JP2006247581A - パターン形成方法及びそれを用いて得られたパターン材料並びにカラーフィルタ - Google Patents

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豪 安藤
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Abstract

【課題】 撥油・撥水性のパターンを高解像度で形成することができ、親水性、もしくは親油性化合物を表面に付着させた際に、選択的にパターン非形成領域のみに付着して、ディスクリミネーションの高いパターンを得ることができるパターン形成方法、及び、パターンを応用してなる混色や白ヌケのない高解像度のカラーフィルタを提供する。
【解決手段】 (1)基板上に、重合開始能をもつ活性種を表面に有する樹脂組成物をパターン状に形成する活性種パターン形成工程、及び、(2)該パターンを形成した基板に重合性基を有する撥油・撥水性化合物を接触させ、グラフト化合物を形成する撥油・撥水性パターン形成工程、を含むことを特徴とする撥油・撥水性パターン形成方法である。さらに(3)基材上の、撥油・撥水性パターンの少なくとも一部に、選択的に物質を付着させる非撥油・撥水性領域物質付着工程を行うことで、種々の素子に応用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、撥油・撥水性を有するグラフトパターン形成方法及びその方法により形成された表面に撥油・撥水性を有するパターン材料、及び、カラーフィルタに関する。
従来、薄層のエッチングレジストや、インクジェット法により液滴を適所に配置する場合のテンプレートとして用いるため、フッ素などの強撥油・撥水性を有する領域をパターン状に形成する試みが種々なされている。具体的には、例えば、フッ化アルキルシラン等の単分子層を気相成長(CVD)によって基板全面に形成し、マスクを介して短波紫外線を照射することで照射領域の単分子層を分解除去してパターンを形成する方法(例えば、特許文献1参照。)、基材上に加水分解性基と撥油・撥水性基とを有するシラン化合物を結合させて単分子層を形成し、アルカリ液をインクジェットで基板上にパターン塗布してその領域の単分子層を加水分解作用により除去する方法(例えば、特許文献2参照。)、基材表面にフッ素ポリマーを塗布した後、レジストを用いてエッチングによりフッ素ポリマーを局所的に除去する方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
しかしながら、短波紫外線露光を行う方法では、単分子層を十分に除去するためには、特殊な波長の紫外線、例えば、波長172nmの紫外線を用いる必要があるが、この波長の紫外線はガラスに対する透過率が低く、且つ、十分な除去を行うためには10mW/cm2の強度で5分ほど照射する必要があるなど、実際のプロセスに応用するには問題があった。また、インクジェットやレジストを用いる方法では、パターンの解像度に限界があった。
また、近年、パーソナルコンピュータの発達の発達に伴い、液晶ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にあり、このようなディスプレイに不可欠のカラーフィルタの特性向上とコストダウンに対する要求が高まっている。
従来、カラーフィルタの製造方法としては、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法などが実施されている。
例えば、染色法は、透明基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料層を形成し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の着色部からなる着色層を形成する方法である。
また、顔料分散法は、近年盛んに行われおり、透明基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより、単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成する方法である。
電着法は、透明基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第一の色を電着する。この工程を3回繰り返して、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成し、最後に焼成するものである。
印刷法は、熱硬化型の樹脂に顔料を分散し、印刷を3回繰り返すことにより、R、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより、着色層を形成するものである。
これらのいずれの製造方法を用いた場合でも、得られた着色層の上に保護層を形成するのが一般的である。
これらの方法に共通している点は、R、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要がある点である。工程数が多いと、製造効率のみならず、各色の位置合わせ精度についても問題が生じやすくなり、高解像度のパターンを形成するのが困難となる。また、電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、用途が限定され、TFT型の液晶素子の構成には適用困難であった。
上記のような欠点を補うべく、近年、インクジェット方式を利用したカラーフィルタやEL(エレクトロルミネッセンス)素子の製造方法が検討されている。インクジェット方式を利用した方法は、製造プロセスが簡略で、低コストであるという利点がある。
このインクジェット方式は、カラーフィルタにおけるR、G、B各色を順次所定の位置に付与して画素を形成したり、エレクトロルミネッセンス素子に用いられる蛍光性材料を、例えばTFT等素子を作り込んだ基板上に付与して発光層を形成することができると期待されている。
しかしながら、このような光学素子、例えば、カラーフィルタの製造において、インクジェット方式によりインクを付与した場合、隣接する異なる色の画素(着色部)間においてインクが混ざり合う、いわゆる混色という問題が生じることがある。具体的には、ブラックマトリクスを隔壁として、該ブラックマトリクスの開口部にインクを付与して着色部を形成する際、隔壁となるブラックマトリクスを超えてインクがあふれてしまい、隣接する着色部間で混色が発生する現象である。
混色を防止するための技術としては、撥水、撥油作用の大きなシリコーンゴム層をパターニングして混色防止用の仕切壁とする方法(例えば、特許文献4参照。)や、遮光層となるブラックマトリクス上にシリコーンゴム層を形成し、混色防止用の隔壁として用いる手法(例えば、特許文献5,6参照。)が提案されている。
これらの方法によれば、隔壁の表面層が撥インク性を示すためにインクがはじかれ、ある程度の混色抑制効果を発現するが、シリコーンゴム層の示す撥油・撥水性では、十分な効果が得られないのが現状である。
このため、シリコーン化合物よりも高い撥油・撥水性を示すフッ素化合物を用いる方法、即ち、遮光部上にポジ型のレジストパターンを形成し、さらに該パターン上にフッ素化合物からなる撥インク処理剤を塗布する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、この方法によれば、遮光部上に設けられたポジ型レジストパターンを着色部形成後に除去する必要があり、レジストパターン除去に際して、画素の溶解、剥離、膨潤といった問題を生じる可能性がある。
また、ブラックマトリックスなどの樹脂層の表面をフッ素化する手法として、隔壁をインクに対して親和性を有する下層と、非親和性を有する上層の多層構造とし、上層をインクに対して非親和性とする手法として、フッ素化合物を含むガスによりプラズマ処理する方法が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。しかしながら、上述した手法はいずれも隔壁を多層化するものであり、フォトリソグラフィ工程を複数回実施する必要があることから、プロセスの複雑化、コストアップ、ひいては歩留まり低下を招くという問題がある。また、プラズマ処理による表面のフッ素化合物処理によれば、樹脂層の表面のみならず、隔壁の側面にもフッ素化合物処理がなされ、隔壁によって囲まれた領域内にインクを付与した後、側壁の高い撥油・撥水性に起因して、側壁と充填されたインクとの間に空隙が形成される白ヌケという問題を生じることがある。この白ヌケは、色ムラやコントラストの低下といった表示不良の原因となる。
このため、隔壁の側面を親インク化し、表面のみを撥油化する方法として、ガラス基板上に凸部形成用の感光性材料を塗布し、全面を撥インク処理剤にて処理した後、フォトリソグラフィ工程により感光性材料をパターニングする手法が提案されている。その後、エネルギー線の照射により凸部と凹部を同時に、もしくはどちらかを選択的に親インク化処理するものである(例えば、特許文献8参照。)。
しかしながら、この方法は凸部の表面を撥インク処理した後に凹部を親インク処理するものであることから、親インク処理を行う際に撥インク処理された凸部の表面の撥インク性を低下させてしまうという問題がある。そのため、透明基板表面及びブラックマトリクスの側面においては十分な親インク性を、ブラックマトリクスの上面においては十分な撥インク性をそれぞれ得ることは困難である。
特開2000−282240公報 特開2003−149831公報 特開平11−40548号公報 特開平4−123005号 特開平5−241011号 特開平5−241012号 特開2000−35511号 特開平11−271753号
上記、従来の問題点を考慮してなされた本発明の目的は、撥油・撥水性のパターンを高解像度で形成することができ、撥油・撥水性パターン形成領域とパターン非形成領域との間の接触角の差が大きく、親水性、もしくは親油性化合物を表面に付着させた際に、選択的にパターン非形成領域のみに付着して、ディスクリミネーションの高いパターンを得ることができるパターン形成方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、この撥油・撥水性パターン形成方法を用いて得られた、隔壁表面のみが高い撥油・撥水性を有するパターンを応用することにより、混色や白ヌケのない高解像度のカラーフィルタを提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、撥油・撥水性の官能基を有するグラフトポリマーを、パターンの表面に選択的に形成することで上記問題点を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> (1)基板上に、重合開始能をもつ活性種を有する樹脂組成物をパターン状に形成する活性種パターン形成工程、及び、(2)該パターンを形成した基板に重合性基を有する撥油・撥水性化合物を接触させ、輻射線照射により該撥油・撥水性化合物が樹脂パターン表面に直接結合したグラフト化合物を形成する撥油・撥水性パターン形成工程、を含むことを特徴とする撥油・撥水性パターン形成方法。
