JP2006254598A - 埋込磁石型モータ - Google Patents

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Kaname Egawa
要 江川
Yoshito Nishikawa
義人 西川
Yasuharu Terada
康晴 寺田
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Abstract

【課題】コギングトルク及びトルクリップルを低減することができ、且つ磁気特性の優れた焼結磁石を容易に配設することができる埋込磁石型モータを提供する。
【解決手段】埋込磁石型モータは、複数のティースを有するステータと、軸方向に貫通しV字永久磁石が配設されるV字収容孔11a,11bが形成されたロータコア11を有するロータとを備える。ティース数は、2×外部電源の相数n×V字永久磁石の磁極数Pに設定される。ロータコア11は、V字収容孔11a,11bに対応した積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cを有する第1〜第4のコアブロック21〜24からなる。各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cは、各コアブロック毎に軸方向に対する傾斜角度が徐々に大きくなるように設定される。V字永久磁石は、各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cにそれぞれ配設される分割磁石とされる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、埋込磁石型モータに関するものである。
高効率モータとしては、埋込磁石型モータがある。埋込磁石型モータは、ロータコア内に複数のマグネット(磁石)が埋設されたロータを有するモータであり、複数のティースを有するステータが作り出す回転磁界とロータとの間のマグネットトルクに加え、ロータに形成される回転磁界の磁路(磁路形成部)に基づくリラクタンストルクを有効に利用することにより高いモータ効率を得ることができる。
そして、このような埋込磁石型モータとしては、ロータコアに形成される収容孔をスキューさせ(軸方向一端から他端に向かうに連れて周方向に回転させ)、その収容孔に樹脂磁石を射出成形したものがある(例えば、特許文献1参照)。このような埋込磁石型モータでは、磁石の周方向の磁極中心が軸方向に沿って変化される(周方向にずれる)ため、コギングトルク及びトルクリップルが低減される。又、磁石が、射出成形される樹脂磁石であるため、複雑な形状となる収容孔に容易に配設することができる。言い換えると、焼結磁石を複雑な形状となる収容孔に配設しようとすると、その収容孔に応じた磁石の成形(加工)が困難となったり、収容孔内への挿入(組み付け)作業が困難となる虞があるが、そういったことが回避できる。
特開2004−007960号公報
しかしながら、上記のような埋込磁石型モータでは、磁石が、射出成形される樹脂磁石であるため、焼結磁石と比べて、磁気特性が劣るという問題がある。このことは、モータの小型化や高効率化を阻害する原因となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コギングトルク及びトルクリップルを低減することができ、且つ磁気特性の優れた焼結磁石を容易に配設することができる埋込磁石型モータを提供することにある。
請求項1に記載の発明では、略円筒状に形成され、周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティースに巻線が巻回されたステータと、軸方向に貫通する収容孔が周方向に複数形成されることで周方向に隣り合う前記収容孔の間に径方向に延びる磁路形成部が形成されたロータコアを有し、各前記収容孔にそれぞれ磁石がその磁極が交互になるように配設され、前記ステータの内側に回転可能に収容されるロータとを備えた埋込磁石型モータであって、前記ティースのティース数は、前記巻線が接続される外部電源の相数をnとし、前記磁石の磁極数をPとして、「2×n×P」に設定され、前記ロータコアは、前記収容孔に対応して軸方向に貫通する積層前収容孔を有する複数のコアブロックが軸方向に積層されてなり、その少なくとも1つのコアブロックにおける前記積層前収容孔が他のコアブロックにおける前記積層前収容孔に対して傾斜し、前記磁石は、各前記積層前収容孔にそれぞれ配設される分割磁石とした。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の埋込磁石型モータにおいて、前記複数のコアブロックにおける各前記積層前収容孔は、前記ロータコアの軸方向一端側から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が徐々に大きくなるように設定された。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の埋込磁石型モータにおいて、前記磁石は、径方向内側に凸の略V字形状に配置されるV字永久磁石であって、前記収容孔の径方向外側端部には、その一部から径方向外側に延びる外側延設部が連続して形成され、前記収容孔の径方向外側両端部に形成される一対の前記外側延設部は、前記径方向外側両端部における互いに周方向に離間する位置に配置された。
