JP2015021429A - シリンダ注油装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗を簡易かつ低コストな構成で抑止可能とする。
【解決手段】注油孔18は、ピストン12が上死点TDCから下降したとき燃焼空間cに曝されるシリンダライナの摺動面上部領域Zに形成されている。注油孔18に注油器22が挿着され、注油器22のノズル部46には大径潤滑油供給孔48a及び小径潤滑油供給孔48bが形成されている。大径潤滑油供給孔48a及び小径潤滑油供給孔48bは、夫々大径開口50a及び小径開口50bを有している。制御装置38によって、ピストン12が注油孔18より下方位置にある時、大径開口50a及び小径開口50bから潤滑油rが噴射される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のシリンダライナに潤滑油を供給してシリンダライナの腐食摩耗を抑制するシリンダ注油装置に関する。
従来、内燃機関のシリンダライナとピストンリングとの間に潤滑油を供給して摩耗等を防止するシリンダ注油装置が知られている。例えば、特許文献1には、ピストンリングの間に形成されるリング間空所に潤滑油を供給し、該リング間空所に潤滑油を供給することで、潤滑性能を得る注油システムが開示されている。また、特許文献2には、シリンダヘッドに注油弁を設け、該注油弁から燃焼空間に潤滑油を噴射することで、シリンダライナとピストンリング間の摺動面の潤滑性能を維持する装置が開示されている。
粗悪油を使用する舶用ディーゼル機関では、燃焼ガス中にSOが生成される。低負荷運転時にシリンダライナの温度が低下すると、シリンダライナの上部領域に硫酸が凝縮し、凝縮した硫酸によってシリンダライナの腐食摩耗が進行するという問題がある。燃焼ガスと常時接する領域は高温となり、硫酸が蒸発するため、シリンダライナの腐食摩耗はあまり起らない。凝縮した硫酸は、比較的温度が低くなる燃焼空間の下方の領域、即ち、ピストンの上死点と下死点との間の領域、即ち、ピストンが上死点から下降したとき燃焼空間に曝されるピストンリングとの上部摺動面(以下「摺動面上部領域」と言う。)で付着しやすい。そのため、シリンダライナの腐食摩耗は、摺動面上部領域で顕著となる。
この対策として、シリンダライナに供給される潤滑油に中和剤を入れ、この中和剤で硫酸を中和する対策が採られている。しかし、注油量はディーゼル機関の回転数や出力に応じて制御されるため、低負荷運転時には注油量が減少し、潤滑油が前記摺動面上部領域に十分届かず、中和剤が不足してシリンダライナの摩耗を加速してしまう。
なお、特許文献1に開示された注油システムでは、リング間空所に潤滑油を供給するために噴射タイミングを制御するのが難しく、かつ潤滑油の拡散範囲が比較的限られるという問題がある。また、特許文献2に開示された注油装置も、注油弁から噴射された潤滑油は燃焼空間で蒸発してしまうため、前記摺動面上部領域に潤滑油を十分に塗布することができない。
凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗に対する対策が、特許文献3に開示されている。この腐食摩耗対策は、内燃機関の運転条件によってシリンダライナの摩耗量や摩耗の位置に違いがあることに着目し、シリンダライナの上部領域でシリンダライナの周方向に上下に2列に複数の注油孔を形成し、該注油孔の列毎に注油の位置、注油量及び注油タイミングを変えることで、シリンダライナの摩耗を低減するようにしている。
また、特許文献4には、凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗に対する対策として、内燃機関の運転条件に応じて、アルカリ価の異なる潤滑油を供給するようにした注油装置が開示されている。
特開2006−241989号公報 特開平07−034837号公報 実開昭62−162318号の明細書及び図面 特開昭63−065109号公報
特許文献3の開示された注油装置は、シリンダライナの周方向に2列に形成された多数の注油孔に夫々注油棒を装着する必要があり、さらに、内燃機関の運転条件に応じて、注油孔の列毎に注油の位置、注油量及び注油タイミングを変えるための装置構成及び制御装置が複雑かつ高価となる問題がある。
