JPH06302412A - 希土類磁石材料粉末の製造方法 - Google Patents

希土類磁石材料粉末の製造方法

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JPH06302412A
JPH06302412A JP5107641A JP10764193A JPH06302412A JP H06302412 A JPH06302412 A JP H06302412A JP 5107641 A JP5107641 A JP 5107641A JP 10764193 A JP10764193 A JP 10764193A JP H06302412 A JPH06302412 A JP H06302412A
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rare earth
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義成 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 R2 14B型金属間化合物相を主相とする希
土類磁石材料粉末の製造法を提供する。 【構成】 R−T−B系原料合金を均質化処理しまたは
均質化処理せずに水素吸蔵処理し、引き続いて、1To
rr以下の真空雰囲気中に保持することによりR−T−
B系原料合金から強制的に水素を放出させて相変態を促
したのち、冷却し、ついで粉砕する、R2 14B型金属
間化合物相の再結晶集合組織を有する希土類磁石材料粉
末の製造方法において、前記水素吸蔵処理は、水素雰囲
気中の水素の圧力または水素と不活性ガスの混合ガス雰
囲気中の水素分圧を1140Torr〜100Torr
の範囲内の間で上下に変動させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Yを含む希土類元素
(以下、Rで示す)とFeあるいはFeの一部をCoで
置換した成分(以下、Tで示す)とBを主成分とし、さ
らに、必要に応じてSi、Ga、Zr、Nb、Mo、H
f、Ta、W、Al、Ti、Vのうち1種または2種以
上(以下、Mで示す):0.001〜5.0原子%を含
有するR2 14B型金属間化合物相を主相とする磁気特
性に優れた希土類磁石材料粉末を効率よく製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】RとTとBを主成分とし、さらに、必要
に応じてM:0.001〜5.0原子%を含有するR−
T−B系合金原料を、Arガス雰囲気中、温度:600
〜1200℃に保持して均質化処理し、または均質化処
理せずに、R−T−B系合金原料をH2 ガスまたはH2
ガスと不活性ガスの混合雰囲気中で、室温から温度:5
00〜1000℃に昇温保持して水素吸蔵処理し、引き
続いて、真空雰囲気中、温度:500〜1000℃に保
持して脱水素処理し、ついで冷却し、粉砕して希土類磁
石粉末を製造する方法は、特開平2−4901号公報な
どに記載されており知られている。この場合、R−T−
B系合金原料をH2 ガスまたはH2 ガスと不活性ガスの
混合雰囲気中で温度:500〜1000℃に昇温保持す
る前に、必要に応じてH2 ガスまたはH2 ガスと不活性
ガスの混合雰囲気中で室温から500℃までの間の所定
の温度に昇温保持しても良いことも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、R−
T−B系合金原料にH2 ガスを吸蔵させると、反応熱に
よりR−T−B系合金原料の温度が急激に上昇し、水素
吸蔵処理時の温度の急激な上昇は希土類磁石粉末の磁気
特性に悪影響を与え、そのために、得られた希土類磁石
粉末の磁気特性は満足できるものではなくかつ磁気特性
にバラツキが生じていた。そこで、従来の水素吸蔵処理
は長時間かけて行っていたが、長時間かけて水素吸蔵処
理を行ってもなお十分に満足できる磁気特性は得られ
ず、生産性を低下させてコストを上昇させる原因となっ
ていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来よりも磁気特性に優れた希土類磁石粉末を効率よく
製造すべく研究を行った結果、前記R−T−B系合金原
料に水素を吸蔵させる変態を促す水素吸蔵処理におい
て、水素雰囲気中の水素の圧力または水素と不活性ガス
の混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変動させると、
磁気特性に優れた希土類磁石材料粉末を効率よく製造す
ることができるという知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、(1) RとTとBを主成分とし、さ
らに、M:0.001〜5.0原子%を含有するR−T
−B系合金原料を、Arガス雰囲気中、温度:600〜
1200℃に保持して均質化処理した後または均質化処
理せずに、R−T−B系合金原料を室温から500〜1
000℃の範囲内の所定の温度までを水素雰囲気中ある
いは水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中に昇温後保持
して前記R−T−B系合金原料に水素を吸蔵させて相変
態を促す水素吸蔵処理を施し、引き続いて、500〜1
000℃の範囲内の所定の温度で1Torr以下の真空
雰囲気中に保持することにより、R−T−B系合金原料
から強制的に水素を放出させて相変態を促す脱水素処理
を施したのち、冷却し、粉砕する、微細なR214B型
金属間化合物相の再結晶集合組織を有する希土類磁石材
料粉末の製造方法において、前記水素吸蔵処理におい
て、水素雰囲気中の水素の圧力または水素と不活性ガス
の混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変動させる希土
類磁石材料粉末の製造方法、(2) RとTとBを主成
分とし、さらに、M:0.001〜5.0原子%を含有
するR−T−B系合金原料を、Arガス雰囲気中、温
度:600〜1200℃に保持して均質化処理した後ま
たは均質化処理せずにR−T−B系合金原料を室温から
500℃までを水素雰囲気中、水素と不活性ガスの混合
ガス雰囲気中の内のいずれかの雰囲気中に保持し、さら
に500〜1000℃の範囲内の所定の温度までを水素
雰囲気中あるいは水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中
に昇温後保持して前記R−T−B系合金原料に水素を吸
