JP2006262890A - コーヒー様サプリメント及び補助食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも1つのニコチン酸化合物、少なくとも1つのメーラード反応産物及び/又は、少なくとも1つのメーラード反応産物の代謝産物を含むコーヒー様サプリメント。
【選択図】なし
Description
また、上述の懸念やカフェインの刺激を避けるため等からデカフェネーテッド・コーヒー(decaffeinated coffee;以下、単にデカフェという。)が従来から広く消費されている。しかし、旨味成分、香り成分が、水抽出法等任意のカフェイン抽出工程で損失してしまい、デカフェ製品は風味が劣るのが欠点であった。
一方、焙煎コーヒー豆中に香気、風味成分として微量に含まれていることが知られているメーラード反応産物とは、アミノ酸とグルコース、フラクトースなどの還元糖が焙煎により反応してできるメラノイジンと呼ばれる褐色の物質であり、例えば、グルコースとアラニンに水を加え溶解後、加熱反応させることにより得られるものを例示することができる。
前記メーラード反応産物と同様に、焙煎コーヒー中にはビタミンB3(ニコチン酸とニコチン酸アミド)が含まれていることが知られ、ビタミンB3欠乏症(ペラグラ)に有効であることからコーヒー中の含量についても研究されてきた(例えば非特許文献2〜4参照。)。
上記ビタミンB3の生理作用は補酵素NADとしての作用であり、エネルギーを産生する代謝経路の活性化である。上記ビタミンとしてのニコチン酸は一般用医薬品として市販されていて、それには、糖質・脂質代謝を促進する作用が表示されている。一方、医療用医薬品として承認されたニコチン酸は高脂血症治療薬であり、その薬理学的特徴は脂質代謝の改善、特に血中HDL−C濃度を上昇して高脂血症と糖尿病の予防及び治療に有効なことである(例えば、非特許文献5参照。)。ニコチン酸のHDL−C上昇作用は既存の医薬品のなかでは最も強力である。
同図から明らかなように、ニコチン酸を投与した系では、一旦低下した血中脂質濃度が反動で、投与量5mg/kgでは1時間後、10〜20mg/kgでは2時間後、50mg/kgでは4時間後から急激に上昇し、投与しなかった場合の血中濃度をはるかに上回ってしまっている。
なお、上述と同様な結果が、ヒトについても確認されている。
医療用医薬品としてのニコチン酸の副作用を減弱するため、ニコチン酸をモデルとして開発されたアシピモックス(商品名、イタリア・ファルマシア社製/現ファイザー社製)が開発され(例えば、非特許文献6参照。)、欧州を中心に高脂血症治療に使われている(日米では未承認である。)。
すなわち、血中総コレステロール濃度を低く抑えると同時に、HDL−C濃度を高値に制御すれば、糖尿病や動脈硬化を予防し、かつそれらの生活習慣病を原因とする致死性の心血管系疾患や脳梗塞に発展する危険率を低下することができると考えられている。表1に、コレステロール低下作用を有する薬物と、HDL−Cを上昇させる薬物の例を示す。
コーヒーに含まれているニコチン酸やニコチン酸アミドについて、高脂血症、肥満、または糖尿病を予防するとの報告はなかったが、焙煎したコーヒーに含まれている化合物のなかには、上記医薬品として知られているニコチン酸、ニコチン酸アミドと同様な成分が含まれている。
しかしながら、焙煎コーヒーでもフレンチとイタリアン以外の製品には、ニコチン酸が十分に含まれているとはいえなかった(例えば、非特許文献12参照。)。
また、従来の焙煎されたコーヒー市販品には、上述のようにメーラード反応産物が微量含まれることは知られているが、カフェインを含有しており、コーヒー本来の香り、風味の主成分であるが、多飲を避けなければならない。糖尿病予防に適した増量した含有割合で、ニコチン酸とメーラード反応産物とを同時に豊富化した製品を得ることはできなかった。ましてや、従来のコーヒー製品が有する心血管系疾患リスクを抑え、かつ糖尿病予防効果を有する安全なサプリメントもしくは補助食品はなかった。
J. Nutr.134: 2381〜2386 (2004) アグリック・バイオロ・ケム(Agric. Biol. Chem.) 49(12), 3467〜3471, 1985 ニュートリショナル・アンド・トキシコロジカル・コンセクェンス・オブ・フード・プロセシング (Nutritional and Toxicological Consequence of Food Processing), 49〜59, M. Friedman, Plenum Press, New York, 1991編 Eur. J.Med. Chem. 15: pp 157〜163 (1980) Arch. Int.Med. 2004; 164, 697-705 Clin.Pharmacol. Ther. (1980) Vol. 28, Number 6, 790〜795 ランセット(Lancet)2002, 360:1477〜1478 ランセット(Lancet)2003, 361:702〜704 アネルズ・オブ・インターナル・メディシン(Annals of Internal Medicine), 2004; 140: 1〜8 ジャーナル・オブ・インターナル・メディシン(Journal of Internal Medicine), 2004; 255: 89〜95 ジャマー(JAMA.)2004;291:1213〜1219 Anal.Sci., 20, 325〜328 (2004) Am. Heart J. 2002:143, 514〜8 Am. J.Cardiol. 2004:93, 307〜12 Am. J.Cardiol. 2004:94, 306〜11
また、本発明の目的は、ブレンド成分として任意のコーヒー(特に、任意のデカフェ製品)にブレンドすることによりカフェイン量を相対的に低水準に抑えてブレンドコーヒーの旨味、香りを補うかないしは向上するサプリメントを提供することにある。
さらに、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、焙煎コーヒー豆に含まれているメーラード反応産物が体内に吸収されると肝代謝によって血中脂質を低下する成分に変換されること、この代謝産物がニコチン酸類の有するリバウンド現象を防ぎ、かつ血中脂質を低下させることを見出した。これらの知見に基づき本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、
(1) 少なくとも1つのニコチン酸化合物、少なくとも1つのメーラード反応産物及び/又は、少なくとも1つのメーラード反応産物の代謝産物を含むコーヒー様サプリメント、
(2) 前記ニコチン酸化合物が下記一般式Aで表わされる、(1)項記載のサプリメント、
(3) 前記メーラード反応産物が、下記一般式B1、一般式B2又は一般式B3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする(1)または(2)項記載のサプリメント、
(4) 前記メーラード反応産物の代謝産物が、下記一般式C1、一般式C2又は一般式C3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項記載のサプリメント、
(5) 焙煎コーヒー由来である(1)〜(4)項のいずれか1項に記載のサプリメント、
(6) 前記ニコチン酸化合物、前記メーラード反応産物及び/又は前記メーラード反応産物の代謝産物の含有量が、それぞれ、焙煎コーヒー豆からの標準的なカフェイン量に対して、増量した割合であることを特徴とする(1)〜(5)項のいずれか1項のサプリメント、
