JP2006257942A - チタン合金製タペットとその製造方法および製造に使用する治具 - Google Patents

チタン合金製タペットとその製造方法および製造に使用する治具 Download PDF

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Abstract

【課題】 軽量で強度の高いチタン合金の有する欠点を補完することによって、高速で摺動する箇所にも使用できるチタン合金製タペット等を提供することを目的とする。
【解決手段】 バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペット1であって、このタペット1の少なくとも摺動する部分の表面1Aに、浸炭処理等を施した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車 (自動二輪車を含む) 等のバルブ開閉機構に使用されるチタン合金製タペットと、その製造方法および該方法の実施に有用な治具に関する。
四輪自動車および二輪自動車等は、排気ガスや騒音の低減等を図ると共に、高出力化と低燃費化が図られている。
そして、前記高出力化と低燃費化のためには、部品の軽量化を避けて通ることができない。具体的には、エンジン等の部品、例えば、バルブの開閉機構に使用されているタペット等の部品の、軽量化が進められている。本出願人も、既にこの種の発明(以下、先願発明という)をおこない、その発明については既に出願している (特許文献1参照)。
しかしながら、従来の鋼を素材とした場合には、強度の点からこれ以上の薄肉化をおこなうことは困難となっている。
そこで、軽量で強度の高い材料として、チタン合金が考えられるが、チタン合金の場合には、摺動性能が低く、つまり摩擦係数が高く且つ凝着しやすく、前述したような高速(例えば、エンジン回転数にして、15,000rpm〜18,000rpm)で摺動するような箇所に使用すると焼付きをおこす恐れがあるため、単に鋼をチタン合金に置き換えることはでき難い。
また、前述した本出願人の発明にかかる、鋼表面にDLC(ダイヤモンドライク・カーボン:本明細書において「DLC」という)膜を形成するという、摩擦抵抗を小さくするという手法を、このチタン合金に応用することを試みたが、チタン合金とDLC膜加工との相性が悪く、つまり、鋼等の場合に比べて、チタン合金の表面へのDLC膜の密着強度が小さく、短時間の運転で、DLC膜がチタン合金表面から剥離し易い。この結果、チタン合金の摺動部分にDLC膜を施すことには改良が望まれる。
特開2000−327484公報。
本発明は、このような状況に鑑みて行われたもので、軽量で強度の高いチタン合金に着目するとともに、このチタン合金の有する欠点を補完することによって、高速で摺動可能なチタン合金製タペットを提供するとともに、その製造方法と製造方法を実施する際に有用な治具を提供することを目的とする。
本発明の前記課題は、以下の構成からなるチタン合金製タペットと、その製造方法および治具によって解決することができる。
本第1の発明にかかるチタン合金製タペットは、バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペットであって、
このタペットの少なくとも摺動する部分の表面に、表面硬化処理を施したことを特徴とする。
前述のように構成された本第1の発明にかかるチタン合金製タペットによれば、表面に表面硬化処理を施すことによって、表面硬度が増加するため、耐凝着性が向上するとともに、耐久性が向上する。
例えば、前記表面硬化処理が、浸炭処理である場合には、表面に炭化層が形成される結果、表面硬度が増加して、耐凝着性が向上するとともに、耐久性が飛躍的に向上する。この浸炭処理の場合には、表面に白層が形成されないため、DLC膜の形成が容易に行えるという利点を有する。
また、前記表面硬化処理が、窒化処理である場合には、表面に窒化層が形成される結果、表面硬度が増加して、耐凝着性が向上するとともに、耐久性が向上する。この窒化処理である場合には、浸炭処理に比べて処理温度が低いという利点を有する。
また、本第2の発明にかかるチタン合金製タペットは、バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペットであって、
このタペットの少なくとも摺動する部分の表面に、浸炭処理を施し、次に酸化被膜除去を施し、しかる後に、DLC膜を形成したことを特徴とする。
