押圧力のゲインが、左サイド部73jから発生する押圧力のゲインよりも小さくなる。自車両が左側隣接車線に車線変更を行う場合は、(式22)においてシート制御量y_Lの算出式の係数k4をk5に変更し、シート制御量y_Rの算出式の係数k5をk4に変更する。
このように、車遠変更意図が検出された場合に、シート71の左右サイド部73i,73jのうち、車線変更方向からの押圧力を反対側からの押圧力よりも小さくすることにより、運転者に車線変更を行いやすくさせることができる。
なお、上述した第1の実施の形態と同様に主観的レーン中心位置x_s2および基準位置x0を算出し、上述した(式19)または(式20)から左右リスクポテンシャルRP_r,RP_lをそれぞれ算出することもできる。
《第6の実施の形態》
以下に、本発明の第6の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第6の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図12に示した第4の実施の形態と同様である。ここでは、第4の実施の形態との相違点を主に説明する。
第6の実施の形態においては、第5の実施の形態と同様に、車線変更モードと判定されると車線変更目標車線のレーン中心を主観的レーン中心位置x_s2として設定する。そして、シートバック部73の右サイド部73iから発生させる押圧力に対応する右リスクポテンシャルRP_rと、左サイド部73jから発生させる押圧力に対応する左リスクポテンシャルRP_lとをそれぞれ算出する。ただし、車線変更方向のリスクポテンシャルRPは、車線に対する自車角度θのみに基づいて算出する。以下に、左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lの算出方法を説明する。
ウィンカ40が右方向へ操作されて自車両が右側隣接車線へ車線変更を行う場合は、以下の(式23)から左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lを算出する。
RP_r=max{k3・sinθ,0}
RP_l=max{-k2・(x−x0)-k3・sinθ,0} ・・・(式23)
ウィンカ40が左方向へ操作されて自車両が左側隣接車線へ車線変更を行う場合は、以下の(式24)から左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lを算出する。
RP_r=max{k2・(x−x0)+k3・sinθ,0}
RP_l=max{−k3・sinθ,0} ・・・(式24)
そして、(式23)または(式24)により算出したリスクポテンシャルRPを用いて、上述した(式21)からシート制御量y_R,y_Lをそれぞれ算出する。
これにより、例えば図20に示すように自車両が右側隣接車線へ車線変更を行う場合は、シート71の左サイド部73jから車線変更目標車線のレーン中心へ収束するような押圧力が発生し、右サイド部73iからは急激な車線変更を抑制するような押圧力が発生する。この場合、右サイド部73iからは自車両の現在位置を基準とした押圧力が発生するといえる。
以上説明したように構成しても、上述した第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
−第6の実施の形態の変形例−
車線変更方向のリスクポテンシャルRPを上述したように車線に対する自車角度θのみに基づいて算出するとともに、車線変更方向とは反対側のリスクポテンシャルRPを主観的レーン中心位置x_s2、すなわち基準位置x0からの偏差のみに基づいて算出することもできる。
ウィンカ40が右方向へ操作されて自車両が右側隣接車線へ車線変更を行う場合は、以下の(式25)から左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lを算出する。
RP_r=max{k3・sinθ,0}
RP_l=max{-k2・(x−x0),0} ・・・(式25)
ウィンカ40が左方向へ操作されて自車両が左側隣接車線へ車線変更を行う場合は、以下の(式26)から左右リスクポテンシャルRP_r、RP_lを算出する。
RP_r=max{k2・(x−x0),0}
RP_l=max{−k3・sinθ,0} ・・・(式26)
そして、(式25)または(式26)により算出したリスクポテンシャルRPを用いて、上述した(式21)からシート制御量y_R,y_Lをそれぞれ算出する。
《第7の実施の形態》
以下に、本発明の第7の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第7の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図12に示した第4の実施の形態と同様である。ここでは、第4の実施の形態との相違点を主に説明する。
第7の実施の形態においては、車線変更モードと判定されると、自車両の現在の横位置を考慮して主観的レーン中心位置x_s2を算出する。具体的には、車線変更モードの場合は、自車両の現在の横位置を車線変更方向へ所定距離Δxだけ移動させた位置を、主観的レーン中心位置x_s2として設定する。車線内走行モードの場合は、自車両が走行する車線のレーン中心をそのまま主観的レーン中心位置x_s2として設定する。
図21に、車線変更モードおよび車線内走行モードにおける主観的レーン中心位置x_s2の時間変化を示す。図21では、各車線の車線幅wの片側3車線の道路において、自車両が中央車線(車線変更前の自車線)から右隣接車線(車線変更目標車線)に車線変更する場合の主観的レーン中心位置x_s2の変化の一例を示している。ウィンカ40がオン操作されて時間t0で車線変更モードに移行すると、一点鎖線で示す現在の自車両の横位置xに所定距離Δxを加えた位置が主観的レーン中心位置x_s2として設定される。
なお、車線内走行モードから車線変更モードに移行するときは、図20に実線で示すように主観的レーン中心位置x_s2は車線変更前の自車線のレーン中心から所定の変化速度で、車線内横位置xを所定距離Δxだけ車線変更方向へシフトした位置に移動する。このときの変化速度は、主観的レーン中心位置x_s2の最大変化速度として、リスクポテンシャルRPに応じた押圧力の制御が運転者の運転操作による車線変更速度の影響を受けないように予め適切な値を設定しておく。
時間t5で主観的レーン中心位置x_s2が車線変更目標車線のレーン中心に到達すると、自車両の横位置xを所定距離Δxだけシフトした位置がレーン中心を超える場合であっても、車線変更目標車線のレーン中心を主観的レーン中心位置x_s2として維持する(x_s2=w)。時間t6で車線内走行モードに移行すると、車線変更目標車線、すなわち車線変更後の自車線のレーン中心を主観的レーン中心位置x_s2として設定する。
