JP2005213601A - 磁歪材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 広温度域かつ高温域での使用においても、磁歪値の低下が抑制された超磁歪材料を提供する。
【解決手段】 (TbuDy1−u)(Fe1-vCov)w(u、v、wは、0.27≦u<0.5、0.08≦v≦0.23、1.7≦w≦2)で表される組成を有する焼結体からなる磁歪材料は、キュリー温度が410℃以上、200℃におけるλ1.0が650ppm以上、300℃におけるλ1.0が350ppm以上(λ1.0は、1kOeの磁場を印加したときの、磁場印加方向と平行な方向の磁歪値)の特性を具備することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、外部磁界を作用させたときに長さが変化する磁歪材料に関し、特に150℃以上の高温域においても磁歪値の低下の少ない磁歪材料に関する。
強磁性体を磁化したときに、磁性体の寸法が変化する現象を磁歪といい、このような現象が生ずる材料を磁歪材料という。磁歪による飽和変化量である飽和磁歪定数は、一般には10−5〜10−6の値を有し、大きな飽和磁歪定数を有する磁歪材料は超磁歪材料とも呼ばれ、振動子、フィルター、センサ等に広く利用されている。現在、R(希土類元素)とFeの化合物であるRFe2ラーベス型金属間化合物を主体とする磁歪材料が飽和磁歪定数の大きな材料として知られている(例えば、米国特許第3949351号公報(特許文献1)、同4152178号公報(特許文献2)、同4308474号公報(特許文献3)、同4375372号公報(特許文献4))。しかしこれら材料において、印加される外部磁界が大きいときには磁歪値が大きいが、外部磁界が小さいときには磁歪値が十分ではないという問題を有していた。そこで、RFe2ラーベス型金属間化合物を主体とする磁歪材料において、低外部磁界でも磁歪値を大きくする検討が行われ、磁化容易軸であって、磁歪定数の大きい[111]軸方向に配向させることが提案されている。また、RFe2ラーベス型金属間化合物を主体とする材料としては、Tb0.3Dy0.7Fe2.0(原子比)の組成を有する場合に磁歪値が大きいため、専らこの組成が採用されていた。
磁場中での成形で高い配向を得るため、Tb、Dy、T(鉄族金属)からなる原料A、Dy、Tb、Tからなる原料B、Tからなる原料Cの合金粉を作製し、これら3種混合し焼結する磁歪材料の製造方法が特開平7−286249号公報(特許文献5)に提案されている。また、特許文献5に開示されている方法をさらに改善し十分な焼結密度を得る方法が特開2002−129274号公報(特許文献6)に開示されている。特許文献6は、原料Bに水素を吸蔵させることにより、原料Bに歪みを導入して割れを生じさせる。さらに、原料Aと原料Cと混合し、成形体を形成する時の圧力により原料Bの割れが進行するために混合した状態の内部で粉砕されて細かくなり、原料Bが原料Aの間に入り込むことで、緻密で密度の高い焼結体が得られることを特許文献6は開示している。
超磁歪材料の用途は多岐にわたっており、使用される環境下においても所望する磁歪値を備えることが望まれる。例えば、使用温度域が広く、かつ例えば150℃以上の高温域において駆動が要求される用途もある。ところが、特許文献5、6に開示された磁歪材料は、このような広温度域かつ高温域での使用に十分対応することができなかった。つまり、これら従来の超磁歪材料は、高温域において磁歪値の低下が顕著となっていた。