JP2006230138A - 同期機の揃速制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 同期機の慣性能率が大きくても短時間で同期並入が得られるようにした同期機の揃速制御装置を提供すること。
【解決手段】 同期機の電力系統に対する同期並入のための回転速度制御を、電力系統の周波数と同期機の周波数の差に応じて発生される揃速速度増操作パルス10と揃速速度減操作パルス11により行なうようにした同期機の揃速制御装置において、揃速速度増操作パルス10による揃速速度指令値にリミッタ上限LU を設定し、揃速速度減操作パルス11による揃速速度指令値にリミッタ下限LL を設定したもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は、同期機の同期並入時における回転速度を電力系統の周波数に合わせて制御する揃速制御装置及び方法に係り、特に、電力系統と同期機の間の周波数差を同期並入に必要な範囲内に収めるための同期機の揃速制御装置及び方法に関する。
周知のように、発電機や電動機などの同期機を電力系統に同期並入させる場合、電力系統と同期機の間に次の条件が満たされていなければならない。すなわち、(1) 電圧が一致していること。(2) 周波数が一致していること。(3) 電圧位相が一致していること。
しかし、電力系統の電圧と周波数は、一般に必ずしも一定ではなく、時々刻々と変化しており、従って、これらの条件を厳密に一致させるのは困難であり、このため、通常は同期機が機械的にも電気的にも許容できる範囲内で条件が一致したとき、同期並入を行なっている。
このときの動作を具体的に説明すると、例えば水力発電所などで、水車などの原動機により駆動される同期機の周波数(同期機周波数fG とする)を電力系統の周波数(電力系統周波数fK とする)に一致させる場合は、並列用遮断器を挟んで電力系統側に接続された計器用変圧器と同期機側に接続された計器用変圧器を設け、これらの双方から得られる電圧を同期装置に入力して周波数差を検出し、揃速制御装置により原動機の調速機を調速機制御装置により制御して、前記周波数差が所定の範囲内に収まるように同期機の速度(回転速度)を調整している。
また、例えば揚水発電所などで、同期機を電動機として始動し、周波数を電力系統周波数に一致させる場合には、上記した原動機による駆動時の場合における調速機に代えて、同期機の始動に使用されている始動制御装置を揃速制御装置により制御し、原動機による駆動時と同様、前記周波数差が所定の範囲内に収まるように同期機の速度を調整し、ボイラー圧力の上昇を考慮して下げ方向レートリミッターを設けている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−127099号公報
上記従来技術は、同期機を含む回転部分の慣性能率に配慮がされておらず、同期並入に比較的多くの時間を要してしまうという問題があった。
上記したように、同期機を電力系統に並入させる際の揃速制御は、同期装置が揃速速度指令値を操作し、調速機制御装置又は始動制御装置により制御されている同期機の速度を揃速速度指令値に向かわせるように制御することで行なわれているが、このとき、揃速速度指令値に初期値が設定される。
例えば電力系統周波数が50Hzなら、これを目標速度100%として初期値が設定され、従って、始動時、同期機は目標速度100%に向かって加速していく。そこで同期装置は、同期機が目標速度に充分に近づいて、例えば99%速度に達したら、ここから揃速速度制御を開始する。
そして、電力系統周波数と同期機周波数から得た周波数差に応じた揃速速度増減パルスを出力し、揃速速度指令値を変化させ、同期装置により操作された揃速速度指令値を調速機制御装置又は始動制御装置が受け、同期機速度が揃速速度指令値に近づいてゆくように制御を行なう。
この場合、同期並入に必要な同期機周波数は電力系統周波数と同じであるので、例えば電力系統の周波数変動を50Hz±0.1Hzとした場合、揃速速度指令値が99.8%〜100.2%の間に収斂されていれば、同期機を同期並入できることになる。
ところで、このように電力系統と同期機の周波数差により同期装置が揃速速度指令値を操作するようにした場合、周波数差が存在している間は、その差を埋める方向の揃速速度指令値が出力され続けることになるが、このとき同期機を含む回転部分の慣性能率が大きいと速度応答が遅くなり、かなり時間が経過しても周波数差が無くならない。
