JP2006253305A - 電界効果トランジスタ及びその製造方法、並びに有機半導体材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電界効果トランジスタ及びその製造方法に関し、より詳しくは、高分子化合物を含有するn型有機半導体部を備えた有機電界効果トランジスタと、その有機電界効果トランジスタを製造する方法に関する。
電界効果トランジスタ(field-effect transistor:FET)に用いられる有機半導体材料は、これまで各種検討がなされており、例えばp型有機半導体材料としては、導電性高分子化合物、共役高分子化合物といった高分子化合物、又は、低分子化合物を利用したものが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。特に、塗布プロセスで成膜して半導体膜を作製できる高分子材料は、低温、低コストで大面積のデバイスを作製できる可能性があり、有望な材料系である。
これまでに見出された有機半導体材料の殆どは電荷輸送キャリアが正孔であるp型の半導体特性を有するもので、n型の材料は非常に限られたものである。半導体特性はp型でもn型でも同様にトランジスタ素子に利用できるが、p型とn型の両方を用いた相補型素子は非常に消費電力が小さく、応答速度も高くなることが期待されるため、集積回路素子への応用には望まれるものである。
n型有機半導体材料として、非特許文献2には、イミダゾール環を有する高分子化合物が電界効果トランジスタに使用できる可能性が記載されている。しかし、大気中で不安定で取り扱いが困難であり、配向しにくいという点に加え、用いることのできる溶媒が非常に限られており成膜の際に制限があること、また、精製法に制限があり高純度の材料を得ることが難しいため、安定的に高い特性を示す材料が得られないこと等の課題がある。
また、特許文献3には、フェナントロリン骨格を有する高分子化合物が電界効果トランジスタに使用できる可能性が記載されている。但し、本発明者がこの高分子化合物を電界効果トランジスタに応用するべく実験を行なったところ、移動度やオン/オフ比が十分でなく、実用性に乏しいことが判明した(後述の比較例1)。
また、低分子化合物を用いたn型有機半導体材料としては、ペリレンテトラカルボン酸無水物及びそのジイミド誘導体に基づいた染料、フラーレン(C60)、フッ素化銅フタロシアニンが知られているが、低分子化合物の成膜には蒸着法等の真空プロセスを用いる必要がある他、化合物の安定性や移動度等の半導体特性面での課題があり、実用性の面で十分であるとは言いがたい(特許文献4及び非特許文献1参照)。
以上の背景から、塗布や印刷等の容易なプロセスで半導体層を作製することができる有機系の材料であって、優れたn型半導体特性を発揮する材料が望まれているが、未だ実用性の高い材料は得られていない。従って、電界効果トランジスタの性能向上のために、高分子構造の最適化設計を行なうことにより、高性能なn型有機半導体材料として使用し得る高分子化合物を開発することが求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、製造の容易な有機系の材料からなるn型半導体部を備えた電界効果トランジスタであって、移動度及びオン/オフ比に優れた電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フェナントロリン構造を繰り返し単位として有する高分子錯体化合物であって、フェナントロリン骨格上に少なくとも一つのアルキル基が結合したものが、優れたn型の半導体特性を示すとの知見を得た。また、この高分子錯体化合物を電界効果トランジスタのn型半導体部の材料として用いることにより、得られる電界効果トランジスタが優れた移動度及びオン/オフ比を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくともソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及びn型有機半導体部を備える電界効果トランジスタにおいて、該n型有機半導体部が、下記式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物を含有することを特徴とする、電界効果トランジスタに存する(請求項1)。
(式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表わす。但し、R1〜R6のうち少なくとも1つは、置換されても良い炭素数4以上のアルキル基である。Mは、金属原子又は金属イオンを表わし、Lは、Mに配位する配位子を表わし、nは、0以上、3以下の整数を表わし、Bは、対イオンを表わし、mは、0以上、3以下の整数を表わす。)
ここで、該高分子化合物が上記式(1)で示される繰り返し単位と下記式(2)で示される繰り返し単位とが共重合した高分子化合物であることが好ましい(請求項2)。
(式(2)中、Arは、π共役構造を有する2価の有機基を表わす。)
また、該n型有機半導体部が配向構造を有する膜であることが好ましい(請求項3)。
また、本発明の別の要旨は、上述の電界効果トランジスタを製造する方法であって、前記n型有機半導体部の形成時、及び/又は、形成後に配向処理を行なうことを特徴とする、電界効果トランジスタの製造方法に存する(請求項4)。
また、本発明の別の要旨は、上記式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物を少なくとも含有することを特徴とする、有機半導体材料に存する(請求項5)。
本発明の電界効果トランジスタは、製造が容易な高分子材料からなるn型有機半導体部をそなえるとともに、移動度及びオン/オフ比に優れている。
また、本発明の電界効果トランジスタの製造方法によれば、n型半導体部の配向を揃え、移動度及びオン/オフ比を更に向上させることができる。
また、本発明の有機半導体材料は、n型半導体材料として好適に使用でき、これを用いれば、移動度及びオン/オフ比に優れた電界効果トランジスタを、容易に得ることが可能となる。
また、本発明の電界効果トランジスタの製造方法によれば、n型半導体部の配向を揃え、移動度及びオン/オフ比を更に向上させることができる。
また、本発明の有機半導体材料は、n型半導体材料として好適に使用でき、これを用いれば、移動度及びオン/オフ比に優れた電界効果トランジスタを、容易に得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
本発明の電界効果トランジスタは、少なくともソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及びn型有機半導体層を備えるものであって、n型半導体層が後述の式(1)で示される特定の高分子化合物を含有することを特徴とする。以下の記載では説明の便宜上、まずこの特定の高分子化合物(これを適宜「本発明の高分子化合物」という。)について説明した上で、それを用いた本発明の電界効果トランジスタについて説明する。
[I.高分子化合物]
〔I−1.高分子化合物の構造〕
本発明の高分子化合物は、下記式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
〔I−1.高分子化合物の構造〕
本発明の高分子化合物は、下記式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
前記式(1)におけるR1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表わす。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でもフッ素原子が好ましい。
1価の有機基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換シリル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられる。上記アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基等の水素原子の一部は、フッ素原子又は塩素原子によって置換されていてもよい。
ここで、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状の何れでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。また、フッ素原子又は塩素原子に置換されているハロゲン化アルキル基は、n型半導体の性質向上につながるので更に好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環状の何れでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。また、フッ素原子又は塩素原子に置換されているハロゲン化アルコキシ基は、n型半導体の性質向上につながるので更に好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状の何れでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。また、フッ素原子又は塩素原子に置換されているハロゲン化アルキルチオ基は、n型半導体の性質向上につながるので更に好ましい。
アリール基とは、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、アリール基には、縮合芳香族多環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合多環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。アリール基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルケニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキニル基が好ましい。
