JP2010255098A - 希土類合金粉末及びその製造方法、並びに異方性ボンド磁石用コンパウンド及び異方性ボンド磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能な希土類合金粉末の製造方法を提供すること。
【解決手段】HDDR法による希土類合金粉末の製造方法であって、希土類元素の含有量がρ(質量%)である原料合金を、温度T1で水素化分解させて水素濃度がη1(質量%)である分解生成物を得る水素化分解工程(II)と、温度T1よりも高い温度T2で、分解生成物から水素を所定の速度で放出させて、分解生成物の水素濃度を、η1から下記式(1)を満足するη2(質量%)まで低減する第1の脱水素再結合工程(IV)と、第1の脱水素再結合工程(IV)よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして、分解生成物の水素濃度をさらに低減し、希土類合金粉末を得る第2の脱水素再結合工程(V)と、を有する製造方法。
0.008×ρ≦η2≦0.013×ρ (1)
【選択図】図1
【解決手段】HDDR法による希土類合金粉末の製造方法であって、希土類元素の含有量がρ(質量%)である原料合金を、温度T1で水素化分解させて水素濃度がη1(質量%)である分解生成物を得る水素化分解工程(II)と、温度T1よりも高い温度T2で、分解生成物から水素を所定の速度で放出させて、分解生成物の水素濃度を、η1から下記式(1)を満足するη2(質量%)まで低減する第1の脱水素再結合工程(IV)と、第1の脱水素再結合工程(IV)よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして、分解生成物の水素濃度をさらに低減し、希土類合金粉末を得る第2の脱水素再結合工程(V)と、を有する製造方法。
0.008×ρ≦η2≦0.013×ρ (1)
【選択図】図1
Description
本発明は、希土類合金粉末及びその製造方法、並びに当該希土類合金粉末を含む異方性ボンド磁石用コンパウンド及び異方性ボンド磁石に関する。
磁石用の合金粉末を製造する方法として、HDDR法(水素化分解・脱水素再結合法)が知られている。HDDR法とは、水素化(Hydrogenation)、不均化(Disproportionation)、脱水素化(Desorption)、および再結合(Recombination)を順次実行するプロセスである。
このHDDR法は、固相−気相反応を伴う方法であるため、その反応機構が複雑であり、製造条件によって、得られる磁石粉末の保磁力などの磁気特性が変動する。このため、HDDR法を用いた磁石粉末の製造において、製造条件を調整することによって磁石粉末の磁気特性を改善することが試みられている。
例えば、特許文献1では、脱水素再結合の処理中に、雰囲気を制御することによって反応速度を変えて磁石粉末の磁気特性を改善することが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1のように雰囲気を制御しても、十分に高い保磁力を得ることは困難である。このため、HDDR法を用いて優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造する方法を確立することが求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能な希土類合金粉末の製造方法、及びこの製造方法によって得られる優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を提供することを目的とする。また、異方性の上記希土類合金粉末を含むことにより、優れた磁気特性を有する異方性ボンド磁石及び当該異方性ボンド磁石用のコンパウンドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、水素化分解・脱水素再結合法による希土類合金粉末の製造方法であって、希土類元素の含有量がρ(質量%)である原料合金を、温度T1で水素化分解させて水素濃度がη1(質量%)である分解生成物を得る水素化分解工程と、温度T1よりも高い温度T2で、分解生成物から水素を所定の放出速度で放出させて、分解生成物の水素濃度を、η1(質量%)から下記式(1)を満足するη2(質量%)まで低減する第1の脱水素再結合工程と、第1の脱水素再結合工程よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして分解生成物の水素濃度をさらに低減し、希土類合金粉末を得る第2の脱水素再結合工程と、を有する希土類合金粉末の製造方法を提供する。
0.008×ρ≦η2≦0.013×ρ (1)
0.008×ρ≦η2≦0.013×ρ (1)
