JP7433111B2 - 二相系ステンレス鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、二相系ステンレス鋼に関する。
ステンレス鋼は代表的な耐食材料として各種用途に使用されているが、最近では耐候性の高い鋼種が開発されたこともあり、屋根、外装などの建築用資材の用途が増加しつつある。これらの外装建材用途では、単に腐食による発銹や穴開きが生じないだけでなく、施工後における外観上の美麗さが要求される。
従来、外装建材用のステンレス鋼としては、主としてSUS304やSUS316に代表されるオーステナイト系の鋼種が使用されてきた。これらの鋼種は、汎用ステンレス鋼の中でも比較的耐食性が高い。しかし、海水等塩化物を含む湿潤環境においては顕著な発銹が認められる等、外装建材用途での使用が困難な場合がある。
外装建材用の高耐食性ステンレス鋼として、例えば、特許文献1には、質量%で、Cr:16~35%、Ti:0.05~0.5%、Mo:0~6%(無添加を含む)、Nb:0~1.0%(無添加を含む)、N:0.005~0.025%を含有し、C含有量が0.015%以下に制限された二相系ステンレス鋼の光輝焼鈍鋼板または焼鈍・酸洗鋼板であって、圧延方向に直交する方向における鋼板表面の板幅内明度較差ΔLが5以下に調整されている、帯状外観むらの発生防止能に優れた外装建材用高耐食性ステンレス鋼板が開示されている。
特開2000-129405号公報
二相系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼と比較して、耐候性に優れている。しかしながら、従来の二相系ステンレス系は、表面に露出したフェライト相とオーステナイト相とで、光沢具合が異なり、外観にむらが確認される場合がある。そのため、外観の美麗さが要求される外装建材に適用する場合、従来の二相系ステンレス鋼は、改善の余地があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高耐候性と外観上の美麗さを共に満足できる二相系ステンレス鋼を提供することにある。
本発明者らは、二相系ステンレス鋼の表面に露出した、フェライト相が集合したフェライト相群およびオーステナイト相が集合したオーステナイト相群が、どちらも視認できる程度の幅であるため、従来の二相系ステンレス鋼は、外観上のむらが確認されるという知見を得た。そして、本発明者らは、表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅に対するフェライト相群の幅の比を制御すれば、外観上のむらが認識されなくなることに想到し、本発明をするに至った。
上記知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]
質量%で、
C:0.100%以下、
Si:0.01~5.0%、
Mn:0.01~8.00%、
P:0.100%以下、
S:0.05%以下、
Ni:1.00~10.0%、
Cr:20.00~30.0%、および、
N:0.05~0.80%、
を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、
表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RFが、0.1超0.5以下または2.0以上である、二相系ステンレス鋼板
[2]
Feの一部に代えて、質量%で、
Al:0.001~0.3%、
Ca:0.001~0.3%、
B:0.0001~0.1%、
Cu:0.1~5.0%、
Mo:0.1~5.0%、
Ti:0.001~0.40%、
Nb:0.001~0.40%、
Sn:0.001~0.5%、
V:0.001~0.5%、
W:0.001~0.5%、
Zr:0.001~0.5%、
Co:0.001~0.5%、
Mg:0.001~0.5%、
Hf:0.001~0.5%、
REM:0.001~0.5%、
Ta:0.001~0.5%、
Ga:0.001~0.5%、および、
Sb:0.001~0.5%、より選択される1種以上を含有する、[1]に記載の二相系ステンレス鋼板
本発明によれば、高耐候性と外観上の美麗さを共に満足できる二相系ステンレス鋼を提供することが可能である。
表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RFの算出方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<二相系ステンレス鋼>
<二相系ステンレス鋼の製造方法>
<二相系ステンレス鋼>
