JP2006252617A - 光情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光情報記録媒体に記録されたBCA信号について、再生時に十分な信号が得られる光情報記録媒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、第1の基板と第2の基板とが貼り合わされてなる光情報記録媒体であって、前記第1の基板の貼り合わせ面側にバーストカッティングエリアが設けられ、そのバーストカッティングエリアにプリグルーブが設けられている光情報記録媒体である。また、第1の基板の貼り合わせ面側でバーストカッティングエリアに、プリグルーブを設けるプリグルーブ形成工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを前記記録層が内層となるように貼りあわせた後に、第1の基板側からバーストカッティングエリアに向けてレーザー光を照射して信号を記録する信号記録工程と、を含む光情報記録媒体の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光情報記録媒体およびその製造方法に関し、特に、バーストカッティングエリアを有する光情報記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対しては、すでに追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)が上市されている。
また、最近では、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。そして、HDTV(High Definition Television)の放映も考慮して、画像情報を安価簡便に記録するための大容量記録媒体の要求が益々高まっている。
DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保しているものの、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとはいえない。そこで、DVD−Rよりもさらに短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光情報記録媒体(ディスク)の開発が進められている。
ところで、かかる大容量化に伴い、光情報記録媒体に記録した情報の流通や不正コピー防止技術が進展している。すなわち、セキュリティ技術として、光情報記録媒体に対して個々の情報を記録することが要望されている。
このような要望に対し、光情報記録媒体に対する個別情報としては、例えば、再生専用型の光情報記録媒体のピット部に、バーコードを重ね書きした追記領域(Burst Cutting Area、以下「BCA」ということがある)を設け、媒体ごとに異なる情報や、暗号鍵・復号鍵等に関する情報といった補助情報を記録する技術が一般的に適用されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
紫レーザーを始めとした短波長のレーザー光を使用した光情報記録媒体についても、BCA信号の記録が検討されている。BCA信号の記録は、DVD−R等と同様に、ユーザデータ等を記録するための記録層に行うことが考えられる。しかし、記録層のみの記録であると、記録した信号を再生した際に、十分な信号振幅が得られないという問題があった。
特開2002−133726号公報 特開2002−197670号公報 特開2002−208188号公報 特開2003−196843号公報
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、下記課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、光情報記録媒体に記録されたBCA信号について、再生時に十分な信号が得られる光情報記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、本発明者は下記本発明に想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、第1の基板の一方の面側に記録層を備え、前記記録層上に接着層を介して第2の基板が貼り合わされてなる光情報記録媒体であって、前記第1の基板にバーストカッティングエリアが設けられ、前記バーストカッティングエリアで前記一方の面側にプリグルーブが設けられていることを特徴とする光情報記録媒体である。
また、本発明は、少なくとも、記録層が形成された第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法であって、前記第1の基板のバーストカッティングエリアで一方の面側に、プリグルーブを設けるプリグルーブ形成工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを前記記録層が内層となるように貼り合わせた後に、前記第1の基板側から前記バーストカッティングエリアに向けてレーザー光を照射して信号を記録する信号記録工程と、を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
前記信号記録工程における前記信号記録は、レーザー光の出力を0.07W以上として行うことが好ましい。
本発明によれば、光情報記録媒体に記録されたBCA信号について、再生時に十分な信号が得られる光情報記録媒体およびその製造方法を提供することができる。
〔光情報記録媒体およびその製造方法〕