<2> 前記重合開始能をもつ活性種が、輻射線により表面に発生したものであることを特徴とする<1>に記載のパターン形成方法。
<3> 前記重合開始能をもつ活性種が、重合開始剤であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のパターン形成方法。
<4> 前記重合開始能をもつ活性種が、重合開始剤を含有する重合性組成物を輻射線により重合させた後に残存する重合開始剤であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のパターン形成方法。
<5> 前記重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする<3>又は<4>に記載のパターン形成方法。
<6> 前記重合性組成物が重合可能な二重結合を有する化合物を含有することを特徴とする<4>または<5>に記載のパターン形成方法。
<7> 前記樹脂組成物が黒色材料を含有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
<8> 前記(2)撥油・撥水性パターン形成工程の後に、さらに(3)基材上の、撥油・撥水性パターンの非生成領域の少なくとも一部に、選択的に物質を付着させる非撥油・撥水性領域物質付着工程を有することを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
<9> 前記物質が着色物質を含有する組成物であることを特徴とする<8>に記載のパターン形成方法。
<10> 前記着色物質を含有する組成物がインク組成物であり、非撥油・撥水性領域に物質を付着させる方法がインクジェット記録方法によることを特徴とする<9>に記載のパターン形成方法。
<11> 前記樹脂組成物により基板上に形成された非撥油・撥水性パターンが、カラーフィルタのブラックマトリックスであることを特徴とする<7>に記載のパターン形成方法。
<12> 前記樹脂組成物により基板上に形成された非撥油・撥水性パターンが、カラーフィルタのブラックマトリックスであり、非撥油・撥水性領域のR、G、B画素に相当する所定の位置にそれぞれ赤色インク、緑色インク、青色インクを付着させてカラーフィルタとすることを特徴とする<8>〜<10>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
<13> <1>〜<12>のいずれか1項に記載のパターン形成方法で作成されたパターン材料。
<14> 基板上に樹脂組成物からなるパターンを有するパターン材料であって、前記樹脂組成物からなるパターンの表面に撥油・撥水性ポリマーがグラフト重合していることを特徴とするパターン材料。
<15> 基板上にブラックマトリックスとブラックマトリックスで離隔された領域にR、G、B画素に対応する着色組成物が充填されたカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックスが、樹脂組成物からなるパターンの表面に撥油・撥水性化合物がグラフト重合してなるものであることを特徴とするカラーフィルタ。
本発明においては、まず、支持基板上に重合開始能をもつ活性種を有する樹脂組成物をパターン状に形成する活性種パターン形成工程を実施するが、これは、例えば、カラーフィルターに適用した場合、複数の画素と隣接する画素間に位置する隔壁に相当するパターンとなるように形成される。この活性種パターンに、2重結合を有する撥油・撥水性化合物を接触させ露光することで、隔壁に相当するパターンの表面に、撥油・撥水性化合物がグラフト重合により固定化され、そのグラフトポリマー生成領域のみが撥水性を有することになる。このとき、隔壁表面で発生したラジカルとフッ素化合物の重合性基との反応は、露光面である隔壁の表面のみで生起、進行し、隔壁表面に対して垂直方向からの平行光露光によるこのような反応は、光の受光面以外の隔壁側面では生起せず、側面は撥水化されない。さらに、プラズマのようなエッチング性の反応ではないため、露光により隔壁表面が凹凸化することもない。
このように、隔壁の表面に高い撥油・撥水性が付与されるため、例えば、カラーフィルタなどの光学材料を製造する場合、インクジェット方式により隔壁に囲まれた領域へインクを付与する際に、インク滴の多少の着弾ずれや過剰量のインクの供給が生じたとしても、混色や隔壁上へのインク残りを生じることがなく、また、側面は撥油化されないため、側面がインクをはじくことに起因する白ヌケも生じることなく、本発明のパターン形成方法を用いることで優れた品質の光学素子を提供することができる。
なお、本明細書において、「撥油・撥水性」とは、「撥油性且つ撥水性」を意味する。
目的によれば、撥油・撥水性のパターンを高解像度で形成することができ、撥油・撥水性パターン形成領域とパターン非形成領域との間の接触角の差が大きく、親水性、もしくは親油性化合物を表面に付着させた際に、選択的にパターン非形成領域のみに付着して、ディスクリミネーションの高いパターンを得ることができる撥油、撥水性のパターン形成方法を提供することができる。
また、前記本発明の撥油・撥水性パターン形成方法を用いて得られた、隔壁表面のみが高い撥油・撥水性を有するパターンを応用することで、混色や白ヌケのない、高解像度のカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、(1)基板上に、重合開始能をもつ活性種を有する樹脂組成物をパターン状に形成する活性種パターン形成工程について説明する。
本発明において用いられる「重合開始能をもつ活性種を表面に有する樹脂組成物」は、少なくとも、樹脂組成物中に「輻射線照射により表面近傍に重合開始能を有する活性種を発生しうる化合物」を有するものであれば、特に制限はなく、樹脂組成物に含まれる樹脂材料自体が輻射線照射などのエネルギー付与により活性種を発生しうる特性を有するものであれば、有機高分子化合物(樹脂材料)単独であってもよく、また樹脂材料に、例えば、光重合開始剤など如き、エネルギー付与により活性種を発生しうる化合物を含有させたものであってもよい。
樹脂組成物が樹脂材料のみからなる場合には、輻射線露光によりポリマーの光分解、光転位反応、もしくは水素引き抜き反応などにより、ラジカル、カチオン、アニオンのような活性種が発生する特性を有する樹脂材料を用いることが必要である。
また、樹脂組成物が、有機高分子化合物(樹脂材料)に光重合開始剤を含有したものである場合、樹脂材料としてはアクリレート系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリエステル系ポリマーなどの汎用性ポリマーが好ましく、そこに含有させる光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、及びアニオン重合開始剤からなる群より選択されたものを用いることが好ましい。これらのうち、実用的な性能を発揮するという観点からは樹脂材料に光ラジカル重合開始剤を含有してなる樹脂組成物を用いることが好ましい。
樹脂組成物に用いる重合開始剤は、ラジカル重合開始剤でもよく、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤でもよい。媒体中に含まれる水分の影響が受けにくく、露光/グラフト条件の環境条件に左右されにくく安定したパターンが得られるという点でラジカル重合開始剤が好ましい。
本発明における光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
ここで、光重合開始剤の含有量は目的に応じて選択しうるが、樹脂組成物中に固形分濃度で0.1〜40質量%程度であることが好ましく、2.0〜20質量%程度であることがより好ましい。
本発明における樹脂材料によるパターン形成工程において、樹脂材料によるパターンを形成する方法には特に制限はないが、ポジ型、或いはネガ型の感光性樹脂組成物を用いて、任意のパターン状に露光を行い、不要部を除去することで形成する工程を有することが好ましい。
以下、本発明のパターン形成方法をカラーフィルタのブラックマトリックス形成に適用する場合を例に挙げてより具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物>
ブラックマトリックス用のパターンを形成するための感光性樹脂組成物(以下、感光性樹脂組成物と称する)は、黒く着色するための(A)黒色成分、(B)バインダー、(C)感光剤、を含有していることが好ましい。なお、本発明のパターン形成方法を特に目視によりパターンを確認する必要のない分野に適用する場合には、(A)黒色成分の如き、着色剤を用いる必要はなく、その他の工程は同様に適用できる。
パターン形成に用いる感光性組成物には前記(A)、(B)、(C)の他に、必要に応じて、界面活性剤および、基板密着増強剤を追加することができる。これら(A)、(B)、(C)以外のものは、単独で用いても組み合わせて用いても良い。
〔(A)黒色成分〕
感光性樹脂組成物の(A)黒色成分として、黒色の公知の顔料および染料を使用することができる。これらの好ましい例としては、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)およびカーボンブラックを挙げることができ、特に好ましくはカーボンブラックを挙げることができる。カーボンブラックとしては、チャネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラックと呼ばれているコンタクト法で製造されたもの、ガスファーネストブラック、オイルファーネストブラックと呼ばれているファーネスト法で製造されたもの、サーマルブラック、アセチレンブラックと呼ばれているサーマル法で製造されたものなどを用いることができるが、特に、チャネルブラック、ガスファーネストブラック、オイルファーネストブラックが好ましい。一般に市販されている黒色レジストを用いることもできる。
また、黒色以外の顔料を混合し、例えば、必要に応じて、R、G、Bの顔料の混合物などを加えて、黒色を作製しても良い。黒色以外の顔料として、特開平7−28236号公報の段落番号〔0015〕から〔0027〕に記載されている顔料の混合物を用いることができる。
前記顔料および染料は、一般に5μm以下の平均粒径を有しており、1μm以下が好ましい。カラーフィルタを作成する場合は、0.5μm以下の平均粒径のものを使用することが好ましい。