本実施形態に係る二相系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.100%以下、Si:0.01~5.0%、Mn:0.01~8.00%、P:0.100%以下、S:0.05%以下、Ni:1.00~10.0%、Cr:20.00~30.0%、および、N:0.05~0.80%、を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RFが、0.1超0.5以下または2.0以上である。
以下に、本実施形態に係る二相系ステンレス鋼について詳細に説明する。
[鋼の化学成分]
まず、本実施形態に係る二相系ステンレス鋼の化学成分について説明する。なお、成分を示す%は質量%を意味する。
C:0.100%以下
Cは、ステンレス鋼の耐食性を確保するため、0.100%以下の含有量に制限する。Cが0.100%を超えて含有すると、Cr炭化物が過剰に生成して、耐食性が劣化する。Cr炭化物の生成抑制の観点からは、C含有量は、好ましくは0.08%以下である。C含有量の下限は特に限定しないが、好ましくは0.05%以上である。
Si:0.01~5.0%
Siは、脱酸剤、脱硫剤として作用する。上記効果を得るため、Si含有量は、0.01%以上とする。Si含有量は、好ましくは0.1%以上である。一方で、Si含有量が5.0%を超えるとσ相の析出が促進される。そのため、Si含有量は、5.0%以下とする。Si含有量は、好ましくは4.0%以下であり、より好ましくは1.0%以下である。
Mn:0.01~8.00%
Mnは、オーステナイト安定化元素である。また、Mnは、脱酸剤として作用する。脱酸剤としての効果を得、かつ、ステンレス鋼の組織を二相組織にするため、Mn含有量は、0.01%以上とする。Mn含有量は、好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは1.0%以上である。一方、Mn含有量が、8.00%を超えると耐食性が劣化する。そのため、Mn含有量は、8.00%以下とする。Mn含有量は、好ましくは5.0%以下であり、より好ましくは3.5%以下である。
P:0.100%以下
Pは、ステンレス鋼中に不可避的に含有される元素である。Pは、加工性や溶接性を劣化させ、また、耐酸化性、耐食性をも劣化させる元素であるため、その含有量を制限する必要がある。そのため、P含有量を0.100%以下とする。P含有量は、好ましくは0.05%以下であり、より好ましくは0.04%以下である。下限は特に限定しないが、コストの観点から、P含有量は、好ましくは0.005%以上である。
Ni:1.00~10.0%
Niは、腐食が生じた際の腐食進展を抑制する効果と、二相組織にするためのオーステナイト安定化元素としての効果を有する。これらの効果を得るために、Ni含有量は1.00%以上とする。Ni含有量が1.00%未満であると、十分な耐食性が得られず、更に組織がフェライト単相となる。Ni含有量は、好ましくは1.5%以上であり、より好ましくは2.00%以上である。一方で、Ni含有量が10.0%を超えると、腐食抑制効果が飽和するとともに、組織がオーステナイト単相となる。またNiの使用量が増加してステンレス鋼が高価格となる。そのため、Ni含有量は、10.0%以下とする。Ni含有量は、好ましくは8.0%以下であり、より好ましくは6.0%以下である。
Cr:20.00~30.0%
Crは、耐食性および耐酸化性を向上させる。そのため、Cr含有量は、20.00%以上とする。Cr含有量は、好ましくは20.5%以上であり、より好ましくは21.0%以上である。一方、Cr含有量が30.0%を超えると、σ相の析出量が多くなり、耐食性および熱間製造性が劣化する。そのため、Cr含有量は、30.0%以下とする。Cr含有量は、好ましくは28.00%以下であり、より好ましくは26.0%以下である。
N:0.05~0.80%
Nは、耐食性を向上させる。また、Nは、オーステナイト安定化元素としての効果を有する。上記効果を得るために、N含有量は0.05%以上とする。N含有量は、好ましくは0.08%以上であり、より好ましくは0.12%以上である。一方で、Nが過剰に含有すると、耐粒界腐食性や加工性を低下させ、耐酸化性及び耐食性をも低下させる。そのため、N含有量は、0.80%以下とする。N含有量は、好ましくは0.30%以下であり、より好ましくは0.20%以下である。
本発明に係る二相系ステンレス鋼では、上述した元素以外の残部は、Feおよび不純物である。しかしながら、上述した各元素以外の他の元素も、本実施形態の効果を損なわない範囲で含有させることが出来る。なお、ここで言う不純物とは、本発明に係る二相系ステンレス鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
