明 細 書 重合体およびそれを用いた高分子発光素子 技術分野
本発明は、 重合体およびそれを用いた高分子発光素子 (以下高分子 L E Dということ がある。 ) に関する。
背景技術
高分子量の発光材料として、 繰り返し単位として、 フエ二レン基、 ナフタレンジィル 基、 アントラセンジィル基、 スチルベンジィル基、 2価の複素環基、 フルオレンジィル 基等を有する重合体が検討されている。 (特開 2004-002703、 特開 2003-206335、 特開 200 3-292587, 米国公開第 2 0 0 3 / 0 1 4 3 4 2 9、 国際公開第 9 9 / 5 4 3 8 5、 国際 公開第 0 1 / 4 9 7 6 9、 米国特許第 5 7 7 7 0 7 0号明細書)
重合体を発光素子用の発光材料として用いたとき、 高特性で発光するためには、 重合 体の正の電荷 (正孔) および負の電荷 (電子) の注入性が良いことが必要である。 電荷 の注入性はさまざまの要因で決定されるが、 重合体の酸化電位が低くなればその最高被 占分子軌道 (H OMO) が高くなり正孔の注入性が向上することが期待される。 また、 重合体の還元電位が高くなれば最低空分子軌道 (L UMO) が低くなり電子の注入性が 向上することが期待される。 上記公知の重合体では特性が未だ十分とはいえず、 酸化電 位がより低い重合体、 還元電位がより高い重合体が望まれていた。
発明の開示
本発明の目的は、 酸化電位の低い重合体、 還元電位の高い重合体を提供することにあ る。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、 重合体の主鎖の末端に特定 の末端基を有せしめることにより、 上記課題が解決できることを見出し、 本発明を完成 した。
即ち本発明は、 以下の 〔1〕 〜 〔7〕 の重合体.を提供するものである。
〔1〕 フエ二レン基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 スチルベンジィル
基、 2価の複素環基および 2価の芳香族ァミン基からなる群から選ばれる 1種以上の繰 り返し単位を有する重合体であって、 該重合体の少なくとも一方の末端基部分の酸化電 位が該重合体から末端基を除いた部分の酸化電位よりも低く、 固体状態で蛍光を発し、 かつポリスチレン換算の重量平均分子量が 1 0 3 〜1 0 8であることを特徴とする重合 体。
〔2〕 繰り返し単位として、 フルオレンジィル基 2種類以上を有する共重合体であって 、 該重合体の少なくとも一方の末端基部分の酸化電位が、 該共重合体から末端基を除い た部分の酸化電位よりも低く、 固体状態で蛍光を発し、 かつポリスチレン換算の重量平 均分子量が 1 0 3 ~ 1 0 8である共重合体。
〔3〕 フエ二レン基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 スチルベンジィル 基、 2価の複素環基および 2価の芳香族ァミン基からなる群から選ばれる 1種以上の繰 り返し単位を有する重合体であって、 該重合体の少なくとも一方の末端基部分の還元電 位が該重合体から末端基を除いた部分の還元電位よりも高く、 固体状態で蛍光を発し、 かつポリスチレン換算の重量平均分子量が 1 0 3 〜1 0 8であることを特徴とする重合 体。
〔4〕 繰り返し単位として、 フルオレンジィル基 2種類以上を有する共重合体であって 、 該重合体の少なくとも一方の末端基部分の還元電位が、 該共重合体から末端基を除い た部分の還元電位よりも高く、 固体状態で蛍光を発し、 かつポリスチレン換算の重量平 均分子量が 1 0 3 〜 1 0 8である共重合体。
〔5〕 フエ二レン基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 スチルベンジィル 基、 2価の複素環基および 2価の芳香族ァミン基からなる群から選ばれる 1種以上の繰 り返し単位を有する重合体であって、 該重合体の一方の末端基部分の酸化電位が該重合 体から末端基を除いた部分の酸化電位よりも低く、 他方の末端基部分の還元電位が該重 合体から末端基を除いた部分の還元電位よりも高く、 固体状態で蛍光を発し、 かつポリ スチレン換算の重量平均分子量が 1 0 3 〜1 0 8であることを特徴とする重合体。
〔6〕 繰り返し単位として、 フルオレンジィル基 2種類以上を有する共重合体であって 、 該重合体の一方の末端基部分の酸化電位が該重合体から末端基を除いた部分の酸化電 位よりも低く、 他方の末端基部分の還元電位が該重合体から末端基を除いた部分の還元
電位よりも高く、 固体状態で蛍光を発し、 かつポリスチレン換算の重量平均分子量が 1 0 3〜: 1 0 8 である共重合体。
〔7〕 繰り返し単位として、 フルオレンジィル基 1種類からなる重合体であって、 該重 合体の主鎖の末端の少なくとも一方に、 ァリ一ルェテニルァリール基を末端基として有 し、 固体状態で蛍光を発し、 力 ^つポリスチレン換算の重量平均分子量が 1 0 3 〜1 0 8 である重合体。
本発明の重合体は、 フエ二レン基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 ス チルベンジィル基、 2価の複素環基、 2価の芳香族ァミン基およびフルオレンジィル基 からなる群から選ばれる繰り返し単位を有する重合体であって、 酸化電位が低い、 還元 電位が高い等特性に優れる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の重合体は、 フエ二レン基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 ス チルベンジィル基、 2価の複素環基、 2価の芳香族ァミン基およびフルオレンジィル基 からなる群から選ばれる 1種以上の繰り返し単位を有する。 繰り返し単位の種類が少な いほど重合が簡便になるため、 5種類以下であることが好ましく、 3種類以下であるこ とがより好ましく、 2種類以下であることがさらに好ましい。
本発明の重合体がフルォレンジィル基のみからなる場合、 トルエンゃキシレン等の溶 媒に対する溶解性の観点から、 2種以上の繰り返し単位を有することが好ましい。 また 、 重合の簡便さを考慮すると、 繰り返し単位の種類は 2〜 5種類であることが好ましく 、 2〜 3種類であることがより好ましく、 2種類であることがさらに好ましい。
本発明の重合体が 2種類の繰り返し単位を有する場合、 その両方とも 2価の複素環基 である場合、 その両方ともがフルオレンジィル基である場合、 一方がフルオレンジィル 基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基である場合、 一方がフルオレンジィル基でもう一 方が 2価の複素環基である場合、 一方がフエ二レン基でもう一方が 2価の芳香族アミン 基である場合、 一方がナフタレンジィル基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基である場 合、 一方がアントラセンジィル基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基である場合、 一方 がスチルベンジィル基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基である場合および一方が 2価 の複素環基でもう一方が 2価の芳香族アミン基である場合があげられる。 共重合体の溶
解性や蛍光強度、 合成の簡便さ等の観点から、 その両方とも 2価の複素環基である場合
、 その両方ともがフルオレンジィル基である場合、 一方がフエ二レン基でもう一方が 2 価の芳香族アミン基である場合、 一方がナフタレンジィル基でもう一方が 2価の芳香族 アミン基である場合、 一方がアントラセンジィル基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基 である場合、 一方がスチルベンジィル基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基である場合 および一方が 2価の複素還基でもう一方が 2価の芳香族ァミン基である場合が好ましく
、 その両方とも 2価の複素環基である場合および一方が 2価の複素環基でもう一方が 2 価の芳香族ァミン基である場合がより好ましい。
フエ二レン基としては、 下記構造で表される置換または無置換のベンゼンの Rのうち
上記フエ二レン基における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アル キルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミノ基、 力ルポキシル 基、 アルデヒド基、 ハロゲン原子、 ニトロ基およびシァノ基等が挙げられる。 上図にお いて一つの基中に複数の Rを有しているが、 これらは同一であっても相異なってもよい ここで、 アルキル基は、 直鎖、 分岐または環状のいずれでもよく、 その炭素数は通常 1 ~ 2 0程度であり、 その例としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 i-プロピル 基、 ブチル基、 卜ブチル基、 t一プチル基、 ペンチル基、 イソアミル基、 へキシル基、 シクロへキシル基、 ヘプチル基、 ォクチル基、 2—ェチルへキシル基、 ノニル基、 デシ ル基、 3, 7—ジメチルォクチル基、 ラウリル基などが挙げられる。
アルコキシ基は、 直鎖、 分岐または環状のいずれでもよく、 その炭素数は通常 1〜2 0程度であり、 その例としては、 メトキシ基、 エトキシ基、 プロピルォキシ基、 i -プ 口ピルォキシ基、 ブトキシ基、 i-ブトキシ基、 t一ブトキシ基、 ペンチルォキシ基、 イソアミルォキシ基、 へキシルォキシ基、 シクロへキシルォキシ基、 ヘプチルォキシ基 、 ォクチルォキシ基、 2—ェチルへキシルォキシ基、 ノニルォキシ基、 デシルォキシ基 、 3 , 7—ジメチルォクチルォキシ基、 ラウリルォキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基は、 直鎖、 分岐または環状のいずれでもよく、 その炭素数は通常 1〜 2 0程度であり、 その例としては、 メチルチオ基、 ェチルチオ基、 プロピルチオ基、 i 一プロピルチオ基、 プチルチオ基、 i 一プチルチオ基、 t一プチルチオ基、 ペンチルチ ォ基、 へキシルチオ基、 シクロへキシルチオ基、 へプチルチオ基、 ォクヂルチオ基、 2 一ェチルへキシルチオ基、 ノニルチオ基、 デシルチオ基、 3, 7—ジメチルォクチルチ ォ基、 ラウリルチオ基などが挙げられる。
アルキルシリル基は、 直鎖、 分岐または環状のいずれでもよく、 その炭素数は通常 1 〜6 0程度であり、 その例としては、 メチルシリル基、 ェチルシリル基、 プロピルシリ ル基、 i—プロビルシリル基、 プチルシリル基、 i一プチルシリル基、 t一プチルシリ ル基、 ペンチルシリル基、 へキシルシリル基、 シクロへキシルシリル基、 へプチルシリ ル基、 ォクチルシリル基、 2—ェチルへキシルシリル基、 ノニルシリル基、 デシルシリ ル基、 3 , 7—ジメチルォクチルシリル基、 ラウリルシリル基、 トリメチルシリル基、 ェチルジメチルシリル基、 プロピルジメチルシリル基、 i 一プロピルジメチルシリル基 、 プチルジメチルシリル基、 t一プチルジメチルシリル基、 ペンチルジメチルシリル基 、 へキシルジメチルシリル基、 へプチルジメチルシリル基、 ォクチルジメチルシリル基 、 2一ェチルへキシルージメチルシリル基、 ノニルジメチルシリル基、 デシルジメチル シリル基、 3, 7—ジメチルォクチルージメチルシリル基、 ラウリルジメチルシリル基 などが挙げられる。
アルキルアミノ基は、 直鎖、 分岐または環状のいずれでもよく、 モノアルキルアミノ 基でもジアルキルアミノ基でもよく、 その炭素数は通常 1〜4 0程度であり、 その例と して、 メチルァミノ基、 ジメチルァミノ基、 ェチルァミノ基、 ジェチルァミノ基、 プロ ピルアミノ基、 i—プロピルアミノ基、 プチルァミノ基、 i一プチルァミノ基、 t一 プチルァミノ基、 ペンチルァミノ基、 へキシルァミノ基、 シクロへキシルァミノ基、 へ プチルァミノ基、 ォクチルァミノ基、 2—ェチルへキシルァミノ基、 ノニルァミノ基、 デシルァミノ基、 3 , 7—ジメチルォクチルァミノ基、 ラウリルアミノ基などが挙げら れる。
ハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素原子があげら れる。
ナフタレンジィル基としては、 下記構造で表される置換または無置換のナフタレンの
Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が挙げられる。
