しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
すなわち、上記従来技術のラベル作成装置では、装置内に複数のカートリッジを配置しておき、ユーザからの指示に応じてそれら複数のカートリッジより1つを選出して印刷手段へと搬送し、当該カートリッジより繰り出したテープに印刷を行うようになっている。このように複数のカートリッジを装置内に収納配置して使い分け、テープ態様(テープ自体が同じだがテープに配置される物やその配置態様が異なる場合を含む)を可変とする場合、装置内に大がかりなカートリッジ搬送装置が必要となり、装置の大型化及び構造の複雑化を招く。
本発明の目的は、装置の大型化や構造の複雑化を招くことなく、ユーザの用途に応じてテープ態様を可変に設定し、種々のラベルを作成することができるテープ印字装置及びこれを用いたタグラベル作成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、第1及び第2テープをそれぞれ巻回した第1及び第2ロールを収容するロール収容部を備えた筐体と、この筐体に回転可能に設けられ、前記第1ロールから前記第1テープを繰り出す場合には一の方向へ回転し、前記第2ロールから前記第2テープを繰り出す場合には他の方向へ回転する繰り出し手段と、この繰り出し手段で繰り出されて搬送される前記第1テープ又は前記第2テープに印字を行う印字手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明のテープ印字装置においては、第1及び第2テープをそれぞれ巻回した第1及び第2ロールをロール収容部に収納し、共通の1つの繰り出し手段が一の方向又は他の方向へ回転することでそれら第1又は第2ロールから第1又は第2テープを選択的に繰り出し、その繰り出した第1テープ又は第2テープに印字手段で印字を行う。このように、互いに異なる2種類のテープを収納し、それらのうちいずれか1つのテープを選択的に繰り出し印字可能とすることにより、それら複数種類のテープとして、例えば無線タグ回路素子を備えたテープと備えないテープ、あるいは無線タグ回路素子を比較的長い間隔で配置したテープと比較的短い間隔で配置したテープ、あるいは幅の異なる又は色の異なるテープ等を適宜組み合わせて第1及び第2ロールに巻回して予めロール収容部に収納配置しておくだけで、使用者のニーズに応じてそれら態様の異なるテープを適宜選択的に繰り出し印字を行い、これを用いてラベルを作成することが可能となる。この結果、装置内に収納配置した複数のカートリッジを大がかりなカートリッジ搬送装置で使い分ける従来構造と異なり、比較的簡素な構造で、使用者の多種多様な用途に対応してテープ態様(上記無線タグ回路素子の有無や配置間隔等を含む)を可変に設定し、種々のラベルを作成することができる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記繰り出し手段は、駆動手段により回転駆動されて前記第1テープ又は前記第2テープを搬送駆動する駆動ローラであることを特徴とする。
駆動手段で回転駆動される駆動ローラが一の方向又は他の方向へ回転することで、ロール収容部に収納された第1及び第2ロールに巻回された第1又は第2テープを選択的に繰り出すことができる。
第3の発明は、上記第2発明において、記駆動ローラと協働して前記第1テープ又は前記第2テープを搬送駆動する補助ローラを有することを特徴とする。
これにより、駆動手段で回転駆動される駆動ローラが一の方向へ回転するときに対向位置にある補助ローラと協働して第1ロールから第1テープを繰り出して搬送駆動することができ、また駆動ローラが一の方向へ回転するときに対向位置にある補助ローラと協働して第2ロールから第2テープを繰り出して搬送駆動することができる。
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記印字手段は、前記繰り出し手段により前記第1テープが繰り出されるときに当該第1テープに当接して印字を行う第1印字ヘッドと、前記繰り出し手段により前記第2テープが繰り出されるときに当該第2テープに当接して印字を行う第2印字ヘッドとを含むことを特徴とする。
これにより、繰り出し手段が一の方向へ回転して第1ロールから第1テープが繰り出されるときには第1印字ヘッドで第1テープに印字を行うことができ、繰り出し手段が他の方向へ回転して第2ロールから第2テープが繰り出されるときには第2印字ヘッドで第2テープに印字を行うことができる。
第5の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記印字手段は、前記繰り出し手段により前記第1テープが繰り出されるときには当該第1テープに当接して印字を行うように、前記繰り出し手段により前記第2テープが繰り出されるときには当該第2テープに当接して印字を行うように、配置位置が切り替え駆動される共通の印字ヘッドであることを特徴とする。
