JP2006233777A - エアクリーナのハウジング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジンルーム内に搭載され、内部にエアフィルタ14を設けたエアクリーナのハウジング11において、エアフィルタ14の上流側に、脚部17として不織布等の厚さ方向全てにおいて繊維集合体よりなる変形部材24を設ける。そして、ハウジング11に対して衝突事故等により外力荷重が作用したとき、変形部材24が変形して衝撃が吸収されるようにする。
【選択図】 図1
Description
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記変形部材が硬質部と軟質部とを有し、硬質部においてハウジングに固定されるとともに、外力荷重により軟質部が変形することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明においては、請求項7に記載の発明において、脚部の内部空間に対応して第1ハウジングに透孔を設けたことを特徴とするものである。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、衝突事故の発生等によりハウジングに外力荷重が作用したとき、変形部材が変形してボンネットパネルの変形が許容されるとともに、衝撃を吸収することができる。この場合、変形部材が厚さ方向全てにおいて繊維集合体により構成されているため、その変形部材は割れ等の破壊を生じたりすることなく変形するのみである。また、そして、変形部材がエアフィルタの上流側に設けられて、その上流側の変形部材の変形により衝撃が吸収されるため、エアフィルタの下流側のハウジングケース等が破壊されるのを防止することが可能になる。従って、その破壊にともなう破片等がエンジン内に吸入されるのを未然に防止でき、エンジントラブル等の発生を防止することが可能になる。さらに、変形部材が割れたりすることがないため、割れた部分から吸気音や吸気音に起因する共鳴音等が外部に出てしまうことを抑止できる。
請求項3に記載の発明においては、変形部材に硬質部と軟質部とが設けられているため、硬質部に所定の剛性を持たせて、その部分でハウジングに取り付けることができるとともに、ハウジングに外力荷重が作用したとき、軟質部において容易に変形させることができる。
請求項6に記載の発明においては、ハウジングに外力荷重が作用したとき、変形部材よりなる脚部が変形して、十分な衝撃吸収効果を発揮させることができるとともに、変形部分をエアフィルタから離隔して配置できるため、エアフィルタの機能、すなわちエアクリーナとしての機能が阻害されることはほとんどなく、変形後も充分な濾過機能を維持できる。しかも、変形部材が脚部を構成しているため、ハウジングの本体部分には構造変更を加える必要がなく、ハウジングの製造に関して、従来の製造設備及び製造方法にわずかの変更を加えるのみでよく、製造が簡単である。
請求項9に記載の発明においては、環状をなす変形部材の座屈状の変形により、衝撃を有効に吸収できる。
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態のエアクリーナのハウジング11は、上面を開口した有底箱型の第1のハウジングケースとしての下ハウジングケース12と、下面を開口した有蓋箱型の第2のハウジングケースとしての上ハウジングケース13とから構成されている。両ハウジングケース12,13は、それらの開口周縁に形成されたフランジ部12a及び被覆部13aを互いに係合させた状態で、図示しない止め具によりフランジ部12a及び被覆部13aクランプすることにより止着されている。両ハウジングケース12,13内に配置されるように、下ハウジングケース12と上ハウジングケース13との間にはエアフィルタ14が挟着保持されている。
さて、このエアクリーナのハウジング11を搭載した車両において、衝突事故の発生等によりボンネットパネルを介してハウジング11に対してその上方から所定値を超える外力荷重が作用すると、図4に示すように、各脚部17の円筒状をなす変形部材24の軟質部24cが座屈状に変形して衝撃が吸収される。これにより、ボンネットパネルの変形が許容されて、衝撃が緩和される。このため、上ハウジングケース13等のハウジング11が破損されたり、ハウジング11の破壊によって割れ等が形成されたりすることを抑止できる。従って、ハウジング11の破片や外部ダストがエンジンに吸い込まれて、エンジントラブル等が発生するのを防止することができる。
さらに、変形部材24に硬質部24a,24bと軟質部24cとが形成されている。このため、図2に示すように、硬質部24a,24bにより変形部材24を下ハウジングケース12に対して強固に固定できる。そして、ハウジング11に外力荷重が作用したときには、図4に示すように、変形部材24を軟質部24cにおいて容易に変形させて、衝撃を有効に吸収することができる。
・ ハウジング11に外力荷重が作用したとき、変形部材24が破壊されたりすることなく変形して衝撃を吸収し、ボンネットパネルの充分な変形を許容できるとともに、ハウジング11の破損を防止できる。
・ 変形部材24がエアフィルタ14の上流側に設けられているため、仮に変形部材24に割れ目が形成されたとしても、ダスト等がエンジンに吸い込まれることを抑制できる。
・ 変形部材24の両端部に硬質部24a,24bが、それらの間に軟質部24cが形成されているため、変形部材24を脚部17として硬質部24a,24bにおいて強固にハウジング11に取り付けることができるとともに、ハウジング11に外力荷重が作用したとき、軟質部24cにおいて容易に変形させることができる。
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図5及び図6に示すように、ハウジング11の下ハウジングケース12が、エア流入口15を形成した周壁部27と、複数の脚部17を一体に突出形成した底板部28とに分割して構成されている。下ハウジングケース12の周壁部27と底板部28との間には、環状の変形部材29が接着により取り付けられている。この変形部材29は、前記第1実施形態の変形部材24と同様に厚さ方向全てにおける繊維集合体としての不織布から形成され、その上下両端部には硬質部29a,29bが設けられるとともに、中間部には軟質部29cが設けられている。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記各実施形態において、変形部材24,29を不織布以外の繊維集合体、例えば、3次元織物や、あるいは複数枚の平織り布を積層した積層体で形成すること。
Claims (10)
- エンジンルーム内に搭載され、内部にエアフィルタを設けたエアクリーナのハウジングにおいて、
前記エアフィルタの上流側で、外力荷重が作用する部分に厚さ方向全てにおいて繊維集合体よりなる変形部材を設け、外力が作用した場合には前記変形部材が変形して外力を吸収するように構成したことを特徴とするエアクリーナのハウジング。 - 前記変形部材を不織布により構成したことを特徴とする請求項1に記載のエアクリーナのハウジング。
- 前記変形部材は硬質部と軟質部とを有し、硬質部においてハウジングに固定されるとともに、外力荷重により軟質部が変形することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアクリーナのハウジング。
- 前記変形部材は、低融点繊維と高融点繊維とよりなり、低融点繊維を溶融固化させることにより、前記硬質部が形成されたことを特徴とする請求項3に記載のエアクリーナのハウジング。
- 前記エアフィルタをエア流の上流側に位置する第1のハウジングケースとエア流の下流側に位置する第2のハウジングケースとの間に配置し、前記変形部材を第1のハウジングケースに設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のエアクリーナのハウジング。
- 前記第1のハウジングが車体に固定される脚部を有し、その脚部を前記変形部材により構成したことを特徴とする請求項5に記載のエアクリーナのハウジング。
- 前記脚部がほぼ円筒状をなしていることを特徴とする請求項6に記載のエアクリーナのハウジング。
- 脚部の内部空間に対応して第1ハウジングに透孔を設けたことを特徴とする請求項7に記載のエアクリーナのハウジング。
- 前記変形部材が環状をなすとともに、第1のハウジングケースの周壁部の一部を構成していることを特徴とする請求項5に記載のエアクリーナのハウジング。
- 変形部材は、複層構造をなしていることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載のエアクリーナのハウジング。
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