JP4814564B2 - 液体容器 - Google Patents
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Description
一方、吸引用で比較的太いノズルを有した吸引機構により液体を取り込む装置に対応した容器に謄写輪転機のインクを収納する液体容器があり、このインキ収納用の液体容器においても、謄写輪転機と液体容器との接続を簡単に行なうために充填手段や吸引手段の差し込みに対応できる構成の開発が試みられており、容器本体に設けたインク取り出し用の開口の内部に、ノズルで突き刺し開口できる隔膜を有した挿入体を装着した工夫が提案されている(特許文献1参照)。
このインキを収納した液体容器は、図9に示すように容器本体aに、吸引機構側のノズルbが通ることのできる挿入孔cが開口されている口具dを取り付けたものである。そして、口具dにあっては、挿入孔cの径より大口径とした筒状部位eの奥面側の中央にその挿入孔cを位置させ、挿入孔cの周囲を環状部位fとした構造としていた。
このような液体容器では、予め挿入孔cからインキが容器本体a内に充填され、その後、筒状部位eに囲まれた空間にノズルによる突き刺し開口が可能な閉鎖体gを、筒状部位eの内側に形成されたアンダーカットhを越える位置まで押し込んでいて、前記環状部位fに対する閉鎖体gを押し付けで挿入孔cを覆うようにしている。そして、前記閉鎖体gを押さえ付けることができるように筒状部位eに囲まれた空間に入る凹部iを備えたキャップjを口具dに取り付けたものが製品として一般のユーザー向けに出荷されている。
この液体容器では、粘度の高いインキが吸引し易いように容器本体の側面における容器下端側に側方に口具が向いた口具レイアウトとしたり、容器本体の底面に口具が下方に向いた口具レイアウトとすることがある。
まず、容器内のインキの使用残存を極力少なくするべく、インキの吸引に伴って容器本体の内容量が小さくなるようにフレキシブルなフィルム材を使用しているため、新規なインキが充填された液体容器においてキャップを外した後の取り扱い時に容器本体を強く圧迫すると、キャップの凹部による閉鎖体の支持がなくなっていることも関連して内容物であるインキが挿入孔で閉鎖体を押して漏れ出る可能性があった。
つぎに閉鎖体を環状部位に押さえ付けているアンダーカットだけでの押さえ付け力では、流動性の高い液体の漏れを防止することができないという危惧がある。即ち、この構成の場合、内容物がインキなどのようにエマルジョンであって、これが分解気味になると低粘度の成分が分離することがあり、この低粘度で流動性の高い成分の漏れを確実に防止するには、アンダーカットによる閉鎖体の押し付け力が不足している。
なお、口具以外から容器本体に充填するには、単純なシールで確実に閉鎖できる構成のものでなければならず、そうすると、液体容器全体がかさばった形になったり、容器本体のフィルム材などを多く必要としたり、吸引できずに使用終了となった状態での液体容器に残るインキ残量が多くなるという問題が発生する。
そして、つぎの問題としては、複写機への液体容器の装填でユーザーが上記キャップを付けたままでの装填を行ない、ノズルを損傷してしまうということがある。即ち、凹部(閉鎖体を支持する部分)を有したキャップ形状であるため、その凹部をユーザーがノズル挿入部分と見間違えてキャップ付きのままで装填をしてしまうものであった。このため、キャップ付き装填のトラブルが生じないようにすることが望まれていた。
そこで本発明は上記事情に鑑み、キャップ無しの形態で、口具に高い密封性を確保することを課題とし、内容物の漏れがなく、取り扱いの容易な液体容器を得て、キャップにノズルを突き当てるという従来の事故や不正充填の防止を図ることを目的とするものである。
前記口具装置は、
