JP2006241299A - バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料バリア性、耐熱性や成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び多層成形体を提供する。
【解決手段】(A)ポリオレフィン、(B)メタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸からなる混合ジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミド樹脂、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)前記ポリオレフィン、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体から選ばれる成分を少なくとも1種含有する再使用樹脂を混合してなる樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる層を少なくとも一層含む多層成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、バリア性、リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び多層成形体に関するものである。さらに詳しくは、燃料の透過量が少なく、バリ等の回収再使用といったリサイクル性に優れ、かつ耐熱性に優れた成形特性を有し、特にアルコール含有燃料用容器やチューブ、部品用材料として優れた熱可塑性樹脂組成物及び多層成形体に関するものである。
近年、燃料保存用容器として、軽量化、防錆処理不要化、形状の自由度向上、加工工数の削減や製造の全自動化などの面から、ブロー成形などからなる樹脂製燃料用容器が注目され、金属製燃料用容器からの代替が進んでいる。
しかし、用いられるポリエチレン(高密度ポリエチレン)は、機械的強度、成形加工性、経済性に優れるものの、燃料に対するバリア性能が乏しいため、燃料透過量に対する規制に対応できなくなっている。
そのため、容器の内面をフッ素処理する方法や、ポリエチレンとポリアミド樹脂などをブレンドする方法によって燃料の透過を抑制する試みがなされている(特許文献1〜3参照)。これらのうち、フッ素処理に対しては、有害ガス取り扱い上の安全性確保や、処理後の回収方法などが問題となり現在はほとんど使用されていない。ポリエチレンとブレンドする方法については、バリア性樹脂を層状に分散させることにより燃料の透過量はある程度減らすことができるものの、燃料に対するバリア性は完全ではなく、また、バリア性樹脂の添加量を増加すると、衝突時の衝撃吸収が低下したり、成形性が低下するなどの課題があり、今後ますます強化される規制に十分に応えていくことが困難であった。特に、ガソリンにエタノール等のアルコール類を添加することにより、化石燃料の使用量を減らし二酸化炭素の排出量を削減できるため、エタノールの燃料としても利用検討が進められているが、ナイロン6やエチレン−ビニルアルコール共重合などのバリア性樹脂は、アルコール類に対するバリア性が劣るために、よりバリア性能を高めた材料が望まれている。
特開昭55−121017号公報 特開平5−156036号公報 特開平10−279752号公報
本発明は、燃料用容器における以上のような課題を解決し、バリア性、リサイクル性、耐熱性や成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び多層成形体を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリオレフィンと特定のモノマー組成比を有するポリアミド樹脂、及び変性ポリオレフィンからなる樹脂組成物に、該樹脂組成物を構成する成分を少なくとも1種含有する樹脂固形物の粉砕品等の再使用樹脂を混合させることで、バリア性、リサイクル性、及び耐熱性に優れ、さらに成形性にも優れ燃料用容器やチューブ、部品等の材料として好適である樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、(A)ポリオレフィン、(B)メタキシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が3:7〜10:0である構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを含むポリアミド樹脂、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)ポリオレフィン、前記ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体から選ばれる成分を少なくとも1種含有する再使用樹脂を混合してなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物中に、ポリオレフィン(X)、前記ポリアミド樹脂(Y)、ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(Z)を、(X)50〜97重量%、(Y)2〜45重量%、(Z)1〜45重量%の割合((X)、(Y)、(Z)の合計は100重量%)で含むことを特徴とする、燃料バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する発明である。また、本発明は、前記熱可塑性樹脂組成物からなる層を少なくとも一層含む多層成形体に関する。
本発明で得られる熱可塑性樹脂組成物は、バリア性、リサイクル性、耐熱性や成形加工性に優れており、燃料用容器、チューブ、部品等、種々の成形体に利用できる。
