JP2006240959A - Iii族窒化物結晶成長方法およびiii族窒化物結晶成長装置 - Google Patents

Iii族窒化物結晶成長方法およびiii族窒化物結晶成長装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 融液保持容器の外形寸法を大きくすることなく、また、大量のアルカリ金属を必要とせずに、大きなIII族窒化物単結晶を得る。
【解決手段】 III族窒化物を溶融する融液保持容器2の部分を溶融部分7とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器2の部分を輸送部分8とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器2の部分を結晶成長部分9とする場合、輸送部分8の内径を結晶成長部分9の内径よりも小さくしている。これによって、融液保持容器2内の融液3の対流を抑え、ヒーター5,6によって温度差を付けやすくしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置に関する。
一般に、高品質の半導体層を基板上にエピタキシャル成長させる場合には、基板と半導体層の格子定数や熱膨張係数が同程度である必要がある。しかし、III族窒化物半導体はこれらを同時に満足する基板が世の中には存在しない。
従って、III族窒化物では、一般に、サファイアやGaAsのようなIII族窒化物半導体とは格子定数や熱膨張係数の大きく異なる異種基板上に、ELO等の結晶成長技術を用いて厚膜GaNを成長し、それを基板として半導体レーザー結晶を作製している。
しかるに、異種基板を用いて結晶成長されたGaN基板は、転位密度が10cm−2程度と非常に多くの結晶欠陥が含まれており、実用的な高出力のレーザー素子や電子デバイスを作製するには未だ十分な品質であるとはいえない。
一方、高品質なGaN基板を作製するためのGaNバルク単結晶を作製する試みが様々な研究機関においてなされているが、いまだに数ミリ程度のものしか得られていないのが現状であり、実用化には程遠い状態である。
また、アルカリ金属中でIII族窒化物を溶融再結晶化させてIII族窒化物単結晶を作製する試みがなされているが、この方法でも数ミリ程度のものしか得られていないのが現状である。
非特許文献1(従来技術1)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が示されている。この方法は、フラックスとしてのアジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、この反応容器を600℃〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。この方法では、600℃〜800℃程度の比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧も高々100kg/cm程度と低く出来る点が特徴である。
また、特許文献1(従来技術2)には、アルカリ金属中でIII族窒化物をIII族金属と窒素とに分解した後、III族窒化物結晶を成長させる方法が記載されている。
Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413−416 特開2003-160399号公報
上述した従来技術では、アルカリ金属とIII族窒化物を融液保持容器内に収容し、融液保持容器に温度差をつけて高温部分でIII族窒化物をアルカリ金属中に溶融し、低温部分でIII族窒化物が再結晶化するようにしている。
しかしながら、溶融再結晶化によるIII族窒化物の単結晶成長では、大きな結晶を作製するには融液保持容器の内径を大きくすることが必要となるが、融液保持容器の内径を大きくすると、アルカリ金属の融液(溶融したIII族金属も含む)の対流によって温度差が付きにくくなる。温度差を付けるためには融液保持容器を長いものにすることが有効であるが、融液保持容器を長いものにすると大量のアルカリ金属が必要となるため、結晶成長後の処理作業に大きな負担がかかることとなる。
本発明は、融液保持容器の外形寸法を大きくすることなく、また、大量のアルカリ金属を必要とせずに、大きなIII族窒化物単結晶を得ることの可能なIII族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のIII族窒化物結晶成長方法において、輸送部分の内径を結晶成長部分の内径よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長装置において、融液保持容器内における融液の対流を抑える対流抑制手段が融液保持容器内に設けられていることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくするものであることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の内径を結晶成長部分の内径よりも小さくするものであることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、融液保持容器内の輸送部分の内側に設けられた突起であることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、融液保持容器内の輸送部分の内側に設けられた複数のフィンであり、それぞれのフィンの穴が、互いに直線上からずらして配置されていることを特徴としている。