前述のように構成された本第2の発明にかかるチタン合金製タペットによれば、摺動する部分の表面に浸炭処理を施すことによって、表面に炭化層が形成されて表面硬度が増加し、次にその炭化層の表面に形成される酸化被膜を除去して後にDLC膜を形成することによって、チタン合金とDLC膜との密着性が飛躍的に向上する。このため、摺動する部分の表面に形成されたDLC膜によって摩擦抵抗が低減されるとともに耐磨耗性も向上し、しかも、DLC膜がチタン合金表面から短時間で剥離し難い。
そして、前記チタン合金製タペットにおいて、前記タペットに使用されるチタン合金が、Ti-6AL-4V であると、好ましい構成となる。
また、本第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法は、バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペットの製造方法であって、
該タペットを有底筒状の形態に形成し、
該タペットの内壁面に角部と上端内面中央部を除いて当接する治具を配置した状態で、該浸炭処理を施したことを特徴とする。
前述のように構成された本第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法によれば、浸炭処理によって、摺動部分となる、タペットの外表面および内壁面の上端内面に炭化層を形成することができるとともに、該浸炭処理の際の熱(前記形態の治具によるタペットの所望部分の熱だれ)を利用して、タペットの上端面を、バルブ開閉機構のカム面と点接触(あるいは点接触に可及的に近い状態で接触)させるための、中央側で上方に凸状になったクラウニング形状に形成することができる。つまり、従来のタペットでは、熱処理等が終了した状態で、該タペットの上端面を、研磨装置等で、中央側で上方に凸状になったラウンド面状に加工形成していたものが、浸炭処理の熱(所謂「熱だれ」と治具による下方からの支え)を利用して、前記ラウンド面に形成することが可能となる。
そして、前記第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法において、前記浸炭処理の後に、当該タペットの少なくとも摺動する部分に、酸化被膜除去を施し、しかる後に、DLC膜を形成すると、前記第2の発明にかかるチタン合金製タペットを実現することができる。
そして、前記第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法において、前記タペットに使用されるチタン合金が、Ti-6AL-4V であると、好ましい構成となる。
また、前記第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法において、前記浸炭処理として、プラズマ浸炭処理を、チタン合金の表面層の温度が500℃〜850℃の温度下で実施すると、表面層の温度が500℃以上であることから炭素「C」と窒素「N」が該表面層に好ましい状態で拡散するとともに、同じく表面層の温度が850℃以下であることから、熱処理による歪みが実質上問題の無い範囲に収めることができる。
また、前記第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法において、前記酸化被膜除去処理が、研磨、エッチング、ショットブラスト、ショットピーニング、又はスパッタリングのいずれかの処理であると、既存の工具あるいは装置を用いて酸化被膜の除去がおこなえる点で、好ましい構成となる。
また、前記第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法において、前記DLC膜の形成を、物理的蒸着法又は化学的蒸着法によっておこなうことができる。
本第4の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法において使用される治具は、前記チタン合金製タペットの製造方法において使用される治具であって、
前記タペットが、有底筒状の形態を有するときに、前記治具が、前記タペットの内壁面に角部と上端内面中央部を除いて当接するような形態を有することを特徴とする。
前述のように構成された本第4の発明にかかる治具によれば、浸炭処理の熱によってタペットが熱変形をおこす際に、タペットの上端面を、バルブ開閉機構のカム面と点接触(あるいは点接触に可及的に近い状態で接触)させるための、中央側で上方に凸状になったクラウニング形状の面に形成することができる。また、タペットの上端部の内壁面のバルブ端面(あるいはシム端面)と当接する部分をも十分に硬化させることができる。従って、このような治具によって、タペットは大きな負荷を受けて高速で摺動しても、十分に耐え得ることは勿論のこと、低い摩擦力で作動することができる。