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の埋込磁石型モータにおいて、前記磁石は、径方向内側に凸の略V字形状に配置されるV字永久磁石であって、周方向に隣り合う前記V字永久磁石のV字をなす内側の角度が異なるように設定されて、周方向に隣り合う前記磁路形成部におけるそれぞれの周方向中心と、前記ティースの周方向中心とが同時にそれぞれ径方向に直線状態とならないように設定された。
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の埋込磁石型モータにおいて、前記ロータコアは、略円筒状に形成され、前記収容孔を除く部位の磁気抵抗が一定とされた。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、ティースのティース数は、巻線が接続される外部電源の相数をnとし、磁石の磁極数をPとして、基本のティース数となる「n×P」の2倍の「2×n×P」に設定されるため、コギングトルク及びトルクリップルを低減することができる。又、ロータコアは、収容孔に対応して軸方向に貫通する積層前収容孔を有する複数のコアブロックが軸方向に積層されてなり、磁石は各積層前収容孔にそれぞれ配設される分割磁石とされるため、ロータコアの軸方向一端から他端まで一体成形される磁石に比べて、(短いので)磁石の成形及び組み付け(積層前収容孔への挿入)が容易となる。即ち、磁気特性の優れた焼結磁石を、複雑な形状となる収容孔に容易に配設することができる。更に、複数のコアブロックの内の少なくとも1つのコアブロックにおける積層前収容孔が他のコアブロックにおける積層前収容孔に対して傾斜される構成であることから、磁石の周方向の磁極中心を軸方向に沿って異なる割合で変化させることができ、コギングトルク及びトルクリップルを更に低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数のコアブロックにおける各積層前収容孔は、ロータコアの軸方向一端側から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が徐々に大きくなるように設定されるため、収容孔及び磁石はロータコアの軸方向一端側から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度がコアブロック毎に徐々に大きくなるように配設される。よって、高トルクを維持しながら、コギングトルク及びトルクリップルを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、収容孔の径方向外側端部には、その一部から径方向外側に延びる外側延設部が連続して形成されるため、ロータコアの外周近くまで非磁性部分が形成されることになり、漏れ磁束(磁石のN極から直ぐに自身のS極に向かう磁束)を小さくすることができる。しかも、収容孔の径方向外側両端部に形成される一対の外側延設部は、径方向外側両端部における互いに周方向に離間する位置に配置されるため、ロータコアにおいて外側延設部を含む収容孔に略囲まれる部分の周方向両端の磁路が周方向に段階的に小さくなる。よって、ロータ回転時のロータとステータとの間の磁束の授受が滑らかとなり、コギングトルク及びトルクリップルを更に低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、周方向に隣り合う磁路形成部におけるそれぞれの周方向中心と、前記ティースの周方向中心とが同時にそれぞれ径方向に直線状態とならないように設定されるため、隣り合う磁路形成部で同時に同一の磁束分布になることが防止される。よって、コギングトルク及びトルクリップルを更に低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、ロータコアは、略円筒状に形成され、前記収容孔を除く部位の磁気抵抗が一定とされ、収容孔を除く部位で磁気抵抗の大きい部分(例えば、各コアブロックを貫通する固定ピン用の孔)がないため、そのことに基づくトルクの低下が防止される。
以上詳述したように、本発明によれば、コギングトルク及びトルクリップルを低減することができ、且つ磁気特性の優れた焼結磁石を容易に配設することができる埋込磁石型モータを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。図1に示すように、埋込磁石型モータは、ハウジング1とステータ2とロータ3とを備える。