(A)黒色成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分中、1.0〜40質量%であることが好ましい。
〔(B)バインダー樹脂〕
本発明における(B)バインダーポリマー(樹脂)としては、アルカリ可溶性であることが好ましく、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーを含有することが好ましい。
上記のアルカリ可溶性樹脂の例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。
また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。
樹脂組成物の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が、残留DC電圧が低く、焼き付きやムラなどの表示不良を起こしにくくなる点で好ましい。
〔(C)感光剤〕
本発明に係る感光性樹脂組成物に用いる(C)感光剤は、(C−1)光重合開始剤又は光重合開始剤系と、(C−2)重合性モノマーとを含有する。
(C−1)光重合開始剤又は光重合開始剤系
感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤又は光重合開始剤系は、先に樹脂組成物において例示した重合開始剤と同様のものが挙げられ、好ましい例もまた同様である。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、目的に応じて選択しうるが、固形分濃度で0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
(C−2)重合性モノマー
本発明における重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合する重合性モノマーであることが好ましい。そのような重合性モノマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらの重合性モノマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
感光性樹脂組成物には上記以外に、可塑剤や残存溶媒として高沸点溶媒、その他の下記の添加剤を含むことができる。
(溶媒)
本発明の感光性樹脂組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
(熱重合防止剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
また、本発明に係る感光性樹脂組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の接着助剤、熱可塑性の結合剤や、可塑剤など、その他の添加剤等を含有させることができる。
熱可塑性の結合剤としては、例えば、エチレン性不飽和化合物等の公知の結合剤が挙げられる。前記結合剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定される。
可塑剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェート、アルキルフェノール、リン酸トリクレジルなどが挙げられる。
可塑剤の添加量としては、樹脂全量に対して0〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
このような感光性樹脂組成物を、基材上に直接塗布、乾燥して感光性層を形成し、その後、露光、現像してパターンを形成することができるが、以下に詳述するように、感光性転写材料として使用することが、感光層の均一性及び酸素による経時的な重合性の低下抑制の観点から好ましい。
<樹脂転写材料>
本発明に係る感光性樹脂組成物層は、樹脂転写材料を基材上に転写して作製することができる。樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている樹脂転写材料、すなわち一体型となったフィルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フィルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/樹脂層/保護フィルムを、この順に積層した構成が挙げられる。
なお、ここでいう樹脂転写材料は、前述の本発明に係る感光性樹脂組成物を用いることによって感光性樹脂層を設けることが必須である。
(仮支持体)
樹脂転写材料の仮支持体としては、可撓性を有し、加圧若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さに特に制限はないが、5〜200μmの範囲が一般的で、特に10〜150μmの範囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利であり好ましい。また、仮支持体は、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有してもよい。また、仮支持体は、透明でもよいし、半透明や不透明でもよい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
(中間層)
樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
(保護フィルム)
樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フィルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
(樹脂転写材料の作製方法)
感光性の樹脂転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂組成物の樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フィルム上に樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フィルム上に樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、本発明の樹脂転写材料において、樹脂組成物の樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。
また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、熱可塑性樹脂層は2〜30μm、中間層は0.5〜3.0μm、保護フィルムは4〜40μmが、一般的に好ましい。
なお、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
(スリット状ノズル)
樹脂転写材料は、本発明に係る前記感光性樹脂組成物を、公知の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いられる。
(a)塗布装置による塗布
本発明に係る感光性樹脂組成物の塗布には、公知の塗布方法、例えば、スピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により塗布することができる。中でも特に、既に<樹脂転写材料>の項において説明した、スリットコーターが好適に用いることができる。尚、スリットコーターの好ましい具体例等は、前記と同様である。樹脂層を塗布により形成する場合、その膜厚としては、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.0〜2.0μmが特に好ましい。
(b)圧着による貼り付け
前記樹脂転写材料を用い、フィルム状に形成した樹脂層を、後述する基板上に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータ及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。尚、樹脂層を前記本発明の樹脂転写材料により形成する場合の、その好ましい膜厚は、<樹脂転写材料>の項において記載した好ましい膜厚と同様である。
〔基板〕
本発明において、樹脂パターンが形成される基板としては、特に制限はなく、パターンが使用される目的に応じて適宜選択されるが、本態様の如くカラーフィルタなどの光学材料に適用する場合には、透明基板が用いられる。透明基板としては、例えば、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
なお、このとき、基材が露光により活性種を発生するような材料からなるものであると、全面露光により所望されない撥油・撥水性グラフトの形成が活性種パターンの非形成領域である基材表面においても行われることになり、本発明の効果が得られない場合がある。このような観点から、用いる基材は活性種を発生しない物性を有するものが好ましく、具体的には、ガラス板の如き表面親水性基材が好ましい。
ここで用いる基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、樹脂組成物、又は樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。
(酸素遮断膜)
本発明のパターンを形成する当たり、感光性樹脂組成物の塗布によって樹脂層を形成する場合においては、該樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができ、これにより、露光感度をアップすることができる。該酸素遮断膜としては、既に<樹脂転写材料>の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。なお、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが好ましい。
(露光及び現像)
上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、及び中間層を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程により、本発明の樹脂パターン、本態様においては、ブラックマトリックス用の黒色樹脂パターンを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。
具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、樹脂を硬化しうるエネルギーを付与できる量であり、通常、5〜150mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度であり、更に好ましくは10〜80mJ/cm2程度である。露光量が5mJ/cm2以下であると、充分に硬化が進まず、ブラックマトリックスの形成ができないことがある点で好ましくない。露光量が150mJ/cm2を超えると、所定の幅(マスク幅)より広く硬化が進むことがある点で好ましくない。