また、特許文献4に開示された注油装置も、内燃機関の運転条件に応じて、シリンダライナにアルカリ価の異なる潤滑油を供給するための装置構成及び制御装置が複雑かつ高価となる問題がある。
本発明は、前記の問題点に鑑みなされたものであり、凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗を簡易かつ低コストな構成で抑止可能とすることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明のシリンダ注油装置は、ピストンが上死点から下降したとき前記燃焼空間に曝されるシリンダライナの上部摺動面(摺動面上部領域)に形成された注油孔に挿着され、シリンダライナの内部へ潤滑油を噴射する注油器と、注油器の先端に設けられたノズル部に形成され、2種類以上の異なる口径を有する注油口と、ピストンが注油孔より下方に位置した時、注油器から潤滑油を燃焼空間に噴射させる制御装置とを備えているものである。
前記構成においては、1個の注油器のノズル部に2種類以上の異なる口径を有する注油口を形成する場合と、シリンダライナに複数の注油器を挿着し、各注油器のノズル部に異なる口径の注油口を形成する場合とを含むものとする。
前記構成において、前述のように、シリンダライナの腐食摩耗は、シリンダライナの摺動面上部領域で顕著となるため、注油孔は該摺動面上部領域に形成される。また、制御装置により、ピストンが注油孔より下方位置にある時、注油器から潤滑油が噴射される。
口径が大きい注油口から噴射された潤滑油は、油量が多く直進性があるため到達距離が長い。そのため、シリンダライナの壁面に到達しやすい。また、噴射される潤滑油量が多いため、シリンダライナ壁面への潤滑油の付着量を増加できる。
一方、口径が小さい注油口から噴射される潤滑油の液滴は小さいため、口径が大きい注油口から噴射された潤滑油より直進性は劣るが、燃焼ガスの流れに乗ってシリンダ上部へ浮遊しやすい。そのため、シリンダ上部へ遠くまで到達でき、シリンダライナ上部領域への潤滑油の付着量を増加できる。
このように、注油棒には口径が異なる2種類以上の注油口が形成されているため、シリンダライナの摺動面上部領域への潤滑油の付着量、及び該摺動面上部領域より上方領域への潤滑油の付着量を増加できる。これによって、凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗を効果的に抑制できる。
また、注油棒に2種類以上の注油口を形成することで、シリンダライナに装着される注油棒の数を抑制でき、装置構成を簡素化かつ低コスト化できる。
なお、注油口はシリンダライナの内周面に沿う方向へ向けていることが望ましい。これによって、潤滑油がシリンダライナの内周面に到達しやすくなる。
本発明の一態様として、2種類以上の注油口のうち口径が小さい注油口は、口径が大きい注油口よりシリンダライナの半径方向からシリンダライナの上方へ向いた傾斜角度が大きくなるように構成することができる。これによって、口径が小さい注油口から噴射された潤滑油をシリンダ上部へ遠くまで到達でき、シリンダライナ上部領域への潤滑油の付着量を増加できる。
本発明の一態様として、単一の注油器の先端に口径が異なる2種類以上の注油口を形成することができる。これによって、シリンダライナに装着する注油器の数を抑えることができ、装置構成を簡素化かつ低コスト化できる。
この態様において、複数の注油器をシリンダライナの周方向に配置し、夫々の注油器に2種類以上の注油口を形成するようにすることができる。さらには、各注油器における注油口からの潤滑油の噴射タイミング及び噴射時間を制御することができる。
本発明の一態様として、少なくとも2個以上の注油器がシリンダライナに配置されると共に、注油器のノズル部に1個の注油口が形成され、注油器のうち一方の注油器のノズル部に形成された注油口と、他方の注油器のノズル部に形成された注油口とは異なる口径を有するようにすることができる。
これによって、各注油器の潤滑油の噴射タイミングを適宜変えることで、シリンダライナの腐食摩耗を抑制する上で最適な噴射分布が可能となる。