ここで電力系統周波数の変動が大で、揃速速度指令値に設定されている初期値から離れている場合は、揃速速度指令値が出力されている時間が長くなり、この結果、従来技術では、同期機を含む回転部分の慣性能率が大きい場合、同期並入に多くの時間を要してしまうという問題が生じてしまうのである。
本発明の目的は、同期機の慣性能率が大きくても短時間で同期並入が得られるようにした同期機の揃速制御装置及び方法を提供することにある。
上記目的は、同期機の電力系統に対する同期並入のための回転速度制御を、電力系統の周波数と同期機の周波数の差に応じて発生される揃速速度増操作パルスと揃速速度減操作パルスにより行なうようにした同期機の揃速制御装置において、前記揃速速度増操作パルスによる揃速速度指令値に上限値を設定し、前記揃速速度減操作パルスによる揃速速度指令値に下限値を設定する手段が設けられているようにして達成される。
同じく上記目的は、同期機の電力系統に対する同期並入のための回転速度制御を、電力系統の周波数と同期機の周波数の差に応じて発生される揃速速度増操作パルスと揃速速度減操作パルスにより行なうようにした同期機の揃速制御装置において、前記揃速速度増操作パルスによる揃速速度指令値に上限値を設定し、前記揃速速度減操作パルスによる揃速速度指令値に下限値を設定する手段と、前記上限値と前記下限値を、電力系統の周波数と揃速速度指令の初期値の差に応じて異なった上限値と下限値に切換える手段が設けられているようにしても達成される。
このとき、前記同期機が原動機で駆動され、前記原動機の回転速度が前記揃速速度指令値により制御されることによっても上記目的が達成され、同じくこのとき、前記同期機が揃速制御時、電力変換手段を介して電力系統から供給される電力により駆動され、前記電力変換手段の出力周波数が前記揃速速度指令値により制御されるようにしても達成される。
上記した問題は、慣性能率が大きな同期機の場合において、揃速速度指令値が電力系統周波数とは無関係に操作されることにより発生するものであり、これを解決するためには、揃速速度指令値に操作制限を設ければ良い。すなわち、同期装置からの揃速速度増減パルスによる揃速速度指令値操作に、電力系統定格周波数±周波数変動分相当のリミッタを設け、必要以上に変化させなくさせることにより、同期機の速度追従が遅くとも揃速速度指令値が電力系統周波数変動範囲内に有るため、同期並入の時間を短縮させることができる。
このように揃速速度指令値操作に制限を設けた場合、電力系統周波数の変動が大きく、電力系統周波数が設定したリミッタの範囲外にある場合においては、揃速速度指令値が電力系統周波数相当の速度指令値まで操作できなくなることが考えられる。
これを解決するためには、同期機速度が揃速速度指令値上限にある場合、同期装置から速度増パルスが出力されたとき揃速速度指令値変化制限範囲を速度増側に移動させ、同期機速度が揃速速度指令値下限にある場合に同期装置から速度減パルスが出力されたときは揃速速度指令値変化制限範囲を速度減側に移動させることで揃速速度指令値操作が可能となり、同期機速度を電力系統周波数相当に調整することができる。
前記手段によれば、揃速速度指令値に電力系統定格周波数±周波数変動分相当のリミッタを設けることで、同期装置からの揃速速度増減パルスによる揃速速度指令値操作を制限し、揃速速度指令値を電力系統周波数変動範囲内とすることができるため、同期機の速度追従が遅くとも揃速速度指令値が電力系統周波数変動範囲内に有るため同期並入の時間を短縮させることができる。
更に、前記手段によれば、電力系統周波数変動が大きくて電力系統周波数がリミッタ範囲外となる場合においては、同期機速度と同期装置が出力する揃速速度増減パルスとの関係から得られる条件により揃速速度指令値リミッタ範囲を移動させることによって揃速制御を可能にできる。
本発明によれば、同期機の揃速速度指令値に制限値が与えられるので、揃速速度指令値の変化に対する同期機の速度追従性が遅い場合でも、電力系統への同期並入に遅れが生じるのが抑えられ、結果として同期並入時間を短縮することができる。
また、本発明によれば、揃速速度指令値の操作範囲を電力系統の周波数変動に応じて移動されるようにできるので、電力系統の周波数変動が大きい場合でも、同期機の同期並入を可能にすることができる。