置換シリル基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基をいい、炭素数は通常1〜60程度である。置換シリル基としては、アルキルシリル基、(アルキル)(アリール)シリル基等があげられる。アルキルシリル基は、直鎖、分岐又は環状の何れでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、i−プロピルシリル基、ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基が好ましい。(アルキル)(アリール)シリル基は、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニルC1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリルキ、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐又は環状の何れでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度である。これらのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙げられる。これらの具体例において、すべてジ体も含まれる。これらの中で、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。また、フッ素原子又は塩素原子に置換されているハロゲン化アルキルアミノ基は、n型半導体の性質向上につながるので更に好ましい。
アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜60程度のアリール基を有しており、モノ体、ジ体でもよく、ジ体の場合には同一の基でも異なる基でもよい。より具体的にはフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などが例示され、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基が好ましい。これら例にはジ体も含まれる。
1価の複素環基は、炭素数は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいう。
置換カルボキシル基は、炭素数が通常2〜60程度であり、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基をいい、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられる。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
これまで述べてきた置換基の例のうち、アルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐又は環状の何れか又はそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。更に、置換基の例のうち、アリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらが更に置換基を有していてもよい。これらの置換基は、フッ素原子であればn型半導体の性質向上につながるので更に好ましい。
これらの水素原子以外の基が長鎖置換基である場合には、良溶解性の観点から、C(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、S(硫黄)の何れかの原子をその総数として4以上有することが好ましく、更に好ましくは炭素原子と窒素原子をそれらの総数で4以上有することである。
これらの中でも、一価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましく、更に好ましくはアルキル基である。
特に、本発明の高分子化合物は、前記式(1)におけるR1〜R6のうち少なくとも1つが、置換されても良い炭素数4以上のアルキル基であることを特徴とする。このアルキル基の存在によって、本発明の高分子化合物は優れたn型半導体特性を発揮する。その理由は明らかではないが、アルキル基により溶解性が向上し、アルキル基のスペースが自由に運動できるため、分子主鎖の再配向が促進され、その結果、フェナントロリン構造が更に高度の配向構造を取りやすくなり、自己組織化によってπ共役系が自然に高次配向構造を取るものと推測される。
従来、高い平面性を有するポリ−3−アルキルチオフェン等の高分子化合物を配向させて半導体特性を向上させることは知られている。しかし、本発明の高分子化合物が有するフェナントロリン構造は、金属が6座で配位する平面性の悪い構造であり、この様な平面性の悪い構造を配向させることは通常思いつかないことである。また、上述のポリ−3−アルキルチオフェン等の高分子化合物の配向は、π軌道とπ軌道とのスタッキングが関与するものと考えられている。これに対して、本発明の高分子化合物の配向は、フェナントロリン構造に配位する金属のd軌道も関与してスタッキングが生じると考えられ、その点でも従来のポリ−3−アルキルチオフェンの配位とは異なる。
アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよく、これらの構造が2つ以上結合してなる構造でも良い。但し、得られる高分子化合物のn型半導体としての特性を向上させる観点からは、直鎖状のアルキル基が好ましい。炭素数は通常4以上、好ましくは6以上であり、また、通常20以下、好ましくは18以下、更に好ましくは12以下の範囲である。直鎖状のアルキル基の具体例としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられるが、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基が好ましい。
R1〜R6に占めるアルキル基の数は、1以上であれば特に制限されないが、通常4以下、好ましくは3以下、更に好ましくは2以下の範囲である。アルキル基の数が多過ぎると一般的に合成が困難であり、且つ、スタッキングの阻害要因になるという理由から好ましくない。
また、R1〜R6のうちどの基がアルキル基であるかは特に制限されないが、R1、R4、R5、及びR6のうち少なくとも何れかがアルキル基であることが好ましく、R5及び/又はR6がアルキル基であることがより好ましい。その理由は、アルキル基が分子間のスタッキングの阻害にならない位置だからである。
なお、前記式(1)におけるR1〜R6のうち、上述のアルキル基以外の基としては、水素原子;アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子等の電子吸引性基が好ましい。更に好ましくは水素原子、シアノ基、フッ素原子、塩素原子であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子である。
前記式(1)におけるMは、金属原子又は金属イオンを表わす。Mの好ましい例としては、遷移金属、白金族又は希土類金属から選ばれる金属原子又は該金属原子の金属イオンを挙げることができる。金属原子としては、具体的には亜鉛、銅、鉄、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム又はジスプロシウムなどが挙げられる。
前記式(1)におけるLは、Mに配位する配位子を表わす。配位子Lの好ましい例としては、カルボニル配位子、アセテート配位子、カルボキシル配位子、アルキル配位子、アルケン配位子、アルキン配位子、アルコキシ配位子、アミン配位子、イミン配位子、ニトリル配位子、イソニトリル配位子、ホスフィン配位子、ホスフィンオキシド配位子、ホスファイト配位子、エーテル配位子、スルホン配位子、スルホキシド配位子、スルフィド配位子、複素環配位子等が挙げられる。
具体的には、カルボニル配位子としては、一酸化炭素やアセトン、べンゾフェノンなどのケトン類、アセチルアセトン、アセナフトキノンなどのジケトン類、アセチルアセトナート、ジベンゾメチラート、テノイルトリフルオロアセトナートなどのアセトナート配位子などが例示される。
アセテート配位子としては、アセト酢酸エチルアニオン、アセト酢酸プロピルアニオン等が挙げられる。
カルボキシル配位子としてはメチルカルボキシラート、エチルカルボキシラート、プロピルカルボキシラート、ブチルカルボキシラート、ヘキシルカルボキシラート、ヘプチルカルボキシラート、デシルカルボキシラート等が挙げられる。
アルキル配位子としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル等が挙げられる。
アルケン配位子としては例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、デセン等が挙げられる。
アルキン配位子としては、アセチレン、フェニルアセチレン、ジフェニルアセチレン等が挙げられる。
アルコキシ配位子としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ等が挙げられる。
アミン配位子としては例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
イミン配位子としては、ベンゾフェノンイミン、メチルエチルケトンイミン等が挙げられる。
ニトリル配位子としては、アセトニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
イソニトリル配位子としては、t−ブチルイソニトリル、フェニルイソニトリル等が挙げられる。
ホスフィン配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。
ホスフィンオキシド配位子としては、トリブチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
ホスファイト配位子としては、トリフェニルホスファイト、トリトリルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリエチルホスファイト等が挙げられる。
エーテル配位子としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。スルホン配位子としては、ジメチルスルホン、ジブチルスルホン等が挙げられる。スルホキシド配位子としては、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド等が挙げられる。
スルフィド配位子としては、エチルスルフィド、ブチルスルフィド等が挙げられる。
複素環配位子としては、フェニルピリジン、2−(パラフェニルフェニル)ピリジン、7−ブロモベンゾ[h]キノリン、2−(4−チオフェン−2−イル)ピリジン、2−(4−フェニルチオフェン−2−イル)ピリジン、2−フェニルベンゾオキサゾール、2−(パラフェニルフェニル)ベンゾオキサゾール、2−フェニルベンゾチアゾール、2−(パラフェニルフェニル)ベンゾチアゾール、2−(ベンゾチオフェン−2−イル)ピリジン等が挙げられる。
前記式(1)におけるnは、配位子Lの数を表わし、0以上、3以下の整数である。
前記式(1)におけるBは、対イオンを表わす。対イオンBは単原子のイオンでも良く、複数原子からなる原子団のイオンでも良い。対イオンBの例としては、F-、Cl-、Br-、I-等のハロゲンイオン、BF4 -、ClO4 -、PF6 -、SO4 2-、PO3 -、CH3COO-、CO3 2-等が挙げられる。
