JP2006249262A - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006249262A
JP2006249262A JP2005068396A JP2005068396A JP2006249262A JP 2006249262 A JP2006249262 A JP 2006249262A JP 2005068396 A JP2005068396 A JP 2005068396A JP 2005068396 A JP2005068396 A JP 2005068396A JP 2006249262 A JP2006249262 A JP 2006249262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
weight
resin
parts
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005068396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4784113B2 (ja
Inventor
Takahiro Hayashi
隆博 林
Hiroshi Kobayashi
博 小林
Atsushi Fukuzawa
淳 福澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2005068396A priority Critical patent/JP4784113B2/ja
Publication of JP2006249262A publication Critical patent/JP2006249262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4784113B2 publication Critical patent/JP4784113B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

【課題】 スチレン系樹脂に親和性のない水を発泡剤として分散性よく、多量使用を可能とし、発泡効率を向上させることにより有効利用し、断熱性能に優れ、建材用途に適合した強度、難燃性を有した軽量のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】 スチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤に水を使用し、細孔径3〜9Åのゼオライトを含有することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。水以外の発泡剤として、二酸化炭素、エーテル、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも一種以上の発泡剤を使用する事が好ましい。

Description

本発明は、建築用断熱材などに使用される板状のスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、環境適合性に優れ、かつ、良好な断熱性能、強度物性、難燃性を有するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
従来、スチレン系樹脂押出発泡体は施工性、断熱特性の好適性から建屋の断熱材として汎用されて来た。これらスチレン系樹脂押出発泡体を得るには、スチレン系樹脂を押出機にて加熱溶融し、途中、発泡剤を添加、混練、この流動ゲルを発泡に適する温度に冷却、ダイを通して低圧領域に圧力開放し、発泡させ、同時に、板状に成形し、発泡体を得る方法が一般的である。ここで、発泡剤としては、優れた断熱特性を得るため、フロン類や飽和炭化水素類を使用し、また、良好な機械的物性、発泡体寸法安定性および生産性を得るために、スチレン系樹脂に易透過性のガスである塩化メチル、塩化エチルに代表されるハロゲン化炭化水素を併用して用いる技術が、当業界に広く採用されている。
しかし近年、オゾン層破壊、地球温暖化、化学物質による大気や水質への影響等、環境問題がクローズアップされてきている。例えば、フロン類に関してはオゾン層破壊物質、地球温暖化物質として規制対象物質となり使用が困難な状況である。また、塩化メチル、塩化エチルについてはPRTR法における第1種指定物質として届出が義務づけられており、排出量が管理されている状況である。従って、少しでも環境に優しい発泡剤を使用する事が望まれている。
これらの背景のもと、水を発泡剤として有効利用し、環境に適合する発泡剤を使いこなす検討がなされている。
特許文献1では、ベントナイトを水の分散媒体として添加し、水を発泡剤として有効利用するとともに、大小気泡構造を有する発泡体をより有利に得る技術内容が開示されている。しかしながら、フロン類、ハロゲン化炭化水素類の発泡剤を使用せずに、発泡体密度20〜50kg/m3の軽量発泡体をより容易に安定的に得ようとする場合には、更なる改良が必要であった。
特許文献2では、発泡剤に水を使用し、平均粒子径15μm以下のゼオライトを含有する技術内容が開示されている。しかしながら、使用するゼオライトの種類によっては押出状態が不安定になる場合もみられ、生産安定性の面で更なる改良が必要とされている。
前述のように、環境に適合する発泡剤としての水を有効利用しつつ、断熱性能、強度物性、難燃性に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体の製造法については更なる改良が待ち望まれている。
特開2001−200087号公報 特開2004−182784号公報
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、オゾン層破壊、地球温暖化など、環境に影響のあるフロン類、ハロゲン化炭化水素類の発泡剤を使用せず、優れた断熱性能、強度物性、難燃性を持ち合わせた軽量なスチレン系樹脂押出発泡体を提供することを目的とする。
水は、クリーンな物質ではあるが、スチレン系樹脂との相溶性がほとんどない為、添加量に制限があり、添加量が多すぎると、樹脂中に均一分散せず、安定して押出発泡する事が不可能であったり、発泡体にボイドが発生するといった課題が存在した。そこで、ベントナイト、ゼオライトの例に見られるごとき有効な吸水性物質を添加し、押出機内で樹脂中に水を均一分散させる事に成功し、水を発泡剤として有効利用できる事を見い出してきた。その結果、ある程度は、水の発泡剤としての使いこなしを実現し、環境に優しい発泡剤を使用しつつ、優れた断熱性能を有する発泡体の開発に成功してきた。
しかしながら、より水の分散性を改良し、経済的に発泡体を生産し、かつ、更に高発泡化することでハンドリング性の良好な発泡体を得ようとする場合には、更なる技術のステップアップが望まれる。
本発明者らは、前記課題解決の為、発泡剤として水を使用する場合、吸水機能を有した水分散剤としてゼオライトを使用するのが最も有効である事を見い出してきた。更に掘り下げて検討を行った結果、ゼオライトの平均粒子径の特定もさることながら、特に水をとりこむ為にはゼオライトの細孔径の要因が重要である事が見いだされた。細孔径3〜9Åのゼオライトを使用することにより、より水の分散性が改良でき、多量の水の使用が可能であると共に、安定的な押出発泡成形に非常に有効であることを見い出した。