前述のように構成された本第1および第2の発明にかかるチタン合金製タペットによれば、軽量で強度の高いチタン合金の有する欠点を表面処理することによって補完し、高速で摺動可能なチタン合金製タペットを提供することができる。
また、前述のように構成された本第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法によれば、前記第1あるいは第2の発明にかかるチタン合金製タペットの好適な製造方法を提供することができる。
また、前述のように構成された本第4の発明にかかる治具によれば、前記第3の発明にかかるチタン合金製タペットの製造方法を実施する際に好適な治具を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、自動二輪車のエンジンのタペットの場合を例に挙げて、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は自動二輪車のエンジンのシリンダヘッドの動弁機構の要部のみを一部断面して示した図、図2は図1に示すタペット部分の中央で縦断面した図である。
図1において、10はカムシャフト11に配設されているカムで、1はこのカム10の周面10Aに上面(頂面)1Aが当接するタペット(リフターとも呼ばれる)、2はタペット1によって図1において上下に移動するバルブ、3はこのバルブ2のステム部分2Sをシリンダヘッド基部に摺動自在に保持するバルブガイド、4は前記タペット1を図1に図示する位置に弾性保持するバルブスプリングで、この実施例の場合、径の小さいインナースプリング4Aと径の大きいアウタースプリング4Bとによって構成されている。また、5は前記バルスプリング4の上端とシム9との間に配設され、該バルブスプリング4の上端を保持するバルブスプリングシートアッパー(リテーナとも呼ばれる)、6は前記バルスプリング4の下端とシリンダヘッドの基部との間に配設され該バルブスプリング4の下端を保持するバルブスプリングシートロア(スプリングシートとも呼ばれる)である。なお、図1において、17はバルブコッタを示す。
そして、このように構成された自動二輪車のエンジンの動弁機構は、以下のように作動する。つまり、前記カムシャフト11に配設されたカム10が図1において矢印Rで示す方向(図1において時計方向)Rに回転すると、このカム10の周面10Aが、前記タペット1の上面1Aに当接して、タペット1を下方に押圧する。このため、上記バルブスプリング4によって図1に図示する上位位置に弾性保持されているタペット1は、このバルブスプリング4の弾性力に抗して下方に押圧され、この結果、タペット1と前記シム9を介して上端が当接するバルブステム2Sが、つまり前記バルブ2が下方に降下して、通路(吸気通路あるいは排気通路)12が燃料室13に連通する。この結果、前記通路12が吸気通路である場合には、燃料を含んだフレッシュエアが通路12から燃焼室13内へ供給され、一方、前記通路12が排気通路である場合には燃焼ガスが燃焼室13から通路12へ排出される。
ところで、本実施例にかかる前記タペット1は、材質的には、「Ti-6AL-4V 」のチタン合金が使用されている。そして、図2に拡大して示すタペット1の形状、つまり、上端が閉塞された円筒状の形状を有し、また円筒状の筒部の肉厚はこの実施例では1mm〜2mm程度の厚さを有し、また、上端は1.5mm〜3mm程度の厚さを有し、さらに上端の内面に前記シム9(図1参照)と当接する肉厚部分(この実施例では前記上端の約2倍の厚さ)1Dを有する。前記厚みと形態を有するタペット1は、自動二輪車のエンジンのバルブ機構のタペット1としては、必要且つ十分な剛性を備え、且つ鋼製のものに比べて軽量化(約40%程度の軽量化)が図られている。しかしながら、タペット1は、前記形態(寸法)のものに限定されるものでなく、他の形態や寸法であっても、勿論よい。
そして、前述のような形状に加工されたタペット1の中間物(中間製品)に、以下に述べるような処理を施すことによって、軽量で、高負荷で且つ高速回転下での使用において高い耐久性を有するとともに、低摩擦抵抗の、タペット1を実現することができる。