蔵させて相変態を促す水素吸蔵処理を施し、引き続い
て、500〜1000℃の範囲内の所定の温度で1To
rr以下の真空雰囲気中に保持することにより、R−T
−B系合金原料から強制的に水素を放出させて相変態を
促す脱水素処理を施したのち、冷却し、粉砕する、微細
なR214B型金属間化合物相の再結晶集合組織を有す
る希土類磁石材料粉末の製造方法において、前記水素吸
蔵処理において、水素雰囲気中の水素の圧力または水素
と不活性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変
動させる希土類磁石材料粉末の製造方法、に特徴を有す
るものである。
【0006】前記水素雰囲気中の水素の圧力または水素
と不活性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変
動させるには、通常は周期的に上下に変動させるが、変
動の形態はとくに限定されるものではなく、例えば、最
終的に一定の水素圧力または水素分圧に収束するように
非周期的に上下に変動させてもよく、また周期的変動と
非周期的変動を混合して上下に変動させてもよい。合金
に水素を吸蔵させる際、水素雰囲気中の水素の圧力また
は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を適
当な圧力で封入する。合金に水素を吸蔵させ、ある圧力
まで低下したところで水素を供給し、適当な圧力で再度
封入する。この操作を繰り返し行うことで合金は水素吸
蔵により発熱するが、次第に水素雰囲気中の水素の圧力
が低くなるとともに水素吸蔵速度が遅くなり合金の発熱
量が抑えられる。結果として合金の発熱量が周期的に変
化し、合金の発熱量が抑えられるので温度の上昇を制限
することができることを見出だした。合金に水素を吸蔵
させる際の水素雰囲気中の水素の圧力または水素と不活
性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧は、水素圧力:1
140Torrを越えると合金の発熱による温度上昇が
1150℃より高くなることがあり、合金の一部が溶け
ることや磁気特性も低下することから上限としては11
40Torr以下、好ましくは760Torr以下とす
るのが良い。また、水素圧力:が100Torr未満に
なると、合金の水素吸蔵速度が遅くなりかつ十分水素を
吸蔵しなくなるので下限としては100Torr以上、
好ましくは100Torr以上とするのが良い。また、
水素吸蔵時の合金の上昇温度の面から考えると、安定し
て高磁気特性を得るためには合金の水素吸蔵時の温度を
1150℃以下、好ましくは950℃以下に抑えること
が良い。さらに、合金中のRの量により水素吸蔵量や発
熱量が変わるので、合金の組成によっても水素吸蔵条件
は異なる。
【0007】
【実施例】Arガス雰囲気中、高周波溶解炉を用いて、
表1に示される成分組成の合金を溶解し、鋳造して鋳塊
A〜Lを製造した。合金中に熱電対をセットし、合金が
水素吸蔵する際の発熱による温度を測定した。
【0008】
【表1】
【0009】実施例1 表1の鋳塊AをAr雰囲気中、温度:1150℃に20
時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳塊A
を水素雰囲気中で室温から750℃まで昇温して750
℃に1時間保持すると同時に前記水素雰囲気中の水素圧
力を1140Torr〜100Torrの範囲内で3回
変動させながら水素吸蔵処理を行い、さらに850℃ま
で昇温した後、850℃に1時間保持し、引き続いて温
度を850℃に保持しながら1×10-1Torr以下の
圧力になるまで脱水素処理し、ついで、Arガス中で冷
却し、400μm以下に粉砕することにより本発明法を
実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0010】実施例2 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜100To
rrの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例1と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0011】実施例3 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜300To
rrの範囲内で6回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例1と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0012】比較例1 水素雰囲気中の水素圧力を1520Torr〜100T
orrの範囲内で3回変動させながら水素吸蔵処理を行
う以外は、実施例1と全く同じ条件で比較法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0013】比較例2 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜50Tor
rの範囲内で3回変動させながら水素吸蔵処理を行う以
外は、実施例1と全く同じ条件で比較法を実施し、希土
類磁石材料粉末を製造した。
【0014】従来例1 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例1と全く同じ
条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0015】前記実施例1〜3、比較例1〜2および従
来例1を一層理解しやくするために水素圧力パターンお
よびヒートパターンのグラフを図1に示した。ヒートパ
ターンは、実施例1〜3、比較例1〜2および従来例1
で同じであるが、水素圧力パターンが相違していること
が分かる。
【0016】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。得られたボンド磁石の磁気特性を表2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】実施例4 表1の鋳塊BをAr雰囲気中、温度:1150℃に20
時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳塊A
を水素雰囲気中で室温から750℃まで昇温して750
℃に1時間保持するとと同時に前記水素雰囲気中の水素
圧力を1140Torr〜100Torrの範囲内で3
