JP7152213B2 - 樹脂組成物及びこれを用いた被覆電線 - Google Patents
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Description
ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂が熱分解する際には、活性が非常に高いプロトンが発生することが知られている。このプロトンの発生に起因してハロゲン系難燃剤が分解し、例えば臭化水素(HBR)のような不燃性ガスが発生する。この不燃性ガスは、樹脂組成物の燃焼の抑制に寄与している。
熱可塑性樹脂には、例えば、ポリエチレン、エチレン系共重合体、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマーなどが含まれる。
ハロゲン系難燃剤は、熱可塑性樹脂の燃焼を促進するヒドロキシルラジカルを捕捉し、樹脂組成物の燃焼を抑制することができる。ハロゲン系難燃剤は、例えば、有機化合物に少なくとも1つ以上のハロゲンが置換した化合物であってもよい。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、フッ素系難燃剤、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、ヨウ素系難燃剤が挙げられる。ハロゲン系難燃剤は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。ハロゲン系難燃剤は、臭素系難燃剤又は塩素系難燃剤であることが好ましく、臭素系難燃剤であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、ゼオライトを含有する。樹脂組成物にゼオライトが添加されることによって、樹脂組成物が分解する温度を高くすることができる。ゼオライトは、アルミノケイ酸塩の一種であり、一般式Mx/n・[(AlO2)x・(SiO2)y]・zH2Oで表すことができる。なお、一般式中、Mは価数nのカチオンであり、x+yは単位格子当たりの四面体数であり、zは水のモル数であり、yはxよりも大きい値である。価数1のカチオン種としては、Li+、Na+、K+などが挙げられ、価数2のカチオン種としてはCa2+、Mg2+、Ba2+などが挙げられる。
本実施形態の被覆電線1は、上記樹脂組成物により形成された被覆層3と、被覆層3により被覆される導体2と、を備える。上述の樹脂組成物は難燃性及び耐熱性に優れているため、このような樹脂組成物により形成された被覆層3を備える被覆電線は、例えば自動車用の被覆電線1として好ましく用いることができる。
(1)ノバテック(登録商標)HB432E(日本ポリエチレン株式会社製)
高密度ポリエチレン(HDPE)
熱重量測定(TG)による中点温度391℃
低密度ポリエチレン(LDPE)
熱重量測定(TG)による中点温度400℃
低密度ポリエチレン(LDPE)
熱重量測定(TG)による中点温度395℃
エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)
熱重量測定(TG)による中点温度380℃
エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)
熱重量測定(TG)による中点温度430℃
(1)HSZ(登録商標)720KOA(東ソー株式会社製)
フェリエライト、SiO2/Al2O3=18、細孔径4.8Å、カチオン種K+
(2)HSZ(登録商標)722HOA(東ソー株式会社製)
フェリエライト、SiO2/Al2O3=18、細孔径4.8Å、カチオン種H+
(3)HSZ(登録商標)640HOA(東ソー株式会社製)
モルデナイト、SiO2/Al2O3=18、細孔径7Å、カチオン種H+
(4)HSZ(登録商標)360HUA(東ソー株式会社製)
Y型、SiO2/Al2O3=15、細孔径9Å、カチオン種H+
(5)HSZ(登録商標)990HOA(東ソー株式会社製)
β型、SiO2/Al2O3=1500、細孔径6.5Å、カチオン種H+
(6)HSZ(登録商標)941HOA(東ソー株式会社製)
β型、SiO2/Al2O3=40、細孔径6.5Å、カチオン種H+
(7)HSZ(登録商標)720NHA(東ソー株式会社製)
フェリエライト、SiO2/Al2O3=18、細孔径4.8Å、カチオン種NH4 +
(1)SAYTEX(登録商標)8010(Albemarle Corporation製)
臭素系難燃剤
1,2-ビス(ペンタブロモフェニル)エタン
臭素量82%
熱重量測定(TG)による中点温度430℃
臭素系難燃剤
エチレンビステトラブロモフタルイミド
臭素量67%
熱重量測定(TG)による中点温度435℃
(1)Irganox(登録商標)1010(BASF製)
(2)アデカスタブ(登録商標)AO-412S(株式会社ADEKA製)
(3)アデカスタブ(登録商標)CDA-10(株式会社ADEKA製)
(1)三酸化アンチモン PATOX(登録商標)M(日本精鉱株式会社)