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、広温度域かつ高温域での使用においても、磁歪値の低下が抑制された超磁歪材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、広温度域かつ高温域での使用においても、磁歪値の低下が抑制された超磁歪材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは粉末冶金法により得られる(Tb,Dy)Fe2系の超磁歪材料に、ある限定された量のCoを含有させることにより、キュリー温度(Tc)を向上させ、ひいては温度上昇にともなう磁歪値の低下を十分に抑制できることを知見した。本発明の超磁歪材料は以上の知見に基づくものであり、(TbuDy1−u)(Fe1-vCov)w(u、v、wは、0.27≦u<0.5、0.08≦v≦0.23、1.7≦w≦2)で表される組成を有する焼結体からなることを特徴とする。
本発明の磁歪材料において、vは、0.15≦v≦0.19であることが望ましい。
本発明による磁歪材料は、キュリー温度が410℃以上、200℃におけるλ1.0が650ppm以上、300℃におけるλ1.0が350ppm以上(λ1.0は、1kOeの磁場を印加したときの、磁場印加方向と平行な方向の磁歪値、以下同じ)の特性を具備することができる。
本発明の磁歪材料において、vは、0.15≦v≦0.19であることが望ましい。
本発明による磁歪材料は、キュリー温度が410℃以上、200℃におけるλ1.0が650ppm以上、300℃におけるλ1.0が350ppm以上(λ1.0は、1kOeの磁場を印加したときの、磁場印加方向と平行な方向の磁歪値、以下同じ)の特性を具備することができる。
以上の本発明による磁歪材料は、式1:(TbxDy1−x)(Fe,Co)y(x及びyは、0.35<x≦0.5、1.7≦y≦2)で表される原料Aと、式2:DytT1−t(TはFe,Ni,Coの群から選択される少なくとも1種類の金属、DyはTbとHoの双方又はいずれか一方を含むことがあり、tは0.37≦t≦1)で表される原料Bと、Tを含有する原料Cとを混合した後に、磁場中成形し、しかる後に焼結して得ることができる。
ここで、式1におけるFe、Coは、Fe+Co=1、かつ0.1≦Co≦0.29を満足することが望ましい。
ここで、式1におけるFe、Coは、Fe+Co=1、かつ0.1≦Co≦0.29を満足することが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、所定量のCoを含有することにより、広温度域かつ高温域での使用においても、磁歪値の低下が抑制された超磁歪材料を提供することができる。
本発明の磁歪材料は、(TbuDy1−u)(Fe1-vCov)w(u、v、wは、0.27≦u<0.5、0.08≦v≦0.23、1.7≦w≦2)で表される組成を有する。このように本発明の磁歪材料は、Coの含有を必須とする。キュリー温度を向上することにより、高温域での磁歪値の低下を抑制するためである。ただし、Coの量を示すvが0.08未満あるいは0.23を超えると、高温域での磁歪値の低下抑制の効果が不十分となる。したがって、vは0.08≦v≦0.23とする。好ましいvは0.14≦v≦0.19である。
また、u、wは、0.27≦u<0.5、1.7≦w≦2の範囲とする。uが0.27未満では、常温より低い温度域で十分な磁歪値を示さず、uが0.5以上では常温域で十分な磁歪値を示さない。wが1.7未満では希土類リッチな相が多くなり、wが2を超えると、(Tb,Dy)T3相等の異相が生じ磁歪値が低下する。好ましいu、wは、0.3≦u≦0.45、1.85≦w≦1.95である。
また、u、wは、0.27≦u<0.5、1.7≦w≦2の範囲とする。uが0.27未満では、常温より低い温度域で十分な磁歪値を示さず、uが0.5以上では常温域で十分な磁歪値を示さない。wが1.7未満では希土類リッチな相が多くなり、wが2を超えると、(Tb,Dy)T3相等の異相が生じ磁歪値が低下する。好ましいu、wは、0.3≦u≦0.45、1.85≦w≦1.95である。