回変動させながら水素吸蔵処理を行い、さらに850℃
まで昇温したのち850℃に1時間保持したのち、引き
続いて温度を850℃に保持しながら1×10-1Tor
r以下の圧力になるまで脱水素処理し、ついで、Arガ
ス中で冷却し、400μm以下に粉砕することにより本
発明法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0019】実施例5 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜100To
rrの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例4と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0020】実施例6 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜300To
rrの範囲内で6回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例4と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0021】比較例3 水素雰囲気中の水素圧力を1520Torr〜100T
orrの範囲内で2回変動させながら水素吸蔵処理を行
う以外は、実施例4と全く同じ条件で比較法1を実施
し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0022】比較例4 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜50Tor
rの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う以
外は、実施例4と全く同じ条件で比較法を実施し、希土
類磁石材料粉末を製造した。
【0023】従来例2 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例4と全く同じ
条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0024】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。得られたボンド磁石の磁気特性を表3に示した。
【0025】
【表3】
【0026】実施例7 表1の鋳塊Cを均質化処理せずに水素雰囲気中で室温か
ら450℃まで昇温して450℃に1時間保持し、さら
に850℃まで昇温したのち、850℃に1時間保持す
るとと同時に前記水素雰囲気中の水素圧力を1140T
orr〜100Torrの範囲内で3回変動させながら
水素吸蔵処理を行い、引き続いて温度を850℃に保持
しながら1×10-1Torr以下の圧力になるまで脱水
素処理し、ついで、Arガス中で冷却し、400μm以
下に粉砕することにより本発明法を実施し、希土類磁石
材料粉末を製造した。
【0027】実施例8 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜100To
rrの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例7と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0029】実施例9 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜300To
rrの範囲内で6回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例7と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0030】比較例5 水素雰囲気中の水素圧力を1520Torr〜100T
orrの範囲内で2回変動させながら水素吸蔵処理を行
う以外は、実施例7と全く同じ条件で比較法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0031】比較例6 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜50Tor
rの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う以
外は、実施例7と全く同じ条件で比較法を実施し、希土
類磁石材料粉末を製造した。
【0032】従来例3 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例7と全く同じ
条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0033】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。得られたボンド磁石の磁気特性を表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】実施例10〜18 表1の鋳塊D〜LをAr雰囲気中、温度:1150℃に
20時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳
塊D〜Lを水素雰囲気中で室温から450℃まで昇温し
て450℃に1時間保持し、さらに850℃まで昇温し
たのち、850℃に1時間保持するとと同時に前記水素
雰囲気中の水素圧力を表5〜表6に示される条件で水素
吸蔵処理を行い、引き続いて温度を850℃に保持しな
がら1×10-1Torr以下の圧力になるまで脱水素処
理し、ついで、Arガス中で冷却し、400μm以下に
粉砕することにより本発明法を実施し、希土類磁石材料
粉末を製造した。
【0036】従来例4〜12 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例10〜18と
全く同じ条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を
製造した。
【0037】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。得られたボンド磁石の磁気特性を表5〜表6に示し
た。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】表5〜表6に示される結果から、鋳塊D〜
Lについて、水素圧力が変動する水素吸蔵処理を施した