前記式(1)におけるmは、対イオンBの数を表わし、0以上、3以下の整数である。
本発明の高分子化合物は、前記式(1)の繰り返し単位に加えて、更に、下記式(2)で示される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Arの例としては、以下の式(I)〜(XII)で表わされる構造が挙げられる。但し、これらはあくまでも例示であり、本発明の高分子化合物に適用可能なArは以下の式(I)〜(XII)の構造に限定される訳ではない。
上記式(I)〜(XII)において、各符号の定義はそれぞれ以下の通りである。
R7〜R73は、各々独立に、
H、
F、
CH3−、
CH3(CH2)n−(nは1以上、23以下の整数を表わす。)、
CH3(CH2)n(CF2)m−(n及びmは各々独立に、1以上、23以下の整数を表わす。)、
CF3−、
CF3(CF2)n−(nは1以上、23以下の整数を表わす。)、
CF3(CH2)n(CF2)m−(n及びmは各々独立に、1以上、23以下の整数を表わす。)、
フェニル基、
ニトロ基、
アミノ基、
シアノ基、
カルボキシル基、
スルホン酸基、
水酸基、又は
アルコキシ基を表わす。
H、
F、
CH3−、
CH3(CH2)n−(nは1以上、23以下の整数を表わす。)、
CH3(CH2)n(CF2)m−(n及びmは各々独立に、1以上、23以下の整数を表わす。)、
CF3−、
CF3(CF2)n−(nは1以上、23以下の整数を表わす。)、
CF3(CH2)n(CF2)m−(n及びmは各々独立に、1以上、23以下の整数を表わす。)、
フェニル基、
ニトロ基、
アミノ基、
シアノ基、
カルボキシル基、
スルホン酸基、
水酸基、又は
アルコキシ基を表わす。
A3〜A30は、各々独立に、炭素原子又は窒素原子を表わす。
Q1〜Q6は、各々独立に、−CR74R75−、−NR76−、−S−、−SiR77R78−、又は−Se−を表わす(R74〜R78は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上23以下の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、又はそのアルキル基が1又は2以上のフッ素原子で置換されたフッ素置換アルキル基を表わす。)。
n1は、0以上6以下の整数を表わす。
n2は、1以上6以下の整数を表わす。
n3及びn4は、各々独立に、1以上8以下の整数を表わす。
n5及びn10は、各々独立に、1以上10以下の整数を表わす。
n6〜n9及びn11〜n14は、各々独立に、0以上10以下の整数を表わす。
n2は、1以上6以下の整数を表わす。
n3及びn4は、各々独立に、1以上8以下の整数を表わす。
n5及びn10は、各々独立に、1以上10以下の整数を表わす。
n6〜n9及びn11〜n14は、各々独立に、0以上10以下の整数を表わす。
本発明の高分子化合物が式(1)の繰り返し単位に加えて式(2)の繰り返し単位(Ar)を併有する場合、高分子化合物における式(2)の繰り返し単位の含有率は特に制限されない。式(1)の繰り返し単位以外が全て式(2)の繰り返し単位で占められていても良く、更にその他の繰り返し単位が含有されていてもよい。また、本発明の高分子化合物に含有される式(2)の繰り返し単位は、一種類のみでもよく、二種類以上でもよい。
また、本発明の高分子化合物中における式(1)の繰り返し単位及び式(2)の繰り返し単位の存在状態も特に制限されない。例えば、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位が交互に存在していても良く、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位がランダムに存在していても良く、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位とが別個に集合してブロック状に存在していても良い。好ましくは、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位が交互に存在するもの、又は、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位とが別個に集合してブロック状に存在するものである。
式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位が交互に存在する場合には、高分子化合物の少なくとも一部において存在することが好ましく、中でも、高分子化合物の実質的に全体において、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位が交互に存在していることが好ましい。即ち、本発明の高分子化合物が式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位の双方を含む場合、該高分子化合物は下記式(3)で示される繰り返し単位から実質的になることが好ましい。
以下に、上記式(3)の繰り返し単位からM,L及びBを除いた部分の具体例を示す。なお、以下の例示において、R1〜R6のうち水素原子については記載を省略するとともに、水素原子以外の基については特に区別せず「R」で総称して表わすものとする。
一方、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位とが別個に集合してブロック状に存在する場合には、各ブロックに固有の機能を有するブロックをポリマー鎖に組み入れることが可能で、分子設計上好ましい。
本発明の高分子化合物は、上述の式(1)、式(2)、式(3)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。上述の式(1)、式(2)、式(3)で示される繰り返し単位の合計は、全繰り返し単位の通常1モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上、また、通常100モル%以下、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下の範囲である。
上述の式(1)、式(2)、式(3)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位の具体例としては、例えば、国際公開第99/13692号明細書、国際公開第99/48160号明細書、英国特許出願公開第2340304A号明細書、国際公開第00/53656号明細書、国際公開第01/19834号明細書、国際公開第00/55927号明細書、英国特許第2348316号明細書、国際公開第00/46321号明細書、国際公開第00/06665号明細書、国際公開第99/54943号明細書、国際公開第99/54385号明細書、米国特許第5777070号明細書、国際公開第98/06773号明細書、国際公開第97/05184号明細書、国際公開第00/35987号明細書、国際公開第00/53655号明細書、国際公開第01/34722号明細書、国際公開第99/24526号明細書、国際公開第00/22027号明細書、国際公開第00/22026号明細書、国際公開第98/27136号明細書、米国特許第573636号明細書、国際公開第98/21262号明細書、米国特許第5741921号明細書、国際公開第97/09394号明細書、国際公開第96/29356号明細書、国際公開第96/10617号明細書、欧州特許第0707020号明細書、国際公開第95/07955号明細書、特開2001−181618号公報、特開2001−123156号公報、特開2001−3045号公報、特開2000−351967号公報、特開2000−303066号公報、特開2000−299189号公報、特開2000−252065号公報、特開2000−136379号公報、特開2000−104057号公報、特開2000−80167号公報、特開平10−324870号公報、特開平10−114891号公報、特開平9−111233号公報、特開平9−45478号公報等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体に含まれている繰り返し単位が例示される。
〔I−2.高分子化合物の製造〕
本発明の高分子化合物は、例えば、下記式(4)で示されるモノマー化合物と、必要に応じ、この式(4)のモノマー化合物と重合反応可能な他のモノマー化合物とを反応させて重合体(以下適宜「原料重合体」ということがある。)を作製し、得られた原料重合体をMを含む金属錯体と反応させることにより製造することができる。
本発明の高分子化合物は、例えば、下記式(4)で示されるモノマー化合物と、必要に応じ、この式(4)のモノマー化合物と重合反応可能な他のモノマー化合物とを反応させて重合体(以下適宜「原料重合体」ということがある。)を作製し、得られた原料重合体をMを含む金属錯体と反応させることにより製造することができる。
この場合、本発明の高分子化合物の製造に使用する原料重合体の極限粘度数としては、通常0.05dl/g以上、2.0dl/g以下の範囲が好ましい。
また、上記式(4)のモノマー化合物をMを含む金属錯体と反応させて得られた金属錯体化合物を、上記式(4)のモノマー化合物の代わりにモノマー化合物として使用し、重合することにより、本発明の高分子化合物を製造することもできる。
本発明の高分子化合物が前記式(1)の繰り返し単位に加えて、更に前記式(2)の繰り返し単位を含む場合、その原料重合体は、原料モノマー化合物として上記式(4)のモノマー化合物又はその金属錯体に加えて、下記式(5)で示されるモノマー化合物又はその金属錯体を使用して製造することができる。
上記の式(4)及び式(5)における重合可能な基X1、X2、Y1及びY2としては、例えば、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、アシルオキシ基、硼酸基、硼酸エステル基、ハロゲン化メチル基、スルホニウム塩基、アルデヒド基、ホスホニウム塩基等が例示される。
本発明の高分子化合物が、前記の式(1)、(2)の繰り返し単位以外にビニレン基や三重結合を有しない場合には、該高分子化合物又はその原料重合体は、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法(Yamamoto重合)、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、或いは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