ここで、 上記ナフタレンジィル基における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 アル コキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミノ基 、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 ハロゲン原子、 ニトロ基およびシァノ基等が挙げら れる。 上図において一つの基中に複数の Rを有しているが、 これらは同一であっても相 異なってもよい。
アントラセンジイリレ基としては、 下記構造で表される置換または無置換のアントラセ ンの Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が挙げられる。
ここで、 上記アントラセンジィル基における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 ァ ルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 ァミノ 基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 ハロゲン原子、 ニトロ基およびシァノ基等が挙げ られる。 上図において一つの基中に複数の Rを有しているが、 これらは同一であっても 相異なってもよい。
スチルベンジィル基としては、 下記構造で表される置換または無置換のスチルベン類 の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が挙げられる。
ここで、 上記スチルベンジィル基の例における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミ ノ基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 ハロゲン原子、 ニトロ基およびシァノ基等が挙 げられる。 上図において一つの基中に複数の Rを有しているが、 これらは同一であって も相異なってもよい。
フルオレンジィル基としては、 下記構造の Rのうちいずれか 2個を除いた 2価の残基 があげられる。
ここに、 Rは、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシ リル基、 アルキルアミノ基、 ァリール基、 1価の複素環基、 ハロゲン原子、 ニトロ基お よびシァノ基を表し、 複数の Rを有しているが、 これらは同一であっても相異なっても よい。 Zは、 水素原子、 アルキル基、 ァリール基または 1価の複素環基を表し、 複数の Zを有しているが、 これらは同一であっても相異なってもよい。
フルオレンジィル基の中では、 下記構造が好ましい。
ここに Rおよび Zは上記と同じ意味を表す。
1価の複素環基としては、 後述の複素環化合物から Rを 1個取り除いて得られる 1価
の残基を表す。
本発明の重合体における、 2価の複素環基とは、 複素環化合物から水素原子 2個を除 いた残りの原子団をいい、 その炭素数は、 通常 4〜6 0程度、 好ましくは 4〜2 0であ る。 なお 2価の複素環基の炭素数には、 置換基の炭素数は含まれない。 ここに複素環化 合物とは、 環式構造をもつ有機化合物のうち、 環を構成する元素が炭素原子だけでなく 、 酸素、 硫黄、 窒素、 けい素、 セレン、 リン、 ホウ素などのへテロ原子を環内に含むも のをいう。
2価の複素環基の母体となる複素環化合物としては、 ヘテロ原子を含みフルオレン構 造を有する化合物、 ヘテロ原子を含む 5員環複素環化合物、 ヘテロ原子を含む 6員環複 素環化合物、 ヘテロ原子を含む 5員環または 6員環複素環を有する縮合複素環化合物、 ヘテロ原子を含む 5員環複素環ィ匕合物でそのへテロ原子のひ位で結合し 2量体やオリゴ マ一になっている化合物、 ヘテロ原子を含む 5員環複素環化合物でそのへテロ原子の a 位でフエニル基に結合している化合物などがあげられる。 ヘテロ原子としては、 窒素、 酸素、 硫黄、 けい素、 セレン、 リン、 ホウ素があげられ、 窒素、 酸素、 硫黄が好ましい 。 ヘテロ原子を含む 6員環複素環化合物の中では、 ヘテロ原子が窒素であるものが好ま しい。
ヘテロ原子を含みフルオレン構造を有する化合物としては、 下記があげられる。 下記の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が該化合物に対応する 2価の複素環基 である。
ヘテロ原子を含む 5員環複素環ィ匕合物としては、 例えば、 下記があげられる。
下記の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が該ィヒ合物に対応する 2価の複素環基 である。
ヘテロ原子を含む 6員環複素環化合物としては、 例えば、 下記の化合物があげられる 。 下記の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が該ィヒ合物に対応する 2価の複素環 基である。
ヘテロ原子を含む 5員環または 6員環複素環を有する縮合複素環化合物としては、 例 えば、 下記の化合物があげられる。 下記の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が 該化合物に対応する 2価の複素環基である。
ヘテロ原子を含む 5員環複素環化合物でそのへテロ原子のひ位で結合し 2量体やオリ ゴマ一になっている化合物としては、 例えば下記の化合物があげられる。
下記の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が該化合物に対応する 2価の複素環基 である。
ヘテロ原子を含む 5員環複素環化合物でそのへテロ原子のひ位でフエニル基に結合し ている化合物としては、 例えば下記の化合物があげられる。
下記の Rのうち 2個を除いてえられる 2価の残基が該ィ匕合物に対応する 2価の複素環基 である。
ここで、 上記複素環化合物の例における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 アルコ
キシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミノ基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 シァノ基等が挙げられる。 上図において一つの基中に 複数の Rを有しているが、 これらは同一であっても相異なってもよい。
本発明の重合体における、 2価の芳香族ァミン基とは、 芳香族ァミンの芳香環から 2 個の水素原子を除いた残りの原子団をいい、 2価の芳香族ァミン基としては、 例えば、 式 (1 ) で示される基が挙げられる。
式中、 A r i 、 A r 2及び A r 3 は、 それぞれ独立にフエ二レン基、 ビフエ二レン基、 スチルベンジィル基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基を示し、 A r 4及び A r 5 は、 それぞれ独立にフエニル基、 ビフエ二ル基、 スチルベニル基、 ナフチル基ま たはアントラセニル基を示す。 pは 0〜3の整数を示す。 A r 3及び A r 5がそれぞれ 複数存在する場合、 それらは同一でも異なつていてもよい。
ここで、 フエニル基としては、 前述の置換または無置換のベンゼンから Rを 1個除い た 1価の残基があげられ、 ナフチル基としては、 前述の置換または無置換ナフタレンか ら Rを 1個除いた 1価の残基があげられ、 アントラセニル基としては前述の置換または 無置換のアントラセンから Rを 1個除いた 1価の残基があげられ、 スチルベニル基とし ては前述の置換または無置換のスチルベン類から Rを 1個除いた 1価の残基があげられ る。
重合体の溶解性の観点から、 フエニル基のなかでは、 Rの少なくとも 1つが水素原子 以外であることが好ましく、 水素原子以外の置換基が 1〜 3つであることがより好まし く、 フエニル基が結合している繰り返し単位との結合からみてパラ位に置換基が結合し ていること、 もしくはフエニル基が結合している繰り返し単位との結合からみてパラ位 および 2つのオルト位に置換基が結合していることがさらに好ましい。
2価の芳香族アミン基としては、 下記の構造が例示される。
ここで、 上記 2価の芳香族ァミン基における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 ァ ルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 ァミノ 基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 シァノ基等が挙げられる。
なお、 本発明の重合体は、 蛍光特性や電荷注入特性を損なわない範囲で、 フエ二レン
基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 スチルベンジィル基、 2価の複素環 基、 フルォレンジィル基および 2価の芳香族ァミン基からなる群から選ばれる繰り返し 単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。 具体的な繰り返し単位としては下記の構 造が例示される。
本発明の重合体は、 フエ二レン基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基、 ス チルベンジィル基、 2価の複素還基、 2価の芳香族ァミン基およびフルオレンジィル基 からなる群から選ばれる繰り返し単位を有する重合体であって、 該重合体はその主鎖末 端の少なくとも一方に特定の末端基を有する。
本発明 〔1〕 および 〔2〕 の重合体は、 末端基部分の酸化電位が、 該重合体から末端 基を除いた部分の酸化電位よりも低いものである。 これにより、 該重合体の酸化電位は 低いものとなり、 該重合体は、 正の電荷 (正孔) の注入性が高いものとなる。
また、 本発明 〔3〕 および 〔4〕 の重合体は、 末端基部分の還元電位が、 該重合体か ら末端基を除いた部分の還元電位よりも高いものである。 これにより、 該重合体の還元 電位は高いものとなり、 該重合体は、 負の電荷 (電子) の注入性が高いものとなる。 また、 本発明 〔5〕 および 〔6〕 の重合体はその主鎖両末端に特定の末端基を有し、 一方の末端基部分の酸化電位が該重合体から該末端基を除いた部分の酸化電位よりも低 く、 他方の末端基部分の還元電位が該重合体から該末端基を除いた部分の還元電位より も高いものである。 これにより、 該重合体の酸化電位は低いものとなり、 還元電位は高 いものとなり、 該重合体は、 正の電荷 (正孔) の注入性が高く、 負の電荷 (電子) の注 入性が高いものとなる。
本発明の重合体が有する特定の末端基としては、 芳香族末端基 (芳香環を含む末端基 ) が好ましい。
本発明において末端基部分の酸化電位とは、 末端基部分に対応するモノマーの酸化電 位または末端基部分に対応するホモポリマーの酸化電位をいう。
本発明において末端基部分の還元電位とは、 末端基部分に対応するモノマーの還元電 位または末端基部分に対応するホモポリマーの還元電位をいう。
末端基部分に対応するモノマーとは、 末端基の、 主鎖と結合している結合手に水素原 子が結合しているかまたは、 結合手に、 置換基として、 水素原子が結合している場合と 比べて、 酸化電位、 還元電位の変ィヒが 5 O mV以下となるような置換基が結合している ものがあげられる。 このような置換基としては、 ハロゲン原子、 一 B (OH) 2、 炭素 数が 3〜 8のァルキル基等があげられる。
末端基部分に対応するホモポリマーとは、 末端基の、 主鎖と結合している結合手と他 の任意の 1箇所の部位に重合脱離基を有してなる、 2個の重合脱離基がついた化合物を 後述の山本重合法や S u z u k i反応を用いる重合法を用いて重合して得られるポリマ 一をいう。 例えば、 末端基が
の場合において、 該末端基部分に対応するホモポリマーとは、 主鎖と結合している部位 と ' 〜R
4 ' のうちの任意の 1箇所の部位に重合脱離基をつけ、 2個の重合脱離基 がついた化合物を重合することによって得られたホモポリマーをいう。
末端基部分に対応するホモポリマーが、 溶解性が不十分で、 電位測定が困難な場合に は、 ホモポリマ一の溶解性を高めるために、 末端に結合させた化合物にさらに置換基を 1個つけた化合物を重合したポリマ一を末端基部分に対応するホモポリマーとすること ができる。
この場合、 置換基の種類としては、 置換基をつけることによる酸化電位および還元電 位の変化が 5 O mV以下である基であり、 その例として炭素数が 3〜1 0のアルキル基 があげられる。 また、 置換位置はどこでもよい。 例えば、 末端基が以下の構造の場合、