以上、本発明に係る二相系ステンレス鋼の基本成分について説明したが、本発明に係る二相系ステンレス鋼は、Feの一部に代えて、Al:0.001~0.3%、Ca:0.001~0.3%、B:0.0001~0.1%、Cu:0.1~5.0%、Mo:0.1~5.0%、Ti:0.001~0.40%、Nb:0.001~0.40%、Sn:0.001~0.5%、V:0.001~0.5%、W:0.001~0.5%、Zr:0.001~0.5%、Co:0.001~0.5%、Mg:0.001~0.5%、Hf:0.001~0.5%、REM:0.001~0.5%、Ta:0.001~0.5%、Ga:0.001~0.5%、および、Sb:0.001~0.5%、より選択される1種以上を含有することが好ましい。
Al:0.001~0.3%
Alは脱酸効果を有する元素である。Alによる脱酸効果を安定して得るためには、Al含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Al含有量は、より好ましくは、0.01%以上である。一方、Alは、多量に存在すると加工性を劣化させる。そのため、Al含有量は、好ましくは、0.3%以下である。Al含有量は、より好ましくは、0.05%以下である。
Ca:0.001~0.3%
Caは、熱間加工性を改善する元素である。Caによる熱間加工性改善効果を安定して得るためには、Ca含有量は、0.001%以上であることが好ましい。一方、Caが過剰に存在すると、かえって熱間加工性が低下する。そのため、Ca含有量は、0.3%以下であることが好ましい。Ca含有量は、より好ましくは0.01%以下である。
B:0.0001~0.1%
Bは、熱間加工性を改善する元素である。Bによる熱間加工性改善効果を安定して得るためには、B含有量は、0.0001%以上であることが好ましい。一方、Bが過剰に存在すると、かえって熱間加工性が低下する。そのため、B含有量は、0.1%以下であることが好ましい。B含有量は、より好ましくは0.01%以下である。
Cu:0.1~5.0%
Cuは、腐食が生じた際の腐食進展を抑制する効果を有する、Cuによる腐食進展抑制効果を得るために、Cu含有量は0.1%以上であることが好ましい。Cu含有量は、より好ましくは0.15%以上である。一方で、Cuが過剰に存在すると、鋳造時に割れが生じる場合がある。そのため、Cu含有量は、5.0%以下であることが好ましい。Cu含有量は、より好ましくは3.0%以下である。
Mo:0.1~5.0%
Moは、耐食性を向上させる。Moによる耐食性向上効果を安定して得るためには、Mo含有量は、0.1%以上であることが好ましい。Mo含有量は、より好ましくは0.2%以上である。一方、Moが過剰に存在すると熱間加工時にσ相が析出しやすくなる。そのため、Mo含有量は、5.0%以下であることが好ましい。Mo含有量は、より好ましくは4.0%以下である。
Ti:0.001~0.40%
TiはC、Nを固定してCr炭化物析出による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる元素である。そのため、Ti含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Ti含有量は、より好ましくは0.002%以上である。一方、Tiを過剰に含有させても効果は飽和する。そのため、Ti含有量は、0.40%以下であることが好ましい。Ti含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
Nb:0.001~0.40%
NbはC、Nを固定してCr炭化物析出による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる元素である。そのため、Nb含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Nb含有量は、より好ましくは0.01%以上である。一方、Nbを過剰に含有させても効果は飽和する。そのため、Nb含有量は、0.40%以下であることが好ましい。Nb含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
Sn:0.001~0.5%、
Snは、微量の含有で耐食性を向上させるのに有用な元素である。Snによる耐食性向上効果を安定して得るためには、Sn含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Sn含有量は、より好ましくは0.003%以上である。一方、Sn含有量が0.5%を超えるとコスト増が顕在化すると共に加工性も低下することがある。そのため、Sn含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Sn含有量は、より好ましくは0.1%以下である。