本発明の一態様として、複数の注油器がシリンダライナの周方向に分散配置され、これら注油器は、グループ毎に共通の潤滑油供給系統を備えた複数のグループに分かれ、かつシリンダライナが設けられた内燃機関の負荷検出器を備えると共に、制御装置によって、負荷検出器で検出された検出値に基づいて、内燃機関が高負荷運転のとき、潤滑油供給系統の全部から潤滑油を噴射させ、内燃機関が低負荷運転のとき、潤滑油供給系統のうちの一部のみから潤滑油を噴射させるように制御することができる。
潤滑油の給油量が内燃機関の回転数や出力に応じて制御される場合、低負荷運転時には給油量が減少する。これに対し、内燃機関の負荷状態に応じて、グループ毎に潤滑油の供給を制御することで、内燃機関の負荷状態に応じて各注油器への給油量を制御できる。
例えば、内燃機関が高負荷運転のとき、制御装置によって潤滑油供給系統の全部から潤滑油を供給させ、内燃機関が低負荷運転のとき、制御装置によって潤滑油供給系統の一部のみから潤滑油を供給させるようにすることができる。これによって、低負荷運転時に給油量が減少したとき、注油器1個当たりの噴射量を増加させることで、潤滑油の安定噴射が可能になる。
本発明は、低負荷運転時にシリンダライナの温度が低下し、シリンダライナの摺動面上部領域に硫酸が凝縮しやすい舶用大型ディーゼル機関に適用されて好適であり、凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗を有効に抑止できる。
本発明によれば、シリンダライナの摺動面上部領域に、口径が異なる2種類以上の注油口が形成された注油器を装着することで、簡易かつ低コストな構成でシリンダライナの腐食摩耗を有効に抑制でき、シリンダライナの寿命を長期化できる。
本発明の第1実施形態に係るシリンダ注油装置の系統図である。 前記シリンダ注油装置の潤滑油供給系統を示す系統図である。 前記シリンダ注油装置の一部拡大図である。 図3中のA―A線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態に係るシリンダ注油装置の潤滑油供給系統を示す系統図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
次に、本発明を舶用ディーゼル機関のシリンダライナに適用された第1実施形態を図1〜図4により説明する。図1において、シリンダライナ10の内部にピストン12が設けられ、ピストン12はピストンロッド16を介してクランク軸(図示省略)に接続され、該クランク軸の動きに連動して、シリンダライナ10の軸方向に往復動する。ピストン12の頂面12a上方に燃焼空間cが形成される。ピストン12の外周面に形成された溝に、上下方向に複数のピストンリング14が嵌装され、ピストンリング14はシリンダライナ10の内周面に摺接し、ピストン12とシリンダライナ10との間の隙間を遮断している。図中、12’はピストン12が上死点TDCの位置にあるときのピストン頂面を示している。
ピストン12は、シリンダライナ10の内部で上死点TDCと下死点BTCとの間を往復動する。上死点TDCと下死点BDCとの間のシリンダライナ10の内周面をシリンダライナ10の摺動面上部領域Zと名付ける。前述のように、粗悪油を使用する舶用ディーゼル機関では、燃焼ガス中にSOが生成される。低負荷運転時にシリンダライナの温度が低下すると、シリンダライナ10の上部領域に硫酸が凝縮し、凝縮した硫酸によってシリンダライナの腐食摩耗が進行するという問題がある。
シリンダライナ10の燃焼空間に面した領域は高温となり、硫酸が蒸発するため、シリンダライナ10の腐食摩耗はあまり起らない。凝縮した硫酸は、比較的温度が低くなる燃焼空間cの下方の領域、即ち、ピストン12の上死点TDCと下死点BDCとの間の領域であって、ピストン12の上死点TDCの下方でかつピストン12が上死点TDCから下降したとき燃焼空間cに曝されるピストンリング16との摺動面である摺動面上部領域Zに付着しやすい。そのため、シリンダライナ10の腐食摩耗は、摺動面上部領域Zで顕著となる。