本発明において、(A)ポリオレフィンとしては、種々のものが挙げられるが、好ましくは低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、1−ポリブテン、1−ポリメチルペンテンなどの炭素数2以上、好ましくは2〜8のエチレン系炭化水素の単独重合体;炭素数3〜20のα−オレフィンの単独重合重合体;炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デセン共重合体など)、炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンの共重合体(ノルボルネンとの共重合体など)が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いることもできるし、2種類以上の混合物として使用することもできる。これらのポリオレフィンの中で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン等の樹脂、またはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体等のガラス転移点の高い樹脂が好ましい。本発明で用いられるポリオレフィンは、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.01〜10g/10minの範囲にあることが望ましい。
本発明で用いられる変性ポリオレフィンは、上記ポリオレフィンに不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されたもので、一般に相溶化剤や接着剤として広く用いられているものである。不飽和カルボン酸またはその無水物の具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、クロロマレイン酸、ブテニルコハク酸など、およびこれらの酸無水物が挙げられる。中でも、マレイン酸および無水マレイン酸が好ましく用いられる。上記不飽和カルボン酸またはその無水物をポリオレフィンにグラフト共重合して変性ポリオレフィンを得る方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、ポリオレフィンを押出機等を用いて溶融させ、グラフトモノマーを添加して共重合させる方法、あるいはポリオレフィンを溶媒に溶解させてグラフトモノマーを添加して共重合させる方法、ポリオレフィンを水懸濁液とした後グラフトモノマーを添加して共重合させる方法等を挙げることができる。
本発明で用いられるスチレン系共重合体としては、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体の一部または全部に水素化した水添ブロック共重合体からなるスチレンブロック共重合体が挙げられる。共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエンが好ましい。また、本発明で用いられるスチレン系共重合体には、不飽和カルボン酸またはその無水物で変性処理をおこなってもよい。
本発明で用いられる(B)ポリアミド樹脂は、メタキシリレンジアミン構成単位を70モル%以上(100モル%を含む)含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が3:7〜10:0である構成単位を70モル%以上(100モル%を含む)含むジカルボン酸成分からなる。
本発明において、メタキシリレンジアミン以外のジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン類等を全ジアミン成分中に30モル%未満の範囲で使用することができる。
本発明において、使用される(B)ポリアミド樹脂の原料であるジカルボン酸成分は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が用いられるが、具体例として、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できる。これら中でもアジピン酸が好ましい。
本発明において、使用される(B)ポリアミド樹脂の原料のジカルボン酸成分は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が3:7〜10:0、好ましくは3:7〜9.5:0.5、より好ましくは4:6〜8:2である構成単位を70モル%以上含む。
イソフタル酸が上記範囲で含まれる場合、燃料バリア性、特にメタノールやエタノールを含有した燃料に対するバリア性がさらに向上する。また、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸のみの場合に比べ、得られるポリアミド樹脂の融点が低下し、より低温で成形でき、製造エネルギーの低減や成形サイクルの短縮化が図られるばかりでなく、溶融粘度が高くなり、該樹脂のドローダウン等に対する成形加工性が向上する。
本発明において、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等のカルボン酸無水物等を全ジカルボン酸成分の30モル%以下の範囲で使用してもよい。
本発明において、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−エナントラクタムなどのラクタム類、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、9−アミノノナン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸などを、性能を損なわない範囲で加えても良い。