V:0.001~0.5%
Vは、耐食性、特に耐すき間腐食性を改善する。Vによる耐食性改善効果を安定して得るためには、V含有量は、0.001%以上であることが好ましい。V含有量は、より好ましくは0.05%以上である。一方、Vが過剰に存在ると、加工性を低下させることがあり、また、耐食性向上効果も飽和する。そのため、V含有量は、0.5%以下であることが好ましい。V含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
W:0.001~0.5%
Wは、耐食性、特に耐すき間腐食性を改善する。Wによる耐食性改善効果を安定して得るためには、W含有量は、0.001%以上であることが好ましい。W含有量は、より好ましくは0.005%以上である。一方、Wが過剰に存在すると、加工性を低下させることがあり、また、耐食性向上効果も飽和する。そのため、W含有量は、0.5%以下であることが好ましい。W含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
Zr:0.001~0.5%
Zrは、耐食性を向上させる元素である。Zrによる耐食性向上効果を安定して得るためには、Zr含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Zr含有量は、より好ましくは0.01%以上である。一方、Zrが過剰に存在すると、加工性が劣化することがある。そのため、Zr含有量は、好ましくは0.5%以下である。Zr含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
Co:0.001~0.5%
Coは、オーステナイト相の生成を促進し、フェライト相の粗大化を抑制する。Coによる上記効果を安定して得るためには、Co含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Co含有量は、より好ましくは、0.01%以上である。一方、Coが過剰に存在すると、高質化することがあるため、Co含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Co含有量は、より好ましくは、0.2%以下である。
Mg:0.001~0.5%
Mgは、熱間加工性を改善する元素である。Mgによる熱間加工性改善効果を安定して得るためには、Mg含有量は、0.001%以上であることが好ましい。一方、Mgが過剰に存在すると、かえって熱間加工性が低下する。そのため、Mg含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Mg含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
Hf:0.001~0.5%
Hfは、耐食性を向上させる元素である。Hfによる上記効果を安定して得るためには、Hf含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Hf含有量は、より好ましくは、0.05%以上である。一方、Hfが過剰に含有されると、加工性が低下することがある。そのため、Hf含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Hf含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
REM:0.001~0.5%
REMは、熱間加工性を改善する元素である。REMによる熱間加工性改善効果を安定して得るためには、Mg含有量は、0.001%以上であることが好ましい。一方、REMが過剰に存在すると、かえって熱間加工性が低下する。そのため、REM含有量は、0.5%以下であることが好ましい。REM含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
なお、REM(希土類元素)は、Sc、Y、およびLaからLuまでの15元素(ランタノイド)であり、REMは、上記の元素から選択される1種以上である。2種類以上の元素がREMとして含有される場合、REM含有量とは、含有される元素の合計量を言う。
Ta:0.001~0.5%
Taは介在物の改質により耐食性を向上させる元素である。Taによる上記効果を安定して得るためには、Ta含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Ta含有量は、より好ましくは0.05%以上である。一方、過剰なTaの含有は、常温での延性の低下や靭性の低下を招く場合がある。このため、Ta含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Ta含有量は、より好ましくは、0.2%以下である。