例えば、式(1)の繰り返し単位を有する高分子化合物の原料重合体は、上記式(4)においてX1及びX2がハロゲン原子であるモノマー化合物のゼロ価ニッケル錯体による脱ハロゲン化重合反応(Yamamoto重合)によって製造することができる。この重合反応には、モノマー化合物に対して0.1〜3倍モルの0価ニッケルNi(0)錯体を用い、溶媒を用いて行なうことが好ましい。0価ニッケル(Ni(0))錯体は、たとえばビス(1,5−シクロオクタジェン)ニッケルと、2,2′−ビピリジルとの混合物等の形態として用いることができる。
該モノマー化合物としてのハロゲン化フェナントロリン化合物は、例えば以下の参考文献に記載の方法により合成することができる。
・Tetrahedron Letters,1995年,第36巻,p.3489〜3490
・Canadian Journal of Chemistry,1997年,第75巻,p.1336〜1339
・Macromolecules,2004年,第37巻,p.3064〜3067
・Tetrahedron Letters,1995年,第36巻,p.3489〜3490
・Canadian Journal of Chemistry,1997年,第75巻,p.1336〜1339
・Macromolecules,2004年,第37巻,p.3064〜3067
この場合、重合に用いる溶媒としては、たとえばDMF(ジメチルホルムアミド)、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタリン、テトラリン、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等が挙げられ、トルエン、キシレン、テトラリン、テトラメチルベンゼンが好ましい。これらの有機溶媒を用いて、好ましくは20〜80℃程度の温度で重合を行なうことができる。また、ゼロ価ニッケル錯体は、反応系中において、たとえば亜鉛と2価ニッケル錯体の反応により調製したものを用いてもよい。この場合、ニッケル錯体は反応系中にある亜鉛等により繰り返し用いることができるので、原料モノマー化合物に対するニッケル錯体の使用割合は、モル比として0.01〜0.5程度の範囲でよい。
また、上記式(1)で示される繰り返し単位と、上記式(2)で示される繰り返し単位とを有する高分子化合物の原料重合体は、上記式(4)においてX1及びX2がハロゲン原子であるモノマー化合物と、上記式(5)においてY1及びY2がハロゲン原子であるモノマー化合物を上記条件で反応させることにより製造することができる。この場合、通常ランダム共重合体が生成する。
また、上記式(1)の繰り返し単位と上記式(2)の繰り返し単位とを有する高分子化合物の原料重合体は、上記式(4)においてX1及びX2がハロゲン原子であるモノマー化合物又はその金属錯体と、上記式(5)においてY1及びY2がホウ酸基又はホウ酸エステル基であるモノマー化合物又はその金属錯体とのSuzukiカップリング、又は、上記式(4)においてX1及びX2がホウ酸基又はホウ酸エステル基であるモノマー化合物又はその金属錯体と、上記式(5)においてY1及びY2がハロゲン原子であるモノマー化合物又はその金属錯体とのSuzukiカップリングで得ることができる。この場合は通常、上記式(3)の繰り返し単位から実質的になる交互共重合体が生成する。
Suzukiカップリング反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。重合溶媒としては、重合を阻害しないものであれば特に限定されないが、N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタリン、テトラリン等が挙げられ、トルエン、キシレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等が挙げられ、高分子化合物に対する良溶媒である、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが好ましい。反応操作等は、例えば、特開2000−44544号公報に記載の方法に準じて行なうことができる。
また、本発明の高分子化合物又はその原料重合体が、上記式(1)の繰り返し単位及び式(2)の繰り返し単位以外の繰り返し単位にビニレン基を有する場合には、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、アルデヒド基を有する化合物とホスホニウム塩基を有する化合物との、もしくはアルデヒド基とホスホニウム塩基とを有する化合物のWittig反応による重合;ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物との、もしくはビニル基とハロゲン原子とを有する化合物のHeck反応による重合;アルデヒド基を有する化合物とアルキルホスホネート基を有する化合物との、もしくはアルデヒド基とアルキルホスホネート基とを有する化合物のHorner−Wadsworth−Emmons法による重合;ハロゲン化メチル基を2つ或いは2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合;スルホニウム塩基を2つ或いは2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合;アルデヒド基を有する化合物とアセトニトリル基を有する化合物との、もしくはアルデヒド基とアセトニトリル基とを有する化合物のKnoevenagel反応による重合などの方法;アルデヒド基を2つ或いは2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。高分子化合物が主鎖に三重結合を有する場合には、例えばHeck反応が利用できる。
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Horner−Wadsworth−Emmons法による重合、Knoevenagel反応による重合、及びSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法(Yamamoto重合)が、構造制御がしやすいので好ましい。更に好ましくはSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法である。
Ni(0)触媒により重合する方法(Yamamoto重合)、Suzukiカップリング反応により重合する方法以外の重合方法について具体的に説明する。モノマー化合物として、上記の式(4)や式(5)のモノマー化合物等の、重合可能な基を複数有する化合物を、必要に応じて有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用いて、有機溶媒の融点以上沸点以下で反応させることができる。
この方法としては、例えば、以下の文献等に記載の公知の方法を用いることができる。
“Organic Reactions”,第14巻,p.270〜490,John Wiley & Sons, Inc.,1965年;
“Organic Reactions”,第27巻,p.345〜390,John Wiley & Sons, Inc.,1982年;
“Organic Syntheses”,Collective Volume VI,p.407〜411,John Wiley & Sons, Inc.,1988年;
Chemical Review,第95巻,p.2457,1995年;
Journal of Organometallic Chemistry,第576巻,p.147,1999年;
Journal fur Praktische Chemie,第336巻,p.247,1994年);
Makromolecular Chemie, Macromolecular Symposium,第12巻,p.229,1987年。
“Organic Reactions”,第14巻,p.270〜490,John Wiley & Sons, Inc.,1965年;
“Organic Reactions”,第27巻,p.345〜390,John Wiley & Sons, Inc.,1982年;
“Organic Syntheses”,Collective Volume VI,p.407〜411,John Wiley & Sons, Inc.,1988年;
Chemical Review,第95巻,p.2457,1995年;
Journal of Organometallic Chemistry,第576巻,p.147,1999年;
Journal fur Praktische Chemie,第336巻,p.247,1994年);
Makromolecular Chemie, Macromolecular Symposium,第12巻,p.229,1987年。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行なうことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合には、その限りではない。
反応を進行させるために、反応系に適宜、アルカリや適当な触媒を混合する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。このアルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を加えるか、逆にアルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと加える方法が例示される。
なお、本発明の高分子化合物を電界効果トランジスタの半導体部の材料として用いた場合、その純度が電界効果トランジスタの性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製した後に重合することが好ましい。また、重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
〔I−3.高分子化合物の特性及び用途〕
電界効果トランジスタのn型半導体部は、キャリア移動度(以下適宜「移動度」と略する。)が高いことが望ましい。電界効果トランジスタの移動度を高くすることにより、電界効果トランジスタの駆動できる電流量を増大し、素子の応答速度を向上させることが可能となる。ディスプレイデバイスへの応用のためには、電界効果トランジスタの移動度は10-4cm2/Vs以上が望ましく、更に10-3cm2/Vs以上が望ましい。本発明の高分子化合物をn型半導体材料として用いて電界効果トランジスタのn型半導体部を形成することによって、この様な高い移動度を達成することが可能となる。
電界効果トランジスタのn型半導体部は、キャリア移動度(以下適宜「移動度」と略する。)が高いことが望ましい。電界効果トランジスタの移動度を高くすることにより、電界効果トランジスタの駆動できる電流量を増大し、素子の応答速度を向上させることが可能となる。ディスプレイデバイスへの応用のためには、電界効果トランジスタの移動度は10-4cm2/Vs以上が望ましく、更に10-3cm2/Vs以上が望ましい。本発明の高分子化合物をn型半導体材料として用いて電界効果トランジスタのn型半導体部を形成することによって、この様な高い移動度を達成することが可能となる。