ハウジング1は、略有底筒状のケース4と、ケース4の開口部(図1中、下端部)を閉塞するための蓋部5とを備える。そして、ステータ2はケース4の内周面に固定され、ロータ3はその回転軸6がケース4及び蓋部5に設けられた軸受4a,5aに支持されることでステータ2の内側に回転可能に収容される。
ステータ2は、略円筒状に形成され、周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティース7(図2参照)を有したステータコア8と、ティース7にインシュレータ9(図1参照)を介して巻回された巻線10とを備える。尚、本実施の形態では、ティース7は、60個形成されている(即ちティース数が60に設定されている)。又、図2においては、インシュレータ9及び巻線10の図示を省略している。又、巻線10はティース7に分布巻にて巻回され、その巻線10には3相(相数nが3)の図示しない外部電源が接続され位相差120度の3相交流電流が供給されることになる。
ロータ3は、図1に示すように、前記回転軸6と、ロータコア11と、磁石としての複数のV字永久磁石12,13(図2参照)とを備える。尚、本実施の形態では、V字永久磁石12,13が10個設けられている(即ち、磁極数Pが10に設定されている)。そして、本実施の形態では、前記ティース7のティース数は、基本のティース数となる「n(3)×P(10)=」30に対して、その2倍となるように「2×n(3)×P(10)=」60に設定されている。
ロータコア11は、図3に示すように、複数(本実施の形態では4つ)の第1〜第4のコアブロック21〜24が軸方向に積層されてなる。又、第1〜第4のコアブロック21〜24は、それぞれ複数の円盤状のコアシートが積層されて形成されている。本実施の形態の第1〜第4のコアブロック21〜24は、その軸方向長さ(厚さ)が一定に設定されている。尚、図1及び図3においては、複数のコアシートの境界線の図示を省略している。又、第1〜第4のコアブロック21〜24の軸中心には回転軸6が圧入される中心孔21a〜24a(図1参照)がそれぞれ形成されている。
又、第1〜第4のコアブロック21〜24には、軸方向に貫通し、一対で径方向内側に凸の略V字形状をなす積層前収容孔としての積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24c(図3参照)が、それぞれ周方向に10対並んで形成されている。そして、第1〜第4のコアブロック21〜24における各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cは、ロータコア11の軸方向一端側(図1及び図3中、上側)から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が(第1〜第4のコアブロック21〜24毎に)徐々に大きくなるように設定されている。詳しくは、第1のコアブロック21の積層前V字収容孔21b,21cは、同一(品番が同じ)の前記コアシートが極微小に周方向にずらされながら積層されることで、軸方向に対して極微小に傾斜している。又、第2のコアブロック22の積層前V字収容孔22b,22cは、同一(品番が同じ)の前記コアシートが微小(第1のコアブロック21のそれ以上)に周方向にずらされながら積層されることで、軸方向に対して微小に傾斜している。又、第3のコアブロック23の積層前V字収容孔23b,23cは、同一(品番が同じ)の前記コアシートが小さく(第2のコアブロック22のそれ以上)に周方向にずらされながら積層されることで、軸方向に対して小さく傾斜している。又、第4のコアブロック24の積層前V字収容孔24b,24cは、同一(品番が同じ)の前記コアシートが(第3のコアブロック23以上)に周方向にずらされながら積層されることで、軸方向に対して傾斜している。尚、本実施の形態では、第1〜第4のコアブロック21〜24が積層されることで軸方向に連続して配置される積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cがロータコア11の収容孔としてのV字収容孔11a,11b(図2参照)を構成している。そして、ロータコア11には、隣り合うV字収容孔11a,11bの間に径方向に延びる磁路形成部31,32が形成される。
又、本実施の形態のロータコア11では、周方向に隣り合うV字収容孔11a,11bのV字をなす内側の角度θ1,θ2(図2参照)が異なるように設定されて、周方向に隣り合う磁路形成部31,32におけるそれぞれの周方向中心と、ティース7の周方向中心とが同時にそれぞれ径方向に直線状態とならないように設定されている。