以下、本発明による同期機の揃速制御装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。なお、本発明の適用対象には、典型例として水力発電所と揚水発電所がある。そこで、以下、本発明を水力発電所の同期機に適用した場合を一実施形態とし、本発明を揚水発電所の同期機に適用した場合を他の一実施形態として、順次説明する。
まず、図1は、本発明の一実施形態で、従って、図示の同期機6は水車19を原動機として駆動され、発電機として動作し、電力を発生する。このため、同期機6は、相反転断路器4、並列用遮断器5、主変圧器3、それに上位系遮断器2を介して電力系統1に接続されるようになっている。なお、同期機6の動作には励磁装置を必要とするが、この図では省略してある。
水車19は、例えばフランシス型の水車で、ガイドベーン調整機構(図示してない)を備えていて、これに調速機制御装置14からガイドベーン操作信号16を供給することにより速度が制御され、同期機6で発電された電圧の周波数が制御される。
同期装置9は、電力系統側電圧7と同期機側電圧8を取込み、電力系統周波数fK と、同期機周波数fG の差に基づいて揃速速度増操作パルス10と揃速速度減操作パルス11を生成し、これらのパルスを揃速制御装置12に供給する。ここで「fG<fK」の場合は揃速速度増操作パルス10を発生し、反対に「fG>fK」の場合は揃速速度減操作パルス11を発生する。
揃速制御装置12は、同期機6を電力系統1に同期並入させる際、調速機制御装置14に供給すべき揃速速度指令値13を、揃速速度増操作パルス10と揃速速度増減操作パルス11に応じて増減制御する。そこで調速機制御装置14は、速度検出用センサ17から水車19の速度検出用信号18を取込み、水車19の速度、つまり同期機6の速度が揃速速度指令値13により与えられる速度に収斂してゆくように、ガイドベーン操作信号16をフィードバック制御するのである。
次に、図2は、本発明の他の一実施形態で、この場合、同期機6は、電力系統1からサイリスタ変換器26を介して供給される電力により駆動され、ポンプ水車(図示してない)を駆動する電動機として動作するようになっている。そして始動に際しては、始動用電源側遮断器23を投入して始動用変圧器24を充電し、始動用断路器31と始動用遮断器25を投入してサイリスタ変換器26を動作可能状態にする。
そこで始動制御装置22は、ロータ位置検出用センサ21からロータ位置検出信号(速度検出用信号)20を取込み、コンバータ側同期電源29とインバータ側同期電源30に基いてコンバータ側サイリスタ点弧パルス27及びインバータ側サイリスタ点弧パルス28を生成し、これらをサイリスタ変換器26に供給する。このとき始動制御装置22では、揃速速度指令値13により同期機6に供給される電力の周波数を制御し、同期機6の速度が制御されるようにする。
サイリスタ変換器26は、コンバータ側サイリスタ点弧パルス27及びインバータ側サイリスタ点弧パルス28により、電力変換手段として制御され、電力系統1から供給されている電力を始動用の三相交流電力に変換し、この始動用三相交流電力を、始動用遮断器25と始動用断路器31を介して同期機6に供給し、始動を行なう。
そして、同期機6を揃速制御し電力系統1に同期並入させる際は、同期装置9が電力系統側電圧7と同期機側電圧8の周波数差により与えられる揃速速度増操作パルス10又は揃速速度減操作パルス11を揃速制御装置12に与え、揃速制御装置12では、これらのパルスにより揃速速度指令値13の増減を行い、揃速速度指令値13を始動制御装置22に出力し、これにより同期機6の速度が揃速速度指令値13により与えられる速度に収斂してゆくように、サイリスタ変換器26の出力周波数をフィードバック制御するのである。
次に、図1の実施形態における揃速制御装置12と調速機制御装置14の詳細について、図3により説明する。
まず、揃速制御装置12は、同期装置9から供給される揃速速度増操作パルス10により切換動作し、該パルス10がレベル1のとき、増操作量Δaを加算部122の加算入力に供給する働きをする切換部120と、同じく同期装置9から供給される揃速速度減操作パルス11により切換動作し、該パルス11がレベル1のとき、減操作量Δbを加算部122の減算入力に供給する働きをする切換部121とを備えている。
