JP4367214B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 Download PDF

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Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
自車両が走行車線から逸脱しそうになると逸脱を防止するよう運転操作を補助するものが知られている(例えば特許文献1参照)。この装置は、自車両が走行車線から逸脱しそうであると判断されると、左右輪の制動力差によって逸脱を回避する方向にヨーモーメントを発生させる。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開2001−310719号公報
上述した装置は、走行車線から逸脱しそうであると判断された場合に、逸脱を防止するための制御を行うことができる。しかしながら、走行車線からの逸脱のリスクが高まり、逸脱しそうであると判断される以前から、逸脱するリスクの度合いを運転者にわかりやすく伝えることが望まれている。
本発明による車両用運転操作補助装置は、車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車線に対する自車両の逸脱度を算出する逸脱度算出手段と、逸脱度算出手段によって算出される逸脱度に基づいて、自車両の前後方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、前後方向操作反力とする)を制御する前後方向反力制御手段と、逸脱度算出手段によって算出される逸脱度に基づいて、自車両の左右方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、左右方向操作反力とする)を制御する左右方向反力制御手段と、逸脱度に対する前後方向操作反力の増加率、および逸脱度に対する左右方向操作反力の増加率を調整する操作反力調整手段とを備え、操作反力調整手段は、逸脱度について低逸脱度領域と高逸脱度領域とを設け、低逸脱度領域では前後方向操作反力の増加率を左右方向操作反力の増加率よりも大きく設定し、高逸脱度領域では左右方向操作反力の増加率を前後方向操作反力の増加率よりも大きく設定する。
本発明による車両用運転操作補助装置は、車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車線に対する自車両の逸脱度を算出する逸脱度算出手段と、逸脱度算出手段によって算出される逸脱度に基づいて、自車両の前後方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、前後方向操作反力とする)を制御する前後方向反力制御手段と、逸脱度算出手段によって算出される逸脱度に基づいて、自車両の左右方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、左右方向操作反力とする)を制御する左右方向反力制御手段と、逸脱度に対する前後方向操作反力の増加率、および逸脱度に対する左右方向操作反力の増加率を調整する操作反力調整手段とを備え、操作反力調整手段は、逸脱度について低逸脱度領域と高逸脱度領域とを設け、低逸脱度領域では左右方向操作反力の増加率を前後方向操作反力の増加率よりも大きく設定し、高逸脱度領域では前後方向操作反力の増加率を左右方向操作反力の増加率よりも大きく設定する。
逸脱度に基づいて車両前後方向の操作反力および左右方向の操作反力を制御し、各操作反力の増加率を調整することにより、自車両が自車線から逸脱していくような状況において、逸脱の度合いを操作反力として運転者にわかりやすく伝えるとともに、逸脱度を低減するような運転操作を促すことができる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載した車両の構成図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。車両用運転操作補助装置1は、前方カメラ10と、車速センサ20と、アクセルペダル62に発生する操作反力を制御するアクセルペダル反力制御装置60と、ステアリングホイール72に発生する操舵反力を制御する操舵反力制御装置70と、車両用運転操作補助装置1の全体の制御を行うコントローラ50等を備えている。
前方カメラ10は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50へと出力する。前方カメラ10による検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。コントローラ50は、前方カメラ10による撮像画像に所定の画像処理を施し、自車線内における自車両の位置に関する信号を取得する。具体的には、自車両のヨー角Φ、車線中心からの横変位X、および走行車線の曲率βを取得する。
車速センサ20は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ50に出力する。舵角センサ30は、ステアリングコラムもしくはステアリングホイール70付近に取り付けられた角度センサ等であり、ステアリングシャフトの回転を操舵角として検出し、コントローラ50へ出力する。
アクセルペダル62には、アクセルペダル62の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルストロークセンサ63が設けられている。アクセルペダルストロークセンサ63によって検出されたアクセルペダル操作量はコントローラ50に出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、前方カメラ10による撮像画像から取得した自車両の走行環境情報に基づいて、自車両が自車線から逸脱するリスク(以降、逸脱リスク度と呼ぶ)を算出する。そして、逸脱リスク度に基づいて、アクセルペダル62に発生する操作反力およびステアリングホイール72に発生する操舵反力をそれぞれ制御する。そこで、コントローラ50は、逸脱リスク度に基づく操作反力および操舵反力の指令値をアクセルペダル反力制御装置80および操舵反力制御装置70にそれぞれ出力する。これらの制御の詳細は後述する。
アクセルペダル反力制御装置60は、コントローラ50から入力される反力指令値に応じて、アクセルペダル62のリンク機構に組み込まれたサーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61は、アクセルペダル操作反力制御装置60からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル62を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。なお、逸脱リスク度に応じたアクセルペダル反力制御を行っていない場合の反力特性(通常反力特性)は、例えばアクセルペダル62の操作量の増加に比例してペダル反力が増加するように設定されている。この通常反力特性は、例えばアクセルペダル62の回動中心に設けられたねじりばね(不図示)のバネ力によって実現することができる。
操舵反力制御装置70は、車両の操舵系に組み込まれ、コントローラ50から出力される反力指令値に応じて、サーボモータ71で発生させるトルクを制御する。サーボモータ71は、操舵反力制御装置70からの指令値に応じて発生させるトルクを制御し、運転者がステアリングホイール72を操作する際に発生する操舵反力を任意に制御することができる。
