JP2006252617A - 光情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、第1の基板と第2の基板とが貼り合わされてなる光情報記録媒体であって、前記第1の基板の貼り合わせ面側にバーストカッティングエリアが設けられ、そのバーストカッティングエリアにプリグルーブが設けられている光情報記録媒体である。また、第1の基板の貼り合わせ面側でバーストカッティングエリアに、プリグルーブを設けるプリグルーブ形成工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを前記記録層が内層となるように貼りあわせた後に、第1の基板側からバーストカッティングエリアに向けてレーザー光を照射して信号を記録する信号記録工程と、を含む光情報記録媒体の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
すなわち、本発明は、第1の基板の一方の面側に記録層を備え、前記記録層上に接着層を介して第2の基板が貼り合わされてなる光情報記録媒体であって、前記第1の基板にバーストカッティングエリアが設けられ、前記バーストカッティングエリアで前記一方の面側にプリグルーブが設けられていることを特徴とする光情報記録媒体である。
本発明の光情報記録媒体は、第1の基板の一方の面側に記録層を備え、その記録層上に接着層を介して第2の基板が貼り合わされてなる。そして、第1の基板には図1(A)に示すように、バーストカッティングエリア10が設けられている。また、そのバーストカッティングエリアで、第1の基板の一方の面側(第2の基板との貼り合わせ面側)には、図1(B)に示すようなプリグルーブ20が設けられている。このようにプリグルーブを設けることによって、その光情報記録媒体にBCA信号を記録し再生した場合に、良好なBCA信号波形が得られる。なお、理由は明確にはわからないが、当該プリグルーブを設けることにより、信号を記録層のみに記録する場合より、十分な信号振幅が得られる。
当該補助情報を再生する際、本発明の光情報記録媒体は、従来の光情報記録媒体と同等の信頼性(例えば、違法コピー防止に対する信頼性等)を発揮することができる。
本発明の光情報記録媒体の基板(第1の基板および第2の基板)は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。
なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
記録媒体への信号記録時に発生する記録層での発熱を抑制する等の目的で誘電体層(バリア層)が設けられることがある。誘電体層に用いられる材料の例としては、ZnO−Ga2O3、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4、TaO5、NbO5等の無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質;を挙げることができる。
第1の基板上に形成される記録層は、色素を含有する色素型とすることが好ましいが、これに限定されることはない。従って、記録層に含有される記録物質としては、色素等の有機化合物や相変化金属化合物等が挙げられる。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素が好適に用いられる。
反射層は、情報の再生時における反射率の向上の目的で形成される。反射層の材料である光反射性物質は、レーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、AgもしくはAg合金(例えば、Ag−Pd−Cu等)、AlもしくはAl合金である。反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
接着層は、第1の基板の上記反射層もしくは記録層等と、第2の基板との密着性を向上させるために形成される層である。
接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましく、5〜500μmの範囲がより好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ましい。
本発明の光情報記録媒体への光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず、光情報記録媒体を定線速度または定角速度にて回転させながら、第1の基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
(第1の基板の成型)
射出成形によって、厚さ0.6mm、外径120mm、内径15mmであって、バーストカッティングエリア(半径22.3〜23.1mmの領域)に、溝深さ80nm、溝幅170nm、溝ピッチ400nm、溝の傾斜角度47°のプリグルーブが貼り合わせ面側に形成された第1の基板を成形した(プリグルーブ形成工程)。なお、同時に、溝深さ80nm、溝幅175nm、トラックピッチ400nmのスパイラル状のグルーブも貼り合わせ面側に形成した。
RFスパッタリングによりZnO−Ga2O3からなる、20nmの厚みの誘電体層を第1の基板で、プリグルーブが形成されている面に形成した。
下記化学式で表される有機色素(フタロシアニン化合物)2.0gをTFP(2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール)100mlに溶解して、有機色素の濃度が2g/100mlの溶液を調製した。この溶液に、超音波を2時間照射して有機色素をさらに溶解させた後、23℃50%の環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過した。濾過後の溶液を用いて、スピンコート法で誘電体層上に記録層を形成した。溝内およびランド部でのそれぞれの記録層の厚さは、40nmおよび10nmであった。
次いで、反射層上に、紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)製の「SD640」)を滴下して塗布し、その上に、第2の基板(プリグルーブを有していない以外は、第1の基板と同素材、同形状)を載せた後、UVを照射することで、紫外線硬化樹脂を硬化させた。これにより、実施例1に係る光情報記録媒体を得た。