上述の本発明の製造方法によれば、水素化分解・脱水素再結合法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することができる。このような希土類合金粉末が得られる主な要因としては、第1の脱水素再結合工程における分解生成物の温度T2を、水素化分解工程における温度T1よりも高くしていることと、脱水素再結合の過程で温度と水素の放出速度を変えていることが考えられる。
つまり、本発明の製造方法では、第1の脱水素再結合工程における分解生成物の温度T2を水素化分解工程における分解生成物の温度T1よりも高くすることにより、第1の脱水素再結合工程において、分解生成物から水素が円滑に排出されることとなり、水素の放出速度を大きくすることができる。これによって、脱水素再結合の初期において、分解生成物中における希土類合金の核を従来の製造方法よりも均一に析出させることができると考えられる。
また、第2の脱水素再結合工程では、分解生成物からの水素の放出速度を、第1の脱水素再結合工程の放出速度よりも遅くしているため、希土類合金の核成長を徐々に進行させることが可能となり、最終的に得られる希土類合金粉末の一次粒子の粒内に異物が析出するのを抑制することができると考えられる。このように、本発明は、核生成及び核成長というメカニズムに着目するとともに、そのメカニズムに適した製造条件を見出すという本発明者らの独自の知見に基づくものである。これによって、希土類合金粉末中の異物の量を十分に低減することが可能となり、優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能になったと考えられる。
また、本発明では、希土類元素を含む原料合金に水素化分解・脱水素再結合処理を施すことによって得られる複数の一次粒子を含む希土類合金粉末であって、一次粒子は主成分として希土類合金を含んでおり、一次粒子の断面における単位面積当たりの希土類合金とは異なる偏析物の個数が平均で4個/μm2以下である希土類合金粉末を提供する。
本発明の希土類合金粉末は、従来の水素化分解・脱水素再結合処理によって得られる希土類合金粉末よりも、偏析物の個数が十分に低減されているため、優れた磁気特性を有している。
また、本発明では、異方性である上述の希土類合金粉末と樹脂とを含む異方性ボンド磁石用コンパウンドを提供する。本発明の異方性ボンド磁石用コンパウンドは、優れた磁気特性を有する異方性の希土類合金粉末を含んでいる。このため、本発明の異方性ボンド磁石用コンパウンドを用いることによって、優れた磁気特性を有する異方性ボンド磁石を製造することができる。
また、本発明では、上述の異方性ボンド磁石用コンパウンドを磁場中成形して得られる異方性ボンド磁石を提供する。本発明の異方性ボンド磁石は、優れた磁気特性を有する異方性の希土類合金粉末を含んでいるとともに、磁場中で成形して得られるものであるため、優れた磁気特性を有する。
本発明によれば、HDDR法によって優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を製造することが可能な希土類合金粉末の製造方法及び、この製造方法によって得られる優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を提供することができる。また、異方性の上記希土類合金粉末を含むことにより、優れた磁気特性を有する異方性ボンド磁石及び当該異方性ボンド磁石用のコンパウンドを提供することができる。
本実施形態の希土類合金粉末の製造方法は、いわゆる水素化分解・脱水素再結合法(HDDR法)による希土類合金粉末の製造方法である。この製造方法は、希土類元素の含有量がρ(質量%)である原料合金を準備し、当該合金を、水素雰囲気中、温度T0で所定時間保持する水素吸蔵工程と、温度T0よりも高い温度T1で水素化分解させて水素濃度η1(質量%)の分解生成物を得る水素化分解工程と、温度T1から温度T1よりも高い温度T2に昇温する昇温工程と、温度T2で、分解生成物から水素を所定の速度で放出させて、分解生成物の水素濃度をη1(質量%)から上記式(1)を満足するη2(質量%)まで低減する第1の脱水素再結合工程と、第1の脱水素再結合工程よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして、分解生成物の水素濃度ηをさらに低減し、水素を実質的に含まない希土類合金粉末を得る第2の脱水素再結合工程と、希土類合金粉末を室温にまで冷却する冷却工程とを有する。
図1は、本実施形態に係る希土類合金粉末の製造方法のタイムチャートである。図1の(a)は、温度のタイムチャートであり、図1の(b)は、原料合金、分解生成物及び希土類合金粉末の水素濃度のタイムチャートである。以下、図1を適宜参照しながら本実施形態の製造方法を説明する。