請求項1乃至請求項2記載の発明によれば、温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくして、結晶成長を行なうようにしており、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくすることで、融液保持容器内における融液の対流を抑制することができ、これによって、融液保持容器を大きくすることなく、大量のアルカリ金属を必要とせずに(少量のアルカリ金属で)、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
また、請求項3乃至請求項7記載の発明では、温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長装置において、融液保持容器内における融液の対流を抑える対流抑制手段が融液保持容器内に設けられているので、融液保持容器を大きくすることなく(これにより、グローブボックス内での作業に支障を生じさせずに済み)、大量のアルカリ金属を必要とせずに(少量のアルカリ金属で)、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下、本発明において「融液」とは、アルカリ金属の融液(溶融したIII族金属も含む)を意味するものとする。
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうことを特徴としている。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、第1の形態のIII族窒化物結晶成長方法において、輸送部分の内径を結晶成長部分の内径よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうことを特徴としている。
本発明の第1,第2の形態では、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうので、融液保持容器内における融液の対流を抑制することができ、これによって、融液保持容器を大きくすることなく、大量のアルカリ金属を必要とせずに(少量のアルカリ金属で)、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長装置において、融液保持容器内における融液の対流を抑える対流抑制手段が融液保持容器内に設けられていることを特徴としている。
(第4の形態)
本発明の第4の形態は、第3の形態のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくするものであることを特徴としている。
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、第3または第4の形態のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の内径を結晶成長部分の内径よりも小さくするものであることを特徴としている。
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、第3乃至第5のいずれかの形態のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、融液保持容器内の輸送部分の内側に設けられた突起であることを特徴としている。
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、第3乃至第5のいずれかの形態のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、融液保持容器内の輸送部分の内側に設けられた複数のフィンであり、それぞれのフィンの穴が、互いに直線上からずらして配置されていることを特徴としている。
本発明の第3乃至第7の形態では、融液保持容器内における融液の対流を抑える対流抑制手段が融液保持容器内に設けられているので、融液保持容器を大きくすることなく(これにより、グローブボックス内での作業に支障を生じさせずに済み)、大量のアルカリ金属を必要とせずに(少量のアルカリ金属で)、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
具体的に、第6の形態のように、対流抑制手段として、輸送部分の内側に突起を設けることで、融液の対流を抑制することができ、これによって、融液保持容器を大きくすることなく、また、少量のアルカリ金属で、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
また、第7の形態のように、輸送部分に複数のフィンを設け、それぞれのフィンの穴を直線からずらして設置することによっても、融液の対流を抑制することができ、これによって、融液保持容器を大きくすることなく、また、少量のアルカリ金属で、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。
図1は従来のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。図1を参照すると、反応容器1内には融液保持容器2が保持され、融液保持容器2内には、アルカリ金属3とIII族窒化物4が収容されている。また、図1の装置では、2つのヒーター5,6によって融液保持容器2の上下間で温度差を付けられる構造となっている。
