JP2006249571A - 磁歪素子の製造方法、焼結用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粉末冶金法により磁歪素子を確実に製造することのできる磁歪素子の製造方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 焼結によりSmFe2で表される磁歪材料となる成形体100に対して、焼結過程において安定なSmFe2またはNbで支持体20を形成し、この支持体20によって成形体100を焼結用容器10内で保持して焼結する。さらに、支持体20を粒子状とし、支持体20と成形体100を多点接触として、支持体20と成形体100の融着を軽度なものとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁歪素子の製造方法および磁歪素子に関し、特にSmおよび遷移金属元素を含んで形成される磁歪素子の製造方法等に関する。
強磁性体を磁化したときに、磁性体の寸法が変化する現象を磁歪といい、このような現象が生ずる材料を磁歪材料という。磁歪による飽和変化量である飽和磁歪定数は、一般には10-5〜10-6の値を有し、大きな飽和磁歪定数を有する磁歪材料は超磁歪材料とも呼ばれ、振動子、フィルター、センサ等に広く利用されている。
現在、R(希土類元素)とFeの化合物であるRFe2ラーベス型金属間化合物を主体とする磁歪材料が飽和磁歪定数の大きな材料として知られている(例えば、特許文献1、2、3、4参照。)。しかしこれら材料は、印加される外部磁界が大きいときには磁歪値が大きいが、外部磁界が小さいときには磁歪値が十分ではないという問題を有していた。そこで、RFe2ラーベス型金属間化合物を主相とする磁歪材料において、低外部磁界でも磁歪値を大きくする検討が行われ、磁化容易軸であって、磁歪定数の大きい[111]軸方向に配向させることが提案されている。また、RFe2ラーベス型金属間化合物を主体とする材料としては、Tb0.3Dy0.7Fe2.0(原子比)の組成を有する場合に磁歪値が大きいため、専らこの組成が採用されていた。
米国特許第3949351号公報 米国特許第4152178号公報 米国特許第4308474号公報 米国特許第4375372号公報
Tb0.3Dy0.7Fe2.0を材料に用いた場合と同様に、常温で大きな磁歪値を得ることのできるものとして、Sm−Fe系の材料がある。
材料コスト面で有利であるSm−Fe系の材料を用いた磁歪素子の製造について検討した本発明者らは、粉末冶金法に注目した。しかし、現状において、Sm−Fe系の材料を用い、粉末冶金法により磁歪素子を実際に製造することは行われていない。したがって、磁場中成形、焼結等の各工程において、詳細な最適条件を定める必要がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、粉末冶金法により磁歪素子を確実に製造することのできる磁歪素子の製造方法等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明者らは、Sm−Fe系の材料を用い、粉末冶金法により磁歪素子を製造する最適条件に関して様々な検討を行った。本発明は、これらの検討のうち、焼結工程に関する検討、より具体的には、焼結によって磁歪素子となる焼結対象物を、焼結の際に収容する焼結用容器について行った検討に基づくものである。
粉末冶金法で磁歪素子を製造する場合、所定の組成の合金粉を磁場中成形することで成形体を形成した後、この成形体を不活性ガス雰囲気中で焼結している。
その焼結工程では、成形体が焼結中に酸化しやすく、また焼結の熱源となるヒータの輻射熱の影響により変色等を生じやすいため、図6に示すように、成形体1を焼結用容器2内に収容している。焼結用容器2内には、セッター3が設置され、このセッター3上に、棒状の成形体1をセットし、この状態で焼結を行っている。
従来、Tb0.3Dy0.7Fe2.0を材料に用いて磁歪素子を形成する場合、成形体1は、活性度が非常に高く、セッター3の材質によっては、セッター3との接触部分において、反応物を生成してしまう。反応物が生成されると、焼結によって成形体1が収縮する際に機械的応力が作用して歪みが生じ、結晶の格子間距離が他の部分と異なってしまい、得られる成形体1(磁歪素子)の磁気特性が低下すると言う問題が生じる。このため、セッター3を、例えばDy23等の材料で形成し、成形体1に反応物が生成されるのを防止している。
