JP2006244022A - クローラ走行車輌 - Google Patents

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Abstract

【課題】 変速ショックの発生をなくし、操向レバーの誤操作を防止するようにした、2本の操向レバーにより操向操作するクローラ走行車輌を提供する。
【解決手段】 検出手段18Lと検出手段18Rは、電源+と制御装置の入力端子TD13の間に直列に接続され、副変速スイッチ23は、制御装置の入力端子TB8に接続され、電源+と制御装置の出力端子A4には、ドライバユニット32が接続され、ドライバユニット32と電源+には、ドライバリレー33が接続され、ドライバリレー33を介して前記電源+に、多段変速装置の出力を切換えるための高速バルブ35が接続されている。操向レバーがニュートラル位置にあるとき、検出手段18L、18Rを通して入力端子TD13に入力する。この状態で、副変速スイッチ23の操作が行われると、副変速スイッチ23の操作信号が制御装置の入力端子TF8に入力され、制御装置の出力端子A4からドライバユニット32の入力1へ切換え信号が入力され、高速バルブ35に通電される。
【選択図】 図12

Description

本発明は、トラクタ等のクローラ走行車輌に係り、詳しくは、左右の無段変速装置を、運転席に配置された2本の操向レバーによりそれぞれ操作するようにしたクローラ走行車輌に関する。
エンジンとクローラの間に、エンジンから伝達された回転動力を無段階に変速する無段変速装置と、該無段変速装置から伝達された回転動力を高速と低速の2段階に変速する多段変速装置(副変速装置)とを配置し、該多段変速装置の出力によりクローラを駆動するようにしたクローラ走行車輌において、クローラ走行車輌が予め設定された走行速度以上で走行している場合、多段変速装置の増速方向への変速を阻止するようにしたクローラ走行車輌が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、エンジンとクローラの間に、エンジンから伝達された回転動力を無段階に変速する無段変速装置と、該無段変速装置から伝達された回転動力を高速と低速の2段階に変速する多段変速装置(副変速装置)とを配置し、該多段変速装置の出力によりクローラを駆動するようにしたクローラ走行車輌において、多段変速装置の切換えを行う副変速スイッチを前後進レバーのグリップ内に配置したクローラ走行車輌が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−82460号公報(第3−4頁 図2、図3) 特開平9−76782号公報(第2−3頁、図4)
前記各従来技術は、左右回転式の操向ハンドルを備えたクローラ走行車輌であり、クローラ走行車輌の走行速度を変速する場合、一方の手は操向ハンドルを握っているので、変速ショックが起きても、運転者は身体を支えることが容易であり、他の操作レバーに掴まる必要がないので、誤操作することはない。
機体フレームに左右一対のクローラを設け、機体の直進走行及び左右方向の旋回操作を行うクローラ走行車輌では、左右回転式の操向ハンドルに比して急峻なスピンターン操作が容易に行える等の理由から、左右のクローラにそれぞれ個別に独立して対応する前後傾倒自在な一対の操向レバーを、片手による一括把持が可能なように近接配置し、一対の操向レバーを同時に操作して前後方向の直進走行操作を行うと共に、一対の操向レバーの間でその操作量が大小異なるように操作して、左右方向への旋回操作を行うようにしたものがある。
前記のようなクローラ走行車輌においては、走行中に操向レバーを操作すると多段変速装置の切換えにより、あるいは、運転者自身が無意識にスイッチ操作を行って多段変速機の高低の切換えを行った場合、クローラ走行車輌の走行速度が急激に変化するため、運転者に変速ショックを与え、この変速ショックにより運転者が操作機器を誤操作することがある。
前記の事情に鑑み、本発明は、変速ショックの発生をなくし、操作機器の誤操作を防止するようにしたクローラ走行車輌を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、左右のクローラ(2、2)にそれぞれ無段変速装置からの回転を伝達して走行すると共に、前記クローラ(2、2)による走行装置を多段変速装置により変速してなる、クローラ走行車輌(1)において、
前記左右の無段変速装置が共にニュートラル位置にあることを検出する検出手段(18L、18R)と、