これにより、繰り出し手段が一の方向へ回転して第1ロールから第1テープが繰り出されるときには共通の印字ヘッドの配置位置を当該第1テープ側に切り替えて第1テープに印字を行い、繰り出し手段が他の方向へ回転して第2ロールから第2テープが繰り出されるときには共通の印字ヘッドの配置位置を当該第2テープ側に切り替えて第2テープに印字を行うことができる。
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記ロール収容部は、軸心を略水平方向とした前記第1ロール及び前記第2ロールが略鉛直方向に重なって配列されるように、前記第1及び第2ロールを収容することを特徴とする。
第1ロール及び第2ロールを略鉛直方向に重なるように配置することにより、ロール収容部の水平方向の奥行き寸法を低減することができ、装置におけるスペースの有効活用や装置全体の小型化を図ることができる。
第7の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記ロール収容部は、軸心を略水平方向とした前記第1ロール及び前記第2ロールが略水平方向に並んで配列されるように、前記第1及び第2ロールを収容することを特徴とする。
第1ロール及び第2ロールを略水平方向に並ぶように配置することにより、ロール収容部の高さ方向の寸法を低減することができ、装置におけるスペースの有効活用や装置全体の小型化を図ることができる。
上記目的を達成するために、第8の発明は、第1及び第2テープをそれぞれ巻回した第1及び第2ロールを収容するロール収容部を備えた筐体と、この筐体に回転可能に設けられ、前記第1ロールから前記第1テープを繰り出す場合には一の方向へ回転し、前記第2ロールから前記第2テープを繰り出す場合には他の方向へ回転する繰り出し手段と、この繰り出し手段で繰り出されて搬送される前記第1テープ又は前記第2テープに印字を行う印字手段と、前記第1テープ及び第2テープの少なくとも一方に所定ピッチにて複数個配置された無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナ手段と、前記無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナ手段を介して前記無線タグ回路素子へ送信し、前記無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段とを有することを特徴とする。
本願第8発明のタグラベル作成装置においては、第1及び第2テープをそれぞれ巻回した第1及び第2ロールをロール収容部に収納し、共通の1つの繰り出し手段が一の方向又は他の方向へ回転することでそれら第1又は第2ロールから第1又は第2テープを選択的に繰り出し、その繰り出した第1テープ又は第2テープに印字手段で印字を行う。また第1又は第2テープに備えられた無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を、情報アクセス手段が装置側アンテナ手段を介して送信し、情報書き込み又は読み取りを行う。このように、互いに異なる2種類のテープを収納し、それらのうちいずれか1つのテープを選択的に繰り出し印字可能とすることにより、それら複数種類のテープとして、例えば無線タグ回路素子を備えたテープと備えないテープ、あるいは無線タグ回路素子を比較的長い間隔で配置したテープと比較的短い間隔で配置したテープ、あるいは幅の異なる又は色の異なるテープ等を適宜組み合わせて第1及び第2ロールに巻回して予めロール収容部に収納配置しておくだけで、使用者のニーズに応じてそれら態様の異なるテープを適宜選択的に繰り出し印字を行い、無線タグラベルを作成することが可能となる。この結果、装置内に収納配置した複数のカートリッジを大がかりなカートリッジ搬送装置で使い分ける従来構造と異なり、簡素な構造で、使用者の多種多様な用途に対応してテープ態様(上記無線タグ回路素子の有無や配置間隔等を含む)を可変に設定し、種々の無線タグラベルを作成することができる。
第9の発明は、上記第8発明において、前記装置側アンテナ手段は、前記第1テープに備えられた無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信が可能な第1アンテナと、前記第2テープに備えられた無線タグ回路素子との間で無線通信により情報の送受信が可能な第2アンテナとを含むことを特徴とする。
これにより、繰り出し手段が一の方向へ回転して第1ロールから無線タグ回路素子を備えた第1テープが繰り出されるときには第1アンテナで第1テープの無線タグ回路素子と通信を行うことができ、繰り出し手段が他の方向へ回転して第2ロールから無線タグ回路素子を備えた第2テープが繰り出されるときには第2アンテナで第2テープの無線タグ回路素子と通信を行うことができる。したがって、例えば第1テープ及び第2テープの無線タグ回路素子への通信周波数が異なる場合に、第1アンテナは第1テープの無線タグ回路素子への通信周波数に適したものとし、第2アンテナは第2テープの無線タグ回路素子への通信周波数に適したものとして、周波数の異なるアンテナを使い分けることができる。