また、電界効果トランジスタの半導体部は、オン/オフ比が高いことが望ましい。電界効果トランジスタのオン/オフ比を高くすることにより、有効なスイッチとすることができる。ディスプレイデバイスへの応用のためには、電界効果トランジスタのオン/オフ比は100以上が望ましく、より好ましくは130以上、更に好ましくは1000以上である。本発明の高分子化合物を半導体材料として用いて電界効果トランジスタの半導体部を形成することによって、この様な高いオン/オフ比を達成することが可能となる。
上述の様に、本発明の高分子化合物は、アルキル基の作用によってフェナントロリン構造が配向構造を取りやすくなり、自己組織化によってπ共役系が自然に配向構造を取るものと推測される。この自己組織化を生じさせるためには、本発明の高分子化合物(又はそれを含む半導体材料)を成膜して電界効果トランジスタの半導体部を形成する際には、時間をかけて配向構造の形成を促すことが必要である。よって、スピンコーティングのような短時間で成膜するプロセスよりは、溶液のキャスト、ディップコートのように1秒以上の時間をかけて成膜するプロセスが望ましい。また、溶媒としては、低沸点のものよりも、その沸点が通常80℃以上、好ましくは100℃以上の高沸点溶媒が望ましい。
なお、本発明の高分子化合物を半導体材料として用いて成膜し、電界効果トランジスタの半導体部を形成する際には、配向構造の形成を促す処理(以下適宜「配向処理」という。)を施すことが好ましい。配向処理は、半導体部の形成前、形成時、形成後の何れの時機に行なってもよい。配向処理の例としては、以下のものが挙げられる。
半導体部の形成前(半導体材料の成膜前)の配向処理としては、成膜対象となる基板や絶縁体層に対する表面処理などが挙げられる。配向構造の形成は、基板の影響を受けて促進されることが多い。よって、基板として液晶配向膜のような細かい溝を形成させた表面を有するものを用いれば、配向性を更に制御することができる。この様な基板として、例えばポリイミド膜をラビング処理したものが利用できる。また、基板に対するその他の処理としては、疎水化処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、プラズマ処理、ラングミュアブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、電気的処理等が挙げられる。
半導体部の形成時(半導体材料の成膜時)の配向処理としては、基板のアニーリングを行なったり、磁場や電場、偏光光等の外場を作用させることにより、配向構造の形成を制御する処理などが挙げられる。
半導体部の形成後(半導体材料の成膜後)の配向処理としては、加熱処理により一度高分子膜の分子運動を誘起しておいて冷却する手法や、再度溶媒処理を施す手法等が挙げられる。
配向の状態は、X線回折法、偏光でのUV−VIS(紫外・可視)吸収スペクトルやIR(赤外)吸収スペクトルの測定、偏光でのラマンスペクトル測定、偏光を用いた顕微鏡観察、NEXAFS(Near Edge X-ray Absorption Fine Structure)法などを利用して測定することができる。X線回折法では、配向した構造によりその周期に対応する回折ピークが強く現れる。通常はアモルファス高分子膜のX線回折ではブロードなハローが観測されるだけであるのに対し、半値全幅が3度以下のピークが観測された場合には構造形成した配向した膜であるということができる。X線ではミクロな配向が見られるのに対し、マクロに配向して異方性が見られることもある。偏光を用いたスペクトルや顕微鏡の測定では、偏光の方向によりスペクトルや像が異なるものが得られることで配向が確認できる。この場合には10μmφの同一場所で偏光の方向により少なくとも一つのスペクトル帯の強度変化が最大値と最小値で2倍以上異なるものをいう。この様にミクロ或いはマクロに配向している膜は、半導体特性を示すのに都合の良い膜である。
以上のように、本発明の高分子化合物は、n型半導体特性を示す有機半導体材料(本発明の有機半導体材料)として、好適に用いることができる。なお、本発明の有機半導体材料としては、本発明の高分子化合物のみからなるものでもよいが、その他の成分(例えば、後述するような添加剤やその他の高分子化合物等)を含んでいてもよい。また、本発明の高分子化合物のうち一種のみからなるものでもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で含んでいてもよい。
[2.電界効果トランジスタ]
〔II−1.電界効果トランジスタの構造〕
本発明の電界効果トランジスタは、少なくともソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及びn型有機半導体部を備えるとともに、n型有機半導体部が上述の本発明の高分子化合物を含有することを特徴とする。n型有機半導体部は通常は層状に構成されるので、これを適宜「半導体層」と略する。半導体層中に占める本発明の高分子化合物の含有率は、好ましくは1〜99重量%程度である。
〔II−1.電界効果トランジスタの構造〕
本発明の電界効果トランジスタは、少なくともソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及びn型有機半導体部を備えるとともに、n型有機半導体部が上述の本発明の高分子化合物を含有することを特徴とする。n型有機半導体部は通常は層状に構成されるので、これを適宜「半導体層」と略する。半導体層中に占める本発明の高分子化合物の含有率は、好ましくは1〜99重量%程度である。
ここで、電界効果トランジスタ(FET)とは、半導体層に接して2つの電極間(ソース電極及びドレイン電極)があり、その電極間(チャネルと呼ばれる)に流れる電流を、もう一つのゲートと呼ばれる電極に印加する電圧で制御する形式である。ゲート電極は半導体層に電界を印加するだけで、基本的には電流は流れない構造になっている。
本発明では、半導体層の材料として有機系の材料(本発明の高分子化合物)を用いるので、比較的低温のプロセスで製造することができ、基板にプラスチックフィルム等を使用することが可能になり、軽量で柔軟性に優れた、壊れにくい電解効果トランジスタを作製できるという利点がある。従って、得られる電解効果トランジスタを薄膜で可撓性のあるものとすることができ、これを各セルのスイッチング素子に利用することで、可撓性のあるアクティブマトリクス液晶ディスプレイが作製できるなど、広く応用できる。
さて、電界効果トランジスタの動作特性は、半導体層のキャリア移動度μ、電導度σ、絶縁層の静電容量Ci、素子の構成(ソース・ドレイン電極間距離L及び幅W、絶縁層の膜厚d等)などにより決まる。電界効果トランジスタに用いる半導体材料はキャリア移動度μが高いほど好ましいが、本発明の高分子化合物はキャリア移動度μが高いという特徴があるため、これを電界効果トランジスタに用いることにより高い効果が得られる。また、本発明の電界効果トランジスタは漏れ電流(リーク電流)が小さくオンオフ比が大きく、膜及び特性の安定性が高く寿命が長いという利点がある。更には、使用可能温度幅が広く、成膜性が良く、大面積適用性があり、低コストで製造できるという利点もある。
一般に、ゲート電極が絶縁膜で絶縁されている構造(Metal−Insulator−Semiconductor:MIS構造)がよく用いられる。他には、ショットキー障壁を介してゲート電極が形成されている構造のものもあるが、有機半導体材料を用いたFETの場合、MIS構造がよく用いられる。
以下、図を用いて本発明の電界効果トランジスタについてより詳細に説明するが、本発明はこれら構造には限られない。
図1(A)〜(D)は何れも、本発明の電界効果トランジスタの一種である横型電界効果トランジスタ(横型FET)の構造例を示す模式図である。図1(A)〜(D)において、1が半導体層、2が絶縁体層、3及び4がソース電極及びドレイン電極、5がゲート電極、6が基板を表わす。これらの各層や電極の配置は、電界効果トランジスタの用途により適宜選択できる。このような構造の電界効果トランジスタは、基板6と並行方向に電流が流れるので、横型FETと呼ばれている。
基板6は、上に形成される各層が剥離することなく保持できる必要がある。このような材料としては、例えば、樹脂からなる板やフィルム、紙、ガラス、セラミックなどの絶性材料、金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成したものや、樹脂と無機材料との組み合わせなど各種の組み合わせからなる複合材料等が挙げられる。中でも、樹脂フィルムや紙を用いると、得られる電界効果トランジスタに可撓性を持たせることができるので好ましい。
電極3,4,5には、導電性を有する材料を用い得る。例えば、白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属及びそれらを含む合金;InO2、SnO2、ITO等の導電性の酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子化合物;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体;カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料等が挙げられる。
また、導電性高分子化合物や半導体には、ドーピングが行われていても良い。ドーパントとしては、例えば、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF6、AsF5、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等が挙げられる。また、上記材料にカーボンブラックや金属粒子などを分散した導電性の複合材料も用いうる。
なお、電極3,4,5には、他の素子と連結するための配線(図示は省略する)が設けられる。これらの配線も、電極3,4,5と同様の材料により作製できる。
絶縁体層2は絶縁性を有する材料を用いうる。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の高分子及びこれらを組み合わせた共重合体;二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物;SrTiO3、BaTiO3等の強誘電性酸化物;窒化珪素等の窒化物;硫化物;フッ化物などの誘電体、或いはこれら誘電体の粒子を分散させた高分子等が挙げられる。