該検出手段(18L、18R)が前記ニュートラル位置を検出したとき以外は、前記多段変速装置の切換え操作を禁止する禁止手段(31)と、を備えた、
ことを特徴とするクローラ走行車輌にある。
請求項2に係る本発明は、前記左右の無段変速装置は、運転席(10)に配置された2本の操向レバー(13L、13R)の各1本によりそれぞれ操作され、
前記多段変速装置は、運転席(10)に配置されたスイッチ(23)により操作される高低2段に変速する副変速装置である、
請求項1記載のクローラ走行車輌にある。
なお、前記した括弧内の符号等は、図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
請求項1に係る本発明によると、左右の無段変速装置がニュートラル位置にあって、車輌が停止している場合にのみ、多段変速装置の切換えが可能であるため、車輌走行中に多段変速装置を切換えることによる変速ショックがなく、更に車輌走行時に多段変速装置の切換えによるショックにより、運転者が左右無段変速装置による操向操作を誤操作することを防止できる。
請求項2に係る本発明によると、2本の操向レバーにより操向するものにあっては、変速ショックにより誤操作を生じやすいが、上述したように、変速ショックを生じないため、操向レバーによる誤操作を防止できる。また、スイッチによる多段変速装置の高低の切換えは、指先等による簡易な操作により容易に行えるため、運転者自身が副変速装置の高低切換えを自覚の少ない状態で行う場合があり、この場合も、予期せぬ変速ショックにより操向レバーの誤操作を生じやすいが、上述したように変速ショックを生じないため、操作レバーによる誤操作を防止できる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図14は、本発明の実施の形態を示すもので、図1は、クローラ走行車輌の側面図、図2は、クローラ走行車輌の運転席の平面図、図3は、クローラ走行車輌の運転席の側面図、図4は、クローラ走行車輌の運転席における操向レバーの配置を示す背面図、図5は、図4における操向レバーの拡大図、図6は、図5の正面図、図7は、図5の平面図、図8は、図4におけるサポート部の拡大図、図9は、図8の正面図、図10は、図4におけるスイッチパネルの平面図、図11は、スイッチパネルのスイッチの操作状態を示す側面図、図12は、禁止手段のブロック線図、図13は、無段変速装置におけるモータとポンプの接続構造を示す平面図、図14は、図13の側面図である。
図1に示すように、クローラトラクタ等のクローラ走行車輌1は、左右一対のクローラ2、2に支持された機体フレーム3を備え、該機体フレーム3の前部に設けたボンネット5内にエンジン(図示せず)を搭載し、該エンジンの動力を無段変速装置(図示せず)と、該無段変速装置の出力を高低2段に変速する多段変速装置(副変速装置を構成する、図示せず)とを介して前記クローラ2、2に伝達し、前記クローラ走行車輌1を走行駆動する。
なお、前記無段変速装置は、図13、14に示すように、油圧ポンプ6aと油圧モータ6bとを有し、該油圧ポンプ6aと油圧モータ6bとは、一体形成されたホース6cで接続され、該ホース6cは、固定クランプ6dで位置決め固定されている。このように、一体形成されたホース6cを用いることにより、接続個所を減らして油漏れの危険を減少させると共に、部品点数の減少、組み立て工数の低減を図ることができる。
図1に示すように、該機体フレーム3の後部には、リフトアーム7aとリフトシリンダ7b等からなる三点リンク機構7が配置され、該三点リンク機構7を介して耕耘機等の作業機(図示せず)が接続される。前記機体フレーム3の略中央部には、キャビン8が配置され、該キャビン8の内部に運転席10が設けられている。
図2、図3及び図4に示すように、前記運転席10内には、運転者が着座するための座席シート11が配置され、該座席シート11の前方には、走行メータ、水温計、燃料計及び各種表示ランプ群(図示せず)を集中配置した運転コンソール12が配置され、該運転コンソール12の後方には、各別に独立して前後傾倒操作可能な左右一対の操向レバー13L、13Rが、運転者が片手により一括把持可能な間隔で配置されている。
従って、運転者は、前記操向レバー13L、13Rを一括把持して前方又は後方に傾倒操作することにより、前記クローラ走行車輌1を前進又は後進の直進走行を行わせることができる。また、前記操向レバー13L、13Rを、それぞれ操作量が異なるように操作することにより、前記クローラ走行車輌1を旋回させることができるようになっている。