このとき、揃速速度増操作パルス10と揃速速度減操作パルス11は同時に発生されることはなく、一方が発生しているときに他方も発生されることはない。従って、加算部122から出力される増/減操作量は、揃速速度増操作パルス10と揃速速度減操作パルス11の状態に応じて、次の3パターンとなる。
パターン1:揃速速度増操作パルス10と揃速速度減操作パルス11の双方が発生してないとき
増/減操作量⇒0
パターン2:揃速速度増操作パルス10が発生しているとき
増/減操作量⇒増操作量Δa
(揃速速度増操作パルス10と同じパルス幅で同じ周期の
パルスとして発生される)
パターン3:揃速速度減操作パルス11が発生しているとき
増/減操作量⇒減操作量Δb
(揃速速度減操作パルス11と同じパルス幅で同じ周期の
パルスとして発生される)
加算部122から出力される増/減操作量は設定器123に供給され、100%の揃速速度初期値に対して演算される。従って、パターン1のとき、すなわち、増/減操作量が0のときは、100%の初期値がそのまま揃速速度指令値13となるが、パターン2のとき、すなわち増/減操作量が増操作量Δaのときは、100%+Δa、100%+2Δa、……が揃速速度指令値13となり、減操作量Δbのときは、100%−Δb、100%−2Δb、……が揃速速度指令値13となり、調速機制御装置14に供給される。
このとき、設定器123には、図示のように、リミッタ上限LU とリミッタ下限LL が設定してあり、これにより揃速速度指令値13は、最大でもリミッタ上限LU 未満に収まり、最小でもリミッタ下限LL を割らないように制限されている。つまり、LU >揃速速度指令値13>LL になるように構成されている。従って、例えば電力系統1の周波数変動が±0.1Hz以下の場合、リミッタ上限LU は、例えば100.2%に設定し、リミッタ下限LL は、例えば99.8%に設定する。
次に、調速機制御装置14は、プラント制御装置から入力される揃速開始指令Sにより切換動作し、揃速開始指令Sが入力されていないときは、100%の速度指令初期値を目標速度指令値33として取り出し、揃速開始指令Sが入力されたときは揃速速度指令値13を目標速度指令値33として取り出す切換部140と、この切換部140から供給される目標速度指令値33を、速度検出用センサ17から速度検出用信号18として入力されている同期機速度32と比較し、これらの差、つまり速度偏差を、ガイドベーン操作信号16として出力する比較部141を備えている。
次に、この図3に示した揃速制御装置12と調速機制御装置14を備えた図1の実施形態において、水力発電所の運転が開始され、同期機6を電力系統1に同期並入する際の動作について説明する。
プラント制御装置により水車19が始動されると、その後、上記したように、調速機制御装置14から供給されるガイドベーン操作信号16により、水車19の速度は、100%の速度指令初期値(電力系統周波数fK が定格値のときの速度を100%とする)に向かって上昇してゆくように制御される。そして、このときの状況は、図4の時刻tS 以前に示されているが、このとき電力系統周波数fK は、図示のように、100%の速度指令初期値で与えられている周波数f0 よりも高くなっているものとする。
ここで、いま、同期機6の速度が目標速度指令値33に充分に近づいた時点を上記した時刻tS とすると、この時刻tS でプラント制御装置から揃速開始指令Sが発生され、調速機制御装置14に入力される。そこで、この時刻tS で調速機制御装置14の切換部140が切換わり、この結果、比較部141に入力されている目標速度指令値33は、速度指令初期値100%から揃速制御装置12の出力である揃速速度指令値13に切り替わる。
ここで図4から明らかなように、この時刻tS では、同期機周波数fG は電力系統周波数fK より低いので、同期装置9からは、図示のように揃速速度増操作パルス10が出力されている。そこで、この時刻tS 以降、目標速度指令値33には、揃速速度増操作パルス10が発生される毎に、増操作作量Δaが加算されるようになり、この結果、目標速度指令値33が、図示のように、順次、増操作作量Δa分、階段状に増加され、これにより同期機6の速度を上げ、同期機周波数fG が電力系統周波数fK に近づいてゆくように制御する。