実施例10〜18の本発明法で得られた希土類磁石材料
粉末の磁気特性は、水素圧力を一定に保持する水素吸蔵
処理を施した従来例4〜12の従来法で得られた希土類
磁石材料粉末に比べて優れていることが分かる。
【0041】
【発明の効果】上述のように、この発明の方法による
と、従来よりも優れた磁気特性を有する希土類磁石材料
粉末を製造することができ、産業上優れた効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3、比較例1〜2および従来例1の
水素圧力パターンおよびヒートパターンを示すグラフで
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 希土類磁石材料粉末の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Yを含む希土類元素
(以下、Rで示す)とFeあるいはFeの一部をCoで
置換した成分(以下、Tで示す)とBを主成分とし、さ
らに、必要に応じてSi、Ga、Zr、Nb、Mo、H
f、Ta、W、Al、Ti、Vのうち1種または2種以
上(以下、Mで示す):0.001〜5.0原子%を含
有するR2 14B型金属間化合物相を主相とする磁気特
性に優れた希土類磁石材料粉末を効率よく製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】RとTとBを主成分とし、さらに、必要
に応じてM:0.001〜5.0原子%を含有するR−
T−B系合金原料を、Arガス雰囲気中、温度:600
〜1200℃に保持して均質化処理し、または均質化処
理せずに、R−T−B系合金原料をH2 ガスまたはH2
ガスと不活性ガスの混合雰囲気中で、室温から温度:5
00〜1000℃に昇温保持して水素吸蔵処理し、引き
続いて、真空雰囲気中、温度:500〜1000℃に保
持して脱水素処理し、ついで冷却し、粉砕して希土類磁
石粉末を製造する方法は、特開平2−4901号公報な
どに記載されており知られている。この場合、R−T−
B系合金原料をH2 ガスまたはH2 ガスと不活性ガスの
混合雰囲気中で温度:500〜1000℃に昇温保持す
る前に、必要に応じてH2 ガスまたはH2 ガスと不活性
ガスの混合雰囲気中で室温から500℃までの間の所定
の温度に昇温保持しても良いこと、および合金成分とし
て上記Mを含有することにより優れた磁気異方性磁石粉
末が得られることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、R−
T−B系合金原料にH2 ガスを吸蔵させると、反応熱に
よりR−T−B系合金原料の温度が急激に上昇し、水素
吸蔵処理時の温度の急激な上昇は希土類磁石粉末の磁気
特性に悪影響を与え、そのために、得られた希土類磁石
粉末の磁気特性は満足できるものではなくかった。そこ
で、従来の水素吸蔵処理はR−T−B系合金原料の温度
の急激な上昇を防止するために長時間かけて行っていた
が、長時間かけて水素吸蔵処理を行ってもなおR−T−
B系合金原料の温度の上昇は避けられず、十分に満足で
きる磁気特性は得られなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来よりも磁気特性に優れた希土類磁石粉末を効率よく
製造すべく研究を行った結果、前記R−T−B系合金原
料に水素を吸蔵させる変態を促す水素吸蔵処理におい
て、水素雰囲気中の水素の圧力または水素と不活性ガス
の混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変動させると、
磁気特性に優れた希土類磁石材料粉末を効率よく製造す
ることができるという知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、(1) RとTとBを主成分とし、さ
らに、M:0.001〜5.0原子%を含有するR−T
−B系合金原料を、Arガス雰囲気中、温度:600〜
1200℃に保持して均質化処理した後または均質化処
理せずに、R−T−B系合金原料を室温から500〜1
000℃の範囲内の所定の温度までを水素雰囲気中ある
いは水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中に昇温後保持
して前記R−T−B系合金原料に水素を吸蔵させて相変
態を促す水素吸蔵処理を施し、引き続いて、500〜1
000℃の範囲内の所定の温度で1Torr以下の真空
雰囲気中に保持することにより、R−T−B系合金原料
から強制的に水素を放出させて相変態を促す脱水素処理
を施したのち、冷却し、粉砕する、微細なR214B型
金属間化合物相の再結晶集合組織を有する希土類磁石材
料粉末の製造方法において、前記水素吸蔵処理におい
て、水素雰囲気中の水素の圧力または水素と不活性ガス
の混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変動させる希土
類磁石材料粉末の製造方法、(2) RとTとBを主成
分とし、さらに、M:0.001〜5.0原子%を含有
するR−T−B系合金原料を、Arガス雰囲気中、温
度:600〜1200℃に保持して均質化処理した後ま
たは均質化処理せずにR−T−B系合金原料を室温から
500℃までを水素雰囲気中、水素と不活性ガスの混合
ガス雰囲気中の内のいずれかの雰囲気中に保持し、さら
に500〜1000℃の範囲内の所定の温度までを水素
雰囲気中あるいは水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中
に昇温後保持して前記R−T−B系合金原料に水素を吸
蔵させて相変態を促す水素吸蔵処理処理を施し、引き続
いて、500〜1000℃の範囲内の所定の温度で1T
orr以下の真空雰囲気中に保持することにより、R−
T−B系合金原料から強制的に水素を放出させて相変態
を促す脱水素処理を施したのち、冷却し、粉砕する、微
細なR214B型金属間化合物相の再結晶集合組織を有
する希土類磁石材料粉末の製造方法において、前記水素
吸蔵処理処理において、水素雰囲気中の水素の圧力また
は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を上
下に変動させる希土類磁石材料粉末の製造方法、に特徴
を有するものである。
【0006】前記水素雰囲気中の水素の圧力または水素
と不活性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を上下に変