なお、車線変更モードでは、車線変更前の自車線のレーン中心を基準として自車両の横位置xを算出する。すなわち、自車両の横位置xが車線変更前の自車線のレーン境界を超えると、車線変更前の自車線のレーン中心からレーン境界までの距離w/2に、レーン境界から自車両までの横方向距離を加えた値を、自車両の横位置xとする。
コントローラ50Aは、以上説明したように算出した主観的レーン中心位置x_s2から基準位置x0を算出し、右リスクポテンシャルRP_rと左リスクポテンシャルRP_lをそれぞれ算出する。
以上説明したように構成しても、上述した第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上説明した第1から第7の実施の形態においては、自車線からの逸脱またはレーン境界への接近に関する自車両の左右方向のリスクポテンシャルRPを、シートバック部73のサイド部73i、73jを回動することによって運転者に伝達した。ただし、これには限定されず、クッション部72の左右サイド部を回動することによって運転者に押圧力を与えることもできる。またはクッション部72の左右サイド部とシートバック部73の左右サイド部73i、73jの両方から押圧力を発生させることもできる。
また、シート押圧力調整機構70は、図3(a)(b)に示す構成には限定されない。例えば、モータユニット73f,73gの代わりにシート71に空気袋等を内蔵し、空気袋の内圧により押圧力を与えるように構成することもできる。シート押圧力調整機構70として空気袋を用いる場合は、運転者に対してリスクポテンシャルRPに応じた押圧力を与えるように、空気袋の内圧を制御する。
以上説明した第1から第7の実施の形態においては、前方カメラ20および走行状態認識部51が走行状態検出手段および道路曲率検出手段として機能し、コントローラ50,50Aが処理手段として機能し、シート押圧力調整機構70が触覚情報伝達手段として機能し、基準位置算出部54が基準位置算出手段として機能し、伝達情報算出部55がリスクポテンシャル算出手段として機能することができる。また車速センサ10が車速検出手段として機能し、ウィンカ40および走行モード判定部57が車線変更意図検出手段として機能し、側方カメラ30が隣接障害物検出手段として機能し、隣接車線状況検出部53が隣接車線リスク判断手段として機能することができる。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 (a)(b)シート押圧力調整機構の構成を示す図。 第1の実施の形態による車両用運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。 自車両の走行状態を示す図。 他車両検出エリアを示す図。 (a)自車両の主観的レーン中心位置を示す図、(b)車線内横位置とシート制御量との関係を示す図。 第2の実施の形態における車線内横位置とシート制御量との関係を示す図。 第3の実施の形態における車線内横位置とシート制御量との関係を示す図。 車線内横位置とシート制御量との関係の変形例を示す図。 車線内横位置とシート制御量との関係の変形例を示す図。 第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 第4の実施の形態による車両用運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。 自車両の走行状態を示す図。 第4の実施の形態における走行モードに対する主観的レーン中心の変化を示す図。 (a)(b)車線変更モードと車線内走行モードにおける押圧力の発生を説明する図。 第5の実施の形態における走行モードに対する主観的レーン中心の変化を示す図。 (a)車線変更モードと車線内走行モードにおける押圧力の発生を説明する図、(b)自車両の横位置とシート制御量との関係を示す図。 自車両の横位置とシート制御量との関係の変形例を示す図。 車線変更モードと車線内走行モードにおける押圧力の発生を説明する図、 第7の実施の形態における走行モードに対する主観的レーン中心の変化を示す図。
符号の説明
10:車速センサ
20:前方カメラ
30:側方カメラ
40:ウィンカ
50,50A:コントローラ
70:シート押圧力調整機構

Claims (18)

  1. 車線に対する自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    前記自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、前記走行状態検出手段によって検出される前記走行状態との偏差に基づいて、前記車線に対する前記自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出する処理手段と、
    前記処理手段で算出された前記リスクポテンシャルを触覚情報として前記運転者に伝達する触覚情報伝達手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記処理手段は、前記自車両の走行環境、前記運転者の運転特性および前記運転意図の少なくとも一つに基づいて、前記リスクポテンシャルを算出するための基準とする前記基準位置を算出する基準位置算出手段と、前記リスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段とを備え、
    前記触覚情報伝達手段は、前記リスクポテンシャル算出手段で算出された前記リスクポテンシャルをシートの左右端部からの押圧力として前記運転者に伝えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記基準位置算出手段は、前記基準位置として前記自車両の右方向と左方向の基準位置をそれぞれ算出し、
    前記リスクポテンシャル算出手段は、前記右方向と左方向の基準位置と前記走行状態との偏差に基づいて前記自車両の右方向と左方向のリスクポテンシャルをそれぞれ算出し、
    前記触覚情報伝達手段は、前記右方向のリスクポテンシャルを前記シートの右端部からの押圧力として、前記左方向のリスクポテンシャルを前記シートの左端部からの押圧力として運転者に伝えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記基準位置算出手段は、前記走行状態検出手段によって検出された前記自車両の前記車線内の走行履歴に基づいて前記基準位置を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項2または請求項4に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両が走行する道路の道路曲率を検出する道路曲率検出手段をさらに備え、