そこで、本発明者らは、Sm−Fe系の材料であるSmFe2を用いて磁歪素子を形成する場合においても、Dy23で形成したセッター3を用い、焼結を試みた。その結果、Smが酸化してSmFe2がSmFe3に変化し、磁歪値が大きく低下してしまうことを確認した。
他の材料についても、種々検討した。ほとんどの材料においては、Dy23と同様にSmが酸化して特定低下を招いたり、焼結後、成形体(焼結体)とセッターが融着してしまったりしたが、Nb、および成形体と同材料(いわゆる友材)であるSmFe2を用いた場合のみ、上記のような問題が生じないことを知見した。
このような知見に基づいてなされた本発明は、SmFe2で示す組成を有する磁歪素子の製造方法であって、原料粉末を磁場中成形し、成形体を得る工程と、成形体を、Nbおよび/またはSmFe2からなる支持体で支持した状態で容器に収容し、成形体を焼結する工程と、を含むことを特徴とする。
このように、成形体を焼結する工程で、Nbおよび/またはSmFe2からなる支持体で成形体を支持することで、成形体に酸化反応が生じるのを回避することができ、また成形体と支持体の融着も軽度なものに抑えることができる。
さらに、本発明者らは、従来セッターとして板状のものが用いられていたが、板状のセッターでは成形体との接触面積が大きいために、融着が生じやすく、より接触面積の小さなセッターとするほうが、融着の程度が抑えられることも知見した。
このため、支持体を、成形体に対し多点接触させるのが好ましい。これにより、融着の程度をさらに軽減できる。本発明は、支持体を、成形体に対し線接触させる構成とすることを排除するものではないが、融着の程度を軽減するためには、成形体と支持体の接触面積をなるべく小さくするのが好ましい。
支持体を成形体に多点接触させるには、容器内にNbおよび/またはSmFe2の粒子を多数入れ、これら粒子上に成形体を置くのが好ましい。これら粒子により、容器内で成形体を定位置に保持することもできる。
この場合、本発明は、Nbの粒子とSmFe2の粒子の混合物を支持体とすることを許容する。この他、Nbおよび/またはSmFe2で形成したプレート状の基板の表面に多数の突起等を形成しておき、これらの突起で成形体を多点接触するようにしても良い。
本発明は、焼結によりSmFe2で示す組成を有する磁歪素子となる焼結対象物を、焼結時に収容する焼結用容器とすることもできる。この焼結用容器は、一部に開口した容器本体と、容器本体の開口を塞ぐ蓋体と、Nbおよび/またはSmFe2からなり、容器本体内で容器本体と焼結対象物との間に介在する介在物と、を備えることを特徴とする。
この介在物により焼結対象物を支持することで、焼結過程で焼結対象物が酸化反応することを防止できる。
また、介在物は、粒径0.1〜2.0mmの粒子とするのが好ましい。
本発明によれば、焼結工程において、セッターに最適な材質を選択することで、焼結過程における酸化反応等を防止し、セッター材質の影響による磁歪素子の特性の低下を招くことがなく、またセッターとの融着も抑えることが可能となる。これにより、磁歪素子の焼結を確実かつ良好に行える条件を確立できた。
以下に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明においては、Smおよび遷移金属元素を含む磁歪材料を用い、異方性を有した超磁歪材を粉末冶金法により作製する。
前記の磁歪材料において、Smは、その一部を、Y、Nd、Tbのうちの一種以上の元素に置換することができる。
また、遷移金属元素としては、Fe、NiおよびCoから選ばれる一種以上の元素Tが好ましいが、特にFeが好ましい。したがって、磁歪材料としてはSmFe系の材料を用いるのが好ましい。また、元素Tの一部を、Mo、W、Cr、Nb、Ta、Ti、V、Ru、Rh、Pt、Ag、Gd、Bのうちの一種以上の元素Mに置換することができる。
さらに、SmFe系の材料を磁歪材料に用いる場合、SmFe2相とするのが好ましい。
このような磁歪材料は、粉砕、磁場中成形、焼結という過程を経ることで製造することができる。
このとき、磁歪材料は、目的組成のものをそのまま原料とし、これを粉砕しても良いが、本実施の形態においては、異なる組成の原料粉末を混合して超磁歪材を作製する特徴的な製造方法を採用している。