又、ロータコア11(第1〜第4のコアブロック21〜24)において、V字収容孔11a,11b(積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24c)の径方向外側端部には、その一部から径方向外側に延びる外側延設部41が連続して(孔の一部として)形成されている。又、V字収容孔11a,11bの径方向外側両端部に形成される一対の外側延設部41は、径方向外側両端部における互いに周方向に離間する位置に配置されている。又、ロータコア11(第1〜第4のコアブロック21〜24)において、V字収容孔11a,11b(積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24c)の径方向内側端部(略V字形状をなす一対の孔のそれぞれの径方向内側端部)には、その一部から径方向内側に延びる内側延設部42が連続して(孔の一部として)形成されている。そして、上記のように形成されるロータコア11は、その全体が略円筒状に形成され、V字収容孔11a,11b(外側延設部41及び内側延設部42を含む)を除く部位の磁気抵抗が一定とされている。言い換えると、本実施の形態のロータコア11は、V字収容孔11a,11b(外側延設部41及び内側延設部42を含む)を除く部位で磁気抵抗が大きい部分(例えば第1〜第4のコアブロック21〜24を貫通する固定ピン用の孔等)がないように形成されている。
そして、V字収容孔11a,11b(外側延設部41及び内側延設部42を除く)には、一対で径方向内側に凸の略V字形状に配置されるV字永久磁石12,13が収容保持されている。このV字永久磁石12,13は、その磁極(N極とS極)が周方向に交互になるように配設され、例えばV字永久磁石12は径方向外側(V字をなす形状において内側)がN極、V字永久磁石13は径方向内側(V字をなす形状において外側)がS極に設定される。本実施の形態では、V字永久磁石12,13は、各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cにそれぞれ配設される分割磁石51a,51b〜54a,54b(図1参照)からなる。この分割磁石51a,51b〜54a,54bは、それぞれ略4角柱状に形成され、積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cの略V字形状をなす一対の孔にそれぞれ略隙間無く収容されように設定されている。尚、本実施の形態の分割磁石51a,51b〜54a,54bは、前述したように傾斜した積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cに応じてそれぞれ形成され、収容された状態でその軸方向端面が第1〜第4のコアブロック21〜24の各端面と同一平面上に配置されるように(所謂、面一となるように)形成されている。尚、このように配設されるV字永久磁石12,13は、前述した周方向に隣り合うV字収容孔11a,11bと同様に、周方向に隣り合うV字永久磁石12,13のV字をなす内側の角度θ1,θ2(図2参照)が異なるように設定されることになる。又、このように配設されるV字永久磁石12,13は、前述したV字収容孔11a,11b(積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24c)と同様に、ロータコア11の軸方向一端側(図1及び図3中、上端側)から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が第1〜第4のコアブロック21〜24毎に徐々に大きくなるように配設される。又、本実施の形態のV字永久磁石12,13(各分割磁石51a,51b〜54a,54b)は、軸方向から見た幅(図2中、略径方向に延びる方向と直交する方向の幅)が、軸方向から見た長さ(図2中、略径方向に延びる方向の長さ)の略17%に設定されている。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)ティース7のティース数は、基本のティース数となる「外部電源の相数n(3)×磁極数P(10)=」30に対して、その2倍となるように「2×外部電源の相数n(3)×磁極数P(10)=」60に設定されるため、基本のティース数のものに比べて、コギングトルク及びトルクリップルを低減することができる。
(2)第1〜第4のコアブロック21〜24における各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cは、ロータコア11の軸方向一端側(図1及び図3中、上側)から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が(第1〜第4のコアブロック21〜24毎に)徐々に大きくなるように設定される。よって、V字収容孔11a,11b及びV字永久磁石12,13はロータコア11の軸方向一端側から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が第1〜第4のコアブロック21〜24毎に徐々に大きくなるように配設される。よって、高トルクを維持しながら、コギングトルク及びトルクリップルを更に低減することができる。