図5、図6及び図7に示すように、前記操向レバー13L、13Rは、それぞれ一端が軸15に回転自在に支持された操作桿16L、16Rに固定されている。前記操作桿16L、16Rの一端には、前記油圧ポンプ6aもしくは油圧モータ6bの斜板に連結されたロッド17の一端が回転自在に連結され、前記操向レバー13L、13Rの操作により前記斜板の角度を調整するように構成されている。
また、前記操作桿16L、16Rは、それぞれ前記軸15の下方に配置されたリミットスイッチ等の検出手段18L、18Rの移動子18La、18Raとワイヤ20で接続され、前記操向レバー13L、13Rの操作により、対応する移動子18La、18Raを上下方向に移動させるように構成されている。そして、前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置以外にあるとき、移動子18La、18Raが前記検出手段18L、18Rを作動させる。即ち、前記検出手段18L、18Rは、前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置にあるか否かを検出できるようになっている。
図2、図3に示すように、前記運転席10の座席シート11の右側斜め前方には、円筒状の握り部を有するサポート21が配置され、該サポート21の握り部22の端面には、副変速装置(多段変速装置)操作用の副変速スイッチ23が配置されている。前記握り部22の端面に副変速スイッチ23を配置することにより、該握り部22を握り身体を支えた状態で副変速装置の変速切換えを行うことができるので、変速切換え時の変速(シフト)ショックに対して身体を安定させ、誤操作の虞をなくすことができる。
図2、図3及び図8乃至図10に示すように、前記サポート21の握り部22の下方には、スイッチフレーム25が配置され、該スイッチフレーム25に、トグルスイッチ等で構成された作業機昇降スイッチ26と、スイッチパネル27が配置されている。図10に示すように、前記スイッチパネル27には、前記機体フレーム3の後部の上下位置や傾きを調整するための複数のスイッチ28a、28b、28cと、表示部材30a、30bとが、図11に示すように、前記サポート21の握り部22を握った手の指先で操作可能な位置に配置されている。
前記握り部22を握った状態で、手指が届く範囲に前記作業機昇降スイッチ26、スイッチ28a、28b、28c等を配置することにより、該握り部22を握り身体を安定させた状態で、これら作業機昇降スイッチ26、スイッチ28a、28b、28c等を操作することができ、操作性を向上させることができると共に、作業の安定性を向上させることができる。
図12に示すように、前記多段変速装置の切換え操作を禁止する禁止手段31が構成されている。即ち、前記検出手段18Lと検出手段18Rは、電源+とマイクロコンピュータで構成された制御装置(図示せず)の入力端子TD13の間に直列に接続されている。前記副変速スイッチ23は、前記制御装置の入力端子TF8に接続されている。前記電源+と前記制御装置の出力端子A4には、ドライバユニット32が接続され、該ドライバユニット32と電源+には、ドライバリレー33が接続され、該ドライバリレー33を介して前記電源+に、前記多段変速装置の出力を切換えるための高速バルブ35が接続されている。
そして、前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置にあるとき、前記検出手段18L、18Rが閉成して、前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置にあることを検出した信号を、前記制御装置の入力端子TD13に入力する。この状態で、前記多段変速装置を低速から高速に切換えるため、前記副変速スイッチ23の操作が行われると、該副変速スイッチ23の操作信号が前記制御装置の入力端子TF8に入力される。すると、前記制御装置の出力端子A4から前記ドライバユニット32の入力1へ、前記多段変速装置の切換え信号が入力される。
すると、前記ドライバユニット32のGND端子と出力端子が接続され、前記電源+からの電力が前記ドライバリレー33に印加されて、該ドライバーリレー33がその接点を閉成して、該接点を通して高速バルブを作動させる。