本発明の光情報記録媒体は、第1の基板の一方の面側に記録層を備え、その記録層上に接着層を介して第2の基板が貼り合わされてなる。そして、第1の基板には図1(A)に示すように、バーストカッティングエリア10が設けられている。また、そのバーストカッティングエリアで、第1の基板の一方の面側(第2の基板との貼り合わせ面側)には、図1(B)に示すようなプリグルーブ20が設けられている。このようにプリグルーブを設けることによって、その光情報記録媒体にBCA信号を記録し再生した場合に、良好なBCA信号波形が得られる。なお、理由は明確にはわからないが、当該プリグルーブを設けることにより、信号を記録層のみに記録する場合より、十分な信号振幅が得られる。
ここで、「バーストカッティングエリア(BCA)」とは、DVD等に形成される光情報記録媒体の識別情報等を記録する領域またはそれと同様の機能を有する領域をいう。BCAは、媒体の種類により設けられる場所が異なるが、例えば、光情報記録媒体の中心から、22mm以上24mm以下の範囲に設けられる。
BCAに記録される信号(補助情報)としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤー指定情報、ユーザ指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店または販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
当該補助情報を再生する際、本発明の光情報記録媒体は、従来の光情報記録媒体と同等の信頼性(例えば、違法コピー防止に対する信頼性等)を発揮することができる。
BCA領域に設けられるプリグルーブのピッチは、100〜600nmであることが好ましく、200〜500nmであることがより好ましい。プリグルーブの深さ(溝深さ)は、20〜120nmであることが好ましく、40〜100nmであることがより好ましい。プリグルーブの幅は、100〜300nmであることが好ましく、120〜250nmであることがより好ましい。
なお、プリグルーブの深さは、図1(B)のA−A断面図である図2に示すような深さDを示し、最も深い箇所と最も浅い箇所とから求めた平均値をいう。また、プリグルーブの幅は、図2に示すように、上記平均値の深さにおける半値幅Wをいう。さらに、プリグルーブ傾斜角度θ(溝形成前の基板表面からD/10の深さの傾斜部と溝の最も深い箇所からD/10の高さの傾斜部とを結ぶ直線と基板面とが成す角度)は、20〜80°であることが好ましく、30〜60°であることがより好ましい。プリグルーブの深さ、幅、傾斜角度はAFMにより測定することができる。
第1の基板の貼り合わせ面側でBCAに形成されるプリグルーブは、基板を成型する際に使用するスタンパに既述のプリグルーブを形成できるような加工を施しておき、そのスタンパを用いDVD−Rのグルーブを形成する方法と同様にして射出成型により設けることができる(プリグルーブ形成工程)。
また、上記プリグルーブに補助情報等の信号を記録するには、第1の基板の貼り合わせ面側に記録層や反射層等を形成し、接着層を介して第2の基板を貼り合わせた後、以下の信号記録工程を経ればよい。すなわち、第1の基板側からバーストカッティングエリアに向けてレーザー光を照射して信号を記録(信号記録工程)すればよい。
上記信号記録は、公知のレーザー光照射装置により行い、レーザー光の出力を0.07以上とすることが好ましい。そして、記録層の色素として、フタロシアニン化合物を使用する場合は、レーザー光の出力を0.07〜0.23Wとすることが好ましく、0.10〜0.20Wとすることがより好ましい。また、このときの回転数(CAV)は、200〜1500rpmとすることが好ましく、800〜1200rpmとすることがより好ましい。上記条件の範囲とすることで、再生時の信号の波形がよりきれいなものとなり、検出に十分な振幅が得られる。
また、記録層の色素として、オキソノール化合物を使用する場合は、レーザー光を0.07〜0.4Wとすることがより好ましい。このときの回転数(CAV)は、200〜1500rpmとすることが好ましく、200〜600rpmとすることがより好ましく、200〜400rpmとすることがさらに好ましい。上記条件の範囲とすることで、上述のような効果が得られる。
また、レーザー光の波長は、400〜2000nmとすることが好ましく、400〜1000nmとすることがより好ましく、400〜850nmとすることがさらに好ましい。
信号記録工程における信号記録において、ディスク回転接線方向のレーザー光のスポット径は、0.5〜10μmとすることが好ましい。ディスク半径方向のレーザー光のスポット径は、30〜80μmとすることが好ましい。レーザー光としては、制御性を考慮して、半導体レーザーを使用することが好ましい。
本発明の光情報記録媒体の構成としては、既述のプリグルーブが貼り合わせ面側に設けられてなる第1の基板上に記録層を有し、その上に第2の基板が貼り合わされてなる構成であれば、特に限定されることはない。具体的には、図3に示すように、第1の基板上30に、誘電体層32、記録層34、反射層36等が順次形成され、接着層38を介して、第2の基板40が貼り合わせてなる、いわゆる「HD DVD」の構成が挙げられる。
本発明の光情報記録媒体の種類としては、追記型、書換え可能型等のいずれでもよいが、追記型であることが好ましい。また、記録形式としては、相変化型、光磁気型、色素型等、特に制限されないが、色素型であることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体に適用される基板および各層について、その詳細と本発明の光情報記録媒体の製造方法とを以下に説明する。
(基板)
本発明の光情報記録媒体の基板(第1の基板および第2の基板)は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。