Ga:0.001~0.5%
Gaは耐食性および加工性向上に寄与する元素である。Gaによる上記効果を安定して得るためには、Ga含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Ga含有量は、より好ましくは0.05%以上である。一方、Ga含有量が0.5%超では、上記効果が飽和し、コスト増に繋がるのみである。そのため、Ga含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Ga含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
Sb:0.001~0.5%
Sbは、微量の含有で耐食性を向上させるのに有用な元素である。Sbによる耐食性向上効果を安定して得るためには、Sb含有量は、0.001%以上であることが好ましい。Sb含有量は、より好ましくは0.05%以上である。一方、Sb含有量が0.5%を超えるとコスト増が顕在化すると共に加工性も低下することがある。そのため、Sb含有量は、0.5%以下であることが好ましい。Sb含有量は、より好ましくは0.2%以下である。
[組織]
本実施形態に係る二相系ステンレス鋼は、表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RF(=Wα/Wγ)が、0.1超0.5以下または2.0以上である。なお、以下では、表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RFを、単に、幅比RFと呼称することがある。
ここで、図1を参照して、オーステナイト相群およびフェライト相群ならびに幅比RFの算出方法を説明する。図1は、表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RFの算出方法を説明するための図である。
まず、二相系ステンレス鋼の表面を、光学顕微鏡またはマイクロスコープを使い、拡大倍率を200倍以上、例えば、200倍、500倍、1000倍等として、オーステナイト相とフェライト相とを特定する。フェライト相は、例えば、光学顕微鏡で観察した場合、オーステナイト相よりも濃淡が濃く映し出される。光学顕微鏡による相の特定が困難な場合、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、電子線後方散乱回折(Electron Back Scattering Diffraction:EBSD)法で相を特定ことが好ましい。EBSD法を用いる場合、測定条件は、例えば、以下の条件とすることができる。すなわち、FE-SEM(例えば、日本電子製JSM-7200F)とEBSD検出器(例えばTSLソリューションズ製)で構成された装置を用いて、拡大倍率を200倍以上、例えば200倍、500倍、1000倍等としてEBSDの測定を行う。次いで、EBSDの測定データをEBSD解析ソフトウェアであるOIM-Analysis(TSL社製)を用いて、オーステナイト相とフェライト相を特定する。オーステナイト相群及びフェライト相群は、互いに略層状で観察される。オーステナイト相群は、複数のオーステナイト相が連結したものであり、例えば、図1では、フェライト相群の延在方向に延びて形成されている。
次いで、オーステナイト相及びフェライト相を特定した視野において、光学顕微鏡またはマイクロスコープを使い、拡大倍率を100倍として、観察画像を取得する。観察画像において、層状の組織の長い方向(通常は圧延方向)に対して略直交した直線(例えば、図1では、破線1~3)に交差するフェライト相群、オーステナイト相群の境界の点を調べる。例えば、図1に示すように、交差点間の距離をそれぞれの相群の幅とし、それぞれの相群の幅の合計をその視野のWα’、Wγ’とする。なお、視野の端にかかった相群は除外する。この様な測定を幅方向に対して20mm間隔で行い、その全ての平均値をその素材のWα、Wγとし、RFを算出する。
同じ相が粒界を隔てて存在している場合、これらを同じ相群と定義する。なお、一方の相群の中に幅10μm未満の他方の相が含まれている場合、その幅10μm未満の他方の相は、当該相の相群とせず、当該他方の相の幅も含めて、一方の相群の幅とする。例えば、オーステナイト相群の中に10μm未満のフェライト相が存在した場合、そのフェライト相も含めて一つのオーステナイト相群と定義し、そのオーステナイト相群の幅(例えば、図1に示すWγ,12、Wγ,22)を測定する。