前記禁止手段31は、次のように作用する。なお、前記検出手段18L、18Rが開放されている場合を(0)、閉成されている場合を(1)、前記多段変速装置が低速側にある場合を(0)、高速側にある場合を(1)、副変速スイッチ23が操作されない場合を(0)、操作された場合を(1)、前記副変速スイッチ23の非操作状態を(0)、操作状態を(1)、前記高速バルブ35の非通電状態を(0)、通電状態を(1)と表示して説明する。
前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置にあるとき、前記検出手段18L、18Rの出力は(0)であり、このとき、前記多段変速装置の状態が低速(0)にあって、前記副変速スイッチ23が操作されない(0)場合、前記高速バルブ35には通電されない(0)。また、前記操向レバー13L、13Rを操作したときの前記多段変速装置が高速側(1)にあるとき、前記副変速スイッチ23を操作(1)すると、前記高速バルブ35は通電状態(1)を維持する。
前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置にないとき、前記検出手段18L、18Rの出力は(1)であり、このとき、前記多段変速装置の状態が低速(0)であって、前記副変速スイッチ23が操作されない(0)場合、前記高速バルブ35には通電されない(0)。また、前記操向レバー13L、13Rを操作したときの前記多段変速装置が低速側(0)にあるとき、前記副変速スイッチ23を操作(1)しても、前記高速バルブ35には通電されない(0)。
前記操向レバー13L、13Rがニュートラル位置にないとき、前記検出手段18L、18Rの出力は(1)であり、このとき、前記多段変速装置の状態が高速(1)であって、前記副変速スイッチ23が操作されない(0)場合、前記高速バルブ35は通電状態(1)が維持される。また、前記副変速スイッチ23を操作(1)しても、前記高速バルブ35には通電状態(1)が維持される。
前述のように、左右の無段変速装置がニュートラル位置にあって、車輌が停止している場合にのみ、多段変速装置の切換えが可能であるため、車輌走行中に多段変速装置を切換えることによる変速ショックがなく、更に車輌走行時に多段変速装置の切換えによるショックにより、運転者が左右無段変速装置による操向操作を誤操作することを防止できる。
また、2本の操向レバーにより操向するものにあっては、変速ショックにより誤操作を生じやすいが、前述したように、変速ショックを生じないため、操向レバーによる誤操作を防止できる。また、スイッチによる副変速装置の高低の切換えは、指先等による簡易な操作により容易に行えるため、運転者自身が副変速装置の高低切換えを自覚の少ない状態で行う場合があり、この場合も、予期せぬ変速ショックにより操向レバーの誤操作を生じやすいが、上述したように変速ショックを生じないため、操作レバーによる誤操作を防止できる。
クローラ走行車輌の側面図である。 クローラ走行車輌の運転席の平面図である。 クローラ走行車輌の運転席の側面図である。 クローラ走行車輌の運転席における操向レバーの配置を示す背面図である。 図4における操向レバーの拡大図である。 図5の正面図である。 図5の平面図である。 図4におけるサポート部の拡大図である。 図8の正面図である。 図4におけるスイッチパネルの平面図である。 スイッチパネルのスイッチの操作状態を示す側面図である。 禁止手段のブロック線図である。 無段変速装置におけるモータとポンプの接続構造を示す平面図である。 図13の側面図である。
符号の説明
1 クローラ走行車輌
2 クローラ
10 運転席
13L 操向レバー
13R 操向レバー
18L 検出手段
18R 検出手段
23 スイッチ(副変速スイッチ)
31 禁止手段

Claims (2)

  1. 左右のクローラにそれぞれ無段変速装置からの回転を伝達して走行すると共に、前記クローラによる走行装置を多段変速装置により変速してなる、クローラ走行車輌において、
    前記左右の無段変速装置が共にニュートラル位置にあることを検出する検出手段と、
    該検出手段が前記ニュートラル位置を検出したとき以外は、前記多段変速装置の切換え操作を禁止する禁止手段と、を備えた、
    ことを特徴とするクローラ走行車輌。
  2. 前記左右の無段変速装置は、運転席に配置された2本の操向レバーの各1本によりそれぞれ操作され、
    前記多段変速装置は、運転席に配置されたスイッチにより操作される高低2段に変速する副変速装置である、
    請求項1記載のクローラ走行車輌。
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