基板材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。
なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましい。また、少なくとも第1の基板には、既述のプリグルーブの他に、レーザー光を誘導するための案内溝であるグルーブが設けられている。当該グルーブは、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチであることが好ましい。この場合、グルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、250〜350nmの範囲とすることがより好ましい。また、グルーブの深さ(溝深さ)は、20〜150nmの範囲とすることが好ましく、50〜100nmの範囲とすることがより好ましい。
グルーブの溝幅は、50〜250nmの範囲とすることが好ましく、100〜200nmの範囲とすることがより好ましい。グルーブの溝傾斜角度は、20〜80°の範囲とすることが好ましく、30〜70°の範囲とすることがより好ましい。なお、グルーブは、射出成型による公知の方法で形成できる。
記録層が設けられる側の基板表面側(グルーブが形成された面側)には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤などを挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
(誘電体層)
記録媒体への信号記録時に発生する記録層での発熱を抑制する等の目的で誘電体層(バリア層)が設けられることがある。誘電体層に用いられる材料の例としては、ZnO−Ga23、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34、TaO5、NbO5等の無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質;を挙げることができる。
誘電体層は、例えば、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けることができる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することもできる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。誘電体層の層厚は5nm〜100μmの範囲にあることが好ましい。
(記録層)
第1の基板上に形成される記録層は、色素を含有する色素型とすることが好ましいが、これに限定されることはない。従って、記録層に含有される記録物質としては、色素等の有機化合物や相変化金属化合物等が挙げられる。
前記有機化合物の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。これらの中でも、オキソノール色素が好ましい。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素が好適に用いられる。
さらに、記録物質は色素には限定されず、オキソノール化合物、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、フタロシアニン化合物、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、アゾ化合物、オキソノールベンゾオキサゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物等の有機化合物も好適に用いられる。これらの化合物の中では、オキソノール化合物、シアニン化合物、アミノブタジエン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、フタロシアニン化合物が好ましく、オキソノール化合物が特に好ましい。
記録層は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。この場合、前記色素等の他、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより行うことができる。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
(反射層)
反射層は、情報の再生時における反射率の向上の目的で形成される。反射層の材料である光反射性物質は、レーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、AgもしくはAg合金(例えば、Ag−Pd−Cu等)、AlもしくはAl合金である。反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
(接着層)
接着層は、第1の基板の上記反射層もしくは記録層等と、第2の基板との密着性を向上させるために形成される層である。
接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましく、5〜500μmの範囲がより好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ましい。
〔光情報記録再生方法〕
本発明の光情報記録媒体への光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず、光情報記録媒体を定線速度または定角速度にて回転させながら、第1の基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