また、軽量化の容易性と断熱性、寸法安定性の発泡体品質を考慮した場合、発泡剤として、水以外の発泡剤として、二酸化炭素、エーテル、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種以上の発泡剤を使用することがより効果的であることを見い出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、
(1)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、スチレン系樹脂に細孔径3〜9Åのゼオライトを含有させ、発泡剤に水を使用することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
(2)スチレン系樹脂100重量部に対して、ゼオライトの含有量が0.1〜20重量部であり、発泡剤としての水の添加量が0.2〜8重量部であることを特徴とする前記(1)項記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
(3)水以外の発泡剤として、二酸化炭素、エーテル、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種以上からなる発泡剤を使用することを特徴とする前記(1)または(2)項記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
(4)発泡体密度が20〜50kg/m3、発泡体厚みが20〜120mmであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
に関するものである。
本発明により、環境に適合した非ハロゲン発泡剤にて、優れた断熱性、建材用途に適正な強度、難燃性を持ち合わせた軽量なスチレン系樹脂押出発泡体が得られる。
本発明者らは発泡剤として水を有効利用する技術を継続して検討してきた。鋭意検討した結果、吸水性能を有する水分散剤として、細孔径3〜9Åに限定したゼオライトを使用する事により、本発明者らの先の発明に用いたゼオライト以上に、押出機内で水を樹脂中に均一分散させる事に成功し、水を発泡剤としてより有効利用させ、更に安定的に軽量発泡体が得られることを見い出し本発明に至った。
本発明で使用するゼオライトは、洗剤ビルダー、乾燥吸着剤、脱臭剤、触媒、樹脂添加剤の用途に使用されており、樹脂添加剤としては、ブロッキング防止剤、脱水剤として使用されている。しかしながら、スチレン系樹脂に水や蒸発型発泡剤を添加し、押出発泡して発泡体を得る技術分野で、細孔径3〜9Åのゼオライトを水の分散剤として添加する例や関連する技術は従来には全くなかった。
一般に、ゼオライトは、独特な3次元的骨格構造を持ったオングストローム単位の細孔を多数有する結晶性アルミノ珪酸塩の総称である。ゼオライトによる吸着の特徴、分子篩作用は次のとおりである。a)分子相互の極性の差を利用した吸着分離が可能、b)大きさ、形がわずかに異なる分子の分離が可能、c)イオン交換によって細孔径の微調整が可能、d)細孔容積が大きいので吸着容量が大きい。
本発明者らは、細孔径に視点をおき、種々のゼオライトを使用し、押出機を用いた実テストでの検討を行った結果、細孔径3〜9Åのものが最も押出機内で水を樹脂中に均一分散させる事に良好な結果を示し、生産安定性に驚くべき効果を得た。細孔径10Å以上のものでは、原理的には水分子を吸着する能力はあるはずであるが、押出機での実テストでは水の不分散現象が発生する傾向が確認されている。このようにゼオライトの細孔径は、3〜9Åが好ましく、より好ましくは3〜5Åである。
また、ゼオライトの平均粒子径としては、15μm以下の微細なものを用いることにより、ゼオライトの樹脂への分散が良好になり、異物発生が無く優れた発泡体が得やすくなる傾向があるとともに、水の分散に関しても良好な結果になり、ボイド、気泡(セル)むら発生がない傾向となる。このようにゼオライトの平均粒子径は、15μm以下であり、さらに13μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。通常、10μm〜2μmのものを用いるのが実用上好ましい。
また、ゼオライトは天然品、合成品のいずれであってもよいが、合成品の方が不純物も少なく、かつ粒度が特定され易いので、合成品の方が好ましい。
ゼオライトの含有量は、発泡剤の添加量、比率、あるいは他の添加剤が併用される場合はその種類、含有量に応じて適宜調整されるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.15〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。
ゼオライトの含有量が前記範囲より少ないと、水を分散、吸収する機能が低下し、ダイから水が噴き出したり、発泡体中にボイドが生じる等、良好な発泡体が得られなくなる傾向があり、前記範囲より多いと、スチレン系樹脂中に多量に異物が存在する形態となり、発泡時、気泡膜が破れる様な現象が生じやすくなり、独立気泡が維持できず、良好な発泡体を成形する事ができなくなる傾向がある。
また、本発明で用いられる水分散剤としては上記ゼオライト以外に、ベントナイト、吸水性高分子化合物を少量使用する事もできる。
ベントナイトとしては、例えば、天然ベントナイト、精製ベントナイト、有機化ベントナイトなどが挙げられ、吸水性高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸塩系樹脂、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体系樹脂、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。
本発明は、発泡剤として水を使用し、水以外の発泡剤として、二酸化炭素、エーテル、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種以上の発泡剤を使用することを特徴とする。水以外の発泡剤として、二酸化炭素、エーテル、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種以上の発泡剤を使用することで、より安定的に軽量化でき、断熱性、寸法安定性の発泡体品質をより向上させるのに効果的である。
本発明で用いられるエーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどが挙げられ、発泡性、発泡成形性、安定性の点からジメチルエーテルが好ましい。
本発明で用いられる炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。
炭素数3〜5の飽和炭化水素では、発泡性と発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンの混合物が好ましく、特に好ましくはn−ブタンとi−ブタンの混合物である。