詳しくは、融点の異なる複数種の組成を有する原料粉末を用いる。このような原料粉末は、主相となる原料(以下、主相原料と適宜称する)の融点を、他の原料(以下、粒界相原料と適宜称する)の融点よりも高いものとする。すると、これら複数種の原料粉末を混合した後に焼結する過程で、昇温すると低融点側の粒界相原料が先に溶けて液相を形成し、これによって焼結が促進され、焼結密度を高めることができる。
このような条件を満足する原料粉末としては、主相原料としてSmFe1.96(融点900℃)の組成を有する合金の粉末を用い、粒界相原料としてSm1.77Fe(融点900℃)の組成を有する合金の粉末を用いるのが好ましい。
また、主相原料を形成する合金粉末の粒子には、単結晶のものを用いるのが好ましい。結晶配向が高くなるからである。
また、主相原料と粒界相原料の混合の割合は、適宜決定することができるが、以下に従うことが好ましい。
主相原料の重量百分率をaとしたとき、主相原料は、好ましくは70≦a<100、より好ましくは80≦a≦95とする。aが小さすぎる場合、すなわち、磁場中成形において配向する主相原料の比率が低い場合、焼結後の結晶の配向度が低くなる。一方、aが大きすぎる場合、主相原料の組成が最終組成に近いということであり、焼結密度を上げるために主相原料を用いる意味がなくなる。
主相原料、粒界相原料を秤量、混合して得られた磁歪材料は、続いて、粉砕処理することもできる。粉砕処理では、湿式ボールミル、アトライタ、アトマイザー等の粉砕機から適宜選択することができる。特に、アトマイザーが好ましい。衝撃と剪断を同時にかけることができ、粉体の凝集を防ぎ、かつ生産性が高いからである。また、粉砕時の雰囲気は、非酸化性雰囲気が良く、Arガス等の不活性ガス又は真空中がよい。この粉砕後の平均粒径は、5〜20μm、好ましくは10〜20μmとする。粒径が小さすぎると製造工程中で酸化が進行しやすく、磁歪特性を劣化させる。平均粒径が大きすぎると焼結が進みにくく、焼結密度が高くならず、開気孔が多くなる。
混合された磁歪材料は、焼結前に所望の形状に成形する。
このとき、異方性を有した超磁歪材を作製する場合には、成形を磁場中で行うことで、主に主相原料を一定方向に揃え、焼結後の磁歪材料を[111]軸方向に配向させる。この場合、印加する磁場は、480〜1760kA/m、好ましくは960〜1760kA/mがよい。磁場の方向は、圧力の方向に垂直でも、平行でもよい。成形圧力は、50×106Pa以上、好ましくは300×106Pa以上がよい。
この後、成形体は焼結される。焼結の際には、成形体を、焼結用容器に収容する。
図1に示すように、焼結の際に用いる焼結用容器(容器)10は、容器本体11、蓋体12を備えて構成されている。容器本体11、蓋体12は、Mo等で形成するのが好ましい。
このような焼結用容器10に対し、成形体(焼結対象物)100を複数本収容し、焼結を行う。
図2に示すように、成形体100が容器本体11に直に接触しないように、また成形体100が容器本体11内で移動しないように、支持体(介在物)20を容器本体11内に置く。
この支持体20は、焼結過程で、成形体100に対して安定な酸化物、言い換えれば成形体100に対して不活性な材料で形成する。このような材料としては、特に、成形体100と同材料のSmFe2、またはNbを用いるのが好ましい。
また、支持体20として、多数の粒子を容器本体11の底部に敷き詰めるのが好ましい。その場合、支持体20の粒径は、0.1〜2.0mm、より好ましくは0.5〜1.0mmとするのが良い。支持体20の粒径が小さすぎると焼結体の凹部に入り込み、その除去に手間が掛かり、大きすぎると磁歪素子の変形が生じやすいからである。また、粒子状の支持体20は、容器本体11の底部に、例えば、厚さ0.5〜3.0mmとなるように敷き詰めるのが好ましい。成形体100を、柔らかい砂地に置くかのように、支持体20にその一部が埋め込まれるようにセットすることができ、成形体100の移動に対し拘束力を発揮できるからである。
このような支持体20を底部に敷き詰めた容器本体11に対し、成形体100を支持体20上にセットした状態で、成形体100は焼結される。焼結条件は、800〜900℃で、好ましくは850〜890℃で、3〜48時間行うことがよい。焼結の雰囲気は、非酸化性雰囲気が良く、Arガス等の不活性ガス又は真空中がよい。
成形体100を焼結することで得られる焼結体が、磁歪素子となる。
このようにして製造された磁歪素子は、式:SmFe2で表される多結晶体であり、異方性を有する磁歪素子の場合には、磁歪が最も大きくなる[111]軸方向に配向している。