主鎖と結合している部位と ' 〜R
4 ' のうちの任意の 1箇所の部位に重合脱離基を つけ、 重合脱離基が結合していない ' 〜R
4 ' のうちの任意の 1箇所の部位に炭素 数が 3〜 1 0のアルキル基を結合させ、 2個の重合脱離基と 1個の溶解性を高める置換 基がついた化合物を重合することによって得られたホモポリマ一も末端基に対応するホ モポリマーとすることができる。
『重合体から末端基を除いた部分』 の酸化電位、 還元電位は、 本発明の重合体に対応 する、 特定の末端基を有しない重合体の酸化電位、 還元電位を測定することにより求め ることができる。 この特定の末端基を有しない重合体は末端基部分に対応する単量体を 用いない以外は、 本発明の重合体と同じ方法で製造できる。
本発明の重合体、 末端基部分に対応するホモポリマー、 重合体から末端基を除いた部 分の酸化電位および還元電位は、 一般的にサイクリックポルタンメトリ一装置を用いて 測定することができる。 すなわち、 電極表面に重合体の薄膜を作成し、 電解質を加えた 溶媒中に電極、 対極、 参照電極を入れる。 正の電位をかけてゆき電流が流れ始めた電位 を酸化電位、 負の電位をかけてゆき電流が流れ始めた電位を還元電位と定義する。 電極 の種類、 溶媒、 電解質等の組み合わせによって標準電極電位が異なるため、 酸化電位も
しくは還元電位を比較するためには、 同じ組み合わせの電極、 溶媒、 電解質を用いて測 定しなければならない。
末端基部分に対応するモノマーの酸化電位および還元電位は、 サイクリックボルタン メトリ一装置を用いて測定することができる。 重合体の場合とは測定方法が異なり、電 解質を加えた溶媒中にモノマーを溶解させ、 溶媒中に電極、 対極、 参照電極を入れる。 正の電位をかけてゆき電流が流れ始めた電位を酸化電位、 負の電位をかけてゆき電流が 流れ始めた電位を還元電位と定義する。 電極の種類、 溶媒、 電解質等の組み合わせによ つて標準電極電位が異なるため、 酸化電位もしくは還元電位を比較するためには、 同じ 組み合わせの電極、 溶媒、 電解質を用いて測定しなければならない。
サイクリックポルタンメトリ一装置を用いて酸ィ匕電位および還元電位を測定する場合 、 本発明の重合体 おいては末端基部分の酸化 (還元) 電位と該重合体から末端基を除 いた部分の酸化 (還元) 電位は、 通常は、 l O O mV以上異なる。 すなわち、 本発明の 重合体においては、 末端基部分の酸化電位は該重合体から末端基を除いた部分の酸化電 位に比べ、 通常 1 0 O mV以上低く、 好ましくは 2 0 O mV以上、 より好ましくは 3 0 O mV以上低い。 また、 末端基部分の還元電位は該重合体から末端基を除いた部分の酸 化電位に比べ、 通常 1 0 O mV以上高く、 好ましくは 2 0 O mV以上、 より好ましくは 3 0 O mV以上高い。
末端基のなかで、 該末端基部分の酸化電位が、 重合体から末端基を除いた部分の酸化 電位より低いものとしては、 該部分の構造にもよるが、 フエニル基、 ナフチル基、 アン トラセニル基、 ビフエ二ル基、 ァリールェテニルァリール基、 縮合環化合物基、 1価の 複素環基、 1価の芳香族ァミン基などがあげられ、 1価の複素環基、 1価の芳香族アミ ン基、 ァリールェテニルァリール基、 アルキルアミノ基が置換したフエニル基が好まし く、 1価の芳香族ァミン基がより好ましい。
フエニル基、 ナフチル基、 アントラセニル基、 ビフエニル基としては、 前述の構造が 例示される。 1価の複素環基としては、 前述の複素環化合物から置換基 Rを 1個除いた 構造が例示される。
ァリールェテニルァリール基としては、 下式 (2 ) があげられる。
ここで、 R ' は、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシ リル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミノ基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 シァ ノ基を表し、 R, はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。 A r
6 は、 ァリ一レン基ま たは 2価の複素環基を表し、 A r
7 は、 ァリール基、 1価の複素環基または 1価の芳香 族アミン基を表す。
ァリ一ルェテニルァリ一ル基の具体的構造としては、 下記構造が例示される。
縮合環化合物基としては、 下記化合物から Rを 1個除いた 1価の残基が例示される。
ここで、 前記ァリ一ルェテニルァリ一ル基の例および縮合環化合物の例における Rと しては、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミノ基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 シァノ基等が 挙げられる。 上図において一つの基中に複数の Rを有しているが、 これらは同一であつ ても相異なってもよい。
1価の芳香族ァミン基とは、 芳香族ァミンの芳香環から 1個の水素原子除いた残りの 原子団をいう。 1価の芳香族ァミン基としては、 例えば、 式 (2' ) で示される基が挙 げられる。
式中、 Ar6及び Ar7 は、 それぞれ独立にフエ二レン基、 ビフエ二レン基、 スチルベ ンジィル基、 ナフタレンジィル基、 アントラセンジィル基を示し、 Ar8、 Ar9及び 。 は、 それぞれ独立にフエニル基、 ビフエ二ル基、 スチルベニル基、 ナフチル基 またはアントラセニル基を示す。 qは 0~4の整数を示す。 Ar7及び Αι^ 。がそれ ぞれ複数存在する場合、 それらは同一でも異なっていてもよい。
1価の芳香族アミン基の具体例としては、 下記の構造が例示される。
ここで、 上記 1価の芳香族ァミン基の例における Rとしては、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキルチオ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 水酸基、 アミ ノ基、 力ルポキシル基、 アルデヒド基、 シァノ基等が挙げられる。 上図において一つの 基中に複数の Rを有しているが、 これらは同一であっても相異なってもよい。
重合体の繰り返し単位に 2価の芳香族ァミン基が含まれていない場合は、 末端を 1価 の芳香族ァミン基で置換すれば、 一般的に重合体の酸化電位を低くすることができる。 また、 重合体の繰り返し単位に 2価の芳香族ァミン基が含まれている場合でも、 2価の 芳香族アミン基に含まれる窒素原子数よりも多くの窒素原子を含む 1価の芳香族アミン 基で末端を置換すれば、 一般的に重合体の酸化電位を低くすることができる。
末端基のなかで、 末端基部分の還元電位が、 重合体から末端基を除いた部分の重合体 の還元電位よりも高いものとしては、 該部分の構造にもよるが、 フエニル基、 ナフチル 基、 アントラセニル基、 ピフエエル基、 ァリ一ルェテニルァリール基、 縮合環化合物基
、 1価の複素環基、 1価の芳香族ァミン基などがあげられる。 これらの末端基の中で、 1価の複素環基、 ァリールェテニルァリール基が好ましく、 ヘテロ原子として窒素もし くは硫黄を含む 1価の複素環基がより好ましい。
ヘテロ原子として窒素もしくは硫黄を含む 1価の複素環基の具体例としては、 下記構 造の複素環化合物から置換基 Rを 1個除いた構造が例示される。
重合体の繰り返し単位に、 2価の複素環基を含まない場合、 末端を 1価の複素環基で 置換することにより重合体の還元電位を高くすることができる。
本発明の重合体は、 電荷注入性 (正孔注入性、 電子注入性) を高める末端基を有する が、 電荷注入性を高める末端基以外の末端が含まれていてもよい。 注入性を高める観点 から、 電荷注入性を高める末端基以外の末端は全末端の 3 0 %以下であることが好まし く、 2 0 %以下であることがより好ましく、 1 0 %以下であることがさらに好ましく、 実質的に存在しないことが最も好ましい。
電荷注入性を高める末端基を有する本発明の重合体は、 このような末端基を有しない
重合体に比べ、 酸化電位を、 通常 100mV、 好ましくは 200mV, さらに好ましく は 30 OmV低くすることができる。 また、 還元電位については、 これを、 通常 100 mV、 好ましくは 20 OmV, さらに好ましくは 30 OmV高くすることができる。 本発明の重合体は、 重量平均分子量が通常はポリスチレン換算で 103〜108であり 、 成膜性の点から好ましくは 5 X 103 〜2 X 106であり、 より好ましくは 1 X 1 0 4 ~ 5 X 1 05 、 さらに好ましくは 1 X 104 〜2 X 1 05 であり、 特に好ましくは 1 X 104 〜5 X 1 04である。
本発明の重合体に対する良溶媒としては、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 ジクロロェ タン、 テトラヒドロフラン、 トルエン、 キシレン、 メシチレン、 デカリン、 n—ブチル ベンゼンなどが例示される。 重合体の構造や分子量にもよるが、 通常はこれらの溶媒に 0. 1重量%以上溶解させることができる。
重合体の酸化電位、 還元電位を制御するためには、 従来、 通常は重合体の繰り返し単 位構造を変えることにより行われていた。 しかしながら、 蛍光強度や溶解性などの特性 と、 低酸化電位、 高い還元電位という特性等を併せ持つ繰り返し単位構造を作ることは 非常に困難であった。 本発明においては、 重合体の繰.り返し単位構造を変えることなく 、 重合体に特定の条件を満たす末端基を結合させることによりその酸化電位、 還元電位 を簡便に制御することができる。
本発明の重合体は、 繰り返し単位に対応する単量体を重合させて末端に脱離基を有す る重合体を得、 該重合体と、 末端基に対応する単量体を反応させる方法、 繰り返し単位 に対応する単量体を末端基に対応する単量体の共存下に重合させる方法などにより製造 することができる。
本発明の重合体は、 例えば、 一般式 (3) 、 (4) 並びに一般式 (5) および/また は (6) で示される単量体を反応させることにより製造することができる。
Y1 -Ar 1 1 一 Y2 (3)
Y3 -Ar , 2 — Υ4 (4)
Υ5 -Ε, (5)
Υ6 一 Ε2 (6)
式中、 Ai^ ! および Αι^ 2 はそれぞれ独立にフエ二レン基、 ナフタレンジィル基、
アントラセンジィル基、 スチルベンジィル基、 2価の複素環基、 2価の芳香族ァミン基 またはフルオレンジィル基を表す。 E,および E2はそれぞれ末端基を表す。 、 Y2 、 Υ3 、 Υ4 、 Υ5 および Υ6 はそれぞれ独立に、 脱離基を表す。 但し、 Ε,および Ε2 は互いに相異なる。
脱離基としては、 ハロゲン原子、 アルキルスルホニルォキシ基、 ァリールスルホニル ォキシ基、 または一B (ORx ! ) 2で示される基があげられる。 ここで、 i は 水素原子またはアルキル基である。
ここに、 ハロゲン原子としては、 塩素原子、 臭素原子、 よう素原子があげられ、 塩素 原子、 臭素原子が好ましく、 臭素原子が最も好ましい。 アルキルスルホ二ルォキシ基は 、 フッ素原子で置換されていてもよく、 トリフルォロメタンスルホニルォキシ基等があ げられる。 ァリールスルホニルォキシ基は、 アルキル基で置換されていてもよく、 フ ェニルスルホニルォキシ基、 トリスルホニルォキシ基等があげられる。
一 B (〇Rn) 2で示される基において、 Ruは、 水素原子またはアルキル基である
。 アルキル基としては、 炭素数は、 通常 1〜20程度であり、 メチル基、 ェチル基、 プ 口ピル基、 ブチル基、 へキシル基、 ォクチル基、 ドデシル基などが挙げられる。 また、 アルキル基どうしは、 つながって環を形成していてもよい。
— B (OR
n)
2で示される基として、 具体的には、
が好ましい。
一般式 (5) および (6) で表される単量体の仕込み量の合計は、 一般式 (3) およ び (4) で表される単量体の仕込み量の合計に対して、 一般的には 0. 1〜10モル%
であり、 0. 2〜5モル%が好ましく、 0. 5~3モル%がより好ましい。
本発明の重合体の製造方法としては、 例えば上述した該当する単量体を用いて S u z uk i反応により重合する方法 (ケミカル レビュー(Ch em. Rev. ), 第 95巻 , 2457頁 (1995年) ) 、 G r i gn a r d反応により重合する方法 (共立出版 、 高分子機能材料シリーズ第 2卷、 高分子の合成と反応 (2) 、 432— 3頁) 、 山本 重合法により重合する方法 (プログレッシブ ポリマ一 サイエンス (P r og. P o 1 ym. Sc i. ) ,第 17巻, 1153— 1205頁, 1992年) 、 FeC l3等の 酸化剤により重合する方法、 電気化学的に酸化重合する方法 (丸善、 実験化学講座第 4 版、 28巻、 339— 340頁) などが例示される。
