JP2006234775A - 歯車寸法測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熟練を要することなく、誰にでも簡単かつ確実にOBD寸法の測定を行うことを可能とする。
【解決手段】 ボールピン34によってワークWの軸方向一端部の中心位置(センタ穴Wc)が正確に位置決めされる。この状態で、ワークの歯溝部Wgに対向し、かつ、ワークの軸C方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部Wgに当接する一対の測定子40、42が、ワークWの測定対象歯溝に当接することで、ワークWはいわゆる三点支持状態となる。よって、ワークWは所定の測定姿勢に安定支持される。そして、可動測定子42の移動量を、マスターワークに対する同一作業の際の、可動測定子42の移動量と比較することで、ワークWのOBD寸法を正確、確実に把握することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スプラインを含む歯車の諸元の1つであるオーバーボール径(OBD)寸法の測定に適した、歯車寸法測定装置に関するものである。
スプラインを含む歯車の諸元の1つに、2個のボールを使用して間接的に想定した歯厚が挙げられる。より具体的には、ボールを歯車の直径上の相対する歯溝(偶数歯の場合)またはπ/(歯数)だけ偏った歯溝(奇数歯の場合)(以下、本発明では「測定対象歯溝」という。)に挿入して、2個のボールの外側寸法、すなわちOBDを測定するものである。
従来、このOBD測定には、図5に示すような手持ち式の測定器10が広く用いられている。
この測定器10は、一対の測定子(ボールピン)12、14が夫々アーム16、18に固定され、一方のアーム16が本体20に固定され、他方のアーム18が、本体から突出するレバー22に連動して、一方のアーム16に対し離間接近自在となっている。また、他方のアーム18の変位量は、ダイヤルゲージ24によって測定される。本体20には、測定作業時に作業者が把持し易いように、グリップ26が設けられている。そして、作業者はグリップ26を把持してレバー22を操作し、外歯車等のワークWの測定対象歯溝に一対の測定子12、14を当接させることで、ワークWのOBD測定を行うものである。
また、一対の測定子12、14を夫々囲むようにして、Vヤゲン状の矯正部材を設け、ワークWの歯先を矯正部材で挟持することで、測定時のワークWの姿勢の安定化を図った測定器もある(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭63−192649号公報(第3頁、第4頁)
しかしながら、上記の如き従来の測定器は、測定作業者の技量によって測定結果に大きな差が出易いといった欠点が指摘されていた。その理由は、ワークWの歯溝に測定器10の一対の測定子(ボールピン)12、14を当接させる際の、ワークWと測定器との位置決めが無く(図5)または、十分ではないことから(特許文献1)、測定値が不安定となり易いことや、手持ち式の測定器10であることから、測定器10の重量が作業者の負担となり、作業の精度を落とす要因になっていること等が挙げられる。
特に、位置決めに適した明確な段部を持たない軸状部品の、少なくとも軸方向の一部の範囲に、歯溝部が規則的に形成されたワークの場合には、ワークWの歯溝に測定器10の一対の測定子(ボールピン)12、14を当接させる際の、当接状態を、作業者の技量に頼るしかないことから、測定作業の熟練度はより高度なものが要求され、熟練検査員(高技能者)の養成が必要不可欠となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熟練を要することなく、誰にでも簡単かつ確実にOBD寸法の測定を行うことを可能とすることにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る歯車寸法測定装置位置は、少なくとも軸方向の一部の範囲に、歯溝部が規則的に形成されたワークの、歯車寸法測定装置であって、ワークの軸方向一端部の中心を位置決めする位置決め手段と、当該位置決め手段に位置決めされたワークの歯溝部に対向し、かつ、ワークの軸方