(7) 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸化合物を3mg以上含有し、かつメーラード反応産物及びメーラード反応産物の代謝産物の合計量を30mg以上含有する(1)〜(6)項のいずれか1項のサプリメント、
(8) 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸を3mg以上及びメーラード反応産物を30mg以上含有する(1)〜(7)項のいずれか1項のサプリメント、
(9) 前記ニコチン酸化合物及び前記メーラード反応産物が、コーヒー生豆を、200〜230℃、15〜25分で焙煎して得られた焙煎コーヒー豆から得たことを特徴とする(1)〜(8)項のいずれか1項記載のサプリメント、
(10) 下記(a)〜(c)のいずれかの成分を、焙煎条件を変えて焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量させた複数の焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも2種を混合してなるコーヒー様サプリメント、
(a)クロロゲン酸
(b)クロロゲン酸ラクトン、及び
(c)少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物
(11) 下記(d)〜(f)の焙煎コーヒー豆少なくとも2種を混合してなるコーヒー様サプリメント、
(d)コーヒー原料生豆を、180〜220℃で1〜6分間焙煎したコーヒー豆、
(e)コーヒー原料生豆を、190〜225℃で7〜14分間焙煎したコーヒー豆、及び
(f)コーヒー原料生豆を、200〜230℃で15〜30分間焙煎したコーヒー豆、
(12) 焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、クロロゲン酸、少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物の含有量が、それぞれ、増量した各焙煎コーヒー豆を混合してなるコーヒー様サプリメント、
(13) クロロゲン酸ラクトンの含有量が、焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量した焙煎コーヒー豆をさらに混合してなることを特徴とする(12)項記載のコーヒー様サプリメント、
(14) 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g当りクロロゲン酸を30mg以上、ニコチン酸化合物を3mg以上且つメーラード反応産物を10mg以上含有するコーヒー様サプリメント、
(15) さらにクロロゲン酸ラクトンを1mg以上含有する(14)項記載のコーヒー様サプリメント、
(16) 少なくとも1つのニコチン酸化合物、少なくとも1つのメーラード反応産物及び/又は、少なくとも1つのメーラード反応産物の代謝産物を含むコーヒー様補助食品、
(17) 前記ニコチン酸化合物が下記一般式Aで表わされる、(16)項記載の補助食品、
(18) 前記メーラード反応産物が、下記一般式B1、一般式B2又は一般式B3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする(16)又は(17)項のいずれか1項記載の補助食品、
(19) 前記メーラード反応産物の代謝産物が、下記一般式C1、一般式C2又は一般式C3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする(16)〜(18)項のいずれか1項記載の補助食品、
(20) 焙煎コーヒー由来である(16)〜(19)項のいずれか1項に記載の補助食品、
(21) 前記ニコチン酸化合物、前記メーラード反応産物及び/又は前記メーラード反応産物の代謝産物の含有量が、それぞれ、焙煎コーヒー豆からの標準的なカフェイン量に対して、増量した割合であることを特徴とする(16)〜(20)項のいずれか1項の補助食品、
(22) 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸化合物を3mg以上含有し、かつメーラード反応産物及びメーラード反応産物の代謝産物の合計量を30mg以上含有する(16)〜(21)項のいずれか1項の補助食品、
(23) 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸を3mg以上及びメーラード反応産物を30mg以上含有する(16)〜(22)項のいずれか1項補助食品、
(24) 前記ニコチン酸化合物及び前記メーラード反応産物が、コーヒー生豆を、200〜230℃、15〜25分で焙煎して得られた焙煎コーヒー豆から得たことを特徴とする(16)〜(23)項のいずれか1項記載の補助食品、
(25) 下記(a)〜(c)のいずれかの成分を、焙煎条件を変えて焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量させた複数の焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも2種を混合してなるコーヒー様補助食品、
(a)クロロゲン酸
(b)クロロゲン酸ラクトン、及び
(c)少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物
(26) 下記(d)〜(f)の焙煎コーヒー豆少なくとも2種を混合してなるコーヒー様補助食品、
(d)コーヒー原料生豆を、180〜220℃で1〜6分間焙煎したコーヒー豆、
(e)コーヒー原料生豆を、190〜225℃で7〜14分間焙煎したコーヒー豆、及び
(f)コーヒー原料生豆を、200〜230℃で15〜30分間焙煎したコーヒー豆、
(27) 焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、クロロゲン酸、少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物の含有量が、それぞれ、増量した各焙煎コーヒー豆を混合してなるコーヒー様補助食品、
(28) クロロゲン酸ラクトンの含有量が、焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量した焙煎コーヒー豆をさらに混合してなることを特徴とする(27)項記載のコーヒー様補助食品、
(29) 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g当りクロロゲン酸を30mg以上、ニコチン酸化合物を3mg以上且つメーラード反応産物を10mg以上含有するコーヒー様補助食品、及び
(30) さらにクロロゲン酸ラクトンを1mg以上含有する(29)項記載のコーヒー様補助食品
を提供するものである。
本発明のサプリメント及び補助食品はそれぞれ、ニコチン酸、メーラード反応産物、及び/又はメーラード反応産物の代謝産物を含むサプリメント及び補助食品であり、好ましくは、10g当りニコチン酸を3mg以上(より好ましくは4mg以上)且つメーラード反応産物を30mg以上(より好ましくは50mg以上)含有するものである。
本発明において、コーヒー様とは、コーヒー豆由来のサプリメントや補助食品ばかりでなく、前記各成分(合成品を含む。)などの混合によってコーヒーの香り、風味をもつものを包含する。
本発明のサプリメントは、生活習慣的に常用されている食品に特定の焙煎コーヒー豆由来の成分よりなるサプリメントを含ませることにより、例えば、最も直接的にはコーヒーを飲用するという生活習慣を活用して、長期の生活期間において、2型糖尿病と動脈硬化の発症を防ぎ、心血管系疾患の発症リスクを軽減することができる。