第10の発明は、上記第8発明において、前記装置側アンテナ手段は、前記第1テープに備えられた無線タグ回路素子、前記第2テープに備えられた無線タグ回路素子のいずれとも無線通信により情報の送受信が可能な共通のアンテナを含むことを特徴とする。
これにより、繰り出し手段が一の方向へ回転して第1ロールから無線タグ回路素子を備えた第1テープが繰り出されるときも、繰り出し手段が他の方向へ回転して第2ロールから無線タグ回路素子を備えた第2テープが繰り出されるときも、1つの共通のアンテナでそれぞれの無線タグ回路素子と通信を行うことができる。この結果、それぞれに対応して2つのアンテナを別々に設ける場合に比べ、装置におけるスペースの有効活用や装置全体の小型化を図ることができる。
第11の発明は、上記第8乃至第10発明のいずれかにおいて、前記繰り出し手段の動作を切り替えるとともに、前記無線タグ回路素子を備えた前記第1テープまたは第2テープに対応して前記情報アクセス手段の通信パラメータを切り替えて設定する切り替え手段を有することを特徴とする。
これにより、第1テープと第2テープの通信パラメータ(周波数、電力、プロトコル、データ容量など)が異なる場合においても、アクセス手段は選択されて繰り出されるテープに備えられた無線タグ回路素子に確実にアクセスすることができる。
本発明によれば、装置の大型化や構造の複雑化を招くことなく、ユーザの用途に応じてテープ態様を可変に設定し、種々のラベルを作成することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のテープ印字装置の概略構成を表す側部概念図であり、図2はその上部概念図である。
これら図1及び図2において、テープ印字装置(この例では後述のようにタグラベル作成装置である)1は、筐体(本体筐体)2と、この本体筐体2内に位置し、第1ロール4U及び第2ロール4Lを回転可能に収容した上カートリッジ5U及び下カートリッジ5L(図示せず)を着脱可能に取り付ける上カートリッジホルダ部(上ロール収容部)2U及び下カートリッジホルダ部(下ロール収容部)2Lとを有している。なお、このように第1及び第2テープを巻回したロール4U,4Lを筐体2に対し着脱可能にカートリッジ化せずに、筐体2にロール4U,4Lを直接取り付ける構造としても良い。
第1ロール4Uには、所定幅のタグテープ(第1テープ)3A−Wが巻回されており、図1に示すように第1ロール4Uの下端部から繰り出されるように配置されている。また第2ロール4Lには上記タグテープ3A−Wより狭い幅のタグテープ(第2テープ)3A−Nが巻回されており、図1に示すように第2ロール4Lの上端部から繰り出されるように配置されている。これらタグテープ3A−W,3A−Nは、巻芯3B−W,3B−Nにロール状に巻回されている。
タグテープ3A−W及びタグテープ3A−Nには、IC回路部150及びアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toが設けられている。すなわち、タグテープ3A−W,3A−Nはこの例では3層構造となっており、それぞれロールの内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、剥離紙3a、粘着層3b、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)3cの順序で積層され構成されている。
感熱紙3cの裏側には、情報を記憶するIC回路部150がこの例では一体的に設けられており、感熱紙3cの裏側の表面には上記IC回路部150に接続され情報の送受信を行うアンテナ151が形成されており、これらIC回路部150及びアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。感熱紙3cの裏側にはまた、上記粘着層3bによって上記剥離紙3aが感熱紙3cに接着されている。この剥離紙3aは、最終的に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層3bにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
また、筐体2内のうち、上記第1及び第2ロール4U,4Lから繰り出されるタグテープ3A−W,3A−Nの搬送方向(図1中左右方向)末端部(出口付近)には、カッタユニット8が設けられる。
また、上記カッタユニット8のタグテープ3A−W,3A−N搬送方向上流側(図1中右側)には、タグテープ3A−W,3A−Nに対し印字を行うとともにそれぞれに配置された上記無線タグ回路素子Toの上記IC回路部150にアクセス(情報の読み取り又は書き込み)を行う印字・アクセス部PAが設けられている(詳細構造は後述)。
図3及び図4は、上記印字・アクセス部PAの詳細構造を表す図1中要部拡大抽出図であり、図3は第1ロール4Uからタグテープ3A−Wを繰り出すときの状態を表し、図4は第2ロール4Lからタグテープ3A−Nを繰り出すときの状態を表している。