水素吸蔵工程(図1中のI)は、希土類元素の含有量がρ(質量%)である原料合金を、水素雰囲気中、温度T0で所定時間保持して、原料合金に水素を吸蔵させる工程である。原料合金としては、R2Fe14BなどのR−Fe−B系合金を用いることができる。一層優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を得る観点から、R−Fe−B系合金の組成は、R:25〜35質量%、B:1〜1.4質量%、Fe:65.6〜72質量%であることが好ましい。Rとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Td、Dy、Ho、Er、Tm、Luから選ばれる1種または2種以上とすることができる。このうち、製造コスト及び磁気特性の観点から、RはNdを含むことが好ましい。
希土類金属における質量基準のRの含有量ρ(質量%)は、用いられる希土類金属の種類にもよるが、好ましくは25〜35質量%、より好ましくは27〜33質量%である。
上述の原料合金は、通常の鋳造方法、例えばストリップキャスト法、ブックモールド法、又は遠心鋳造法によって調製することができる。原料合金には、均質化熱処理を施してもよい。また、原料合金は、原料金属又は原料化合物や製造工程に由来する不可避な不純物を含んでいてもよい。
均質化熱処理は、原料合金を、真空又はアルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気中、温度1000〜1200℃で5〜48時間保持することによって行う。このような均質化熱処理を行うことによって、原料合金を融解させて、原料合金を均質化させることができる。
均質化させた原料合金は、スタンプミル又はジョークラッシャーなどの粉砕手段を用いて粉砕した後、篩分けすることが好ましい。これによって、粒径が10mm以下の粉末状の原料合金を調製することができる。
水素吸蔵工程では、上述の粉末状の原料合金を、水素分圧が100〜300kPaである水素雰囲気中、温度T0で時間t1まで保持する。これによって、原料合金の結晶格子中に水素が吸蔵されて、水素濃度η0(質量%)の水素吸蔵合金を得ることができる。水素濃度η0は、例えば、下記式(2)の範囲とする。なお、この段階では、原料合金は分解していない。
0.013×ρ≦η0≦0.019×ρ (2)
0.013×ρ≦η0≦0.019×ρ (2)
水素吸蔵工程における温度T0は、100〜200℃であることが好ましい。また、水素吸蔵工程の所要時間t1は、0.5〜2時間であることが好ましい。
水素化分解工程(図1中のII)では、水素吸蔵合金を、水素雰囲気中、温度T0よりも高い温度T1で保持することによって、水素化分解させて、水素濃度η1(質量%)の分解生成物を得る。
水素化分解工程における雰囲気の水素分圧は10〜100kPa、温度T1は700〜850℃であることが好ましい。この条件で水素吸蔵合金の水素化分解を行うことによって、磁気的な異方性を有する希土類合金粉末を得ることができる。水素分圧が10kPa未満であると、水素化分解が十分に進行しない傾向があり、100kPaを超えると異方性の希土類合金粉末が得難くなる傾向がある。
温度T1が700℃未満であると、原料合金の水素化分解が十分に進行しない傾向がある。一方、温度T1が850℃を超えると、所望の分解生成物(水素化物)が得られ難くなる傾向がある。
水素化分解工程の所要時間(図1中のt2−t1)は、0.5〜600時間であることが好ましい。この時間が0.5時間未満であると、原料合金の水素化分解が十分に進行しない傾向があり、600時間を超えると工程が長くなり過ぎる傾向がある。
水素化分解工程で得られる分解生成物は、RHxなどの水素化物、α−Fe及びFe2Bなどの鉄化合物を含んでいる。この段階における分解生成物は、100nmオーダーの微細なマトリックスを形成している。
上述の分解生成物の水素濃度η1(質量%)の上限は、通常、含まれる希土類元素が全て水素化物(RHx,x=2〜3)となる濃度である。水素濃度η1(質量%)は、希土類元素の種類にもよるが、例えば下記式(3)を満足する範囲となる。
0.014×ρ≦η1≦0.021×ρ (3)
0.014×ρ≦η1≦0.021×ρ (3)
昇温工程(図1中のIII)では、分解生成物の温度を温度T1から温度T1よりも高い温度T2に昇温する。温度T2は、温度T1よりも高く、720〜950℃であることが好ましく、750〜950℃であることがより好ましい。なお、昇温速度に特に制限はない。昇温工程の所要時間(図1中のt3−t2)は、例えば1〜10分間である。
第1の脱水素再結合工程(図1中のIV)では、温度T1よりも高い温度T2で、分解生成物から水素を所定の放出速度で放出させて、分解生成物の水素濃度を、η1(質量%)から上記式(1)を満足するη2(質量%)まで低減させる。この工程によって、水素化分解工程で得られた分解生成物のマトリックス中に希土類合金の核が生成すると考えられる。
