JP2006233308A - 耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】 本発明のオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼は、mass%で、C:0.2%以下、Si:0.40%以下、Mn:2%超〜4%未満、P:0.1%以下、S:0.03%以下、Cr:15%〜35%、Ni:1%以下、N:0.05%〜0.6%、残部鉄および不可避的不純物からなるオーステナイト相とフェライト相との二相ステンレス鋼であって、前記オーステナイト相分率を体積率で10〜85%とする。さらに、上記成分に加え、本発明では、Vを0.5%以下、もしくはAlを0.1%以下、もしくはMo:4%以下、Cu:4%以下のいずれか1種または2種を含有することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼に関するものである。
ステンレス鋼は耐食性に優れた材料として、自動車用部品、建築用部品、厨房用器具など広い用途で用いられる。
ステンレス鋼のうち、フェライトオーステナイト系ステンレス鋼は、強度および耐食性に優れた材料であり、海水などの高塩化物環境、油井などの厳しい腐食性環境用の耐食性材料として使用されている。しかし、JISに規定されているSUS329系フェライトオーステナイト系ステンレス鋼は、Ni含有量が3重量%以上と高く、経済的理由からその使用範囲は必ずしも広くなかった。
このような経済的理由あるいはNi資源保護の理由から、Niを低減したオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が求めらている。これに対して、特許文献1には、Ni量を0.1〜1重量%に制限した、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼に関する技術が開示されている。特許文献1によると、0.1〜1重量%のNiを含有したオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼において、オーステナイトの安定度を示す指数(IM=551-805(C+N)%-8.52Si%-8.57Mn%-12.51Cr%-36Ni%-34.5Cu%-14Mo%)を40〜115の範囲に制限することによって、優れた伸びを有するオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が得られる。
特開平11-71643号公報
しかしながら、特許文献1では、Niを低減する代わりにオーステナイト生成元素としてNが0.1〜0.3重量%の範囲で添加される。そのため、溶体化焼鈍後の冷却速度が遅い場合にはNがクロム窒化物として析出し、耐食性が劣化するという、いわゆる鋭敏化の問題があった。
具体的には、板厚1.5mm以上の仕上げ焼鈍板を空冷した場合には、材料の冷却速度が遅いため、冷却時に鋭敏化し耐食性が不十分な場合が散見された。
また、最終板厚が1.5mm未満の材料についても、中間工程である母板焼鈍時の鋭敏化による問題があった。すなわち、1.5mm未満の仕上げ焼鈍板は製鋼、鋳造ののち、熱延、母板焼鈍、酸洗による脱スケール、冷間圧延、仕上げ焼鈍、酸洗による脱スケールによって製造されるが、このうち、母板焼鈍(焼鈍時板厚1.5〜7mm)後の空冷時に材料が鋭敏化するため、その後の酸洗時に結晶粒界が優先浸食され、なおかつ冷間圧延でもこれらの優先浸食溝が消えないため、最終仕上げ焼鈍板の表面性状が著しく劣化するという問題である。表面性状を改善するためには母板焼鈍後にグラインダーによる表面を切削することが有効であるが、著しくコストがかかる。
以上から、溶体化熱処理後の冷却時に鋭敏化しづらい材料が望まれているのが現状である。本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。そして、各種の、Ni量1%以下でNが0.1%以上のオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼の耐粒界腐食性について調査した結果、鋼中のSi量がクロム窒化物の析出挙動に影響を与えていることを見い出し、本発明に至った。具体的には、Si量を規定しNの固溶度を高めることで、溶体化後空冷時に粒界にクロム窒化物の析出が抑制され、結果として鋭敏化による耐粒界腐食が防止されることを見い出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]mass%で、C:0.2%以下、Si:0.40%以下、Mn:2%超〜4%未満、P:0.1%以下、S:0.03%以下、Cr:15%〜35%、Ni:1%以下、N:0.05%〜0.6%、残部鉄および不可避的不純物からなるオーステナイト相とフェライト相との二相ステンレス鋼であって、前記オーステナイト相分率を体積率で10〜85%とすることを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