容器本体に液体を充填する充填手段が挿入可能な充填孔が開口され、この充填孔の周囲から充填手段挿入方向の逆方向に向けて突出した円筒状外壁を有する充填口具と、
該充填口具の円筒状外壁の突出端縁が嵌め込まれた環状の嵌合手段を備えて該充填口具に取付固定され、前記容器本体に充填された液体を吸引する吸引手段で突き刺し開口可能な薄肉部を前記充填孔に対応位置させて、該充填孔を介した液体流路を閉じる排出口具とからなり、
前記薄肉部に対向する側である該排出口具の開放側には、先開きして前記吸引手段の案内を可能にするテーパー部を設けており、前記嵌合手段は該テーパー部の外周周りに一体に設けられており、
充填口具における円筒状外壁の前記突出端縁には、該突出端縁の外周面に亘って係止凸部が設けられているとともに、該突出端縁の内周面に亘ってシール面部が設けられ、
かつ、排出口具における前記嵌合手段には、
前記突出端縁の前記係止凸部に取り外し不能に係合する係止凸部と、
前記テーパー部の外周面には、該外周面から前記充填手段を挿入する方向に延伸していて、縦断面形状が略舌片状であるシールリングを備えており、該シールリングの外周面であって、前記突出端縁の前記シール面部に密接して該突出端縁の外周面側への液体の回り込みを不能に封止するシール面部と
が設けられていることを特徴とする液体容器を提供して、上記課題を解消するものである。
前記口具装置は、
容器本体に液体を充填する充填手段が挿入可能な充填孔が、充填手段挿入方向の逆方向に向けて突出した円筒部の突出端側に開口されて、前記円筒部の周囲から該円筒部を囲むようにして充填手段挿入方向の逆方向に向けて突出した円筒状外壁を有する充填口具と、
前記充填口具の円筒状外壁と円筒部との間に嵌まる筒状の嵌合手段を備えて、この嵌合手段の前記円筒状外壁と円筒部との間への嵌め込みによって充填口具に取付固定され、容器本体に充填された液体を吸引する吸引手段で突き刺し開口可能な薄肉部を前記充填孔に対応位置させて、該充填孔を介した液体流路を閉じる排出口具とからなり、
該排出口具が前記充填口具と嵌合した状態において、前記薄肉部は前記嵌合手段よりも充填手段挿入方向の逆方向の端部に位置しており、前記円筒状外壁は前記薄肉部の位置よりも充填手段挿入方向の逆方向に長く突出しており、
前記排出口具の嵌合手段には、充填手段挿入方向での端縁における外周面に亘って係止凸部が設けられているとともに、充填手段挿入方向での端縁における内周面に亘ってシール面部が設けられ、
かつ、前記充填口具の円筒状外壁の内周面における前記嵌合手段の対応部位には、前記係止凸部に取り外し不能に係合する係止凸部が設けられ、該充填口具の円筒部の外周面における前記嵌合手段の対応部位には、前記嵌合手段のシール面部に密接して前記円筒状外壁側への液体の回り込みを不能に封止するシール面部が設けられており、前記円筒状外壁の内周面の係止凸部が、排出口具の前記薄肉部の位置する側の口具本体よりも薄肉であって、該薄肉部から遠い側の円筒状壁に当接し、排出口具の前記係合凸部とシール面部が該円筒状壁に設けられている
ことを特徴とする液体容器であり、この液体容器を提供して、上記課題を解消するものである。
また、上記発明において、上記排出口具の薄肉部は、射出成形後の前記排出口具における上記充填孔の対応位置を圧縮して薄肉化し、排出口具本体と一体化されているものとすることが可能である。
請求項1、2の発明により、従来のキャップを用いないので省資源化が図れるとともに、上述したようなキャップを取り付けたままでのノズル付き吸引機構への液体容器の装填に際して生じていた吸引手段であるノズルの破損を防止することができる。