水素濃度η1(質量%)である分解生成物からの水素の放出速度は、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として、0.4〜13質量%/分であることが好ましい。これによって、希土類合金の核をより均一に生成させることができる。また、分解生成物の水素濃度ηが、下記式(4)、好ましくは下記式(5)を満たす水素濃度η2(質量%)となる範囲にまで水素を放出させる。これによって、希土類合金の核をより均一に生成させることができる。なお、分解生成物の水素濃度η2(質量%)は、分解生成物の質量を計測することによって知ることができる。
0.008×ρ ≦η2≦0.012×ρ (4)
0.0082×ρ≦η2≦0.0115×ρ (5)
0.008×ρ ≦η2≦0.012×ρ (4)
0.0082×ρ≦η2≦0.0115×ρ (5)
分解生成物からの水素の放出速度は、雰囲気中の水素分圧の降下速度を制御することによって調整することができる。つまり、水素分圧の降下速度を大きくすれば、分解生成物からの水素の放出速度を大きくすることができる。水素分圧の降下速度は、例えばアルゴンガスを導入したり、減圧したりすることによって、調整することができる。第1の脱水素再結合工程における水素分圧の降下速度は、2〜10kPa/分とすることが好ましい。
第1の脱水素再結合工程における分解生成物の温度T2は、温度T1よりも高く、750〜950℃であることが好ましい。分解生成物の温度T2を、温度T1よりも高くすることによって、分解生成物から水素が抜けやすくなり、希土類合金の核をより均一に生成させることができる。温度T2と温度T1との温度差は、20℃以上であってもよく、100℃以上であってもよい。該温度差を100℃以上にすることによって、粒子のサイズの均一性を維持しつつ偏析物の個数を一層低減することができる。
温度T2が750℃未満であると、分解生成物からの水素の放出速度を十分に大きくすることができず、希土類合金の核生成が不均一になる傾向がある。一方、温度T2が950℃を超えると、分解生成物からの水素の放出速度が大きくなりすぎるために、分解生成物の水素濃度ηを制御することが難しくなる傾向がある。
第1の脱水素再結合工程の時間(図1中のt4−t3)は、例えば0.1〜0.5時間である。なお、この時間は、分解生成物からの水素の放出速度に依存する。
第2の脱水素再結合工程(図1中のV)では、第1の脱水素再結合工程よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして、分解生成物の水素濃度をさらに低減し、雰囲気中の水素分圧を1Pa未満にまで下げて希土類合金粉末を得る。
第2の脱水素再結合工程の温度は、第1の脱水素再結合工程における温度T2と同じにすることが好ましい。これによって、分解生成物からの水素の放出を円滑に進行させることができる。
水素濃度η2(質量%)である分解生成物からの水素の放出速度、すなわち分解生成物の水素濃度ηの降下速度は、水素を放出させる前(第1の脱水素再結合工程の開始前)の分解生成物全体の質量を基準として、0.01〜0.4質量%/分とすることが好ましい。これによって、分解生成物中に析出した希土類合金の核の成長が徐々に進行することとなり、希土類合金の粒内に偏析物が残留することを抑制することができる。水素濃度ηの降下速度が0.4質量%を超えると、分解生成物に含まれるα−Feや鉄リッチ相が再結合できずに希土類合金の粒内に取り残されやすくなる傾向がある。一方、水素濃度ηの降下速度が0.01質量%未満であると、工程に所要する時間が長くなり過ぎて再結合した希土類合金の異常粒成長が起こりやすくなる傾向がある。
偏析物としては、α−Feや、鉄リッチな化合物、及び原料合金に含まれるNbなどの不純物に由来する化合物等が挙げられる。このような偏析物が希土類合金粉末の一次粒子の粒内に存在すると、逆磁区が発生して高い保磁力が得られ難くなる。
第2の脱水素再結合工程の時間(図1中のt5−t4)は、例えば0.3〜5時間とすることができる。この時間は、分解生成物からの水素の放出速度に依存する。なお、第2の脱水素再結合工程における水素分圧の降下速度は、0.01〜0.2kPa/分とすることが好ましい。
最後に、冷却工程により、第2の脱水素再結合工程で得られた希土類合金粉末を室温にまで冷却する(図1中のVI)。以上の工程によって、一次粒子の粒内の偏析物が十分に低減された異方性の希土類合金粉末を得ることができる。この希土類合金粉末は、通常原料合金と同じ組成を有する。