図2に示すような上端が閉塞された円筒状の形状に成形加工(鍛造加工、プレス加工や切削加工も含む)された中間物に対して、まず浸炭処理又は窒化処理を施す。この処理としては、種々考えられるが、例えば、プラズマ浸炭処理あるいはプラズマ窒化処理を、チタン合金の表面層の温度が500℃〜850℃の温度下で実施する(図2において浸炭加工を施した浸炭加工層14を太い黒線で示す)のが好ましい。前記温度が500℃以上であると炭素「C」又は窒素「N」が好ましい状態で拡散するとともに、850℃以下であると、熱処理による歪みが実質上問題の無い範囲に収めることができるからである。さらに言えば、歪みを可及的に小さくし且つ炭素「C」又は窒素「N」の拡散を担保しようとすると、温度条件としては、700℃〜800℃の温度下において処理することがより望ましい。
そして、このように浸炭加工又は窒化処理が施されることによって、耐磨耗性と耐焼付き性が付与される。
また、前記浸炭処理として、プラズマ浸炭処理をおこなう場合には、図3に図示するような肉厚円筒状(パイプ状)の形態の治具20、つまり、図3に図示するような、前記シム9(図1参照)との接触面(前記肉厚部1Dの下面)1Bとなる部分(タペット1の上端内面の中央部分)と上端内面の角部1Rは本治具20によって閉塞されず、且つ、十分に下方からタペット1の上端を熱負荷に対して支持できるような支持面20Aを具備した形態の治具20が好ましい。つまり、このような形態の治具20を用いると、タペット1の外壁面(前記上面1Aと外周面1C)と該タペット1の上端の内面中央に位置する前記接触1Bが開放されているために、これらの箇所を浸炭処理によって硬化させることができる(図3の浸炭加工層14参照)とともに、上端内面の角部1Rが下方から支持されていないことから、その浸炭処理に際して、前記上面1Aのクラウニング形状(図3の中央部で上方にやや突出するような湾曲した太線および平行な二点鎖線で示す形状参照;図3の中太線は浸炭処理前の状態を示す:図1〜図2では、略図的に直線で表示している)に形成することが可能となる。
次に、前記浸炭処理を施した前記円筒状のタペット1の中間物に対して、その外壁面の表面に形成されている酸化被膜を除去する。この酸化被膜除去処理として、例えば、研磨、エッチング、ショットブラスト、ショットピーニング、あるいはスパッタリングのいずれかの処理手法等によって、実施することが好ましい。いずれの処理方法を採用するかは、既存の設備としていずれの処理が適当か等の判断によって選択すればよい。また、前記酸化被膜除去処理として、前記処理に代えて、他の処理であってもよい。
酸化被膜除去処理の信頼性から言えば、前記スパッタリング処理によることが望ましい。また、生産効率の点からは、前記研磨処理によることが望ましい。また、生産コストを重視する場合には、前記ショットブラスト処理によることが望ましい。 また、前記酸化被膜の除去処理およびそれに続く下記のDLC膜の形成に際しては、除去した後に酸化被膜が形成されないように、真空雰囲気あるいは窒素雰囲気、水素雰囲気等の雰囲気中で処理される。
次に、表面の酸化被膜除去がおこなわれたタペット1の中間物の外壁面に、DLC膜15(図2参照)を形成する。このDLC膜の形成は、大別して、物理的蒸着法と化学的蒸着法との二つの手法があるが、いずれの手法でおこなってもよい。
しかし、物理的蒸着法の場合には、処理温度の低温化の点において好ましく、化学的蒸着法の場合には、三次元形状への所謂「つきまわり性(複雑な形状でも全面にムラ無く付くことをいう)」の点において優れている。
そして、上述のように処理された本実施例にかかるタペット1は、前記浸炭処理(プラズマ浸炭処理)によって、硬度が550HV以上となり、その有効硬化深さ(浸炭処理層の厚さ)が0.02mm〜0.04mmであり、浸炭処理された表面の硬度は750HV〜1050HVになる。
そして、DLC膜形成後には、DLC膜の厚みが1μm〜3μmで、その表面硬さは1000HV〜1500HVになっている。そして、この実施例では、タペット1の表面粗度は、Ry1.6μmとなっている。
そして、このように構成された本実施例にかかるタペット1は、シリンダヘッド30のタペット孔31と接触するタペット1の外周面1Cが前述のように表面にDLC膜15が形成されるとともに、その下層部分に浸炭処理が施されており、また、前記前記カム10と接触するタペット1の上面1Aにも前記DLC膜15の形成と浸炭処理が施されており、さらに前記タペット1のシム9との接触面1Bには浸炭処理が施されているため、また、前記DLC膜15の形成の前に、浸炭処理層14表面の酸化被膜の除去がなされた状態で、該DLC膜15の形成が、おこなわれているため、高負荷で高速回転下においても、極めて高い耐久性を有するとともに、摩擦抵抗も極めて小さく、しかも全体の重量が従来のものに比べて60パーセント程度となるため、高速回転仕様のエンジンにとって、さらなる高速化に寄与する、好ましいタペット1となる。