そして、液体容器がキャップを有しない商品形態となるため、この液体容器を複写機に用いるインキを収納した容器としてその複写機に装填するものであるときには、一般のユーザーに対して、内容物が多く残っている状態での容器を不必要に取り外すという気持ちを生じさせず、内容物を最後の可能な量まで吸引する利用の形態に導くようになる。これによって内容物の経済的な使用が図れるとともに、内容物が多く残った状態での液体容器の廃棄が防止できるようになる。さらに、キャップを有しない商品形態となるので、内容物使用済みの空容器では容器内部の保全が不可能となって再利用できる容器とはならず、廃棄物として確実に取り扱われるようになる。
よって、一旦複写機などから液体容器を取り外し、期間をおいて再び液体容器を装填するような不適切な使用形態や、使用済み空容器に不正充填した容器の不正使用形態で生じ易かった機器側のトラブル、即ち、固化した内容物が機器側に吸い込まれて発生する不具合を未然に防止できる。
さらに排出口具の充填口具に対する取付でその充填口具の充填孔を介した容器外への液体流路を閉じるようにしており、充填口具と排出口具との接触部分、即ち、嵌合手段における当接圧を高めるように形状設定するなどの手法の導入が容易であるため、充填孔を介した液体流路を閉じるための高い密封性を確保することができる。よって、内容物充填時にその内容物の一部が、充填口具と排出口具との接触部分となる位置に付着し残存したとしても、熱シールと違って薄肉部未開封状態での密封性を損なうことがないなど、優れた効果を有する。
請求項3の発明により、ノズルなどの吸引手段の突き刺しによって薄肉部が裂けるように開口し、その切断片が、開口した挿入孔から外れて容器本体側に入ることを防止できる。
(請求項4の効果)
請求項4の発明により、排出口具の製造が効率良く行なえ、これによって液体容器の製造コストを低減できるようになる。
図中1は液体容器で、該液体容器1はフレキシブルでヒートシール性があるフィルム材で構成された容器本体2と、この容器本体2の側面の下端側に片寄らせて取り付けられた口具装置3とからなるものである。この液体容器1は粘度の比較的高い内容物、例えばインキなどの液体が収納される容器であって、前記口具装置3を通して内容物の充填を行なってからその口具装置3を閉じ、そしてこの液体容器1を複写機のインキ吸引機構が備えられている容器装填部などのように収納し、内容物を吸引するための吸引機構との接続を口具装置3に対して行なうことでこの口具装置3が開き、内容物を送出できるようにしている。
さらに奥面部8における容器本体2の内方側となる面には、充填手段挿入方向に向けて突出する複数のリブ17が一体にして設けられている。この複数のリブ17は内容物の吸引時に対向の本体シートが奥面部8に密着しないようにして充填孔4側への流路を確保するためのものである。
このように、嵌合手段21への突出端縁11の嵌め込みによって排出口具7が充填口具5に取付固定されて、充填孔4を介した液体流路を閉じており、従来のキャップを用いる必要がなく、液漏れも確実に防止している。
吸引手段としたノズルが入り込む薄肉部6は排出口具7の胴部18での奥面部19にあってテーパー部20から充填手段挿入方向に位置が離れているため、また、前記テーパー部20が排出口具7の前面として位置していることから、そのノズルの進みが薄肉部6に確実に案内され、適正に突き刺し開口する。
この排出口具7での薄肉部6も上記例と同じように、選択された合成樹脂材にて排出口具7を射出し、樹脂が固化しない内に、薄肉部に対応する駒が移動圧縮して薄肉化してなり、排出口具7の厚肉の口具本体と一体化されている。
2…容器本体
3…口具装置
4…充填孔
5…充填口具
6…薄肉部
7…排出口具
9…円筒状外壁
10…外筒部
11…突出端縁
13…係止凸部
14…シール面部
18…胴部
19…(排出口具7の)奥面部
20…テーパー部
21…嵌合手段
22…折り返し形状部
23…シールリング
23a…シール面部
24…係止凸部
27…円筒部
28…突出端縁部
29…係止凸部
30…筒壁
31…円筒状壁
32…嵌合手段
33…係止凸部
34…シール面部