なお、ステアリングホイール72を操舵操作すると、セルフアライニングトルクが作用して反力が発生するとともに、パワーステアリング装置(不図示)からのアシスト力も発生する。逸脱リスク度に応じた操舵反力制御を行う場合、操舵反力制御装置70は、セルフアライニングトルクやパワーステアリング装置による反力に、逸脱度に応じた操舵反力を加算することにより、ステアリングホイール72に所望の操舵反力を発生させる。
つぎに、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。図3は、第1の実施の形態のコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートを示す。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
ステップS100では、前方カメラ10および車速センサ20から検出信号を入力し、自車両の走行状態データを読み込む。コントローラ50は、前方カメラ10の撮像画像に画像処理を施し、自車両前方にある白線(車線識別線)等の境界線を抽出識別し、自車線内における自車両の位置に関する走行状態データを取得する。走行状態データは、自車速V、自車両のヨー角Φ、車線中心から自車両の中心までの横変位X,走行車線の曲率β、および操舵角δ等である。また、アクセルペダルストロークセンサ63によって検出されるアクセルペダル操作量も読み込む。ステップS110では、ステップS100で読み込んだ走行状態データから、自車線に対する自車両の相対位置関係といった自車両の周囲状況を認識する。
つづくステップS120では、ステップS100で読み込んだ走行状態データに基づいて、自車両が将来的に自車線から逸脱する可能性を表す逸脱リスク度RPoutを算出する。逸脱リスク度RPoutを算出するために、まず、自車両が自車線から逸脱するまでの予測時間(逸脱予測時間)Toutを算出する。図4に自車両の走行状況の一例を示す。図4に示すように、横変位Xは自車線の中央線から自車両の重心oまでの距離を表している。コントローラ50は、例えば前回周期で検出した横変位X_zと今回検出した横変位Xとから横変位の変化量dXを算出する。そして、自車両の重心oから白線までの距離(L/2-X)と横変位Xの変化量dXとから、以下の(式1)を用いて自車両が自車線を逸脱するまでの逸脱予測時間Toutを算出する。
Tout=(L/2−X)/dX ・・・(式1)
ただし、逸脱予測時間Toutの最大値リミットのため、Tout≦Tmaxとする(Tmaxは所定値)。なお、自車両の重心が車線中央線から右側の領域にある場合は横変位Xを正の値で表し、左側の領域にある場合は横変位Xを負の値で表している。これにより、横変位Xの符号に基づいて自車両の逸脱方向を判断することができる。ただし、(式1)においては横変位Xの絶対値を用いている。
ここでは自車両の横変位Xとその変化量dXとを用いたが、自車両のヨー角Φ、走行車線の曲率β、自車両のヨーレイト、または操舵角等により自車線からの逸脱予測時間Toutを算出することも可能である。
このようにして算出した逸脱予測時間Toutに基づいて、逸脱リスク度RPoutを算出する。逸脱予測時間Toutが短くなると将来的に自車両が自車線から逸脱するというリスクが大きくなるため、逸脱リスク度RPoutは、例えば図5に示すように逸脱予測時間Toutが短くなるほど高くなるように設定する。また、逸脱予測時間Toutに対して逸脱リスク度RPoutが線形的に変化するように設定することも可能である。
図6(a)〜(d)を用いて、自車線に対する自車両の位置と逸脱リスク度RPoutとの関係を説明する。図6(a)〜(c)は自車両が片側2車線の道路において左レーンから右レーンに移動(逸脱)していく様子を示し、図6(d)は自車両が左レーンから右レーンに逸脱していくときの自車両の横変位Xに対する逸脱リスク度RPoutの変化を表している。なお、図6(a)〜(c)に示す状況において自車両の横変位Xの変化量dXは一定であるとする。
図6(a)に示すように自車両が自車線のほぼ中央を走行している場合は、横変位Xが小さく逸脱予測時間Toutが大きいため図6(d)に点Aで示すように逸脱リスク度RPoutは小さい値となる。自車両が右側のレーン端に接近していくと、逸脱リスク度RPoutが徐々に大きくなり、図6(b)に示すように自車両の重心oが右側のレーン端(白線)をまたいだときに逸脱リスク度RPoutが最大となる(点B)。右側の白線をまたいだ後は、自車両が車線の中央方向に移動するため逸脱予測時間Toutが長くなり、逸脱リスク度RPoutが急に低下する(点C)。
ステップS120で逸脱リスク度RPoutを算出した後、ステップS130へ進む。ステップS130では、ステップS120で算出した逸脱リスク度RPoutに基づいて、アクセルペダル操作反力および操舵反力の反力指令値FA,FSをそれぞれ算出する。図7(a)(b)に、逸脱リスク度RPoutに対するアクセルペダル反力指令値FA,および操舵反力指令値FSの関係をそれぞれ示す。アクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSは、それぞれ逸脱リスク度RPoutの増加に比例して大きくなるように設定されている。
つづくステップS140では、ステップS130で算出したアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを、それぞれアクセルペダル反力制御装置60および操舵反力制御装置70に出力する。アクセルペダル反力制御装置60は、コントローラ50からの指令に応じて、アクセルペダル操作量SAに応じた通常反力特性に反力指令値FAを加算した値をアクセルペダル反力として発生するようにサーボモータ61を制御する。また、操舵反力制御装置70は、コントローラ50からの指令に応じてサーボモータ71を制御し、自車両が自車線から逸脱する方向への操舵操作が重くなるように、すなわち逸脱する方向へ操舵操作を行った場合の操舵反力が大きくなるように操舵反力を発生させる。これにより、今回の処理を終了する。
以下に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の作用を説明する。図6(a)〜(d)に示すように、例えば自車両が左レーンから右レーンに逸脱していく場合、逸脱リスク度RPoutが高くなるに従って、アクセルペダル62に発生する操作反力が大きくなるとともに、逸脱方向への操舵操作を抑制する方向の操舵反力が大きくなる。運転者はアクセルペダル62およびステアリングホイール72からの反力を感じることによって、自車両が将来的に自車線から逸脱するリスクが大きくなっていることを直感的に認識することができる。
−第1の実施の形態の変形例−
逸脱リスク度RPoutに対するアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSの関係を、図7(a)(b)に代えて、図8(a)(b)または図9(a)(b)に示すように設定することもできる。
図8(a)(b)は、逸脱リスク度RPoutが大きくなるほど反力指令値FA,FSともに増加しているが、逸脱リスク度RPoutの変化に対するアクセルペダル反力指令値FAの変化形態および操舵反力指令値FSの変化形態が異なっている。すなわち、アクセルペダル反力指令値FAは、逸脱リスク度RPoutが発生し始めると急激に増加し、その後は逸脱リスク度RPoutの増加に伴って徐々に増加する。一方、操舵反力指令値FSは、逸脱リスク度RPoutが発生し始めると緩やかに増加し、その後は逸脱リスク度RPoutの増加に伴って急激に増加する。
すなわち、逸脱予測時間Toutに応じた逸脱リスク度RPoutについて、最小値と最大値の間に低リスク領域と高リスク領域を設けたとすると、低リスク領域では、逸脱リスク度RPoutの増加に対するアクセルペダル反力指令値FAの増加率の方が、逸脱リスク度RPoutの増加に対する操舵反力指令値FSの増加率よりも大きい。一方、高リスク領域では、逸脱リスク度RPoutの増加に対する操舵反力指令値FSの増加率の方が、逸脱リスク度RPoutの増加に対するアクセルペダル反力指令値FAの増加率よりも大きい。