[2]前記[1]において、さらに、mass%で、Vを0.5%以下含有することを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
[3]前記[1]または[2]において、さらに、mass%で、Alを0.1%以下含有することを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、さらに、mass%で、Mo:4%以下、Cu:4%以下のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかにおいて、さらに、mass%で、B:0.01%以下、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.1%以下、Ti:0.1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
[6]前期[1]〜[5]のいずれかにおいて、さらに、mass%で、オーステナイト相中の(C+N)量が0.16%以上2%以下であることを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
[7]前期[1]〜[6]のいずれかにおいて、さらに、オーステナイト相中に含有される成分から次式により規定される加工誘起マルテンサイト指数Md(γ)が-30以上90以下であることを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
Md(γ)=551-462C(γ)-462N(γ)-9.2Si(γ)-8.1Mn(γ)-13.7Cr(γ)-18.5Mo(γ)-29Ni(γ)-29Cu(γ)
C(γ):オーステナイト相中のC含有量、mass%
N(γ):オーステナイト相中のN含有量、mass%
Si(γ):オーステナイト相中のSi含有量、mass%
Mn(γ):オーステナイト相中のMn含有量、mass%
Cr(γ):オーステナイト相中のCr含有量、mass%
Mo(γ):オーステナイト相中のMo含有量、mass%
Ni(γ):オーステナイト相中のNi含有量、mass%
Cu(γ):オーステナイト相中のCu含有量、mass%
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべてmass%である。
本発明によれば、Ni量が低く高Nでありながら、鋭敏化によって耐食性が劣化することなく、耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が得られる。また、本発明のステンレス鋼は、Ni含有率が低いので、環境保護の上から、そして経済的理由から好ましく、さらに上記のように優れた特性をも有するので産業上有益な発明といえる。
本発明のオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼は、Siを中心として下記に示す成分に規定し、オーステナイト相分率を体積率で10〜85%としたことを特徴とする。これらは本発明において最も重要な要件であり、上記のように成分、組織を最適化することにより、耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に係るオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼の化学成分(組成)の限定理由は以下の通りである。
C:0.2%以下
Cは強度を高めるために有効な元素であり、適宜添加することができる。また、オーステナイト相分率を高めるとともに、オーステナイト相中に濃化してオーステナイト相の安定度を高める。これらの効果を得るためには0.003%以上が好ましい。しかしながら、C量が0.2 %を超えると炭素を固溶させるための熱処理温度が著しく高くなり、大量生産することが困難になる。よって、C量は0.2%以下とする。耐応力腐食割れ性の点からは、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下とする。
Si:0.40%以下
Siの限定は本発明において重要な要件の一つである。Siは脱酸材として有効な元素であり、適宜添加することができる。その効果を得るためには0.01%以上が好ましい。しかしながら、Si量が0.40%を超えるとNの固溶度が低下するため鋭敏化による耐粒界腐食性の劣化が散見されるようになる。よって、Si量は0.40%以下、好ましくは0.38%以下とする。