本発明の磁歪材料は、上記の組成を有する焼結体からなる。焼結体を得る方法は後述するが、本発明の磁歪材料は、後述する原料Aの[111]軸方向の配向が維持されているために磁歪が大きく、かつ、磁歪材料として適度な結晶磁気異方性を有するため、良好な磁場応答性が得られる。しかも、Coを上記範囲で含有していることにより、Tcが410℃以上、200℃におけるλ1.0が650ppm以上、300℃におけるλ1.0が350ppm以上という特性を得ることができる。Coを上記範囲で含有しない場合は、200℃におけるλ1.0が600ppm、300℃におけるλ1.0が250ppm程度であるから、本発明によって常温域から150℃以上の高温域にかけて、従来の磁歪材料を凌ぐ高い磁歪特性を得ることができる。
次に、本発明による磁歪材料の製造方法について説明する。
本発明による磁歪材料の製造方法の特徴は、原料A〜原料Cと3つの原料を用い、かつ原料AにCoの含有を必須とする点である。以下、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
本発明による磁歪材料の製造方法の特徴は、原料A〜原料Cと3つの原料を用い、かつ原料AにCoの含有を必須とする点である。以下、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
本発明の磁歪材料の製造方法は、式1(TbxDy1−x)(Fe,Co)y(x及びyは、0.35<x≦0.5、1.7≦y≦2)で表される原料Aを用いる。ここで、原料Aに含まれるFeは、Tb、Dyと磁歪特性の高い(Tb、Dy)Fe2金属間化合物を形成し、焼結後に専ら主相を形成する。本発明はこのFeの一部をCoで置換することを必須とする。Coは、前述したように、高温域での磁歪値低下の抑制に寄与する。また、Coは磁気異方性が大きいことから、原料Aに含有させることにより、磁場中成形の際の原料Aの配向を有利に導く。Fe及びCoは、焼結後の組成が式3となるような比率で含まれることになるが、Fe+Co=1において、Coが0.1〜0.29、さらに望ましくは0.15〜0.25の範囲とすればよい。
原料Aは、その他に、Tb、Dyと合金を形成する遷移金属を含んでいてもよい。遷移金属としては、具体的にはMn、Cr、Mo、Wを挙げることができる。原料AのTbの一部は、Dyを除く希土類(R’)と置換してもよい。R’として、例えば、Ho、Nd、Pr、Gd、Y等を挙げることができる。
原料Aは、その他に、Tb、Dyと合金を形成する遷移金属を含んでいてもよい。遷移金属としては、具体的にはMn、Cr、Mo、Wを挙げることができる。原料AのTbの一部は、Dyを除く希土類(R’)と置換してもよい。R’として、例えば、Ho、Nd、Pr、Gd、Y等を挙げることができる。
原料Aにおいて、x、yは、0.35<x≦0.5、1.7≦y≦2の範囲にある。xが小さいと磁歪材料となったときに、原料Aが少ないことで、[111]軸方向の配向が困難になり、xが0.5を超えると、磁歪材料全体に対する原料Aの比率が低下するために焼結後の[111]軸方向の配向度が低くなる。yが1.7未満では、原料Cの混合比率を高くしなければならず、磁歪材料全体に占める原料Aの比率が小さくなり、焼結後の[111]軸方向の配向度が低くなってしまう。yが大きいと(Tb,Dy)T3等のFeリッチの相が多くなり、このため、磁場中成形による配向度が低くなり、それにつれて焼結後の磁歪材料の配向度も低くなる。
また、本発明は、原料Aの粒径(平均粒径)を1〜200μmの範囲にすることが望ましい。原料Aは磁歪特性に影響するもので、焼結後に主相を構成する。原料Aの粒径が小さい場合は、磁場を印加したときの粒子の回転が容易でなくなり、配向度の低下をもたらす。また、比表面積が大きくなるために、酸素量が増加する。酸素含有により形成された異相が主相の存在量を低下させることにより磁歪特性を低下させる。逆に原料Aの粒径が大きくなると、一粒子中に複数の結晶が含まれることになり、配向度の向上を阻害する。また、高密度化の妨げにもなる。そこで、原料Aの平均粒径は1〜200μmの範囲にすることが望ましい。より望ましい原料Aの平均粒径は2〜100μm、さらに望ましい原料Aの平均粒径は5〜50μmである。なお、これらの平均粒径は、フィッシャー社製サブシーブサイザーによって測定される値である。