上記の方法で測定された幅比RF(=Wα/Wγ)が、0.1超0.5以下であると、オーステナイト相群の幅Wγに対してフェライト相群の幅Wαが小さく、フェライト相群は、目視では外観上認識されない。その結果、二相系ステンレス鋼は、外観上のむらが認識されず、外観上の美麗なものとなる。幅比RFが小さいほど、オーステナイト相群の幅Wγに対してフェライト相群の幅Wαが小さいため、外観上のむらとして認識されにくくなる。RFが0.1以下の場合は、後述する表面処理工程における焼鈍中の雰囲気から鋼材に侵入する窒素の影響で表面のオーステナイト相率が高く、外観上のむらは無くなる。しかしながら、RFが0.1以下の場合は、過度の窒素の侵入で固溶しきれなくなった窒素がCr窒化物を形成しており、それに伴い、鋼材にはCr欠乏層が形成されている。Cr欠乏層は、耐孔食性が低いため、鋼材の耐食性が不適となる。よって、RFは、0.1超0.5以下である。RFは、例えば、0.2以上であってもよい。
また、幅比RF(=Wα/Wγ)が、2.0以上であると、フェライト相群の幅Wαに対してオーステナイト相群の幅Wγが小さく、オーステナイト相群は、目視では認識されにくい。その結果、二相系ステンレス鋼は、外観上のむらが認識されず、外観上の美麗なものとなる。幅比RFが大きいほど、フェライト相群の幅Wαに対してオーステナイト相群の幅Wγが小さいため、外観上のむらとして認識されにくくなる。そのため、幅比RFの上限は特段制限されないが、幅比RFは、例えば、3.0以下であってもよいし、2.5以下であってもよい。
本実施形態に係る二相系ステンレス鋼は、薄板、厚板、線材、棒材等、種々の形状であってよい。
ここまで、本実施形態に係る二相系ステンレス鋼を説明した。本実施形態に係る二相系ステンレス鋼板の製造方法は、特段制限されないが、例えば、以下の方法で製造することができる。以下に、本実施形態に係る二相系ステンレス鋼の製造方法の一例を説明する。
<二相系ステンレス鋼の製造方法>
本実施形態に係る二相系ステンレス鋼の製造方法は、製鋼工程、熱間圧延工程、熱延後焼鈍工程、熱延板酸洗工程、冷間圧延工程、冷延後焼鈍工程、冷延板酸洗工程、および表面処理工程を含む。表面処理工程以外の工程については、製造条件は特段制限されず、公知の方法を適用することができる。
[表面処理工程]
表面調整工程では、ステンレス素材の表面にショットブラスト処理を施し、その後焼鈍処理を施す。
ショットブラスト処理には、ステンレス素材のビッカース硬さよりビッカース硬さがHV100以上大きい素材であり、直径が2~10μmであるショットブラスト粒を用いることができる。
ショットブラスト粒の投射密度は、例えば、20~50個/mmとすることができる。また、投射エネルギーは、0.1~100μJとすることができる。ここでいう投射エネルギーは、ショットブラスト装置で設定されたエネルギー(投射直後のエネルギー)である。また、ショットブラスト装置のノズル先端からステンレス素材までの距離は、10~200cmとすることができる。上記条件でショットブラスト処理をステンレス素材に施すと、変形を防止しつつ、ステンレス素材の表面に転位を導入することができる。
ショットブラスト処理後、例えば、1020~1080℃で、40~100秒、焼鈍する。
焼鈍雰囲気は、例えば、窒素雰囲気、または、窒素雰囲気以外の不活性雰囲気もしくは真空雰囲気である。窒素雰囲気にて焼鈍することにより、ステンレス素材表面の組織の回復、再結晶とともに、雰囲気中のNがステンレス素材表面のオーステナイト相を安定化させ、オーステナイト相が増大する。窒素雰囲気において、例えば、1020~1080℃で、40~100秒、焼鈍することで、幅比RFが0.1超0.5以下となる。
また、窒素雰囲気以外の不活性雰囲気もしくは真空雰囲気にて焼鈍することにより、ステンレス素材表面の組織の回復、再結晶するとともに、ステンレス素材表面のNが除去されるため、オーステナイト相の増大が抑制され、相対的にフェライト相が増大する。その結果、幅比RFが2.0以上となる。
ここまで、本実施形態に係る二相系ステンレス鋼の製造方法の一例を説明した。
以下に、実施例を示しながら、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は本発明のあくまでも一例であって、本発明が下記の例に限定されるものではない。
まず、表1~8に示す化学成分を有するステンレス鋼の素材を真空誘導溶解炉にて溶製し、鋳造して鋳片を得た。その後、それぞれの鋳片を1200℃に均熱後、熱間鍛造および熱間圧延を行い6mmの熱延板を得た。熱延板を焼鈍、酸洗した後、冷間圧延して1mmの冷延板を得た。冷延板に対し、更に焼鈍、酸洗を実施した。
酸洗後の冷延板に対し、表1~8に示す条件の表面処理工程を実施してステンレス鋼板を得た。