Mn:2.0%超〜4.0%未満
2.0%超で、Nの溶解度を高め、製鋼時のN添加を容易にする。同時にMnの添加はオーステナイト相分率を高める。ただし、4.0%以上ではオーステナイト相を生成する効果が飽和する。よって、Mn量は2.0%超4.0%未満、好ましくは2.2%以上3.8%以下とする。
P:0.1%以下
Pは耐隙間部耐食性に有害な元素であり、特に0.1%を超えると影響が顕著になる。よってP量は0.1%以下、好ましくは0.05%以下とする。
S:0.03%以下
Sは熱間加工性に有害な元素であり、特に0.03%を超えると影響が顕著になる。よって、S量は0.03%以下、好ましくは0.02%以下とする。
Cr:15〜35%
Crは、ステンレス鋼に耐食性を付与する重要な成分であり、本発明においても15%未満では十分な耐食性が得られない。一方、Cr量が35%を超えると、鋼中にオーステナイト相を形成することが困難となる。よって、Cr量は15%以上35%以下、好ましくは17%以上30%以下とする。さらに好ましくは18%以上28%以下である。
Ni:1%以下
Ni量は経済的理由およびNi資源保護の理由により、1%以下に制限される。好ましくは、0.9%以下である。一方で、Ni量が0.10%以下であると、母材及び溶接部の靱性が低下する場合がある。よって溶接部を含む母材の靱性向上のためには、0.10%超で含有するのが好ましい。
N:0.05〜0.6%
Ni量が1%に制限される本発明においては、Nはオーステナイト相を形成する元素として重要である。しかし、N量が、0.05%未満では十分な量のオーステナイト相が形成されない。一方で、0.6%を超える添加は、溶接部にブローホールを発生させる。よって、N量は、0.05%以上0.6%以下、好ましくは、0.1%以上0.4%以下とする。さらに好ましくはオーステナイト相生成の観点から0.18%以上、熱間加工性向上の観点から0.34%以下である。
本発明の鋼板は、上記の必須含有元素で目的とする特性が得られるが、所望の特性に応じて以下の元素を含有することができる。
V:0.5%以下
Vは鋼板の組織を微細化し、強度を高めるので任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.005%以上が好ましい。ただし、0.5%を超えると、高温の焼鈍を行ってもV析出物を減じることが困難であり、張り出し成形性が劣化する。よって添加する場合、V量は0.5%以下、好ましくは0.2%以下とする。
Al:0.1%以下
Alは強力な脱酸材であり、任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.003%以上が好ましい。ただし、0.1%を超えると、窒化物を形成し、鋼板の疵の原因となる。よって、添加する場合、Al量は、0.1%以下、好ましくは、0.02%以下とする。
Mo:4%以下、Cu:4%以下のいずれか1種または2種
Moは耐食性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.1%以上が好ましい。しかし、4%を超えると効果が飽和する。よって、添加する場合、Mo量は、4%以下、好ましくは、2%以下とする。
Cuは耐食性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.1%以上が好ましい。しかし、4%を超えると熱間加工性が著しく劣化する。よって添加する場合、Cu量は、4%以下、好ましくは2%以下とする。
B:0.01%以下、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.1%以下、Ti:0.1%以下のいずれか1種または2種以上
Bは熱間加工性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.0003%以上が好ましい。しかし、0.01%を超えると耐食性が著しく劣化する。よって、添加する場合、B量は、0.01%以下、好ましくは0.005%以下とする。
Caは熱間加工性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.0003%以上が好ましい。しかし、0.01%を超えると耐食性が著しく劣化する。よって、添加する場合、Ca量は、0.01%以下、好ましくは、0.005%以下とする。
Mgは熱間加工性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.0003%以上が好ましい。しかし、0.01%を超えると耐食性が著しく劣化する。よって、添加する場合、Mg量は、0.01%以下、好ましくは0.005%以下とする。