ポリアミド樹脂(B)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、モル比率が3:7〜10:0である炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して製造される。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸、または、メタキシリレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水よび縮合水を取り除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸、または、アジピン酸とイソフタル酸混合物に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を固化させる事の無いように、メタキシリレンジアミンを連続的に加えて、その間の反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点以上となるように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
溶融重合によって得られる比較的低分子量のポリアミドの相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸溶液100mlに溶解し測定した値、以下同じ)は、通常、2.28以下である。溶融重合後の相対粘度が2.28以下であると、ゲル状物質の生成が少なく、色調が良好な高品質のポリアミドが得られる。しかし、フィルムやシートおよびボトル等の多層容器を作製するには粘度が低過ぎる場合もある。このような場合には固相重合などにより粘度を増大させるのが好ましい。イソフタル酸を上記範囲内で加えた場合は、溶融粘度を増大させ、融点を低下させることができる。従って、成形温度(融点+10〜融点+30℃、非晶の場合は180+10℃〜180+30℃)を低下させることができ、成形温度において十分な溶融粘度を得ることができる。そのため、固相重合等の増粘工程が不要となり、経済性に優れた材料を提供することができる。
本発明において、(B)ポリアミド樹脂の融点は160℃〜240℃の範囲に制御することが好ましく、より好ましくは170〜230℃である。該ポリアミド樹脂の融点を他の熱可塑性樹脂に近づけることにより、多層成形体作製時の熱可塑性樹脂との成形温度差による厚みムラ等の不良発生や、樹脂劣化による臭気及び着色を抑えることが可能となる。
本発明において、(B)ポリアミド樹脂の成形温度での剪断速度100sec−1での溶融粘度は1000〜5000Pa・sに制御することが好ましく、より好ましくは1500〜4000Pa・sである。該ポリアミド樹脂の溶融粘度が上記範囲内であると、中空成形方法などで多層成形体を作製する際にドローダウンが生じたり、機械的強度が低下するなどの問題を防ぐことができる。5000Pa・sを越えるポリアミド樹脂は、製造が困難である。
本発明において、(B)ポリアミド樹脂のガラス転移点は80〜130℃の範囲であることが好ましい。ポリアミド樹脂のガラス転移点を80℃以上とすることで高温下でのバリア性に優れたものが得らえる。
本発明で使用する(D)再使用樹脂は、前記ポリオレフィン、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体から選ばれる成分を少なくとも1種含有する樹脂固形物である。該樹脂固形物の由来には特に制約はないが、例えば、前記成分を含有する樹脂を成形する工程で発生した樹脂固形物を回収して使用できる。該樹脂固形物には、成形時に発生するバリや不良品などを回収したものも含まれ、回収後に粉砕させたもの、あるいは単軸や二軸押出機などでペレット状に再加工されたものも含まれる。サイズは特に限定されないが、押出時にブロッキング等の問題が生じないよう1cm角程度以下のサイズとしたものが好ましい。また、ポリアミドが含有される場合、吸湿による発泡が生じる恐れあるので、成形直後のものや除湿乾燥などを行って吸水率を0.5%以下にしたものが好ましく用いられる。
(D)再使用樹脂の混合量は(A)ポリオレフィン、(B)前記ポリアミド樹脂ならびに(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体の合計100重量部に対して、5〜200重量部が好ましい。200重量部を越えるとバリア性能が低下する問題が生じる恐れがあるため、好ましくない。また、(D)再使用樹脂中のポリアミド含有量が少ない場合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物中のポリアミド樹脂の含有比率が低下するためにバリア性能が悪化する恐れがあり、逆に、(D)再使用樹脂中のポリアミド樹脂の含有比率が高い場合は、熱可塑性樹脂組成物の機械的性能が低下する恐れがあるが、添加するポリアミド樹脂や変性ポリオレフィンの添加量を調整することで補うことができる。同様に変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体についても、添加量を調整することで性能を補うことができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記(A)ポリオレフィン、(B)ポリアミド樹脂、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)再使用樹脂を混合することで得られる。該樹脂組成物中に、ポリオレフィン(X)、前記ポリアミド樹脂(Y)、ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(Z)を、(X)50〜97重量%、(Y)2〜45重量%および(Z)1〜45重量%の割合((X)、(Y)および(Z)には、それぞれ(D)再使用樹脂由来のものが含まれ、これらの合計は100重量%である)で含み、好ましくは(X)55〜95重量%、(Y)3〜40重量%および(Z)2〜40重量%であり、さらに好ましくは(X)60〜92重量%、(Y)4〜35重量%および(Z)4〜35重量%である。(X)が50重量%未満の場合、樹脂組成物の衝撃強度や成形性が低下する問題が生じ、また97重量%を超えるとバリア性が低下するので好ましくない。また、(Y)が2重量%未満では、バリア性が低く、45重量%を越える場合は衝撃強度が低下するので好ましくない。また、(Z)が1重量%未満では、ポリオレフィンとポリアミド樹脂の親和性が低下し、それに伴い衝撃強度が低下する問題が生じ、また、45重量%を越える場合は、ポリアミド樹脂が層状の分散状態を構成し難くなるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(E)有機膨潤化剤で処理したスメクタイトを任意成分として含んでいてもよい。スメクタイトは、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