製造したステンレス鋼板の幅比RFを以下の方法で算出した。光学顕微鏡またはマイクロスコープを使い、拡大倍率を200倍以上、例えば、200倍、500倍、1000倍等として、オーステナイト相とフェライト相を特定した。次いで、オーステナイト相及びフェライト相を特定した視野において、光学顕微鏡またはマイクロスコープを使い、拡大倍率を100倍として、観察画像を取得した。観察画像において、層状の組織の縦横比が長い方向(通常は圧延方向)に対して略直交した直線に交差するフェライト相群、オーステナイト相群の境界の点を調べた。交差点間の距離をそれぞれの相群の幅とし、それぞれの相群の幅の合計をその視野のWα’、Wγ’とした。なお、視野の端にかかった相群は除外した。この様な測定を幅方向に対して20mm間隔で行い、その全ての平均値をその素材のWα、Wγとし、RFを算出した。
ステンレス鋼板の耐食性は、以下の方法で評価した。JIS G0577:2014に準拠した方法で、3.5質量%NaCl水溶液を調製し、当該水溶液を用いて試験を行った。ここでは、3.5質量%NaCl水溶液の温度を80℃とした。試験により得られるアノード分極曲線において、電流密度が100μA・cm-2に達したときの電位を孔食電位(V´c100)[V]とした。なお、孔食電位測定に用いた試料は、表面に加工および化学処理を施さず、それぞれ表面処理工程における焼鈍処理前後の表面それぞれについて、孔食電位測定直前の研磨なども行わず測定に供した。焼鈍処理前後の孔食電位差ΔV´c100(焼鈍処理後の孔食電位-焼鈍処理前の孔食電位)が-0.05Vより小さい場合、実環境でも耐食性が発揮されないため不適とした。
また、外観評価について、以下の方法で評価した。ステンレス鋼板の表面について、50mm角が露出するように表面をマスキングし、その50mm角で筋状のむらが認められるかを目視観察した。むらが認められた場合を評点1、認められなかった場合を評点0とした。上記評価をステンレス鋼板表面の10か所で行い、評点の合計(0~10)で評価した。この評点の合計が3以下であれば、実用上十分に美麗であると評価した。
表1~8に製造条件および評価結果を示す。
Figure 0007433111000001
Figure 0007433111000002
Figure 0007433111000003
Figure 0007433111000004
Figure 0007433111000005
Figure 0007433111000006
Figure 0007433111000007
Figure 0007433111000008
得られた各鋼板の化学組成は、それぞれのステンレス鋼の素材の化学組成と実質的に同一であった。また、表1~8に示すように、本発明に係るステンレス鋼板は、耐食性に優れ、かつ、外観が美麗であった。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.100%以下、
    Si:0.01~5.0%、
    Mn:0.01~8.00%、
    P:0.100%以下、
    S:0.05%以下、
    Ni:1.00~10.0%、
    Cr:20.00~30.0%、および、
    N:0.05~0.80%、
    を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、
    表面における圧延方向に直交する方向の、オーステナイト相群の幅Wγに対するフェライト相群の幅Wαの比RFが、0.1超0.5以下または2.0以上である、二相系ステンレス鋼板
  2. Feの一部に代えて、質量%で、
    Al:0.001~0.3%、
    Ca:0.001~0.3%、
    B:0.0001~0.1%、
    Cu:0.1~5.0%、
    Mo:0.1~5.0%、
    Ti:0.001~0.40%、
    Nb:0.001~0.40%、
    Sn:0.001~0.5%、
    V:0.001~0.5%、
    W:0.001~0.5%、
    Zr:0.001~0.5%、
    Co:0.001~0.5%、
    Mg:0.001~0.5%、
    Hf:0.001~0.5%、
    REM:0.001~0.5%、
    Ta:0.001~0.5%、
    Ga:0.001~0.5%、および、
    Sb:0.001~0.5%、より選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の二相系ステンレス鋼板
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