安定的な発泡体の製造、外観など良好な品質の発泡体を得る観点から、添加される発泡剤において、水の添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜8重量部とするのが好ましい。好ましくは0.5〜2重量部である。水の添加量が前記範囲より少ないと、高発泡化が困難になる傾向にある。水の添加量が前記範囲を超える場合、スチレン系樹脂への分散、吸収が許容範囲を超え、ダイからのガスの噴出し等が発生し、良好な発泡体が得られなくなる傾向にある。
二酸化炭素の添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜5重量部とするのが好ましい。好ましくは0.5〜2重量部である。二酸化炭素の添加量が前記範囲より少ないと、高発泡化が困難になる傾向にある。二酸化炭素の添加量が前記範囲を超える場合、スチレン系樹脂への分散、吸収が許容範囲を超え、ダイからのガスの噴出し等が発生し、良好な発泡体が得られなくなる傾向にある。
エーテルの添加量はスチレン系樹脂100重量部に対して1〜5重量部とするのが好ましい。より好ましくは1.5〜4重量部である。エーテルの添加量が前記範囲より少ないと、押出系内において発泡剤によるスチレン系樹脂への可塑化作用が少ない為、安定的に発泡体を押し出す事ができない傾向にある。エーテルの添加量が前記範囲を超える場合、発泡体の輸送時、トラック荷台内等において、エーテルの雰囲気濃度が着火の可能性のある範囲まで上昇する可能性がある。
炭素数3〜5の飽和炭化水素の添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対して2〜5重量部とするのが好ましい。より好ましくは3〜5重量部である。炭素数3〜5の飽和炭化水素の添加量が前記範囲より少ないと、押出直後の発泡体に収縮がみられ、発泡体の寸法安定性が悪くなる傾向にある。また得られる発泡体の断熱性が劣る。炭素数3〜5の飽和炭化水素の添加量が前記範囲を超える場合、得られた発泡体の難燃性が悪化する傾向となる。
水と二酸化炭素とエーテルと炭素数3〜5の飽和炭化水素の混合発泡剤の使用量としては、発泡倍率の設定値などに応じて適宜かわるものではあるが、発泡体密度20〜50kg/m3の軽量発泡体を得ようとした場合、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して4〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは6〜9重量部である。発泡剤の添加量合計が4重量部未満では発泡倍率が低く、樹脂発泡体としての軽量、断熱などの特性が発揮されにくい場合があり、一方、10重量部を超えると過剰な発泡剤量のため発泡体中にボイドなどの不良を生じる傾向にある。
また、本発明で用いられる混合発泡剤以外に、次にあげる様な発泡剤を少量使用する事もできる。例えば、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、窒素などの無機発泡剤、アゾ化合物などの化学発泡剤などを用いることができる。
発泡剤を添加または注入する際の圧力は、特に制限するものではなく、押出機などの内圧力よりも高い圧力であればよい。
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
スチレン系樹脂では、加工性の面からスチレンホモポリマーが好ましい。
本発明では、スチレン系樹脂発泡体中は、用途における要求に応えるために難燃剤を使用する事が好ましい。難燃剤として、ハロゲン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種を用いる事が更に好ましい。さらにリン酸エステル系化合物、窒素含有化合物を共存させてもよい。本発明で使用されるハロゲン系難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(2、3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモエタンなどの脂肪族あるいは脂環式炭化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノールとの付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノールとの付加物のエポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタンなどの臭素系芳香族化合物、臭素化アクリル系樹脂、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミドなどがあげられる。塩素系難燃剤として、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカンなどの塩素化脂肪族化合物、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物などがあげられる。中でも、難燃性の点から臭素系難燃剤が好ましく、特にスチレン系樹脂との相溶性などの点からヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)が好ましく、添加する量は0.1〜6.0重量部である。ハロゲン系難燃剤の含有量が前記未満では、難燃性が得られがたい傾向があり、一方前記範囲を超えると発泡体のガラス転移温度が低下し耐熱性が低下する原因となりやすい。
リン酸エステル系化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート(アルキル基としてはの炭素数1〜12のものが好ましい)、トリブトキシエチルホスフェートなどのトリアルコキシアルキルホスフェート(アルコキシアルキル基としては炭素数2〜12のものが好ましい)、ジアルキルホスフェート(アルキル基としては炭素数1〜12のものが好ましい)、モノイソデシルホスフェートなどのモノアルキルホスフェート(アルキル基としては炭素数1〜12のものが好ましい)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの脂肪族系リン酸エステル類、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシリルジフェニルホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェート(アルール基はアルキル基、フェニル基などで置換されていてもよい)、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジフェニル(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートなどのジアリールアルキルホスフェート(アリール基、アルキル基は置換されていてもよい)などの芳香族系リン酸エステル類などがあげられる。
リン酸エステル系化合物の含有量は、ハロゲン系難燃剤および/又は窒素含有化合物との難燃相乗効果を得る点で、スチレン系樹脂100重量部に対し0.1〜5.0重量部が好ましい。