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部に当接する一対の測定子とを備え、前記当接子の一方が他方に対し離間接近自在に支持され、かつ、その移動量を測定する測定手段が設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、位置決め手段によってワークの軸方向一端部の中心位置が正確に位置決めされた状態で、さらに、位置決め手段に位置決めされたワークの歯溝部に対向し、かつ、ワークの軸方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部に当接する一対の測定子が、ワークの測定対象歯溝に当接することで、ワークはいわゆる三点支持状態となり、ワークは所定の測定姿勢に安定支持される。また、ワークの軸方向一端部を位置決め手段に位置決めしてから安定支持状態となる過程における、一対の測定子の間隔を開いてワークの歯溝部を一対の測定子の間に置き、ワークの測定対象歯溝に一対の測定子が当接するまでの、可動側の測定子の移動量を、マスターワークに対する同一作業の際の、可動側の測定子の移動量と比較することで、ワークのOBD寸法を正確、確実に把握することが可能となる。
また、本発明においては、前記一対の測定子の一方は、前記位置決め手段との位置関係が固定されており、前記一対の測定子の他方は、前記一方の測定子と同軸上で、前記ワークの歯溝部に対し離間接近自在、かつ、前記ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢されていることが望ましい。
この構成によれば、ワークの軸方向一端部の中心と、ワークの歯溝部の測定対象歯溝の一箇所は、位置関係が固定された位置決め手段と一対の測定子の固定側とによって、常に同一条件で位置決めがなされ、ワークの被測定姿勢の安定化が図られる。また、他方の可動側の測定子は、一方の固定側の測定子と同軸上で、ワークの歯溝部に対し離間接近自在、かつ、ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢されていることにより、可動側の測定子が、位置決め手段と固定側の測定子によって位置決めされたワークの測定対象歯溝に当接して、ワークの歯溝部が一対の測定子に挟持されることで、ワークの測定姿勢のより一層の安定化が図られる。
また、前記位置決め手段は、鉛直上方へと突出し、ワークの軸方向一端部に形成されたセンタ穴に当接する突起であることが望ましい。
この構成によれば、鉛直上方へと突出する突起が、ワークの軸方向一端部に形成されたセンタ穴に嵌合することによって、ワークは鉛直下方からその中心部を正確に支持される。そして、ワークの歯溝部が、前述のように、位置決め手段である突起との位置関係が固定された一方の測定子と、可動側の他方の測定子とで挟持されることにより、ワークの測定姿勢の安定化が図られる。
なお、ワークの軸方向一端部と位置決め手段との係合は、センタ穴と突起との係合であることから、ワークの歯溝部が測定子に挟持されない状態では、ワークは突起を中心に自由に回転することが可能であり、全歯溝に対するOBD測定を行う際には、異なる歯溝に対し測定子を当接させるべく、ワークの回転を自在に行うことが可能となる。
さらに、本発明においては、前記一対の測定子は、前記位置決め手段の鉛直上方に延びる軸線を中心として対向しており、かつ、前記一対の測定子の固定側は、その先端部の位置が、前記軸線から測定対称であるワークのOBD寸法の1/2だけ離間した位置に、固定されていることが望ましい。
この構成によれば、鉛直上方へと突出する突起が、ワークの軸方向一端部の中心に形成されたセンタ穴に嵌合することによって、ワークは鉛直下方からその中心部を正確に支持された状態で、かつ、一対の測定子の固定側にワークの歯溝部の歯溝を当接させることで、ワークは、ほぼ鉛直上方に向けて起立した、所望の被測定姿勢に仮保持される。そして、前述のごとく、可動側の測定子がワークの測定対象歯溝に当接することで、ワークは所望の被測定姿勢に安定保持される。
また、本発明においては、前記位置決め手段に位置決めされたワークの歯先部に対し、前記一対の測定子とは異なる方向から当接するストッパを備え、該ストッパは、前記位置決め手段および前記固定された一方の測定子との位置関係が固定されていることが望ましい。