    前記基準位置算出手段は、前記道路曲率が大きいほど前記基準位置をカーブ内側に移動することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項5に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両の車速を検出する車速検出手段をさらに備え、
    前記基準位置算出手段は、前記自車速が速いほど前記基準位置をさらに前記カーブ内側に移動することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両の車線変更意図を検出する車線変更意図検出手段をさらに備え、
    前記車線変更意図検出手段によって前記車線変更意図が検出されると、前記基準位置算出手段は、現在、前記自車両が走行する自車線から車線変更の目標車線の方向へ前記基準位置を徐々に変化させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  8. 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記基準位置算出手段は、前記車線変更意図が検出されると、前記自車線と前記車線変更の目標車線とのレーン境界を目標として前記基準位置を徐々に変化させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  9. 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記基準位置算出手段は、前記車線変更意図が検出されると、前記車線変更の目標車線のレーン中心を目標として前記基準位置を徐々に変化させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  10. 請求項4に記載の車両用運転操作補助装置において、
    隣接車線上に存在する障害物を検出する隣接障害物検出手段と、
    前記隣接障害物検出手段の検出結果に基づいて前記自車両に対する前記隣接車線のリスクを判断する隣接車線リスク判断手段とをさらに備え、
    前記基準位置算出手段は、前記隣接車線リスク判断手段によって右側隣接車線のリスクが高いと判断され、かつ前記走行履歴に基づく前記基準位置が前記自車線のレーン中心よりも右側に設定された場合、または左側隣接車線のリスクが高いと判断され、かつ前記走行履歴に基づく前記基準位置が前記自車線のレーン中心よりも左側に設定された場合は、前記自車線のレーン中心を前記基準位置として再設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  11. 請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記基準位置算出手段は、前記右方向と左方向の基準位置のうち、一方を前記自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づいて算出し、他方を前記自車両が現在走行する自車線のレーン中心とすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  12. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記走行状態検出手段は、前記走行状態として、前記自車両の車線内横位置と前記車線に対する自車角度とを検出し、
    前記リスクポテンシャル算出手段は、前記基準位置に対する前記車線内横位置の偏差と前記自車角度の重み付け和として前記リスクポテンシャルを算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  13. 請求項12に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記リスクポテンシャル算出手段は、前記車線内横位置が前記基準位置と自車線のレーン中心との間にある場合と、それ以外の場合では、前記リスクポテンシャルの算出式の重みを変更することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  14. 請求項13に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記リスクポテンシャル算出手段は、前記車線内横位置が前記基準位置と前記自車線のレーン中心との間にある場合には、それ以外の場合に比べて、前記偏差の重みを小さくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  15. 請求項12に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記リスクポテンシャル算出手段は、前記基準位置と前記自車線のレーン中心との間の領域を、前記車線内横位置が変化しても前記リスクポテンシャルが変化しない不感帯とすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  16. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両の車線変更意図を検出する車線変更意図検出手段をさらに備え、
    前記触覚情報伝達手段は、前記リスクポテンシャルをシートの左右端部からの押圧力として運転者に伝え、前記車線変更意図検出手段によって前記車線変更意図が検出されると、前記左右端部のうち、車線変更方向の端部からの押圧力を反対側の端部からの押圧力よりも小さくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  17. 車線に対する自車両の走行状態を検出し、
    前記自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、前記走行状態との偏差に基づいて、前記車線に対する前記自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出し、
    前記リスクポテンシャルを触覚情報として前記運転者に伝達することを特徴とする車両用運転操作補助方法。
  18. 車線に対する自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    前記自車両の走行環境、運転者の運転特性および運転意図の少なくとも一つに基づく基準位置と、前記走行状態検出手段によって検出される前記走行状態との偏差に基づいて、前記車線に対する前記自車両のリスクを表すリスクポテンシャルを算出する処理手段と、
    前記処理手段で算出された前記リスクポテンシャルを触覚情報として前記運転者に伝達する触覚情報伝達手段とを備える車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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