窒素含有化合物の具体例としては、シアヌル酸、メチルシアヌレートなどのモノアルキルシアヌレート、ジエチルシアヌレートなどのジアルキルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレートなどのトリアルキルシアヌレート、フェニルシアヌレート、ジフェニルシアヌレート、トリフェニルシアヌレート、ジメチルフェニルシアヌレートなどのジアルキルフェニルシアヌレート、イソシアヌル酸、メチルイソシアヌレートなどのモノアルキルイソシアヌレート、ジエチルイソシアヌレートなどのジアルキルイソシアヌレート、トリメチルイソシアヌレート、トリエチルイソシアヌレートなどのトリアルキルイソシアヌレート、フェニルイソシアヌレート、ジフェニルイソシアヌレート、トリフェニルイソシアヌレート、ジメチルフェニルイソシアヌレートなどのジアルキルフェニルイソシアヌレート、モノ(2−アミノエチル)イソシアヌレートなどのモノ(アミノアルキル)イソシアヌレート、ジ(2−アミノエチル)イソシアヌレートなどのジ(アミノアルキル)イソシアヌレート、トリ(2−アミノエチル)イソシアヌレートなどのトリ(アミノアルキル)イソシアヌレート、トリ(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリ(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートなどのトリ(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、ジ(ヒドロキシメチル)イソシアヌレートなどのジ(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなどのビス(カルボキシアルキル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなどの1,3,5−トリス(カルボキシアルキル)イソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
窒素含有化合物の含有量は、ハロゲン系難燃剤および/又はリン酸エステル系化合物との難燃相乗効果を得る点で、スチレン系樹脂100重量部に対し0.1〜5.0重量部が好ましい。
本発明で使用する加工助剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの化合物が使用される。
本発明で使用される安定剤としては、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤が使用される。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法は、スチレン系樹脂に、細孔径3〜9Åのゼオライトとその他の添加剤を混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、更に押出機内にて、圧入された水を含んだ発泡剤とともに高温高圧下で混合混練を行い、スチレン系樹脂溶融組成物とした後、冷却機等により押出発泡に適する樹脂温度まで冷却し、該流動ゲルをスリットダイを通して低圧領域に押出発泡して、発泡体を形成し、板状に発泡成形することにより製造される。
スチレン系樹脂と発泡剤などの添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については特に制限するものではない。加熱温度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、たとえば150〜220℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概には決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。また溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば特に限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリューを用いる方が好ましい。
発泡成形方法に関しては、例えば、押出成形用に使用される開口部が直線上のスリット形状を有するスリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および、該成形金型の下流側に隣接して設置した成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する方法を用いる。更に、成形金型の流動面形状調整と金型温度調整により、所望する発泡体の断面形状、発泡体表面性、発泡体品質を得る方法を用いる。
本発明で得られるスチレン系樹脂発泡体における気泡径の平均は、優れた断熱性や適正な強度を保有する観点より、0.1〜1.0mmが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.6mmである。
本発明においては、発泡体の気泡構造は、均一な気泡構造、発泡剤に水を使用した場合に条件によっては発生する大小気泡が混在する気泡構造のどちらでもよい。
本発明の発泡体の厚さは特に制限されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるものが好ましく、通常20〜120mm、好ましくは20〜100mmである。
また、本発明の発泡体の密度については、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮強度を付与せしめるためには20〜50kg/m3であることが好ましく、25〜40kg/m3であるのがさらに好ましい。
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
以下に示す実施例1〜5、比較例1〜4で得られた発泡体の特性として、発泡体成形状態、発泡体断面プロファイル、発泡体気泡径、発泡体密度、発泡体熱伝導率、発泡体圧縮強度、発泡体燃焼性を下記の方法にしたがって求めた。
1)発泡体成形状態
次の内容で評価した。
○:発泡体にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られている。得ら れる発泡体の断面プロファイルが一定している。
△:押出系内での圧力変動が僅かにみられ、得られる発泡体の断面プロファイルが一定せず変 動する。
× :ダイからのガスの噴出しがある。押出系内の圧力変動がひどく、安定して発泡体が 得られない。発泡体にワレ、亀裂、窪み、ボイド等があり、粗悪な発泡体しか得られない 。
2)発泡体断面プロファイル
得られた発泡体断面の厚み方向寸法、幅方向寸法を測定した。厚み方向寸法に関しては、幅方向両端、幅方向中心部の3点の平均値で求めた。
3)発泡体気泡径(mm)
発泡体を幅方向に沿って垂直(厚さ方向)に切断した断面をサンプリングし、この部位を走査型電子顕微鏡にて30倍に拡大して写真撮影し、この写真から平均気泡径をASTM D−3576に準じて測定した。写真撮影した部位の実寸法は約5mm×5mmであった。サンプリングの位置は発泡体の端部の特殊な気泡構造の部分を除けば、発泡体の何処でサンプリングしてもよい。本測定では、発泡体(厚さ:20〜50mm、幅:150〜200mm)の幅方向の中央の位置で、厚さの中心から上下に対称に3点サンプングした。発泡体気泡径(mm)は各サンプリング部位で求めた値の平均値とした。
4)発泡体密度(kg/m3
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3