また、本発明の磁歪材料の製造方法は、式2:DytT1−t(TはFe,Ni,Coの群から選択される少なくとも1種類の金属、DyはTbとHoの双方又はいずれか一方を含むことがあり、tは0.37≦t≦1)で表され原料Bを用いる。原料Bは、焼結後に専ら粒界相を形成する。原料BのTは、Fe、Ni、Coの群から選択される少なくとも1種類の金属で、 特に、TはFe単独でもよい。このときに、Feの一部をCo、Niで置換するものであってもよく、これにより原料Bは粉砕されやすくなり、焼結による焼結密度を高くすることができる。原料BのDyは、単独でもよいが、一部がHoと置換されていてもよい。tは、0.37≦t≦1の範囲にある。DyとTは共晶点を有するので、tがこの範囲以外の組成では、原料Aと原料Cとの混合において、共晶組成であるR2Tが少なくなり、焼結密度を高くすることが難しくなる。
原料Bは7000〜22000ppmの範囲で水素を吸蔵させることが好ましい。原料Bは水素を吸蔵することにより脆化し、これを原料A、原料Cと混合し、成形体を形成する時の圧力により混合した状態の内部で粉砕されて微細化する。したがって、原料Aの間に入り込みやすくなり、焼結したときに緻密で密度の高い焼結体を得ることができる。原料Bに吸蔵させる水素の量が7000ppm未満では、水素の量が少なくて原料Bの内部歪みが小さく、成形時の割れが少なく、密度が低く、さらに開気孔も多くなる。さらに、長期間の使用により磁歪特性が低下する。また、水素量が22000ppmを超えると、原料Bの微細化が飽和し、これ以上吸蔵させる利益が少ない。
また、原料Bの粒径(平均粒径)は0.1〜100μmの範囲にすることが望ましい。原料Bは焼結後に主に粒界相を形成する。原料Bの粒径が小さい場合は、やはり酸素量が増加する。逆に原料Bの粒径が大きくなると焼結密度が高くなりにくくなる。そこで、原料Bの平均粒径は0.1〜100μmの範囲にすることが望ましい。より望ましい原料Bの平均粒径は0.2〜70μm、さらに望ましい原料Bの平均粒径は5〜50μmである。
本発明の磁歪材料の製造方法は、Tを含む原料Cを用いる。Tは、上述したように、Fe、Co、Niの群から選択させる少なくとも1種類の金属である。その他に、Tb、Dy等の希土類金属と合金を形成する遷移金属を含んでいてもよい。遷移金属としては、具体的にはMn、Cr、Mo、Wを挙げることができる。
また、本発明は、原料Cの粒径(平均粒径)を0.5〜100μmの範囲にすることが望ましい。原料Cの粒径が小さい場合は、やはり酸素量が増加する。逆に原料Cの粒径が大きくなると、焼結密度が高くなりにくくなる。そこで、原料Cの平均粒径は0.5〜100μmの範囲にすることが望ましい。より望ましい原料Cの平均粒径は0.5〜50μm、さらに望ましい原料Cの平均粒径は0.5〜30μmである。
また、本発明は、原料Cの粒径(平均粒径)を0.5〜100μmの範囲にすることが望ましい。原料Cの粒径が小さい場合は、やはり酸素量が増加する。逆に原料Cの粒径が大きくなると、焼結密度が高くなりにくくなる。そこで、原料Cの平均粒径は0.5〜100μmの範囲にすることが望ましい。より望ましい原料Cの平均粒径は0.5〜50μm、さらに望ましい原料Cの平均粒径は0.5〜30μmである。