本発明によれば、位置決め手段によってワークの軸方向一端部の中心位置が正確に固定された状態で、ストッパーがワークの歯溝部に当接することで、ワークの傾きをある程度拘束し、固定側の測定子の測定対象歯溝への当接、および、それに続く可動側の測定子の測定対象歯溝への当接を、円滑に行うことが可能となる。
また、本発明においては、前記一対の測定子のうち、他方の測定子に対し離間接近自在な測定子を、前記ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢するばねと、該ばねの初期変位量を調整する調整手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、ばねの弾性力によって、可動側の測定子が、位置決め手段と固定側の測定子によって位置決めされたワークの測定対象歯溝に当接し、ワークの歯溝部が一対の測定子に挟持されることで、ワークの測定姿勢のより一層の安定化が図られる。しかも、調整手段によりばねの初期変位量を調整することにより、OBD測定結果に大きな影響を及ぼす測定子の当接圧力の調整を行い、測定結果の精度向上を図ることが可能となる。
なお、本発明において、前記位置決め手段の先端部位置の調整手段を備えることとすれば、長さの異なるワークや、軸方向の歯溝位置が異なるワークに対しても、位置決め手段の先端部位置を調整することで、同様の手順でOBD測定を実施することが可能となる。
また、本発明において、前記位置決め手段と、前記一対の測定子の一方は、何れも据え置き式の定盤に対し位置固定され、前記一対の測定子の他方は、前記定盤に対し、前記一方の測定子と同軸上で、前記ワークの歯溝部に対し離間接近自在な方向にのみ移動可能に支持されていることが望ましい。
この構成により、測定装置は作業者が手で支えることなく各部の位置関係が保証され、かつ、定盤を基準とした定点測定が行われるので、測定条件の安定化が図られる。
本発明はこのように構成したので、誰にでも、熟練を要することなく簡単かつ確実にOBD寸法の測定を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3には、本発明の実施の形態に係る歯車寸法測定装置を示している。この歯車寸法測定装置28は、据え置き式の定盤30を備え、定盤30には、鉛直上方へと突出し、ワークWの軸方向一端部の中心に形成されたセンタ穴Wcに当接する突起34が、プレート32を介して着脱自在に固定されている。図示の例では、突起34はボールピンにより構成されている。プレート32は、長さの異なるワークや、軸方向の歯溝位置が異なるワークに対応するための、ボールピン34の先端部位置の調整手段である。したがって、プレート32の厚みを変更し、若しくは、プレート32を用いず定盤30に直接的にボールピン34を固定して、ボールピン34の先端部位置を調整することで、様々なワークのOBD測定を実施することが可能となっている。
また、定盤30には、測定ヘッド本体36が固定され、測定ヘッド本体36には、ボールピン34から鉛直上方に所定距離を置いて、固定子取付プレート38が固定されている。この固定子取付プレート38は、図2に示すように、先端部がボールピン34を迂回するようにしてL字状に折れ曲がったアーム状部材であり、測定ヘッド本体36の側面に形成された嵌合溝36a(図2、図3)と嵌合し、かつ、本体36に固定された位置決めプレート39(図2、図3)に当接した状態で、測定ヘッド36にねじ止めされている。固定子取付プレート38の先端部には装着穴38aが形成されており、固定測定子(ボールピン)40が、ボールピン34の中心軸線Cに向って突出するようにして、装着穴38aに対し着脱自在に固定されている。
なお、固定測定子40の先端部の位置は、ボールピン34の中心軸線CからワークWのOBD寸法の1/2だけ離間した位置となるように、その位置が調整されて、固定子取付プレート38に固定されている。また、固定測定子40を位置決めプレートに正確に固定し、かつ、固定子取付プレート38を、測定ヘッド36の嵌合溝36aおよび位置決めプレート39に密着させることのみによって、固定測定子40は、後述する可動測定子42と同軸上に、正確に位置決めされるように、各部の形状が造り込まれている。