有機膨潤化剤で処理したスメクタイトとは、高分子化合物、有機化合物系の有機膨潤化剤を、予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものである。
有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩、特に好ましくは第4級アンモニウムハライド(クロライド、ブロマイド)が用いられる。
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸などが挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジヒドロキシエチル水素化タロウアンモニウム塩、および、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)などの少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩、メチルジヒドロキシエチル水素化タロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
本発明における(E)有機膨潤化剤で処理したスメクタイトの配合割合は、熱可塑性樹脂組成物中の前記ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.3〜20重量部となる様に添加するのが好ましく、1〜15重量部がさらに好ましい。有機膨潤化剤で処理したスメクタイトの配合割合が上記0.3重量部以上であれば、ガスバリア性をさらに向上させることができる。又上記20重量部を越えると、これ以上増やしても、それに見合ったバリア性効果が期待できない。
(E)有機膨潤化剤で処理したスメクタイトは、(B)ポリアミド樹脂と混合した後、(A)ポリオレフィン、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)再使用樹脂と混合するのが好ましい。(B)ポリアミド樹脂中に含有されるスメクタイトは局所的に凝集することなく均一に分散している必要がある。ここでいう均一分散とは、ポリアミド中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。この層間距離とは平板状物の重心間距離をいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、最終的にフィルム、シート、中空容器としたときの透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性を向上させることができる。
ポリアミド樹脂とスメクタイトを溶融混練する方法については、ポリアミド樹脂の溶融重合中にスメクタイトを添加し攪拌する方法、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等が挙げられるが、これらのなかでも、生産性、汎用性等の点から二軸押出機を用いる方法が好ましい。
その際の溶融混練温度は180〜260℃、滞留時間は5分以下に調整し、スクリューは少なくとも一カ所以上の逆目スクリューエレメント及び/またはニーディングディスクを有し、該部分において一部滞留させながら行うことが好ましい。
溶融混練温度が上記範囲から外れる場合、有機膨潤化剤で処理したスメクタイトの分散不良が生じやすくなるため好ましくない。また、スクリューに滞留部を設けることにより、有機膨潤化剤で処理したスメクタイトの分散性が向上する。分散性、熱分解とゲル発生の抑制の点から、一般的に溶融混練時間は、1〜5分に調整するのが特に望ましい。
本発明における(B)ポリアミド樹脂または有機膨潤化剤で処理したスメクタイトを含有する(B)ポリアミド樹脂は、好ましくはペレット状のものが用いられる。更に、ポリオレフィンとの相溶性を高め、多層成形体の強度を向上させるために、例えば外側が変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、内側が前記ポリアミド樹脂からなる多層ペレットを用いることが好ましい。多層ペレットの変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体と前記ポリアミド樹脂の重量比率は、95:5〜5:95が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来公知の方法により製造することが出来る。前記各成分の混合順序には特に制約はなく、例えば、上記した(A)ポリオレフィン、(B)ポリアミド樹脂、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)再使用樹脂を押し出し機などで混練し、あるいは、上記したような変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体と前記ポリアミド樹脂からなる多層ペレットと(A)ポリオレフィンおよび(D)再使用樹脂を混練し、180〜250℃で押し出すことにより製造される。(E)有機膨潤化剤で処理したスメクタイトを使用する場合には、まず、該スメクタイトと(B)ポリアミド樹脂を予め混練してペレット化し、これと(A)ポリオレフィン、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)再使用樹脂を混練するのが好ましい。