35…シール面部
36…挿入孔
37…シート
Claims (4)
- 容器本体とこの容器本体に配置された口具装置とからなる液体容器であって、
前記口具装置は、
容器本体に液体を充填する充填手段が挿入可能な充填孔が開口され、この充填孔の周囲から充填手段挿入方向の逆方向に向けて突出した円筒状外壁を有する充填口具と、
該充填口具の円筒状外壁の突出端縁が嵌め込まれた環状の嵌合手段を備えて該充填口具に取付固定され、前記容器本体に充填された液体を吸引する吸引手段で突き刺し開口可能な薄肉部を前記充填孔に対応位置させて、該充填孔を介した液体流路を閉じる排出口具とからなり、
前記薄肉部に対向する側である該排出口具の開放側には、先開きして前記吸引手段の案内を可能にするテーパー部を設けており、前記嵌合手段は該テーパー部の外周周りに一体に設けられており、
充填口具における円筒状外壁の前記突出端縁には、該突出端縁の外周面に亘って係止凸部が設けられているとともに、該突出端縁の内周面に亘ってシール面部が設けられ、
かつ、排出口具における前記嵌合手段には、
前記突出端縁の前記係止凸部に取り外し不能に係合する係止凸部と、
前記テーパー部の外周面には、該外周面から前記充填手段を挿入する方向に延伸していて、縦断面形状が略舌片状であるシールリングを備えており、該シールリングの外周面であって、前記突出端縁の前記シール面部に密接して該突出端縁の外周面側への液体の回り込みを不能に封止するシール面部と
が設けられていることを特徴とする液体容器。 - 容器本体とこの容器本体に配置された口具装置とからなる液体容器であって、
前記口具装置は、
容器本体に液体を充填する充填手段が挿入可能な充填孔が、充填手段挿入方向の逆方向に向けて突出した円筒部の突出端側に開口されて、前記円筒部の周囲から該円筒部を囲むようにして充填手段挿入方向の逆方向に向けて突出した円筒状外壁を有する充填口具と、
前記充填口具の円筒状外壁と円筒部との間に嵌まる筒状の嵌合手段を備えて、この嵌合手段の前記円筒状外壁と円筒部との間への嵌め込みによって充填口具に取付固定され、容器本体に充填された液体を吸引する吸引手段で突き刺し開口可能な薄肉部を前記充填孔に対応位置させて、該充填孔を介した液体流路を閉じる排出口具とからなり、
該排出口具が前記充填口具と嵌合した状態において、前記薄肉部は前記嵌合手段よりも充填手段挿入方向の逆方向の端部に位置しており、前記円筒状外壁は前記薄肉部の位置よりも充填手段挿入方向の逆方向に長く突出しており、
前記排出口具の嵌合手段には、充填手段挿入方向での端縁における外周面に亘って係止凸部が設けられているとともに、充填手段挿入方向での端縁における内周面に亘ってシール面部が設けられ、
かつ、前記充填口具の円筒状外壁の内周面における前記嵌合手段の対応部位には、前記係止凸部に取り外し不能に係合する係止凸部が設けられ、該充填口具の円筒部の外周面における前記嵌合手段の対応部位には、前記嵌合手段のシール面部に密接して前記円筒状外壁側への液体の回り込みを不能に封止するシール面部が設けられており、前記円筒状外壁の内周面の係止凸部が、排出口具の前記薄肉部の位置する側の口具本体よりも薄肉であって、該薄肉部から遠い側の円筒状壁に当接し、排出口具の前記係合凸部とシール面部が該円筒状壁に設けられている
ことを特徴とする液体容器。 - 上記排出口具の薄肉部は、排出口具に上記充填孔に対応位置して開口されている挿入孔を、少なくとも二軸延伸してなるフィルムを一層含むシートで閉じてなるものである請求項1または2に記載の液体容器。
- 上記排出口具の薄肉部は、射出成形後の前記排出口具における上記充填孔の対応位置を圧縮して薄肉化し、排出口具本体と一体化されているものである請求項1または2に記載の液体容器。
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