S u z u k i反応を用いる場合について説明する。 この場合、 例えば、 および Y 2がそれぞれ独立に一 B (ORi ! ) 2 (ここで、 1^ ! は水素原子またはアルキル基 である) で示される基であり、 Y3および Υ4がそれぞれ独立にハロゲン原子、 アルキ ルスルホニルォキシ基またはァリ一ルスルホニルォキシ基であり、 Υ5が— B (ORx ! ) 2 (ここで、 ! は水素原子またはアルキル基である) で示される基であり、 Y 6がハロゲン原子、 アルキルスルホニルォキシ基またはァリ一ルスルホニルォキシ基で ある単量体を用い、 これらの単量体を Pd (0) 触媒の存在下反応させることにより製 造できる。
なおこの場合、 反応に供する、 2個の脱離基を有する 2種以上の単量体のうち、 少な くとも 1種が—B (ORx ! ) 2 (ここで、 Ri ! は水素原子またはアルキル基である ) を 2個有する単量体であり、 少なくとも 1種が、 ハロゲン原子、 アルキルスルホニル ォキシ基またはァリ一ルスルホニルォキシ基を 2個有する単量体であることを要する反 応は、 通常、 式 (3)、 (4) で表される単量体を 1〜100時間程度反応させた後、 その後系内に単量体 (5) を添加して 0. 5〜 50時間程度反応させ、 その後、 単量体
(6) を系内に添加して 0. 5〜 50時間程度反応させる。
Pd (0) 触媒として、 例えばパラジウム [テトラキス (トリフエニルホスフィン) ] 、 パラジウムアセテート類などを用い、 炭酸カリウム、 炭酸ナトリウム、 水酸化バリ ゥム等の無機塩基、 トリェチルァミン等の有機塩基、 フッ化セシウムなどの無機塩をモ ノマ一に対して当量以上、 好ましくは 1〜10当量加えて反応させる。 無機塩を水溶液
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24 として、 2相系で反応させてもよい。 溶媒としては、 N、 N—ジメチルホルムアミド 、 トルエン、 ジメトキシェタン、 テトラヒドロフランなどが例示される。 溶媒にもよる が 50〜160°C程度の温度が好適に用いられる。 溶媒の沸点近くまで昇温し、 還流さ せてもよい。 反応時間は 1時間から 200時間程度である。
山本重合法を用いる場合について説明する。 この場合、 例えば、 、 Y2 、 Υ3、 Υ4、 Υ5および Υ6がそれぞれ独立にハロゲン原子、 アルキルスルホ二ルォキシ基ま たはァリ一ルスルホニルォキシ基である単量体を用い、 これらの単量体を N i (0) 錯 体の存在下反応させることにより製造することができる。 反応は、 通常は、 単量体 ( 3) 〜 (6) 全てを混合して実施する。
N i (0) 錯体 (ゼロ価ニッケル錯体) を用いる上記反応において、 ニッケル錯体と しては、 ゼロ価ニッケルをそのまま使う方法と、 ニッケル塩を還元剤の存在下で反応さ せ、 系内でゼロ価ニッケルを生成させ、 反応させる方法がある。 ゼロ価ニッケル錯体 としては、 ビス (1, 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) 、 (エチレン) ビス ( トリフエニルホスフィン) ニッケル (0) 、 テトラキス (トリフエニルホスフィン) 二 ッケルなどが例示され、 中でも、 ビス (1, 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) が、 汎用性で安価という観点で好ましい。 また、 中性配位子を添加することが、 収率 向上の観点から好ましい。 ここに、 中性配位子とは、 ァニオンゃカチオンを有してい ない配位子であり、 2, 2'—ビビリジル、 1, 10—フエナント口リン、 メチレンビス ォキサゾリン、 N, N'—テトラメチルエチレンジァミン等の含窒素配位子; トリフエ二 ルホスフィン、 トリトリルホスフィン、 トリブチルホスフィン、 トリフエノキシホスフ イン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、 汎用性、 安価の点で含窒素配位子が好 ましく、 2, 2'—ビビリジルが高反応性、 高収率の点で特に好ましい。 特に、 重合体 の収率向上の点から、 ビス (1, 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) を含む系に 中性配位子として 2, 2'—ビビリジルを加えた系が好ましい。 系内でゼロ価ニッケルを 反応させる方法においては、 ニッケル塩として塩化ニッケル、 酢酸ニッケル等が挙げら れる。 還元剤としては、 亜鉛, 水素化ナトリウム, ヒドラジンおよびその誘導体、 リチ ゥムアルミニウムハイドライドなどが上げられ、 必要に応じて添加物として、 よう化ァ ンモニゥム、 よう化リチウム、 よう化カリウム等が用いられる。 重合溶媒としては、
重合を阻害しないものであれば特に限定されないが、 1種類以上の芳香族炭化水素系溶 媒および/またはエーテル系溶媒を含むものが好ましい。 ここに芳香族炭化水素系溶 媒としては、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 トリメチルベンゼン、 テトラメ チルベンゼン、 ブチルベンゼン、 ナフタリン、 テトラリン、 等が挙げられ、 トルエン、 キシレン、 テトラリン、 テトラメチルベンゼンが好ましい。 また、 エーテル系溶媒と しては、 例えば、 ジイソプロピルエーテル、 テトラヒドロフラン、 1, 4一ジォキサン 、 ジフエニルエーテル、 エチレングリコ一ルジメチルエーテル、 t e r t—ブチルメチ ルエーテル等が挙げられ、 高分子化合物に対する良溶媒である、 テトラヒドロフラン、 1, 4—ジォキサンなどが好ましい。 溶媒の中では、 テトラヒドロフランが最も好まし い。 また、 重合性、 溶解性を改良する観点から、 溶媒としては、 重合反応を阻害しな いものであれば、 芳香族炭化水素系溶媒および Zまたはエーテル系溶媒と芳香族炭化水 素系溶媒およびエーテル系溶媒以外の溶媒との混合溶媒を用いてもよい
反応操作等は、 例えば、 特開 2 0 0ひ一 4 4 5 4 4号公報に記載の方法に準じて行う ことができる。 山本重合法においては、 例えば、 重合反応は、 通常アルゴン、 窒素等 の不活性ガス雰囲気下、 テトラヒドロフラン溶媒中、 6 0 °Cの温度で、 ゼロ価のニッケ ル錯体、 中性配位子の存在下行われる。 重合時間は、 通常 0 . 5〜 1 0 0時間程度であ るが、 製造コストの点から、 1 0時間以内が好ましい。 重合温度は、 通常 0〜2 0 0 °C 程度であるが、 高収率、 低加熱費の点から、 2 0〜1 0 0 °Cが好ましい。
また、 中性配位子を使用する場合には、 その使用量としては、 反応収率とコストの点 からゼロ価のニッケル錯体 1モルに対して、 0 . 5 ~ 1 0モル程度が好ましく、 0 . 8 〜1 . 5モルがより好ましく、 0 . 9〜1 . 1モルがさらに好ましい。
ゼロ価のニッケル錯体の使用量は、 重合反応を阻害しない程度ならば、 特には限定さ れないが、 使用量が過少だと分子量が低い傾向にあり、 使用量が過大であると後処理が 繁雑になる傾向がある。 そのため、 モノマー 1モルに対して、 0 . 1 ~ 1 0モルが好ま しく、 1〜5モルがより好ましく、 2〜3 . 5モルがさらに好ましい。
本発明の重合体を高分子 L E Dの発光材料として用いる場合、 その純度が発光特性に 影響を与えるため、 重合前のモノマーを蒸留、 昇華精製、 再結晶等の方法で精製したの ちに重合することが好ましく、 また合成後、 再沈精製、 クロマトグラフィーによる分別
等の純化処理をすることが好ましい。
本発明の高分子組成物は、 固体状態で蛍光を有し、 ポリスチレン換算の数平均分子量 が 103 〜108である高分子化合物と、 前記本発明の重合体を含む。 該高分子化合物 は、 溶媒への溶解性、 蛍光強度、 寿命や輝度などの素子にした時の特性などを向上させ るものであれば特に限定されず、 具体的には、 特開 2001— 247861号、 特開 2
001— 507511号、 特開 2001— 504533号、 特開 2001— 27895 8号、 特開 2001— 261796号、 特開 2001— 226469号、 特許第 316 1058などに記載の重合体があげられるがこれらには限定されない。 重合体の種類と してはポリフルオレン系重合体、 ポリアリーレン系重合体、 ポリアリーレンビニレン系 重合体、 ポリスチルベン系重合体、 ポリスチルベンビニレン系重合体、 ポリピリジンジ ィル系重合体、 アルコキシポリチォフエン系重合体などがあげられるがこれらには限定 されない。 これらの中で、 ポリフルオレン系重合体、 ポリアリーレン系重合体、 ポリア リーレンビニレン系重合体、 ポリスチルベン系重合体、 ポリスチルベンビニレン系重合 体が好ましい。 混合の割合は、 溶媒への溶解性、 蛍光強度、 寿命や輝度などの素子にし た時の特性などを向上させるような割合ならば何でもよいが、 本発明の重合体の割合が 高分子組成物全体に対して、 通常、 5~95重量%の範囲であり、 40〜95重量%の 範囲が好ましく、 50〜 80重量%の範囲がより好ましく、 65〜75重量%の範囲が さらに好ましい。 また、 本発明の重合体以外の高分子化合物の割合を高分子組成物全体 に対して 50〜80重量%の範囲としたものも好ましく、 65〜75重量%の範囲とし たものがさらに好ましい。
また本発明の高分子組成物として、 本発明の重合体を 2種以上含むものがあげられる 。 その配合割合は特に限定されないが、 組成物中に最も多く含まれる重合体の割合を高 分子組成物全体に対して 50〜80重量%の範囲としたものも好ましく、 65〜75重 量%の範囲としたものがさらに好ましい。
本発明の高分子 LEDが有する発光層の膜厚としては、 用いる材料によって最適値が 異なり、 駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、 例えば lnm から 1 mであり、 好ましくは 2 nm〜500 nmであり、 さらに好ましくは 5 nm〜
200 nmである。
発光層の形成方法としては、 例えば、 溶液からの成膜による方法が例示される。 溶液 からの成膜方法としては、 スピンコート法、 キャスティング法、 マイクログラビアコー 卜法、 グラビアコート法、 バーコート法、 口一ルコート法、 ワイア一バーコート法、 デ イッブコート法、 スプレーコート法、 スクリーン印刷法、 フレキソ印刷法、 オフセット 印刷法、 インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。 パターン形成や 多色の塗分けが容易であるという点で、 スクリーン印刷法、 フレキソ印刷法、 オフセッ ト印刷法、 ィンクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
印刷法等で用いる溶液 (インク組成物) としては、 少なくとも 1種類の本発明の高分 子化合物が含有されていればよく、 また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、 電 子輸送材料、 発光材料、 溶媒、 安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該ィンク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、 溶媒を除いた組成物の全 重量に対して通常は 2 O w t ~ 1 0 O w t %であり、 好ましくは 4 O w t %〜 1 0 0 w t %である。
またィンク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、 組成物の全重量に対レて 1 w t %~ 9 9. 9 w t %であり、 好ましくは 6 0 w t %〜9 9 . 5 w t %であり、 さ らに好ましく 8 0 w t %〜9 9 . 0 \¥セ%である。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、 本発明の重合体を溶解または均一に分散でき るものが好ましい。 該溶媒としてクロ口ホルム、 塩化メチレン、 1 , 2—ジクロロエタ ン、 1 , 1 , 2—トリクロロェタン、 クロ口ベンゼン、 o—ジクロ口ベンゼン等の塩素 系溶媒、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン等のエーテル系溶媒、 トルエン、 キシレン等 の芳香族炭化水素系溶媒、 シクロへキサン、 メチルシクロへキサン、 n—ペンタン、 n 一へキサン、 n—ヘプタン、 n—オクタン、 n—ノナン、 n—デカン等の脂肪族炭化水 素系溶媒、 アセトン、 メチルェチルケトン、 シクロへキサノン等のケトン系溶媒、 酢酸 ェチル、 酢酸プチル、 ェチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、 エチレングリ コール、 エチレングリコ一ルモノブチルェ一テル、 エチレングリコールモノェチルエー テル、 エチレングリコールモノメチルエーテル、 ジメトキシェタン、 プロピレングリコ ール、 ジエトキシメタン、 トリエチレングリコ一ルモノエチルェ一テル、 グリセリン、 1 , 2—へキサンジオール等の多価アルコールおよびその誘導体、 メタノール、 ェタノ