本実施形態の希土類合金粉末の製造方法では、第1の脱水素再結合工程における水素分圧の降下速度を第2の脱水素再結合工程の水素分圧の降下速度よりも大きくすることにより、第1の脱水素再結合工程における分解生成物からの水素放出速度を第2の脱水素再結合工程よりも大きくしている。また、第1の脱水素再結合工程の温度(T2)を、水素化分解工程の温度(T1)よりも高くしているため、第1の脱水素再結合工程において分解生成物からの水素放出速度を大きくすることができる。これによって、希土類合金の核生成が従来よりも均一となり、また、核成長時において偏析物が粒内に析出するのを抑制することができると考えられる。
本実施形態の希土類合金粉末の製造方法によって得られる希土類合金粉末は、希土類合金の粒内の偏析物の数及び量が十分に低減されたものであるため、希土類磁石用の合金粉末として好適に用いることができる。すなわち、上記製造方法によって得られる希土類合金粉末を用いて磁石を作製すれば、磁気特性(特に保磁力)に優れる磁石を得ることができる。
次に、本発明の希土類合金粉末の好適な実施形態について説明する。
図2は、本実施形態の希土類合金粉末の微細構造を拡大して示す模式断面図である。このような微細構造は、希土類合金粉末の断面を透過型電子顕微鏡で観察することによって確認することができる。
本実施形態の希土類合金粉末は、複数の一次粒子10が凝集して構成されており、それぞれの一次粒子10は、主成分として希土類合金を含む。一次粒子10は、実質的に希土類合金からなるものであるが、一部の一次粒子10は、内部に希土類合金とは異なる、α−Fe、鉄リッチな化合物、又は原料合金に含まれるNbなどの不純物に由来する化合物を含む偏析物20を有していていもよい。
本実施形態の希土類合金粉末は、上述した特定の製造方法によって得ることができる。本実施形態の希土類合金粉末は、希土類合金(R−Fe−B系合金)を主成分(例えば、全体の99質量%以上)とする一次粒子を含んでいる。この希土類合金粉末は、従来の希土類合金粉末に比べて、一次粒子の内部に存在する主成分とは異なる物質である偏析物の数が十分に低減されている。具体的には、一次粒子10の断面における単位面積当たりの偏析物の個数が平均で4個/μm2以下である。このように偏析物の数及び量が十分に低減されているため、逆磁区の発生を抑制することが可能となり、優れた保磁力を有する。
一層優れた磁気特性を有する希土類合金粉末とする観点から、希土類合金粉末の主成分であるR−Fe−B系合金の組成は、R:25〜35質量%、B:1〜1.4質量%、Fe:65.6〜72質量%であることが好ましい。Rとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Td、Dy、Ho、Er、Tm、Luから選ばれる1種または2種以上とすることができる。このうち、製造コスト及び磁気特性の観点から、RはNdを含むことが好ましい。
希土類合金粉末の一次粒子の断面における単位面積当たりの偏析物の個数の平均値は、以下の方法によって算出することができる。希土類合金粉末を樹脂に埋め込み、集束イオンビーム(FIB)加工装置で薄片サンプルを作製し、透過型電子顕微鏡(TEM、倍率:50,000)でそのサンプルを観察する。約1.3μm×1.3μmの領域を10視野ずつ観察し、複数の一次粒子10についてEDSによる組成分析を行い、一次粒子10の主成分である希土類合金とは異なる組成を有する偏析物の個数を数える。そして、検出された偏析物の個数の平均を算出し、単位面積当たり(1μm2)の偏析物の個数を求めることができる。なお、偏析物の個数を数えるにあたっては、TEM明視野画像においてコントラストの違いから偏析物である可能性が高い領域についてEDSによるスポット組成分析を行うことにより、効率的に偏析物の個数を数えることができる。
この希土類合金粉末は、磁気的な異方性を有する磁石粉末であることが好ましい。これによって、磁気特性に優れる異方性ボンド磁石の原料として好適に用いることができる。
次に、本発明の異方性ボンド磁石の好適な実施形態について説明する。
図3は、本実施形態の異方性ボンド磁石の斜視図である。図3に示す異方性ボンド磁石50は、樹脂と該樹脂によって結合された異方性磁石粉末とを含む。異方性磁石粉末としては、上述の希土類合金粉末を用いることができる。樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマー、アイオノマー、エチレンプロピレン共重合体(EPM)、エチレン−エチルアクリレート共重合体等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なかでも、熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂がより好ましい。
本実施形態の異方性ボンド磁石50は、異方性の磁石粉末が特定方向に配向しているため、優れた磁気特性を有する。異方性ボンド磁石50における磁石粉末と樹脂との含有比率は、磁石粉末100質量部に対して、樹脂を例えば0.5〜20質量部含むことが好ましい。磁石粉末100質量部に対して、樹脂の含有量が0.5質量部未満であると、保形性が損なわれる傾向があり、樹脂が20質量部と超えると、十分に優れた磁気特性が得られ難くなる傾向がある。