本発明のサプリメントは、ブレンド成分としてコーヒーに所定量ブレンドして日常生活において飲用すれば、カフェインの過剰摂取の影響を減らし、従来のコーヒーにおいて多飲によって亢進するといわれている血圧上昇リスクを低減でき、また、心血管系疾患、心臓病のリスクを相対的に減らすことができ、健康促進するブレンドコーヒーとできる。そして、メーラード反応産物特有の風味を有するブレンド成分として用いることができ、また、デカフェ製品にブレンドすることにより本来のコーヒーの香りや風味を味わうことができる。
本発明のサプリメントをコーヒーにブレンドした場合、2型糖尿病予防効果は1日に1杯ないしは数杯で、従来のコーヒー7〜10杯分に相当するものとできる。
本発明のサプリメントは、メーラード反応産物の肝代謝物による遅効性血中脂質濃度低下効果がニコチン酸による即効性血中脂質濃度低下効果を補完することにより、ニコチン酸のリバウンド現象を防止し、持続的な血中脂質濃度低下を達成することができ、HDL−Cを上昇する効果も有する。
本発明は、広く、多くの人に嗜好品として愛好されているコーヒーに含まれる成分を含むサプリメントに関するものであり、当該サプリメントの摂取量、添加量を加減することによって、長期のうちに医薬効能をも得られることは極めて好ましいことである。
本発明のサプリメントの製造に使用するコーヒー生豆の種類は特に制限はないが、前述のようにニコチン酸に変換するトリゴネリンを生豆100g中に300mg以上を含有するのが好ましく、より好ましくは、トリゴネリンを生豆100g中に400mg以上含有するものである。例えば、インドネシア種、ブラジル種、コロンビア種等のものを挙げることができ、好ましくは、インドネシア種、又はブラジル種である。複数の種類をブレンドした豆を用いてもよい。
図3を参照して、本発明のサプリメントの製造に用いる焙煎条件について説明する。
同図は、実施例の項で後述するように、コーヒー生豆(ブラジル種)を180〜220℃で焙煎し、10分ごとに測定したニコチン酸含量を、トリゴネリン含量に対する割合(%)として表わした結果を示す図である。
図3から明らかなように、ニコチン酸の最大含量は温度依存的であり、ある温度Y℃でニコチン酸の最大割合に達するまでの時間X(分)の関係について実験を重ねた結果、下記式1を導き出すことができた。
X=240−Y
ただし、Yは180〜230℃である。
例えば、式1の比例定数は1であることから、180℃で焙煎を開始し、一定速度で温度を上昇させ、220℃で焙煎終了とするときは、40分を要して焙煎すればニコチン酸生成量を最大にすることができる。
また、図3から明らかなように、180℃以下でのニコチン酸生成量は微量であり、血中脂質低下作用を発現するには好ましくない。また、この温度ではニコチン酸生成量増加のためには、時間を要するのでいったん産生したメーラード反応産物が揮発してしまう。
例えば、図5−1は、実施例の項で後述するように、焙煎温度200℃におけるメーラード反応産物生成量の時間変化を示す図であるが、メーラード反応産物生成量は20〜30分で最大となり、それ以後は減少してしまう。
さらに、230℃を超えるとコーヒー豆の炭化が進行するようになり、時間をかけると味を損なってしまう。
したがって、本発明のサプリメントの製造には、好ましくは焙煎温度は180℃〜230℃、15〜60分であり、より好ましくは、200℃〜230℃、15〜25分であり、さらに好ましくは200℃〜220℃、15〜25分である。
上述の焙煎条件下であれば、焙煎豆10g当りニコチン酸を3mg以上且つメーラード反応産物を30mg以上含有する焙煎コーヒー豆を製造することができる。
本発明のサプリメントを製造するための焙煎は、コーヒー豆に熱を均一かつ一定にかけるため、乾式焙煎が好ましい。
上述のような焙煎のため、コーヒー豆全体を均一に上記焙煎温度に一時で昇温することは難しい。そこで、上述のような焙煎の前に、例えば、100〜150℃で余熱を行うことが好ましい。余熱時間は、5〜20分が好ましいが、少量のコーヒー豆の場合(例えば、数百g程度)、5分以内でよい。
本発明のサプリメントの製造において、上述のように得られた焙煎コーヒー豆は、少なくとも1種のA類化合物(ニコチン酸化合物)及び少なくとも1種のB類化合物(メーラード反応産物)を通常レベルより、より高濃度で含むものであるので好ましい。
本発明のサプリメントに含有される、2型糖尿病の発症等を予防する化合物は、コーヒー焙煎工程で生成されるか、あるいは産生された化合物に由来している。具体的には、焙煎コーヒー中に含まれている少なくとも1種のA類化合物(ニコチン酸化合物)と少なくとも1種のB類化合物(メーラード反応産物)、焙煎コーヒーには含まれていないが、コーヒー飲用後、代謝反応によって体内で生成する少なくとも1種のC類化合物である。
焙煎コーヒーのメーラード反応産物中の有効成分であるB類化合物の典型例として、これまで15種類が知られており、詳細には、B-1類、B-2類、及びB-3類化合物が挙げられるが、これらは代謝反応によってそれぞれ、血中脂質低下作用を有するC-1類、C-2類、及びC-3類化合物となる。B類化合物、C類化合物の中で好ましいものは、それぞれ、B-1類化合物、C-1類化合物である。
本発明のサプリメントに含有される、A類化合物、B類化合物(メーラード反応産物)、及び/又はC類化合物(代謝産物)は、それぞれ、前述の焙煎コーヒー豆から得られたものに制限されることはなく、任意の有機合成的手法、生化学的手法により製造されたものであってよい。
A類のニコチン酸化合物は不揮発性で水溶性であるから、単純溶解すればよい。
B類化合物は水溶性であるが強い揮発性を有するため、コーヒー抽出液の濃縮や凍結乾燥工程が含まれる場合には、それらの工程の後に単純溶解すればよい。B類化合物中の例外として、前記テトラメチルピラジン(2f)は、水に難溶性であるため、リン酸塩などの塩として溶解すればよい。
C類化合物は水溶性であるが、弱い揮発性を有するため、B類化合物に準じて単純溶解すればよい。
次に、前記A〜C類化合物を、本発明のサプリメントを製造時又は飲食時に任意の固形食品(パン、ビスケット等)又は固形物に添加する場合について説明する。
この場合は、A類とC類の固体(結晶)化合物を添加するのが好ましい。B類化合物は液体であるか、または固体であっても融点が低いために添加物として不安定であるからである。固体化合物を加える場合には、単純添加してよく混和すればよい。水溶液サプリメントに添加するときは、最終製造工程で単純溶解すればよい。
また、本発明のサプリメントは、A〜C類化合物のみを単独もしくは混合したものであってもよい。この場合は、容器及び保存法に吸湿を防止したり、乾燥剤を用いたりする等の工夫するのが好ましい。
例えば、前記焙煎コーヒー豆を、本発明のサプリメントとして、他の任意のコーヒー豆とブレンドして用いてよい。
本発明の補助食品が上述の組成物を含むものである場合、ニコチン酸:メーラード反応産物の含有モル比は、ニコチン酸1に対してメーラード反応産物3以上であり、より好ましくはニコチン酸1に対してメーラード反応産物5以上であり、さらに好ましくは1:10〜1:20である。さらに原料の焙煎豆の種類や焙煎条件によってはニコチン酸が微小量(ほとんど0)に対してメーラード反応産物100mg以上/焙煎豆10gとすることもできる。
本発明のサプリメントの製造において、焙煎したコーヒー豆を挽く方法については特に制限はなく、挽き豆の粗さについても何ら制限はなく、さらにその豆からの抽出方法についても何ら制限はない。このような挽き豆粉末をそのまま本発明のサプリメントとして用いてよいし、ブレンドコーヒーのブレンド成分として用いてもよいし、そのまま添加された食品を本発明の補助食品としてもよい。