このとき、揃速制御装置12の設定器123には、既に説明したように、リミッタ上限LU とリミッタ下限LL が設定され、揃速速度指令値13は、最大でもリミッタ上限LU 未満に収まり、最小でもリミッタ下限LL を割らないように制限されている。従って、この時点では、まだ揃速速度増操作パルス10が発生しているにも係らず、目標速度指令値33は、リミッタ上限LU に達した時点t1 で以後の増加が止められてしまう。
そして、この時点t1 以降は、図示のように、リミッタ上限LU に留まったままにある目標速度指令値33に同期機周波数fG が追従し、それに達するのを待つ状態になる。ここで同期機周波数fG が速やかに目標速度指令値33に追従してゆかないのは、同期機6の水車19も含む慣性能率のためで、このとき従来技術では、リミッタ上限LU が設定されていないので、目標速度指令値33は、揃速速度増操作パルス10が発生している限り、増加し続けてしまうことは既に説明した通りである。
こうしてリミッタ上限LU に留まっている目標速度指令値33により同期機6の速度が上昇している過程で、電力系統周波数fK が目標速度指令値33から低下方向に変動し、同期機周波数fG よりも低下したとする。そうすると、この直後の時点t2 で揃速速度増操作パルス10に代えて揃速速度減操作パルス11が発生され、この結果、今度は目標速度指令値33が段階的に低下されるようになり、この後、電力系統周波数fK と同期機周波数fG の差が減少して揃速速度減操作パルス11の発生が停止した後、電力系統周波数fK が目標速度指令値33に一致した時点tD で同期装置9が同期並入指令15を発生し、これにより並列遮断器5を投入させ、同期並入動作が完了されることになる。
従って、この実施形態によれば、揃速速度指令値にリミッタ上限値とリミッタ下限値が設けられているので、同期機6の速度応答に遅れが多くて揃速速度指令値操作パルスが数多く入力されたとしても、揃速速度指令値33はリミッタ設定範囲内で操作されることになり、この結果、揃速速度指令値が実際の電力系統周波数から大きく外れることは無く、揃速時間の遅れを抑え、同期並入に必要な時間を短縮させることができる。
ところで、以上は、電力系統周波数fK が100%の速度指令初期値で与えられている周波数f0 よりも高くなっている場合の動作についての説明であるが、電力系統周波数fK が周波数f0 より低くなっていた場合は、プラント制御装置から揃速開始指令Sが発生された時刻tS 以降、揃速速度減操作パルス11が発生され、その都度、減操作作量Δbの加算により、結果として減算され、最終的に電力系統周波数fK が目標速度指令値33に一致した時点tD で同期装置9が同期並入指令15を発生し、これにより並列遮断器5を投入させ、同期並入動作が完了される点は同じであり、このとき目標速度指令値33にリミッタ下限LL が設けられる点も同じであるから、詳しい説明は割愛する。
また、以上の説明は、何れも図1に示した水力発電所において、水車19の速度を制御し、同期機6の同期並入動作を行なう場合の動作についてのものであるが、図2の揚水発電所に適用してサイリスタ変換器26を制御し、同期機6の同期並入動作を行なう場合は、図3における調速機制御装置14に代えて始動制御装置22を設け、速度検出センサ17から取り込んでいる速度検出用信号18に代えてロータ位置検出用センサ21から回転子位置検出用信号(速度検出用信号)20を取込み、揃速速度指令値13により同期機6に供給される電力の周波数を制御し、同期機6の速度が制御されるようにすればよい。
従って、この場合でも、揃速速度指令値にリミッタ上限値とリミッタ下限値が設けられている点も含め、同期並入動作が完了されるまでの動作は、図1の実施形態の場合と同じであるから、詳しい説明は割愛する。
ところで、既に説明したように、電力系統周波数fK は、一般に必ずしも一定ではないので、電力系統周波数fK がリミッタ上限LU を越えていたり、リミッタ下限LL を下回って変化する場合もある。
そこで、このように電力系統周波数の変動が大きい場合に特に有効な本発明の一実施形態について、以下に説明すると、この実施形態は、リミッタ範囲が電力系統周波数の変動に応じて遷移してゆくようにしたもので、このため、図1又は図2における揃速制御装置12として、図5に示す揃速制御装置12Aを使用するようになっている。