このような異方性ボンド磁石は通常の方法で製造することができる。製造方法の一例について以下に説明する。まず、上述の樹脂を含む樹脂バインダーと磁石粉末とを加圧混練機(加圧ニーダー)で混練して樹脂バインダーと磁石粉末とを含む異方性ボンド磁石用コンパウンド(組成物)を調製する。異方性ボンド磁石用コンパウンドには、必要に応じて、カップリング剤やその他の添加材を加えてもよい。
上述の異方性ボンド磁石用コンパウンドを調製した後、このコンパウンドを圧縮して磁場中で成形する成形工程を行うことにより、異方性ボンド磁石を得ることができる。圧縮成形は、機械プレスや油圧プレス等の圧縮成形機を用いて行うことができる。このようにして、配向した異方性の磁石粉末と樹脂とを含む異方性ボンド磁石を得ることができる。この異方性ボンド磁石は、偏析物が十分に低減された異方性の磁石粉末を含有するとともに、当該磁石粉末が特定の方向に配向しているため、優れた磁気特性を有する。
なお、異方性ボンド磁石の製造方法は、上述の圧縮成形による方法に限定されるものではなく、例えば射出成形によって成形してもよい。この場合は、異方性ボンド磁石用コンパウンドを、必要に応じてバインダー(熱可塑性樹脂)の溶融温度まで加熱し、流動状態とした後、このコンパウンドを所定の形状を有し磁場が印加された金型内に射出して磁場中成形を行う。その後、冷却し、金型から所定形状を有する成形品(異方性ボンド磁石)を取り出す。このようにして異方性ボンド磁石を製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、異方性ボンド磁石は、上述の形状に限定されるものではなく、金型を変えることによって所望の形状(例えば、柱状、平板状又はC型形状)を有する異方性ボンド磁石とすることができる。
本発明の内容を実施例及び比較例を用いて以下に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ストリップキャスト法によって、以下の組成を有するNd2Fe14B原料合金を調製した。
ストリップキャスト法によって、以下の組成を有するNd2Fe14B原料合金を調製した。
Nd:28.00質量%
Fe:70.01質量%
B:1.08質量%
Ga:0.36質量%
Nb:0.30質量%
Fe:70.01質量%
B:1.08質量%
Ga:0.36質量%
Nb:0.30質量%
この原料合金は、上述の元素の他に、微量の不可避不純物(原料合金全体の0.2〜0.3質量%)を含んでいた。この原料合金を、真空中、1000〜1200℃の温度範囲で24時間保持した(均質化熱処理工程)。均質化熱処理後のNd2Fe14B原料合金を、スタンプミルを用いて粉砕し、篩分けを行って、粉末状(粒径1〜2mm)の原料合金を得た。
この原料合金を、モリブテン製の容器に充填し、赤外線加熱方式を有する管状熱処理炉に装填し、以下の条件で水素化分解・脱水素再結合法による処理(HDDR処理)を施した。なお、当該処理のタイムチャートは図1に示すとおりであった。
まず、管状熱処理炉内に水素ガスを導入し、水素ガス雰囲気下、水素分圧100kPa、温度(T0)100℃の条件で原料合金粉末を2時間保持する水素吸蔵工程(図1中のI)を行った。これによって、原料合金に水素を吸蔵させて、水素吸蔵合金を得た。
続いて、炉内の水素分圧を下げるとともに炉内温度を10℃/分で昇温し、水素吸蔵合金を、水素分圧40kPa、温度T1(=800℃)の条件で1.5時間保持する水素化分解工程を行った(図1中のII)。これによって、水素吸蔵合金を水素化分解させて分解生成物を得た。
その後、炉内温度を10℃/分で温度T2(=850℃)まで昇温した(昇温工程、図1中のIII)。炉内温度をT2まで昇温した後、真空ポンプを用いて水素ガスを排気し、炉内の圧力(水素分圧)を4kPa/分の速度で下げることによって、分解生成物に含まれる水素の放出を開始した(第1の脱水素再結合工程、図1中のIV)。
第1の脱水素再結合工程では、分解生成物から、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として、1.33質量%/分の水素放出速度aで水素を放出させて、分解生成物中の水素濃度を、表1の水素濃度η2にまで低減した。
分解生成物中の水素濃度が表1の水素濃度η2にまで下がったら、炉内からの水素ガスの排気速度を変更して、炉内圧力(水素分圧)の降下速度を0.1kPa/分とした。これによって、分解生成物からの水素放出速度bを、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として0.35質量%/分に調整した。その後、炉内の圧力(=水素分圧)が1Pa未満になるまで、水素の放出を継続して行うことにより、分解生成物から水素をほぼ完全に除去した(第2の脱水素再結合工程、図1中のV)。なお、第1の脱水素再結合工程に所要した時間は約10分間であり、第2の脱水素再結合工程に所要した時間は40〜50分間であった。