上述したように、焼結によりSmFe2で表される磁歪素子となる成形体100に対して、焼結過程において安定なSmFe2またはNbで支持体20を形成し、この支持体20によって成形体100を焼結用容器10内で保持して焼結することで、焼結後に支持体20が成形体100に融着してしまうのを防止でき、異材料との反応による磁歪特性の低下を回避できる。
さらに、支持体20を粒子状とすることで、成形体100を、その一部が支持体20に埋め込まれるようにセットすることができ、成形体100の移動に対し拘束力を発揮できる。しかも、支持体20と成形体100は点接触となるので、支持体20が成形体100に融着したとしても、これを容易に成形体100の表面から除去できる。
このようにして、焼結工程において、支持体20に最適な材質を選択することで、支持体20の材料の影響による磁歪素子の特性の低下を招くことがなく、また支持体20と磁歪素子の融着等も抑えることが可能となる。これにより、磁歪素子の焼結を確実かつ良好に行える条件を確立できた、と言える。
なお、上記実施の形態において、磁歪素子の製造方法について説明したが、本発明の主旨からして、磁歪素子の製造方法自体を限定する意図はなく、適宜他の製造方法を用いることが可能である。
また、支持体20を粒子状としたが、成形体100との実質的な接触面積をなるべく小さくできるのであれば、図3に示すように、支持体20を、プレート状の基板20Aの上面に、上方に凸となる突起20Bを複数設けたり、基板20Aの表面を粗面とする構成としても良い。これによっても、支持体20と成形体100は多点接触となり、単なる板状の従来のセッター2(図6参照)に比較すれば、その接触面積を小さくできる。その結果、焼結過程で支持体20と成形体10とが融着してしまったとしても、両者を軽い力で分離させることができる。
ここで、Smおよび遷移金属元素を含む磁歪素子を用い、粉末冶金法により超磁歪材を作製したのでその結果を以下に示す。
まず、磁歪素子本体となる焼結体を、以下のようにして製造した。
まず、主相原料として、Sm、Feを秤量して、Arガスの不活性雰囲気中で溶融し、SmFe1.96の組成を有する原料合金を製造した。そして、この原料合金を、890℃(安定時間12hr)でアニールする熱処理を行って結晶の粒成長をさせた。得られた合金粉末を、ジョークラッシャーおよびブラウンミルを用いて粗粉砕し、目開き2mmの篩に通し、2mm以上の粒径の粗粉を除去した。
粒界相原料として、Sm、Feを秤量して、Arガスの不活性雰囲気中で溶融し、SmFe1.77の組成を有する合金を製造した。この合金粉末を、水素雰囲気(濃度80%)中、150℃(安定時間6hr)で熱処理し、約18000ppmの水素を吸蔵させることで、合金を粉砕し、平均粒径5μmの粉砕粉を得た。この粉砕粉を、目開き2mmの篩に通し、2mm以上の粒径の粗粉を除去した。
次いで、得られた主相原料、粒界相原料の合金粉末を秤量した後、混合処理し、さらにArガス中でアトマイザーにより微粉砕し、組成をSmFe1.875にした合金粉を得た。
得られた合金粉を型に入れ、480kA/mの磁場中で、800MPaの成形圧で成形し、成形体を得た。このとき、合金粉を型に充填するに際しては、合金粉を、N2ガスを充填した配管内を通して移動させた。また、磁場は、圧力方向に対して垂直方向(いわゆる横磁場)に印加した。成形体の形状および寸法は、φ10mm×20mmの円柱形状とした。
得られた成形体を、焼結用容器に収めて炉中で昇温し、Arガス雰囲気にて安定温度890℃、安定時間6hrで焼結を行い、焼結体(磁歪素子本体)を得た。
このとき、焼結用容器内には、粒子状のセッターを、厚さ1.0mmとなるように敷き詰め、その上に成形体をセットした。
セッターの材料としては、SmFe2(実施例1)、Nb(実施例2)、Ta(比較例1)、Fe(比較例2)、Co(比較例3)、Ni(比較例4)、Mo(比較例5)、Dy23(比較例6)、Sm23(比較例7)、を用いた。
このようにして得られた焼結体において、焼結体とセッターとの融着の状況を確認した。その結果、Ta(比較例1)、Fe(比較例2)、Co(比較例3)、Ni(比較例4)、Mo(比較例5)は、成形体(焼結体)であるSmFe2と強く融着していた。これに対し、SmFe2(実施例1)、Nb(実施例2)を用いてセッターを形成した場合、融着はあるもののその融着力は低く、金ブラシ等で容易に削除することができた。これにより、融着と言う観点では、Ta、Fe、Co、Ni、Moを用いた比較例1〜5は、セッターとして用いるのは好ましくなく、SmFe2またはNbを用いてセッターを形成するのが好ましいことが確認された。
