JP2006240646A - 液体容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップ無しの形態で、かつ高いシール強度が確保し易い超音波融着にて閉鎖体を取り付けることができるようにし、内容物の漏れがなく、取り扱いの容易な液体容器を得る。
【解決手段】容器本体2に配した口具3を、挿入孔4を中央に位置させた口具本体5と、ノズル挿入方向での上方側から挿入孔4を覆ってノズルによる突き刺し開口が可能な閉鎖体6とからなるものとし、口具本体5は、挿入孔4の周囲に広がる環状部位7を介した筒状部位8を備え、閉鎖体6の外周部を、環状部位7と、筒状部位8の基端との少なくとも一方に融着した。
【選択図】 図1

Description

本発明は口具の閉鎖部分を吸引用のノズルで破ることでそのノズルで収納液体を吸引できるようにした液体容器に関するものである。
従来から、吸引用のノズルを有した吸引機構により液体を取り込む装置に対応した液体容器にあっては、吸引機構との接続に際して、ノズルを突き刺しした時点で液体の流路が形成されるようにするため、液体容器の注出口をノズルの突き刺し開口ができるシート状部材で覆い、そしてノズルが通る開口を有したキャップを注出口に取り付けることでキャップと注出口とでシート状部材を挟み込み支持し、必要時にキャップの上方からノズルをシート状部材に突き刺すことができる構成が提案されている(特許文献1、2参照)。
また、インキ収納用の液体容器においても、インキ充填装置や印刷装置などとその液体容器との接続を簡単に行なうためにノズルの差し込みに対応できる構成の開発が試みられており、剛性液体容器のノズル装着開口を容器本体内に移動可能に配した中栓で開閉できる工夫が提案されている(特許文献3参照)。
特開平11−91809号公報 特開平11−91810号公報 特開2004−237722号公報
上述したインキ収納用途の液体容器においては、一般オフィス用複写機におけるインキ収納用の液体容器もあり、複写機のインキの吸引機構に対してインキ充填済みの新規の液体容器をユーザーが装填する手間を考慮して上記ノズルの突き刺しにて流路が形成できるようにしたものがある。
このインキを収納した液体容器は、図11に示すようにフレキシブルなフィルム素材で少なくとも表面積の半分以上が構成された容器本体aに、吸引機構側のノズルbが通ることのできる挿入孔cが開口されている口具dを取り付けたものである。そして、口具dにあっては、挿入孔cの径より大口径とした筒状部位eの奥面側の中央にその挿入孔cを位置させ、挿入孔cの周囲を環状部位fとした構造としていた。
このような液体容器では、予め挿入孔cからインキが容器本体a内に充填され、その後、筒状部位eに囲まれた空間にノズルによる突き刺し開口が可能な閉鎖体gを、筒状部位eの内側に形成されたアンダーカットhを超える位置まで押し込んでいて、前記環状部位fに対する閉鎖体gを押し付けで挿入孔cを覆うようにしている。そして、前記閉鎖体gを押さえ付けることができるように筒状部位eに囲まれた空間に入る凹部iを備えたキャップjを口具dに取り付けたものが製品として一般のユーザー向けに出荷されている。
この液体容器では、粘度の高いインキが吸引し易いように容器本体の側面における容器下端側に側方に口具が向いた口具レイアウトとしたり、容器本体の底面に口具が下方に向いた口具レイアウトとすることがある。
上記複写機では、ユーザーがキャップを外してから容器を複写機の充填部位に配し、装填部の操作を行なうようにしており、その操作によって口具の上記閉鎖体に対して複写機側の吸引機構にあるノズルが突き刺さり、インキを吸引できる流路が形成されるようにしている。
しかしながら、この液体容器にあっては以下に示す問題があった。
まず、容器内のインキの使用残存を極力少なくするべく、インキの吸引に伴って容器本体の内容量が小さくなるようにフレキシブルなフィルム材を使用しているため、新規なインキが充填された液体容器においてキャップを外した後の取り扱い時に容器本体を強く圧迫すると、キャップの凹部による閉鎖体の支持がなくなっていることも関連して内容物であるインキが挿入孔で閉鎖体を押して漏れ出る可能性があった。