露光工程は、貧酸素雰囲気下で行われることが硬化感度向上の観点から好ましい。貧酸素雰囲気下が、少なくとも不活性ガス雰囲気下、減圧下のうちの1つ、または複数から選択されることが好ましい。前記した、酸素遮断層を設けることも貧酸素雰囲気を形成する手段の一つである。
不活性ガスとは、N2、H2、CO2などの一般的な気体の他、He、Ne、Arなどの希ガス類を用いることもできる。この中でも安全性や入手の容易さ、コストの問題からN2が好適に利用される。
減圧下とは、0.5atm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1atm以下の状態を指す。
酸素遮断層とは、前記(酸素遮断膜)の項目で説明したものと同様なものが挙げられる。
現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等、公知の方法を用いることができる。
ここで、シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム製)」)が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
(ベーク)
ベークと呼ばれる熱処理を行ことにより、ブラックマトリックスなどの樹脂パターンの硬化性を向上させることができる。ベークを全く行わないと表面処理液などにより樹脂パターン表面が溶解したり傷付きやすくなることがあり、ベーク時間が長すぎるとブラックマトリックス中の重合開始剤が減少して、引き続き行われる撥油・撥水性パターン形成工程の効率は低下する虞がある。このため、撥油・撥水性パターン形成工程前における、ベークは最小限にとどめることが好ましい。
上記ベークの温度は、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220℃〜260℃、最も好ましくは230℃〜250℃である。上記ベークの時間は、好ましくは10〜120分、更に好ましくは20〜70分、最も好ましくは30〜60分である。このように温度及び時間を設定して上記ベークを行うことで、感光性樹脂成分中の架橋反応が進行しやすく、生産性を高めることができる。
このように、重合開始剤を含有する活性種パターン形成工程を実施した後、該パターンを形成した基板に重合性基を有する撥油・撥水性化合物を接触させ、輻射線照射により該撥油・撥水性化合物が樹脂パターン表面に直接結合したグラフト化合物を形成する撥油・撥水性パターン形成工程を実施する。
〔重合性基を有する撥油・撥水性化合物〕
本工程において、パターンを形成した基材に接触させる撥油・撥水性化合物は、ラジカル重合可能であり、撥油・撥水性の官能基を有する化合物であれば、如何なるものも用いることができるが、それらは、モノマー、マクロマー、オリゴマーなどのいずれの形態を有するものであってよい。以下、このような化合物を、適宜、単に撥油・撥水性化合物と称する。
本発明において撥油・撥水性、即ち、低表面エネルギーのグラフトパターンにおいて高いディスクリミネーションを発現するという観点からは、形成されたグラフトポリマーの空中水滴接触角として80°以上あることが望ましい。この高い撥油・撥水性の値はESCAで測定した表面原子量の割合で予想することができる。シリコン系グラフトの場合は表面の元素組成中に占めるSiの比率がSi、C、およびOの合計量に対して10原子%以上あればほぼ達成できる。またフッ素グラフトの場合は表面の元素組成中に占めるFの比率がF、C、およびOの合計量に対して30原子%以上必要である。このことは、この表面原子量を達成するには少なくともシリコン系モノマーの場合にはモノマーの構成原子のうちケイ素量は10原子%以上必要であり、またフッ素系モノマーの場合はフッ素の量として30原子%以上必要であることを意味する。従って高い撥油・撥水性を発現するにはこのような要件を満足するモノマーを使用することが必要である。
なお、本発明においては、前記撥油・撥水性化合物による処理後のパターン(隔壁)の表面の平均粗さ(Ra)が30nm以下であること、及び、隔壁表面の純水に対する接触角が80°以上であり、支持基板表面の純水に対する接触角が20°以下であること、を好ましい態様として含むものである。
上記の要件を満足するような撥油・撥水性の官能基を有する不飽和化合物としては、具体的には、フッ素含有化合物、ケイ素(シリコーン)含有化合物などが挙げられる。
また、表面原子量を有するグラフトポリマーを生成させるための材料としての、マクロマー、オリゴマー、ポリマーなども、同様に、分子中のケイ素やフッ素の原子の含有割合が上記の範囲であるものを用いることが必要である。
上記の要件を満足するような撥油・撥水性の官能基を有するモノマーとしては、具体的には、フッ素含有モノマー、ケイ素(シリコーン)含有モノマーなどが挙げられる。
以下、本発明において用いられるフッ素含有モノマー、及びケイ素(シリコーン)含有モノマーについて説明する。
(フッ素含有モノマー)
前記グラフトポリマー生成工程に用いられるフッ素含有モノマーとしては、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のフッ素含有モノマーが挙げられる。
CH2=CR1COOR2f・・・(I)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−Cp2p−、−C(Cp2p+1)H−、−CH2C(Cp2p+1)H−又は−CH2CH2O−、Rfは−Cn2n+1、−(CF2nH、−Cn2n+1−CF3、−(CF2pOCn2ni2i+1、−(CF2pOCm2mi2iH、−N(Cp2p+1)COCn2n+1、−N(Cp2p+1)SO2n2n+1である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。〕
CF2=CFORg・・・(II)
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CHRg・・・(III)
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CR3COOR5j6OCOCR4=CH2 ・・・(IV)
〔式中、R3、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6は−Cq2q−、−C(Cq2q+1)H−、−CH2C(Cq2q+1)H−又は−CH2CH2O−、Rjは−Ct2tである。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。〕
CH2=CHR7COOCH2(CH2k)CHOCOCR8=CH2・・・(V)
(式中、R7、R8は水素原子又はメチル基、Rkは−Cy2y+1である。但し、yは1〜16の整数である。)
以下、本発明に用いうるフッ素含有モノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれに制限されるものではない。
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えばCF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、C25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2、(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2
Figure 2006247581
、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C25(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2、CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C25CON(C25)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF26C(C25)OCOC(CH3)=CH2、H(CF28CH2OCOCH=CH2、H(CF24CH2OCOCH=CH2、H(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH2
Figure 2006247581
、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2等が挙げられる。
また、一般式(II)及び(III)で表わされるフルオロアルキル化オレフィンとしては、例えばC37CH=CH2、C49CH=CH2、C1021CH=CH2、C37OCF=CF2、C715OCF=CF2及びC817OCF=CF2などが挙げられる。
一般式(IV)及び(V)で表わされるモノマーとしては例えば、CH2=CHCOOCH2(CF23CH2OCOCH=CH2、CH2=CHCOOCH2CH(CH2817)OCOCH=CH2などが挙げられる。
フッ素含有グラフトポリマーを形成するモノマーとして、上記フッ素含有モノマーに加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、フッ素を有しないモノマーを併用することができる。そのようなモノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に限定されないが、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類、及びそのアルキル又はグリシジルエステル類、スチレン、アルキル酸のビニルエステル類、ケイ素含有モノマーなどが挙げられる。
併用する場合の配合量はフッ素含有モノマーに対して50重量%以下が好ましい。
(シリコーン系モノマー)
本発明に用いうるシリコーン系モノマーとしては、Si−CH3基もしくは−O−Si−CH3基を有するシリコン系モノマーを挙げることが出来る。具体的にはシリコンアクリレートまたはシリコンメタクリレートであり、一般式(CH3O)nSi(CH34−n−R3−O−CO−CR4=CH2で表されるものでり、R3は連結基であり、R4はメチルもしくは水素である。その他、例えば、特開2003−335984公報の段落番号〔0025〕に記載されるシリコン系モノマーもまた、好適なものとして挙げることができる。