REMは熱間加工性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.002%以上が好ましい。しかし、0.1%を超えると耐食性が著しく劣化する。よって添加する場合、REM量は、0.1%以下、好ましくは、0.05%以下とする。なお、上記REMとは、La、Ce等の希土類元素のことである。
Tiは熱間加工性を向上させる任意成分として適宜添加することができる。その効果を得るためには0.002%以上が好ましい。しかし、0.1%を超えると窒化物を形成し、鋼板の疵の原因になる。よって、添加する場合、Ti量は、0.1%以下、好ましくは0.05%以下とする。
また、Nbは鋭敏化(粒界のクロム炭化物、クロム窒化物の生成による耐食性劣化)を抑える元素として添加することができる。その効果を得るためには0.01%以上が好ましい。しかし、2%を超えると、Nbの炭窒化物が多量に生成し、鋼中の固溶C,Nが消費されるため好ましくない。
上記以外の残部はFe及び不可避不純物とする。不可避的不純物として、Oは介在物による表面疵を防止する観点からは極力低減するのが好ましい。
次に、本発明の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼の組織について説明する。本発明のオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼板の組織は、オーステナイト相分率を全組織に対して体積率で10〜85%とする。以下に詳細に説明する。
オーステナイト相分率が10%未満ではSi低減による優れた耐粒界腐食性が発揮されない。一方、85%を超えると、応力腐食割れ感受性が著しく高まる。よって、オーステナイト相分率は10%以上85%以下とし、好ましくは15%以上85%とする。さらに好ましくは25%以上75%以下とする。なお、本発明における分率とは、体積率であり、たとえば鋼断面の組織写真を画像処理することによって面積率を測定しこれにかえることもできる。すなわち、オーテナイト相分率とは、金属組識中に占めるオーステナイトの体積率であり、典型的には圧延方向に平行な鋼板断面の鋼組織を光学顕微鏡下で観察し、組識中に占めるオーステナイトの割合を線分法あるいは面分法測定することで決定できる。具体的には、試料を研磨の後、赤血塩溶液(フエリシアン化カリウム(K3[Fe(CN)6]):30g+水酸化カリウム(KOH):30g+水(H20):60m1)にてエッチングすると、光学顕微鏡下ではフェライト相は灰色、オーステナイト相およびマルテンサイト相は白色と判別されるので、灰色部と白色部の占める分率を画像解析によって求め、白色部の比率をオーステナイト相分率とするのである。厳密にいうと、本方法ではオーステナイト相とマルテンサイト相を見分けることができず、白色部中にオーステナイト相だけではなく、マルテンサイト相も含まれることが有り得るが、たとえ、白色部にマルテンサイト相が含まれる場合でも、本手法によって測定したオーステナイト相分率および他の条件が満たされれば、目的の効果が得られる。このようなオーステナイト相分率は鋼組成および鋼板製造熱履歴により制御することができる。
また、上記オーステナイト相分率は鋼の成分組成と最終焼鈍工程の焼鈍条件(温度、時間)を調整することにより制御することができる。具体的にはCr、Si、Mo量が低く、C、N、Ni、Cu量が高いほど、オーステナイト相分率は増加する。また、焼鈍温度は、高すぎるとオーステナイト相分率が減少し、一方、低すぎると、C、Nが炭窒化物として析出して固溶量が減少し、オーステナイト相の形成能が低下し、やはりオーステナイト相分率が減少する。つまり、鋼成分組成に応じて、最大のオーステナイト相分率が得られる温度範囲があり、本発明の成分組成では、その温度は700〜1300℃の範囲である。焼鈍時間は、長くするほど、鋼の成分組成と温度によって決定される平衡状態のオーステナイト相分率に近づくため好ましいが、30秒程度以上確保すれば充分である。
以上の基本的組成を有し、かつ金属組織中のオーステナイト相分率が10%以上85%以下としたフェライト・オーステナイトステンレス系鋼は、比較的低コストであり、Ni資源の省資源化を図りながら耐粒界耐食性に優れている。しかしながら、さらに成形性(延性、深絞り性)を確保するためには、本発明のフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼においては鋼組織のオーステナイト相に含まれるC+N量を0.16%以上2%以下とするのが好ましい。鋼組織のオーステナイト相に含まれるC+N量が0.16%未満では十分な成形性が得られず、一方、2%を超えて含有することは困難であるからである。なお好ましく0.20〜2%の範囲で含有させるのがよい。さらに好ましくは0.3〜1.5%の範囲で含有させるのが良い。