動させるには、通常は周期的に上下に変動させるが、変
動の形態はとくに限定されるものではなく、例えば、最
終的に一定の水素圧力または水素分圧に収束するように
非周期的に上下に変動させてもよく、また周期的変動と
非周期的変動を混合して上下に変動させてもよい。合金
に水素を吸蔵させる際、水素雰囲気中の水素の圧力また
は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を適
当な圧力で封入する。合金に水素を吸蔵させ、ある圧力
まで低下したところで水素を供給し、適当な圧力で再度
封入する。この操作を繰り返し行うことで合金は水素吸
蔵により発熱はするが、次第に水素雰囲気中の水素の圧
力が低くなるとともに水素吸蔵速度が遅くなり合金の発
熱量が抑えられ、結果として合金の発熱量が周期的に変
化することにより合金の温度上昇が抑えられるものと考
えられる。合金に水素を吸蔵させる際の水素雰囲気中の
水素の圧力または水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中
の水素分圧は、水素圧力:1140Torrを越えると
合金の発熱による温度上昇が1150℃より高くなるこ
とがあり、合金の一部が溶けることや磁気特性も低下す
ることから上限としては1140Torr以下、好まし
くは760Torr以下とするのが良い。また、水素圧
力が100Torr未満になると、合金の水素吸蔵速度
が遅くなりかつ十分水素を吸蔵しなくなるので下限とし
ては100Torr以上、好ましくは300Torr以
上とするのが良い。また、水素吸蔵時の合金の上昇温度
の面から考えると、安定して高磁気特性を得るためには
合金の水素吸蔵時の温度を1150℃以下、好ましくは
950℃以下に抑えることが良い。さらに、合金中のR
の量により水素吸蔵量や発熱量が変わるので、合金の組
成によっても水素吸蔵条件は異なる。
【0007】
【実施例】Arガス雰囲気中、高周波溶解炉を用いて、
表1に示される成分組成の合金を溶解し、鋳造して鋳塊
A〜Lを製造した。合金中に熱電対をセットし、合金が
水素吸蔵する際の発熱による温度を測定した。
【0008】
【表1】
【0009】実施例1 表1の鋳塊AをAr雰囲気中、温度:1150℃に20
時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳塊A
を水素雰囲気中で室温から750℃まで昇温して750
℃に1時間保持すると同時に前記水素雰囲気中の水素圧
力を1140Torr〜100Torrの範囲内で3回
変動させながら水素吸蔵処理を行い、さらに850℃ま
で昇温した後、850℃に1時間保持し、引き続いて温
度を850℃に保持しながら1×10-1Torr以下の
圧力になるまで脱水素処理し、ついで、Arガス中で冷
却し、400μm以下に粉砕することにより本発明法を
実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0010】実施例2 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜100To
rrの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例1と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0011】実施例3 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜300To
rrの範囲内で6回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例1と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0012】比較例1 水素雰囲気中の水素圧力を1520Torr〜100T
orrの範囲内で3回変動させながら水素吸蔵処理を行
う以外は、実施例1と全く同じ条件で比較法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0013】比較例2 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜50Tor
rの範囲内で3回変動させながら水素吸蔵処理を行う以
外は、実施例1と全く同じ条件で比較法を実施し、希土
類磁石材料粉末を製造した。
【0014】従来例1 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例1と全く同じ
条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0015】前記実施例1〜3、比較例1〜2および従
来例1を一層理解しやくするために水素圧力パターンお
よびヒートパターンのグラフを図1に示した。ヒートパ
ターンは、実施例1〜3、比較例1〜2および従来例1
で同じであるが、水素圧力パターンが相違していること
が分かる。
【0016】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。希土類磁石材料粉末の製造条件と得られたボンド磁
石の磁気特性を表2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】実施例4 表1の鋳塊BをAr雰囲気中、温度:1150℃に20
時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳塊B
を水素とArガスの混合ガス雰囲気中で室温から770
℃まで昇温して770℃に1時間保持すると同時に前記
水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を114
0Torr〜100Torrの範囲内で3回変動させな
がら水素吸蔵処理を行い、さらに850℃まで昇温した
のち850℃に1時間保持したのち、引き続いて温度を
850℃に保持しながら1×10-1Torr以下の圧力
になるまで脱水素処理し、ついで、Arガス中で冷却
し、400μm以下に粉砕することにより本発明法を実
施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0019】実施例5 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torr〜100Torrの範囲内で4回変動させなが
ら水素吸蔵処理を行う以外は、実施例4と全く同じ条件