絶縁体層2の膜厚は、上記の通り、必要な機能を果たせる範囲で、薄いほど好ましい。その膜厚は通常1nm以上であり、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。但し、その膜厚は通常10μm以下であり、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは500nm以下である。
半導体層1の材料としては、本発明の高分子化合物を主成分として含む半導体材料が好ましく用いられる。ここで「主成分」とは、通常50重量%以上、好ましくは80重量%以上の割合で含まれる成分をいう。なお、本発明の高分子化合物には、その特性を改善したり他の特性を付与するために、必要に応じて他の有機半導体材料を混合したり、各種の添加剤等を加えて用いても良い。添加剤の例としては、可塑剤や、ドーピングを施させる還元剤、酸化剤等が挙げられる。また、半導体層1は複数の層からなっていても良い。
半導体層1の膜厚は、必要な機能を果たせる範囲で、薄いほど好ましい。図1に例示するような横型の電界効果トランジスタ素子(ソース電極とドレイン電極がほぼ水平に配置されている)においては、所定以上の膜厚があれば素子の特性は膜厚に依存しない一方、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多いためである。必要な機能を果たすために、その膜厚は通常1nm以上であり、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。但し、その膜厚は通常10μm以下であり、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは500nm以下である。
本発明の電界効果トランジスタには、各層の間や素子の外面に必要に応じて、上に例示した層以外に他の層を設けることもできる。例えば、半導体層上に直接、又は他の層を介して、保護層を形成すると、湿度などの外気の影響を最小限にできる利点がある。また、本発明の電界効果トランジスタやそれを使用した電子デバイスのオン/オフ比を上げるなど、電気的特性を安定化できる利点もある。
保護層の材料は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の各種樹脂からなる膜や、酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等、無機酸化膜や窒化膜等の誘電体からなる膜が好ましく挙げられる。特に、酸素や水分の透過率や吸水率の小さな樹脂(高分子)が望ましい。
また、本発明の電界効果トランジスタの一種として、他に静電誘導トランジスタ(static induction transistor:SIT)がある。以下、SITの構造を説明する。
横型FETではソース電極とドレイン電極が基板上に並べて配置され、電流の流れる方向がゲート電極により誘起される電場に対して垂直方向であるのに対し、SITではソース電極とドレイン電極との間の適当な位置にゲート電極がグリッド上に配置され、電流の方向がゲート電極により誘起される電場に対して平行方向である点を特徴とする。
図2は、本発明の電界効果トランジスタの一種である静電誘導トランジスタ(SIT)の構造の例を示す模式図である。7がソース電極、8がドレイン電極であり、9がゲート電極、10が半導体層である。これらは図示しない基板上に設けられる。SITの構造によれば、キャリアの流れが平面状に広がるので一度に大量のキャリアを移動できる。また、ソース電極とドレイン電極が縦に配置されているので、電極間距離を小さくできるため応答が高速である。従って、大電流を流したり、高速のスイッチングを行なう用途に好ましく適用できる。
半導体層10に関する説明は上記半導体層1と同様であり、電極7,8に関する説明は上記電極3,4,5と同様である。
ゲート電極9は、電極間をキャリアが通り抜けていく網目或いはストライプ状の構造をしている。ゲート電極の網目の間隔は、ソースとドレインとの距離(素子の厚さに相当する。)よりも小さいことが望ましい。また、電極の厚みは、通常10nm以上であり、好ましくは20nm以上である。但し、通常10μm以下であり、好ましくは1μm以下である。
ゲート電極9の材料としては上述の電極3,4,5と同様のものが用いうるが、好ましくは金属、合金や導電性高分子等の導電性材料からなる島状構造薄膜を用いる。例えば、厚さ50nm以下の薄膜で半透明のアルミニウム電極などを用いることができる。
ゲート電極9と半導体層10の間には、通常、絶縁層或いはエネルギー障壁を設け、電極からのキャリアの出入りが抑えられるようにする。例えば電極の周りに絶縁層をパターニングして形成してもよい。また、電極材料として、半導体とエネルギー障壁を作りうる金属を選択し、半導体層との間でキャリアの出入りを押さえても良い。例えばアルミニウムを選ぶことで、p型半導体との間にいわゆるショットキー障壁を形成しうる。
また、各層の間や素子の外面には、必要に応じて他の層を設けてもよい。
本発明の電界効果トランジスタを静電誘導トランジスタ(SIT)として構成すると、キャリア移動度μが高く、漏れ電流が小さくオンオフ比が大きく、膜及び特性の安定性が高く寿命が長いという利点がある。更には、使用可能温度幅が広く、成膜性が良く、大面積適用性があり、低コストで製造できるという利点もある。
本発明の電界効果トランジスタを静電誘導トランジスタ(SIT)として構成すると、キャリア移動度μが高く、漏れ電流が小さくオンオフ比が大きく、膜及び特性の安定性が高く寿命が長いという利点がある。更には、使用可能温度幅が広く、成膜性が良く、大面積適用性があり、低コストで製造できるという利点もある。
〔II−2.電界効果トランジスタの製造方法〕
本発明の電界効果トランジスタの好ましい製造方法について、図1の構造例Aに示す電界効果トランジスタ(FET)を例として以下に説明するが、これらは他の電界効果トランジスタにも同様に適用しうる。
本発明の電界効果トランジスタの好ましい製造方法について、図1の構造例Aに示す電界効果トランジスタ(FET)を例として以下に説明するが、これらは他の電界効果トランジスタにも同様に適用しうる。
一般に、電界効果トランジスタなどの有機電子デバイスは、基板1上に必要な層や電極を設けることで作製される。基板としては上記で説明したものを用いうる。
なお、基板に所定の表面処理を行なうことで、電界効果トランジスタやそれを用いた電子デバイスの特性を向上できる場合がある。例えば、基板表面の親水性/疎水性の度合いを調整することで、その上に成膜される膜の膜質を改良しうる。特に、有機半導体材料は分子の配向など膜の状態によって特性が大きく変わるが、基板表面処理によって基板とその後に成膜される半導体膜との界面部分の分子配向が制御され、これによって特性が改善されるものと推定される。このような表面処理の例としては、上述した、ヘキサメチルジシラザン、シクロヘキセン、オクタデシルトリクロロシラン等による疎水化処理;塩酸や硫酸、酢酸等による酸処理;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等によるアルカリ処理;オゾン処理;フッ素化処理;酸素やアルゴン等のプラズマ処理;ラングミュアブロジェット膜の形成処理;その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理;機械的処理;コロナ放電などの電気的処理などが挙げられる。これらは何れも配向処理の一種である。
次に、ゲート電極5を形成する。電極材料としては上記で説明したものを用いうる。
電極膜を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等を用いうる。
電極膜を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等を用いうる。
成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行なう。パターニング方法も公知の各種方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチング(エッチング液によるウエットエッチングや反応性のプラズマによるドライエッチング)を組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用できる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去したり、材料の導電性を変化させることにより、直接パターンを作製してもよい。
次に、絶縁体層2を形成する。絶縁体材料としては上記で説明したものを用いうる。
絶縁体層2を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えばスピンコーティングやブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、真空蒸着法、スパッタリング法、その他、アルミニウム上のアルマイトのように、金属上に酸化物膜を形成する方法等を用いうる。
絶縁体層2を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えばスピンコーティングやブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、真空蒸着法、スパッタリング法、その他、アルミニウム上のアルマイトのように、金属上に酸化物膜を形成する方法等を用いうる。
なお、絶縁体層上に半導体層を形成する態様においては、両層の界面で半導体分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行なうことができる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものが用いうる。
更に、ソース電極3及びドレイン電極4を形成するが、その形成方法等はゲート電極5に準ずる。
続いて、半導体層1を形成する。有機半導体材料としては、上記で説明したものを用いる。以下、本発明の高分子化合物のような高分子有機半導体材料を溶液プロセスによって成膜し、有機半導体層を得る方法について、詳しく説明する。
まず、有機半導体材料を溶媒に溶かして、基板上に塗布する。
塗布の方法としては、溶液をたらすだけのキャスティング、スピンコーティング、ディップティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、更にはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いうる。更に、塗布に類似の技術として、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