これら図3及び図4において、印字・アクセス部PAは、筐体2に固定された支持部材6と、この支持部材6に回動可能に設けられ、第1ロール4U及び第2ロール4Lから繰り出されるタグテープ3A−W及びタグテープ3A−Lをそれぞれ搬送するための搬送ローラ7U,7Lと、上記支持部材6を介し筐体2に回転可能に支持されるメインローラ9(駆動ローラ、繰り出し手段)と、上記支持部材6に設けられ、上記タグテープ3A−W又はタグテープ3A−Nに配置された無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行う両テープについて共通のアンテナ20(装置側アンテナ手段)と、第1ロール4Uと第2ロール4Lとの間に位置する回動支点11を中心に図3中上下方向に首振り回動可能な切替部材10とを備えている。
メインローラ9は、後述するメインローラ用モータ208(図示せず、後述の図6参照)から発生された駆動力によって回転駆動される。このとき例えば、当該メインローラ用モータ208からメインローラ9までの駆動力伝達機構(複数の歯車又はクラッチ等を備える機構等)に出力する回転駆動力の向きを逆転可能な逆転手段が備えられている。そして例えば操作者によりタグテープ3A−Wへの印字が選択された場合(言い換えれば第1ロール4Uからタグテープ3A−Wを繰り出す場合)には通常の順方向の回転駆動力を出力し、メインローラ9は一の方向(図3中反時計回り、矢印参照)へ回転してタグテープ3A−Wを搬送駆動する。例えば操作者によりタグテープ3A−Nへの印字が選択された場合(言い換えれば第2ロール4Lからタグテープ3A−Nを繰り出す場合)には上記逆転手段によって上記順方向とは逆方向の回転駆動力を出力し、メインローラ9は他の方向(後述の図4中時計回り)へ回転してタグテープ3A−Nを搬送駆動するようになっている。
切替部材10は、メインローラ9で繰り出されて搬送されるタグテープ3A−W及びタグテープ3A−Nにそれぞれ印字を行うための印字手段としての上印字ヘッド(第1印字ヘッド)12U及び下印字ヘッド(第2印字ヘッド)12Lと、上記メインローラ9に対向するように設けられ、メインローラ9と協働してタグテープ3A−W及びタグテープ3A−Nをそれぞれ搬送駆動する上補助ローラ13U及び下補助ローラ13Lとを有している。
このとき、ベルトで駆動されるステップモータ及びその回転軸上に設けられたプーリによって構成される切替駆動手段111が配置されており、この切替駆動手段は、制御回路210からのどちらのロールを使用するかを示す制御信号により駆動制御される。そして、切替部材10は、上記切替駆動手段111の駆動力がベルト112を介し伝達されることにより、第1ロール4Uからタグテープ3A−Wを繰り出す場合には図3に示す「下方位置」に切り替えられる(図3及び図4中下方、言い換えれば第2ロール4L側への切り替え)とともに、第2ロール4Lからタグテープ3A−Nを繰り出す場合には図4に示す「上方位置」に切り替えられる(図3及び図4中上方、言い換えれば第1ロール4U側への切り替え)。
切替部材10が上記下方位置になると、上記上補助ローラ13Uがメインローラ9に上方から当接してタグテープ3A−Wを挟み込むことでメインローラ9の駆動力(図3中反時計方向の矢印参照)でタグテープ3A−Wを第1ロール4Uから繰り出して搬送し、さらにその搬送されるタグテープ3A−Wに上印字ヘッド12Uが当接して印字を行う。一方、切替部材10が上記上方位置になると、上記下補助ローラ13Lがメインローラ9に下方から当接してタグテープ3A−Nを挟み込むことでメインローラ9の駆動力(図4中時計方向の矢印参照)でタグテープ3A−Nを第2ロール4Lから繰り出して搬送し、さらにその搬送されるタグテープ3A−Nに下印字ヘッド12Lが当接して印字を行うようになっている(すなわちこの例では、タグテープ3A−W側かタグテープ3A−N側かのいすれか一方に、選択的に搬送駆動及び印字が行われる)。
カッタユニット8は、筐体2のうち、上記メインローラ9や上下補助ローラ13U,13Lよりテープ搬送方向下流側に設けられている。またこのカッタユニット8は、タグテープ3A−W,3A−Nの長手方向と略直交する切断方向(図3中紙面に垂直方向)に移動可能に配置され、タグテープ3A−W,3A−Nをそれぞれ切断可能なカッタ14U,14L(切断刃、図示せず)を有している。アンテナ20によりIC回路部150に対する情報読み出し又は書き込みが終了し(詳細は後述)かつ印字ヘッド12U又は12Lによる印字が終了したタグテープ3A−W又は3A−Nを、上記カッタ14U又は14Lによって所定長さに切断することにより無線タグラベルT(後述の図8参照)が分割生成される。
図5は、上記タグテープ3A−W及び3A−Nに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
この図5において、無線タグ回路素子Toは、テープ印字装置1側のアンテナ20とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記テープ印字装置1のアンテナ20からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの応答信号に基づき、アンテナ20より受信された搬送波を変調反射する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図6は、テープ印字装置1の切替駆動手段を除いた制御系を表す概念図である。