本測定では、発泡体(厚さ:20〜50mm、幅:150〜200mm)の幅方向中心部の位置で、製品厚み×幅100mm×長さ300mmのサンプルサイズでサンプリングし測定。3点の平均値で求めた。
5)発泡体熱伝導率(W/mK)
JIS A 9511 押出法ポリスチレンフォーム保温板に準じて測定した。測定は製造後30日経過した発泡体について行った。
6)発泡体圧縮強度(N/cm2
JIS A 9511 押出法ポリスチレンフォーム保温板に準じて測定した。測定は製造後7日経過した発泡体について行った。
7)発泡体燃焼性
JIS A 9511に準じて測定した。測定は製造後7日経過した発泡体について行った。3秒以内に炎が消えて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しないこと狽フ基準を満たしておれば、○(合格)とし、この基準に達しない場合は、×(不合格)とした。
(実施例1)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径3Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)を10重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDと略称する)4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水5重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ30mm、幅170mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.61mm、発泡体密度が43.2kg/m3の良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.038W/mK、圧縮強度は53.5N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例2)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径5Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ5A)を10重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水4重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ30mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.56mm、発泡体密度が47.6kg/m3の良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.039W/mK、圧縮強度は60.4N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例3)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径3Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)を5重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水2重量部、二酸化炭素2重量部、ジメチルエーテル3重量部を、それぞれ別のラインから、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ45mm、幅170mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.44mm、発泡体密度が29.5kg/m3の良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.037W/mK、圧縮強度は25.3N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例4)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径3Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)を2重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.5重量部、ジメチルエーテル3.5重量部、イソブタン3重量部を、それぞれ別のラインから、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ50mm、幅170mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.58mm、発泡体密度が23.1kg/m3の良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.035W/mK、圧縮強度は21.5N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例5)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径5Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ5A)を3重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水2重量部、二酸化炭素3重量部、イソブタン3重量部を、それぞれ別のラインから、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ40mm、幅170mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.32mm、発泡体密度が27.1kg/m3の良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.031W/mK、圧縮強度は20.2N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例6)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径3Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)を5重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水2重量部、二酸化炭素4重量部を、それぞれ別のラインから、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ30mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.31mm、発泡体密度が33.2kg/m3の良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.033W/mK、圧縮強度は27.4N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(比較例1)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、ゼオライトは添加せず、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水5重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、押出発泡板を得ようとした。しかしながら、ダイよりのガスの噴出しがあったり、押出系内の圧力変動がひどく安定して発泡体が得られなかった。