炉内の圧力(水素分圧)が1Pa未満となった時点で、水素の放出を停止した。その後、炉内を室温(約20℃)まで冷却し、HDDR処理された異方性のNd2Fe14B粉末を得た。
[磁気特性の評価]
得られたNd2Fe14B粉末を、不活性雰囲気中で乳鉢を用いて粉砕し、篩い分けを行って、粒径が53〜212μmのNd2Fe14B粉末とした。この粉末とパラフィンとをケースに詰めて、パラフィンを融解させた状態で1テスラの磁場を印加して磁石粉末を配向させた。磁石粉末の配向方向と平行な方向に6テスラのパルス磁場を印加し、振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁化−磁場曲線を測定して磁気特性を求めた。残留磁束密度(Br)及び保磁力(Hcj)の測定結果を表1に示す。
得られたNd2Fe14B粉末を、不活性雰囲気中で乳鉢を用いて粉砕し、篩い分けを行って、粒径が53〜212μmのNd2Fe14B粉末とした。この粉末とパラフィンとをケースに詰めて、パラフィンを融解させた状態で1テスラの磁場を印加して磁石粉末を配向させた。磁石粉末の配向方向と平行な方向に6テスラのパルス磁場を印加し、振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁化−磁場曲線を測定して磁気特性を求めた。残留磁束密度(Br)及び保磁力(Hcj)の測定結果を表1に示す。
[微細構造の評価]
Nd2Fe14B粉末の一次粒子の断面における単位面積(μm2)当たりの偏析物の個数の平均を、上述の方法によって算出した。なお、偏析物の個数を数えるにあたっては、TEM明視野画像においてコントラストの違いから偏析物である可能性が高い領域についてEDSによるスポット組成分析を行って偏析物であるか否かを判定した。評価結果を表1に示す。
Nd2Fe14B粉末の一次粒子の断面における単位面積(μm2)当たりの偏析物の個数の平均を、上述の方法によって算出した。なお、偏析物の個数を数えるにあたっては、TEM明視野画像においてコントラストの違いから偏析物である可能性が高い領域についてEDSによるスポット組成分析を行って偏析物であるか否かを判定した。評価結果を表1に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜5)
第1の脱水素再結合工程から第2の脱水素再結合工程に切り替える(水素放出速度aから水素放出速度bに変更する)際の分解生成物の水素濃度(η2)を、表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてNd2Fe14B粉末のHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。実施例2〜4及び比較例1〜5のHDDR処理条件及び評価結果を表1に纏めて示す。なお、第1の脱水素再結合工程から第2の脱水素再結合工程への切り替えは、排気弁の開度を調整して、炉内から排気される水素ガスの排気速度を変更することによって行った。
第1の脱水素再結合工程から第2の脱水素再結合工程に切り替える(水素放出速度aから水素放出速度bに変更する)際の分解生成物の水素濃度(η2)を、表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてNd2Fe14B粉末のHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。実施例2〜4及び比較例1〜5のHDDR処理条件及び評価結果を表1に纏めて示す。なお、第1の脱水素再結合工程から第2の脱水素再結合工程への切り替えは、排気弁の開度を調整して、炉内から排気される水素ガスの排気速度を変更することによって行った。
(実施例5)
温度T1を750℃及び温度T2を900℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
温度T1を750℃及び温度T2を900℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
(実施例6)
温度T1を830℃及び温度T2を850℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
温度T1を830℃及び温度T2を850℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
(実施例7)