焙煎コーヒー豆の挽き豆粉末を任意の温度の水で抽出し、コーヒー抽出液とし、該コーヒー抽出液を減圧濃縮し、凍結乾燥又はスプレードライ等により粉末としたものを本発明のサプリメントとしてもよいし、その粉末が添加された食品を本発明の補助食品としてもよい。前記コーヒー抽出液を本発明のサプリメントとしてもよいし、それが添加された食品を本発明の補助食品としてもよい。
特に、メーラード反応産物の回収率を向上させるためには挽き豆粉末から超臨界抽出法により抽出してもよい。同様な観点から、カラム濃縮法、液滴交流分配抽出法等任意の方法を用いてもよい。
本発明の補助食品は、コーヒー味の糖尿病等の予防効果のある、コーヒー、牛乳、清涼飲料水、パン、ビスケット等任意の飲食品に、各飲食品の特性、目的に応じ、製造工程で、また飲食時に適宜、添加したものとすることができる。また、本発明のサプリメントは、任意の製剤方法により錠剤、顆粒剤、散剤などとしてもよい。
血中遊離脂肪酸濃度を低下し、HDL−Cを確実に上昇させる観点から、コーヒー1杯を飲用したとき、A類化合物、B類化合物、及び/又はC類化合物の総量が50〜100mgとなるようにすることが好ましい。具体的には、コーヒー1杯当りニコチン酸を5mg以上、メーラード反応産物を50mg以上含むのが好ましい。
ここで、ニコチン酸の量に対し、メーラード反応産物の量を3倍以上にするのは、実施例の項で後述するようにニコチン酸のリバウンド現象を、メーラード反応産物肝代謝物により防ぐためである。その結果、血中脂質の低濃度を維持することができる。
本明細書において、コーヒー1杯とは、約100〜150mlであり、それに必要な焙煎豆粉末は10〜20gであるが、これより少なくても多くてもよい。
本発明のサプリメントの摂取量は、A類化合物、B類化合物、及び/又はC類化合物の総和が1日当り30mg〜150mgであることが好ましい。これをニコチン酸の臨床最大用量である1日3g(Arch. Int. Med. 2004; 164, 697-705参照。)に比較すれば100分の1〜20分の1に相当する十分に安全な含有量であるといえる。また、臨床最小用量である1日50mg(Am. Heart J. 2002:143, 514-8参照。)と比較すれば1.7分の1〜3倍であり、血中遊離脂肪酸濃度を低下し、HDL−Cを確実に上昇させる量であるといえる。
本明細書及び特許請求の範囲においていう、一定のカフェイン量とは、焙煎コーヒー豆中の標準的なカフェイン量であり、焙煎コーヒー豆10g中に90〜150mgの範囲にある値である。
また、従来のコーヒーでは、糖尿病リスクの低下を期待して多飲すれば(例えば、1日800mL以上)、心血管系疾患リスクが高まることが示されている(J.Nutr.134:2381−2386,2004)。
糖尿病を予防すれば、やがては心血管系疾患リスクをも低下することが知られているので、従来のコーヒー多飲に起因する心血管系疾患の原因物質は、糖尿病を予防する成分とは異なるもの(例えば、カフェインなど)と考えられる。
しかしながら、本発明のサプリメントを、心血管系疾患リスクを高めない量のコーヒー(例えば、1日400〜800mL)に、例えば、ブレンド成分として添加し長期にわたって日常的に摂取すれば、心血管系疾患リスクを抑え、かつ糖尿病の発症を予防することができる。
次に、本発明のサプリメント中の成分が糖尿病の発症を予防する仕組みについて説明する。
図1に、本発明において、ニコチン酸結合タンパク質HM74を膜受容体とする血中脂質低下作用の分子メカニズムを示す。
図1に示したように、ニコチン酸(前記A類化合物)及びメーラード反応産物の肝代謝物(前記C類化合物)は、脂肪組織を構成している脂肪細胞の膜に存在する受容体HM74に結合する(一部は公知である)。この時、前記C類化合物はC1〜C3の区別によらず、大なり小なりHM74受容体に結合するリガンドである。
リガンドが結合したHM74はGタンパク質を活性化し、次いでアデニルサイクラーゼ(Ac)を不活化する。それによりcAMPとPKAの生合成が抑制され、ホルモン作動性リパーゼのリン酸化が阻害される。最終的に中性脂肪の加水分解速度が低下し、その結果、脂肪組織から血中に放出される遊離脂肪酸及びトリグリセリドが減少する。図1には示さないが、血中遊離脂肪酸の低下は肝におけるLDL合成を抑制し、HDL−C合成を亢進することにより、BMI(ボディー・マス・インデックス)過剰の個体では全身における糖質・脂質代謝が改善される。
血中脂質(遊離脂肪酸を含む。)低下と2型糖尿病治療・予防の関係は、秦葭哉編「高トリグリセライド血症ハンドブック」pp148-160,医薬ジャーナル社(1998)、M.Lavezzari,et.al.,J.Int.Med.Res.17:373-380(1989),P.Tornvall,et.al.,J.Int.Med.230:415-421(1991)等に詳しく記載されている。
前記HM74受容体に結合する化合物は、スタチン系薬剤と併用することによって、スタチン系薬剤単独では認められない効果として、血中HDL−C濃度を上昇させる(Am. Heart J. 2002:143, 514〜8、Am. J. Cardiol. 2004:93, 307〜12、Am. J. Cardiol. 2004:94, 306〜11等参照。)。
表1を用いて前述したように、HDL−Cが標準値より低い患者群に対する、高脂血症の薬物治療では表1中のIとIIの薬物の組み合わせによって、血中総コレステロール値を低下させ、HDL−Cを上昇させる効果に期待が寄せられ、臨床試験が行われている。
そこで、この組合せに準じて、本発明のサプリメントは、患者に対する薬物治療を目的とするのではなく、例えば、基本的には健康であるかまたは健康診断で血中総コレステロール値だけが若干高値であるために、Iの薬物を単独で服用している健康人に適用することができる。表2に、2剤併用による薬物治療と、本発明のサプリメントによる健康促進法の対比を示した。
本発明をこのような用途に用いる場合、ニコチン酸としての1日摂取量が50mg以上となるように添加すれば、併用医薬品による治療効果に加えて、HDL−Cを上昇する相乗効果が得られることになる。コーヒーを飲用する回数は人によって異なるから、1日のHM74結合性成分量をある一定の量とするためには、予め成分を添加して製造したコーヒーを用いるよりも、コーヒー飲用時に本発明のサプリメントを添加するのがより効果的である。
従来のコーヒー焙煎法として、主に浅煎り、中煎り、深煎りが知られている。これら焙煎度に応じて含有成分が異なるか、または同じ成分であっても含有量が大きく異なり、焙煎条件が異なるコーヒー豆にはそれぞれ異なる薬理活性成分が含まれている。従来のブレンドコーヒーは品種、産地、積出港などが異なる生豆を適当な割合で混合し焙煎して製造していて、異なる焙煎条件のコーヒー豆をブレンドすることは行なわれておらず、従来のブレンドコーヒーはそれら薬理活性成分の一部を含むが、他の成分は少ないか全く含まれていなかった。
(a)クロロゲン酸
(b)クロロゲン酸ラクトン、及び
(c)少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物
本発明の焙煎条件の異なるコーヒー豆をブレンドしてなるサプリメントもしくは補助食品は、焙煎条件を変えて焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して上記(a)の成分を増量させた焙煎コーヒー豆、上記(b)の成分を増量させた焙煎コーヒー豆及び上記(c)の成分を増量させた焙煎コーヒー豆を混合してなることが好ましい。
上記(a)〜(c)のいずれかの成分を、挽き豆中の一定のカフェイン量に対して増量させた少なくとも2種の挽き豆粉末をブレンドしたものでもよいし、上記増量させた少なくとも2種のコーヒー抽出液をブレンドしたものでもよい。原料豆は、品種、産地などが同じでもよいし、異なっていてもよい。