本発明におけるグラフトポリマー生成工程(A)では、上記フッ素含有モノマー、ケイ素含有モノマーに加え、フッ素系の官能基、ケイ素系の官能基などの撥油・撥水性の官能基と、ラジカル重合性基と、を有するポリマー(以下、「ラジカル重合性基含有撥油・撥水性ポリマー」と称する。)も使用することができる
フッ素含有モノマー、シリコーン含有モノマーなどの撥油・撥水性化合物を、前記樹脂パターンに接触させてグラフトを形成する方法について説明する。前記活性種を基点としてグラフト重合によりグラフトパターンを形成するには、前記樹脂パターンが形成された基材表面に撥油・撥水性の官能基を有する重合性モノマーを配置し、露光などにより活性エネルギーを付与すればよい。このとき、重合性モノマーを単独で付与するいわゆる無溶媒で実施してもよいが、他の溶剤や添加剤を含有する組成物として適用してもよい。
無溶媒で実施する場合、パターンを形成した基板に適用される撥油・撥水性化合物を含有する組成物中の本発明に係る撥油・撥水性化合物(モノマー)の濃度は100%となる。また、ハンドリング性の観点から、このようなモノマーが溶解するような溶媒で希釈してもよい。ここで用いる溶媒には特に制限はないが、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が好ましい。また、このとき、該組成物中には、撥油・撥水性モノマーとともに、他の単官能及び多官能モノマーや、界面活性剤、増粘剤等の添加剤を添加してもよい。
フッ素含有モノマー、シリコーン系モノマーなどを含有する組成物を前記基材表面に適用する際に、光重合開始部位を有する層の表面が溶解し、グラフトポリマーの形成が不均一となることを抑制するため、撥油・撥水性の官能基を有するモノマー、あるいは、それを含有する組成物中に含まれる溶剤その他の化合物には、前記基材表面に存在する化合物を溶解しない物性の材料を選択することが好ましい。
基材表面に原料となる撥油・撥水性モノマーを適用する方法としては、基材表面にモノマー又はそれを含む組成物を塗布する方法、光重合開始部位を有する基材をモノマー又はそれを含む組成物中に浸漬する方法、基材表面にモノマーを含む被膜を形成する方法などが挙げられる。
また、酸素による重合阻害を防止するため、これら組成物の適用並びにグラフト重合反応を窒素などの不活性ガス雰囲気下で行なったり、モノマーを適用した表面を、グラフト重合反応を生起させるための活性エネルギー線が透過する材質、例えば、ガラス、石英、透明プラスチック製の板やフィルム等で覆って行ってもよい。
これらの撥油・撥水性の官能基を有するモノマーは、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において撥油・撥水性パターン形成方法に用いうる露光方法には特に制限はなく、活性種パターンに含まれる活性種の機能を発現させ、グラフト重合を生起させうるエネルギーを付与できる輻射線露光であれば、紫外線、可視光、赤外線、電子線などのいずれであってもよい。
活性種パターンの表面のみにおいてグラフトが効率よく生成されるという観点からは、平行光線を露光面に垂直に照射することが好ましく、そのような観点からは、光源として、
平行光源等が好ましく挙げられる。具体的には、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー、色素レーザー、半導体レーザー、YAGレーザー等が挙げられる。
このような露光により、活性種パターンの表面(露光面)のみで、撥油・撥水性化合物がグラフト重合により表面に固定化され、樹脂パターンの表面のみが選択的に撥油・撥水性の特性を有するようになる。
露光により、撥油・撥水性グラフトポリマーを形成した後、以下に述べる溶剤を用いて洗浄し、残存する撥油・撥水性化合物を除去することが好ましい。
メタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒で洗浄する。洗浄方法としては浸漬洗浄、スプレー洗浄、のほかブラシなどの機械的な補助をもちいて洗浄してもよい。
本発明にかかる隔壁3表面の、プラズマ処理後の撥インク性の程度は、作成する光学素子に用いるインクによって測定した接触角が80°以上であることが好ましい。当該接触角が80°未満では支持基板と隔壁との撥水性のコントラスト小さいために混色が生じやすく、多量のインク量を付与することができない。特に、カラーフィルタを製造する場合には、色純度の高いカラーフィルタの製造が難しくなる。
その後、(3)基材上の、撥油・撥水性パターンの非生成領域の少なくとも一部に、選択的に物質を付着させる非撥油・撥水性領域物質付着工程を実施することで、種々の特性を有する部材を形成することができる。
本発明のパターン形成方法を本態様の如くブラックマトリックスの形成に用いる場合、この非撥油・撥水性領域に画素を形成するR、G、Bの着色組成物を付着させ、カラーフィルタとすることができる。
この(3)基材上の、撥油・撥水性パターンの非生成領域の少なくとも一部に、選択的に物質を付着させる非撥油・撥水性領域物質付着工程における付着物質には、特に制限はなく、目的に応じて、親水性物質、疎水性物質のいずれでも使用することができる。また無機材料、有機材料どちらでもよいが、親水性もしくは親油性の液体に溶解、もしくは分散していることが必要である。
具体的には、例えば、染料、顔料などの色材、金粒子、銀粒子、有機導電性化合物などの導電性材料、カルバゾール、酸化亜鉛、硫化カドニユウムなどの有機、もしくは無機の半導体材料、コロイダルシルカ、ポリスチレンなどの有機、もしくは無機粒子などを挙げることができる。
分散溶媒は付着材料に流動性を与え、選択的に非撥油・撥水性部分に付着材料を移動させるために必要であり、付着物質の物性、望ましい流動性などに応じて選択することができる。
例えば、カラーフィルタの画素を形成するためのR、G、Bインクとしては、少なくとも硬化成分、水、有機溶剤を含有することが好ましい。
例えば、カラーフィルタを製造する場合、この非撥油・撥水性領域へのインクの付与方法は任意であるが、工程の簡易性の観点から、以下に述べるインクジェット記録装置により、インクを付与する方法が好ましく挙げられる。
インクジェット記録装置を用いて、インクジェットヘッドより、R、G、Bのインクを感光性組成物により形成され、表面撥油処理された隔壁で囲まれた領域(開口部)に付与する。インクジェットとしては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、或いは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能である。
また、インクとしては、カラーフィルタの場合には硬化後にR、G、Bの着色部を形成するように各色の着色剤を含むもの、EL素子の場合には、硬化後に電圧印加によって発光する発光層を形成する材料を用いる。いずれの場合も、インクは硬化成分、水、溶剤を少なくとも含むものが好ましい。以下に、本発明のパターン形成方法によって得られたパターンをブラックマトリックスとするカラーフィルタに用いるインクの組成についてさらに詳細に説明する。
〔1〕着色剤
インク中に含有させる着色剤としては、染料系及び顔料系共に使用可能であるが、顔料を使用する場合には、インク中で均一に分散させるために別途分散剤の添加が必要となり、全固形分中の着色剤比率が低くなってしまうことから、染料系の着色剤が好ましく用いられる。また、着色剤の添加量としては、後述する硬化成分と同量以下であることが好ましい。
〔2〕硬化成分
後工程におけるプロセス耐性、信頼性等を考慮した場合、熱処理或いは光照射等の処理により硬化し、着色剤を固定化する成分、即ち架橋可能なモノマー或いはポリマー等の成分を含有することが好ましい。特に、後工程における耐熱性を考慮した場合、硬化可能な樹脂組成物を用いることが好ましい。具体的には、例えば基材樹脂として、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アミド基等の官能基を有するアクリル樹脂、シリコン樹脂;またはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体或いはそれらの変性物;またはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等のビニル系ポリマーが挙げられる。さらに、これらの基材樹脂を光照射或いは加熱処理により硬化させるための架橋剤、光開始剤を用いることが可能である。具体的には、架橋剤としては、メチロール化メラミン等のメラミン誘導体が、また光開始剤としては重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン系開始剤等が使用可能である。また、これらの光開始剤を複数種混合して、或いは他の増感剤と組み合わせて使用することもできる。
〔3〕溶剤
本発明で使用されるインクの媒体としては、水及び有機溶剤の混合溶媒が好ましく使用される。水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキレングリコール類;グリセリン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の中から選択することが好ましい。
また、上記成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、沸点の異なる2種類以上の有機溶剤を混合して用いたり、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加しても良い。
熱処理、光照射等必要な処理を施し、インク中の溶剤成分を除去して硬化させることにより、画素を形成する。
さらに、カラーフィルタの場合には、前記したように、必要に応じて保護層や透明導電膜を形成する。この場合の保護層としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプ、或いは光熱併用硬化タイプの樹脂材料、或いは、蒸着、スパッタ等によって形成された無機膜等を用いることができ、カラーフィルタとした場合の透明性を有し、その後の透明導電膜形成プロセス、配向膜形成プロセス等に耐えうるものであれば使用可能である。また、透明導電膜は、保護層を介さずに着色部上に直接形成しても良い。
図1に、本発明の方法を用いて作製された撥油・撥水性パターンをブラックマトリックスとして用いた光学素子の一実施形態であるカラーフィルタの一例の断面を模式的に示す。図1中、11は支持基板としての透明基板、12は隔壁を兼ねたブラックマトリクス、13は画素である着色部、14は必要に応じて形成される保護層である。本発明のカラーフィルタを用いて液晶素子を構成する場合には、着色部13上或いは、着色部13上に保護層14を形成したさらにその上に、液晶を駆動するためのITO(インジウム・チン・オキサイド)等透明導電材からなる透明導電膜が形成されて提供される場合もある。
このようなカラーフィルタを応用し、液晶表示素子を得ることができる。