記録再生に使用するレーザの波長としては、好ましくは500nm以下、より好ましくは390〜440nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が用いられる。このときの好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nm又は820nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長がそれぞれ425nm又は410nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に、記録密度の点で青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。
上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側もしくは透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(第1の基板の成型)
射出成形によって、厚さ0.6mm、外径120mm、内径15mmであって、バーストカッティングエリア(半径22.3〜23.1mmの領域)に、溝深さ80nm、溝幅170nm、溝ピッチ400nm、溝の傾斜角度47°のプリグルーブが貼り合わせ面側に形成された第1の基板を成形した(プリグルーブ形成工程)。なお、同時に、溝深さ80nm、溝幅175nm、トラックピッチ400nmのスパイラル状のグルーブも貼り合わせ面側に形成した。
(誘電体層)
RFスパッタリングによりZnO−Ga23からなる、20nmの厚みの誘電体層を第1の基板で、プリグルーブが形成されている面に形成した。
(記録層)
下記化学式で表される有機色素(フタロシアニン化合物)2.0gをTFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)100mlに溶解して、有機色素の濃度が2g/100mlの溶液を調製した。この溶液に、超音波を2時間照射して有機色素をさらに溶解させた後、23℃50%の環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過した。濾過後の溶液を用いて、スピンコート法で誘電体層上に記録層を形成した。溝内およびランド部でのそれぞれの記録層の厚さは、40nmおよび10nmであった。
Figure 2006252617
記録層形成後、80℃のクリーンオーブン中で1時間加熱処理を施した。加熱処理中の基板は、垂直のスタックポールで支持した。
次に、記録層上に、Ar雰囲気中でのDCスパッタリングにより、Ag:98.1質量部、Pd:0.91質量部、Cu:1.0質量部からなるターゲット(APC)を用いて、反射層を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmであった。また、膜厚は、スパッタリング時間を調整することで制御した。装置は、Unaxis社製のCubeを使用した。
(第2の基板の貼合わせ)
次いで、反射層上に、紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)製の「SD640」)を滴下して塗布し、その上に、第2の基板(プリグルーブを有していない以外は、第1の基板と同素材、同形状)を載せた後、UVを照射することで、紫外線硬化樹脂を硬化させた。これにより、実施例1に係る光情報記録媒体を得た。
(BCA信号の記録)
光情報記録媒体(ディスク)を1000回転/minにて回転させ、ディスクの半径位置22.3mm〜23.0mmの範囲に、レーザー光(波長:670nm、ディスク回転接線方向のスポット径:1μm、ディスク回転半径方向のスポット径:41μm、出力:0.10W)を、発光時間4.0μ秒、未発光時間23.9μ秒の繰り返しパルスにて照射し、ディスクが1回転する毎に、ディスク内径より外径に向かってピッチ4μm間隔でレーザーの集光位置をずらし、ディスク回転接線方向に9.2μm、ディスク半径方向に700μmの長さを持つBCA信号を4648個記録した(信号記録工程)。レーザー光の出力は、0.10Wで行った。なお、使用した装置は、パルステック工業社製の「NBCAカッター」である。
(BCA信号の再生)
記録したBCA信号の再生は、パルステック工業社製DDU−1000にて行ない、オシロスコープにて信号を取り込み、信号の波形を観察した。なお、信号の波形については、オシロスコープで観察した波形が、図4や図5のように矩形状信号になっていることが好ましく、図6や図7のように、記録部に起因して得られる信号中の信号強度レベルにばらつきが大きいものは好ましくない。これは、信号の2値化処理の際に、ある信号電圧レベルで、図4〜図7に示す破線よりも高い電圧と低い電圧とで、記録と未記録の信号分離を行うが、図4や図5のような記録部に起因して得られる信号強度レベルにばらつきが小さいものでは、未記録部と記録部の信号電圧差を容易に認識しそれぞれで正確な時間を認識することができるが、図6や図7のような記録部に起因して得られる信号強度レベルにばらつきが大きいものでは、未記録部と記録部の信号電圧差を認識しにくいか、認識できないことによる。
そこで、実際上、記録部に起因して得られる信号強度レベルにばらつきが小さい波形については、未記録部に起因して得られる信号強度(A)と記録部に起因して得られる信号強度(B)を観察し、下記式に従って、BCA振幅および変調度をそれぞれ算出した。結果を下記表1に示す。
BCA振幅=|A−B|
変調度=BCA振幅/A
〔実施例2〕