本発明の焙煎条件の異なるコーヒー豆をブレンドしてなるサプリメントもしくは補助食品は、焙煎によって消失する成分と、焙煎によって新たに産生する成分の両方を任意の割合で含有させることができるので、従来のブレンド方法や一回の焙煎では得られない多成分を同時に含有させることができる。
例えば、コーヒー抽出液150ml当りクロロゲン酸を30mg以上、ニコチン酸化合物を3mg以上且つメーラード反応産物を10mg以上とすることもでき、さらにクロロゲン酸ラクトンを1mg以上とすることもできる。
(d)コーヒー原料生豆を、180〜220℃で1〜6分間焙煎(以下、単に浅煎りということもある。)したコーヒー豆、好ましくは180〜210℃で1〜5分間焙煎したコーヒー豆、
(e)コーヒー原料生豆を、190〜225℃で7〜14分間焙煎(以下、単に中煎りということもある。)したコーヒー豆、好ましくは215〜225℃で10〜14分間焙煎したコーヒー豆、及び
(f)コーヒー原料生豆を、200〜230℃で15〜30分間焙煎(以下、単に深煎りということもある。)したコーヒー豆、好ましくは220〜230℃で20〜30分間焙煎したコーヒー豆。
例えば、上記(d)及び(f)の焙煎コーヒー豆をブレンドすると、クロロゲン酸、少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物の含有量が、それぞれ、焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、増量することができ、さらに上記(e)の中煎りコーヒー豆をブレンドすると、クロロゲン酸ラクトンの含有量も、焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、増量することができる。
ブレンド比は特に制限はないが、上記各成分の含有比の観点から、浅煎り:中煎り:深煎り=0.5〜1.5:2.5〜3.5:1.5〜2.5が好ましい。
糖尿病予防等の健康を促進する多数の成分を同時に飲食することは、各成分の単なる相加効果ではなく、後述するような相乗効果となって発現することが期待される。そのためには、薬理学的作用点の異なる有用成分をできるだけ多種類含む製品が好ましい。
本発明の焙煎条件の異なるコーヒー豆をブレンドしてなるサプリメントもしくは補助食品は、多成分を同時に含有するので、それらの相乗効果と相互作用を発現することができる。
ここで、薬理学的に知られている相乗効果について説明すると、同じ薬効を示すものの、互いに作用点が異なる2つの薬物を同時に用いると、そのときの薬効の強さはそれぞれ単独で用いたときの強さの和を超えて発現する。このような相乗効果は臨床では広く応用されている。例えば、食後の過血糖を抑制するアカルボースと、インシュリン分泌を促進するスルフォニルウレア薬はやや難治性の糖尿病にしばしば応用されている。
production may mediate the impact of heavy coffee consumption on diabetes risk.
Med. Hypotheses 64:848-853, 2005)。
クロロゲン酸ラクトンのインシュリン感受性の亢進についてはJ. Shearer, et al., Quinides of roasted coffee enhance insulin action in conscious rats. J. Nutr. 133:3529-3532 (2003).に記載されている。
クロロゲン酸のグルコース吸収抑制作用とクロロゲン酸ラクトンのインシュリン感受性亢進作用は、薬理学的作用点が明らかにかつ十分に異なり、かつそれらの薬効が互いに補完的である。即ち、グルコース吸収抑制は食後血糖値の上昇を抑制するのに応じて、インシュリン感受性亢進が同時に起これば、僅かに上昇した血糖値を抑制するのに充分なはずである。
また、ニコチン酸のリバウンド現象をメーラード反応産物が解消する相互作用は上述のとおりである。
したがって、本発明の焙煎条件の異なるコーヒー豆をブレンドしてなるサプリメントもしくは補助食品は、糖尿病予防効果が相乗的に増強されると考えられる。
〈1〉焙煎したコーヒー豆に含まれているニコチン酸のHPLC分析法
コーヒー製品の香りのもととなるメーラード反応産物を焙煎温度200℃で生産するものとし、次に、生豆中のトリゴネリンがニコチン酸に熱変換する最適な焙煎時間を、式1を用いて40分間と定めた。この条件でコーヒー生豆200g(ブラジル種)を焙煎し、コーヒーミルで20秒間粉砕した。得られた粉末の10gを熱湯30mlで浸煎した。3000回転で5分間遠心分離し、上澄液1mlをSep-Pak PlusCl8(商品名、ウォーターズ社製)に注入し、3mlのアセトニトリル/精製水(7/93)で溶出した。溶出液の5μlをHPLCにより分析した。実験条件は次の通りである。送液ポンプ(商品名BIP-1/日本分光社製)、多波長紫外線吸収検出器(商品名MULTI-320/日本分光社製)、データ解析マイクロコンピューター(商品名Vectra386/20N/ヒューレットパッカード社製)、分析カラム(商品名Capcell PakC18ACR/資生堂社製)を用い、移動層溶媒(アセトニトリル/pH2.0リン酸緩衝液(6/94))を流速(1ml/分)で送液した。
図2はその結果得られたクロマトグラムである。図中、縦軸のAUは、吸光度単位である。
図2中、ピークP1はニコチン酸を示している。このピークが示すUV吸収スペクトルは、ニコチン酸標準品のものと完全に一致していた。検量線法により破線を底辺として定量分析を行うと、試料とした焙煎コーヒー豆10g(焙煎したコーヒー豆の質量で1カップ相当量)中のニコチン酸含量は3.28mgであった。
この含有量のコーヒーならば数杯でビタミンとしてのニコチン酸1日必要量に相当するものであった。また、高脂血症治療薬としての1日投与量(下限として1日ll4mg)に達するには30杯が必要であるが、少量でも健康食品としてその予防的作用を期待できる。
さらに疫学調査で、コーヒー1日7杯飲むと糖尿病発症リスクに統計学的に有意な低下が認められているが、上記図2のコーヒー7杯分のニコチン酸量を計算すると26mgであり、これは高脂血症治療に用いられる1日量の24%に相当しているので、糖尿病予防効果を十分に期待できる。
上述の〈1〉項のHPLC法と同様な実験操作によって、アグリック・バイオロ・ケム (Agric. Biol. Chem) 49(12), 3467〜3471, 1985、及びニュートリショナル・アンド・トキシコロジカル・コンセクェンス・オブ・フード・プロセシング (Nutritional and Toxicological Consequence of Food Processing), 49〜59, M. Friedman, Plenum Press, New York, 1991編に記載の焙煎方法に倣って、焙煎温度を180〜220℃の間で10℃毎に設定し、焙煎時間10分おきにニコチン酸含量を測定した。
図3は、それによって得られた、縦軸に生豆中のトリゴネリン含量1gに対する焙煎コーヒー中のニコチン酸の含量(mg)、横軸に焙煎時間をとった両者の関係を示すグラフである。
図3から明らかなように、ニコチン酸の最大含量は温度依存的であり、ある温度Y℃でニコチン酸の最大割合に達するまでの時間X(分)の関係を示す経験式として前記式1を図3から導き出すことができた。
200℃で20分間焙煎したコーヒー豆20g(ブラジル種)を、100mlの熱水で抽出した試料を、500MHzのNMR装置で測定した。結果を図4−1に示す。図中、2.2〜2.5ppmのシグナル群はメーラード反応産物由来であり、例えば、B類化合物に共通する構造N=C-CH3の一重線(シングレット)の集合を含む。図4−2は、コーヒー水溶液を重クロロホルム(CDCl3)で抽出して測定したスペクトルである。図4−3は、図4−2のスペクトルの2.0〜2.5ppmの範囲の部分拡大図である。