塗布の方法としては、溶液をたらすだけのキャスティング、スピンコーティング、ディップティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、更にはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いうる。更に、塗布に類似の技術として、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
溶液プロセスを用いると、比較的安価な設備で、大面積の有機電子デバイスを作製しやすいという利点がある。
このように作製された有機半導体層は、後処理により更に特性を改良することが可能である。例えば、加熱処理により、成膜時に生じた膜中の歪みを緩和することができ、特性の向上や安定化を図ることができる。更に、酸素や水素等の酸化性或いは還元性の気体や液体にさらすことにより、酸化或いは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加或いは減少の目的で利用することができる。
また、ドーピングと呼ばれる微量の元素や原子団、分子、高分子を加えることにより、特性を変化させて望ましいものにすることができる。例えば、酸素、水素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF6、AsF5、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウムカリウム等の金属原子等をドーピングすることが挙げられる。これは、これらのガスに接触させたり、溶液に浸したり、電気化学的なドーピング処理をすることにより達成できる。これらのドーピングは膜の形成後でなくても、材料合成時に添加したり、溶液からの作製プロセスでは、その溶液に添加したり、前駆体膜の段階で添加することができる。また蒸着時に添加する材料を共蒸着したり、膜形成時の雰囲気に混合したり、更にはイオンを真空中で加速して膜に衝突させてドーピングすることも可能である。
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加或いは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられ、半導体デバイスでは良く利用されているものである。
本発明の電界効果トランジスタには各層の間や素子の外面に必要に応じて他の層を設けることが出来る。例えば、半導体層上に直接又は他の層を介して、保護層を形成すると、外気の影響を最小限にできる利点がある。また、デバイスの電気的特性を安定化できる利点もある。保護層材料としては前述のものを用いうる。
保護層を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、保護層が樹脂からなる場合は、例えば、樹脂溶液を塗布後、乾燥させて樹脂膜とする方法、樹脂モノマーを塗布或いは蒸着したのち重合する方法などが挙げられる。成膜後に架橋処理を行ってもよい。保護層が無機物からなる場合は、例えば、スパッタリング法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法に代表される溶液プロセスでの形成方法を用いることができる。
〔II−3.電界効果トランジスタの用途〕
本発明の電界効果トランジスタは、ディスプレイのアクティブマトリクスのスイッチング素子として利用することができる。これは、ゲートに印加される電圧でソースとドレイン間の電流をスイッチングできることを利用して、ある表示素子に電圧を印加或いは電流を供給する時のみスイッチを入れ、その他の時間は回路を切断することにより、高速、高コントラストな表示を行なうものである。
本発明の電界効果トランジスタは、ディスプレイのアクティブマトリクスのスイッチング素子として利用することができる。これは、ゲートに印加される電圧でソースとドレイン間の電流をスイッチングできることを利用して、ある表示素子に電圧を印加或いは電流を供給する時のみスイッチを入れ、その他の時間は回路を切断することにより、高速、高コントラストな表示を行なうものである。
適用される表示素子としては、液晶表示素子、高分子分散型液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロルミネッセント素子、エレクトロクロミック素子等が挙げられる。
特に、本発明の電界効果トランジスタは、低温プロセスでの素子作製が可能であり、プラスチック板、プラスチックフィルムや紙等の、高温処理に耐えない基板を用いることができる。また、塗布或いは印刷プロセスでの素子作製が可能であることから、大面積のディスプレイへの応用に適している。また、従来のアクティブマトリクスの代替としても、省エネルギープロセス、低コストプロセスの可能な素子として有利である。
また、本発明の電界効果トランジスタを集積することにより、デジタル素子やアナログ素子が実現できる。これらの例としては、AND、OR、NAND、NOT等の論理回路、メモリー素子、発振素子、増幅素子等が挙げられる。更に、これらを組み合わせることにより、ICカードやICタグを作製することができる。
有機半導体は、ガスや化学物質、温度等の外部の刺激により、特性が大きく変化するので、それらのセンサーへの応用も考えられる。例えば、本発明の電界効果トランジスタの特性が、気体や液体との接触により変化する量を測定することにより、定性的或いは定量的にそれに含まれている化学物質を検出することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載中、水は全て蒸留水を使用した。また、「bpy」は2,2’−ビピリジルを表わす。
[合成例1:ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)]
シュレンク管に入れた50mlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミドに、窒素下で、3,8−ジブロモ−2−ノニル−1,10−フェナントロリン(470mg、1.4mmol)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(610mg、2.2mmol)、2,2’−ビピリジル(220mg、1.4mmol)、及び1,5−シクロオクタジエン(0.8ml)を加え、60℃にて36時間反応させた。反応によって生成した黄色沈殿を濾過により分離し、アンモニア水、エチレンジアミン四酢酸のアンモニア性水溶液、アンモニア水とメタノールの混合液、エチレンジアミン四酢酸の水溶液、メタノール、エチレンジアミンの希塩酸液、アンモニア水を用いて順次洗浄した。洗浄後の固体を真空乾燥することにより、黄色固体状生成物として表題高分子化合物[ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)]381gを得た。その収率は81%であった。
シュレンク管に入れた50mlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミドに、窒素下で、3,8−ジブロモ−2−ノニル−1,10−フェナントロリン(470mg、1.4mmol)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(610mg、2.2mmol)、2,2’−ビピリジル(220mg、1.4mmol)、及び1,5−シクロオクタジエン(0.8ml)を加え、60℃にて36時間反応させた。反応によって生成した黄色沈殿を濾過により分離し、アンモニア水、エチレンジアミン四酢酸のアンモニア性水溶液、アンモニア水とメタノールの混合液、エチレンジアミン四酢酸の水溶液、メタノール、エチレンジアミンの希塩酸液、アンモニア水を用いて順次洗浄した。洗浄後の固体を真空乾燥することにより、黄色固体状生成物として表題高分子化合物[ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)]381gを得た。その収率は81%であった。
得られた高分子化合物について元素分析を行なった。その結果(元素分析値)を下に示す。なお、括弧内は(C21H26N2・0.75H2O)nとした場合の計算値である。
炭素:82.34%(82.31%)
水素: 8.57%( 8.56%)
窒素: 9.20%( 9.14%)
臭素: 0 %
炭素:82.34%(82.31%)
水素: 8.57%( 8.56%)
窒素: 9.20%( 9.14%)
臭素: 0 %
1,10−フェナントロリンは水和しやすいことが知られている。得られた高分子化合物はギ酸に溶解し、ギ酸溶液の光散乱法による解析の結果、6800の分子量を持つことが分った。また、ギ酸溶液について固有粘度を測定したところ、0.40dlg-1(dl=100ml)の値を得た。
[合成例2:ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)のルテニウム錯体]
ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,7−ジイル)(53.4mg、2−ノニル−1,10−フェナントロリン単位として約0.25mmol)とRuCl2(bpy)2(121mg、0.25mmol)を50mlの蒸留水中に加えて、還流下5日間反応させた。反応の際に、反応液にアルゴンガスをバブリングすることにより、反応液中の酸素を予め除去した。反応はシュレンク管中、アルゴン雰囲気下で行なった。反応により暗赤色の溶液が得られた。遠心分離により、少量の未反応のポリ(1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)を沈殿させて除去した。得られた溶液にNH4PF6(97.8mg、0.60mmol)を加えると、赤色の沈殿が生成した。この沈殿を濾過により分離して水洗した。水洗は、洗浄後の水溶液の紫外可視吸収スペクトルがRuCl2(bpy)2による484nmの吸収を示さなくなるまで行なった。水洗後の沈殿を真空乾燥することにより、赤色固体状生成物として表題高分子錯体[ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)のルテニウム錯体]146mgを得た。その収率は97%であった。
ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,7−ジイル)(53.4mg、2−ノニル−1,10−フェナントロリン単位として約0.25mmol)とRuCl2(bpy)2(121mg、0.25mmol)を50mlの蒸留水中に加えて、還流下5日間反応させた。反応の際に、反応液にアルゴンガスをバブリングすることにより、反応液中の酸素を予め除去した。反応はシュレンク管中、アルゴン雰囲気下で行なった。反応により暗赤色の溶液が得られた。遠心分離により、少量の未反応のポリ(1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)を沈殿させて除去した。得られた溶液にNH4PF6(97.8mg、0.60mmol)を加えると、赤色の沈殿が生成した。この沈殿を濾過により分離して水洗した。水洗は、洗浄後の水溶液の紫外可視吸収スペクトルがRuCl2(bpy)2による484nmの吸収を示さなくなるまで行なった。水洗後の沈殿を真空乾燥することにより、赤色固体状生成物として表題高分子錯体[ポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)のルテニウム錯体]146mgを得た。その収率は97%であった。