光情報記録媒体(ディスク)を1000回転/minにて回転させ、ディスクの半径位置22.3mm〜23.0mmの範囲に、レーザー光(波長:670nm、ディスク回転接線方向のスポット径:1μm、ディスク回転半径方向のスポット径:41μm、出力:0.10W)を、発光時間4.0μ秒、未発光時間23.9μ秒の繰り返しパルスにて照射し、ディスクが1回転する毎に、ディスク内径より外径に向かってピッチ4μm間隔でレーザーの集光位置をずらし、ディスク回転接線方向に9.2μm、ディスク半径方向に700μmの長さを持つBCA信号を4648個記録した(信号記録工程)。レーザー光の出力は、0.10Wで行った。なお、使用した装置は、パルステック工業社製の「NBCAカッター」である。
記録したBCA信号の再生は、パルステック工業社製DDU−1000にて行ない、オシロスコープにて信号を取り込み、信号の波形を観察した。なお、信号の波形については、オシロスコープで観察した波形が、図4や図5のように矩形状信号になっていることが好ましく、図6や図7のように、記録部に起因して得られる信号中の信号強度レベルにばらつきが大きいものは好ましくない。これは、信号の2値化処理の際に、ある信号電圧レベルで、図4〜図7に示す破線よりも高い電圧と低い電圧とで、記録と未記録の信号分離を行うが、図4や図5のような記録部に起因して得られる信号強度レベルにばらつきが小さいものでは、未記録部と記録部の信号電圧差を容易に認識しそれぞれで正確な時間を認識することができるが、図6や図7のような記録部に起因して得られる信号強度レベルにばらつきが大きいものでは、未記録部と記録部の信号電圧差を認識しにくいか、認識できないことによる。
変調度=BCA振幅/A
実施例1と同様にして作製した光情報記録媒体について、レーザー光の出力を0.15Wにした以外は、実施例1と同様にしてBCA信号の記録を行った。当該光記録媒体について、実施例1と同様にしてBCA信号の再生を行った。結果を下記表1に示す。
実施例1と同様にして作製した光情報記録媒体について、レーザー光の出力を0.20Wにした以外は、実施例1と同様にしてBCA信号の記録を行った。当該光記録媒体について、実施例1と同様にしてBCA信号の再生を行った。結果を下記表1に示す。
射出成型時にバーストカッティングエリアにプリグルーブを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして光情報記録媒体を作製した。BCA信号を記録する際のレーザー光の出力を下記表2のように設定しそれぞれを比較例1〜6とした以外は、実施例1と同様にしてBCA信号の再生を行った。結果を下記表2に示す。
下記化学式で表されるオキソノール化合物を使用し、誘電体層を設けずに、記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る光情報記録媒体を得た。
実施例4に係る光情報記録媒体(ディスク)を300回転/minにて回転させ、ディスクの半径位置22.3mm〜23.0mmの範囲に、レーザー光(波長:670nm、ディスク回転接線方向のスポット径:1μm、ディスク回転半径方向のスポット径:41μm、最大出力:0.30Wのレーザー光)を、発光時間4.0μ秒、未発光時間23.9μ秒の繰り返しパルスにて照射し、ディスクが1回転する毎に、ディスク内径より外径に向かってピッチ8μm間隔でレーザーの集光位置をずらし、ディスク回転接線方向に9.2μm、ディスク半径方向に700μmの長さを持つBCA信号を4648個記録した(信号記録工程)。レーザー光の出力は、0.20Wで行った。なお、使用した装置は、パルステック工業社製の「NBCAカッター」である。
記録したBCA信号の再生は、パルステック工業社製DDU−1000にて行ない、オシロスコープにて信号を取り込み、実施例1と同様にして信号の波形を観察した。そして、実施例1と同様にして、BCA振幅および変調度を求めた。結果を下記表3に示し、オシロスコープでの波形形状を図8に示す。なお、図8における図面上、上側の波形は、パルステック工業社製DDU−1000から出力された再生信号波形を示し、下側の波形は、前記DDU−1000から出力された再生信号を550kHzの低周波透過型フィルターに通し、記録部の波形中にある高周波ノイズを削除した波形を示す。
BCA信号の記録の際のレーザー光の出力を0.25Wとした以外は、実施例4と同様にした光情報記録媒体を実施例5とした。また、レーザー光の出力を0.30Wとした以外は、実施例4と同様にした光情報記録媒体を実施例6とした。そして、実施例1と同様にして、実施例5,6に係る光情報記録媒体のそれぞれについて、BCA振幅および変調度を求めた。結果を下記表3に示し、オシロスコープでの波形形状を図8に示す。
20…プリグルーブ
30…第1の基板
32…誘電体層
34…記録層
36…反射層
38…接着層
40…第2の基板
Claims (3)
- 第1の基板の一方の面側に記録層を備え、前記記録層上に接着層を介して第2の基板が貼り合わされてなる光情報記録媒体であって、
前記第1の基板にバーストカッティングエリアが設けられ、前記バーストカッティングエリアで前記一方の面側にプリグルーブが設けられていることを特徴とする光情報記録媒体。 - 少なくとも、記録層が形成された第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法であって、
前記第1の基板のバーストカッティングエリアで一方の面側に、プリグルーブを設けるプリグルーブ形成工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを前記記録層が内層となるように貼り合わせた後に、前記第1の基板側から前記バーストカッティングエリアに向けてレーザー光を照射して信号を記録する信号記録工程と、
を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。 - 前記信号記録工程における前記信号記録を、レーザー光の出力を0.07W以上として行うことを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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