JP2006241989A - シリンダ注油方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 潤滑油ポンプにより圧送された潤滑油を、注油時期及び注油量を調整する電磁弁及び注油通路を通してシリンダに装着された注油器に送給し、該注油器から複数のピストンリングが摺動するシリンダの内面に注油するようにしたシリンダ注油方法において、前記注油器から、前記ピストンリングの間に形成されるリング間空所にピストンの1往復につき少なくとも1回注油することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
このため、かかる従来技術にあっては、シリンダ内面の、特に軸方向の広範囲に亘って油膜を形成するのは困難であり、エンジンの高出力化に対応可能な潤滑性能は得られ難い。
また、前記のように、シリンダ内面における注油位置や該注油位置への注油タイミングの制御が困難であるため、無駄な注油がなされる部位が生じて潤滑油消費量が増加し易く、且つ注油不良の発生箇所では潤滑不良によるシリンダ内面の摩耗や焼き付きの発生を招き易い。
等の問題を有している。
これにより、シリンダ内面の潤滑性が向上して、ピストンリングの摩耗や焼付きの発生を回避でき、エンジンの高出力化に対応可能な潤滑性能が得られる。また、前記潤滑性の向上によって、潤滑油消費量も低減できる。
(1)前記ピストンの上昇時において、該ピストンが該注油器よりも下方にあるとき1回目の注油を行い、次いで該ピストンの上昇過程で前記リング間空所に2回目の注油を行う。
このように構成すれば、ピストンが該注油器よりも下方にあるときに1回目の注油がなされた潤滑油を、ピストンの上昇によって潤滑条件の厳しい上部内面に搬送できるとともに、注油器からの2回目の注油によって前記リング間空所に貯められた潤滑油をシリンダ内面の軸方向上方に搬送でき、潤滑油のシリンダ内面の軸方向への拡散、特にシリンダ上部内面への拡散がより促進される。
このように構成すれば、該ピストンが該注油器よりも上方にあるとき1回目の注油がなされた潤滑油を、ピストンの下降によって下部内面に搬送できるとともに、ピストンの下降過程での注油器からの2回目の注油によって前記リング間空所に貯められた潤滑油をシリンダ内面の軸方向下方に搬送でき、潤滑油のシリンダ内面の軸方向への拡散、特にシリンダ下部内面への拡散がより促進される。
このように構成すれば、シリンダ内面の周方向へ、潤滑油を広範囲に拡散できる。
(4)前記注油器を前記シリンダの軸方向に複数箇所設置し、少なくとも1箇所の前記注油器を前記シリンダ内面の周方向に指向させて、該注油器からの潤滑油を前記シリンダ内面の周方向に噴出せしめる。
このように構成すれば、シリンダ軸方向の複数箇所から注油することによって潤滑油のシリンダ内面の軸方向への拡散が促進されるとともに、シリンダ内面の周方向に向けて潤滑油を噴出せしめることにより、潤滑油を周方向へも広範囲に拡散できる。
これにより、シリンダ内面の潤滑性が向上して、ピストンリングの摩耗や焼付きの発生を回避でき、エンジンの高出力化に対応可能な潤滑性能が得られる。また、前記潤滑性の向上によって潤滑油消費量も低減できる。
図1〜図2において、4はシリンダライナ(シリンダ)、1は該シリンダライナ4の内面4aに沿って往復摺動するピストン、2は該ピストン1に複数本(この例では4本)嵌装されたピストンリングである。3は前記各ピストンリング2とピストン1の外周との間に形成されたリング間空所である。また、6はシリンダカバー、7は排気弁、8は燃焼室である。
15は潤滑油ポンプ、11は各シリンダ共通の共通送油部で、該潤滑油ポンプ15により圧送された潤滑油は前記共通送油部11内に蓄圧されるようになっている。16は前記共通送油部11と各シリンダの注油器5とを接続する注油管、20は各注油管16に設けられて該注油管16の管路を開閉する電磁弁である。
10は制御装置で、前記クランク角センサ12からクランク角の検出値が、前記回転数検出器13からエンジン回転数の検出値が、前記負荷検出器14からエンジン負荷の検出値がそれぞれ入力され、これらの検出値に基づき、後述するように前記電磁弁20の開弁時期(タイミング)及び開弁期間を制御して、注油器5の注油タイミング及び注油量を調整する。