—ル、 プロパノ一ル、 イソプロパノール、 シクロへキサノール等のアルコール系溶媒、 ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、 N—メチル—2—ピロリドン、 N, N ージメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。 また、 これらの有機溶媒は、 単独で、 または複数組み合わせて用いることができる。 上記溶媒のうち、 ベンゼン環を 少なくとも 1個以上含む構造を有し、 かつ融点が 0 °C以下、 沸点が 1 0 0 ^以上である 有機溶媒を 1種類以上含むことが好ましい。
溶媒の種類としては、 有機溶媒への溶解性、 成膜時の均一性、 粘度特性等の観点から 、 芳香族炭化水素系溶媒、 脂肪族炭化水素系溶媒、 エステル系溶媒、 ケトン系溶媒が好 ましく、 トルエン、 キシレン、 ェチルベンゼン、 ジェチルベンゼン、 トリメチルベンゼ. ン、 n—プロピルベンゼン、 i—プロピルベンゼン、 n—ブチルベンゼン、 i —ブチル ベンゼン、 s—ブチルベンゼン、 ァニソール、 エトキシベンゼン、 1一メチルナフタレ ン、 シクロへキサン、 シクロへキサノン、 シクロへキシルベンゼン、 ビシクロへキシル 、 シクロへキセニルシクロへキサノン、 n—へプチルシクロへキサン、 n—へキシルシ クロへキサン、 2—プロビルシクロへキサノン、 2—ヘプタノン、 3—ヘプ夕ノン、 4 一ヘプ夕ノン、 2—ォクタノン、 2—ノナノン、 2—デカノン、 ジシクロへキシルケト ンが好ましく、 キシレン、 ァニソ一ル、 シクロへキシルベンゼン、 ピシクロへキシルの うち少なくとも 1種類を含むことがより好ましい。
溶液中の溶媒の種類は、 成膜性の観点や素子特性等の観点から、 2種類以上であるこ とが好ましく、 2〜 3種類であることがより好ましく、 2種類であることがさらに好ま しい。
溶液中に 2種類の溶媒が含まれる場合、 そのうちの 1種類の溶媒は 2 5 °Cにおいて固 体状態でもよい。 成膜性の観点から、 1種類の溶媒は沸点が 1 8 0 °C以上の溶媒であり 、 他の 1種類の溶媒は沸点が 1 8 0 °C以下の溶媒であることが好ましく、 1種類の溶媒 は沸点が 2 0 0 °C以上の溶媒であり、 他の 1種類の溶媒は沸点が 1 8 0 °C以下の溶媒で あることがより好ましい。 また、 粘度の観点から、 2種類の溶媒ともに、 6 0 におい て 1 w t %以上の高分子化合物が溶解することが好ましく、 2種類の溶媒のうちの 1種 類の溶媒には、 2 5 °Cにおいて 1 w t %以上の高分子化合物が溶解することが好ましい
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29 本発明の溶液の粘度は、 吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が 25 °Cにおいて 5〜2 OmP a - sの範囲であることが好ましく、 7〜2 OmP a · sの範 囲であることがより好ましい。
本発明の溶液を用いて作製できる薄膜としては、 発光性薄膜、 導電性薄膜、 有機半導 体薄膜が例示される。
本発明の発光性薄膜は、 素子の輝度や発光電圧等の観点から、 発光の量子収率が 50 %以上であることが好ましく、 60 %以上であることがより好ましく、 70%以上であ ることがさらに好ましい。
本発明の導電性薄膜は、 表面抵抗が 1ΚΩ /口以下であることが好ましい。 薄膜に、 ルイス酸、 イオン性化合物などをド一プすることにより、 電気伝導度を高めることがで きる。 表面抵抗が 100 Ω /口以下であることがより好ましく、 10Ω /口であること がさらに好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、 電子移動度または正孔移動度のいずれか大きいほうが、 10—
5 cm
2ZVZ秒以上であることが好ましい。 より好ましくは、 10-
3 cm
2ZV/ 秒以上であり、 さらに好ましくは、 10—
1
S i 02などの絶縁膜とゲート電極とを形成した S i基板上に該有機半導体薄膜を形 成し、 Auなどでソース電極とドレイン電極を形成することにより、 有機トランジスタ とすることができる。
本発明の高分子 LEDは陽極および陰極からなる電極間に、 発光層を有し、 該発光層 が、 本発明の重合体または高分子組成物を含むことを特徴とする。 本発明の高分子 L EDには、 少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含 む層を設けた高分子発光素子、 少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接し て平均膜厚 2 nm以下の絶縁層を設けた高分子発光素子も含まれる。
また、 本発明の高分子 LEDとしては、 陰極と発光層との間に、 電子輸送層を設けた 高分子 LED、 陽極と発光層との間に、 正孔輸送層を設けた高分子 LED、 陰極と発光 層との間に、 電子輸送層を設け、 かつ陽極と発光層との間に、 正孔輸送層を設けた高分 子 LED等が挙げられる。
本発明の高分子 LEDの構造としては、 具体的には、 以下の a) 〜d) の構造が例示
される。
a) 陽極 Z発光層 陰極
b) 陽極 Z正孔輸送層/発光層/陰極
c ) 陽極ノ発光層/電子輸送層/陰極
d) 陽極 Z正孔輸送層/発光層 Z電子輸送層 Z陰極
(ここで、 は各層が隣接して積層されていることを示す。 以下同じ。 )
ここで、 発光層とは、 発光する機能を有する層であり、 正孔輸送層とは、 正孔を輸送 する機能を有する層であり、 電子輸送層とは、 電子を輸送する機能を有する層である。 なお、 電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。 発光層、 正孔輸送層、 電子輸送層は、 それぞれ独立に 2層以上用いてもよい。
また、 電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、 電極からの電荷注入効率を改善する 機能を有し、 素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、 特に電荷注入層 (正孔注入 層、 電子注入層) と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、 電極に隣接して前 記の電荷注入層又は膜厚 2 n m以下の絶縁層を設けてもよく、 また、 界面の密着性向上 や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄い絶縁層を揷入してもよい。 積層する層の順番や数、 および各層の厚さについては、 発光効率や素子寿命を勘案して 適宜用いることができる。
本発明において、 電荷注入層 (電子注入層、 正孔注入層) を設けた高分子 L E Dとし ては、 陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子 L E D、 陽極に隣接して電荷注入層を 設けた高分子 L E Dが挙げられる。 例えば、 具体的には、 以下の e) ~p) の構造が挙 げられる。
e) 陽極ノ電荷注入層/発光層/陰極
f) 陽極ノ発光層 Z電荷注入層/陰極
g) 陽極/電荷注入層 Z発光層/電荷注入層 Z陰極
1 陽極 Z電荷注入層/正孔輸送層 Z発光層 Z陰極
i) 陽極 Z正孔輸送層/発光層/電荷注入層 陰極
j ) 陽極ノ電荷注入層/正孔輸送層ノ発光層/電荷注入層 Z陰極
k) 陽極/電荷注入層ノ発光層ノ電子輸送層/陰極
1) 陽極 Z発光層 Z電子輸送層/電荷注入層 Z陰極
m) 陽極/電荷注入層 発光層/電子輸送層 Z電荷注入層 Z陰極
n) 陽極 Z電荷注入層 Z正孔輸送層ノ発光層 Z電子輸送層 Z陰極
o ) 陽極 Z正孔輸送層 Z発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
P ) 陽極 電荷注入層 Z正孔輸送層 Z発光層/電子輸送層 Z電荷注入層/陰極 電荷注入層の具体的な例としては、 導電性高分子を含む層、 陽極と正孔輸送層との間 に設けられ、 陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポ テンシャルを有する材料を含む層、 陰極と電子輸送層との間に設けられ、 陰極材料と電 子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層など が例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、 該導電性高分子の電気伝導度は、 1 0一5 SZcm以上 103以下であることが好ましく、 発光画素間のリーク電流を小さく するためには、 10— 5 SZcm以上 102以下がより好ましく、 10— 5SZcm以上 1 01以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、 該導電性高分子の電気伝導度は、 1 0— 5 SZcm以上 103 SZcm以下であることが好ましく、 発光画素間のリーク電流 を小さくするためには、 10— 5 SZcm以上 102 S/cm以下がより好ましく、 10一 53 111以上101 SZcm以下がさらに好ましい。 通常は該導電性高分子の電気伝 導度を 10— 5 SZcm以上 103以下とするために、 該導電性高分子に適量のイオンを ド―プする。
ド一プするイオンの種類は、 正孔注入層であればァニオン、 電子注入層であればカチ オンである。 ァニオンの例としては、 ポリスチレンスルホン酸イオン、 アルキルべンゼ ンスルホン酸イオン、 樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、 カチオンの例としては、 リチウムイオン、 ナトリウムイオン、 カリウムイオン、 テトラプチルアンモニゥムィォ ンなどが例示される。 電荷注入層の膜厚としては、 例えば 1 ηπ!〜 1 00 nmであり 、 2 nm〜 50 nmが好ましい。
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32 電荷注入層に用いる材料は、 電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく 、 ポリア二リンおよびその誘導体、 ポリチォフェンおよびその誘導体、 ポリピロ一ルぉ よびその誘導体、 ポリフエ二レンピニレンおよびその誘導体、 ポリチェ二レンピニレン およびその誘導体、 ポリキノリンおよびその誘導体、 ポリキノキサリンおよびその誘導 体、 芳香族ァミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、 金属フタ口 シァニン (銅フタロシアニンなど) 、 カーボンなどが例示される。
膜厚 2 nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。 上記絶縁 層の材料としては、 金属フッ化物、 金属酸化物、 有機絶縁材料等が挙げられる。 膜厚 2 nm以下の絶縁層を設けた高分子 L E Dとしては、 陰極に隣接して膜厚 2 nm以下の絶 縁層を設けた高分子 L E D、 陽極に隣接して膜厚 2 nm以下の絶縁層を設けた高分子 L E Dが挙げられる。
具体的には、 例えば、 以下の c!)〜 ab) の構造が挙げられる。
q ) 陽極/膜厚 2 nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r ) 陽極/発光層 Z膜厚 2 nm以下の絶縁層/陰極
s ) 陽極ノ膜厚 2 nm以下の絶縁層 Z発光層/膜厚 2 nm以下の絶縁層/陰極 t ) 陽極/膜厚 2 nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層 Z陰極
u) 陽極/正孔輸送層 Z発光層 膜厚 2 nm以下の絶縁層/陰極
v) 陽極/膜厚 2 II m以下の絶縁層ノ正孔輸送層 Z発光層 膜厚 2 nm以下の絶縁層 Z 陰極 .