<難燃性>
樹脂組成物を長さ130mm、幅15mm及び厚さ0.5mmの短冊状のシートに成形し、試験サンプルを作製した。次に、試験サンプルの一端をクランプで固定し、試験サンプルの長片軸及び短片軸を水平面に対してそれぞれ45度傾斜させた状態で固定した。そして、試験サンプルを固定した方とは反対側の端部にブンゼンバーナーの炎を近づけて15秒静止させ、その後ブンゼンバーナーを試験サンプルから遠ざけた。そして、各試験サンプルを以下の基準に基づき評価した。
○:試験サンプルの固定部まで炎が到達せずに消炎した。
×:炎が消炎せず、試験サンプルの固定部まで炎が到達した。
耐熱性は、JIS K6723:1995(軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド)の規定に準じ、加熱後引張試験を実施することにより評価した。試験サンプルは、樹脂組成物を1mm厚の樹脂シートに成形した後、JIS K6251:2010(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方)に規定されたダンベル状3号形を打ち抜いて作製した。次に、試験サンプルを100℃のオーブンに入れ、800時間及び1200時間加熱した後、オーブンから取り出し、室温(約23℃)で12時間放置した。そして、加熱した試験サンプルを、引張試験によって測定し、以下の基準に基づき評価した。なお、引張試験は、室温(23℃)において200mm/分の引張速度で実施した。
○:伸びの残率が800時間の加熱で100%以上かつ1200時間の加熱で100%未満。
×:伸びの残率が800時間の加熱で100%未満。
<熱重量示差熱分析(TG-DTA)>
熱重量示差熱分析(TG-DTA)装置を用い、以下の条件で樹脂組成物を熱重量示差熱分析した。
サンプル重量 4mg~6mg
流入ガス 空気(100mL/分)
容器 白金製
測定温度 室温から600℃まで
加熱速度 20℃/分
<発生ガス分析-質量分析(EGA-MS)>
発生ガス分析-質量分析(EGA-MS)では、加熱炉(EGA)で昇温しながら熱分解を行い、随時発生したガス成分を質量分析(MS)で測定した。測定条件は、以下の通りである。
流入ガス He
測定温度 50℃から700℃まで
加熱速度 20℃/分
カラム EGAチューブ(2.5m×0.15mm)
スプリット比 50:1
注入部温度 335℃
オーブン温度 300℃(32.5分)
イオン源温度 250℃
インターフェース温度 280℃
検出電圧 600V
<加熱後引張試験>
加熱後引張試験は、JIS K6723:1995(軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド)の規定に準じて測定した。試験サンプルは、樹脂組成物を1mm厚の樹脂シートに成形した後、JIS K6251:2010(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方)に規定されたダンベル状3号形を打ち抜いて作製した。次に、試験サンプルを100℃のオーブンに入れ、0時間、300時間、600時間、800時間、1200時間及び1500時間加熱した後、オーブンから取り出し、室温(約23℃)で12時間放置した。そして、加熱した試験サンプルを、引張試験で測定し、以下の基準に基づき評価した。なお、引張試験は、室温(23℃)において200mm/分の引張速度で実施した。
<熱重量示差熱分析(TG-DTA)>
熱重量示差熱分析(TG-DTA)装置を用い、以下の条件で樹脂組成物を評価した。
サンプル重量 4mg~6mg
流入ガス 空気(100mL/分)
容器 白金製
測定温度 室温から600℃まで
加熱速度 20℃/分
2 導体
3 被覆層
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂と、
ハロゲン系難燃剤と、
細孔径が8Å以下であるゼオライトと、
を含有し、
前記熱可塑性樹脂と前記ゼオライトとからなる樹脂組成物の中点温度と、前記ハロゲン系難燃剤の中点温度との差が100℃以内であり、
前記中点温度は、流入ガスが空気、加熱速度が20℃/分の条件下において、熱重量測定により得られ、
前記ハロゲン系難燃剤は臭素系難燃剤であり、
前記ハロゲン系難燃剤の含有量は、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対して5質量部~40質量部である樹脂組成物。 - 請求項1に記載された樹脂組成物により形成された被覆層と、
前記被覆層により被覆される導体と、
を備える被覆電線。
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JP2018139388A JP7152213B2 (ja) | 2018-07-25 | 2018-07-25 | 樹脂組成物及びこれを用いた被覆電線 |
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