つぎに閉鎖体を環状部位に押さえ付けているアンダーカットだけでの押さえ付け力では、流動性の高い液体の漏れを防止することができないという危惧がある。即ち、収納物のインキが分解気味になると低粘度の成分が分離することがあり、この低粘度で流動性の高い成分の漏れを確実に防止するには、アンダーカットによる閉鎖体の押し付け力が不足している。
また、不正な再充填の問題があった。製品の液体容器が上述したように閉鎖体をアンダーカットを越えるように押し込んで挿入孔を閉じたものであったため、使用済みの液体容器の口具から正規な閉鎖体(開口済み)を取り除き、不正充填した後に間に合わせのシートを押し入れて挿入孔を閉じることが行われる可能性が高く、このような液体容器では内容物のインキが不完全な挿入孔の閉鎖によって酸化したり、乾燥したりする。そして、このような不正再充填された液体容器を複写機にセットすることで、複写機側にトラブルが起こる可能性がある。
つぎに、この液体容器では上述したように挿入孔から内容物を充填し、閉鎖体を押し入れてからその閉鎖体の外周部と挿入孔周りにある上記環状部位とを熱シールしているものがあるが、内容物の充填の際、内容物が環状部位に付着することがあり、この状態で閉鎖体を配置して熱シールしてもシール強度が著しく低く、内容物の漏れを防止できないという問題があった。
なお、口具以外から容器本体に充填するには、単純なシールで確実に閉鎖できる構成のものでなければならず、そうすると、液体容器全体がかさばった形になったり、容器本体のフィルム材などを多く必要としたり、吸引できずに使用終了となった状態での液体容器に残るインキ残量が多くなるという問題が発生する。
そして、つぎの問題としては、複写機への液体容器の装填でユーザーが上記キャップを付けたままでの装填を行ない、ノズルを損傷してしまうということがある。即ち、凹部(閉鎖体を支持する部分)を有したキャップ形状であるため、その凹部をユーザーがノズル挿入部分と見間違えてキャップ付きのままで装填をしてしまうものであった。このため、キャップ付き装填のトラブルが生じないようにすることが望まれていた。
そこで本発明は上記事情に鑑み、キャップ無しの形態で、かつ高いシール強度が確保し易い超音波融着にて閉鎖体を取り付けることができるようにすることを課題とし、内容物の漏れがなく、取り扱いの容易な液体容器を得ることを目的とするものである。
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、容器本体に、該容器本体に収納した液体を引き出す吸引機構のノズルが挿入可能な挿入孔を有した口具を配置した液体容器であって、前記口具は、前記挿入孔を中央に位置させた熱融着可能な素材から成形されている口具本体と、口具正面から容器本体内側に向けてノズルを差し込むノズル挿入方向での上方側から前記挿入孔を覆い、ノズルによる突き刺し開口が可能な閉鎖体とからなり、前記口具本体は、挿入孔の周囲に広がる環状部位を介してノズル挿入方向上方に向けて延設された筒状部位を備え、前記閉鎖体の少なくとも外周部が熱融着可能な素材からなり、該この閉鎖体の外周部が、前記環状部位と、この環状部位との連続部分であって環状部位に対してノズル挿入方向上方位置となる筒状部位の基端との少なくとも一方に融着されて、前記閉鎖体により口具を介した液体流路が閉じられていることを特徴とする液体容器を提供して、上記課題を解消するものである。
また、本発明において、上記環状部位との連続部分であって環状部位に対してノズル挿入方向上方位置となる筒状部位の基端に、段状の閉鎖体融着部が一体に設けられているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記挿入孔の開口周縁をノズル挿入方向上方に向けて突出して内筒部が一体に設けられているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記内筒部の突出高さ位置が、上記閉鎖体の融着位置よりノズル挿入方向上方とすることが良好である。
また、本発明において、上記環状部位と閉鎖体との間に、クッション性を有する環状の発泡シートが位置しているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記発泡シートはポリエチレン樹脂から成形されたものであることが良好である。
また、本発明において、上記閉鎖体は環状のプレートに二軸延伸してなるフィルムを一層含むシートを貼り合わせてなり、前記プレート内に位置するシートが上記挿入孔に対応位置するものであることが良好である。