粗悪な発泡体であったが、可能な範囲で発泡体物性を評価した。発泡体断面形状は、厚さ30〜40mm、幅160〜190mmと変動。発泡体気泡径が0.49mm、発泡体密度が65.2kg/m3。発泡体熱伝導率は0.041W/mK、圧縮強度は68.3N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(比較例2)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径13Åの合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)製、モレュラーシーブ13X)を10重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水5重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより押出発泡板を得た。ただし押出系内での圧力変動が僅かにみられ、得られる発泡体の断面プロファイルが一定せず変動する状況であった。
発泡体断面形状は、厚さ30〜35mm、幅160〜180mmの範囲で変動した。得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.56mm、発泡体密度が45.6kg/m3の発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.039W/mK、圧縮強度は54.8N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(比較例3)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、細孔径20Åの天然ゼオライトを10重量部、併せて、ハロゲン系難燃剤として、HBCD4重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水5重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜130℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより押出発泡板を得た。ただし押出系内での圧力変動が僅かにみられ、得られる発泡体の断面プロファイルが一定せず変動する状況であった。
発泡体断面形状は厚さ30〜35mm、幅160〜180mmの範囲で変動した。得られた発泡体は、発泡体気泡径が0.68mm、発泡体密度が47.3kg/m3の発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.039W/mK、圧縮強度は56.3N/cm2、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
前記実施例1〜6および比較例1〜3で得られた結果をまとめて表1に示す。
Figure 2006249262

Claims (4)

  1. スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、スチレン系樹脂に細孔径3〜9Åのゼオライトを含有させ、発泡剤に水を使用することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  2. スチレン系樹脂100重量部に対して、ゼオライトの含有量が0.1〜20重量部であり、発泡剤としての水の添加量が0.2〜8重量部であることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  3. 水以外の発泡剤として、二酸化炭素、エーテル、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種以上からなる発泡剤を使用することを特徴とする請求項1〜2のいずれか記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  4. 発泡体密度が20〜50kg/m3、発泡体厚みが20〜120mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
JP2005068396A 2005-03-11 2005-03-11 スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 Active JP4784113B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005068396A JP4784113B2 (ja) 2005-03-11 2005-03-11 スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005068396A JP4784113B2 (ja) 2005-03-11 2005-03-11 スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006249262A true JP2006249262A (ja) 2006-09-21
JP4784113B2 JP4784113B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=37090085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005068396A Active JP4784113B2 (ja) 2005-03-11 2005-03-11 スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4784113B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160065595A (ko) * 2014-12-01 2016-06-09 박종형 친환경 건축용 소음 차단재인 폴리스티렌 비드폼, 그 제조방법 및 건축용 소음 차단재
WO2018062562A1 (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2020015812A (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 矢崎総業株式会社 樹脂組成物及びこれを用いた被覆電線