このオーステナイト相中のC、N量は、鋼の組成と焼鈍条件(温度、時間)を調整するこ
とによって行うことができる。鋼組織および焼鈍条件とオーステナイト相中のC、N量の関係は一概にはいえないが、鋼組織中のCr、C、N量が多いときにはオーステナイト相中のC、N量が高まる場合が多く、また、鋼の成分組成が同一の場合には、焼鈍条件によって決定されたオーステナイト相分率が低いほど、オーステナイト相中のC、N量が高まる場合が多いことなど経験的に得られた知識に基づいて適量のC、Nを含有することができる。なお、オーステナイト相中のC、Nの含有量の測定は、たとえばEPMAにより行うことができる。
オーステナイト相に含まれるC+N量は、まず延性に影響を及ぼす。その理由は定かでは
ないが、本発明者は以下のように考えている。すなわち、鋼片が引張り変形されると、通
常ネッキング(くびれ)が生じ、やがて破断に至るが、本発明のステンレス鋼では、オー
ステナイト相が存在するため、微小なネッキングが生じ始めると、その部位のオーステナ
イト相がマルテンサイト相に加工誘起変態し、他の部位に比べて硬くなる。そのため、それ以上のネッキングが進まなくなり、結果として鋼片全体に亘って均一に変形が進行し、
結果として高い延性を示すことになる。特にオーステナイト相中のC+N量が高い場合には
、初期ネッキング部に発生したマルテンサイト相の硬度が高く、オーステナイト相中の
C+N量が少ないステンレス銅に比べて、オーステナイト分率が同量であっても加工誘起マ
ルテンサイト相による延性向上効果が非常に有効に働くものと推定される。
延性の向上には、このようにオーステナイト相がマルテンサイト相に加工誘起変態する
ことが原因であると推定されるが、その指標として加工誘起マルテンサイト指数(Md(γ)
)を用い、これを−30〜90の範囲に調整することがさらに高い延性を得るために効果的で
ある。ここに加工誘起マルテンサイト指数(Md(γ))は、オーステナイト相中に含有され
る組成成分から下記式によって決定されるものである。
Md(γ)=551−462C(γ)-462N(γ)-9.2Si(γ)-8.1Mn(γ)-13.7Cr(γ)-18.5Mo(γ)-29Ni(γ)-29Cu(γ)
C(γ):オーステナイト相中のC含有量
N(γ):オーステナイト相中のN含有量
Si(γ):オーステナイト相中のSi含有量
Mn(γ):オーステナイト相中のMn含有量
Cr(γ):オーステナイト相中のCr含有量
Mo(γ):オーステナイト相中のMo含有量
Ni(γ):オーステナイト相中のNi含有量
Cu(γ):オーステナイト相中のCu含有量
すべて、mass%である。
この高加工誘起マルテンサイト指数Md(γ)は、オーステナイト相の加工による加工誘起マルテンサイト変態のしやすさを示す指数であり、この指数が低いほど加工に伴うマルテンサイト変態が起こり難く、この加工誘起マルテンサイト指数が高いほど加工に伴うマルテンサイト変態が起こりやすい傾向がある。加工誘起マルテンサイト指数Md(γ)が-30未満では、加工に際して微少なネッキングが生じ始めるときに、微少ネッキング部で発生する加工誘起マルテンサイト量が少ないと考えられる。これに対し、Md(γ)が90を超える場合は、微少ネッキングが生じ始める前に鋼全体でオーステナイト相がマルテンサイト変態してしまうため、加工に際して微少なネッキングが生じ始めるときには、加工誘起マルテンサイトのもととなるオーステナイト相が存在しないか、極めて少ないと考えられる。したがって、加工誘起マルテンサイト指数Md(γ)を-30から90の範囲に調整することによって、加工時の微少ネッキングが生じ始めるときのネッキング部位でのマルテンサイト量が最適化されて非常に高い延性を示すものと推定される。
上記で説明した条件を具備するときには、延性のみならず、高い深絞り性も兼備する。この理由は、上述した延性に及ぼすオーステナイト相分率およびオーステナイト相中のC+N量の影響に関する説明と同様であり、深絞り加工で特に変形が集中して割れが発生しやすいコーナー部で、加工誘起マルテンサイト相による硬化が起こって局部変形が抑制されたと考えられる。
このように、基本的組成、金属組織中オーステナイト相分率に加え、オーステナイト
相中のC+N量、さらには上記加工誘起マルテンサイト指数を適正値に調整することにより
、本発明の鋼は、基本的な性質である優れた耐粒界腐食性のほか、高い成形性(延性、深絞り性)を具備することとなる。