図6において、巻芯3B−W(又は3B−N)に巻回された上記タグテープ3A−W(又は3A−N)は、前述したように複数の無線タグ回路素子Toがそれぞれ長手方向等間隔で配列されるとともに、この例では、それぞれの無線タグ回路素子Toに対応している領域が上記印字ヘッド12U(又は12L)により各無線タグ回路素子Toに対応する印字R(後述の図8参照)が行われる印字領域Sとなっている。上記アンテナ20によって、タグテープ3A−W(又は3A−N)に備えられる無線タグ回路素子Toとの間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受が行われた後、上記印字領域Sに印字が行われ、印字済みのタグテープ3A−W(又は3A−N)はカッタユニット8にて切断され、無線タグラベルTが生成される。
このときテープ印字装置1には、タグテープ3A−W(又は3A−N)及び切断後の無線タグラベルTを搬出口Eへと搬送し送出する上記メインローラ9と、上記アンテナ20を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路201と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を高周波回路201を介して入力し所定の処理を行って情報を読み出すとともに、高周波回路201を介して無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする信号処理回路202と、上記印字ヘッド12U(又は12L)への通電を制御する印刷駆動回路205と、上記メインローラ9を駆動するメインローラ用モータ208を制御するメインローラ駆動回路209と、カッタユニット8のカッタ14U及び14Lを作動させるカッタソレノイド28へ通電するカッタソレノイド駆動回路30と、上記高周波回路201、信号処理回路202、印刷駆動回路205、メインローラ駆動回路209、カッタソレノイド駆動回路30等を介し、テープ印字装置1全体の動作を制御するための制御回路210とが設けられている。なお、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ20に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内する搬送ガイドをさらに設けてもよい。
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また、この制御回路210は、電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
図7は、上記高周波回路201の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図7において、高周波回路201は、アンテナ20を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ20により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶発振回路215と、上記信号処理回路202から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路202からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路210からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ217とを備えている。そして、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介してアンテナ20に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。
なおこのとき、信号処理回路212の動作パラメータが、作成対象となるタグテープ(第1テープ3A−Wまたは第2テープ3A−N)に対応して制御回路210の制御信号により設定される。また、挿入されている無線タグ回路素子Toの感度に対応して送信部212からの送信電力が設定され、制御部157に格納されているプロトコルに応じて送信データの形式が設定されるようになっている。
受信部213は、アンテナ20により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路218と、その第2乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ219と、このバンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記アンテナ20により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器227で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ223と、このバンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路202に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路202に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のテープ印字装置1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