で本発明法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0020】実施例6 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torr〜300Torrの範囲内で6回変動させなが
ら水素吸蔵処理を行う以外は、実施例4と全く同じ条件
で本発明法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0021】比較例3 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を152
0Torr〜100Torrの範囲内で2回変動させな
がら水素吸蔵処理を行う以外は、実施例4と全く同じ条
件で比較法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0022】比較例4 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torr〜50Torrの範囲内で4回変動させながら
水素吸蔵処理を行う以外は、実施例4と全く同じ条件で
比較法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0023】従来例2 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torrの一定値に保持して水素吸蔵処理を行う以外
は、実施例4と全く同じ条件で従来法を実施し、希土類
磁石材料粉末を製造した。
【0024】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、無磁場中で圧縮成形
して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブンで120
℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製した。希土類
磁石材料粉末の製造条件と得られた等方性ボンド磁石の
磁気特性を表3に示した。
【0025】
【表3】
【0026】実施例7 表1の鋳塊Cを均質化処理せずに水素雰囲気中で室温か
ら450℃まで昇温して750℃に1時間保持し、さら
に730℃まで昇温したのち、730℃に1時間保持す
ると同時に前記水素雰囲気中の水素圧力を1140To
rr〜100Torrの範囲内で3回変動させながら水
素吸蔵処理を行い、さらに850℃まで昇温したのち、
850℃に1時間保持し、引き続いて温度を850℃に
保持しながら1×10-1Torr以下の圧力になるまで
脱水素処理し、ついで、Arガス中で冷却し、400μ
m以下に粉砕することにより本発明法を実施し、希土類
磁石材料粉末を製造した。
【0027】実施例8 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜100To
rrの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例7と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0029】実施例9 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜300To
rrの範囲内で6回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例7と全く同じ条件で本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0030】比較例5 水素雰囲気中の水素圧力を1520Torr〜100T
orrの範囲内で2回変動させながら水素吸蔵処理を行
う以外は、実施例7と全く同じ条件で比較法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0031】比較例6 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜50Tor
rの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う以
外は、実施例7と全く同じ条件で比較法を実施し、希土
類磁石材料粉末を製造した。
【0032】従来例3 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例7と全く同じ
条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0033】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。希土類磁石材料粉末の製造条件と得られたボンド磁
石の磁気特性を表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】実施例10〜18 表1の鋳塊D〜LをAr雰囲気中、温度:1150℃に
20時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳
塊D〜Lを水素雰囲気中で室温から450℃まで昇温し
て450℃に1時間保持し、さらに750℃まで昇温し
たのち、750℃に1時間保持すると同時に前記水素雰
囲気中の水素圧力を表5〜表6に示される条件で水素吸
蔵処理を行い、さらに850℃まで昇温したのち、85
0℃に1時間保持し、引き続いて温度を850℃に保持
しながら1×10-1Torr以下の圧力になるまで脱水
素処理し、ついで、Arガス中で冷却し、400μm以
下に粉砕することにより本発明法を実施し、希土類磁石
材料粉末を製造した。
【0036】従来例4〜12 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例10〜18と
全く同じ条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を
製造した。
【0037】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。希土類磁石材料粉末の製造条件と得られたボンド磁
石の磁気特性を表5〜表6に示した。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】表5〜表6に示される結果から、鋳塊D〜
Lについて、水素圧力が変動する水素吸蔵処理を施した
実施例10〜18の本発明法で得られた希土類磁石材料
粉末の磁気特性は、水素圧力を一定に保持する水素吸蔵
処理を施した従来例4〜12の従来法で得られた希土類