本発明における液晶表示素子とは、対向する一対の基板の間に、液晶材料が封入された液晶層を有する素子である。
液晶表示装置は、少なくとも一方にカラーフィルタを有し、互いに対向し合う側の表面に導電層が設けられた2枚の基板間に液晶層が挟持され、該両導電層間に電圧が印可されその間に挟持される液晶材料がその電圧に応じて配向状態を変化させ表示を行う表示装置である。
液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という場合がある。)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板との間に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが上記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板との間に液晶材料を封入して構成されるもの等が挙げられる。
上記導電層としては、例えば、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられ、中でも透明性のものが好ましく、ITO膜が特に好ましい。上記駆動側基板、カラーフィルタ側基板、対向基板は、その基材として、例えば、ソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いはプラスチックフィルム等を用いて構成される。
TFT等の駆動素子と画素電極とが配列形成された駆動側基板としては、例えば、互いに垂直に交わってマトリックス状に配設されたデータバスライン及びゲートバスラインと接続されたTFT、及びTFTを介してデータバスラインと接続する導電層が設けられたものなどが挙げられる。
図2に、図1のカラーフィルタを用いて構成された、液晶素子の一実施形態の概略断面図を示す。図2中、17は共通電極(透明導電膜)、18は配向膜、19は液晶、21は対向基板、22は画素電極、23は配向膜であり、図1と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
カラー液晶素子は、一般的にカラーフィルタ側の基板11と対向基板21とを合わせ込み、液晶19を封入することにより形成される。液晶素子の一方の基板21の内側に、TFT(図示せず)と画素電極22がマトリクス状に形成されている。また、カラーフィルタ側の基板11の内側には、画素電極22に対向する位置に、R、G、Bが配列するように、カラーフィルタの着色部13が形成され、その上に透明な共通電極17が形成される。さらに、両基板の面内には配向膜18、23が形成されており、液晶分子を一定方向に配列させている。これらの基板は、スペーサー(図示せず)を介して対向配置され、シール材(図示せず)によって貼り合わされ、その間隙に液晶19が充填される。上記液晶素子は、透過型の場合には、基板21及び画素電極22を透明素材で形成し、それぞれの基板の外側に偏光板を接着し、一般的に蛍光灯と散乱板を組み合わせたバックライトを用い、液晶化合物をバックライトの光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。また、反射型の場合には、基板21或いは画素電極22を反射機能を備えた素材で形成するか、或いは、基板21上に反射層を設け、透明基板11の外側に偏光板を設け、カラーフィルタ側から入射した光を反射して表示を行う。
なお、前記態様では、本発明のパターン形成方法により得られた撥油・撥水性パターンをブラックマトリクスとし、非撥油・撥水性領域に着色剤を含有するインクを付着させてカラーフィルタを例に挙げて説明し、その応用例である表紙素子について説明したが、その他の応用として、本発明のパターン形成方法を用いて、前記画素に代えて発光層を形成し、発光層を挟んで上下に電極を配置することでエレクトロルミネッセンス素子を製造することも可能であり、種々の応用が可能となる。
次に、本発明のパターン形成方法により、光学素子を製造する態様について説明する。
この態様では、撥油・撥水性パターンを遮光層とし、画素に代えて発光層を形成する。であり、該発光層を挟んで上下に電極を有するエレクトロルミネッセンス素子であることを好ましい態様として含むものである。
図3に、光学素子の他の実施形態である、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「EL素子」と記す)の一例の概略断面図を示す。図3中、31は支持基板である駆動基板、32は隔壁、33は画素である発光層、34は透明電極、36は金属層である。この図では、簡略化のために一つの画素領域のみを示している。
駆動基板31には、TFT(図示せず)、配線膜及び絶縁膜等が多層に積層されており、金属層36及び発光層33毎に配置した透明電極34間に発光層単位で電圧を印加可能に構成されている。駆動基板31は公知の薄膜プロセスによって製造される。
本発明の有機EL素子の構造については、少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極及び陰極からなる電極間に、樹脂組成物からなる隔壁内に少なくとも発光材料を充填されてなる構成であれば、特に制限はなく、その構造は公知のものを採用することができ、また本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて各種の改変を加えることができる。
その積層構造は、例えば、
(1)電極(陰極)/発光層/正孔注入層/電極(陽極)
(2)電極(陽極)/発光層/電子注入層/電極(陰極)
(3)電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電子注入層/電極(陰極)
(4)電極(陽極または陰極)/発光層/電極(陰極または陽極)
があるが、本発明は上記のいずれの構成の有機化合物層を設けた積層構造体を有するEL素子に対しても適用することができる。
上記(1)は2層構造、(3)は3層構造(4)は単層構成と称されるものである。本発明の有機EL素子はこれらの積層構造を基本とするが、これら以外の(1)から(4)を組み合わせた構造やそれぞれの層を複数有していてもよい。また、カラーフィルタと組み合わせることによって、フルカラー表示を実現しても良い。これらの積層構造からなる本発明の有機EL素子の形状、大きさ、材質、製造方法等は該有機EL素子の用途等に応じて適宜選択され、これらについては特に制限はない。
本発明の有機EL素子の発光層に用いられる発光材料は特に限定されず、種々のものを適用することができる。具体的には、低分子蛍光体や高分子蛍光体が好ましく、高分子蛍光体がさらに好ましい。
例えば、低分子有機化合物としては、特に限定はないが、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体等を用いることができる。具体的には、例えば、特開昭57−51781号、特開昭59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
また、発光材料として使用可能な高分子有機化合物としては、特に限定はないが、ポリフェニレンビニレン、ポリアリレン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルフルオレン等を挙げることができる。
有機EL素子に用いる高分子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。また本発明の有機EL素子は、薄膜からの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態で蛍光を有するものが用いられる。
該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
有機EL素子において、発光材料を含む層と陰極との間にさらに電子輸送層を設ける場合の電子輸送層中に使用する、或いは正孔輸送材料及び発光材料と混合使用する電子輸送性材料は、陰極より注入された電子を発光材料に伝達する機能を有している。このような電子輸送性材料について特に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
該電子輸送性材料の好ましい例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、複素環テトラカルボン酸無水物、或いはカルボジイミド等を挙げることができる。
さらに、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン誘導体及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等を挙げることができる。また、発光層を形成する材料として開示されているが、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体等も電子輸送材料として用いることができる。
次に、本発明の一例である積層構造を有する有機EL素子の代表的な作製方法について述べる。陽極及び陰極からなる一対の電極で、透明または半透明な電極としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック等の透明基板の上に、透明または半透明の電極を形成したものが用いられる。
本発明の発光素子において、発光層は一般には適当な結着性樹脂と組み合わせて薄膜を形成する。上記結着剤としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、例えばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合して用いても良い。陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものが良く、例えば、ニッケル、金、白金、パラジウム、セレン、レニウム、イリジウムやこれらの合金、或いは酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、ヨウ化銅が好ましい。またポリ(3−メチルチオフェン)、ポリフェニレンスルフィド或いはポリピロール等の導電性ポリマーも使用出来る。
一方、陰極材料としては仕事関数が小さな銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、マンガン、インジウム、クロム或いはこれらの合金が用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1)
〔ブラックマトリクスの形成〕