前記原料Aと原料Bと原料Cとの混合の割合は、式3で表される磁歪材料になるように適宜決定することができる。具体的には、磁歪材料に対して、原料Aは50wt%以上で100wt%未満、一層好ましくは60wt%以上で95wt%以下である。原料Aが少ないと、磁場中成形で配向するものが少なく、焼結した磁歪材料の配向度が低くくなる。原料Aが多いと、水素を含有した原料Bが少なくなるために、焼結密度が高くならず、又、開気孔も多くなるために長期間の使用により飽和磁歪常数が低下する。また、磁歪材料に対して、原料Bは40wt%以下で、一層好ましくは5wt%以上で30wt%以下がよい。原料Bが少ないと、焼結が進みにくく、緻密で密度の高い焼結体を得ることができない。原料Bが多いと、原料Aが少なくなるため飽和磁歪定数が低下する。また、原料Cは、磁歪材料としたときのTの範囲になるように、原料A、Bの割合を考慮して、添加量を決定する。
これらの原料A、B、Cは、図1に示すように、秤量してから混合し、粉砕処理される。粉砕処理では、湿式ボールミル、アトライタ、アトマイザー等の粉砕機から適宜選択することができる。特に、アトマイザーが好ましい。衝撃と剪断を同時にかけることができ、粉体の凝集を防ぎ、かつ生産性が高いからである。混合したものは、焼結前に所望の形状に成形するが、この成形を磁場中で行うことで、原料A等を一定方向に揃えて、焼結後の磁歪材料を[111]軸方向に配向させる。印加する磁場は、2.4×104A/m以上、好ましくは4.8×104A/m以上がよい。磁場の方向は、圧力の方向に垂直でも、平行でもよい。成形圧力は、4.9×104Pa以上、好ましくは2.9×105Pa以上がよい。また、成形体の焼結条件は、適宜行うことができるが、1100℃以上で、好ましくは1150〜1250℃で、1〜10時間行うことがよい。焼結の雰囲気は、非酸化性雰囲気が良く、Arガス等の不活性ガス又は真空中がよい。
以上のようにして製造された磁歪材料は、多結晶体であり、磁歪が最も大きくなる[111]軸方向に配向している。この磁歪材料の結晶粒の平均粒径は、10μm以上である。結晶粒の平均粒径が小さいと結晶粒界が多くなり外部磁場による磁化率が低くなる。結晶粒の平均粒径の上限は特にないが、200μm以上になると磁歪値はほとんど飽和するためにこれ以上大きくする必要がなく、また、焼結等の時間がかかりすぎ実用的ではない。
原料Aとして、Tb0.4Dy0.6(Fe,Co)1.95の組成となるようにTb、Dy、Feを秤量し、Arガス雰囲気中で溶解して原料合金を作製した。この合金に1170℃で20時間保持するアニール処理を施し、合金作製時の各金属元素の濃度分布を一様にし、また、析出した異相を消滅させた。次に、図1に示すように、この原料合金をブラウンミルにて粉砕(粗粉砕)する。粗粉砕後、メッシュにて2mm以上の粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の粉末の平均粒径は500μmである。なお、平均粒径はサブシーブサイザー測定装置(フィッシャー社製)で測定した値である。
原料Bとして、Dy2.0Feの組成になるようにDy及びFeを秤量して、Arガス雰囲気中で溶解して原料合金を作製した。この原料合金をブラウンミルにて粉砕して原料Bとする。次に原料Bに対して、水素ガス雰囲気中、150℃で1時間保持する水素吸蔵処理を行った。この処理により、原料Bの結晶格子中に水素原子が侵入し、又は水素化物になる。また、この処理により原料Bには多数の割れが発生する。その後、メッシュにて2mm以上の粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の粉末の平均粒径は500μmである。
原料Cとして、300℃の水素ガス雰囲気中で酸素を除去する還元処理を1時間行った平均粒径8μmのFe粉末を用いた。
原料Cとして、300℃の水素ガス雰囲気中で酸素を除去する還元処理を1時間行った平均粒径8μmのFe粉末を用いた。
以上の原料A〜原料Cを以下の組成になるように秤量、混合した。
Tb0.34Dy0.66(Fe1−vCov)1.9
ただし、v=0、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.5