これにより、逸脱リスク度RPoutが小さいときは操舵反力に対してアクセルペダル反力が先行して大きくなるので、アクセルペダル62の操作反力として運転者の注意を喚起することができるとともに、アクセルペダル62の踏み込みを緩めて逸脱までの時間的余裕を稼ぐという効果も期待できる。一方、逸脱リスク度RPoutが大きくなるとアクセルペダル反力に対して操舵反力の増加率が大きくなるので、逸脱方向への操舵操作を抑制して自車線からの逸脱予防の支援を行うことができる。
図9(a)(b)は、逸脱リスク度RPoutが大きくなるほど反力指令値FA,FSともに増加しているが、逸脱リスク度RPoutの変化に対するアクセルペダル反力指令値FAの変化形態および操舵反力指令値FSの変化形態が異なっている。すなわち、アクセルペダル反力指令値FAは、逸脱リスク度RPoutが発生し始めると緩やかに増加し、その後は逸脱リスク度RPoutの増加に伴って急激に増加する。一方、操舵反力指令値FSは、逸脱リスク度RPoutが発生し始めると急激に増加し、その後は逸脱リスク度RPoutの増加に伴って緩やかに増加する。
すなわち、逸脱予測時間Toutに応じた逸脱リスク度RPoutについて、最小値と最大値の間に低リスク領域と高リスク領域を設けたとすると、低リスク領域では、逸脱リスク度RPoutの増加に対する操舵反力指令値FSの増加率の方が、逸脱リスク度RPoutの増加に対するアクセルペダル反力指令値FAの増加率の方よりも大きい。一方、高リスク領域では、逸脱リスク度RPoutの増加に対するアクセルペダル反力指令値FAの増加率の方が、逸脱リスク度RPoutの増加に対する操舵反力指令値FSの増加率の方よりも大きい。
これにより、逸脱リスク度RPoutが小さいときはアクセルペダル反力に対して操舵反力が先行して大きくなるので、逸脱方向への操舵操作を抑制して自車線からの逸脱予防の支援を早い段階から行うことができる。逸脱リスク度RPoutが大きくなるとアクセルペダル反力の増加率が大きくなるので、自車線からの逸脱のリスクが大きくなっていることを運転者に直感的に知らせることができる。
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、自車両周囲の走行環境に基づいて、自車線に対する自車両の逸脱度を算出し、逸脱度に基づいて、自車両の前後方向の運転操作に関わる運転操作装置(アクセルペダル62)に発生する前後方向操作反力と、自車両の左右方向の運転操作に関わる運転操作装置(ステアリングホイール72)に発生する左右方向操作反力をそれぞれ制御する。ここで、逸脱度に対する前後方向操作反力の増加率および左右方向の増加率をそれぞれ調整する。これにより、自車両が自車線から逸脱していくような状況において、逸脱の度合いを運転操作装置の操作反力として運転者にわかりやすく伝えることができる。また、前後方向操作反力の増加率と左右方向操作反力の増加率をそれぞれ逸脱度に応じて調整することにより、逸脱の度合いに応じて必要な情報を伝えるとともに逸脱度を低減するような運転操作を促して運転者の運転操作を補助することができる。
(2)コントローラ50は、自車両周囲の走行環境に基づいて、自車両が将来的に自車線から逸脱するリスク(逸脱リスク度RPout)を逸脱度として算出する。これにより、自車両が将来的に自車線から逸脱するリスクが高いのか、あるいは高くなっているのかといった情報を操作反力を介して運転者に伝えるとともに、将来的なリスクに対応した運転操作を促すことができる。
(3)コントローラ50は、自車両周囲の走行環境に基づいて、自車両が自車線から逸脱するまでの逸脱予測時間Toutを予測し、逸脱予測時間Toutを用いて逸脱リスク度Toutを算出する。これにより、将来的な逸脱のリスクを操作反力を介して運転者に伝えるとともに、将来的なリスクに対応した運転操作を促すことができる。
(4)コントローラ50は、図7(a)(b)に示すように、逸脱リスク度RPoutの増加に対して、前後方向操作反力の増加率および左右方向操作反力の増加率を略一致させる。これにより、ある時点での逸脱リスク度RPoutに対してアクセルペダル62とステアリングホイール72から同等の操作反力が発生するため、運転者は逸脱の可能性を感覚的に把握することができる。
(5)図8(a)(b)に示すように、逸脱リスク度RPoutについて低リスク領域(低逸脱度領域)と高リスク領域(高逸脱度領域)とを設け、低リスク領域では前後方向操作反力の増加率を左右方向操作反力の増加率よりも大きく設定し、高リスク領域では左右方向操作反力の増加率を前後方向操作反力の増加率よりも大きく設定することもできる。この場合、逸脱リスク度RPoutが小さいときにはアクセルペダル反力によって将来的な逸脱のリスクがあることを運転者に感覚的に知らせ、逸脱リスク度RPoutが大きくなると操舵反力を大きくして逸脱を回避する方向への操舵操作を促すことができる。
(6)図9(a)(b)に示すように、低リスク領域では左右方向操作反力の増加率を前後方向操作反力の増加率よりも大きく設定し、高リスク領域では前後方向操作反力の増加率を左右方向操作反力の増加率よりも大きく設定することもできる。この場合、逸脱リスク度RPoutが小さい段階から将来の逸脱を回避する方向への操舵操作を促し、逸脱リスク度RPoutが大きくなると操舵操作の支援に加えてアクセルペダル反力として逸脱のリスクを運転者に伝えることができる。
《第2の実施の形態》
本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の構成を示すシステム図であり、図11は、車両用運転操作補助装置2を搭載した車両の構成図である。なお、第2の実施の形態においては、自動変速機およびコンベンショナルディファレンシャルを備えた後輪駆動車に車両用運転操作補助装置2を搭載する場合を例として説明する。図10および図11において、図1および図2に示した第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2は、前後左右の各車輪に与える制動力(制動液圧)を個々に制御する各輪液圧制御装置90をさらに備えている。コントローラ50Aは、逸脱リスク度RPoutに基づいてアクセルペダル操作反力制御および操舵反力制御を行うとともに、自車線からの逸脱リスク度RPoutに基づいて左右輪に制動力差をつけて逸脱を回避する方向のヨーモーメントを発生させる。そこで、コントローラ50Aは、逸脱リスク度RPoutに基づくブレーキ液圧の指令値を各輪液圧制御装置90に出力する。
各輪液圧制御装置90は、車両の左前輪に設けられたブレーキ装置91、右前輪に設けられたブレーキ装置92、左後輪に設けられたブレーキ装置93、および右後輪に設けられたブレーキ装置94をそれぞれ制御する。ここで、左右前後輪ブレーキ装置91〜94は、それぞれブレーキディスクと、液圧の供給によりブレーキディスクを摩擦挟持して車輪にブレーキ力(制動力)与えるホイールシリンダとを備えている。各輪液圧制御装置90は、各ブレーキ装置91〜94のホイールシリンダにそれぞれ液圧を供給することにより、各車輪を個々に制動する。
各輪液圧制御装置90は、前後左右の各液圧供給系(各チャンネル)それぞれに対応するアクチュエータを備えている。アクチュエータとしては、例えば各ホイルシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能なように比例ソレノイド弁を使用する。なお、各輪液圧制御装置90は、コントローラ50Aからの指令に応じてブレーキペダル95の操作によるマスタシリンダからの油圧を調節し、各輪のホイルシリンダへ供給する制動液圧を制御する。