表1に示す成分組成を有する各種鋼を真空溶解あるいは窒素分圧を最大0.9気圧までの範囲で制御した雰囲気下で溶製し、鋼スラブ(または鋼塊、鋳塊)とした後、常法に従って、熱間圧延により6mm厚の熱延板を作製した。次いで、1100℃の母板焼鈍、表面切削による脱スケール後、冷間圧延により4.5mmtの冷延板を作製した。得られた冷延板について1050℃で仕上げ焼鈍(空冷)を行い、冷延焼鈍板を作成した。
作成した冷延焼鈍板に対して、組織観察、耐粒界腐食性の測定を行った。得られた結果を表1に併せて記す。なお、組織観察方法、耐粒界腐食性の測定・評価方法は下記の通りである。
<組織観察>
上記冷延焼鈍板の圧延方向の断面組織を光学顕微鏡を用いて全厚×0.1mm以上の範囲に亘って観察し、オーステナイト相の面積率を測定してオーステナイト相分率とした。具体的には、試料の圧延方向断面を研磨した後、赤血塩溶液(フェリシアン化カリウム30g+水酸化カリウム30g+水60ml)あるいは王水でエッチング後、白黒写真撮影を行い、白色部(オーステナイト相とマルテンサイト相)と灰色部(フェライト相)の占める割合を画像解析により求め、白色部の分率をオーステナイト相分率とした。なお、白色部には、オーステナイト相だけでなくマルテンサイト相も含まれることがあるが、本発明のステンレス鋼板は、マルテンサイト相が微量であるため、本発明で測定した値をオーステナイト相分率として用いてもよい。また、白色部と灰色部が反転することがあるが、この場合は、オーステナイト相の析出形態から、オ−ステナイトとフェライト相を判別することができる。
<耐粒界腐食性の測定および評価>
上記により得られた冷延焼鈍板をエメリー#300番で表面を研磨した後、耐粒界腐食性の評価を行った。
試験溶液として硫酸銅5水和物100mg及び硫酸100mlを水に加えて、1000mlの硫酸・硫酸銅溶液を作成した。
試験方法としては、試験片を上記の試験溶液を沸騰させた溶液に8時間浸漬し、取り出した後、曲げ半径:4.5mm、曲げ角度90℃で曲げを行い、曲げ外R部の割れを観察した。
Figure 2006233308
表1より、本発明例は粒界腐食による割れがなく、耐粒界腐食性に優れていることが明らかである。一方、比較例では、粒界腐食による割れが観察された。
表1のNo.12〜17および表2のNo.18、19に示す成分組成を有する各種鋼を真空溶解あるいは窒素分圧を最大0.9気圧までの範囲で制御した雰囲気下で溶製し、鋼スラブ(または鋼塊、鋳塊)とした後、常法に従って、熱間圧延により3〜4mm厚の熱延板を作製した。次いで、1100℃の母板焼鈍、脱スケール後、冷間圧延により0.8mmtの冷延板を作製した。得られた冷延板について1050℃で仕上げ焼鈍(空冷)を行い、冷延焼鈍板を作成した。
Figure 2006233308
作成した冷延焼鈍板に対して、組織観察、オーステナイト相中の成分分析、引張試験および限界絞り比の測定行った。なお、これらの試験方法は下記のとおりである。
<組織観察>
上記冷延焼鈍板の圧延方向の断面組織を光学顕微鏡を用いて全厚×0.1mm以上の範囲に亘って観察し、オーステナイト相の面積率を測定してオーステナイト相分率とした。具体的には、試料の圧延方向断面を研磨した後、赤血塩溶液(フェリシアン化カリウム30g+水酸化カリウム30g+水60ml)あるいは王水でエッチング後、白黒写真撮影を行い、白色部(オーステナイト相とマルテンサイト相)と灰色部(フェライト相)の占める割合を画像解析により求め、白色部の分率をオーステナイト相分率とした。なお、白色部には、オーステナイト相だけでなくマルテンサイト相も含まれることがあるが、本発明のステンレス鋼板は、マルテンサイト相が微量であるため、本発明で測定した値をオーステナイト相分率として用いてもよい。また、白色部と灰色部が反転することがあるが、この場合は、オーステナイト相の析出形態から、オ−ステナイトとフェライト相を判別することができる。
<オーステナイト相中の成分分析>
上記断面を研磨した試料を用いて、EPMAによるオーステナイト相中の成分分析を行った。具体的には、C、Nはオーステナイト相中に濃化する特徴があるので、まず断面全体について、CまたはNの定性マッピングを行ってオーステナイト相を特定した上で、フェライト相に電子ビームがかからないようにオーステナイト相のほぼ中央部について、C、N、Si、Mn、Cr、Ni、CuおよびMoを定量分析した。測定領域は約1μmφの範囲で、各試料について3点以上測定し、その平均値を代表値とした。また、これらの測定値を元に、下記式で定義されるオーステナイト相の加工誘起マルテンサイト指数(Md(γ))を求めた。
Md(γ)=551−462C(γ)-462N(γ)-9.2Si(γ)-8.1Mn(γ)-13.7Cr(γ)-18.5Mo(γ)-29Ni(γ)-29Cu(γ)
C(γ):オーステナイト相中のC含有量、mass%
N(γ):オーステナイト相中のN含有量、mass%