(3)ロータコア11は、V字収容孔11a,11bに対応して軸方向に貫通する積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cを有する第1〜第4のコアブロック21〜24が軸方向に積層されてなる。そして、V字永久磁石12,13は各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cにそれぞれ配設される分割磁石51a,51b〜54a,54bとされるため、ロータコア11の軸方向一端から他端まで一体成形される磁石に比べて、磁石の成形及び組み付け(積層前収容孔への挿入)が容易となる。即ち、磁気特性の優れた焼結磁石を、複雑な形状となる(本実施の形態では軸方向に対する傾斜角度が第1〜第4のコアブロック21〜24毎に徐々に大きくなる)V字収容孔11a,11bに容易に配設することができる。その結果、従来の射出成形される樹脂磁石に比べて、小型化や高効率化を容易に図ることができる。
(4)V字収容孔11a,11bの径方向外側端部には、その一部から径方向外側に延びる外側延設部41が連続して(孔の一部として)形成されるため、ロータコアの外周近くまで非磁性部分が形成されることになり、漏れ磁束(磁石のN極から直ぐに自身のS極に向かう磁束)を小さくすることができる。よって、高効率化を図ることができる。しかも、V字収容孔11a,11bの径方向外側両端部に形成される一対の外側延設部41は、径方向外側両端部における互いに周方向に離間する位置に配置されるため、ロータコア11において外側延設部41を含むV字収容孔11a,11bに略囲まれる部分の周方向両端の磁路が周方向に段階的に小さくなる。よって、ロータ3の回転時のロータ3とステータ2との間の磁束の授受が滑らかとなり、コギングトルク及びトルクリップルを更に低減することができる。
(5)周方向に隣り合うV字収容孔11a,11b及びV字永久磁石12,13のV字をなす内側の角度θ1,θ2(図2参照)が異なるように設定されて、周方向に隣り合う磁路形成部31,32におけるそれぞれの周方向中心と、ティース7の周方向中心とが同時にそれぞれ径方向に直線状態とならないように設定される。よって、隣り合う磁路形成部31,32で同時に同一の磁束分布になることが防止される。よって、コギングトルク及びトルクリップルを更に低減することができる。
(6)ロータコア11は、略円筒状に形成され、V字収容孔11a,11b(外側延設部41及び内側延設部42を含む)を除く部位の磁気抵抗が一定とされている。言い換えると、ロータコア11は、V字収容孔11a,11b(外側延設部41及び内側延設部42を含む)を除く部位で磁気抵抗が大きい部分(例えば第1〜第4のコアブロック21〜24を貫通する固定ピン用の孔等)がないように形成されている。よって、トルクの低下が防止される。
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、第1〜第4のコアブロック21〜24における各積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cは、ロータコア11の軸方向一端側から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が(第1〜第4のコアブロック21〜24毎に)徐々に大きくなるように設定されるとしたが、これに限定されない。詳しくは、複数のコアブロックの少なくとも1つのコアブロックにおける積層前V字収容孔(積層前収容孔)が他のコアブロックにおける積層前V字収容孔(積層前収容孔)に対して傾斜していれば、変更してもよい。例えば、第1〜第3のコアブロック21〜23における各積層前V字収容孔が軸方向と平行に形成され、第4のコアブロック24における積層前V字収容孔のみが軸方向に対して傾斜しているように変更してもよい。尚、勿論上記したコアブロックの数や各コアブロックの軸方向長さの割合を変更してもよい。
・上記実施の形態では、収容孔及び磁石を径方向内側に凸の略V字形状をなすV字収容孔11a,11b及びV字永久磁石12,13としたが、これに限定されず、例えば、周方向に略沿った軸方向から見て直線状の収容孔及び磁石とする等、他の形状のものに変更してもよい。
・上記実施の形態では、V字収容孔11a,11bの径方向外側端部には、その一部から径方向外側に延びる外側延設部41が形成されるとしたが、これに限定されず、外側延設部41が形成されない構成に変更してもよいし、外側延設部41の形状や位置を変更してもよい。又、内側延設部42においても、形成されない構成に変更してもよいし、形状や位置を変更してもよい。
・上記実施の形態では、周方向に隣り合うV字収容孔11a,11b及びV字永久磁石12,13のV字をなす内側の角度θ1,θ2(図2参照)が異なるように設定されるとしたが、これに限定されず、前記角度θ1,θ2が同じとなるように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ロータコア11は、V字収容孔11a,11b(外側延設部41及び内側延設部42を含む)を除く部位の磁気抵抗が一定とされるとしたが、これに限定されず、例えば第1〜第4のコアブロック21〜24を貫通する固定ピン用の孔等が形成されたものに変更してもよい。