図1の装置で溶融再結晶化を行なうには、ヒーター5の温度を高く設定し、ヒーター6を低い温度に設定する。これにより、融液保持容器2の下側が高温となり、III族窒化物4が溶融しアルカリ金属3が拡散することで上側に移動していき、温度が低い部分で再結晶化する。この温度差を得るためには融液保持容器2の長さ(高さ)をある程度長くすることが必要となる。大きな結晶を得るために融液保持容器2の内径を大きくすると、図1に示した矢印のようにアルカリ金属の融液3(溶融したIII族金属も含む)が対流することで温度差が少なくなるため、融液保持容器2の長さをさらに長いものにすることが必要となる。すなわち、図1に示すような従来のIII族窒化物結晶成長装置では、融液3が対流することで、大きな結晶を得るためには、融液保持容器2を大きくしなければならず、また、大量のアルカリ金属を必要とした。
図2は実施例1のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。
実施例1では、図2に示すように、融液保持容器2を溶融部分7,輸送部分8,結晶成長部分9と分けたとき(すなわち、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合)、輸送部分8の内径を結晶成長部分9の内径よりも小さくしている。これによって、融液保持容器2内の融液3の対流を抑え、ヒーター5,6によって温度差を付けやすくしている。そして、結晶成長部分9は内径が小さくなっていないので、この結晶成長部分9で大きな結晶が得られるようになっている。
このように対流を抑えることで温度差を付きやすくすると、所定の大きさの結晶を得るのに、従来に比べて融液保持容器2の長さを抑えることが可能となり、グローブボックス内での原料の仕込みが容易となるばかりか、アルカリ金属3の量を減らすことができる。
具体的に、図2の例では、融液保持容器2は、内径がφ50mmで、深さが80mmの円筒形となっており、輸送部分8に突起10を設けてこの部分の内径を小さくしている。すなわち、この実施例1では、輸送部分8の突起10は、融液保持容器2の底から10mmのところから高さ50mmまでにわたり内径がφ20mmとなるように形成されている。なお、融液保持容器2の突起10は、融液保持容器2と一体である必要はなく、後述のように、例えば図4に示すようなスペーサ11を融液保持容器2内に設置するものでも良い。
このような融液保持容器2にアルカリ金属としてNaを70g入れ、また、III族窒化物としてGaNを3g入れて、結晶成長を行った。結晶成長温度はGaNの溶融部分7が800℃、結晶成長部分9が750℃になるよう、ヒーター5,6を調節している。なお、上記温度は、融液3の温度を直接測ることができないため、融液保持容器2に近接させた熱電対2本で測ったものである。この状態で150時間保持して結晶成長を行ったところ、結晶成長部分9にGaN単結晶を得ることができた。
比較のため、融液保持容器2に突起10を設けないで結晶成長を行ったが、Naの仕込み量は130g必要となり、実施例1の約2倍にも達した。また、実施例1と同じ条件で結晶成長を行ったが、GaN結晶を得ることはできなかった。これは、おそらく融液3の対流によって温度差が十分に付かなかったためであると考えられ、温度差を付けるためには融液保持容器2の長さをもっと長くする必要があると考えられる。これらのことから、実施例1では、融液保持容器2の突起10によるNa量を少なくする効果と、融液保持容器2の長さを短くできることからくる全体のNa量を少なくする効果との両方の効果がある。
このように、実施例1では、輸送部分8に突起10を設けてこの部分の内径を小さくしていることにより、融液保持容器内における融液の対流を抑制することができ、これによって、融液保持容器を大きくすることなく、大量のアルカリ金属を必要とせずに(少量のアルカリ金属で)、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
図3は実施例2のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。
実施例2では、図3に示すように、融液3の対流を抑制するために輸送部分8に複数のフィン12を設け、それぞれのフィン12の穴13を直線からずらして配置している。
より具体的に、実施例3では、フィン12を3段にし、融液保持容器2の底から15mmの所に1段目のフィンを設け、2段目と3段目もそれぞれ15mmの間隔となるようにした。また、フィン12の穴13は直径2cmとし、それぞれ直線に並ばないようにした。
このような融液保持容器2にアルカリ金属としてNaを120g入れ、また、III族窒化物としてGaNを3g入れて、結晶成長を行った。結晶成長温度はGaNの溶融部分7が800℃、結晶成長部分9が750℃になるよう、ヒーター5,6を調節している。なお、上記温度は、融液3の温度を直接測ることができないため、融液保持容器2に近接させた熱電対2本で測ったものである。この状態で150時間保持して結晶成長を行ったところ、結晶成長部分9にGaN単結晶を得ることができた。
このように、実施例2では、輸送部分8に複数のフィン12を設け、それぞれのフィン12の穴13を直線からずらして配置していることにより、融液保持容器内における融液の対流を抑制することができ、これによって、融液保持容器を大きくすることなく、大量のアルカリ金属を必要とせずに(少量のアルカリ金属で)、大きなIII族窒化物単結晶を得ることができる。