また、前述したように、作成対象となるタグテープ(第1テープ3A−Wまたは第2テープ3A−N)に対応して制御回路210の制御信号により信号処理回路202の動作パラメータが設定される。挿入されている無線タグ回路素子Toのメモリ部155のメモリ容量に応じて受信データサイズが設定され、制御部157に格納されているプロトコルに応じて受信データの形式が設定されるようになっている。
図8(a)及び図8(b)は、上記のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及びタグテープ3Aの切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図8(a)は上面図、図8(b)は下面図である。また図9は、図8中IX−IX′断面による横断面図である。
これら図8(a)、図8(b)、及び図9において、無線タグラベルTは、前述のように3層構造となっており、表面側(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、感熱紙3c、粘着層3b、剥離紙3aの順で積層している。そして、前述のように感熱紙3cの裏側に、IC回路部150及びアンテナ151からなる無線タグ回路素子Toが備えられる(なお、無線タグ回路素子Toは図9中上下逆向きでも良い)とともに、感熱紙3cの表面に印字R(この例では「AA−AA」の文字)が印刷されている。
以上において、信号処理回路202及び高周波回路201の送信部212が、各請求項記載の、無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、装置側アンテナ手段を介して無線タグ回路素子へ送信し、無線タグ回路素子のIC回路部への情報書き込み又はIC回路部からの情報読みとりを行う情報アクセス手段を構成する。
以上のように構成した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施形態のテープ印字装置1においては、上述したように、第1及び第2ロール4U,4Lを筐体2内に収納し、1つのメインローラ9が一の方向又は他の方向へ選択的に回転することでそれら第1ロール4U又は第2ロール4Lからテープを選択的に繰り出し、その繰り出したテープに印字ヘッド12U,12Lで印字を行う。このように、互いに異なる2種類のテープを収納し、それらのうちいずれか1つのテープを選択的に繰り出し印字可能とすることにより、それら複数種類のテープを適宜組み合わせて予め筐体2内に収納配置しておく(この例では幅方向寸法が互いに異なるテープ3A−W及び3A−Nである。その他、色が互いに異なるテープ、厚さが異なるテープ等でもよい)だけで、使用者のニーズに応じてそれら態様の異なるテープを適宜選択的に繰り出し印字を行い、これを用いてラベルTを作成することが可能となる。この結果、装置内に収納配置した複数のカートリッジを大がかりなカートリッジ搬送装置で使い分ける従来構造と異なり、比較的簡素な構造で、使用者の多種多様な用途に対応してテープ態様(上記無線タグ回路素子の有無や配置間隔等を含む)を可変に設定し、種々のラベルを作成することができる。
また、本実施形態では特に、第1及び第2ロール4U,4Lに、それぞれ無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ3A−W,3A−Nを巻回し、それぞれの無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成してアンテナ20を介して送信し、アクセス(=情報書き込み又は読み取り)を行う。したがって、選択的に繰り出しかつアクセス及び印字を行う複数種類のテープとして、上記のように幅方向寸法が異なるタグテープ3A−W,3A−Nの組み合わせのほかにも、例えば無線タグ回路素子Toを比較的長い間隔で配置したテープと比較的短い間隔で配置したテープ、無線タグ回路素子Toを備えたテープと備えないテープ等を適宜組み合わて用いることで、使用者のニーズに応じてそれら態様の異なるテープを適宜選択的に繰り出し、アクセス及び印字を行い、無線タグラベルTを作成することが可能となる。この結果、装置内に収納配置した複数のカートリッジを大がかりなカートリッジ搬送装置で使い分ける従来構造と異なり、比較的簡易な構造で、使用者の多種多様な用途に対応してテープ態様(上記無線タグ回路素子Toの有無や配置間隔等を含む)を可変に設定し、種々の無線タグラベルTを作成することができる。