図4−1から明らかなように、B類化合物のうち、ピロール−2−アルデヒドに由来するシグナルが確認できた。ピロール−2−アルデヒドの含量はNMRスペクトルで容易に測定できるが、その他の化合物の定量分析は事実上不可能であった。そこで、これらの化合物に共通する部分構造であるN=C-CH3に注目し、NMRスペクトルによる定量分析を行った。
B類化合物の標準品を購入し、各0.5mgを1.Omlのコーヒー水溶液に添加して500MHzのNMRを測定した。N=C-CH3のシグナルはすべて2.2〜2.5ppmの範囲に観察された。
図4−2及び図4−3から明らかなように、共存する主成分カフェインのメチル基と比較すると、おおよその含量を予測できるが、積分値を用いて計算すると、焙煎豆10gあたり14mgの含量であった。
また、上記CDCl3NMR測定後に、測定サンプルを放置し、CDCl3を揮発させたカフェイン(無臭)及びメーラード反応産物の混合物は、コーヒー特有の香りがした(被験者4人)。一方、上述のコーヒー水溶液を重クロロホルム(CDCl3)で抽出した後の水層は、コーヒーの香りはなかった。
さらに、上述の200℃で20分間焙煎したコーヒー豆から抽出したブラックコーヒーは、フルーティーな芳香に富み、苦味は皆無で、酸味もほとんど感じられなかった。コーヒー特有の香りは200℃以上で焙煎したとき、または200℃で20分以上焙煎したとき次第に増してきた。その結果、220℃で20〜25分程度が香り、風味とも良好であった。一方、230℃、25分以上になると、外観に焦げ目がつき、苦味と酸味が加わり好ましくなかった。
香り、風味とも良好であった220℃で20分間焙煎した場合について説明する。
220℃で20分間焙煎したブラジル種のコーヒー豆10gを、冷却後コーヒーミルで20秒間粉砕し、熱水90mlを加えてよく攪拌し、その10mlを遠沈管にとり、3000rpmで5分間遠心分離した。液面の浮遊物を除き、上澄液の約0.5mlをNMR測定管にとり、1%HCl水溶液の1μlを添加して、500MHzのNMRスペクトルを測定した。図4−4はその結果を示すスペクトルである。図4−5は、図4−4のスペクトルの9ppm付近の部分拡大図である。図4−5中、トリゴネリン(一重線pt)とニコチン酸(一重線pn)の2位プロトンに基づく一重線がそれぞれ9.06ppmと8.95ppmに観察された。この試料に50μgのニコチン酸を添加し、得られたピーク面積の積分値と図4−4の積分値の比を計算し、焙煎コーヒー豆10g当りのニコチン酸量を算出すると、3.28mgであった。例えば、このコーヒー豆にニコチン酸を添加して、ニコチン酸の総量を5mgとするには、10g当り1.72mgを加えればよい。
さらに、図4−4中、8.95ppmのニコチン酸2位プロトンの積分値と3.22ppmのカフェインのメチル基プロトンの積分値の比から計算すると、この焙煎コーヒー豆10g当たりのカフェイン量は147mgであった。
図4−4の2.2〜2.5ppmに観察される一重線の集合は、前述のとおり、メーラード反応産物に共通している部分構造(例えば、窒素原子に隣接するメチル基(N=C−CH3))のシグナル群である。図4−4の測定に用いた試料に、0.5mlの重クロロホルムを加え、振動式ミキサーで1分間攪拌し、3000rpmで5分間遠心分離し、重クロロホルム層を分離して、再度NMR測定管に入れ、500MHzのNMRスペクトルを測定した。得られたスペクトルの2.2〜2.5ppmに観察されるシグナル群の積分値を、カフェインのメチル基シグナルの積分値と比較して計算したところ、焙煎コーヒー豆10g中のメーラード反応産物の含有量は、52mgであった。この値を〈3−2〉項のニコチン酸含量と比較すると、15倍に相当する。また、〈3−2〉項のように、このコーヒーのニコチン酸含量が10g当り5mgになるように増量しても、その比は約10倍である。従って、このコーヒーを飲用したときのニコチン酸リバウンド現象を予防する目的で、更なるメーラード反応産物を添加する必要はない。
図4−6 a)は、図4−4に示したNMRスペクトルの2.2〜3.5ppmの部分拡大図である。図4−6 b)は、ブラジル産コーヒー豆を原料とする従来市販の焙煎コーヒーを熱水抽出して得た溶液のNMRスペクトル(2.2〜3.5ppm)である。
図4−6 a)及び図4−6 b)中、S1、S1’は、前述のとおり、2.2〜2.4ppmに観察されるメーラード反応産物由来のシグナル群(例えば、メーラード反応産物の窒素原子に隣接するメチル基の一重線の集合)を表し、S2、S2’、S3、S3’はカフェインの2つのメチル基のシグナルである。
S2またはS3のシグナル強度とS1のシグナル強度の比(従来市販の焙煎コーヒーについてS2’またはS3’のシグナル強度とS1’のシグナル強度の比)は、カフェイン対メーラード反応産物の含有量のモル比(メチル基のモル比)に相当している。
従来市販の焙煎コーヒーについての図4−6 b)では、その比は約1:0.8である。一方、本発明についての図4−6 a)では約1:3である。
カフェイン含量は焙煎によって変化しないので、図4−6 a)の本発明のコーヒーの方がメーラード反応産物を相対的に多く含んでいて、その差は3.9倍である。カフェインに対するメーラード反応産物の含量が相対的に大きいコーヒーを飲用すれば、カフェインの摂取量を少なく抑えながら、多量のメーラード反応産物を摂取できることとなる。
すなわち、本発明のコーヒー由来サプリメントは人体へのカフェインの影響を少なくし、これに比べてニコチン酸とメーラード反応産物による好ましい作用を増強することができる。
〈3−2〉項において得られた焙煎コーヒー豆10gを粉砕し、熱水90mLで抽出して得た抽出液を凍結乾燥し、改めて熱水90mlに溶解した。その約0.5mlをNMR測定管に取り、500MHzで測定した。〈3−2〉及び〈3−3〉項に従って、ニコチン酸とメーラード反応産物の含有量を計算したところ、それぞれ3.00mg及び7.8mgであった。そこで、例えば、ニコチン酸とメーラード反応産物の含量をそれぞれ5mgと50mgに増量するためには、各々2mgと42.2mgを添加すればよい。
次に、200℃の焙煎温度における焙煎時間の影響を知るために、焙煎を開始してから5分置きに前述と同様な操作により熱水抽出し、NMRを測定し、カフェインのシグナル強度に対するメーラード反応産物由来のシグナル強度(2.2〜2.5ppmの領域)の比を求めて焙煎時間との関係を図5−1に示す。
図5−1から明らかなように、生豆には2.2〜2.5ppmの領域のシグナルはほとんど観察されなかった。200℃で焙煎するとメーラード反応産物に基づくシグナル群が検出されるようになり、200℃におけるメーラード反応産物の産生量は20〜30分で最大となることがわかった。図3を参照すると、200℃におけるニコチン酸の最大産生時間は40分であるが、図5−1から判断するとこの時間でメーラード反応産物はむしろ減少することになる。
さらに、焙煎開始後3、5、10、15、20、25、30分に焙煎中のコーヒー豆5粒ずつを抜き取って、前述と同様な操作により熱水抽出し、500MHzのNMRスペクトルを測定した。各時間のスペクトルについて、カフェインの基準シグナルをメチル基に由来する3.28ppmの一重線とし、トリゴネリンは、2位のプロトンに由来する9.06ppmの一重線、クロロゲン酸は、6位プロトンに由来する6.75ppmの二重線、ショ糖はグルコース1位プロトンに由来する5.32ppmの二重線、クロロゲン酸ラクトンはメトキシ基プロトンに由来する4.48ppmの一重線、ニコチン酸は2位のプロトンに由来する8.95ppmの一重線、メーラード反応産物は、N=C−CH3基に由来する2.37ppmの一重線を用いて、各シグナル高のカフェインシグナル高に対する百分率を求めた。結果を図5−2に示す。