w) 陽極/膜厚 2 nm以下の絶縁層/発光層 Z電子輸送層 Z陰極
x) 陽極/発光層 Z電子輸送層/膜厚 2 nm以下の絶縁層/陰極
y) 陽極/膜厚 2 nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層 Z膜厚 2 nm以下の絶縁層 陰極
I) 陽極/膜厚 2 nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa) 陽極 Z正孔輸送層 Z発光層 Z電子輸送層/膜厚 2 nm以下の絶縁層 _ 陰極 ab) 陽極 膜厚 2 nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層 Z膜厚 2 nm以 下の絶縁層/陰極
発光層は、 本発明の重合体または高分子組成物を含むが、 発光層に前記重合体以外の 発光材料を混合して使用してもよい。 また、 本発明の高分子 L E Dにおいては、 上記高 分子蛍光体以外の発光材料を含む発光層が、 前記重合体を含む発光層と積層されていて もよい。 該発光材料としては、 公知のものが使用できる。 低分子化合物では、 例えば 、 ナフタレン誘導体、 アントラセンまたはその誘導体、 ペリレンまたはその誘導体、 ポ リメチン系、 キサンテン系、 クマリン系、 シァニン系などの色素類、 8—ヒドロキシキ ノリンまたはその誘導体の金属錯体、 芳香族ァミン、 テトラフェニルシクロペン夕ジェ ンまたはその誘導体、 またはテトラフエ二ルブ夕ジェンまたはその誘導体などを用いる ことができる。 具体的には、 例えば特開昭 5 7— 5 1 7 8 1号、 同 5 9— 1 9 4 3 9 3号公報に記載されているもの等、 公知のものが使用可能である。
本発明の高分子 L E Dが正孔輸送層を有する場合、 使用される正孔輸送材料としては 、 ポリビニルカルバゾールまたはその誘導体、 ポリシランまたはその誘導体、 側鎖また は主鎖に芳香族ァミンを有するポリシロキサン誘導体、 ピラゾリン誘導体、 ァリールァ ミン誘導体、 スチルベン誘導体、 トリフエ二ルジァミン誘導体、 ポリア二リンまたはそ の誘導体、 ポリチォフェンまたはその誘導体、 ポリピロ一ルまたはその誘導体、 ポリ ( p—フエ二レンビニレン) またはその誘導体、 またはポリ (2, 5—チェ二レンビニレ ン) またはその誘導体などが例示される。
具体的には、 該正孔輸送材料として、 特開昭 6 3 - 7 0 2 5 7号公報、 同 6 3— 1 7 5 8 6 0号公報、 特開平 2 _ 1 3 5 3 5 9号公報、 同 2 _ 1 3 5 3 6 1号公報、 同 2— 2 0 9 9 8 8号公報、 同 3— 3 7 9 9 2号公報、 同 3— 1 5 2 1 8 4号公報に記載され ているもの等が例示される。
これらの中で、 正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、 ポリビニルカルバゾールま たはその誘導体、 ポリシランまたはその誘導体、 側鎖または主鎖に芳香族ァミン化合物 基を有するポリシロキサン誘導体、 ポリア二リンまたはその誘導体、 ポリチォフェンま たはその誘導体、 ポリ (p—フエ二レンピニレン) またはその誘導体、 またはポリ (2 , 5—チェ二レンビニレン) またはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、 さ らに好ましくはポリピニルカルバゾールまたはその誘導体、 ポリシランまたはその誘導 体、 側鎖または主鎖に芳香族ァミンを有するポリシロキサン誘導体である。 低分子の正
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34 孔輸送材料の場合には、 高分子バインダ一に分散させて用いることが好ましい。
ポリピニルカルバゾ一ルまたはその誘導体は、 例えばビニルモノマーからカチオン重 合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランまたはその誘導体としては、 ケミカル 'レビュー (C h e m. R e v . ) 第 8 9巻、 1 3 5 9頁 (1 9 8 9年) 、 英国特許 G B 2 3 0 0 1 9 6号公開明細書に記 載の化合物等が例示される。 合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、 特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサンまたはその誘導体は、 シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんど ないので、 側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用い られる。 特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。 正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、 低分子正孔輸送材料では、 高分子バインダ 一との混合溶液からの成膜による方法が例示される。 また、 高分子正孔輸送材料では、 溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、 正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に 制限はない。 該溶媒として、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 ジクロロェタン等の塩素系 溶媒、 テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水 素系溶媒、 アセトン、 メチルェチルケトン等のケトン系溶媒、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル 、 ェチルセルソルプアセテ一ト等のエステル系溶媒が例示される。
溶液からの成膜方法としては、 溶液からのスピンコート法、 キャスティング法、 マイ クログラビアコート法、 グラビアコート法、 バーコート法、 ロールコート法、 ワイア一 パ一コート法、 ディップコート法、 スプレーコート法、 スクリーン印刷法、 フレキソ印 刷法、 オフセット印刷法、 インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる 本発明の重合体はインクジエツト法により成膜できることを特徴としている。 インク ジエツト法とは、 重合体を溶媒に溶解させインクジエツト装置等で吐出する方法である 。 溶液を作製する際に、 添加剤やドーパントを含んでいてもよい。 色の塗り分けが可能 な点や材料のロスが少なく有効に活用できる点が長所である。
混合する高分子パインダ一としては、'電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、
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35 また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。 該高分子バインダ一とし て、 ポリ力一ポネート、 ポリアクリレート、 ポリメチルァクリレート、 ポリメチルメタ クリレ一ト、 ポリスチレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリシロキサン等が例示される。
正孔輸送層の膜厚としては、 用いる材料によって最適値が異なり、 駆動電圧と発光効 率が適度な値となるように選択すればよいが、 少なくともピンホールが発生しないよう な厚さが必要であり、 あまり厚いと、 素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。 従って
、 該正孔輸送層の膜厚としては、 例えば 1 n mから 1 mであり、 好ましくは 2 nm〜 5 0 0 nmであり、 さらに好ましくは 5 n m〜 2 0 0 nmである。
本発明の高分子 L E Dが電子輸送層を有する場合、 使用される電子輸送材料としては 公知のものが使用でき、 ォキサジァゾール誘導体、 アントラキノジメタンまたはその誘 導体、 ベンゾキノンまたはその誘導体、 ナフトキノンまたはその誘導体、 アントラキノ ンまたはその誘導体、 テトラシァノアンスラキノジメタンまたはその誘導体、 フルォレ ノン誘導体、 ジフエニルジシァノエチレンまたはその誘導体、 ジフエノキノン誘導体、 または 8—ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体、 ポリキノリンまたはその 誘導体、 ポリキノキサリンまたはその誘導体、 ポリフルオレンまたはその誘導体等が例 示される。
具体的には、 特開昭 6 3— 7 0 2 5 7号公報、 同 6 3— 1 7 5 8 6 0号公報、 特開平
2 - 1 3 5 3 5 9号公報、 同 2— 1 3 5 3 6 1号公報、 同 2— 2 0 9 9 8 8号公報、 同
3 - 3 7 9 9 2号公報、 同 3— 1 5 2 1 8 4号公報に記載されているもの等が例示され る。
これらのうち、 ォキサジァゾ一ル誘導体、 ベンゾキノンまたはその誘導体、 アントラ キノンまたはその誘導体、 または 8—ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体 、 ポリキノリンまたはその誘導体、 ポリキノキサリンまたはその誘導体、 ポリフルォレ ンまたはその誘導体が好ましく、 2— (4ービフエ二リル) 一 5— (4一 t _プチルフ ェニル) 一 1 , 3, 4一ォキサジァゾール、 ベンゾキノン、 アントラキノン、 トリス ( 8—キノリノール) アルミニウム、 ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、 低分子電子輸送材料では、 粉末から の真空蒸着法、 または溶液または溶融状態からの成膜による方法が、 高分子電子輸送材
料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。 溶液または溶 融状態からの成膜時には、 高分子バインダ一を併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、 電子輸送材料および Zまたは高分子バインダ 一を溶解させるものであれば特に制限はない。 該溶媒として、 クロ口ホルム、 塩化メチ レン、 ジクロロェ夕ン等の塩素系溶媒、 テトラヒドロフラン等のェ一テル系溶媒、 トル ェン、 キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、 アセトン、 メチルェチルケトン等のケトン 系溶媒、 酢酸ェチル、 酢酸プチル、 ェチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が 例示される。
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、 スピンコート法、 キャスティング法、 マイクログラピアコート法、 グラビアコート法、 バーコート法、 口一ルコート法、 ワイ アーパーコート法、 ディップコート法、 スプレーコート法、 スクリーン印刷法、 フレキ ソ印刷法、 オフセット印刷法、 ィンクジェットプリント法等の塗布法を用いることがで きる。
混合する高分子バインダ一としては、 電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、 また、 可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。 該高分子バインダーと して、 ポリ (N—ピニルカルバゾ一ル)、 ポリア二リンまたはその誘導体、 ポリチオフ ェンまたはその誘導体、 ポリ (p—フエ二レンビニレン) またはその誘導体、 ポリ (2 , 5—チェ二レンピニレン) またはその誘導体、 ポリ力一ポネート、 ポリアクリレート 、 ポリメチルァクリレート、 ポリメチルメタクリレート、 ポリスチレン、 ポリ塩化ピニ ル、 またはポリシロキサンなどが例示される。
電子輸送層の膜厚としては、 用いる材料によって最適値が異なり、 駆動電圧と発光効 率が適度な値となるように選択すればよいが、 少なくともピンホールが発生しないよう な厚さが必要であり、 あまり厚いと、 素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。 従って 、 該電子輸送層の膜厚としては、 例えば 1 nmから 1 mであり、 好ましくは 2 nm〜 5 0 0 nmであり、 さらに好ましくは 5 nm〜2 0 0 nmである。
本発明の高分子 L E Dを形成する基板は、 電極を形成し、 有機物の層を形成する際に 変化しないものであればよく、 例えばガラス、 プラスチック、 高分子フィルム、 シリコ ン基板などが例示される。 不透明な基板の場合には、 反対の電極が透明または半透明で
あることが好ましい。
通常は、 陽極および陰極からなる電極の少なくとも一方が透明または半透明であり、 陽極側が透明または半透明であることが好ましい。 該陽極の材料としては、 導電性の金 属酸化物膜、 半透明の金属薄膜等が用いられる。 具体的には、 酸化インジウム、 酸化亜 鉛、 酸化スズ、 およびそれらの複合体であるインジウム ·スズ ·ォキサイド ( I TO) 、 インジウム ·亜鉛 ·ォキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜 (N E S Aなど) や、 金、 白金、 銀、 銅等が用いられ、 I T O、 インジウム,亜鉛 ·ォキサイ ド、 酸化スズが好ましい。 作製方法としては、 真空蒸着法、 スパッタリング法、 イオン プレーティング法、 メツキ法等が挙げられる。 また、 該陽極として、 ポリア二リンまた はその誘導体、 ポリチォフェンまたはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよ い。 陽極の膜厚は、 光の透過性と電気伝導度とを考慮して、 適宜選択することができ るが、 例えば 1 0 nmから 1 0 mであり、 好ましくは 2 0 nm〜 1 /^mであり、 さら に好ましくは 5 0 nm~ 5 0 0 nmである。 また、 陽極上に、 電荷注入を容易にする ために、 フタロシアニン誘導体、 導電性高分子、 カーボンなどからなる層、 あるいは金 属酸化物や金属フッ化物、 有機絶縁材料等からなる平均膜厚 2 nm以下の層を設けても よい。