特に、上記実施形態においては、テープ3A−Wとテープ3A−Nとは、テープ幅方向寸法が異なるものの、両方が無線タグ回路素子Toを備えている。そこでこれを利用して、ある1つの無線タグ情報の書き込みを無線タグ回路素子Toに行うとともに印字領域にこれに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する際、上記タグテープ3A−Wを用いた幅広の無線タグラベルTと上記タグテープ3A−Nを用いた幅狭の無線タグラベルTとを一組として作成するようにしても良い。
この場合、例えば制御回路210が、まず印字すべき印字情報及びIC回路部150へ書き込むべき情報を読み込んだ後、切替部材10を前述の下方位置に切り替えメインローラ9を駆動してタグテープ3A−Wを繰り出し、アンテナ20を介してタグテープ3A−Wの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対する所定の無線タグ情報(例えばタグID等)の書き込みを行い、これに対応する印字を上印字ヘッド12Uで行った後、カッタユニット8を作動させてカッタ14Uで印字済みのタグテープ3A−Wの切断を行い、上記幅広の無線タグラベルTを作成する。その後連続して、切替部材10を前述の上方位置に切り替えメインローラ9を駆動してタグテープ3A−Nを繰り出し、アンテナ20を介して上記書き込んだ情報と同一の情報(タグID等)をタグテープ3A−Nの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込み、これに対応する印字(上記と同一でもよいし変えても良い)を下印字ヘッド12Lで行った後、カッタユニット8を作動させてカッタ14Lで印字済みのタグテープ3A−Nの切断を行い、上記幅狭の無線タグラベルTを作成する。
このようにすれば、同一の情報を書き込んだ無線タグラベルを常時2個1組で作成することができる。特に操作者のワンタッチ操作でこれら1組2個が一連に作成されるようにすれば利便性が高い。この場合、同一無線タグラベルを2個ずつ作成したいときに便利であるし、一方を本来使用したい無線タグラベル、他方をスペア(予備)用の無線タグラベルといった使い方も可能となる。また、テープ属性の異なる(この例では幅広幅狭)2種類の同一情報無線タグラベルTを作成したい場合にも対応できる。あるいは、無線タグ回路素子To自体の特性が異なる同一IDの無線タグラベル2つを作成することも考えられ、例えば感度が低い近距離用タグラベルTと感度が高い遠距離用タグラベルT、異なる2種類の通信プロトコルそれぞれ用のタグラベル、異なる2種類の周波数それぞれ用のタグラベルなどを1組として作成できる。
さらに、無線タグ回路素子Toを一方のテープだけ備えていてもよく、この場合は、例えば一方のタグテープを用いて通常通り無線タグラベルTを作成するともに、他方の無線タグ回路素子Toを備えないテープを用いて上記無線タグラベルにどのような印字を行ったかを確認するためのラベルをワンセットとして作成することもできる。あるいは、両方ともに無線タグ回路素子Toを備えないテープを用いて印字ラベルを作成することも可能であり、同一ラベルを2個ずつ作成したい場合に便利である。また、上記同様、一方を本来使用したいラベル、他方をスペア(予備)用といった使い方も可能であり、また、テープ属性の異なる(幅広幅狭、色違い等)2種類の同一印字ラベルを作成したい場合にも対応できる。
また、本実施形態においては特に、装置側アンテナ手段として1つのアンテナ20を設け、メインローラ9が一の方向(図3中反時計まわり方向)へ回転して第1ロール4Uからタグテープ3A−Wが繰り出されるときも、メインローラ9が他の方向(図4中時計まわり方向)へ回転して第2ロール4Lからタグテープ3A−Nが繰り出されるときも、1つの共通のアンテナでそれぞれの無線タグ回路素子Toと通信を行う。この結果、それぞれに対応して2つのアンテナを別々に設ける場合(後述の変形例参照)に比べ、印字装置1におけるスペースの有効活用や印字装置1全体の小型化を図れる効果がある。
また、本実施形態では特に、ロール収容部としての上カートリッジホルダ部2U及び下カートリッジホルダ部2Lにおいて、軸心を略水平方向とした上記第1ロール4U及び第2ロール4Lが略鉛直方向に重なって配列されている。これにより、ロール収容部の水平方向の奥行き寸法を低減することができ、装置1におけるスペースの有効活用や装置全体の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では特に、制御回路210は切替駆動手段を制御するとともに第1または第2のテープに内蔵された無線タグ回路素子の通信パラメータに対応し、切り替えて設定するので第1または第2のテープに内蔵された無線タグ回路素子の通信パラメータが異なる場合であっても確実にアクセスできる。
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)共通の1つの印字ヘッドを回転させ切替配置して用いる場合