また、車両用運転操作補助装置2は、運転者のブレーキ操作に応じたマスタシリンダの液圧Pmを検出するマスタシリンダ液圧センサ96、自車両の前後加速度Xg,横加速度Ygを検出する加速度センサ31、および自車両に発生するヨーレイトφを検出するヨーレイトセンサ32をさらに備えている。これらのセンサによる検出信号は、それぞれコントローラ50Aに入力される。
つぎに、第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の動作を、図12のフローチャートを用いて説明する。図12は、第2の実施の形態のコントローラ50Aにおける運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートを示す。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS200〜S220における処理は、図3に示したフローチャートのステップS100〜S120における処理と同様であるので説明を省略する。なお、ステップS200では、走行状態データとして加速度センサ31によって検出される前後加速度Xg,横加速度Yg、ヨーレイトセンサ32によって検出されるヨーレイトφ、およびマスタシリンダ液圧センサ96によって検出されるマスタシリンダ液圧Pmも読み込む。
ステップS230では、逸脱リスク度RPoutの算出に用いた逸脱予測時間Toutと、予め設定した逸脱判断しきい値Tsとを比較し、自車両の逸脱判断を行う。Tout<Tsの場合は将来的な逸脱の可能性が高いと判断し、逸脱判断フラグFout=ONにする。一方、Tout≧Tsの場合は将来的な逸脱の可能性が低いと判断し、逸脱判断フラグFout=OFFにする。
ステップS240では、ステップS200で読み込んだヨーレイトφおよび横加速度Ygを用いて自車両の旋回状態を判断する。ヨーレイトφおよび横加速度Ygは、左旋回の場合に正の値を示す。横加速度Ygが設定値Yg1以上になった場合は急旋回と判断する。また、ヨーレイトφについては、操舵角δと自車速Vより定まる目標ヨーレイトφrefとの比較により車両のアンダーステアおよびオーバーステアを判断する。
つづくステップS250では、自車線からの逸脱を回避するために自車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。ここでは、車線中央からの自車両の横変位Xとその変化量dXより、以下の(式2)に従って目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・X+K2・dX ・・・(式2)
ここで、K1,K2は、自車速Vに応じて変動するゲインであり、例えば図13に示すように設定する。
また、自車両の走行車線に対するヨー角Φと横変位Xおよび前方走行車線曲率βより、以下の(式3)に従って目標ヨーモーメントMsを算出することも可能である。
Ms=Ka・Φ+Kb・X+Kc・β ・・・(式3)
ここで、Ka、Kb,Kcは、自車速Vに応じて変動するゲインであり、例えば図13および図14に示すように設定する。
続くステップS260では、ステップS230で設定した逸脱判断フラグFout、ステップS250で算出した目標ヨーモーメントMs、およびマスタシリンダ液圧Pmに基づいて、前後左右の各車輪の目標制動液圧Psiを算出する。ここで、添え字iは各車輪を示し、左前輪をfl、右前輪をfr、左後輪をrl、右後輪をrrで表す。逸脱判断フラグFout=OFFで将来的な逸脱の可能性が低い場合は、各車輪の目標制動液圧Psiは以下の(式4)および(式5)に示すようにマスタシリンダ液圧Pmとなる。
Psfl=Psfr=Pm ・・・(式4)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(式5)
ここで、Pmrはマスタシリンダ液圧Pmから算出される前後配分を考慮した後輪用マスタシリンダ液圧である。
一方、逸脱判断フラグFout=ONで将来的な逸脱の可能性が高いは、目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて、目標ヨーモーメントMsが設定値Ms1より小さい場合は後輪左右輪の制動力に差を発生させ、設定値Ms1より大きい場合は前後左右輪で制動力差を発生させるようにする。まず、前輪左右輪の目標制動液圧差ΔPsf、および後輪左右輪の目標制動液圧差ΔPsrを、目標ヨーモーメントMsを用いて以下の(式6)〜(式9)から算出する。
(1)Ms<Ms1の場合
ΔPsf=0・・・(式6)
ΔPsr=2・Kbr・Ms/T ・・・(式7)
(2)Ms≧Ms1の場合
ΔPsf=2・Kbf・(Ms−Ms1)/T ・・・(式8)
ΔPsr=2・Kbr・Ms1/T ・・・(式9)
ここで、Tはトレッドを示す。簡単のため、ここでは前後のトレッドを同じとする。また、Kbf,Kbrは制動力を制動液圧に換算する場合の換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。前輪のみで制御することにして、以下の(式10)のように設定することもできる。
ΔPsf=2・Kbf・Ms/T ・・・(式10)
つぎに、自車線からの逸脱方向と、ステップS240で判断した旋回状態とから自車両を減速させるように左右両輪に制動力を発生させるかを判断し、運転者による制動操作であるマスタシリンダ液圧Pmも考慮して、各車輪の目標制動液圧Psiを算出する。以下に、例として左旋回時の各車輪の目標制動液圧Psiを表す。
(1)旋回内側に逸脱しようとしている場合(|φ|≧|φref|)
Psfl=Pm
Psfr=Pm+ΔPsf ・・・(式11)
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
(2)急旋回でなく(Yg<Yg1)、かつ旋回外側に逸脱しようとしている場合(|φ|<|φref|)
Psfl=Pm+ΔPsf
Psfr=Pm ・・・(式12)
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
(3)急旋回であり(Yg≧Yg1)、かつ旋回外側に逸脱しようとしている場合(|φ|<|φref|)
Psfl=Pm+ΔPyaw+ΔPsf
Psfr=Pm+ΔPyaw ・・・(式13)
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
ここで、ΔPyawは以下の(式14)で表され、自車両のアンダーステアの量に応じて減速度を発生させる。
ΔPyaw=Ky・|φref−φ| ・・・(式14)
(式14)においてKyは制御ゲインであり、自車速Vによらず一定である。
このようにステップS260で各車輪の目標制動液圧Psiを算出した後、ステップS70へ進む。ステップS270では、逸脱リスク度RPoutに基づいてアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを算出する。ここでの処理は図3のステップS130での処理と同様である。
ステップS280では、ステップS260で算出した各車輪の目標制動液圧Psiを各輪液圧制御装置90に出力する。各輪液圧制御装置90はコントローラ50Aから入力される液圧指令値に応じて前後左右輪のブレーキ装置91〜94のホイールシリンダにそれぞれ液圧を供給し、各車輪を個々に制動する。
ステップS290では、ステップS270で算出したアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを、それぞれアクセルペダル反力制御装置60および操舵反力制御装置70に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