また、固定子取付プレート38の中間部には、固定測定子40の軸方向と直交する方向からワークWに当接するストッパ41が着脱自在に固定されている。ストッパ41はプレート部41aと、プレート部41aに立設され中間部で二股に分かれた差込部41bとからなり、指し込み部41bが固定子取付プレート38の挿込穴38bに指し込まれている。そして、差込部41bの二股部分を貫通する調整ねじ43を弛めることにより、指込部41bを挿込穴38b内でスライドさせ、プレート部41aとワークWとの距離を調整することができる。
また、固定測定子40と同軸上には、可動測定子(ボールピン)42が設けられている。可動測定子42は、円柱状のスピンドル44に対し着脱自在に固定され、スピンドル44の大径部44a(図1)は、測定ヘッド本体36の段付穴36bに嵌め込まれたブッシュ46に対し、ベアリング48を介して軸方向に摺動自在に軸支されている。スピンドル44の大径部44aに連続する小径部44bは、測定ヘッド本体36の段付穴36bを貫通して、測定ヘッド本体36の外部へと突出している。そして、スピンドル44の小径部44bの挿通穴を備えるばね座50によって、測定ヘッド本体36の段付穴36bが塞がれている。また、スピンドル44の大径部44aと小径部44bとの境目に形成される段部の肩44cと、ばね座50との間には、その中心部にスピンドル44の小径部44bを挿通するようにして、コイルばね52が配置されている。そして、コイルばね52の弾性力により、スピンドル44およびスピンドル44に固定された可動測定子42は、固定測定子40の方向へと常時付勢されている。なお、ばね座50とコイルばね52との間にワッシャー等のスペーサを介在させることで、コイルばね52の初期変位量を容易に調整することが可能な、調整手段を構成することができる。
スピンドル44の小径部44bは、ばね座50から一定長さだけ突出して、その先端部に基準プレート54が着脱自在に固定されている。ばね座50と基準プレート54との間に形成された空間には、ブラケット56、回転軸58を介して測定ヘッド本体36に軸着された、カム60が配置されている。カム60の回転軸58には、ハンドル62が一体に固定されており、ハンドル62を後方(図1では、回転軸58を中心に時計回り)に回転させることで、カム60が基準プレート54を後方へと押出す。基準プレート54が後方へと押出されると、基準プレート54に固定されたスピンドル44が後退し、スピンドル44に固定された可動測定子42が、固定測定子40から離間する方向へと移動する。一方、ハンドルを前方(図1では、回転軸58を中心に反時計回り)に回転させることで、基準プレート54およびスピンドル44はコイルばね52の弾性力を受けて前進し、スピンドル44に固定された可動測定子42は、固定測定子40に接近する方向へと移動する。
さらに、測定ヘッド本体36にはゲージホルダー64を介してダイヤルゲージ66が着脱自在に固定されており、ダイヤルゲージ66の測定子66aが基準プレート54に当接している。したがって、スピンドル44の移動量、すなわち、可動測定子42の移動量をダイヤルゲージ66によって正確に測定することが可能となっている。
なお、図示の例では、可動測定子42の移動量を測定する測定器として、ダイヤルゲージ66を用い、測定値の読取りとデータの集計とを手作業により行うこととしているが、電子測定器に換えて、パーソナルコンピュータ等を併用することでデータの読取りおよび集計を行うことも可能である。また、データ集計と共に、ワークWの回転動作、ハンドル62を手動で操作して行うワークWのクランプ動作を含めて、全て自動制御で行うことも可能である。また、プレート32の厚みを変更するのみならず、測定ヘッド本体36の高さを伸縮自在とすることによっても、全長等の異なるワークの測定が可能となる。
上記構成を有する歯車寸法測定装置28を用いた、ワークWのOBD測定手順は、次の通りである。