また、本発明において、上記閉鎖体の外周部は口具本体に超音波融着されていることが良好である。
また、本発明において、上記口具本体が破断容易なフィルムで覆われているものとすることが良好である。
(請求項1)
請求項1の発明により、従来のキャップを用いないので省資源化が図れるとともに、上述したようなキャップを取り付けたままでのノズル付き吸引機構への液体容器の装填に際して生じていたノズルの破損を防止することができる。
そして、液体容器がキャップを有しない商品形態となるため、この液体容器を複写機に用いるインキを収納した容器としてその複写機に装填するものであるときには、一般のユーザーに対して、内容物が多く残っている状態での容器を不必要に取り外すという気持ちを生じさせず、内容物を最後の可能な量まで吸引する利用の形態に導くようになる。これによって収納物の経済的な使用が図れるとともに、収納物が多く残った状態での液体容器の廃棄が防止できるようになる。さらに、キャップを有しない商品形態となるので、内容物使用済みの空容器では容器内部の保全が不可能となり、再利用できる容器とはならずに廃棄物として確実に取り扱われるようになる。
よって、一旦複写機などから液体容器を取り外し、期間をおいて再び液体容器を装填するような不適切な使用形態や、使用済み空容器に不正充填した容器の不正使用形態で生じ易かった固化した内容物が機器側に吸い込まれて発生する不具合を未然に防止できる。
さらに口具本体と閉鎖体の少なくとも外周部とが熱融着可能であるので、シール強度の高い超音波融着が行えるようになり、充填済みの液体容器における口具のシール性を高め易くなるという利点がある。
(請求項2)
請求項2の発明により、閉鎖体を口具本体の筒状部位に囲まれた空間に入れるだけでその閉鎖体の外周部を閉鎖体融着部に対応位置させることができ、閉鎖体融着の際のその閉鎖体の位置決めが容易になる。また、閉鎖体と口具本体とを超音波融着するものであったときには、超音波融着の部分が挿入孔から離れた位置となり、融着時に溶融して粉になった樹脂が挿入孔に入らないようにすることができる。
(請求項3)
請求項3の発明により、挿入孔の周りに内筒部があるので、閉鎖体と口具本体とを超音波融着するものであったときには、融着時に溶融した樹脂が粉になって挿入孔に入るのを防止することができる。
(請求項4)
請求項4の発明により、挿入孔の周りに内筒部があるので、閉鎖体と口具本体とを超音波融着するものであったときには、融着時に溶融した樹脂が粉になって挿入孔に入るのを防止することができる。
(請求項5)
請求項5の発明により、発泡シートが超音波融着の際の超音波振動を吸収するため、発泡シート自体が溶融せずにクッション性を確保し、この発泡シートを介在している部分での閉鎖体と対応部との位置関係の誤差を許容して熱融着時の圧接に際して閉鎖体と対応部とが確実に接するようになる。即ち、閉鎖体や口具本体に形状誤差があって閉鎖体を配置したときに閉鎖体が設計上の適正位置になくとも、熱融着時の圧接に際して発泡シートが変形して閉鎖体と対応部とが確実に接することとなる。よって、閉鎖体の外周部と口具本体の対応部とに高い製造精度が要求されず、製造コストを引き下げることができる。
さらに、発泡シートが超音波融着したときに生じる樹脂粉を捕捉し、樹脂粉が挿入孔に入り込むのを防止するようになる。
(請求項6)
請求項6の発明により、発泡シートを低コストにて製造することができる。そして、発泡材料としてよくみられるポリウレタン樹脂のものに比べ長期に亘り劣化が少なく、また内容物への影響が少ないという利点がある。
(請求項7)
請求項7の発明により、ノズルの突き刺しによって閉鎖体が裂けるように開口し、切断片が容器本体に入ることを防止できる。
(請求項8)
請求項8の発明により、閉鎖体の外周部が対応する口具本体側の対応部に容器本体に充填した際の内容物の一部が付着し、仮にこの状態で閉鎖体が配置され、閉鎖体の外周部と口具本体の対応部との間に内容物が位置していたとしても、超音波融着の振動で内容物が除かれ確実に融着するようになる。
(請求項9)
請求項9の発明により、口具に異物が入らない状態で破断容易なフィルムを被せたままノズルの差し込みができ、突き刺しの際の異物引き込みによるノズルの損傷を防止できる。