温度T1を700℃及び温度T2を720℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
温度T1を700℃及び温度T2を720℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてHDDR処理を行い、異方性のNd2Fe14B粉末を得た。そして、実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末の評価を行った。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
(実施例8)
第1の脱水素再結合工程における水素放出速度aを3.0質量%/分にしたこと、及び第2の脱水素結合工程における水素放出速度bを0.1質量%/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして異方性のNd2Fe14B粉末を得た。水素放出速度a,bは、炉内圧力の降下速度を変えることによって調整した。実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末を評価した。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
第1の脱水素再結合工程における水素放出速度aを3.0質量%/分にしたこと、及び第2の脱水素結合工程における水素放出速度bを0.1質量%/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして異方性のNd2Fe14B粉末を得た。水素放出速度a,bは、炉内圧力の降下速度を変えることによって調整した。実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末を評価した。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
(実施例9)
第1の脱水素再結合工程における水素放出速度aを0.8質量%/分にしたこと、及び第2の脱水素結合工程における水素放出速度bを0.4質量%/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして異方性のNd2Fe14B粉末を得た。水素放出速度a,bは、炉内圧力の降下速度を変えることによって調整した。実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末を評価した。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
第1の脱水素再結合工程における水素放出速度aを0.8質量%/分にしたこと、及び第2の脱水素結合工程における水素放出速度bを0.4質量%/分にしたこと以外は、実施例1と同様にして異方性のNd2Fe14B粉末を得た。水素放出速度a,bは、炉内圧力の降下速度を変えることによって調整した。実施例1と同様にして、得られたNd2Fe14B粉末を評価した。HDDR処理条件及び評価結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例1〜9のNd2Fe14B粉末は、粒内偏析物の個数が十分に低減されており、優れた磁気特性(特に保磁力)を有することが確認された。
10…一次粒子、20…偏析物、50…異方性ボンド磁石。
Claims (4)
- 水素化分解・脱水素再結合法による希土類合金粉末の製造方法であって、
希土類元素の含有量がρ(質量%)である原料合金を、温度T1で水素化分解させて水素濃度がη1(質量%)である分解生成物を得る水素化分解工程と、
前記温度T1よりも高い温度T2で、前記分解生成物から水素を所定の放出速度で放出させて、前記分解生成物の水素濃度をη1(質量%)から下記式(1)を満足するη2(質量%)まで低減する第1の脱水素再結合工程と、
前記第1の脱水素再結合工程よりも前記分解生成物からの水素の放出速度を小さくして、前記分解生成物の水素濃度をさらに低減し希土類合金粉末を得る第2の脱水素再結合工程と、を有する希土類合金粉末の製造方法。
0.008×ρ≦η2≦0.013×ρ (1) - 希土類元素を含む原料合金に水素化分解・脱水素再結合処理を施すことによって得られる複数の一次粒子を含む希土類合金粉末であって、
前記一次粒子は主成分として希土類合金を含んでおり、
前記一次粒子の断面における単位面積当たりの前記希土類合金とは異なる偏析物の個数が平均で4個/μm2以下である希土類合金粉末。 - 異方性である請求項2記載の希土類合金粉末と、樹脂と、を含む異方性ボンド磁石用コンパウンド。
- 請求項3記載の異方性ボンド磁石用コンパウンドを磁場中成形して得られる異方性ボンド磁石。
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