磁石材料粉末に比べて優れていることが分かる。
【0041】実施例19 表1の鋳塊AをAr雰囲気中、温度:1150℃に20
時間保持の条件で均質化処理し、均質化処理した鋳塊A
を水素とArガスの混合ガス雰囲気中で室温から450
℃まで昇温し、450℃に1時間保持し、さらに750
℃まで昇温したのち、750℃に1時間保持すると同時
に水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を11
40Torr〜100Torrの範囲内で3回変動させ
ながら水素吸蔵処理を行い、さらに850℃まで昇温し
た後、850℃に1時間保持し、引き続いて温度を85
0℃に保持しながら1×10-1Torr以下の圧力にな
るまで脱水素処理し、ついで、Arガス中で冷却し、4
00μm以下に粉砕することにより本発明法を実施し、
希土類磁石材料粉末を製造した。
【0042】実施例20 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torr〜100Torrの範囲内で4回変動させなが
ら水素吸蔵処理を行う以外は、実施例19と全く同じ条
件で本発明法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0043】実施例21 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torr〜300Torrの範囲内で6回変動させなが
ら水素吸蔵処理を行う以外は、実施例19と全く同じ条
件で本発明法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0044】比較例7 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を152
0Torr〜100Torrの範囲内で2回変動させな
がら水素吸蔵処理を行う以外は、実施例19と全く同じ
条件で比較法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0045】比較例8 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torr〜50Torrの範囲内で4回変動させながら
水素吸蔵処理を行う以外は、実施例19と全く同じ条件
で比較法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0046】従来例13 水素とArガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760
Torrの一定値に保持して水素吸蔵処理を行う以外
は、実施例19と全く同じ条件で従来法を実施し、希土
類磁石材料粉末を製造した。
【0047】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し、
希土類磁石材料粉末の製造条件と得られたボンド磁石の
磁気特性を表7に示した。
【0048】
【表7】
【0049】実施例22 表1の鋳塊Cを均質化処理せずに水素雰囲気中で室温か
ら730℃まで昇温して730℃に1時間保持すると同
時に前記水素雰囲気中の水素圧力を1140Torr〜
100Torrの範囲内で3回変動させながら水素吸蔵
処理を行い、さらに850℃まで昇温したのち、850
℃に1時間保持し、引き続いて温度を850℃に保持し
ながら1×10-1Torr以下の圧力になるまで脱水素
処理し、ついで、Arガス中で冷却し、400μm以下
に粉砕することにより本発明法を実施し、希土類磁石材
料粉末を製造した。
【0050】実施例23 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜100To
rrの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例22と全く同じ条件で本発明法を実施
し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0051】実施例24 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜300To
rrの範囲内で6回変動させながら水素吸蔵処理を行う
以外は、実施例22と全く同じ条件で本発明法を実施
し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0052】比較例9 水素雰囲気中の水素圧力を1520Torr〜100T
orrの範囲内で2回変動させながら水素吸蔵処理を行
う以外は、実施例22と全く同じ条件で比較法を実施
し、希土類磁石材料粉末を製造した。
【0053】比較例10 水素雰囲気中の水素圧力を760Torr〜50Tor
rの範囲内で4回変動させながら水素吸蔵処理を行う以
外は、実施例22と全く同じ条件で比較法を実施し、希
土類磁石材料粉末を製造した。
【0054】従来例14 水素雰囲気中の水素圧力を760Torrの一定値に保
持して水素吸蔵処理を行う以外は、実施例22と全く同
じ条件で従来法を実施し、希土類磁石材料粉末を製造し
た。
【0055】得られた希土類磁石材料粉末に2.5重量
%のエポキシ樹脂を加えて混練し、20KOeの磁場中
で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブン
で120℃、3時間熱硬化して、ボンド磁石を作製し
た。希土類磁石材料粉末の製造条件と得られたボンド磁
石の磁気特性を表8に示した。
【0056】
【表8】
【0057】
【発明の効果】上述のように、この発明の方法による
と、従来よりも優れた磁気特性を有する希土類磁石材料
粉末を製造することができ、産業上優れた効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3、比較例1〜2および従来例1の
水素圧力パターンおよびヒートパターンを示すグラフで
ある。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Yを含む希土類元素(以下、Rで示す)
    とFeあるいはFeの一部をCoで置換した成分(以
    下、Tで示す)とBを主成分とし、さらに、必要に応じ
    てSi、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、A
    l、Ti、Vのうち1種または2種以上(以下、Mで示
    す):0.001〜5.0原子%を含有する合金原料