本発明の高分子 L E Dで用いる陰極の材料としては、 仕事関数の小さい材料が好まし い。 例えば、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ルビジウム、 セシウム、 ベリリウム、 マグネシウム、 カルシウム、 ストロンチウム、 バリウム、 アルミニウム、 スカンジウム 、 バナジウム、 亜鉛、 イットリウム、 インジウム、 セリウム、 サマリウム、 ュ一口ピウ ム、 テルビウム、 イッテルビウムなどの金属、 およびそれらのうち 2つ以上の合金、 あ るいはそれらのうち 1つ以上と、 金、 銀、 白金、 銅、 マンガン、 チタン、 コバルト、 二 ッケル、 タングステン、 錫のうち 1つ以上との合金、 グラフアイトまたはグラフアイト 層間化合物等が用いられる。 合金の例としては、 マグネシウム一銀合金、 マグネシウム 一インジウム合金、 マグネシウム一アルミニウム合金、 インジウム一銀合金、 リチウム 一アルミニウム合金、 リチウム—マグネシゥム合金、 リチウム一インジウム合金、 カル シゥム一アルミニウム合金などが挙げられる。 陰極を 2層以上の積層構造としてもよい 。 陰極の膜厚は、 電気伝導度や耐久性を考慮して、 適宜選択することができるが、 例
えば 1 0 nmから 1 0 imであり、 好ましくは 2 0 nm〜l mであり、 さらに好まし くは 5 0 nm〜5 0 0 nmである。
陰極の作製方法としては、 真空蒸着法、 スパッタリング法、 また金属薄膜を熱圧着す るラミネート法等が用いられる。 また、 陰極と有機物層との間に、 導電性高分子からな る層、 あるいは金属酸化物や金属フッ化物、 有機絶縁材料等からなる平均膜厚 2 nm以 下の層を設けてもよく、 陰極作製後、 該高分子 L E Dを保護する保護層を装着していて もよい。 該高分子 L E Dを長期安定的に用いるためには、 素子を外部から保護するため に、 保護層および Zまたは保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、 高分子化合物、 金属酸化物、 金属フッ化物、 金属ホウ化物などを 用いることができる。 また、 保護カバーとしては、 ガラス板、 表面に低透水率処理を施 したプラスチック板などを用いることができ、 該カバ一を熱効果樹脂や光硬化樹脂で素 子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。 スぺーサ一を用いて空間を維 持すれば、 素子がキズつくのを防ぐことが容易である。 該空間に窒素やアルゴンのよう な不活性なガスを封入すれば、 陰極の酸化を防止することができ、 さらに酸化バリウム 等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージ を与えるのを抑制することが容易となる。 これらのうち、 いずれか 1つ以上の方策をと ることが好ましい。
本発明の高分子 L E Dを用いて面状の発光を得るためには、 面状の陽極と陰極が重な り合うように配置すればよい。 また、 パターン状の発光を得るためには、 前記面状の発 光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、 非発光部の有機物層を 極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、 陽極または陰極のいずれか一方、 または 両方の電極をパターン状に形成する方法がある。 これらのいずれかの方法でパターンを 形成し、 いくつかの電極を独立に O n ZO F Fできるように配置することにより、 数字 や文字、 簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。 更に、 ドットマトリックス素子とするためには、 陽極と陰極をともにストライプ状に形成して 直交するように配置すればよい。 複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分け る方法や、 カラーフィルターまたは蛍光変換フィルタ一を用いる方法により、 部分カラ 一表示、 マルチ力ラ一表示が可能となる。 ドットマトリックス素子は、 パッシブ駆動も
可能であるし、 TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。 これらの表示素 子は、 コンピュータ、 テレビ、 携帯端末、 携帯電話、 力一ナピゲーシヨン、 ビデオカメ ラのビューフアインダ一などの表示装置として用いることができる。
さらに、 前記面状の発光素子は、 自発光薄型であり、 液晶表示装置のバックライト用 の面状光源、 あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。 また、 フレ キシブルな基板を用いれば、 曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、 本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、 本発明はこれらに限定 されるものではない。
数平均分子量および重量平均分子量については、 テトラヒドロフランを溶媒として、 ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー (GPC) (島津製作所製: LC一 10 Av ρ) によりポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を求めた。 測定する 重合体は、 約 0. 5wt %の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、 GPCに 50/_iL注入した。 GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、 0. 6mLZmi n の流速で流した。 カラムは、 TSKge l Sup e r HM-H (東ソ一製) 2本と T SKge l Supe rH2000 (東ソ一製) 1本を直列に繋げた。 検出器には示差 屈折率検出器 (島津製作所製: R I D— 1 OA) を用いた。
また、 酸化電位および還元電位の測定にはサイクリックボルタンメトリー (ビ一 ·ェ — ·エス製: AL S 600) を用い、 0. lw t %テトラプチルアンモニゥム一 tーフ ルォロボレ一トを含むァセトニトリル溶媒中で測定を行なった。 酸化電位の測定は、 参 照電極に銀 Z塩化銀電極、 作用極に白金電極、 対極に白金電極を用い、 溶媒を窒素で 1 分間パブリングした後に測定を行なった。 一方、 還元電位の測定は、 参照電極に銀ノ銀 イオン電極、 作用極にグラッシ一力一ボン電極、 対極に白金電極を用い、 窒素で置換し たグローブボックス中で測定を行なった。 また、 電位の掃引速度は共に 5 OmV/sで 測定した。
実施例 1
<共重合体 1の合成 >
2, 7—ジブ口モー 9, 9ージォクチルフルオレン (0. 30 g、 0. 54mmo 1 ) 、 2, 7—ジブ口モー 9, 9ージイソペンチルフルオレン (0. 063 g、 0. 14
mmo 1 ) 、 N— (4一ブロモフエニル) 一 N、 N—ジフエニルァミン (0. 011 、 0. 069mmo 1) および 2, 2' —ビピリジル (0. 29 g、 1. 9 mm o 1 ) を脱水したテトラヒドロフラン 2 OmLに溶解した後、 窒素でパブリングして系内を窒 素置換した。 窒素雰囲気下において、 この溶液に、 ビス (1、 5—シクロォクタジェン ) ニッケル (0) {N i (COD) 2 } (0. 52 g、 1. 9mo 1 ) 加え、 60°Cま で昇温し、 8時間反応させた。 反応後、 この溶液を冷却した後、 25%アンモニア水 1 0m 1ノメタノール 120m 1 /イオン交換水 5 Oml混合溶液中にそそぎ込み、 約 1 時間攪拌した。 次に、 生成した沈殿を、 ろ過することにより回収した。 この沈殿をエタ ノールで洗浄した後、 2時間減圧乾燥した。 次に、 この沈殿をトルエン 3 OmLに溶解 し、 1N塩酸 3 OmLを加えて 1時間攪拌し、 水層の除去して有機層に 4 %アンモニア 水 3 OmLを加え、 1時間攪拌した後に水層を除去した。 有機層はメタノール 20 Om Lに滴下して 1時間攪拌し、 析出した沈殿をろ過して 2時間減圧乾燥し、 トルエン 30 mLに溶解させた。 その後、 アルミナカラム (アルミナ量 20 g) を通して精製を行い 、 回収したトルエン溶液をメタノール 25 OmLに滴下して 1時間攪拌し、 析出した沈 殿をろ過して 2時間減圧乾燥させた。 得られた共重合体 1の収量は 0. 15 であった 。 共重合体 1のポリスチレン換算数平均分子量は、 1. 2 X 104であり、 ポリスチレ ン換算重量平均分子量は 2. 6 X 104であった。
実施例 2
ぐ酸化電位の測定 >
共重合体 1をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0 . 05 mLを白金電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして共重合体 1の薄膜を作製し た。 前記の方法で共重合体 1の酸化電位を測定したところ 94 OmVであった。
合成例 1
<N-4- s一ブチルフエ二ルー N、 N—ジフエニルァミンホモポリマーの合成 >
N、 N、 N—トリフエニルァミンホモポリマーは溶解性が悪く、 酸化電位および還元 電位が測定できないため、 置換基として s—ブチル基を 1個つけた N— 4一 s—ブチル フエ二ルー N、 N—ジフエニルァミンホモポリマーを重合して、 酸化電位の測定を行な つた。
N— 4— s—ブチルフエ二ルー N、 N—ジ— 4一ブロモフエニルフエニル 2. 1 g (4. 5 mm o 1 ) と 2, 2' —ビビリジル 1. 9 g (12mmo 1 ) とを反応容器に 仕込んだ後、 反応系内を窒素ガスで置換した。 これに、 あらかじめアルゴンガスでバブ リングして、 脱気したテトラヒドロフラン (脱水溶媒) 120 gを加えた。 次に、 この 混合溶液に、 ビス (1, 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) を 3. 5 g (13m mo 1 ) を加え、 室温で 10分間攪拌した後、 60°Cで 3時間反応した。 なお、 反応は 、 窒素ガス雰囲気中で行った。 反応後、 この溶液を冷却した後、 25%アンモニア水 3 0 m 1 Zエタノール 150 m 1 /イオン交換水 150ml混合溶液をそそぎ込み、 約 1 時間攪拌した。 次に、 生成した沈殿を濾過し、 回収した。 この沈殿を減圧乾燥した後、 クロ口ホルムに溶解した。 この溶液を濾過し、 不溶物を除去した。 次に、 このクロロホ ルム溶液をメタノール中に注ぎ込むことにより、 再沈精製した。 次に、 生成した沈殿を 濾過し、 回収した。 この沈殿を減圧乾燥して、 N— 4— s—ブチルフエ二ルー N、 N— ジフエニルァミンホモポリマー 0. 44 gを得た。 N— 4— s—プチルフエ二ルー N、 N—ジフエニルァミンホモポリマーのポリスチレン換算数平均分子量は、 6. 7x 10 3であり、 ポリスチレン換算重量平均分子量は 4. 2x 104であった。
測定例 1
ぐ酸化電位の測定 >
N-4- s一ブチルフエ二ルー N、 N—ジフエ二ルァミンホモポリマーをクロ口ホル ムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0. 05mLを白金電極上に 塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして N— 4— s—ブチルフエ二ルー N、 N—ジフエニルァ ミンホモポリマーの薄膜を作製した。 前記の方法で N— 4一 s—ブチルフエ二ルー N、 N—ジフエニルァミンホモポリマ一の酸化電位を測定したところ 68 OmVであった。 実施例 3
ぐ共重合体 2の合成 >
2, 7—ジブ口モー 9, 9—ジォクチルフルオレン (0. 30 g、 0. 54mmo 1 ) 、 2, 7—ジプロモー 9, 9ージイソペンチルフルオレン (0. 063 g、 0. 14 mmo l) 、 2—ブロモピリジン (0. 011 g、 0. 069mmo 1 ) および 2, 2 ' ーピピリジル (0. 29 g、 1. 9mmo 1) を脱水したテトラヒドロフラン 2 Om
Lに溶解した後、 窒素でパブリングして系内を窒素置換した。 窒素雰囲気下において、 この溶液に、 ビス (1、 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) {N i (COD) 2 } (0. 52 g、 1. 9mo l) 加え、 60°Cまで昇温し、 8時間反応させた。 反応後 、 この溶液を冷却した後、 25%アンモニア水 10ml/メタノール 120ml Zィォ ン交換水 50ml混合溶液中にそそぎ込み、 約 1時間攪拌した。 次に、 生成した沈殿を 、 ろ過することにより回収した。 この沈殿をエタノールで洗浄した後、 2時間減圧乾燥 した。 次に、 この沈殿をトルエン 3 OmLに溶解し、 1 N塩酸 3 OmLを加えて 1時間 攪拌し、 水層の除去して有機層に 4%アンモニア水 3 OmLを加え、 1時間攪拌した後 に水層を除去した。 有機層はメタノール 20 OmLに滴下して 1時間攪拌し、 析出した 沈殿をろ過して 2時間減圧乾燥し、 トルエン 3 OmLに溶解させた。 その後、 アルミナ カラム (アルミナ量 20 g) を通して精製を行い、 回収したトルエン溶液をメタノール 25 OmLに滴下して 1時間攪拌し、 析出した沈殿をろ過して 2時間減圧乾燥させた。 得られた共重合体 2の収量は 0. 17 gであった。 共重合体 2のポリスチレン換算数平 均分子量は、 1. 8 X 104であり、 ポリスチレン換算重量平均分子量は 4. 1 x 10 4であった。
測定例 2
ぐ還元電位の測定 >
2—ブロモピリジンを 0. 1 wt %テトラプチルアンモニゥム— t一フルォロポレー トを含むァセトニトリルに溶解させ、 前記の方法で還元電位を測定したところ一 217 5mVであった。
実施例 4
<還元電位の測定 >
共重合体 2をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0 . 05mLをグラッシ一力一ボン電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして共重合体 2 の薄膜を作製した。 前記の方法で共重合体 2の還元電位を測定したところ一 2230m Vであった。
実施例 5
ぐ共重合体 3の合成 >
2, 7—ジブ口モー 9, 9—ジォクチルフルオレン (0. 30 g、 0. 54 mm o 1 ) 、 2, 7—ジブ口モー 9, 9—ジイソペンチルフルオレン (0. 063 g、 0. 14 mmo 1 ) 、 4—プロモー N、 N—ジメチルァニリン (0. 014g、 0. 069 mm o l) および 2, 2' —ビピリジル (0. 29 g、 1. 9mmo 1) を脱水したテトラ ヒドロフラン 2 OmLに溶解した後、 窒素でパブリングして系内を窒素置換した。 窒素 雰囲気下において、 この溶液に、 ビス (1、 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0)