以下、本実施形態に係るシリンダ注油装置20Aの構成を説明する。図1において、シリンダライナ10に、シリンダライナ10の内周面と外周面とに貫通する10個の注油孔18が穿設されている。注油孔18は、摺動面上部領域Zのうち特に凝縮した硫酸が付着しやすい上部領域に形成されている。注油孔18はシリンダライナ10の周方向に、即ち同一高さ位置に水平方向にほぼ等間隔で配置されている。夫々の注油孔18に注油器22が挿着されている。
図2に示すように、各注油器22とヘッダ26a又は26bとの間に潤滑油供給管24が接続されている。各注油器22は、潤滑油供給管24を介してシリンダライナ10の周方向で、交互に1つおきにヘッダ26a又はヘッダ26bに接続されている。ヘッダ26aに潤滑油供給管28aが接続され、ヘッダ26bに潤滑油供給管28bが接続されている。潤滑油供給管28a及び28bは主管30を介して潤滑油タンク32に接続されている。潤滑油供給管28a及び28bには夫々電磁開閉弁34a及び34bが設けられ、主管30にはポンプ36が設けられている。
潤滑油タンク32の潤滑油は、ポンプ36によってヘッダ26a又は26bを介して各注油器22に送られる。
また、開閉弁34a及び34bの開閉動作を制御する制御装置38が設けられている。制御装置38には、クランク角センサ40からクランク角の検出値が送られる。また、制御装置38には、回転数検出器42からエンジン回転数の検出値が送られ、負荷検出器44からエンジン負荷の検出値が送られる。制御装置38では、これらの検出値に基づき、制御装置38は、電磁開閉弁34a及び3bの開弁時期(タイミング)及び開弁時間を制御する。
図3及び図4に示すように、注油器22は、シリンダライナ10に穿設された注油孔18に挿着されている。各注油器22は潤滑油供給管24に接続され、潤滑油供給管24から潤滑油が送られる。注油器22の先端に設けられた細径のノズル部46の内部には、軸方向に並列に2本の大径潤滑油供給孔48a及び小径潤滑油供給孔48bが形成されている。大径潤滑油供給孔48aの孔径は小径潤滑油供給孔48bの孔径より大きく構成されている。これら潤滑油供給孔48a及び48bは、ノズル部46の最先端部で開口している。ノズル部46の最先端位置は、シリンダライナ10の内周面10aより燃焼空間cへ突出しないように構成されている。
注油孔18が開口したシリンダライナ10の内周面には、半球形のえぐり部18aが刻設されている。ノズル部46の最先端には傾斜面47が形成されており、大径潤滑油供給孔48aの大径開口50a及び小径潤滑油供給孔48bの小径開口50bは、傾斜面47に開口し、大径開口50aのほうが小径開口50bより傾斜面46aの先端側に位置している。大径開口50aは小径開口50bより大きい口径を有している。
傾斜面47は曲面形状を有しており、小径開口50bは大径開口50aより傾斜面47の上方側領域に開口している。大径開口50a及び小径開口50bの上下方向の向きは、両方とも水平方向に対しシリンダライナ上方側へ傾斜している。さらに、小径開口30bが大径開口50aより傾斜面46aの上方に位置している分だけ、(小径開口50bの水平方向に対する傾斜角度b)>(大径開口50aの水平方向に対する傾斜角度a)の関係にある。
また、図4に示すように、水平面内における大径開口50a及び小径開口50bの向きは、共に同一角度でシリンダライナ10の内周面10aに沿う方向へ向けられている。
シリンダライナ10の内部では、シリンダ内部の燃焼空間cには、吸気ポート(図示省略)から吸入される給気などによってスワールsが形成される。大径開口50a及び小径50bは、これらの開口から噴射される潤滑油r1及びr2がスワールsの流れ方向に沿うように配置されている。
かかる構成において、クランク角センサ40で得られたクランク角の検出値が制御装置38に入力され、制御装置38によって、ピストン12が注油器22の設置位置より下方にある時、注油器22から潤滑油rが噴射されるように、電磁開閉弁40a及び40bの開閉動作を制御する。また、回転数検出器42で得られたエンジン回転数、及び負荷検出器44の検出値から、エンジン負荷状態を検出する。これらの検出値から、制御装置38によって、高負荷運転時には、電磁開閉弁40a及び40bを両方とも開放し、すべての注油器22から潤滑油rを噴射させる。また、低負荷運転時には、制御装置38によって電磁開閉弁40a及び40bの一方のみを解放し、半数の注油器22のみから潤滑油rを噴射させる。