図5−2から明らかなように、生豆中の成分は時間とともに減少するが、変わって新たに産生する成分がある。具体的には、減少する成分は、トリゴネリン、クロロゲン酸、及びショ糖であり、産生する成分はクロロゲン酸ラクトン、ニコチン酸、及びメーラード反応産物である。中煎りする焙煎10分程度でショ糖は10分の1以下に減少し、メーラード反応が進行していることを示している。クロロゲン酸とトリゴネリンは既に半減し、代わりに中煎りに相当する焙煎10分程度でクロロゲン酸ラクトンが産生していることが分かる。なお、浅煎りに相当する焙煎開始後3、5分は香りは甘く柔らかであり、中煎りに相当する焙煎10分程度は香りはふくよかで芳醇であった。
したがって、浅煎り、中煎り、深煎りコーヒーをブレンドすれば、例えば、焙煎5分、10分及び20分の焙煎豆をブレンドすれば、クロロゲン酸、クロロゲン酸ラクトン、ニコチン酸及びメーラード反応産物量が焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、増量した割合のコーヒー様サプリメントもしくは補助食品とすることができる。
メーラード反応産物の肝代謝反応(1)
下記式で表わされる、メーラード反応産物の1種であるモノメチルピラジンの肝代謝を確認するため、以下の実験を行った。
すなわち、コーヒーに含まれているメーラード反応産物であるモノメチルピラジンは、肝代謝によって、血中脂質低下作用を有するC類化合物に変換された。
下記式で表わされる、メーラード反応産物の1種であるピロールアルデヒドの肝代謝を確認するため、以下の実験を行った。
すなわち、コーヒーに含まれているメーラード反応産物であるピロール-2-アルデヒドは、肝代謝によって、血中脂質低下作用を有するC類化合物に高い効率で変換された。
下記式で表わされる、メーラード反応産物の1種である2,5-ジメチルピラジンの肝代謝を確認するため、以下の実験を行った。
図8は、得られた2,5-ジメチルピラジンを投与したラットの尿中代謝物のクロマトグラフである。図8中、Plは投与した2,5-ジメチルピラジンであり、P2はその肝代謝物の5-メチルピラジン-2-カルボン酸である。
図8から明らかなように尿中には投与した化合物のピークP1の他に、代謝産物のピークP2が観察された。すなわち、コーヒーに含まれているメーラード反応産物である2,5−ジメチルピラジンは、肝代謝によって、血中脂質低下作用を有するC類化合物に変換された。
メーラード反応産物の1種である2,5-ジメチルピラジン7.5mg(50mg/kg)を体重150gのウイスター系雄性ラットに投与した実験を例示する。上記式4で表わされる、肝代謝の時間推移を観察するため、投与前及び投与後1時間ごとに尾静脈から採血し、2,5-ジメチルピラジン(2,5-DMP)と代謝産物である5-メチルピラジン-2-カルボン酸(5-MPCA)の血中濃度を測定した。
すなわち、1回に10μlを採取し、遠心分離法によって血漿を分離し、その5μlを注入型マイクロシリンジ(商品名EXS-ODS、草野科学社製)に注入した。注入型マイクロシリンジをHPLC装置のインジェクターに接続し、pH2.0に調製したアセトニトリル/リン酸緩衝液(7/93)の100μlを注入した。HPLC装置の仕様及び実験条件は前記と同様である。
図9は検量線法を用いて定量して得た血中濃度の時間推移を示す。図中、◆は2,5-ジメチルピラジンについてであり、■は、5-メチルピラジン-2-カルボン酸についてである。
図9から明らかなように投与した化合物のピークに続いて、代謝産物のピークが遅れて観察されることがわかった。すなわち、この遅れが遅効性(ニコチン酸類に比べて)の血中脂質濃度低下効果をもたらし、ニコチン酸類の即効性効果を補完する。
図10から明らかなように、最も重要な特徴は、ニコチン酸と比較して血中遊離脂肪酸濃度のリバウンド現象が観察されなかったことである。コーヒーを飲んだときには2,5-ジメチルピラジンが肝代謝を受けて、5-MPCAになってから効果が出る。
ニコチン酸をシードとする医薬開発で、ピラジンカルボン酸N-オキシド類が血中脂質低下作用を示すことが古くから知られている(例えば、Eur. J. Med. Chem. l5: pp l57〜163(1980)参照。)。それらのうちで最も強い作用を示したアシピモックスが高脂血症治療薬(イタリア・ファルマシア社製/現ファイザー社製)として開発された。開発過程の中で、遊離塩基の作用は弱いとされてきた。
本実施例で、ニコチン酸、アシピモックス、並びにメーラード反応産物の肝代謝物であるピラジンカルボン酸及び5-メチルピラジン-2-カルボン酸を同時に実験して作用の比較を行った。
投与1時間後に断頭採血し、血中遊離脂肪酸と血中トリグリセリド濃度を常法に従って測定した。結果を図11のグラフに示す。
図11から明らかなように、生理食塩水投与群に比べて、化合物投与群ではいずれも有意差のある血中脂質低下を示したが、化合物間での効果に有意差はなく、どの化合物もほぼ等しい効果を示し、血中脂質は対照群の50%以下まで低下した。
前記〈6〉項に記載と同様な操作によって各量のニコチン酸を体重150gのウイスター系雄性ラットに経口投与し(対照、5、10、20、50mg/kg)、尾静脈から採血し、血中遊離脂肪酸濃度の時間推移を測定した。
図12は、上記操作から得られた、ニコチン酸による投与量依存的リバウンド現象を示すグラフである。
図12から明らかなように5mg/kg〜50mg/kgのいずれの投与量においても投与30分後の血中遊離脂肪酸濃度は0.5mEq/L以下にまで抑制された。その後リバウンド現象が認められるまでの時間は、投与量によって異なっていた。5mg/kgでは1時間後、10mg/kgでは2時間後、20mg/kgでは2〜3時間後、50mg/kgでは4時間後であった。このようにニコチン酸リバウンド現象の発現時間は投与量依存的で、投与量と時間の間には正の相関が成立していた。
この結果は、血中遊離脂肪酸濃度に見られるニコチン酸のリバウンド現象は、ニコチン酸の血中半減期が短いために発現することを示している。すなわち、ニコチン酸を単独で服用した場合、一旦上昇したニコチン酸血中濃度が低下してくると、それまで抑制されていた血中遊離脂肪酸濃度が急激に反転上昇するのである。
前記〈6〉項に記載と同様な操作によって体重150gのウイスター系雄性ラットにニコチン酸10mg/kgを単独で又は前記2,5-DMP100mg/kgと併用して経口投与し、血中遊離脂肪酸濃度の時間推移を測定した。
図13は、ニコチン酸10mg/kg単独でまたは前記2,5-DMP100mg/kgと併用したときの血中遊離脂肪酸の時間変化を示すグラフである。グラフ中、各点は実験回数6回の平均値で示している。
図13から明らかなように、ニコチン酸の単独投与群で、投与1時間でリバウンド現象が発現した固体と1時間では発現しない固体とが混在し、個体差が見られたが2時間後にはすべての固体でリバウンド現象が観察された。これに対し、併用群では、投与30分後から4時間まで血中遊離脂肪酸の低値が持続していた。即ち、2,5-DMPの併用によってリバウンド現象はほぼ完全に抑制され、ニコチン酸と2,5-DMP代謝産物である5-MPCAの薬理作用が相加的に発現し続けていた。
したがって、本発明のサプリメントを摂取したときには、リバウンド現象なしで、ニコチン酸由来の早急な血中脂質低下効果とともに、メーラード反応産物の肝代謝産物に由来する遅効性の血中脂質低下効果が得られることが明らかである。
Claims (30)