つぎに本発明を図1から図10に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は液体容器で、該液体容器1はフレキシブルでヒートシール性があって超音波融着も可能なフィルム素材で構成された容器本体2と、この容器本体2の側面の下端側に寄せて取り付けられた口具3とからなるものである。この液体容器1は粘度の比較的高い内容物、例えばインキなどの液体が収納される容器であって、前記口具3を通して内容物の充填を行なってから口具3を閉じ、そしてこの液体容器1を複写機のインキ吸引機構が備えられている容器装填部などのように収納した内容物を吸引するための吸引機構との接続を前記口具3に対して行なうことでこの口具3が開き、内容物を送出できるようにしている。図2に示すように内容物の充填と吸引に対応するために口具3では、液体を引き出す吸引機構のノズルが挿入可能な挿入孔4を有し、内容物充填後に前記挿入孔4が閉じられ、ノズルによる突き刺しで挿入孔4の閉状態が解かれる構成としている。よって、本液体容器1では、内容物を充填して口具3の挿入孔4が閉じられた製品の形態となり、後述するように挿入孔4に対する確実な閉鎖を確保してキャップを不要としている。なお、図1において、口具正面から容器本体内側に向けてノズルを差し込むノズル挿入方向を矢印Xで示した。
口具3は超音波融着可能な素材から成形されている口具本体5と閉鎖体6とから構成されている。前記口具本体5は図示されているように上記挿入孔4を有するものであり、その挿入孔4の周囲に環状部位7が広がり、その環状部位7の周りにノズル挿入方向上方に向けて延設されて周方向に連続する立壁からなる筒状部位8を一体に備え、前記筒状部位8でのノズル挿入方向上方側、即ち先端側をテーパー状に開いた受け口9としている。また、筒状部位8の外周には上記容器本体2のフィルム素材の内面に超音波融着されているフランジ10を一体に備えているとともに、この口具本体5の容器本体内部側に位置する部分には、前記環状部位8の容器本体内方側となる面からノズル挿入方向下方に向けて突出する複数の凸部11も一体に備えている(図2参照)。
なお、前記複数の凸部11は容器本体の内部側に向けて差し込まれたノズルが内容物を吸引するときの吸引力を損なわない隙間を持って配置されていて、ノズル吸引時にノズル先端周りの領域が対向側のフィルム素材で閉鎖されないようにして内容物のノズル側への流れ空間を確保するものである。
上記実施の形態での環状部位7には、挿入孔4の周りを囲む凹溝12が構成されている。即ち、挿入孔4の開口周縁をノズル挿入方向上方に向けて突出させて挿入孔4の周方向に連続する立壁からなる内筒部13を一体に備え、この内筒部13と前記筒状部位8との間が凹溝12として形成されている。
また、閉鎖体6を乗せた状態の図3に示すように、環状部位7との連続部分であって、環状部位7に対してノズル挿入方向上方位置となる筒状部位8の基端8aには、筒状部位8で囲まれた内空間A側で段状にして閉鎖体融着部(エネルギーダイレクタ)14が一体に設けられていて、ノズル挿入方向において、上記内筒部13の突出高さ位置がこの閉鎖体融着部14の高さ位置より上方位置となるように設けられている。
挿入孔4を覆う上記閉鎖体6は外周部をノズル挿入方向下方に向けて厚肉となるようにし、中央部をフィルム状の薄肉にした形態であって、熱融着可能な素材から成形された環状のプレート15の上面に二軸延伸してなるフィルムを一層含むシート16を貼り合わせたものである(図5)。
閉鎖体6の外径は上記筒状部位8の内径より少し小さく設定されて平面を円とした形状であり、筒状部位8で囲まれた内空間Aに挿入することで環状のプレート15が凹溝12に対応するように配置され、中央部で単独に張設された状態となるシート16が挿入孔4の上方に対応するように設けられている。
図3に示されているように閉鎖体6を内空間Aに入れたときには、上記プレート15は内筒部13の上端に乗ることなく凹溝12に若干入り込み、上記閉鎖体融着部14にプレート15の下面の外縁17が乗った状態で接触するようにしている。このように内空間Aに入れられて閉鎖体融着部14に閉鎖体6の外周部が乗った状態にし、ノズル挿入方向上方から超音波融着機のホーンを閉鎖体6のプレート15に押圧してその融着機を動作させ、前記閉鎖体6の外周部、即ちプレート15の下面の外縁17と段状の閉鎖体融着部14とを超音波融着している(図4)。このようにすることにより液体容器1では閉鎖体6により口具3を介した容器本体2から外部への液体流路が閉じられた構造となっている。
