JPH1089907A - 内径測定器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】個人の熟練等に影響されない安定した測定を可
能とする内径測定器を提供することを目的とする。 【解決手段】目盛りを付したガイド棒５と、この一方端
に設置され外側が円形状である突起部２１と、ガイド棒
５の他端に配置されこれに摺動自在であるとともに任意
位置で固定可能な第一のスライダ３と、このスライダの
外側に配置されガイド棒５に摺動自在であるとともに突
起部２１に対応して配置されたベアリング８及びガイド
棒５の変位を読みとるゲージ７を備えた第二のスライダ
４と、この第二のスライダ４と第一のスライダ３とを連
結する圧縮バネ６と、を備えたことを特徴とする内径測
定器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、大口径部品の内
径寸法の測定技術に係り、特にその測定手法に改良を施
したものに関する。

【０００２】

【従来の技術】円菅等の大口径部品における内径（直
径）を測定する手段として、従来からノギスや棒形内側
マイクロメータなどの測定工具を用いた測定が行われて
いた。図３は、特に棒形内側マイクロメータ９を用いて
大口径部品１の内径を測定する状態を示す。

【０００３】ここで、かかる棒形の測定具を用いた構成
では、内径（直径）を正確に測定するためには、２つの
作業を行わなければならない。すなわち、図３におい
て、棒形内側マイクロメータ９を、ｘｙ面上に配置する
ことと、原点１２を通過させることである。

【０００４】従って、まず、棒形内側マイクロメータ９
を大口径部品１内でｚ軸方向に揺動させることにより測
定値の最小値（すなわちｘｙ面）を求め、次に、棒形内
側マイクロメータ９を大口径部品１内で図中の点線の如
くｘ軸（ないしｙ軸）方向に揺動させることにより測定
値の最大値（すなわち原点１２）を求める必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
作業は個人の熟練度次第で測定精度に偏りが生じ、また
その性質上測定に時間を要するものである。そこで本発
明では、かかる煩雑な作業を解消し、個人の熟練等に影
響されない安定した測定を可能とする内径測定器を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明においては請求項１記載の発明として、目
盛りを付した棒状体と、かかる棒状体の一方端に設置さ
れ外側が円形状である突起部と、かかる棒状体の他端に
配置されこの棒状体に摺動自在であるとともに任意位置
で固定可能な第一のスライダと、このスライダの外側に
配置され前記棒状体に摺動自在であるとともに前記突起
部に対応して配置されたベアリング及び棒状体の変位を
読みとるゲージを備えた第二のスライダと、この第二の
スライダと前記第一のスライダとを連結する弾性体と、
を備えたことを特徴とする内径測定器を提供する。

【０００７】かかる構成においては、被測定面上への配
置及び内径中心点の通過がともに容易となるため、熟練
を要さずに内径を測定することが可能となる。また、請
求項２の発明として、前記棒状体は、継ぎ足し棒によっ
て延長可能であることを特徴とする請求項１記載の内径
測定器を提供する。かかる構成においては、棒状体の継
ぎ足しによって、更に内径の大なる部品の測定が可能と
なる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。ここで、図１は、本発明の内径測定
器を大口径部品１に取り付けた状態を、横方向（ｘ軸あ
るいはｙ軸方向）から示し、図２は、かかる状態を縦方
向（ｚ軸方向）から示したものである。

【０００９】直線棒状であるガイド棒５は、その一方の
端に接触子２を固定する。かかる接触子２は、大口径部
品１に内側から引っかけて固着するべく突起部２１を有
する。また、突起部２１が大口径部品１に内側から接触
する部分の形状は、大口径部品１の内径の曲率に比し、
曲率大なる円形状である。一方、ガイド棒５の他方の端
には、圧縮バネ６にて連結された第一のスライダ３及び
第二のスライダ４がガイド棒５上を摺動自在に取り付け
られている。ここで、第一のスライダ３は接触子２側に
配置され、任意位置でガイド棒５に固定可能な図示せぬ
止め具を有する。また、第二のスライダ４は大口径部品
１に内側から引っかけて固着するべくベアリング８を有
するとともに、ガイド棒５の変位を読みとるべく変位測
定ゲージ７を有する。また、かかるベアリング８は、前
記突起部２１に対応して配置されている。

【００１０】かかる構成を有する内径測定器では、以下
の手順で内径を測定する。まず、大口径部品１の端部の
任意位置に接触子２を据え付ける。もっとも、かかる状
態は突起部２１を大口径部品１に内側から押圧されてい
るだけであり、ガイド棒５はかかる接触部を中心に揺動
可能な状態である。次に、スライダ３をガイド棒５上で
摺動し所定位置で固定する。かかる所定位置は、ベアリ
ング８が大口径部品１端部の内径他端に一定の押圧しう
る箇所であるが、スライダ４との間に介在する圧縮バネ
６の圧縮力等によって決定する。次に、接触子２を支点
として、ハンドル１３をもって揺動する。この際ベアリ
ング８は回転自在であり、スライダ４は圧縮バネ６の圧
縮力によって大口径部品１の内径形状を忠実になぞり得
る。ここで、変位測定ゲージ７の示す変位が最大値を示
せば、かかる値を内径として読みとることができる。

【００１１】以上のように本実施形態による内径測定器
では、接触子２及びスライダ４をもって大口径部品１の
端部をとらえることで、ｘｙ面上に配置することが容易
であり、また接触子２を支点とした揺動とともに最大値
を求めやすい構成を採用したことで、原点１２の通過も
容易であるため、内径の測定が容易となる。

【００１２】更に本発明の他の実施形態として、図４に
示すものがある。すなわち、延長ロッド１０あるいは延
長ロッド１１を継ぎ足して使用するものである。大口径
部品１とはいっても実際には様々の種類のものがあり、
その大きさもバラエティに富んでいるため、スライダ３
の摺動による位置決めだけでは対処できない大型のもの
もあるからである。従って、本実施形態の採用により本
発明の適用範囲が広まり、現実の使用に適したものとな
る。

【００１３】

【発明の効果】以上本発明の内径測定器では、被測定面
の鉛直断面に配置することが容易であり、かつ被測定面
の中心点を通過させることも容易であるため、特別な熟
練を要さずとも内径を正確に求めることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態における内径測定器の据
えつけ状態を横方向から見た構造図。

【図２】本発明の第一実施形態における内径測定器の据
えつけ状態を縦方向から見た構造図。

【図３】本発明の第二実施形態の内径測定器の構造図。

【図４】従来における内径測定手法を示す概略構造図。

【符号の説明】

１…大口径部品、２…接触子、３…第一のスライダ、４
…第二のスライダ、５…ガイド棒、６…押圧バネ、７…
変位測定ゲージ、８…ベアリング、１２…原点、２１…
突起部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】目盛りを付した棒状体と、かかる棒状体の
   一方端に設置され外側が円形状である突起部と、かかる
   棒状体の他端に配置されこの棒状体に摺動自在であると
   ともに任意位置で固定可能な第一のスライダと、このス
   ライダの外側に配置され前記棒状体に摺動自在であると
   ともに前記突起部に対応して配置されたベアリング及び
   棒状体の変位を読みとるゲージを備えた第二のスライダ
   と、この第二のスライダと前記第一のスライダとを連結
   する弾性体と、を備えたことを特徴とする内径測定器。
2. 【請求項２】前記棒状体は、継ぎ足し棒によって延長可
   能であることを特徴とする請求項１記載の内径測定器。