まず、レバー62を後方に回転させて、可動測定子42を固定測定子40から離間させた状態とする。続いて、ワークWのセンタ穴Wcを、図1のごとくボールピン34に嵌め込む。そして、ワークWの歯溝部Wgをストッパ41に当接させ、ワークWの傾きをある程度矯正し、かつ、ワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝に固定測定子40を当接させる。前述のごとく、固定測定子40の先端部の位置は、ボールピン34の中心軸線CからワークWのOBD寸法の1/2だけ離間した位置となるように、その位置が調整されていることから、ワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝に固定測定子40が当接した時点で、ワークWは、ほぼ鉛直上方に向けて起立した、所望の被測定姿勢に仮保持される。続いて、レバー62を前方に回転させて、可動測定子42を固定測定子40へと接近させる。そして、可動測定子42がワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝に当接することで、ワークは所望の被測定姿勢に安定保持される。そして、このときのダイヤルゲージ66が表示する値を読取る。
他の歯溝についてもOBD測定を行うときは、レバー62を後方に回転させて、可動測定子42をワークWの歯溝部Wgから離間させた状態としてから、ワークWのセンタ穴Wcをボールピン34に嵌め込んだまま、ワークW回転させ、前回とは異なる歯溝に固定測定子40を当接させる。そして、レバー62を前方に回転させて、可動測定子42を固定測定子40へと接近させる。そして、可動測定子42が前回とは異なる歯溝に当接することで、ワークは所望の被測定姿勢に安定保持される。そして、このときのダイヤルゲージ66が表示する値を読取る。
全歯溝に対しOBD測定を行う場合には、以上の作業を歯車の半周分だけ繰り返す。そして、測定値と、予めマスターワークに対し同様に行って得られたOBD測定値(基準値)とを比較することにより、測定対象ワークのOBDを正確に把握することが可能となる。
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。まず、本発明の実施の形態によれば、位置決め手段であるボールピン34によってワークWの軸方向一端部の中心位置(センタ穴Wc)が正確に位置決めされる。この状態で、さらに、位置決め手段に位置決めされたワークの歯溝部Wgに対向し、かつ、ワークの軸C方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部Wgに当接する一対の測定子40、42が、ワークWの測定対象歯溝に当接することで、ワークWはいわゆる三点支持状態となる。よって、ワークWは所定の測定姿勢に安定支持される。また、ワークWの軸方向一端部(センタ穴Wc)を位置決め手段32に位置決めしてから、前述の安定支持状態となる過程における、一対の測定子40、42の間隔を開いてワークWの歯溝部Wgを一対の測定子40、42の間に置き、ワークWの測定対象歯溝に一対の測定子40、42が当接するまでの、可動側の測定子(可動測定子)42の移動量を、マスターワークに対する同一作業の際の、可動測定子42の移動量と比較することで、ワークWのOBD寸法を正確、確実に把握することが可能となる。
したがって、本発明の実施の形態によれば、位置決めに適した明確な段部を持たない軸状部品の、少なくとも軸方向の一部の範囲に、歯溝部が規則的に形成されたワークが、所定の測定姿勢に安定支持され、OBD測定を、正確に行うことが可能となる。
なお、本発明の実施の形態によれば、図1に示すセンタ穴Wcを備えるワークWのみならず、図4に示すような、位置決めに適した明確な段部を持たない軸状部品であって、中心に貫通穴Wdを備えるワークWについても、貫通穴Wdを位置決め手段34に位置決めすることによって、同様の手順でOBDの測定が可能である。なお、図4には明確に表れていないが、通常は、ワークWの各端面は、斜めまたは円弧形状をなしている。
また、本発明の実施の形態では、ワークWの軸方向一端部の中心(センタ穴Wc)と、ワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝の一箇所は、位置関係が固定された位置決め手段34と一対の測定子の固定側(固定測定子)40とによって、常に同一条件で位置決めがなされることから、ワークWの被測定姿勢の安定化が図られる。そして、可動測定子42は、固定測定子40と同軸上で、ワークWの歯溝部Wgに対し離間接近自在、かつ、ワークWの歯溝部Wgに接近する方向へと常時付勢されていることにより、可動測定子42が、位置決め手段34と固定測定子40によって位置決めされたワークWの測定対象歯溝に当接して、ワークWの歯溝部が一対の測定子40、42に挟持されることで、ワークWの測定姿勢のより一層の安定化が図られる。