ガラス基板(コーニング製「1737」)上に、カーボンブラックを含有する黒色レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製「CK−S171Xレジスト」)を塗布し、所定の露光、現像、ポストベーク処理を行って、膜厚2μm、75μm×225μmの長方形の開口部を有するブラックマトリクスパターン(隔壁)を作製した。
(ブラックマトリックス表面の撥油・撥水性グラフト膜の形成)
ブラックマトリックスを部分的にラミネートしたガラス基板を用意し、230度で5分間加熱した。基板が冷めてから、表面にアセトンと水をかけて洗浄し、UVオゾンクリーナー『UVO−CLEANER モデルNo.42』(NIPPON LASER & ELECTRONICS LAB製)で5分間処理した。
フッ素系モノマーとしては2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(『CHEMINOX FAMAC』、ユニマテック製 下記構造)を用いた。FAMACはメチルプロピレングリコール(MFG)に溶かして5%の溶液とした。
10cm×1.5cmにカットした基板上に約0.5mlのFAMAC/MFG溶液を落とし上から石英板をかぶせてできるだけ均一な液膜とした。これをUV露光装置UVX−02516S1LP01(高圧水銀灯、USHIO製)で1分間露光した。露光後に石英版をはずし、得られたフッ素系グラフト膜はアセトンをかけて洗浄した。
その結果、ブラックマトリックス上(隔壁上表面)だけにフッ素系グラフト膜が形成され、選択的に疎水性とすることができた。
フッ素系グラフト膜を処理した前後、ブラックマトリックス隔壁上の接触角(水滴)は、29°から116°へ、接触角(インク)は、10°から60°へそれぞれ変化し、撥油・撥水性が著しく向上しているのが確認された。また、ガラス基板表面の接触角を同様に測定したところ、接触角(水滴)は、4°から11°へ、接触角(インク)は、16°から18°へそれぞれ変化したにすぎず、ガラス基板表面においては、撥油・撥水性が大きく変化することはなく、フッ素系グラフト処理の影響を受けていないことが確認された。
なお、ここで用いたCHEMINOX FAMACの構造は以下に示すとおりである。
Figure 2006247581
〔インクの調整〕
下記に示す組成からなるアクリル系共重合体を熱硬化成分として用い、以下の組成にてR、G、Bの各インクを調製した。
(硬化成分)
メチルメタクリレート 50重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 30重量部
N−メチロールアクリルアミド 20重量部
(Rインク)
C.I.アシッドオレンジ148 3.5重量部
C.I.アシッドレッド289 0.5重量部
ジエチレングリコール 30重量部
エチレングリコール 20重量部
イオン交換水 40重量部
上記硬化成分 6重量部
(Gインク)
C.I.アシッドイエロー23 2重量部
亜鉛フタロシアニンスルホアミド 2重量部
ジエチレングリコール 30重量部
エチレングリコール 20重量部
イオン交換水 40重量部
上記硬化成分 6重量部
(Bインク)
C.I.ダイレクトブルー199 4重量部
ジエチレングリコール 30重量部
エチレングリコール 20重量部
イオン交換水 40重量部
上記硬化成分 6重量部
〔撥インク性の評価〕
協和界面社製自動液晶ガラス洗浄・処理検査装置「LCD−400S」を用いて、上記プラズマ処理後のブラックマトリクス基板について、純水に対する接触角を測定した。ブラックマトリクス表面については微細パターンの周囲に設けられた幅5mmの額縁上にて測定を行い、ガラス基板表面については、該額縁外側のブラックマトリクスパターンの設けられていない箇所にて測定を行った。各々のBインクに対する接触角は、ガラス基板表面:15°、隔壁表面:70°であり、隔壁表面が優れた撥油・撥水性を示すことが確認された。
〔表面粗さの評価〕
ブラックマトリクス表面の表面粗さの評価はTecnor社製触針式表面粗さ計「FP−20」を用い、純水に対する接触角同様に幅5mmの額縁上にて平均粗さ(Ra)を測定した。その結果、ブラックマトリクス表面の平均粗さ(Ra)は2.3nmであり、表面平滑性が損なわれていないことがわかった。
〔着色部の作製〕
吐出量25plのインクジェットヘッドを具備したインクジェット記録装置を用い、プラズマ処理を施したブラックマトリクス基板に対して、上記R、G、Bインクを開口部1個あたり250pl付与した。このとき、Gのインクのみ画素開口部の中心からずれた位置に着弾するよう故意にヘッドをすらして描画を行った。Gヘッドの画素開口部中心からのずれ量xを0から40μmまでずらして描画を行った。次いで、90℃で10分間、引き続き230℃で30分間の熱処理を行ってインクを硬化させて着色部(画素)とし、Gインク着弾位置の異なる9種類のカラーフィルタを作製した。
〔着弾マージン、白抜け、着色部表面の平坦性の評価〕
得られたカラーフィルタの着弾マージン及び白抜けの評価は、光学顕微鏡による観察によって行った。着弾マージンはGヘッドの画素開口部中心からのずれ量xを0から40μmまでずらして描画したカラーフィルタのうち混色あるいは隔壁表面のインク残りが観察されないカラーフィルタの最大の着弾位置ずれ量を着弾マージンとして評価した。また、平坦性の評価は、開口部1個あたり250plのインクをGヘッドの画素開口部中心からのずれ量x=0で付与した場合について、上記表面粗さの評価で用いた表面粗さ計を用い、各色の着色部中央部のガラス表面からの高さdtと着色部の端部のブラックマトリクスと接する部分のガラス基板表面からの高さdbの差(dt−db)を測定し、−0.5μm≦(dt−db)≦0.5μmであれば平坦、(dt−db)<−0.5μmであれば凹形状、(dt−db)>0.5μmであれば凸形状として評価した。
その結果、本例のカラーフィルタにおいて着弾マージンは30μm、白抜けは観察されず、着色部表面も平坦であった。
(実施例2)
−感光性樹脂転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表1に記載の組成よりなる感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラックマトリックス用の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を感光性樹脂転写材料K1とした。
熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、
重量平均分子量=9万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、重量平均分子量=8千、Tg≒100℃) 13.6部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを
2当量脱水縮合した化合物(新中村化学(株)製、BPE−500) 9.1部
・界面活性剤1(大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF780F)0.54部
中間層用塗布液:処方P1
・PVA205(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、
鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(BASF社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
−ブラックマトリックスの形成−
無アルカリガラス基板に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記感光性樹脂転写材料K1の保護フィルムを剥離後、ラミネーター〔株式会社日立インダストリイズ社製(LamicII型)〕を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm2、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム株式会社製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断膜を除去した。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画素を得た。
洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム製)」を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)の画像(ブラックマトリックス)を得た。その後、230℃、5分熱処理した。
このブラックマトリックス表面に、実施例1と同様にして、撥油・撥水性グラフト膜の形成処理を行った。その結果、ブラックマトリックス上(隔壁上表面)だけにフッ素系グラフト膜が形成され、選択的に疎水性とすることができた。
(インクの調製)
着色感光性樹脂組成物K1は、まず表1に記載の量の、顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。
Figure 2006247581
なお、着色感光性樹脂組成物K1に記載の組成物のうち、顔料分散物1、バインダー1、DPHA液、界面活性剤1の組成は、以下の通りである。
(顔料分散物1)
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250) 13.1部
・N,N'-ビス-(3-ジエチルアミノプロピル)-5-{4-〔2-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-
ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イルカルバモイル)−プロピルアゾ
〕−ベンゾイルアミノ]-イソフタルアミド 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
(バインダー1)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、重量平均分子量4.4万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
(DPHA液)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、
日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 24部
(界面活性剤1)
・C613CH2CH2OCOCH=CH2 : 40部と H(OCH(CH3)CH2)7
OCOCH=CH2 : 55部と H(OCHCH2)7OCOCH=CH2
:5部との共重合体、重量平均分子量3万 30部