本発明の多層成形体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるバリア性に優れた層を少なくとも一層含むものであり、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートあるいはポリアミド等からなる補強層を少なくとも一層積層することが好ましい。補強層に使用するポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレン、プロピレン、ブテン等から選ばれる2種類以上のオレフィンの共重合体、およびそれらの混合体が例示できる。中でも、超高分子量高密度ポリエチレンが中空成形時のドローダウン防止、耐衝撃性、耐燃料膨潤性、耐水性に優れるため好ましく用いられる。また、上記補強層において例示したポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリアミドは、互いに混合したり、エラストマー等の他の樹脂との混合や、例えばカーボンブラックや難燃剤等の他の添加剤と混合して使用することも可能である。
本発明において、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層と補強層等、本発明の多層成形体を構成する各層の間に接着性樹脂層(接着層)を設けることができる。該層を構成する接着性の樹脂としては、例えば、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層とポリオレフィン類からなる補強層と接着する場合であれば、変性したポリエチレンやポリプロピレンあるいはエチレン、プロピレン、ブテン類のオレフィン類の共重合体等が使用可能である。また、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層とポリエステルあるいはポリカーボネートからなる補強層と接着する場合であれば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体のアルカリまたはアルカリ土類金属架橋体およびエチレン−アクリル酸エステル系共重合体等が例示できるが、特に限定されるものではない。
各層の厚さは多層成形体の形状に応じて選択されるが、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層は平均で0.005〜5mm、補強層は平均で0.005〜10mm、接着層は平均で0.005〜5mmであるのが好ましい。
本発明における多層成形体は、バリや成形時の不良品を再度溶融し、リサイクル層として導入することも可能である。この場合、強度面からバリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層より外側層に配置することが好適である。
尚、本発明の目的を損なわない限り、本発明の多層成形体の各樹脂層には、滑剤、離型剤、酸化防止剤、加工安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、層状珪酸塩、結晶核剤、Co、Mn、Znなどの無機または有機金属塩、錯体等を加える事が出来る。
本発明の多層成形体は、前記熱可塑性樹脂組成物からなる少なくとも一層のバリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層、少なくとも一層の補強層および任意の接着層が積層してなるボトル状、カップ状、トレイ状、タンク状等の多層容器、多層チューブ、多層部品等である。これらの成形方法には特に制限はないが、多層押出成形法、押出成形後さらに熱成形を行う方法、多層ブロー成形等の溶融成形法、サンドイッチ成形および二色成形と呼ばれる共射出成形等により製造される。具体的には、Tダイ押出機を用いて多層シートを製造し、さらに熱成形を行い、接着や溶着によって容器を得る方法、射出成形機あるいは押出機を用いて多層の円筒状パリソンを成形し、該パリソンをブロー成形する方法、金型内に2種以上の溶融樹脂を順次射出する共射出成形等により製造される。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、実施例等において、ポリアミド樹脂及び多層成形体の評価方法は、下記の方法によった。
・ポリアミド樹脂の融点
島津製作所(株)製熱流束示差走査熱量計を使用し、10℃/分の条件で測定した。
・燃料透過量
熱可塑性樹脂組成物を構成する原料樹脂を表1および2に示す配合割合でドライブレンドした後、単軸の中空成形機にて、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmのブロー容器を作製した。得られた容器に、燃料(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10vol%)を300cc充填し、口部を閉じた。該燃料充填容器を、40℃/65%RHに調整した防爆型恒温恒湿槽に30日間放置し、重量変化量から燃料透過量を求めた。
・衝撃穴あけ強度
熱可塑性樹脂組成物を構成する原料樹脂を表1および2に示す配合割合でドライブレンドした後、ラボプラストミル押出機にて厚さ200μのブレンドフィルムを作製した。得られたフィルムを、(株)オリエンテック製フィルムインパクト試験機ITF−60を使用し、先端に1/2inch球形を取り付け、23℃/50%RHの環境下で測定を行った。
<実施例1>
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸11.9kg(81.65mol)とイソフタル酸3.4kg(20.53mol)秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融アジピン酸とイソフタル酸からなる均一なスラリーにした。これに、メタキシリレンジアミン13.7kg(100.739mol)を撹拌下に160分を要して滴下した。この間、内温は連続的に247℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、ポリアミド1(融点207℃)を得た。