なお、上述したステップS230の逸脱判断において、例えば方向指示スイッチの操作状態を検出し、運転者に車線変更の意図がある場合は、Tout<Tsでも逸脱フラグFoutをOFFに設定するように構成することも可能である。
以下に第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の作用を説明する。
直進走行時で、逸脱判断フラグFout=ONの場合は、図15(a)に示すように目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて左右輪の制動力に差を発生させる。具体的には、目標ヨーモーメントMsが設定値Ms1よりも小さい場合は、上記(式6)(式7)に示すように後輪左右輪の制動力に差を発生させる。また、目標ヨーモーメントMsが設定値Ms1以上の場合は、上記(式8)(式9)に示すように後輪左右輪に加えて前輪左右輪でも制動力差を発生させる。
旋回内側に逸脱しようとしている場合は、図15(b)に示すように少なくとも旋回外輪に制動力を発生させる((式11)参照)。これにより、旋回時に逸脱を回避する方向にヨーモーメントを発生させることができる。
また、急旋回であり、かつ旋回外側に逸脱しようとしている場合は、図15(c)に示すように左右両輪に制動力を発生するとともに、旋回内輪の制動力の比率を高める((式13)(式14)参照)。これにより、旋回時に逸脱を回避する方向にヨーモーメントを発生させることができる。
なお、図15(a)〜(c)に示すいずれの状況においても、逸脱リスク度RPoutに応じたアクセルペダル反力および操舵反力が発生しているため、将来的な逸脱のリスクがあること、およびその度合いを運転者にわかりやすく伝えることができる。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
車両用運転操作補助装置2は、自車線からの逸脱を回避する方向に、左右輪の制動力差によってヨーモーメントを発生させる各輪液圧制御装置90をさらに備えている。これにより、アクセルペダル反力および操舵反力を介した逸脱リスク度RPoutの伝達に加えて、逸脱のリスクが高い場合は左右輪に制動力差を発生させて逸脱防止の制御を行うことができる。また、逸脱のリスクが高くなってヨーモーメントによる逸脱防止制御を開始する前から、運転者はアクセルペダル反力および操舵反力として逸脱リスク度RPoutを直感的に認識することができるので、運転者が逸脱の状況を把握した状態で、効果的な逸脱防止制御を行うことができる。また逸脱防止制御が行われている間も、運転者は逸脱のリスクを操作反力として認識することができる。
《第3の実施の形態》
つぎに、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図10および図11に示した第2の実施の形態と同様である。ここでは、第2の実施の形態との相違点を主に説明する。
第3の実施の形態においては、逸脱リスク度RPoutに基づく操作反力(アクセルペダル反力および操舵反力)制御を行う際に、自車線から逸脱する場合の自車両の白線(車線識別線)に対する進入角度θiに基づいて、それぞれの操作反力の配分を変化させる。ここで、アクセルペダル62は自車両の前後方向の運転操作に関わる運転操作機器であるので、アクセルペダル操作反力を車両前後方向の操作反力とし、ステアリングホイール72は自車両の左右方向の運転操作に関わる運転操作機器であるので、操舵反力を車両左右方向の操作反力とする。
以下に、第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置の動作を、図16のフローチャートを用いて説明する。図16は、第3の実施の形態のコントローラ50Aにおける運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートを示す。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS300〜S340における処理は、図12に示したフローチャートのステップS200〜S240における処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS350では、自車両が接近している、すなわち逸脱方向にある白線への自車両の進入角度θiを検出する。ここで、進入角度θiは、図17(a)(b)に示すように自車両の前後方向中心線と白線とのなす角であり、ステップS300で取得した自車両のヨー角Φを用いることができる。
つづくステップS360とS370での処理は、図12のステップS250とS260での処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS380では、図18(a)(b)に示す関係に従ってアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを算出する。つづくステップ390では、ステップS380で算出したアクセルペダル反力指令値FAと操舵反力指令値FS、すなわち前後方向操作反力と左右方向操作反力の配分(比率)を決定する。図19に、レーン進入角度θiに対する操作反力の配分(前後方向反力/左右方向反力)の関係を示す。
図19に示すように、白線への進入角度θiが小さい場合は、前後方向反力/左右方向反力の配分(比率)が小さく、進入角度θiが大きくなるにつれて前後方向反力/左右方向反力の比率が大きくなる。すなわち、例えば図17(a)に示すように進入角θiが小さい場合は、左右方向反力に対して前後方向反力の割合を小さくし、図17(b)に示すように進入角θiが大きい場合は、左右方向反力に対して前後方向反力の割合を大きくする。
これにより、進入角θiが小さい場合はアクセルペダル反力に対して大きな操舵反力が発生するので、自車両が逸脱を回避するような方向への操舵操作を支援することができる。進入角θiが大きい場合はアクセルペダル反力の割合が大きくなるので自車両が将来的に自車線から逸脱するリスクをアクセルペダル反力として運転者に認識させ、注意を喚起することができる。
ステップS400では、ステップS380で算出したアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを、ステップS390で決定した前後方向反力と左右方向反力の配分に従って補正する。これは、左右方向反力(操舵反力指令値FS)を一定として進入角度θiが大きくなるほど前後方向反力(アクセルペダル反力指令値FA)を大きくしたり、逸脱リスク度RPoutに応じた左右方向反力FSと前後方向反力FAとを加算した値のなかで、進入角度θiに応じて左右方向反力FSと前後方向反力FAの比率を変えることで実現できる。
つづくステップS410では、ステップS370で算出した各車輪の目標制動液圧Psiを各輪液圧制御装置90に出力する。ステップS420では、ステップS400で補正したアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを、それぞれアクセルペダル反力制御装置60および操舵反力制御装置70に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
−第3の実施の形態の変形例1−
レーン進入角度θiに対する前後方向反力と左右方向反力の配分を、図20に示す関係に従って設定することもできる。図20は、レーン進入角度θiに対する左右方向反力/前後方向反力の配分の関係を表している。