    (以下、この合金原料をR−T−B系合金原料という)
    に、 水素雰囲気中で室温から500〜1000℃の範囲内の
    所定の温度に昇温後保持することにより前記R−T−B
    系合金原料に水素を吸蔵させて相変態を促す水素吸蔵処
    理を施し、 引き続いて、500〜1000℃の範囲内の所定の温度
    で1Torr以下の真空雰囲気中に保持することにより
    R−T−B系合金原料から強制的に水素を放出させて相
    変態を促す脱水素処理を施したのち、冷却し、ついで粉
    砕する、微細なR2 14B型金属間化合物相の再結晶集
    合組織を有する希土類磁石材料粉末の製造方法におい
    て、 前記水素吸蔵処理における水素雰囲気中の水素の圧力を
    上下に変動させることを特徴とする希土類磁石材料粉末
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 R−T−B系合金原料を、Arガス雰囲
    気中、温度:600〜1200℃に保持して均質化処理
    し、この均質化処理したR−T−B系合金原料に、 水素雰囲気中で室温から500〜1000℃の範囲内の
    所定の温度に昇温後保持することにより前記R−T−B
    系合金原料に水素を吸蔵させて相変態を促す水素吸蔵処
    理を施し、 引き続いて、500〜1000℃の範囲内の所定の温度
    で1Torr以下の真空雰囲気中に保持することにより
    R−T−B系合金原料から強制的に水素を放出させて相
    変態を促す脱水素処理を施したのち、冷却し、ついで粉
    砕する、微細なR2 14B型金属間化合物相の再結晶集
    合組織を有する希土類磁石材料粉末の製造方法におい
    て、 前記水素吸蔵処理における水素雰囲気中の水素の圧力を
    上下に変動させることを特徴とする希土類磁石材料粉末
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水素吸蔵処理における水素雰囲気中
    の水素の圧力を1140Torr〜100Torrの間
    で上下に変動させることを特徴とする請求項1または2
    記載の希土類磁石材料粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水素吸蔵処理における水素雰囲気中
    の水素の圧力を760Torr〜300Torrの間で
    上下に変動させることを特徴とする請求項1または2記
    載の希土類磁石材料粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水素吸蔵処理中の合金の温度を11
    50℃以下、好ましくは950℃以下に抑えることを特
    徴とする請求項1または2記載の希土類磁石材料粉末の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 R−T−B系合金原料に、 水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中で室温から500
    ℃までの間の所定の温度に昇温後保持し、さらに水素と
    不活性ガスの混合ガス雰囲気中で500〜1000℃の
    範囲内の所定の温度に昇温後保持することにより前記R
    −T−B系合金原料に水素を吸蔵させて相変態を促す水
    素吸蔵処理を施し、 引き続いて、500〜1000℃の範囲内の所定の温度
    で1Torr以下の真空雰囲気中に保持することにより
    R−T−B系合金原料から強制的に水素を放出させて相
    変態を促す脱水素処理を施したのち、冷却し、ついで粉
    砕する、微細なR2 14B型金属間化合物相の再結晶集
    合組織を有する希土類磁石材料粉末の製造方法におい
    て、 前記水素吸蔵処理における水素と不活性ガスの混合ガス
    雰囲気中の水素分圧を上下に変動させることを特徴とす
    る希土類磁石材料粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 R−T−B系合金原料を、Arガス雰囲
    気中、温度:600〜1200℃に保持して均質化処理
    し、この均質化処理したR−T−B系合金原料に、 水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気中で室温から500
    ℃までの間の所定の温度に昇温後保持し、さらに水素と
    不活性ガスの混合ガス雰囲気中で500〜1000℃の
    範囲内の所定の温度に昇温後保持することにより前記R
    −T−B系合金原料に水素を吸蔵させて相変態を促す水
    素吸蔵処理を施し、 引き続いて、500〜1000℃の範囲内の所定の温度
    で1Torr以下の真空雰囲気中に保持することにより
    R−T−B系合金原料から強制的に水素を放出させて相
    変態を促す脱水素処理を施したのち、冷却し、ついで粉
    砕する、微細なR2 14B型金属間化合物相の再結晶集
    合組織を有する希土類磁石材料粉末の製造方法におい
    て、 前記水素吸蔵処理における水素と不活性ガスの混合ガス
    雰囲気中の水素分圧を上下に変動させることを特徴とす
    る希土類磁石材料粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記水素吸蔵処理における水素と不活性
    ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を1140Torr
    〜100Torrの間で上下に変動させることを特徴と
    する請求項6または7記載の希土類磁石材料粉末の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記水素吸蔵処理における水素と不活性
    ガスの混合ガス雰囲気中の水素分圧を760Torr〜
    300Torrの間で上下に変動させることを特徴とす
    る請求項6または7記載の希土類磁石材料粉末の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記水素吸蔵処理中の合金の温度を11
    50℃以下、好ましくは950℃以下に抑えることを特
    徴とする請求項6または7記載の希土類磁石材料粉末の
    製造方法。
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