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6443542A (en) * 1987-08-08 1989-02-15 Sumitomo Electric Industries Blowing agent for expansion molding of polyolefin resin
JP2002227386A (ja) * 2001-01-29 2002-08-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 建材用スチレン系樹脂発泡体及びそれを用いた畳床
JP2002337945A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Nagai Kikai Chuzo Co Ltd 包装用緩衝材及び緩衝充填材
JP2003261706A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2004182784A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6443542A (en) * 1987-08-08 1989-02-15 Sumitomo Electric Industries Blowing agent for expansion molding of polyolefin resin
JP2002227386A (ja) * 2001-01-29 2002-08-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 建材用スチレン系樹脂発泡体及びそれを用いた畳床
JP2002337945A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Nagai Kikai Chuzo Co Ltd 包装用緩衝材及び緩衝充填材
JP2003261706A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2004182784A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160065595A (ko) * 2014-12-01 2016-06-09 박종형 친환경 건축용 소음 차단재인 폴리스티렌 비드폼, 그 제조방법 및 건축용 소음 차단재
KR101662658B1 (ko) 2014-12-01 2016-10-05 박종형 친환경 건축용 소음 차단재인 폴리스티렌 비드폼, 그 제조방법 및 건축용 소음 차단재
WO2018062562A1 (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2018053226A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2020015812A (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 矢崎総業株式会社 樹脂組成物及びこれを用いた被覆電線
JP7152213B2 (ja) 2018-07-25 2022-10-12 矢崎総業株式会社 樹脂組成物及びこれを用いた被覆電線

Also Published As

Publication number Publication date
JP4784113B2 (ja) 2011-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2002051918A1 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP5454730B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
JP2011021060A (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
JP2011225641A (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2012136674A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
JP4784113B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2007262181A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
JP2009173771A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP4566549B2 (ja) 高断熱性スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法
JP3976592B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2007277294A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2008163185A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2010138244A (ja) スキン付スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP4118131B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2009298850A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2006124577A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2005314610A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2012229276A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2007153964A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2005213440A (ja) スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法
JP4010863B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2005264117A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2006328293A (ja) スチレン系樹脂発泡体の製造方法およびスチレン系樹脂発泡体
JP4474733B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP4180350B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4784113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250