図20に示すように、白線への進入角度θiが小さい場合は、左右方向反力/前後方向反力の配分(比率)が小さく、進入角度θiが大きくなるにつれて左右方向反力/前後方向反力の比率が大きくなる。すなわち、例えば図17(a)に示すように進入角θiが小さい場合は、前後方向反力に対して左右方向反力の割合を小さくし、図17(b)に示すように進入角θiが大きい場合は、前後方向反力に対して左右方向反力の割合を大きくする。
これにより、進入角θiが小さい場合は操舵反力に対して大きなアクセルペダル反力が発生するので、自車両が将来的に自車線から逸脱するリスクをアクセルペダル反力を介して運転者に直感的に認識させることができる。進入角θiが大きい場合は操舵反力の割合が大きくなるので自車両が逸脱を回避するような方向への操舵操作を支援することができる。
−第3の実施の形態の変形例2−
自車両の白線への進入角θiに代えて、ステップS360で算出する目標ヨーモーメントを用いて前後方向反力と左右方向反力の配分を決定することもできる。図21(a)に示すように逸脱を回避させる方向の目標ヨーモーメントMsが小さい場合は、進入角θiが小さい場合と同様に前後方向反力と左右方向反力の配分を決定し、図21(b)に示すように目標ヨーモーメントMsが大きい場合は、進入角θiが大きい場合と同様に前後方向反力と左右方向反力の配分を決定する。
このように目標ヨーモーメントMsを用いて前後方向反力と左右方向反力の配分を決定するようにしても、進入角θiを用いる場合と同様の効果を得ることができる。
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、上述した第1および第2の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置は、自車両の逸脱方向にある自車線の車線境界線に対する自車両の進入角を検出し、検出した進入角に基づいて、逸脱度に応じた前後方向操作反力と左右方向操作反力の割合を調整する。これにより、将来的な逸脱のリスクに加えて、運転者は自車両がどのような角度で逸脱しようとしているかという逸脱の状況を、アクセルペダル反力と操舵反力の割合から感覚的に把握することができる。例えば、図19に示すように前後方向操作反力/左右方向操作反力の配分を設定し、それぞれの反力の割合を決定すると、逸脱リスク度RPoutが小さい段階ではアクセルペダル反力に対して大きな操舵反力が発生し、逸脱を回避する方向への運転操作を支援することができる。また、逸脱リスク度RPoutが大きくなるとアクセルペダル反力の割合が大きくなり、将来的な逸脱のリスクをアクセルペダル反力として運転者に認識させることができる。一方、図20に示すように左右方向操作反力/前後方向操作反力の配分を決定し、それぞれの反力の割合を決定すると、逸脱リスク度RPoutが小さいときは操舵反力に対して大きなアクセルペダル反力が発生し、逸脱のリスクがあることを運転者に警告することができる。また、逸脱リスク度RPoutが大きくなると操舵反力の割合が大きくなり、逸脱を回避する方向への操舵操作を促すことができる。
(2)車線境界線への進入角として、車線境界線に対する自車両のヨー角Φ、すなわち自車両の前後方向中心線と車線境界線とのなす角を検出する。これにより、運転者は逸脱の状況として、車線境界線に対する車両姿勢を感覚的に把握することができる。また、ヨー角Φが変化するとアクセルペダル反力と操舵反力の割合が変化するので、自車両の姿勢の変化を直感的に認識することができる。
(3)車線境界線への進入角として、自車線からの逸脱の防止に必要な目標ヨーモーメントMsを算出することもできる。逸脱回避のための目標ヨーモーメントMsが大きいときは車線境界線に対する自車両のヨー角Φも大きく、運転者は車線境界線に対する車両姿勢を感覚的に把握することができる。また、左右輪の制動力差を発生させて逸脱防止制御を行っている場合に、逸脱防止制御によってどの程度の目標ヨーモーメントMsを発生させているかを、運転者はアクセルペダル反力と操舵反力の割合から直感的に感じることができる。
《第4の実施の形態》
つぎに、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図10および図11に示した第2の実施の形態と同様である。ここでは、第2の実施の形態との相違点を主に説明する。
第4の実施の形態においては、自車両が白線をまたいで車線変更を行った後、アクセルペダル反力と操舵反力を逸脱リスク度RPoutに応じた反力制御を行わない通常の値まで復帰させる際の、反力の復帰のさせ方を調整する。
図6(d)に示したように、自車両の重心oが白線をまたぐと逸脱リスク度RPoutは急減する。これに伴ってアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSも急に低下し、運転者に違和感を与える可能性がある。そこで、自車両の重心oが白線をまたいで隣接車線に車線変更をした後は、例えば変化量リミッタによりアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを緩やかに通常の値まで復帰させる。さらに、アクセルペダル反力制御の終了タイミングと操舵反力制御の終了タイミングが重ならないように調整する。
なお、終了タイミングが重なるとは、アクセルペダル反力制御と操舵反力制御の終了タイミングがぴたりと一致する場合だけでなく、2つの反力制御が続けて終了することにより運転者に違和感を与えてしまうようなタイミングも含む。
以下に、第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の動作を、図22のフローチャートを用いて説明する。図22は、第4の実施の形態のコントローラ50Aにおける運転操作補助制御処理の処理手順のフローチャートを示す。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS500〜S540における処理は、図12に示したフローチャートのステップS200〜S240における処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS550では、自車両が隣接車線に車線変更したかを検出する。例えば、ステップS500で取得した自車両の横変位Xに基づいて、横変位Xの符号が前回周期から反転した場合は、自車両の重心oが白線をまたぎ、自車両が車線変更したと判断する。
つづくステップS560とS570での処理は、図12のステップS250とS260での処理と同様であるので説明を省略する。ステップS580では、図7(a)(b)に示す関係に従ってアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを算出する。
つづくステップ590では、ステップS550において自車両が隣接車線へ車線変更したと検出した場合に、ステップS580で算出したアクセルペダル反力指令値FAと操舵反力指令値FSを補正する。図23に、自車両が車線変更した後、操作反力制御を終了する際のアクセルペダル反力指令値FAと操舵反力指令値FSの時間変化を示す。アクセルペダル反力指令値FAと操舵反力指令値FSは、図7(a)(b)に従って算出されているため、自車両が白線をまたいだ時点(t=t0)では同等の値を示している。
ここで、アクセルペダル反力指令値FAと操舵反力指令値FSに同じリミット値によって変化量リミッタを施すと、図23に一点鎖線で示すように反力指令値FA,FSは同じように低下し、同じタイミング(t=ta)で両方の制御が終了する。同じタイミングでアクセルペダル反力制御と操舵反力制御が終了すると運転者に違和感を与える可能性があるので、操舵反力制御がアクセルペダル反力制御よりも早く終了するように、車線変更後の操舵反力指令値FSをさらに補正する。