また、実施例1、2、比較例5、6の焼結体において、組織写真を撮影した。
図4(a)に示すように、Moを用いた比較例5では、FeのサイトにMoが入り込んでしまっていることが確認された。
また、図4(b)に示すように、Dy23を用いた比較例6においても、酸化によりSmFe2がSmFe3になってしまうことが確認された。
Sm23を用いた比較例7においても、同様に、酸化によりSmFe2がSmFe3になってしまうことが確認された。
これに対し、図5(a)、(b)に示すように、SmFe2(実施例1)、Nb(実施例2)を用いた実施例1、2では、希土類リッチが認められるものの、SmFe2が多く散見され、これにより酸化が少なく収まっていることが確認された。
また、比較例6、7、実施例1、2の焼結体において、焼結密度および磁気特性(磁歪値)を計測した。磁歪値は、成形時に印加した磁場方向と平行な方向に測定用磁場を印加したときと、成形時に印加した磁場方向と直交する方向に測定用磁場を印加したときとで、焼結体の伸び量をストレインゲージで測定した。測定用磁場は、31.6kA/m(0.4kOe)とした。
その結果が、表1に示すものである。
Figure 2006249571
表1に示すように、Sm23を用いた比較例7、SmFe2を用いた実施例1、Nbを用いた実施例2の焼結体においては、いずれも97%以上という高い焼結密度が得られた。
また、磁気特性においては、SmFe2を用いた実施例1、Nbを用いた実施例2の焼結体の磁歪値が顕著に大きいことが確認された。
このようにして、SmFe2、Nbを用いることで、焼結密度、磁歪値ともに優れた値を得ることができた。
以上のようにして、SmFe2、Nbを用いることで、焼結過程において焼結体とセッターが融着してしまうのを防止でき、また、焼結過程における成形体の酸化を抑え、高い特性を得ることができることが確認された。
本実施の形態における焼結用容器の外観を示す斜視図である。 多数の粒子を支持体とした場合の焼結用容器の構成を示す断面図である。 表面を粗面とした支持体を用いた場合の焼結用容器の構成を示す断面図である。 (a)Mo粒子を支持体とした場合の組織写真、(b)Dy23を支持体とした場合の組織写真である。 (a)SmFe2粒子を支持体とした場合の組織写真、(b)Nbを支持体とした場合の組織写真である。 従来の焼結用容器を示す断面図である。
符号の説明
10…焼結用容器(容器)、11…容器本体、12…蓋体、20…支持体(介在物)、100…成形体(焼結対象物)

Claims (6)

  1. SmFe2で示す組成を有する磁歪素子の製造方法であって、
    原料粉末を磁場中成形し、成形体を得る工程と、
    前記成形体を、Nbおよび/またはSmFe2からなる支持体で支持した状態で容器に収容し、前記成形体を焼結する工程と、
    を含むことを特徴とする磁歪素子の製造方法。
  2. 前記支持体は、前記成形体に対し多点接触することを特徴とする請求項1に記載の磁歪素子の製造方法。
  3. 前記成形体を焼結する工程では、前記容器内にNbおよび/またはSmFe2の粒子を入れ、前記粒子上に前記成形体を置くことを特徴とする請求項2に記載の磁歪素子の製造方法。
  4. 前記粒子により、前記容器内で前記成形体を定位置に保持することを特徴とする請求項3に記載の磁歪素子の製造方法。
  5. 焼結によりSmFe2で示す組成を有する磁歪素子となる焼結対象物を、焼結時に収容する焼結用容器であって、
    一部に開口した容器本体と、
    前記容器本体の開口を塞ぐ蓋体と、
    Nbおよび/またはSmFe2からなり、前記容器本体内で前記容器本体と前記焼結対象物との間に介在する介在物と、
    を備えることを特徴とする焼結用容器。
  6. 前記介在物は、粒径0.1〜2.0mmの粒子であることを特徴とする請求項5に記載の焼結用容器。
JP2005083129A 2005-02-10 2005-03-23 磁歪素子の製造方法、焼結用容器 Withdrawn JP2006249571A (ja)

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