図4では閉鎖体6のプレート15が閉鎖体融着部14に超音波融着されている状態を示している。プレート15と閉鎖体融着部14とを超音波融着したことで、プレート15が閉鎖体融着部14に乗っている状態に比べて、プレート15が凹溝12に深く入った状態となる。
超音波融着に際して融着する部分で溶けた樹脂が粉として飛び散る可能性があるが、本実施の例では上述したように閉鎖体融着部14が内筒部13の突出高さ位置よりノズル挿入方向下方に位置しているため、内筒部13が防護壁となり、飛び散る粉が挿入孔4に入るのを防止している。
なお、閉鎖体6が内空間Aの中心に対して芯ずれした状態で配置されても、プレート15の下面の外縁17が閉鎖体融着部14から外れないようにプレート15の外径および閉鎖体融着部14の内空間Aの中心への張り出し寸法が設定されている。同じく、閉鎖体6が内空間Aの中心に対して芯ずれした状態で配置されても、プレート15の内周面が内筒部13に接触しないようにプレート15の内径が設定されている。
充填された内容物を吸引する場合には、上述したように複写機の容器装填部分などにある吸引機構のノズルに口具3が対応するように液体容器1を装填してから、例えば機器側の操作で口具3がノズル側にあてがわれ、そのノズルが閉鎖体6の中央部にあるシート16を突き刺し開口して挿入孔4に入り込むようにすればよい。これによって内容物の吸引が行えるものとなる。
上記実施の形態では、口具本体5の筒状部位8の基端8aに段状にして閉鎖体融着部14を設けて、ここに閉鎖体6のプレート15を超音波融着したが、図6に示すように環状部位7にも挿入孔4を取り囲むレイアウトにした突堤状の閉鎖体融着部(エネルギーダイレクタ)18を一体に設け、超音波融着をこの環状部位7の閉鎖体融着部18とプレート15の下面との間でも行なったものとすることができる。勿論、基端8aに閉鎖体融着部14を形成せずに、環状部位7の前記閉鎖体融着部18とプレート15の下面とだけで超音波融着を行なう構成としてもよい。
また、図7に示すように上記受け口9を破断容易なフィルム19で覆うようにしてもよく、このようにすれば未使用状態の液体容器における口具3に異物が混入するのを防止できる。この場合、ノズルでフィルム19も合わせて突き刺し開口すれば手間を要することがない。
図8から図10は他の実施の形態を示している。上記実施の形態では挿入孔4の開口周縁に内筒部13を一体に設けて、超音波融着時の溶けた樹脂の粉が挿入孔4に入るのを防止していたが、この実施の形態では内筒部を有しておらず、他の手段によって樹脂粉が挿入孔4に入るのを防止している。
図示されているように、この実施の形態では環状部位7の挿入孔4の開口周縁をノズル挿入方向下方に段状にして落とし込んで発泡シート受け部20を形成している。そして、この発泡シート受け部20に開口部分を挿入孔4と同じ広さとした環状の発泡シート21を配置して、閉鎖体6のプレート15の下面(ノズル挿入方向下方側となる面)と環状部位7の段落ちした部分である前記発泡シート受け部20の上面との間に前記発泡シート21が介在するように設けられている。また、閉鎖体6のプレート15の下面の外縁17は上記基端8aに位置して上面が内空間中心の下方に向けて傾斜している閉鎖体融着部14に対応している。
この実施の形態では、図8に示すように閉鎖体6のプレート15からなる外周部の下面に上記発泡シート21を介在し、プレート15の外縁17が閉鎖体融着部14に対応するように内空間A内に配置され(図9)、この状態でノズル挿入方向上方側から超音波溶着機のホーンがプレート15に対応する位置であてがわれ、押圧した状態で超音波融着機を動作させて、前記閉鎖体融着部14とプレート15の外縁17とが超音波融着されているものであり(図10)、これによって閉鎖体6が挿入孔4を覆って内容物の漏れを防止し、かつノズル突き刺し開口による内容物の吸引も行える構成としている。
この実施の形態では環状の発泡シート21の外径がプレート15の外縁17と揃わないようにプレート15の外径より小さく設定されていて、閉鎖体6を配置した際に前記プレート15の下面における前記外縁17を除いた領域で発泡シート21が接している。そして、この発泡シート21はポリエチレン樹脂から成形されたクッション性を有するシートであり、上記超音波融着機による振動を吸収して発泡シート21自体が溶融することがなく、クッション性を維持できるようにしている。さらにプレート15の外縁17と閉鎖体融着部14との超音波溶着で生じる溶けた樹脂の粉が飛び散ったとしても、この発泡シート21が樹脂粉を受け止めて挿入孔4に入るのを確実に防止し、樹脂粉が混入した内容物を吸引したことを原因とする複写機などの機械側の故障を回避できる。