次いで、ポリオレフィンAとして高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製、190℃−2160gにおけるMFR=0.35g/10分)を用いて、単軸の中空成形機で容器を作製後、バリ及び容器を粉砕機にかけて8mm角の粉砕品1を作製した。この粉砕品1と、ポリオレフィンAとポリアミド1及び成分(C)の変性ポリエチレン“アドマーGT6”(三井化学(株)製)とを表1に示す割合で混合させた後、押出温度210℃にて、熱可塑性樹脂組成物を得て、燃料透過量、衝撃穴あけ強度を求めた。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で得られたポリアミド1を97重量部と、モンモリロナイト(白石工業(株)製、商品名「オルベン」)3重量部とをドライブレンドした後、該混合物を秤量フィーダーにて12kg/時間の速度で、シリンダー径37mm、逆目エレメントによる滞留部を有する強練りタイプのスクリューをセットした二軸押出機に供給した。シリンダー温度210℃、スクリュー回転数500rpm、滞留時間75秒の条件で溶融混練を行い、溶融ストランドを冷却エアーにて冷却、固化した後、ペレタイズ化し、ポリアミド2を得た。
ポリアミド2をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を得て、燃料透過量、衝撃穴あけ強度を求めた。結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリオレフィンAとポリアミド3(ポリメタキシリレンアジパミド;三菱ガス化学製、商品名「MXナイロン S6121」;融点240℃)及び変性ポリエチレンとを表2に示す割合で混合させた以外は実施例1と樹脂組成物3とを混合させた後、押出温度240℃にて、熱可塑性樹脂組成物を得て、燃料透過量、衝撃穴あけ強度を求めた。結果を表2に示す
<実施例3>
比較例1で作製した容器及びバリを粉砕し、粉砕品2を作製した。この粉砕品2と、ポリオレフィンAとポリアミド3及び変性ポリエチレンとを表1に示す割合で混合させた後、押出温度240℃にて、熱可塑性樹脂組成物を得て、燃料透過量、衝撃穴あけ強度を求めた。結果を表1に示す。
<比較例2>
ポリアミド1の代わりにポリアミド4(ナイロン6;宇部興産製、商品名「UBEナイロン1030B」)を用い、押出温度220℃とした以外は、実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を得て、燃料透過量、衝撃穴あけ強度を求めた。結果を表2に示す。
<比較例3>
ポリオレフィンA(高密度ポリエチレン;日本ポリエチレン(株)製ノバテックHB−431、190℃−2160gにおけるMFR=0.35g/10分)を用いて、燃料透過量、衝撃穴あけ強度を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2006241299
Figure 2006241299
本発明で得られる熱可塑性樹脂組成物は、バリア性、リサイクル性、耐熱性や成形加工性に優れており、燃料用容器、チューブ、部品等、種々の成形体に利用できる。

Claims (7)

  1. (A)ポリオレフィン、(B)メタキシリレンジアミン構成単位を70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が3:7〜10:0である構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを含むポリアミド樹脂、(C)変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、ならびに(D)ポリオレフィン、前記ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体から選ばれる成分を少なくとも1種含有する再使用樹脂を混合してなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物中に、ポリオレフィン(X)、前記ポリアミド樹脂(Y)、ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(Z)を、(X)50〜97重量%、(Y)2〜45重量%、(Z)1〜45重量%の割合((X)、(Y)、(Z)の合計は100重量%)で含むことを特徴とする、燃料バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記(A)、(B)および(C)を合計で100重量部と(D)再使用樹脂5〜200重量部を混合してなる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (D)再使用樹脂が、樹脂成形工程で発生した樹脂固形物を回収したものである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が3:7〜9.5:0.5である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミド樹脂100重量部に対して、(E)有機膨潤化剤で処理したスメクタイト0.3〜20重量部が分散してなる請求項1乃至4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミド樹脂の融点が160〜240℃である請求項1乃至5記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6記載の熱可塑性樹脂組成物からなる層を少なくとも一層含む多層成形体。
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