前記電磁弁20は、前記制御装置10によって、該電磁弁20毎に独立して開弁時期及び開弁期間を制御されるようになっている。
第1の手段は、前記ピストン1の上昇時において、該ピストン1が前記注油器5よりも下方(この例のように注油器5が軸方向に2列設けられている場合は、最下部の注油器5よりも下方)にあるとき2列の注油器5から1回目の注油を行い、次いで該ピストン1の上昇過程で前記2列の注油器5から前記リング間空所3に2回目の注油を行う。この例では前記リング間空所3が3箇所形成されているので、少なくとも最上部のリング間空所3に注油を行うこととし、他のリング間空所3にも前記2列の注油器5のいずれかによって注油する。
このように構成すれば、シリンダライナ内面4aの円周方向へ潤滑油を広範囲に拡散できる。
このように構成すれば、シリンダライナ4の軸方向の複数箇所(この例では2列)から注油することによって潤滑油のシリンダライナ内面4aの軸方向への拡散が促進されるとともに、シリンダライナ内面4aの円周方向に向けて潤滑油を噴出せしめることにより、潤滑油を円周方向へも広範囲に拡散できる。
これにより、シリンダライナ内面4aの潤滑性が向上して、ピストンリング2の摩耗や焼付きの発生を回避でき、また、前記潤滑性の向上によって、潤滑油消費量も低減できる。
2 ピストンリング
3 リング間空所
4 シリンダライナ(シリンダ)
4a シリンダライナ内面
5 注油器
6 シリンダカバー
7 排気弁
8 燃焼室
10 制御装置
11 共通送油部(コモンレール)
12 クランク角センサ
13 回転数検出器
14 負荷検出器
15 潤滑油ポンプ
16 注油管
20 電磁弁
Claims (6)
- 潤滑油ポンプにより圧送された潤滑油を、注油時期(注油タイミング)及び注油量を調整する電磁弁及び注油通路を通してシリンダに装着された注油器に送給し、該注油器から複数のピストンリングが摺動するシリンダの内面に注油するようにしたシリンダ注油方法において、前記注油器から、前記ピストンリングの間に形成されるリング間空所にピストンの1往復につき少なくとも1回注油することを特徴とするシリンダ注油方法。
- 前記ピストンの上昇時において、該ピストンが該注油器よりも下方にあるとき1回目の注油を行い、次いで該ピストンの上昇過程で前記リング間空所に2回目の注油を行うことを特徴とする請求項1記載のシリンダ注油方法。
- 前記ピストンの下降時において、該ピストンが該注油器よりも上方にあるとき1回目の注油を行い、次いで該ピストンの下降過程で前記リング間空所に2回目の注油を行うことを特徴とする請求項1記載のシリンダ注油方法。
- 前記注油器を前記シリンダ内面の周方向に指向して、該注油器からの潤滑油を前記シリンダ内面の周方向に噴出せしめることを特徴とする請求項1記載のシリンダ注油方法。
- 前記注油器を前記シリンダの軸方向に複数箇所設置し、少なくとも1箇所の前記注油器を前記シリンダ内面の周方向に指向させて、該注油器からの潤滑油を前記シリンダ内面の周方向に噴出せしめることを特徴とする請求項1記載のシリンダ注油方法。
- 潤滑油ポンプにより圧送された潤滑油を、注油時期(注油タイミング)及び注油量を調整する電磁弁及び注油通路を通してシリンダに装着された注油器に送給し、該注油器から複数のピストンリングが摺動するシリンダの内面に注油するように構成されたシリンダ注油装置において、エンジンのクランク角を検出するクランク角センサと、エンジンの回転数を検出する回転数検出器と、前記クランク角センサからのクランク角の検出値及び前記回転数検出器からのエンジン負荷の検出値に基づき、前記注油器から前記ピストンリングの間に形成されるリング間空所にピストンの1往復につき少なくとも1回注油するように前記電磁弁を開閉制御するコントローラとをそなえたことを特徴とするシリンダ注油装置。
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