なお、上述した各実施の形態での液体容器1は容器本体全体がフレキシブルなフィルム素材からなるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば容器本体において表面積の一部分を占める領域を上記口具本体の材質と同一の素材からなる硬質の面板とし、他の部分がフィルム素材からなる構造のものとすることも可能であり、その面板に口具本体を一体に形成することも可能である。また、上記閉鎖体6を、環状のプレート15の上面にシート16を貼り合わせたものとして示したが、閉鎖体6はこの構成に限定されるものではなく、プレートとシートとを一体に成形したものであってもよい。この場合の素材としてポリエチレン樹脂を用いることが良好である。
本発明に係る液体容器の一例を示す説明図である。 一例における口具を断面で示す説明図である。 閉鎖体を配置した状態でのプレートと閉鎖体融着部とを示す説明図である。 プレートの外縁と閉鎖体融着部とが融着した状態を示す説明図である。 閉鎖体を示す説明図である。 環状部位に閉鎖体融着部を設けた例を示す説明図である。 破断容易なフィルムで受け口を覆った例を示す説明図である。 他の例を断面で示す説明図である。 他の例において閉鎖体を配置した状態を示す説明図である。 他の例においてプレートの外縁と閉鎖体融着部とが融着した状態を示す説明図である。 従来例を示す説明図である。
符号の説明
1…液体容器
2…容器本体
3…口具
4…挿入孔
5…口具本体
6…閉鎖体
7…環状部位
8…筒状部位
8a…基端
9…受け口
13…内筒部
14…閉鎖体融着部
15…環状のプレート
16…シート
17…外縁
18…閉鎖体融着部
19…破断容易なフィルム
21…発泡シート

Claims (9)

  1. 容器本体に、該容器本体に収納した液体を引き出す吸引機構のノズルが挿入可能な挿入孔を有した口具を配置した液体容器であって、
    前記口具は、前記挿入孔を中央に位置させた熱融着可能な素材から成形されている口具本体と、口具正面から容器本体内側に向けてノズルを差し込むノズル挿入方向での上方側から前記挿入孔を覆い、ノズルによる突き刺し開口が可能な閉鎖体とからなり、
    前記口具本体は、挿入孔の周囲に広がる環状部位を介してノズル挿入方向上方に向けて延設された筒状部位を備え、
    前記閉鎖体の少なくとも外周部が熱融着可能な素材からなり、該この閉鎖体の外周部が、前記環状部位と、この環状部位との連続部分であって環状部位に対してノズル挿入方向上方位置となる筒状部位の基端との少なくとも一方に融着されて、
    前記閉鎖体により口具を介した液体流路が閉じられていることを特徴とする液体容器。
  2. 上記環状部位との連続部分であって環状部位に対してノズル挿入方向上方位置となる筒状部位の基端に、段状の閉鎖体融着部が一体に設けられている請求項1に記載の液体容器。
  3. 上記挿入孔の開口周縁をノズル挿入方向上方に向けて突出して内筒部が一体に設けられている請求項1または2に記載の液体容器。
  4. 上記内筒部の突出高さ位置が、上記閉鎖体の融着位置よりノズル挿入方向上方である請求項3に記載の液体容器。
  5. 上記環状部位と閉鎖体との間に、クッション性を有する環状の発泡シートが位置している請求項1から4の何れか一項に記載の液体容器。
  6. 上記発泡シートはポリエチレン樹脂から成形されたものである請求項5に記載の液体容器。
  7. 上記閉鎖体は環状のプレートに二軸延伸してなるフィルムを一層含むシートを貼り合わせてなり、前記プレート内に位置するシートが上記挿入孔に対応位置する請求項1から6の何れか一項に記載の液体容器。
  8. 上記閉鎖体の外周部は口具本体に超音波融着されている請求項1から7の何れか一項に記載の液体容器。
  9. 上記口具本体が破断容易なフィルムで覆われている請求項1から8の何れか一項に記載の液体容器。
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