潤滑油の給油量がエンジンの回転数や出力に応じて制御される場合、低負荷運転時には給油量が減少する。本実施形態では、制御装置38によって前記のように電磁開閉弁40a及び40bの開閉動作を制御することで、低負荷運転時に注油器1個当たりの注油量を確保できる。
また、潤滑油供給管24から各注油器22に送られた潤滑油rは、注油器22のノズル部46に形成された大径潤滑油供給孔48a及び小径潤滑油供給孔48bを経て、大径開口50a及び小径開口50bから噴射される。孔径が大きい大径潤滑油供給孔50aから噴射された潤滑油r1は直進性があり、到達距離が長い。そのため、シリンダライナ10の壁面に到達しやすく、かつ噴射油量が多いため、シリンダライナ壁面への潤滑油の付着量を増加できる。
一方、孔径が小さい小径潤滑油供給孔50bから噴射された潤滑油r2は、液滴が小さいため、大径開口50aから噴射された潤滑油より直進性は劣るが、燃焼ガスに乗ってシリンダ上部まで浮遊できる。小径開口50bは水平方向に対し大きい傾斜角度aでシリンダ上部側へ向けられているので、小径開口50bから噴射された潤滑油r2はシリンダ上部側へ遠くまで到達できる。
また、大径開口50a及び小径開口50bの向きは、シリンダライナ10の内周面10aに沿う方向へ向けられているので、潤滑油がシリンダライナ10の内周面10aに到達しやすくなる。
さらに、小径開口36bはスワールsの流れ方向に向いているので、小径開口36bから噴射された潤滑油r2はスワールsに乗って、シリンダ上部へ広く散布できる。
これによって、摺動面上部領域Zへの潤滑油の付着量を増加できると共に、摺動面上部領域Zより上方領域への潤滑油の付着量を増加できる。そのため、凝縮した硫酸によるシリンダライナの腐食摩耗をシリンダライナ10の上部領域全範囲に亘って効果的に抑制でき、シリンダライナ10を長寿命化できる。
また、1個の注油棒22に孔径が異なる2種類の潤滑油供給孔48a及び48bを形成することで、シリンダライナ10に装着される注油器22の数を抑制でき、装置構成を簡素化かつ低コスト化できる。
なお、本実施形態では、シリンダライナ10の周方向に配置された複数の注油器22の潤滑油供給管24を交互に別なヘッダ26a又は26bに接続するようにしたが、かかる構成に拘泥される必要はない。例えば、複数の注油器22をランダムに別なヘッダに接続するようにしてもよい。さらに、複数の注油器を3つのグループに分け、夫々3系統以上の潤滑油供給系統に別々に接続するようにしてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態を図5に基づいて説明する。本実施形態のシリンダ注油装置20Bは、大径潤滑油供給孔48aのみを有する注油棒22aと、小径潤滑油供給孔48bのみを有する注油棒22bとを、シリンダライナ10の周方向に交互に配置した例である。即ち、5個の注油棒22aと5個の注油器22bとが、シリンダライナ10の周方向に交互に配置されている。注油棒22a及び22bのノズル部46a及び46bは、前記第1実施形態のノズル部46のような傾斜面47を有している。注油棒22aのノズル部46aには大径開口50aが形成され、注油棒22bのノズル部46bには小径開口50bが形成されている。
大径開口36a及び小径開口36bは、第1実施形態と同様に、水平面内においてはシリンダライナ10の内周面10aに沿う方向へ向けられ、上下方向の向きは、両方とも水平方向に対しシリンダ上方へ傾斜している。また、(小径開口50bの水平方向に対する傾斜角度b)>(大径開口50aの水平方向に対する傾斜角度a)の関係にある。なお、注油棒22a及び22bが挿着される注油孔18の配置位置は、前記第1実施形態と同一である。各注油器22aに接続された潤滑油供給管24aはヘッダ26aに接続され、各注油器22bに接続された潤滑油供給管24bはヘッダ26bに接続されている。その他の構成は第1実施形態と同一である。