・上記実施の形態では、外部電源の相数nが3で磁極数Pが10で基本ティース数(n×P)が30の埋込磁石型モータであって、ティース数が60のものとしたが、ティース数が「2×相数n×磁極数P」を満たすように設定されていれば、各数を変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、第1〜第4のコアブロック21〜24は、それぞれ複数の円盤状のコアシートが積層されて形成されるとしたが、同様の形状であればよく、例えば、磁性粉体を焼結して形成してもよい。
・上記実施の形態では、分割磁石51a,51b〜54a,54bは、傾斜した積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cに応じてそれぞれ形成され、収容された状態でその軸方向端面が第1〜第4のコアブロック21〜24の各端面と同一平面上に配置されるように(所謂、面一となるように)形成されるとしたが、これに限定されない。例えば、分割磁石51a,51b〜54a,54bを各辺が直角な4角柱状のものに変更してもよく、更に各分割磁石51a,51b〜54a,54bを全て同じ形状のものに変更してもよい。このようにすると、積層前V字収容孔21b,21c〜24b,24cの傾斜角度に応じて分割磁石間に僅かな隙間が生じることになるが、分割磁石の形状が単純となり、その製造が容易となる(複雑な切削加工等が不要となる)。
本実施の形態における埋込磁石型モータの側断面図。 本実施の形態におけるステータ及びロータの平面図。 本実施の形態におけるロータコアの斜視図。
符号の説明
2…ステータ、3…ロータ、7…ティース、10…巻線、11…ロータコア、11a,11b…V字収容孔(収容孔)、12,13…V字永久磁石(磁石)、21〜24…第1〜第4のコアブロック(コアブロック)、21b,21c〜24b,24c…積層前V字収容孔(積層前収容孔)、31,32…磁路形成部、41…外側延設部、51a,51b〜54a,54b…分割磁石、θ1,θ2…角度。

Claims (5)

  1. 略円筒状に形成され、周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティースに巻線が巻回されたステータと、
    軸方向に貫通する収容孔が周方向に複数形成されることで周方向に隣り合う前記収容孔の間に径方向に延びる磁路形成部が形成されたロータコアを有し、各前記収容孔にそれぞれ磁石がその磁極が交互になるように配設され、前記ステータの内側に回転可能に収容されるロータと
    を備えた埋込磁石型モータであって、
    前記ティースのティース数は、前記巻線が接続される外部電源の相数をnとし、前記磁石の磁極数をPとして、「2×n×P」に設定され、
    前記ロータコアは、前記収容孔に対応して軸方向に貫通する積層前収容孔を有する複数のコアブロックが軸方向に積層されてなり、その少なくとも1つのコアブロックにおける前記積層前収容孔が他のコアブロックにおける前記積層前収容孔に対して傾斜し、
    前記磁石は、各前記積層前収容孔にそれぞれ配設される分割磁石としたことを特徴とする埋込磁石型モータ。
  2. 請求項1に記載の埋込磁石型モータにおいて、
    前記複数のコアブロックにおける各前記積層前収容孔は、前記ロータコアの軸方向一端側から他端側に向かうほど軸方向に対する傾斜角度が徐々に大きくなるように設定されたことを特徴とする埋込磁石型モータ。
  3. 請求項1又は2に記載の埋込磁石型モータにおいて、
    前記磁石は、径方向内側に凸の略V字形状に配置されるV字永久磁石であって、
    前記収容孔の径方向外側端部には、その一部から径方向外側に延びる外側延設部が連続して形成され、前記収容孔の径方向外側両端部に形成される一対の前記外側延設部は、前記径方向外側両端部における互いに周方向に離間する位置に配置されたことを特徴とする埋込磁石型モータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の埋込磁石型モータにおいて、
    前記磁石は、径方向内側に凸の略V字形状に配置されるV字永久磁石であって、
    周方向に隣り合う前記V字永久磁石のV字をなす内側の角度が異なるように設定されて、周方向に隣り合う前記磁路形成部におけるそれぞれの周方向中心と、前記ティースの周方向中心とが同時にそれぞれ径方向に直線状態とならないように設定されたことを特徴とする埋込磁石型モータ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の埋込磁石型モータにおいて、
    前記ロータコアは、略円筒状に形成され、前記収容孔を除く部位の磁気抵抗が一定とされたことを特徴とする埋込磁石型モータ。
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