具体的には、操舵反力指令値FSのリミット値をアクセルペダル反力指令値FAのリミット値よりも大きく設定し、アクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSそれぞれに変化量リミッタを施す。そして、アクセルペダル反力指令値FAと、リミット値を変化させた補正後の操舵反力指令値FScの差ΔFが所定値ΔF1以上になると(t=tb)、操舵反力指令値FSのリミット値をアクセルペダル反力指令値FAのリミット値と同じ値に戻す。これにより、操舵反力制御は時間t=tcで終了し、アクセルペダル反力制御はtcよりも後の時間t=taで終了する。
つづくステップS600では、ステップS570で算出した各車輪の目標制動液圧Psiを各輪液圧制御装置90に出力する。ステップS610では、ステップS580で算出したアクセルペダル反力指令値および操舵反力指令値FS、またはステップS590で補正を行った場合はこれらの補正値を、それぞれアクセルペダル反力制御装置60および操舵反力制御装置70に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
なお、図8(a)(b)または図9(a)(b)を用いてアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを算出し、図24に示すように車線変更後に同じリミット値によって変化量リミッタを施しても2つの反力制御の終了タイミングが重ならない場合は、ステップS590における補正処理を行う必要はない。
−第4の実施の形態の変形例−
図8(a)(b)または図9(a)(b)を用いてアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSを算出し、かつ車線変更後に異なるリミット値によって変化量リミッタを施すことにより、2つの反力制御の終了タイミングが重なる場合は、ステップS590における補正処理を行う。
図25は、自車両が白線をまたいだ時点(t=t0)では、アクセルペダル反力指令値FAの方が操舵反力指令値FSよりも大きいが、操舵反力指令値FSのリミット値がアクセルペダル反力指令値FAのリミット値よりも大きいため、補正を行わないと2つの反力制御の終了タイミングが重なる例を示している。
そこで、車線変更後に操舵反力指令値FSとアクセルペダル反力指令値FAとの差ΔFが所定値ΔF2以下となると(t=td)、操舵反力指令値FSのリミット値を大きくしてアクセルペダル反力指令値FAのリミット値と同等にする。これにより、操舵反力制御はアクセルペダル反力制御の終了タイミング(t=ta)よりも早い時間t=teで終了する。
なお、車線変更後に異なるリミット値によって変化量リミッタを施す場合でも、2つの反力制御の終了タイミングが重ならない場合は、ステップS590における補正処理を行う必要はない。
このように、以上説明した第4の実施の形態においては、上述した第1から第3の実施の形態による効果に加えて以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置は、自車両が隣接車線に車線変更したかを検出し、隣接車線への車線変更を検出すると、前後方向操作反力と左右方向操作反力を、それぞれ逸脱リスク度RPoutに基づく反力制御を行わない値(通常値)まで徐々に変化(復帰)させる。具体的には、車線変更が検出されると、アクセルペダル反力指令値FAと操舵反力指令値FSにそれぞれ変化量リミッタを施す。図6(d)に示すように車線変更をした直後は逸脱リスク度RPoutが非常に大きくなっているが、アクセルペダル反力と操舵反力を徐々に通常値まで復帰させることにより、反力制御終了時に運転者に与える違和感を軽減することができる。また、アクセルペダル反力および操舵反力の急減に伴って車両挙動が不所望に変化することを防止できる。
(2)車線変更後に、アクセルペダル反力制御が終了するタイミングと操舵反力制御が終了するタイミングが重ならないように、アクセルペダル反力の変化量と操舵反力の変化量をそれぞれ調整する。具体的には、車線変更後に、アクセルペダル反力指令値FAに対する変化量リミッタのリミット値と、操舵反力指令値FSに対する変化量リミッタのリミット値をそれぞれ適切に設定する。これにより、アクセルペダル反力制御と操舵反力制御が同時に終了して運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
(3)車線変更後に、操舵反力制御をアクセルペダル反力制御よりも先に終了するように、アクセルペダル反力指令値FAに対する変化量リミッタのリミット値と、操舵反力指令値FSに対する変化量リミッタのリミット値をそれぞれ適切に設定する。これにより、逸脱回避の操舵操作を促していた操舵反力制御が早いタイミングで終了するので、運転者の意図による操舵操作を妨げることなく反力制御を終了させることができる。
図8(a)(b)および図9(a)(b)には、逸脱リスク度RPoutに対してアクセルペダル反力指令値FAおよび操舵反力指令値FSが曲線的に変化する例を示したが、これには限定されない。例えば、逸脱リスク度RPoutに対する反力指令値FA,FSの傾きが変化する線形のグラフとすることも可能である。同様に、図19および図20においても、進入角θiに対して前後方向操作反力と左右方向操作反力の配分が線形的に変化するように設定することも可能である。
上述した第2から第4の実施の形態においては、逸脱を回避するための目標ヨーモーメントMsに基づいて左右輪の制動力差を発生させたが、これに加えて自車両の駆動力を制御するように構成することも可能である。この場合、例えば急旋回で、かつ旋回外側に逸脱している場合に、アクセルペダル62が操作されていても加速できないようにスロットルバルブを閉じるようにする。これにより、より効果的な逸脱防止制御を行うことができる。
上述した第1から第4の実施の形態においては、前後方向操作反力として逸脱リスク度RPoutに応じてアクセルペダル反力を制御したが、これには限定されない。例えば、アクセルペダル反力とともにブレーキペダル反力を制御したり、アクセルペダル反力の変わりにブレーキペダル反力を制御することもできる。
上述した第2から第4の実施の形態においては、各車輪のブレーキ装置91〜94に供給する液圧を個々に制御することにより左右輪の制動力差を発生させたが、目標ヨーモーメントMsを左右輪の制動力差によって発生することができれば、この方法には限定されない。
以上説明した第1から第4の実施の形態においては、走行環境検出手段として、前方カメラ10を用い、逸脱度算出手段、操作反力調整手段、反力割合調整手段、および車線変更時反力制御手段としてコントローラ50,50Aを用いた。また、前後方向反力制御手段としてコントローラ50,50Aとアクセルペダル反力制御装置60を用い、左右方向反力制御手段としてコントローラ50,50Aと操舵反力制御装置70を用いた。ヨーモーメント制御手段としてコントローラ50Aと各輪液圧制御装置90を用い、進入角検出手段および車線変更検出手段として、前方カメラ10およびコントローラ50,50Aを用いた。ただし、これらには限定されず、走行環境検出手段として、ナビゲーションシステムから車両の位置情報を取得したり、路車間通信によって自車線に対する自車両の横変位Xを取得することも可能である。また、前方カメラ10の撮像画像に対して画像処理を施す装置をコントローラ50,50Aとは独立して設けることもできる。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 第1の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 自車線からの逸脱予測時間の算出方法を説明する図。 逸脱予測時間と逸脱リスク度との関係を示す図。 (a)〜(c)自車両が右側車線に逸脱していく場合の走行状況を示す図、(d)自車両の横変位に対する逸脱リスク度の変化を示す図。 (a)(b)逸脱リスク度に対するアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値との関係を示す図。 (a)(b)逸脱リスク度に対するアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値との関係を示す図。 (a)(b)逸脱リスク度に対するアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値との関係を示す図。 本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 図10に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 第2の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 自車速と目標ヨーモーメント算出に用いるゲインとの関係を示す図。 自車速と目標ヨーモーメント算出に用いるゲインとの関係を示す図。 (a)〜(c)第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の作用を説明する図。 第3の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 (a)(b)自車両の白線に対する進入角を示す図。 (a)(b)逸脱リスク度に対するアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値との関係を示す図。 レーン進入角に対する前後方向反力/左右方向反力の配分を決定するための図。 レーン進入角に対する左右方向反力/前後方向反力の配分を決定するための図。 (a)(b)自車線に対する自車両の目標ヨーモーメントを示す図。 第4の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 車線変更後のアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値の時間変化を示す図。 車線変更後のアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値の時間変化を示す図。 車線変更後のアクセルペダル反力指令値と操舵反力指令値の時間変化を示す図。
符号の説明
10:前方カメラ
20:車速センサ
30:操舵角センサ
31:加速度センサ
32:ヨーレイトセンサ
50,50A:コントローラ
60:アクセルペダル反力制御装置
70:操舵反力制御装置
90:各輪液圧制御装置
91〜94:前後左右輪ブレーキ装置
96:マスタシリンダ液圧センサ

Claims (9)

  1. 車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車線に対する自車両の逸脱度を算出する逸脱度算出手段と、
    前記逸脱度算出手段によって算出される前記逸脱度に基づいて、前記自車両の前後方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、前後方向操作反力とする)を制御する前後方向反力制御手段と、
    前記逸脱度算出手段によって算出される前記逸脱度に基づいて、前記自車両の左右方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、左右方向操作反力とする)を制御する左右方向反力制御手段と、
    前記逸脱度に対する前記前後方向操作反力の増加率、および前記逸脱度に対する前記左右方向操作反力の増加率を調整する操作反力調整手段とを備え
    前記操作反力調整手段は、前記逸脱度について低逸脱度領域と高逸脱度領域とを設け、前記低逸脱度領域では前記前後方向操作反力の増加率を前記左右方向操作反力の増加率よりも大きく設定し、前記高逸脱度領域では前記左右方向操作反力の増加率を前記前後方向操作反力の増加率よりも大きく設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段による検出結果に基づいて、自車線に対する自車両の逸脱度を算出する逸脱度算出手段と、
    前記逸脱度算出手段によって算出される前記逸脱度に基づいて、前記自車両の前後方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、前後方向操作反力とする)を制御する前後方向反力制御手段と、
    前記逸脱度算出手段によって算出される前記逸脱度に基づいて、前記自車両の左右方向の運転操作に関わる運転操作装置に発生する操作反力(以降、左右方向操作反力とする)を制御する左右方向反力制御手段と、
    前記逸脱度に対する前記前後方向操作反力の増加率、および前記逸脱度に対する前記左右方向操作反力の増加率を調整する操作反力調整手段とを備え、
    前記操作反力調整手段は、前記逸脱度について低逸脱度領域と高逸脱度領域とを設け、前記低逸脱度領域では前記左右方向操作反力の増加率を前記前後方向操作反力の増加率よりも大きく設定し、前記高逸脱度領域では前記前後方向操作反力の増加率を前記左右方向操作反力の増加率よりも大きく設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記逸脱度算出手段は、前記走行環境検出手段によって検出される前記車両周囲の走行環境に基づいて、前記自車両が将来的に前記自車線から逸脱するリスクを、前記逸脱度として算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記逸脱度算出手段は、前記走行環境検出手段によって検出される前記車両周囲の走行環境に基づいて、前記自車両が前記自車線から逸脱するまでの時間(以降、逸脱予測時間と呼ぶ)を予測し、前記逸脱予測時間を用いて前記逸脱度を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車線からの前記自車両の逸脱を回避する方向に、左右輪の制動力差によってヨーモーメントを発生させるヨーモーメント制御手段をさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両が隣接車線に車線変更したことを検出する車線変更検出手段と、
    前記車線変更検出手段によって前記隣接車線への車線変更が検出されると、前記前後方向操作反力と前記左右方向操作反力を、それぞれ前記逸脱度に基づく反力制御を行わない値まで徐々に変化させる車線変更時反力制御手段とをさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項6に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車線変更時反力制御手段は、前記車線変更が検出された後、前記前後方向操作反力の制御を終了するタイミングと、前記左右方向操作反力の制御を終了するタイミングが重ならないように、前記前後方向操作反力の変化量と前記左右方向操作反力の変化量をそれぞれ調整することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  8. 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車線変更時反力制御手段は、前記車線変更が検出された後、前記左右方向操作反力の制御を前記前後方操作反力の制御よりも先に終了させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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