ここで、この揃速制御装置12Aでも、図3の揃速制御装置12と同じ部分については、同じ符号が付してあり、従って、揃速制御を開始するまでの動作は図3の揃速制御装置12と同じである。すなわち、同期機周波数fG が電力系統周波数fK より低いときは、揃速速度指令値13により調速制御装置14又は始動制御装置22の目標速度指令値33が階段状に増加され、これにより同期機6の速度を上げ、同期機周波数fG が電力系統周波数fK より高いときは、同期機6の速度を下げるように制御され、このとき設定器123により揃速速度指令値13にリミッタ上限LU とリミッタ下限LL が与えらるようになっている点も同じである。
しかし、この揃速制御装置12Aでは、このときのリミッタ上限LU とリミッタ下限LL が電力系統周波数fK に応じて遷移されるようになっている点で、図3の揃速制御装置12とは異なっており、このため、リミッタ値切換用の切換部125〜128が設けられ、3種類のリミッタ範囲によるリミッタ上限LU とリミッタ下限LL が切換えて設定されるようになっている。そして、このときの3種類のリミッタ範囲は、図6に示すようになっている。
リミッタ範囲A:リミッタ下限LLAからリミッタ上限LUAまで
リミッタ範囲B:リミッタ下限LLBからリミッタ上限LUBまで
リミッタ範囲C:リミッタ下限LLCからリミッタ上限LUCまで
切換部125〜128のうち、切換部125と切換部126は、A範囲選択部から出力される切換信号SAにより、図示の切換位置から上側の切換位置に切換制御され、切換部127と切換部128は、C範囲選択部から出力される切換信号SCにより、図示の切換位置から上側の切換位置に切換制御される。従って、切換信号SAと切換信号SCが出力されていないときにはリミッタ範囲Bが適用され、リミッタ上限LU にはリミッタ下限LLB が設定され、リミッタ下限LL にはリミッタ上限LUB が設定されていることになる。
このとき、A範囲選択部は、揃速制御開始時、同期機速度32がリミッタ上限LUB 以上にあること(b≧a)を一方の条件とし、同期装置9から入力される揃速速度増操作パルス10のカウント値が操作数設定以上(c>d)になったことを他方の条件として、これら一方と他方の条件が成立している間だけ切換信号SAを発生する働きをする。
また、C範囲選択部は、同じく揃速制御開始時、同期機速度32がリミッタ下限LLB 以下にあること(e≧f)を一方の条件とし、同期装置9から入力される揃速速度減操作パルス11のカウント値が操作数設定以上(g>h)になったことを他方の条件として、これら一方と他方の条件が成立している間だけ切換信号SCを発生する働きをする。
そこで、いま、図7に示すように、電力系統周波数fK がリミット範囲Bのリミッタ上限LUB を越えていたとする。この場合、同期装置9から揃速速度増操作パルス10が入力されると、このパルスがカウントされ、それが操作数設定以上になったら、電力系統周波数fK がリミット範囲Bより高い周波数であると判断し、切換信号SAが発生される。
これによりリミッタ範囲Bからリミッタ範囲Aに切替わり、リミッタ上限値がリミッタ上限LUA まで高くされ、この結果、揃速速度指令値13を更に速度上げ方向に操作できるようになり、従って、この実施形態によれば、電力系統周波数fK がリミット範囲Bのリミッタ上限LUB を越えていた場合でも、容易に同期機6の速度を電力系統周波数fK に揃速制御することができる。
次に、今度は電力系統周波数fK がリミット範囲Bのリミッタ下限LLB 以下になっていたとする。この場合、同期装置9から揃速速度減操作パルス11が入力されると、このパルスがカウントされ、それが操作数設定以上になったら、電力系統周波数fK がリミット範囲Bより低い周波数であると判断し、今度は切換信号SCが発生される。
そこで今度はリミッタ範囲Bからリミツタ範囲Cに切替わり、リミッタ下限値がリミッタ下限LLC まで低くされ、この結果、揃速速度指令値13を更に速度下げ方向に操作できるようになり、従って、この実施形態によれば、電力系統周波数fK がリミット範囲Bのリミッタ下限LLB 以下になっていた場合でも、容易に同期機6の速度を電力系統周波数fK に揃速制御することができる。