図4は実施例3のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。図4を参照すると、実施例3では、実施例1のように融液保持容器2に突起を設けるのに、突起(スペーサ)11は、個別に作製され、融液保持容器2内に挿入可能に構成されたものとなっている。
より具体的に、実施例3では、突起(スペーサ)11は、外形がφ49mm、高さが50mmのBN(ボロンナイトライド)を図4のように加工し、BN(ボロンナイトライド)製の融液保持容器2(内径がφ50mm、深さが80mm)内に挿入している。
このような突起(スペーサ)11を用いて実施例1に示す条件で結晶成長させた結果、結晶成長部分9にGaN単結晶を得ることができた。
このように実施例3では、実施例1において、突起を個別に作製し、融液保持容器内に挿入することで、輸送部分の内径が小さい融液保持容器を簡単に作製することができる。
図5は実施例4のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。図5を参照すると、実施例4では、実施例2のように融液保持容器2にフィンを設けるのに、フィン12は、個別に作製され、融液保持容器2内に挿入可能に構成されたものとなっている。
より具体的に、実施例4では、フィン12は、外形がφ49mm、高さが15mmのBN(ボロンナイトライド)を図5のように加工しており、BNの肉厚は5mmとし、穴13はセンターからずらして開口され、融液保持容器2に挿入する際に直線上にならないように角度をずらして設置している。
このようなフィン12を用いて実施例2に示す条件で結晶成長させた結果、結晶成長部分9にGaN単結晶を得ることができた。
このように実施例4では、実施例2において、フィンを個別に作製し、融液保持容器内に挿入することで、輸送部分の内径が小さい融液保持容器を簡単に作製することができる。
本発明は、光ディスク用青紫色光源、紫外光源(LD、LED)、電子写真用青紫色光源、III族窒化物電子デバイスなどに利用可能である。
従来のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。 実施例1のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。 実施例2のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。 実施例3のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。 実施例4のIII族窒化物結晶成長装置を示す図である。
符号の説明
1 反応容器
2 融液保持容器
3 アルカリ金属(融液)
4 III族窒化物
5,6 ヒーター
7 溶融部分
8 輸送部分
9 結晶成長部分
10 突起
11 スペーサ
12 フィン
13 フィンの穴

Claims (7)

  1. 温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうことを特徴とするIII族窒化物結晶成長方法。
  2. 請求項1記載のIII族窒化物結晶成長方法において、輸送部分の内径を結晶成長部分の内径よりも小さくして、III族窒化物の結晶成長を行なうことを特徴とするIII族窒化物結晶成長方法。
  3. 温度差を設けた融液保持容器内にアルカリ金属融液とIII族窒化物原料を収容し、融液保持容器内の高温部でIII族窒化物をアルカリ金属融液中に溶融し、低温部でIII族窒化物を再結晶化させることでIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長装置において、融液保持容器内における融液の対流を抑える対流抑制手段が融液保持容器内に設けられていることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  4. 請求項3記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の断面積を結晶成長部分の断面積よりも小さくするものであることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  5. 請求項3または請求項4記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、III族窒化物を溶融する融液保持容器の部分を溶融部分とし、溶融したIII族窒化物が輸送される融液保持容器の部分を輸送部分とし、輸送されたIII族窒化物が再結晶化する融液保持容器の部分を結晶成長部分とする場合、輸送部分の内径を結晶成長部分の内径よりも小さくするものであることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、融液保持容器内の輸送部分の内側に設けられた突起であることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  7. 請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記対流抑制手段は、融液保持容器内の輸送部分の内側に設けられた複数のフィンであり、それぞれのフィンの穴が、互いに直線上からずらして配置されていることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
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