ところで、前記実施例は、自動二輪車のエンジンのタペットについて本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、自動二輪車以外のエンジンであってもよく、また、エンジンの他の部材、例えば、前記バルブ、バルブスプリングシート、バルブガイドや、図示しないエンジンのコンロッドやその他のエンジンの構造物、あるいは自動二輪車のフロントフォーク等にも広く適用することができる。また、エンジン以外の部材、例えば、排気タービンやその他の軸、特に高速回転するような軸、あるいは一般の機械装置の部材にも適用することができ、前述したのと同様の作用効果を奏することができる。
本願発明は、自動二輪車等のエンジンやその他一般の機械装置等に広く利用することができる。
自動二輪車のエンジンのシリンダヘッドの動弁機構の要部を一部断面して示した図である。 図1に示すタペットを中央で縦断面して示した図である。 図1,図2に示すタペットの略左半分と該タペットを浸炭処理する際に使用する治具の一部を示す部分断面図である。
符号の説明
1…タペット(チタン合金からなる部材)
1A…上面(摺動する表面)
2…バルブ
10…カム

Claims (11)

  1. バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペットであって、
    このタペットの少なくとも摺動する部分の表面に、表面硬化処理を施してあることを特徴とするチタン合金製タペット。
  2. 前記表面硬化処理が浸炭処理又は窒化処理であることを特徴とする請求項1記載のチタン合金製タペット。
  3. バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペットであって、
    このタペットの少なくとも摺動する部分の表面に、浸炭処理を施し、しかる後に、ダイヤモンドライク・カーボン膜を形成してあることを特徴とするチタン合金製タペット。
  4. 前記タペットに使用されるチタン合金が、Ti-6AL-4V であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載のチタン合金製タペット。
  5. バルブ開閉機構に使用するチタン合金製タペットの製造方法であって、
    該タペットを有底筒状の形態に形成し、
    該タペットの内壁面に角部と上端内面中央部を除いて当接する治具を配置した状態で、該浸炭処理を施したことを特徴とするチタン合金製タペットの製造方法。
  6. 前記浸炭処理の後に、
    ダイヤモンドライク・カーボン膜を形成したことを特徴とする請求項5記載のチタン合金製タペットの製造方法。
  7. 前記タペットに使用されるチタン合金が、Ti-6AL-4V であることを特徴とする請求項5又は6記載のチタン合金製タペットの製造方法。
  8. 前記浸炭処理として、プラズマ浸炭処理を、チタン合金の表面層の温度が500℃〜850℃の温度下で実施することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1の項に記載のチタン合金製タペットの製造方法。
  9. 前記酸化被膜除去処理が、研磨、エッチング、ショットブラスト、ショットピーニング、又はスパッタリングのいずれの処理であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1の項に記載のチタン合金製タペットの製造方法。
  10. 前記ダイヤモンドライク・カーボン膜の形成を、物理的蒸着法又は化学的蒸着法によっておこなったことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1の項に記載のチタン合金製タペットの製造方法。
  11. 前記請求項5〜10のいずれか1の項に記載されるチタン合金製タペットの製造方法において使用される治具であって、
    前記タペットが、有底筒状の形態を有するときに、前記治具が、前記タペットの内壁面に角部と上端内面中央部を除いて当接するような形態を有することを特徴とする治具。
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