Si(γ):オーステナイト相中のSi含有量、mass%
Mn(γ):オーステナイト相中のMn含有量、mass%
Cr(γ):オーステナイト相中のCr含有量、mass%
Mo(γ):オーステナイト相中のMo含有量、mass%
Ni(γ):オーステナイト相中のNi含有量、mass%
Cu(γ):オーステナイト相中のCu含有量、mass%
<引張試験>
冷延焼鈍板から、圧延方向に対して0°(平行)、45°および90°の各方向からJIS13号B引張試験片を採取して、引張試験を行い、破断までの全伸びを測定した。下記式を用いて平均伸び(El)を計算し全伸びとして評価した。
El={El(0°)+2El(45°)+El(90°)}/4
<限界絞り比>
冷延焼鈍板から、直径(ブランク径)を種々の大きさに変えた円形の試験片を打ち抜き、この試験片を、ポンチ径35mm、板押さえ力:1tonの条件で円筒絞り成形し、破断することなく絞れる最大のブランク径をポンチ径で割って限界絞り比(LDR)を求め、深絞り性を評価した。なお、円筒絞り成形に用いた試験片の打ち抜き径は、絞り比が0.1間隔となるよう変化させた。
これらの試験の結果を表3に示した。
Figure 2006233308
表3より、オーステナイト相中の(C+N)量が0.16〜2%の範囲の本発明例(鋼No.12〜17)は比較例(鋼No.18〜19)に比べて、限界絞り比および全伸びが高く成形性に優れていることが明らかである。また、オーステナイト相分率が同程度(48〜56%)でMd(γ)が異なる鋼No.12〜15を比較すると、Md(γ)が-30〜90の範囲に調整された鋼No.13、14では特に高い限界絞り比と全伸びを有しており、成形性に優れていることが明らかである。
各種自動車部品や、厨房機器、建築金具用以外でも、優れた耐粒界腐食性が要求される分野の材料として好適である。

Claims (7)

  1. mass%で、C:0.2%以下、Si:0.40%以下、Mn:2%超〜4%未満、P:0.1%以下、S:0.03%以下、
    Cr:15%〜35%、Ni:1%以下、N:0.05%〜0.6%、残部鉄および不可避的不純物からなるオーステナイト相とフェライト相との二相ステンレス鋼であって、前記オーステナイト相分率を体積率で10〜85%とすることを特徴とする耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
  2. さらに、mass%で、Vを0.5%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
  3. さらに、mass%で、Alを0.1%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
  4. さらに、mass%で、Mo:4%以下、Cu:4%以下のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
  5. さらに、mass%で、B:0.01%以下、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.1%以下、Ti:0.1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
  6. さらに、mass%で、オーステナイト相中の(C+N)量が0.16%以上2%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
  7. さらに、オーステナイト相の成分から次式により規定されるMd(γ)が-30以上90以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐粒界腐食性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼。
    Md(γ)=551-462C(γ)-462N(γ)-9.2Si(γ)-8.1Mn(γ)-13.7Cr(γ)-18.5Mo(γ)-29Ni(γ)-29Cu(γ)
    C(γ):オーステナイト相中のC含有量、 mass%
    N(γ):オーステナイト相中のN含有量、mass%
    Si(γ):オーステナイト相中のSi含有量、mass%
    Mn(γ):オーステナイト相中のMn含有量、mass%
    Cr(γ):オーステナイト相中のCr含有量、mass%
    Mo(γ):オーステナイト相中のMo含有量、mass%
    Ni(γ):オーステナイト相中のNi含有量、mass%
    Cu(γ):オーステナイト相中のCu含有量、mass%
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