したがって、作業者に熟練度を要求することなく、誰にでも簡単かつ確実にOBD寸法の測定を行うことが可能となる。
しかも、鉛直上方へと突出する突起34が、ワークWの軸方向一端部に形成されたセンタ穴Wcに嵌合することによって、ワークWは鉛直下方からその中心部を正確に支持される。そして、ワークWの歯溝部Wgが、前述のように、位置決め手段である突起34との位置関係が固定された固定測定子40と、可動測定子42とで挟持されることにより、ワークWの測定姿勢の安定化が図られる。
なお、ワークWの軸方向一端部と位置決め手段との係合は、センタ穴Wcと突起34との係合であることから、ワークWの歯溝部Wgが測定子40、42に挟持されない状態では、ワークWは突起34を中心に自由に回転することが可能であり、全歯溝に対するOBD測定を行う際には、異なる歯溝に対し測定子40、42を当接させるべく、ワークWの回転を自在に行うことが可能となる。
また、一対の測定子40、42は、位置決め手段34の鉛直上方に延びる軸線Cを中心として対向しており、かつ、一対の測定子40、42のうち固定測定子40は、その先端部の位置が、軸線Cから測定対称であるワークWのOBD寸法の1/2だけ離間した位置に、固定されている。
したがって、鉛直上方へと突出する突起34が、ワークWの軸方向一端部の中心に形成されたセンタ穴Wcに嵌合することによって、ワークWは鉛直下方からその中心部を正確に支持された状態で、かつ、一対の測定子の固定側40にワークの歯溝部Wgの歯溝を当接させることで、ワークWは、ほぼ鉛直上方に向けて起立した、所望の被測定姿勢に仮保持される。そして、前述のごとく、可動測定子42がワークWの測定対象歯溝に当接することで、ワークWは所望の被測定姿勢に安定保持されたじょうたいで、OBD測定が行われる。
しかも、位置決め手段34に位置決めされたワークWの歯先部に対し、一対の測定子40、42とは異なる方向から当接するストッパ41を備え、ストッパ41は、位置決め手段34および固定測定子40との位置関係が固定されていることから、位置決め手段34によってワークWの軸方向一端部の中心位置Wgが正確に固定された状態で、ストッパー41がワークの歯溝部に当接することで、ワークWの傾きをある程度拘束し、固定測定子40の測定対象歯溝への当接、および、それに続く可動測定子42の測定対象歯溝への当接を、円滑に行うことが可能となる。
また、コイルばね52の弾性力によって、可動測定子42が、位置決め手段34と固定測定子40によって位置決めされたワークWの測定対象歯溝に当接し、ワークWの歯溝部Wgが一対の測定子40、42に挟持されることで、ワークWの測定姿勢のより一層の安定化が図られる。しかも、ワッシャー等のスペーサを用いた調整手段により、コイルばね52の初期変位量を調整することにより、OBD測定結果に大きな影響を及ぼす測定子40、42の当接圧力の調整を行い、測定結果の精度向上を図ることが可能となる。
しかも、本発明の実施の形態では、位置決め手段34の先端部位置の調整手段であるプレート32を備えることから、長さの異なるワークや、軸方向の歯溝位置が異なるワークに対しても、位置決め手段34の先端部位置を調整することで、同様の手順でOBD測定を実施することが可能となる。
しかも、位置決め手段34と、固定測定子40は、何れも据え置き式の定盤30に対し位置固定され、可動測定子42は、定盤30に対し、固定測定子40と同軸上で、ワークWの歯溝部Wgに対し離間接近自在な方向にのみ移動可能に支持されていることから、測定装置28は、作業者が手で支えることなく各部の位置関係が保証され、かつ、ワークWは、定盤30を基準とした定点測定が行われるので、OBDの測定条件の安定化が図られている。したがって、測定装置自体の重量が作業者の負担となることもなく、OBD測定作業の精度を落とすおそれもなくなる。