{N i (COD) a } (0. 52g、 l. 9mo l) 加え、 60°Cまで昇温し、 8時間 反応させた。 反応後、 この溶液を冷却した後、 25 %アンモニア水 10m 1 /メタノー ル 120 m 1 /イオン交換水 50ml混合溶液中にそそぎ込み、 約 1時間攪拌した。 次 に、 生成した沈殿を、 ろ過することにより回収した。 この沈殿をエタノールで洗浄した 後、 2時間減圧乾燥した。 次に、 この沈殿をトルエン 3 OmLに溶解し、 1N塩酸 30 mLを加えて 1時間攪拌し、 水層の除去して有機層に 4%アンモニア水 3 OmLを加え 、 1時間攪拌した後に水層を除去した。 有機層はメタノール 20 OmLに滴下して 1時 間攪拌し、 析出した沈殿をろ過して 2時間減圧乾燥し、 トルエン 3 OmLに溶解させた 。 その後、 アルミナカラム (アルミナ量 20 g) を通して精製を行い、 回収したトルェ ン溶液をメタノール 25 OmLに滴下して 1時間攪拌し、 析出した沈殿をろ過して 2時 間減圧乾燥させた。 得られた共重合体 3の収量は 0. 14gであった。 共重合体 3のポ リスチレン換算数平均分子量は、 1. 6x 104であり、 ポリスチレン換算重量平均分 子量は 3. 7 X 104であった。
実施例 6
ぐ酸化電位の測定 >
共重合体 3をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0 . 05 mLを白金電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして共重合体 3の薄膜を作製し た。 前記の方法で共重合体 3の酸化電位を測定したところ 935 mVであった。
測定例 3
<酸化電位の測定 >
4ーブロモー N、 N—ジメチルァニリンを 0. 1 w t %テトラプチルアンモニゥムー t一フルォロポレートを含むァセトニトリルに溶解させ、 前記の方法で酸化電位を測定
したところ 678mVであった。
比較例 1
<共重合体 4の合成 >
2, 7—ジブ口モー 9, 9ージォクチルフルオレン (26. 32 g、 0. 0480m o l) 、 2, 7—ジブ口モー 9, 9ージイソペンチルフルオレン (5. 6 g、 0. 01 21 mo 1) および 2, 2 ' —ビピリジル (22 g、 0. 141 m o 1 ) を脱水したテ トラヒドロフラン 160 OmLに溶解した後、 窒素でパブリングして系内を窒素置換し た。 窒素雰囲気下において、 この溶液に、 ビス (1、 5—シクロォクタジェン) ニッケ ル (0) {N i (COD) 2 } (40. 01 g、 0. 145mo 1 ) 加え、 60°Cまで 昇温し、 8時間反応させた。 反応後、 この反応液を室温 (約 25°C) まで冷却し、 25 %アンモニア水 20 OmLノメタノール 120 OmLZイオン交換水 120 OmL混合 溶液中に滴下して 30分間攪拌した後、 析出した沈殿をろ過して風乾した。 その後、 ト ルェン 110 OmLに溶解させてからろ過を行い、 ろ液をメタノール 330 OmLに滴 下して 30分間攪拌した。 析出した沈殿をろ過し、 メタノール 100 OmLで洗浄した 後、 5時間減圧乾燥した。 得られた共重合体 4の収量は 20. 47 gであった。
該共重合体 4のポリスチレン換算の平均分子量は、 Mn=6. 0X 104、 Mw= 1 . 5 X 105 であった。
比較例 2
<酸化電位の測定 >
共重合体 4をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0. 05mLを白金電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして共重合体 4の薄膜を作製 した。 前記の方法で共重合体 4の酸化電位を測定したところ 133 OmVであった。 比較例 3
ぐ還元電位の測定 >
共重合体 4をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2w t %の溶液を作製した。 その溶液 0 . 05 mLをグラッシ一カーボン電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして共重合体 4 の薄膜を作製した。 前記の方法で共重合体 4の還元電位を測定したところ一 2522m Vであった。
末端に酸化電位が低い化合物をつけることにより、 下表のとおり酸化電位が低くなり 、 正孔の注入性が向上した。
表 1
ぐ重合体 1の合成 >
化合物 A 1. 2 g ( 2 mm o 1 ) と 4一ブロモ一ベンジルプロミドと亜リン酸 トリェチルとを反応して得られたホスホン酸エステルと 4一 (2—ピリジル) ベンズァ ルデヒドとを反応して得られた 4—プロモー 4' 一 (2—ピリジル) スチルベン 0. 1 7 g (0. 5mmo 1) と 2, 2 ' 一ビビリジリレ 0. 87 g (5. 6mmo 1) とを反 応容器に仕込んだ後、 反応系内を窒素ガスで置換した。 これに、 あらかじめアルゴンガ スでパブリングして、 脱気したテトラヒドロフラン (脱水溶媒) 80 gを加えた。 次に 、 この混合溶液に、 ビス (1, 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) を 1. 54g (5. 6mmo 1) を加え、 室温で 10分間攪拌した後、 引き続き、 室温で 30時間反 応した。 なお、 反応は、 窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、 この溶液に、 メタノール 10 Oml Zイオン交換水 10 Oml混合溶液をそそ
ぎ込み、 約 1時間攪拌した。 次に、 生成した沈殿を濾過し、 回収した。 この沈殿を減圧 乾燥した後、 トルエンに溶解した。 このトルエン溶液を濾過し、 不溶物を除去した後、 このトルエン溶液を 1規定塩酸で洗浄し、 静置、 分液した後、 トルエン相を回収、 この トルエン溶液を、 約 3%アンモニア水で洗浄し、 静置、 分液した後、 トルエン相を回収 、 次に、 このトルエン溶液を水洗し、 静置、 分液した後、 トルエン相を回収した。 次に 、 このトルエン溶液を、 メタノール中にそそぎ込み、 再沈生成した。
次に、 生成した沈殿を回収し、 この沈殿を減圧乾燥し、 得られた重合体 1の収量は 0. 26 gを得た。 重合体 1のポリスチレン換算重量平均分子量は、 1. 4 X 10
4であり 、 数平均分子量は、 9. 6 X 10
3であった。
化合物 A
実施例 8
ぐ還元電位の測定 >
重合体 1をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2w t %の溶液を作製した。 その溶液 0. 05 mLをグラッシ一力一ボン電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして重合体 1の薄 膜を作製した。 前記の方法で重合体 1の還元電位を測定したところ一 217 OmVであ つた。
比較例 4
<重合体 2の合成 >
化合物 A (0. 40 g, 0. 67mmo l) および 2, 2 '—ビビリジル (0. 18 g、 1. Immo 1 ) を脱水したテトラヒドロフラン 2 OmLに溶解した後、 窒素でバ プリングして系内を窒素置換した。 窒素雰囲気下において、 この溶液に、 ビス (1、 5 ーシクロォクタジェン) ニッケル (0) {N i (COD) 2 } (0. 31 g、 1. lm o l) 加え、 60 まで昇温し、 8時間反応させた。 25%アンモニア水 10m 1/メ 夕ノール 12 Om 1Zイオン交換水 5 Oml混合溶液中にそそぎ込み、 約 1時間攪拌し た。 次に、 生成した沈殿を、 ろ過することにより回収した。 この沈殿をエタノールで洗 浄した後、 2時間減圧乾燥した。 次に、 この沈殿をトルエン 30 m Lに溶解し、 1 N塩
酸 3 OmLを加えて 1時間攪拌し、 水層の除去して有機層に 4%アンモニア水 3 OmL を加え、 1時間攪拌した後に水層を除去した。 有機層はメタノール 20 OmLに滴下し て 1時間攪拌し、 析出した沈殿をろ過して 2時間減圧乾燥し、 トルエン 3 OmLに溶解 させた。 その後、 アルミナカラム (アルミナ量 20 g) を通して精製を行い、 回収した トルエン溶液をメタノール 25 OmLに滴下して 1時間攪拌し、 析出した沈殿をろ過し て 2時間減圧乾燥させた。 得られた重合体 2の収量は 0. 12 gであった。 重合体 2の ポリスチレン換算の平均分子量は、 Mn=l. 3X 105 、 Mw=2. 8 X 105であ つた。
比較例 5
<還元電位の測定 >
重合体 2をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0. 05mLをグラッシ一カーボン電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして重合体 2の薄 膜を作製した。 前記の方法で重合体 2の還元電位を測定したところ一 254 OmVであ つた。
測定例 4
ぐ還元電位の測定 >
4ーブロモー 4' - (2—ピリジル) スチルベンを 0. 1 w t %テ卜ラブチルアンモ 二ゥムー t一フルォロポレートを含むァセトニトリルに溶解させ、 前記の方法で還元電 位を測定したところ一 205 OmVであった。
末端に還元電位が高い化合物をつけることにより、 下表 3のとおり還元電位が一 25 4 OmVから一 217 OmVに高くなり、 電子の注入性が向上した。
表 3
重合体から末端基 末端基部分の還元 末端基を含む重合体 を除いた部分の還 電位 の還元電位
元電位
末端封止による還 - 254 OmV -205 OmV - 217 OmV 元電位の制御 (比較例 5) (測定例 4) (実施例 8)
(重合体 1)
実施例 9
<重合体 3の合成 >
9, 9ージォクチルー 2, 7—ジブロモフルオレン 0. 82 と1ー (4—ブロモフエ ニル) 一 2— (1ーピレニル) エチレン 2 gと 2, 2 '—ピピリジル 0. 55 gと を反応容器に仕込んだ後、 反応系内をアルゴンガスで置換した。 これに、 あらかじめァ ルゴンガスでパブリングして、 脱気したテトラヒドロフラン (THF) (脱水溶媒) 40 mlを加えた。 次に、 この混合溶液に、 ビス (1, 5—シクロォクタジェン) ニッケル (0) を 0. 96 g加え、 室温で 10分間攪拌した後、 60°Cで 7時間反応した。 なお 、 反応は、 アルゴンガス雰囲気中で行った。 反応後、 この溶液を冷却した後、 25%ァ ンモニァ水 10m 1 /メタノール 100m 1 /イオン交換水 10 Oml混合溶液中にそ そぎ込み、 約 1時間攪拌した。 次に、 生成した沈殿を、 ろ過することにより回収し、 減 圧乾燥した。 次に、 この沈殿をクロ口ホルムに溶解した。 この溶液を濾過し、 不溶物を 除去した後、 この溶液をメタノール中に注ぎ込み、 再沈することにより生成した沈殿を 回収した。 この沈殿を減圧乾燥して、 0. 30 gの重合体 3を得た。
重合体 3のポリスチレン換算数平均分子量は、 7. 6 X 103であり、 ポリスチレン換 算重量平均分子量は 1. 1 X 104であった。
実施例 10
ぐ還元電位の測定〉
重合体 3をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2wt %の溶液を作製した。 その溶液 0. 05 mLをグラッシ一カーボン電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして重合体 3の薄 膜を作製した。 前記の方法で重合体 3の還元電位を測定したところ一 200 OmVであ つた。
比較例 6
<重合体 4の合成 >
窒素雰囲気下にて 9, 9ージォクチルフルオレン一 2, 7—ビス (エチレンポロネート) (0. 96 g、 1. 8 mm o 1 ) , 2, 7—ジブ口モー 9, 9—ジォクチルフルオレン (0. 95 g、 1. 7mmo 1 ) をトルエン (15. 6 g) に溶解させ、 これにテトラ キス(トリフエニルホスフィン)パラジウム (6. Omg、 0. 0052 mm o 1 ) を加
え、 室温にて 10分間攪拌した。 つづいてテトラエチルアンモニゥムハイドロォキサイ ド 20%水溶液を (6ml) を加え昇温し、 2時間加熱還流した。 そしてブロモベンゼ ン (0. 42 g、 2. 7 mm o 1 ) を加え 1時間、 フエ二ルポロン酸 (0. 33 g、 2 . 2mmo 1 ) を加え更に 5時間加熱還流した。 加熱完了後室温まで冷却し、 メタノー ル 330mlに滴下し、 析出した沈殿を濾別した。 得られた沈殿は、 メタノールで洗浄 し、 減圧乾燥を行い、 固形物を得た。
この固形物の他に、 全く同様の操作を 2回行い、 合計 3個の固形物を得た。 これらの 固形物 3個をトルエン 200 gに溶解させて混合し、 アルミナカラムで通液後、 1 N塩 酸 250m 1を加えて 2時間攪拌した後、 水層を除去し、 つづいて有機層に 3%アンモ ニァ水 25 Omlを加えて 1時間攪拌後に水層を除去した。 さらに有機層にイオン交換 水 20 Om 1を加えて 30分攪拌後に水層を除去した。
有機層にメタノール 60 Omlを加えて 1時間攪拌し、 析出した沈殿を濾別した。 得 られた沈殿は、 メタノールで洗浄し、 減圧乾燥を行い、 重合体 4を得た。
得られた重合体 4の収量は 1. 73 gであった。
重合体 4のポリスチレン換算数平均分子量は、 5. 3 X 104であり、 ポリスチレン換 算重量平均分子量は 1. 6 X 105であった。
比較例 7
<還元電位の測定〉
重合体 4をクロ口ホルムに溶解させ、 0. 2 w t %の溶液を作製した。 その溶液 0. 05 mLをグラッシ一カーボン電極上に塗布し、 クロ口ホルムを飛ばして重合体 4の薄 膜を作製した。 前記の方法で重合体 4の還元電位を測定したところ一 2526mVであ つた。
末端にァリ一ルェテニルァリール基をつけることにより、 下表 4のとおり還元電位が 高くなり、 電子の注入性が向上した。
表 4
重合体の還元電位
実施例 10 重合体 3 - 200 OmV
比較例 7 重合体 4 - 2526m V
産業上の利用可能性
本発明の高分子発光素子は、 面状光源、 セグメント表示装置、 ドットマトリックス表 示装置、 液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。 また、 本発明の重 合体は、 レーザー用色素、 有機太陽電池用材料、 有機トランジスタ用の有機半導体、 導 電性薄膜用材料として用いることができる。