・メチルイソブチルケトン 70部
更に、この上に透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
更に、上記より得たカラーフィルタ側基板に対して、駆動側基板及び液晶材料を組合せることによって液晶表示素子を作製した。即ち、駆動側基板として、TFTと画素電極(導電層)とが配列形成されたTFT基板を準備し、該TFT基板の画素電極等が設けられた側の表面と、上記より得た、カラーフィルタ側基板の黒色液晶配向制御用突起が形成された側の表面とが対向するように配置し、スペーサー材を散布・介在させて間隙を有して固定した。この間隙に液晶材料を封入し、画像表示を担う液晶層を設けることにより、本発明の液晶表示装置を作製した。
なお、ここで用いたブラックマトリックスを実施例1と同様に評価した。
処理後のブラックマトリクス基板のBインクに対する接触角は、ガラス基板表面:15°、隔壁表面:65°であった。また、該隔壁表面の平均粗さ(Ra)は10nmであった。本例のカラーフィルタにおいて着弾マージンは30μm、白抜けは観察されず、着色部表面も平坦であった。
(実施例3)
ブラックマトリックスの作製方法を下記の方法に変更した以外は、実施例2と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
−ブラックマトリックスの形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・ジャパン社製、商品名:MH−1600)にて、下記表1記載の着色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティ型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。引き続き、230℃で5分間熱処理した。
(実施例4)
ブラックマトリックス用の感光性樹脂組成物の処方を下記K2に変更した以外は、実施例2と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
Figure 2006247581
(顔料分散液2)
・C.I.P.R177 18質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比
(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%
プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 12質量部
・シクロヘキサノン 60質量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 10質量部
(顔料分散液3)
・C.I.P.B15:6 18質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比
(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%
プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 15質量部
・シクロヘキサノン 50質量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 17質量部
(顔料分散液4)
・C.I.P.Y139 18質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比
(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%
プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 15質量部
・シクロヘキサノン 50質量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 17質量部
(顔料分散液5)
・C.I.P.V23 12質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比
(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%
プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 18質量部
・シクロヘキサノン 60質量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 10質量部
(顔料分散液6)
・カーボンブラック(デグッサ社製) 15質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比
(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%
プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] 23質量部
・シクロヘキサノン 60質量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 10質量部
なお、ここで用いたブラックマトリックスを実施例1と同様に評価した。
処理後のブラックマトリクス基板のBインクに対する接触角は、ガラス基板表面:20°、隔壁表面:70°であった。また、該隔壁表面の平均粗さ(Ra)は10nmであった。本例のカラーフィルタにおいて着弾マージンは30μm、白抜けは観察されず、着色部表面も平坦であった。
(比較例1)
撥油・撥水性グラフト形成処理にかえて、以下に示すフッ素プラズマ処理を行なった以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。ブラックマトリクス基板のBインクに対する接触角は、ガラス基板表面:22°、隔壁表面:40°であったが、この処理により隔壁側面も撥油・撥水性となったため、画素の隔壁近傍に撥油・撥水性処理に起因すると思われる白ヌケが発生しているのが確認された。
前記ガラス基板(ブラックマトリクス基板)に、プラズマ処理装置(装置:マグネトロンスパッタリング装置、芝浦エレテック製CFS−10−EP70)を用いて、酸素プラズマ処理を行い、その後、CF4プラズマ処理を行った。
O2プラズマ条件:40Ps、30秒、出力10W
CF4プラズマ条件:40Ps、30秒、出力30W
本発明の方法により得られた撥油・撥水性パターンをブラックマトリックスとして用いたカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 図1に示すカラーフィルタを備えた液晶素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の方法により得られた撥油・撥水性パターンを遮光層として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す概略断面図である。

Claims (15)

  1. (1)基板上に、重合開始能をもつ活性種を有する樹脂組成物をパターン状に形成する活性種パターン形成工程、及び、(2)該パターンを形成した基板に重合性基を有する撥油・撥水性化合物を接触させ、輻射線照射により該撥油・撥水性化合物が樹脂パターン表面に直接結合したグラフト化合物を形成する撥油・撥水性パターン形成工程、を含むことを特徴とする撥油・撥水性パターン形成方法。
  2. 前記重合開始能をもつ活性種が、輻射線により表面に発生したものであることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記重合開始能をもつ活性種が、重合開始剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記重合開始能をもつ活性種が、重合開始剤を含有する重合性組成物を輻射線により重合させた後に残存する重合開始剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成方法。
  5. 前記重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパターン形成方法。
  6. 前記重合性組成物が重合可能な二重結合を有する化合物を含有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のパターン形成方法。
  7. 前記樹脂組成物が黒色材料を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  8. 前記(2)撥油・撥水性パターン形成工程の後に、さらに(3)基材上の、撥油・撥水性パターンの非生成領域の少なくとも一部に、選択的に物質を付着させる非撥油・撥水性領域物質付着工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  9. 前記物質が着色物質を含有する組成物であることを特徴とする請求項8に記載のパターン形成方法。
  10. 前記着色物質を含有する組成物がインク組成物であり、撥油・撥水性パターンの非生成領域に物質を付着させる方法がインクジェット記録方法であることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
  11. 前記樹脂組成物により基板上に形成された撥油・撥水性パターンが、カラーフィルタのブラックマトリックスであることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
  12. 前記樹脂組成物により基板上に形成された撥油・撥水性パターンが、カラーフィルタのブラックマトリックスであり、非撥油・撥水性領域のR、G、B画素に相当する所定の位置にそれぞれ赤色インク、緑色インク、青色インクを付着させてカラーフィルタとすることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のパターン形成方法で作成されたパターン材料。
  14. 基板上に樹脂組成物からなるパターンを有するパターン材料であって、前記樹脂組成物からなるパターンの表面に撥油・撥水性ポリマーがグラフト重合していることを特徴とするパターン材料。
  15. 基板上にブラックマトリックスとブラックマトリックスで離隔された領域にR、G、B画素に対応する着色組成物が充填されたカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックスが、樹脂組成物からなるパターンの表面に撥油・撥水性化合物がグラフト重合してなるものであることを特徴とするカラーフィルタ。
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