- 少なくとも1つのニコチン酸化合物、少なくとも1つのメーラード反応産物及び/又は、少なくとも1つのメーラード反応産物の代謝産物を含むコーヒー様サプリメント。
- 前記ニコチン酸化合物が下記一般式Aで表わされる、請求項1記載のサプリメント。
- 前記メーラード反応産物が、下記一般式B1、一般式B2又は一般式B3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2項記載のサプリメント。
- 前記メーラード反応産物の代謝産物が、下記一般式C1、一般式C2又は一般式C3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のサプリメント。
- 焙煎コーヒー由来である請求項1〜4のいずれか1項に記載のサプリメント。
- 前記ニコチン酸化合物、前記メーラード反応産物及び/又は前記メーラード反応産物の代謝産物の含有量が、それぞれ、焙煎コーヒー豆からの標準的なカフェイン量に対して、増量した割合であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のサプリメント。
- 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸化合物を3mg以上含有し、かつメーラード反応産物及びメーラード反応産物の代謝産物の合計量を30mg以上含有する請求項1〜6のいずれか1項のサプリメント。
- 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸化合物を3mg以上及びメーラード反応産物を30mg以上含有する請求項1〜7のいずれか1項のサプリメント。
- 前記ニコチン酸化合物及び前記メーラード反応産物が、コーヒー生豆を、200〜230℃、15〜25分で焙煎して得られた焙煎コーヒー豆から得たことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のサプリメント。
- 下記(a)〜(c)のいずれかの成分を、焙煎条件を変えて焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量させた複数の焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも2種を混合してなるコーヒー様サプリメント。
(a)クロロゲン酸
(b)クロロゲン酸ラクトン、及び
(c)少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物 - 下記(d)〜(f)の焙煎コーヒー豆少なくとも2種を混合してなるコーヒー様サプリメント。
(d)コーヒー原料生豆を、180〜220℃で1〜6分間焙煎したコーヒー豆、
(e)コーヒー原料生豆を、190〜225℃で7〜14分間焙煎したコーヒー豆、及び
(f)コーヒー原料生豆を、200〜230℃で15〜30分間焙煎したコーヒー豆。 - 焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、クロロゲン酸、少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物の含有量が、それぞれ、増量した各焙煎コーヒー豆を混合してなるコーヒー様サプリメント。
- クロロゲン酸ラクトンの含有量が、焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量した焙煎コーヒー豆をさらに混合してなることを特徴とする請求項12記載のコーヒー様サプリメント。
- 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g当りクロロゲン酸を30mg以上、ニコチン酸化合物を3mg以上且つメーラード反応産物を10mg以上含有するコーヒー様サプリメント。
- さらにクロロゲン酸ラクトンを1mg以上含有する請求項14記載のコーヒー様サプリメント。
- 少なくとも1つのニコチン酸化合物、少なくとも1つのメーラード反応産物及び/又は、少なくとも1つのメーラード反応産物の代謝産物を含むコーヒー様補助食品。
- 前記ニコチン酸化合物が下記一般式Aで表わされる、請求項16記載の補助食品。
- 前記メーラード反応産物が、下記一般式B1、一般式B2又は一般式B3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16または17項記載の補助食品。
- 前記メーラード反応産物の代謝産物が、下記一般式C1、一般式C2又は一般式C3で表わされる化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項記載の補助食品。
- 焙煎コーヒー由来である請求項16〜19のいずれか1項に記載の補助食品。
- 前記ニコチン酸化合物、前記メーラード反応産物及び/又は前記メーラード反応産物の代謝産物の含有量が、それぞれ、焙煎コーヒー豆からの標準的なカフェイン量に対して、増量した割合であることを特徴とする請求項16〜20のいずれか1項の補助食品。
- 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸化合物を3mg以上含有し、かつメーラード反応産物及びメーラード反応産物の代謝産物の合計量を30mg以上含有する請求項16〜21のいずれか1項の補助食品。
- 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g中、ニコチン酸化合物を3mg以上及びメーラード反応産物を30mg以上含有する請求項16〜22のいずれか1項の補助食品。
- 前記ニコチン酸化合物及び前記メーラード反応産物が、コーヒー生豆を、200〜230℃、15〜25分で焙煎して得られた焙煎コーヒー豆から得たことを特徴とする請求項16〜23のいずれか1項記載の補助食品。
- 下記(a)〜(c)のいずれかの成分を、焙煎条件を変えて焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量させた複数の焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも2種を混合してなるコーヒー様補助食品。
(a)クロロゲン酸
(b)クロロゲン酸ラクトン、及び
(c)少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物 - 下記(d)〜(f)の焙煎コーヒー豆少なくとも2種を混合してなるコーヒー様補助食品。
(d)コーヒー原料生豆を、180〜220℃で1〜6分間焙煎したコーヒー豆、
(e)コーヒー原料生豆を、190〜225℃で7〜14分間焙煎したコーヒー豆、及び
(f)コーヒー原料生豆を、200〜230℃で15〜30分間焙煎したコーヒー豆。 - 焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して、クロロゲン酸、少なくとも1つのニコチン酸化合物及び少なくとも1つのメーラード反応産物の含有量が、それぞれ、増量した各焙煎コーヒー豆を混合してなるコーヒー様補助食品。
- クロロゲン酸ラクトンの含有量が、焙煎コーヒー豆中の一定のカフェイン量に対して増量した焙煎コーヒー豆をさらに混合してなることを特徴とする請求項27記載のコーヒー様補助食品。
- 焙煎コーヒー豆由来成分の合計量10g当りクロロゲン酸を30mg以上、ニコチン酸化合物を3mg以上且つメーラード反応産物を10mg以上含有するコーヒー様補助食品。
- さらにクロロゲン酸ラクトンを1mg以上含有する請求項29記載のコーヒー様補助食品。
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