なお、本発明の実施の形態によれば、外歯が形成されたワークに対し、OBD測定を実施する場合を例示して説明したが、例えば、筒状の部品に内歯が形成されているようなワークの場合であっても、そのワークのBBD(ビトウィーンボール径)寸法を測定することも可能である。この場合には、固定測定子40、可動測定子42の先端部を互いに離間する方向に向け、かつ、可動測定子42が、常時、固定測定子40から離間する方向へと付勢される構造を採用することとする。また、この場合、固定測定子40の先端部の位置が、位置決め手段34の軸線から測定対称であるBBD寸法の1/2だけ離間した位置に、固定されるように、位置調整を行うことにより、同様の測定作業によって、高精度のBBD寸法測定を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る歯車寸法測定装置を一部断面で示した側面図である。 図1に示す歯車寸法測定装置を一部断面で示した平面図である。 図1の矢視A図である。 本発明の実施の形態に係る歯車寸法測定装置によりOBD測定が可能なワークの断面図である。 従来の測定器を示す模式図である。
符号の説明
28:歯車寸法測定装置、30:定盤、32:プレート、34:ボールピン、36:測定ヘッド本体、40:固定測定子、41:ストッパ、42:可動測定子、44:スピンドル、50:ばね座、52:コイルばね、54:基準プレート、60:カム、62:ハンドル、W:ワーク、Wc:センタ穴

Claims (8)

  1. 少なくとも軸方向の一部の範囲に、歯溝部が規則的に形成されたワークの、歯車寸法測定装置であって、
    ワークの軸方向一端部の中心を位置決めする位置決め手段と、当該位置決め手段に位置決めされたワークの歯溝部に対向し、かつ、ワークの軸方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部に当接する一対の測定子とを備え、
    前記測定子の一方が他方に対し離間接近自在に支持され、かつ、その移動量を測定する測定手段が設けられていることを特徴とする歯車寸法測定装置。
  2. 前記一対の測定子の一方は、前記位置決め手段との位置関係が固定されており、前記一対の測定子の他方は、前記一方の測定子と同軸上で、前記ワークの歯溝部に対し離間接近自在、かつ、前記ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢されていることを特徴とする請求項1記載の歯車寸法測定装置。
  3. 前記位置決め手段は、鉛直上方へと突出し、ワークの軸方向一端部に形成されたセンタ穴に当接する突起であることを特徴とする請求項1または2記載の歯車寸法測定装置。
  4. 前記一対の測定子は、前記位置決め手段の鉛直上方に延びる軸線を中心として対向しており、かつ、前記一対の測定子の固定側は、その先端部の位置が、前記軸線から測定対称であるワークのOBD寸法の1/2だけ離間した位置に、固定されていることを特徴とする請求項3記載の歯車寸法測定装置。
  5. 前記位置決め手段に位置決めされたワークの歯先部に対し、前記一対の測定子とは異なる方向から当接するストッパを備え、該ストッパは、前記位置決め手段および前記固定された一方の測定子との位置関係が固定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の歯車寸法測定装置。
  6. 前記一対の測定子のうち、他方の測定子に対し離間接近自在な測定子を、前記ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢するばねと、該ばねの初期変位量を調整する調整手段とを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の歯車寸法測定装置。
  7. 前記位置決め手段の先端部位置の調整手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の歯車寸法測定装置。
  8. 前記位置決め手段と、前記一対の測定子の一方は、何れも据え置き式の定盤に対し位置固定され、前記一対の測定子の他方は、前記定盤に対し、前記一方の測定子と同軸上で、前記ワークの歯溝部に対し離間接近自在な方向にのみ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の歯車寸法測定装置。
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