かかる構成において、制御装置38は、クランク角センサ40で得られたクランク角の検出値に基づいて、ピストン12が注油器22a又は22bの設置位置より下方にある時、注油器22から潤滑油r噴射されるように、電磁開閉弁40a及び40bの開閉動作を制御する。また、制御装置38によって、エンジンの高負荷運転時には、電磁開閉弁40a及び40bを両方とも開放する。一方、低負荷運転時には、電磁開閉弁40a及び40bを交互に開放するようにする。これによって、低負荷運転時の注油器1個当たりの潤滑油噴射量を増加でき、安定噴射が可能になる。
なお、本実施形態では、注油器22aと注油器22bとをシリンダライナ10の周方向に交互に配置したが、かかる構成以外に、注油器22a及び注油器22bをシリンダライナ10の周方向にランダムに配置するようにしてもよい。
また、各注油棒22a及び22bの潤滑油の噴射タイミング及び噴射時間は種々選択できる。
本発明によれば、内燃機関のシリンダライナの腐食摩耗を有効に抑制でき、特に低負荷運転を多用する舶用大型ディーゼル機関に好適である。
10 シリンダライナ
10a 内周面
12、12’ ピストン
12a 頂面
14 ピストンリング
16 ピストンロッド
18 注油孔
20A、20B シリンダ注油装置
22、22a、22b 注油器
24、24a、24b、28,28a、28b 潤滑油供給管
26,26a、26b ヘッダ
30 主管
32 潤滑油タンク
34a、34b 電磁開閉弁
36 ポンプ
38 制御装置
40 クランク角センサ
42 回転数検出器
44 負荷検出器
46、46a、46b ノズル部
47 傾斜面
48a 大径潤滑油供給孔
48b 小径潤滑油供給孔
50a 大径開口
50b 小径開口
TDC 上死点
BDC 下死点
Z 摺動面上部領域
a、b 傾斜角度
c 燃焼空間
r、r1、r2 潤滑油
s スワール

Claims (6)

  1. シリンダライナの内部に摺動自在に配置されたピストンの上方に形成される燃焼空間に潤滑油を噴射するシリンダ注油装置において、
    前記ピストンが上死点から下降したとき前記燃焼空間に曝される前記シリンダライナの上部摺動面に形成された注油孔に挿着され、前記シリンダライナの内部へ潤滑油を噴射する注油器と、
    前記注油器の先端に設けられたノズル部に形成され、2種類以上の異なる口径を有する注油口と、
    前記ピストンが前記注油孔より下方に位置した時、前記注油器から潤滑油を前記燃焼空間に噴射させる制御装置とを備えていることを特徴とするシリンダ注油装置。
  2. 前記注油口のうち口径が小さい注油口は、口径が大きい注油口より前記シリンダライナの半径方向からシリンダライナの上方へ向いた傾斜角度が大きくなるように構成されていることを特徴とするシリンダ注油装置。
  3. 単一の前記注油器のノズル部に口径が異なる2種類以上の注油口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ注油装置。
  4. 少なくとも2個以上の前記注油器が前記シリンダライナに配置されると共に、各注油器のノズル部に1個の注油口が形成され、
    前記少なくとも2個以上の注油器のうち、一方の注油器のノズル部に形成された注油口と、他方の注油器のノズル部に形成された注油口とは異なる口径を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ注油装置。
  5. 複数の前記注油器が前記シリンダライナの周方向に分散配置され、
    前記複数の注油器は、グループ毎に共通の潤滑油供給系統を備えた複数のグループに分かれ、
    前記シリンダライナが設けられた内燃機関の負荷検出器を備え、
    前記制御装置は、前記負荷検出器で検出された検出値に基づいて、前記内燃機関が高負荷運転のとき、前記潤滑油供給系統の全部から潤滑油を噴射させ、前記内燃機関が低負荷運転のとき、前記潤滑油供給系統のうちの一部のみから潤滑油を噴射させるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ注油装置。
  6. 前記シリンダライナが舶用ディーゼル機関に設けられたシリンダライナであることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ注油装置。
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