図10及び図11は、この変形例による印字・アクセス部PAの詳細構造を表す図1中要部拡大抽出図であり、図10は第1ロール4Uからタグテープ3A−Wを繰り出すときの状態を表し、図11は第2ロール4Lからタグテープ3A−Nを繰り出すときの状態を表している。それぞれ前述の実施形態の図3及び図4に相当している。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図10及び図11において、本変形例においては、タグテープ3A−Wの搬送経路とタグテープ3A−Nの搬送経路との間で、配置位置(ヘッド本体の設置向き)が切り替え駆動される(図中双頭矢印参照)共通の印字ヘッド12M(印字手段)が支持部材6に取り付けられている。
そして、図示しない適宜のヘッド切替駆動手段の駆動力により、切替部材10が上記下方位置になって上記上補助ローラ13Uがメインローラ9に上方から当接してタグテープ3A−Wを挟み込み第1ロール4Uから繰り出して搬送するときには、印字ヘッド12Mが図10に示すように切り替えられタグテープ3A−Wに当接して印字を行う。一方、切替部材10が上記上方位置になって上記下補助ローラ13Lがメインローラ9に下方から当接してタグテープ3A−Nを挟み込み第2ロール4Lから繰り出して搬送するときには、印字ヘッド12Mが図11に示すように切り替えられタグテープ3A−Nに当接して印字を行うようになっている(すなわちタグテープ3A−W側かタグテープ3A−N側かのいすれか一方に、選択的に搬送駆動及び印字が行われる)。
本変形例によっても、比較的簡素な構造で種々のラベルを作成できるという本発明本来の効果等、上記実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
(2)ロール配置位置やロール繰り出し位置のバリエーション
以上においては、図1に示したように、ロール収容部としての上カートリッジホルダ部2U及び下カートリッジホルダ部2Lにおいて、軸心を略水平方向とした上記第1ロール4U及び第2ロール4Lが略鉛直方向に重なって配列したが、これに限られるものではなく、他のロール配列でもよい。
図12は、そのような変形例によるテープ印字装置1−1の概略構成を表す側部概念図であり、上記図1に相当する図である。図12において、このテープ印字装置1−1では、ロール収容部としての上カートリッジホルダ部2U及び下カートリッジホルダ部2Lは、軸心を略水平方向とした第1ロール4U及び第2ロール4Lが略水平方向に並んで配列されるように、それら第1及び第2ロール4U,4Lを収容している。これにより、ロール収容部の高さ方向の寸法を低減することができ、装置1におけるスペースの有効活用や装置1全体の小型化を図ることができる。また、図13に示すように、第1及び第2ロール4U,4Lの上下は位置関係については上記実施形態と同様としつつも、その繰り出し位置(繰り出しのためのロール回転方向)を変えるようにしても良い。この例では、第2ロール4Lの繰り出し位置が上記実施形態のロール頂部からロール下前部に変わっており、この結果として繰り出しのためのロール回転方向が図1に示す反時計回りから図13に示す時計回りに逆方向となっている。
(3)アンテナのバリエーション
以上においては、図3等に示すようにアンテナ20を支持部材6に設けたが、これに限られず、タグテープ3A−W側とタグテープ3A−N側の無線タグ回路素子Toにそれぞれ通信可能であれば他の位置でも良く、例えば筐体2内のカッタユニット8の上部又は下部や、あるいは切替部材10に設けても良い。
さらに、タグテープ3A−W側とタグテープ3A−N側通信用で共通の1つのアンテナ20を用いるのにも限られず、タグテープ3A−Wの無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信が可能なアンテナ20U(第1アンテナ、図示せず)と、タグテープ3A−Nの無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信が可能なアンテナ20L(第2アンテナ、図示せず)とを設けるようにしてもよい。この場合、例えばタグテープ3A−W及びタグテープ3A−Nの無線タグ回路素子Toへの通信周波数が互いに異なるときに、第1アンテナ20Uはタグテープ3A−Wの無線タグ回路素子Toへの通信周波数に適したものとし、第2アンテナ20Lはタグテープ3A−Nの無線タグ回路素子Toへの通信周波数に適したものとして、周波数の異なるアンテナを使い分けることも可能である。
なお、高周波回路201とアンテナ20U,20Lとを選択的に切替接続するアンテナ切替手段を設けて、信号処理回路202や高周波回路201については両方のアンテナ20U,20Lについて共通としても良い。
(4)その他
なお、以上においては、カッタユニット8は制御回路210からの制御に基づくソレノイド駆動によって自動で切断を行うようにしたが、これに限られず、手動操作に基づくソレノイド駆動で切断を行ってもよいし、ソレノイド駆動でなくカッタ14U,14L自体のテープ幅方向移動を手動操作としてもよい(手動切断)。
また、既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。