Tb0.34Dy0.66(Fe1−vCov)1.9
ただし、v=0、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.5
次いで、アトマイザー(東京アトマイザー製造(株)社製)を用いてArガス雰囲気中で粉砕して平均粒径9μmの微粉砕粉末を得た。次いで、微粉砕粉末を12kOeの磁場中で8ton/cm2の圧力で磁場中成形を行った。なお、成形は加圧方向に対して磁場垂直方向に印加する横磁場成形とした。得られた成形体を1235℃のArガス雰囲気中において12時間(安定3時間)焼結した。
得られた焼結体のキュリー温度、常温における磁歪値(λ1.0)を測定した。その結果を表1及び図2、図3に示す。
得られた焼結体のキュリー温度、常温における磁歪値(λ1.0)を測定した。その結果を表1及び図2、図3に示す。
表1及び図1に示すように、Coを添加することによりキュリー温度Tcが高くなるが、xが0.25を超えるとCoを添加しない場合とキュリー温度Tcが同等以下になる。Coを添加することにより、キュリー温度Tcを400℃以上、さらには410℃以上とすることができる。また、以上の傾向は磁歪値λ1.0についても同様であり、表1及び図2に示すように、Coを添加することにより磁歪値λ1.0は大きくなるが、vが0.25を超えるとCoを添加しない場合と磁歪値λ1.0が同等になる。Coを添加することにより、磁歪値λ1.0を1180ppm以上、さらには1200ppm以上とすることができる。
図3に、v=0及びv=0.20の材料における、測定温度と磁歪値の関係を示している。図3に示すように、Coを含む磁歪材料の方が温度上昇に伴う磁歪値の低下が抑制されていることがわかる。例えば、200℃以上の温度域において、Coを含む磁歪材料はCoを含まない磁歪材料に比べて10%以上磁歪値λ1.0が高いことがわかる。具体的には、v=0の場合には、200℃におけるλ1.0が600ppm、300℃におけるλ1.0が250ppm程度なのに対して、v=0.20の場合には、200℃におけるλ1.0が650ppm以上、300℃におけるλ1.0が350ppm以上という特性を得ることができる。このように、本発明によって常温域から150℃以上の高温域にかけて、従来の磁歪材料を凌ぐ高い磁歪特性を得ることができる。
Claims (5)
- (TbuDy1−u)(Fe1-vCov)w(u、v、wは、0.27≦u<0.5、0.08≦v≦0.23、1.7≦w≦2)で表される組成を有する焼結体からなることを特徴とする磁歪材料。
- 前記vが、0.15≦v≦0.19であることを特徴とする請求項1に記載の磁歪材料。
- キュリー温度が410℃以上、200℃におけるλ1.0が650ppm以上、300℃におけるλ1.0が350ppm以上(λ1.0は、1kOeの磁場を印加したときの、磁場印加方向と平行な方向の磁歪値)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁歪材料。
- 式1:(TbxDy1−x)(Fe,Co)y(x及びyは、0.35<x≦0.5、1.7≦y≦2)で表される原料Aと、
式2:DytT1−t(TはFe,Ni,Coの群から選択される少なくとも1種類の金属、DyはTbとHoの双方又はいずれか一方を含むことがあり、tは0.37≦t≦1)で表される原料Bと、
Tを含有する原料Cとを混合した後に、磁場中成形し、しかる後に焼結して、
式3:(TbUDy1−u)(Fe1-vCov)w(u、v、wは、0.27≦u<0.5、0.08≦v≦0.23、1.7≦w≦2)で表される磁歪材料を得ることを特徴とする磁歪材料の製造方法。 - 前記式1におけるFe、Coは、Fe+Co=1、かつ0.1≦Co≦0.29を満足することを特徴とする請求項4に記載の磁歪材料の製造方法。
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