得られた高分子錯体について元素分析を行なった。その結果(元素分析値)を下に示す。なお、括弧内は(C41H41F12N6P2Ru・1.7H2O)nとした場合の計算値である。
炭素:42.55%(42.13%)
水素: 3.26%( 2.81%)
窒素: 9.37%( 9.21%)
炭素:42.55%(42.13%)
水素: 3.26%( 2.81%)
窒素: 9.37%( 9.21%)
また、得られた高分子錯体について、アセトニトリル中での紫外可視吸収スペクトル測定を行なったところ、287nm、353nm、及び440nmにピークを示した。440nmのピークは、この種の金属錯体に特長的な電荷移動吸収に帰属される。
[実施例1]
以下の手順により、図3に示す構成の有機電界効果トランジスタを作製した。
ゲート絶縁膜としてSiO2熱酸化膜(膜厚3000Å)11aの付いたn+ドープシリコンウェハー(Komatsu Silicon社製、面抵抗0.02〜0.06Ω・cm)からなる基板・ゲート電極11を用意した。下記式(A)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物(合成例2で得られたポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)のルテニウム錯体。以下適宜「高分子化合物(A)」と表わす。)をN−メチルピロリドンに1重量%で溶解させ、0.2μmのフィルターで濾過することにより、高分子化合物(A)の溶液を調製した。得られた溶液を、上述のゲート絶縁膜11a上にスピンコート法で1000Åの厚さに成膜することにより、半導体層(n型有機半導体部)12を作製した。これを真空ポンプによる減圧下(真空度:10-5Torr)、72時間乾燥させた。更に、この半導体層12上に、ウルバック社製真空蒸着機EX−400(真空度:10-6Torr)により、チャネル(L:1000μm、W:50μm)のシャドーマスクを用いてアルミニウムを1000Åの厚さで蒸着させることにより、ソース電極13及びドレイン電極14を作製した。
以下の手順により、図3に示す構成の有機電界効果トランジスタを作製した。
ゲート絶縁膜としてSiO2熱酸化膜(膜厚3000Å)11aの付いたn+ドープシリコンウェハー(Komatsu Silicon社製、面抵抗0.02〜0.06Ω・cm)からなる基板・ゲート電極11を用意した。下記式(A)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物(合成例2で得られたポリ(2−ノニル−1,10−フェナントロリン−3,8−ジイル)のルテニウム錯体。以下適宜「高分子化合物(A)」と表わす。)をN−メチルピロリドンに1重量%で溶解させ、0.2μmのフィルターで濾過することにより、高分子化合物(A)の溶液を調製した。得られた溶液を、上述のゲート絶縁膜11a上にスピンコート法で1000Åの厚さに成膜することにより、半導体層(n型有機半導体部)12を作製した。これを真空ポンプによる減圧下(真空度:10-5Torr)、72時間乾燥させた。更に、この半導体層12上に、ウルバック社製真空蒸着機EX−400(真空度:10-6Torr)により、チャネル(L:1000μm、W:50μm)のシャドーマスクを用いてアルミニウムを1000Åの厚さで蒸着させることにより、ソース電極13及びドレイン電極14を作製した。
得られた有機電界効果トランジスタ(実施例1の有機電界効果トランジスタ)を減圧チャンバー内に設置し、真空ポンプで10-2Torrに減圧し、Agilent社製の半導体パラメーターアナライザー4155を用いて電圧電流曲線を測定した。得られた電圧電流曲線を図4に示す。この電圧電流曲線から移動度及びオン/オフ比を求めたところ、移動度はμ=4.2×10-3cm2/V・s、オン/オフ比は149であった。
[実施例2]
実施例1において、ゲート電極11aの表面に配向剤としてオクタデシルトリクロロシランを作用させた後に、半導体層12を作製した以外は、実施例1と同様の手順によって有機電界効果トランジスタを作製した。
実施例1において、ゲート電極11aの表面に配向剤としてオクタデシルトリクロロシランを作用させた後に、半導体層12を作製した以外は、実施例1と同様の手順によって有機電界効果トランジスタを作製した。
得られた有機電界効果トランジスタ(実施例2の有機電界効果トランジスタ)について、実施例1と同様の手順で電圧電流曲線を測定した。得られた電圧電流曲線を図5に示す。この電圧電流曲線から移動度及びオン/オフ比を求めたところ、移動度はμ=5.5×10-3cm2/V・s、オン/オフ比は3.3×104であった。
[比較例1]
実施例1において、高分子化合物(A)に代えて下記式(B)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物(以下適宜「高分子化合物(B)」と表わす。)を使用した以外は、実施例1と同様の手順によって有機電界効果トランジスタを作製した。
実施例1において、高分子化合物(A)に代えて下記式(B)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物(以下適宜「高分子化合物(B)」と表わす。)を使用した以外は、実施例1と同様の手順によって有機電界効果トランジスタを作製した。
得られた有機電界効果トランジスタ(比較例1の有機電界効果トランジスタ)について、実施例1と同様の手順で電圧電流曲線を測定した。得られた電圧電流曲線を図6に示す。この電圧電流曲線から移動度及びオン/オフ比を求めたところ、移動度はμ=1.9×10-3cm2/V・s、オン/オフ比は104であった。
[比較例2]
実施例1において、高分子化合物(A)に代えて下記式(C)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物(以下適宜「高分子化合物(C)」と表わす。)を使用し、溶媒としてN−メチルピロリドンに代えてトリフロオロ酢酸を使用した以外は、実施例1と同様の手順によって有機電界効果トランジスタを作製した。
実施例1において、高分子化合物(A)に代えて下記式(C)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物(以下適宜「高分子化合物(C)」と表わす。)を使用し、溶媒としてN−メチルピロリドンに代えてトリフロオロ酢酸を使用した以外は、実施例1と同様の手順によって有機電界効果トランジスタを作製した。
得られた有機電界効果トランジスタ(比較例2の有機電界効果トランジスタ)について、実施例1と同様の手順で電圧電流曲線を測定した。得られた電圧電流曲線を図7に示す。この電圧電流曲線から、半導体特性を有していないことが分かった。
[評価]
結果を以下の表に示す。これらの結果から、実施例1及び実施例2の有機電界効果トランジスタは、比較例1及び比較例2の有機電界効果トランジスタに比較して、移動度、オン/オフ比ともに優れていることが分かる。特に、半導体層形成前に配向処理を行なった実施例2の有機電界効果トランジスタでは、極めて優れた移動度及びオン/オフ比が得られていることが分かる。
結果を以下の表に示す。これらの結果から、実施例1及び実施例2の有機電界効果トランジスタは、比較例1及び比較例2の有機電界効果トランジスタに比較して、移動度、オン/オフ比ともに優れていることが分かる。特に、半導体層形成前に配向処理を行なった実施例2の有機電界効果トランジスタでは、極めて優れた移動度及びオン/オフ比が得られていることが分かる。
本発明の電界効果トランジスタの適用分野は特に制限されず、各種の分野に適用することが可能であるが、中でも、ディスプレイのアクティブマトリクスのスイッチング素子等として、好適に使用することができる。
1 半導体層(n型有機半導体部)
2 絶縁体層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板
7 ソース電極
8 ドレイン電極
9 ゲート電極
10 半導体層(n型有機半導体部)
11 基板・ゲート電極
11a ゲート絶縁膜
12 半導体層(n型有機半導体部)
13 ソース電極
14 ドレイン電極
2 絶縁体層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板
7 ソース電極
8 ドレイン電極
9 ゲート電極
10 半導体層(n型有機半導体部)
11 基板・ゲート電極
11a ゲート絶縁膜
12 半導体層(n型有機半導体部)
13 ソース電極
14 ドレイン電極
Claims (5)
- 少なくともソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及びn型有機半導体部を備える電界効果トランジスタにおいて、
該n型有機半導体部が、下記式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物を含有する
ことを特徴とする、電界効果トランジスタ。
R1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表わす。但し、R1〜R6のうち少なくとも1つは、置換されても良い炭素数4以上のアルキル基である。
Mは、金属原子又は金属イオンを表わし、
Lは、Mに配位する配位子を表わし、
nは、0以上、3以下の整数を表わし、
Bは、対イオンを表わし、
mは、0以上、3以下の整数を表わす。) - 該n型有機半導体部が、配向構造を有する膜である
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電界効果トランジスタ。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の電界効果トランジスタを製造する方法であって、
前記n型有機半導体部の形成前、形成時、及び/又は形成後に配向処理を行なう
ことを特徴とする、電界効果トランジスタの製造方法。
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-
2005
- 2005-03-09 JP JP2005065714A patent/JP2006253305A/ja active Pending
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