このときのリミッタ範囲の切替えは、図6に示されているように、リミッタ上限値とリミッタ下限値を同時に切替えることにより与えられるので、揃速速度指令値13の操作制限範囲は切替えの前後でも同一に保たれるため、揃速速度指令値に対する同期機の速度追従遅れによる揃速速度指令値操作制限をリミッタ切替え前と同等とすることができ、従って、この実施形態によれば、リミッタ切替実施後においても実際の電力系統周波数から揃速速度指令値が大きく外れることは無く、揃速時間が短縮できるという効果を得ることができる。
本発明による同期機の揃速制御装置が適用された設備の一例を示すブロック構成図である。 本発明による同期機の揃速制御装置が適用された設備の他の一例を示すブロック構成図である。 本発明による同期機の揃速制御装置の一実施形態を示すブロック構成図である。 本発明による同期機の揃速制御装置の一実施形態の動作を説明するためのタイミング図である。 本発明による同期機の揃速制御装置の他の一実施形態を示すブロック構成図である。 本発明による同期機の揃速制御装置の他の一実施形態におけるリミット範囲の説明図である。 本発明による同期機の揃速制御装置の他の一実施形態の動作を説明するためのタイミング図である。
符号の説明
1:電力系統
2:上位系遮断器
3:主変圧器
4:相反転断路器
5:並列用遮断器
6:同期機
7:電力系統側電圧
8:同期機側電圧
9:同期装置
10:揃速速度増操作パルス
11:揃速速度減操作パルス
12、12A:揃速制御装置
13:揃速速度指令値
14:調速機制御装置
15:同期並入指令
16:ガイドベーン操作信号
17:速度検出用センサ
18:速度検出用信号
19:水車
20:ロータ位置検出信号(速度検出用信号)
21:ロータ位置検出用センサ
22:始動制御装置
23:始動用電源側遮断器
24:始動用変圧器
25:始動用遮断器
26:サイリスタ変換器
27:順変換器側サイリスタ点弧パルス
28:逆変換器側サイリスタ点弧パルス
29:順変換器側同期電源
30:逆変換器側同期電源
31:始動用断路器
32:同期機速度信号

Claims (5)

  1. 同期機の電力系統に対する同期並入のための回転速度制御を、電力系統の周波数と同期機の周波数の差に応じて発生される揃速速度増操作パルスと揃速速度減操作パルスにより行なうようにした同期機の揃速制御装置において、
    前記揃速速度増操作パルスによる揃速速度指令値に上限値を設定し、前記揃速速度減操作パルスによる揃速速度指令値に下限値を設定する手段が設けられていることを特徴とする同期機の揃速制御装置。
  2. 同期機の電力系統に対する同期並入のための回転速度制御を、電力系統の周波数と同期機の周波数の差に応じて発生される揃速速度増操作パルスと揃速速度減操作パルスにより行なうようにした同期機の揃速制御装置において、
    前記揃速速度増操作パルスによる揃速速度指令値に上限値を設定し、前記揃速速度減操作パルスによる揃速速度指令値に下限値を設定する手段と、
    前記上限値と前記下限値を、電力系統の周波数と揃速速度指令の初期値の差に応じて異なった上限値と下限値に切換える手段が設けられていることを特徴とする同期機の揃速制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の同期機の揃速制御装置において、
    前記同期機が原動機で駆動され、
    前記原動機の回転速度が前記揃速速度指令値により制御されることを特徴とする同期機の揃速速度制御装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の同期機の揃速制御装置において、
    前記同期機が揃速制御時、電力変換手段を介して電力系統から供給される電力により駆動され、
    前記電力変換手段の出力周波数が前記揃速速度指令値により制御されることを特徴とする同期機の揃速速度制御装置。
  5. 同期機の電力系統に対する同期並入のための回転速度制御を、電力系統の周波数と同期機の周波数の差に応じて発生される揃速速度増操作パルスと揃速速度減操作パルスにより行なうようにした同期機の揃速制御方法において、
    前記揃速速度増操作パルスによる揃速速度指令値に上限値を設定し、前記揃速速度減操作パルスによる揃速速度指令値に下限値を設定したことを特徴とする同期機の揃速制御方法。
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