実施例1と同様にして作製した光情報記録媒体について、レーザー光の出力を0.15Wにした以外は、実施例1と同様にしてBCA信号の記録を行った。当該光記録媒体について、実施例1と同様にしてBCA信号の再生を行った。結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして作製した光情報記録媒体について、レーザー光の出力を0.20Wにした以外は、実施例1と同様にしてBCA信号の記録を行った。当該光記録媒体について、実施例1と同様にしてBCA信号の再生を行った。結果を下記表1に示す。
Figure 2006252617
〔比較例1〜6〕
射出成型時にバーストカッティングエリアにプリグルーブを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして光情報記録媒体を作製した。BCA信号を記録する際のレーザー光の出力を下記表2のように設定しそれぞれを比較例1〜6とした以外は、実施例1と同様にしてBCA信号の再生を行った。結果を下記表2に示す。
Figure 2006252617
上記表より、プリグルーブを形成しない比較例に比べ、プリグルーブを形成した実施例の光情報記録媒体は、良好な変調度で再生時に十分な信号が得られることが確認された。
〔実施例4〕
下記化学式で表されるオキソノール化合物を使用し、誘電体層を設けずに、記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る光情報記録媒体を得た。
Figure 2006252617
(BCA信号の記録)
実施例4に係る光情報記録媒体(ディスク)を300回転/minにて回転させ、ディスクの半径位置22.3mm〜23.0mmの範囲に、レーザー光(波長:670nm、ディスク回転接線方向のスポット径:1μm、ディスク回転半径方向のスポット径:41μm、最大出力:0.30Wのレーザー光)を、発光時間4.0μ秒、未発光時間23.9μ秒の繰り返しパルスにて照射し、ディスクが1回転する毎に、ディスク内径より外径に向かってピッチ8μm間隔でレーザーの集光位置をずらし、ディスク回転接線方向に9.2μm、ディスク半径方向に700μmの長さを持つBCA信号を4648個記録した(信号記録工程)。レーザー光の出力は、0.20Wで行った。なお、使用した装置は、パルステック工業社製の「NBCAカッター」である。
(BCA信号の再生)
記録したBCA信号の再生は、パルステック工業社製DDU−1000にて行ない、オシロスコープにて信号を取り込み、実施例1と同様にして信号の波形を観察した。そして、実施例1と同様にして、BCA振幅および変調度を求めた。結果を下記表3に示し、オシロスコープでの波形形状を図8に示す。なお、図8における図面上、上側の波形は、パルステック工業社製DDU−1000から出力された再生信号波形を示し、下側の波形は、前記DDU−1000から出力された再生信号を550kHzの低周波透過型フィルターに通し、記録部の波形中にある高周波ノイズを削除した波形を示す。
(実施例5,6)
BCA信号の記録の際のレーザー光の出力を0.25Wとした以外は、実施例4と同様にした光情報記録媒体を実施例5とした。また、レーザー光の出力を0.30Wとした以外は、実施例4と同様にした光情報記録媒体を実施例6とした。そして、実施例1と同様にして、実施例5,6に係る光情報記録媒体のそれぞれについて、BCA振幅および変調度を求めた。結果を下記表3に示し、オシロスコープでの波形形状を図8に示す。
Figure 2006252617
表3および図8の結果から、光ディスクのBCA信号の記録領域を再生した際に、容易に記録部と未記録部の2値化信号分離の処理を行うことができるような十分な変調度と良好な信号波形を得ることができることを確認できた。
本発明の光情報記録媒体の一例を示す図であり、(A)は上面図を示し、(B)は部分拡大上面図を示す。 基板の溝形状を説明する部分断面図である。 本発明の光情報記録媒体の層構成の一例を示す部分断面図である。 オシロスコープで観察した際の好ましい信号の波形を示す図である。 オシロスコープで観察した際の好ましい信号の波形を示す図である。 オシロスコープで観察した際の好ましくない信号の波形を示す図である。 オシロスコープで観察した際の好ましくない信号の波形を示す図である。 実施例4〜6おけるオシロスコープでの波形形状を示す図である。
符号の説明
10…バーストカッティングエリア
20…プリグルーブ
30…第1の基板
32…誘電体層
34…記録層
36…反射層
38…接着層
40…第2の基板

Claims (3)

  1. 第1の基板の一方の面側に記録層を備え、前記記録層上に接着層を介して第2の基板が貼り合わされてなる光情報記録媒体であって、
    前記第1の基板にバーストカッティングエリアが設けられ、前記バーストカッティングエリアで前記一方の面側にプリグルーブが設けられていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 少なくとも、記録層が形成された第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記第1の基板のバーストカッティングエリアで一方の面側に、プリグルーブを設けるプリグルーブ形成工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを前記記録層が内層となるように貼り合わせた後に、前記第1の基板側から前記バーストカッティングエリアに向けてレーザー光を照射して信号を記録する信号記録工程と、
    を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  3. 前記信号記録工程における前記信号記録を、レーザー光の出力を0.07W以上として行うことを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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